m
� 2 L+M7(C,B)3
L+γ
。 。
、
、
