V 3
点
)と
合 わ せ て 考 え る と、SB10付
近 に集 中 して お り、 施 釉 瓦 は 坪 内 の 特 定 の 性 格 の建 物 に葺 かれ て い た 可 能 性 が 高 い。(3)平
安 時代 に本 坪 内 で 何 らか の 鋳 造 活 動 が 行 な わ れ た 。6
旧石 器 時代 の石 器 集 中 区旧石器 時代 の石器 (以 下 旧石 器 とす る
)の
発 見 の 経 緯3月 中旬 以 降 、建物 の 重 複 関 係 の 検 討 と柱 穴 の縦 断 面 の 図 化 を行 って き た と こ ろ、調 査 区 中央 部 と西 南 部 の
2ケ
所 の 柱 穴 で 白 く風 化 した サ ヌ カ イ トを使 用 した 石器 (石核 と景1片)が
12点 発 見 され た。 これ らは風 化 が 縄 文 、 弥 生 時 代 の サ ヌ カ イ ト製 石 器 に比べ て進 ん で お り、 調 査 区 か らは縄 文 、 弥 生 土 器 が 未 発 見 で あ る こ とか ら、 旧石器 の 可能 性 が 高 い と推 定 され た。 奈 良 時 代 の 遺 構 の 調 査 を 終 了 後 、 石 器 採 集 位 置 を 中 心 にA、 B、 Cの 3ト レ ンチ (図38)を
設 定 して 、 そ れ らの 石 器 の元来 の包 合位 置 を確 認 す る調 査 を行 った。 この 結 果 、 奈 良 時 代 の 遺 構 面 か ら50cm下
の砂混 じり黄褐 色粘土層、 青黄褐色 粘 土 層 か らナ イ フ形 石 器 、 石 刃 、 細 石 刃 、翼状 景I片とい う旧石 器 時 代 を 代 表 す る石 器 を 含 む 多 数 の 石 器 を 発 見 し、 石 器 が 旧石器 時代 の もので あ る こ とを確 定 した 。旧石器 の 出土 状 況
出土 した 石 器 は、A、 Bト レ ンチ に お いて 、 第37、 39図 に 示 した よ うに 直 径 2
〜
3mの
円形 に近 い集 中 部 分 を 持 つ 分 布 を して お り、 そ れ が3ケ
所 あ る。 と くに 第2石
器 集 中 区で は礫 皮 つ きの 景1片、 砕 片 を 含 む 実 に700点 を越 す 石 器 が 出 上 し た。 この ことか ら3ケ所 で 石 器 の 製 作 が 行 わ れ て い た こ と、 これ らの 旧石 器 人 が 残 して い った ものが 、 そ の 後 の 気 侯 や 流 水 の 影 響 で 上 下 して いて も、 水 平 的 に み れ ば元来 の場 所 を ほ とん ど動 いて い な い こ とが わ か る。石器 (巻末写 真)
旧 石 器 の 総 数 は採 集 品 14点 も含 め て794点 を数 え て い る。 そ の 内 訳 は、 ナ イ フ 形 石 器 10点 、 石 核
9点
、 石 刃・ 細 石 刃 102点 、 翼 状 景1片1点
、 そ の 他 の 景I片類(縦長 景1片主 体
)672点
で あ る。 石 材 はす べ て サ ヌ カ イ トで あ る 。ナ イ フ形 石器 … …小型 の縦 長 景J片、 石 刃 を 使 い、 そ の 一 側 縁 な い し二 側 縁 の一 部
‑ 75 ‑―
①
第3石器集 中区 イ
Cト コ ンテ
騨
〇
図37 Bト レンチ石器平面分布図
図38 旧石器検 出用 トレンチ位置図
破 線 は奈良 時代 の遺構
▲ 細石刃 石刃
◇ ナイフ形石器
◆ 翼状景U片
■ 石核
● 豪J片 砕片 一︲
脚 39
図 Aト レンチの石器平面分布図
‑76 ‑―
①
第1石器 集 中 区
I I
を連 続 して細 か く景1離 し、一部 分 は未加 工 の ま ま鋭 い刃 に して い る。近畿 、 中 国 、 四国 地方 で は 、 この タイ プの ナ イ フ形 石 器 は少 な く、 旧石 器 時 代 の 地 層 か らま と ま って発 見 され た こと も少 な い。 後 述 す る翼 状 景1片を ナ イ フ形 石 器 の 素 材 と して 使 う ことが 圧 倒 的 に多 い こ と と対 照 的で あ る。
石 核 … …石核 が石 刃 、細 石 刃 と接 合 す る例 もあ る。石核 はす べ て景1片を素 材 に し、
細 か い調 整 を省 略 した単 純 な もの で あ る。 船 の 底 の よ うな 形 を した もの が
5点
あ るが 、 いず れ も素 材 で あ る景J片の 面 を 多 く残 して い る。 石 刃 、 細 石 刃 の それ ぞ れ の石核 の詳細 な検 討 は 、 今 後 の 課 題 で あ る。 翼 状 景1片の 石 核 は未 発 見で あ る。石 刃 、細 石 刃 … …石 刃 は長 さ
3〜
4 cmと小 型 で ナ イ フ形 石 器 の 材 料 に な って い る が 、 それ 自体 を 直接使 用 して い た可 能 性 もあ る。 今 回 そ れ よ り も さ らに 小 型 の 石 刃が量 的 に 出土 して い る こ と、 前 述 した 小 型 の 船 底 形 石 核 上 に微 小 な石 刃 を 景1離 した痕 が あ る ことか ら、 これ らを積 極 的 に評 価 して 萌 芽 期 の 細 石 刃 と理 解 して お く。翼状 景1片… … これ らは瀬 戸 内技 法 で 景1離 され た もの で あ る。
旧石器発 見 の意 義 と課 題
(1)本
調 査 は奈 良市 内で 初の 旧石器 の調 査 とな った。奈 良 県 内で の 旧石 器 は 、二 上 山な どの標 高 の高 い と ころで発 見 され て きたが 、奈 良盆 地 の標 高60m程
度 の 低 い ところで 、 しか も従来 地山"と
されて きた粘 土層 に も存 在 す る こ とが確 証 で きた。(2)し
か も、石器 が二 次 的 に大 き く動 か され ず 、同一 時期 の 石器 製 作址 の 状 況 が 非常 に良好 に把 握 で き る。 こ う した例 は西 日本 にお いて は未 だ 数 少 な い 。(3)砕
片 、景1片が 大量 にあ る ことか ら、 この場 所で 石器 の製 作 が行 なわ れ た こ と は確 実 で あ り、今 後 の技 術 研 究 が 期 待 され る。 ナ イ フ形 石 器 以 外 の 石 器 製 作 道 具 の 石製 ハ ンマ ーが 未発 見 な の で 、 旧石 器 人 は そ れ らを も って 別 の 場 所 (近 接 した 場 所 の可能性 あ り)に
移 動 した と考 え られ る。(4)石
器群 の 時期 は ナ イ フ形 石器 に新 しい時代 の要 素 で あ る細 石 刃 が加 わ り始 め る段 階 で あ る、 と い う見 通 しを今 回 提 示 して お く。 実 年 代 は1.3〜 1.5万年 前 と 推 定 され るが 、C14年代測定 も含 め た今 後 の検 討 の 中で 明 らか に した い。‑ 77 ‑―
7
右 京 九 条 大 路・ 坪 境 小 路 の 調 査第
125‑5次
県道 城廻 り線 建設 に伴 う事 前 調 査 で 、 今 回 の 調 査 が 佐 保 川 以 西 で の 調 査 と して は最 終調 査 とな る (城廻 り関 連 調 査 一 覧 は下 表 参 照)。 流 路 が 北 へ 移 動 した た め 調 査可能 にな った可児 川 旧 流 路 部 分 (九条 大 路 路 面 敷
)で
、 右 京 九 条 一 坊 四・ 五 坪 坪 境 小 路 と交 差 す る と想 定 され る箇 所 で 調 査 を実 施 した。 調 査 地 は、 125次 調 査 Ⅲ 区の 南 西 に ほぼ 接 した位 置 に あ た る。 土 層 は、 調 査 地 南 半 で は 、 現 地 表 下1.6mは
可児 川 旧流 路 に あ た り、 北半 はlm余
の盛 土 下 で 耕 土 、 暗 茶 褐 色 土 とな っ て い るが 、 いず れ もその 下 層 は黄 青 灰 粘 質 土・ 暗 褐 色 砂 質 土・ 暗 褐 色 粘 質 土 で 、 青灰 粘土 (地山)と
な る。 遺 構 は暗 褐 色 粘 質 土 面 で 、 東 西 溝3条
と南 北 溝1条
を 検 出 した 。 中央 部 の東 西 溝2条
は細 溝 で あ るが 、 北 端 の 東 西 溝 は素 掘 りで 南 肩 の み の 検 出 で 、 深 さ0。7m幅
は現 状 でlmで
ぁ る。 埋 土 は砂 を 含 ん だ 灰 黒 粘 質 土 と 暗黒灰 粘上 で 、土器・ 瓦 を 含 む 。 九 条 大 路 北 側 溝 に あ た る と考 え られ る南 北 溝 は 幅3m、
深 さ0,7mで
、 黒 色 粘 土 と灰 色 砂 で 埋 ま って い る。 東 西 溝 が 切 って い る 茶褐色 粘質 上 が南北 溝 の 西 半 に か ぶ って い る こ とに よ り、 南 北 溝 埋 立 て 後 に東 西 溝 が掘 られて い た ことが わ か る。表
7
県道城廻 り線関係調査次 数 時 期 面 積 関 係 文 献
125次
125次 補足
141‑36玖 :125‑3次)
125‑4次 80 11‑
811
81 8
1,163 平城京九条大路 (813干1)
昭和56年度 平城概報
昭和57年度 平城概報
昭和58年度
平城概報
に 引
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図40 第125‑5次遺構配置図
‑ 78 ‑
西 大 寺 境 内 の調 査
本 年度 の防災 工 事 は、 本 堂 と護 摩 堂 を 対 象 と した もの で 、 貯 水槽 か ら東 塔 跡 の 東 を通 って本 堂 と護摩 堂 に い た る配 管 予 定 地 で 調 査 を行 な った。 防 災 工 事 関 連 調 査 報 告書 は工 事 最 終 年 度 に刊 行 予 定 で あ るの で 、 こ こで は各 区 の調 査 成 果 の 概 要 を簡単 に述 べ るに とどめ た い 。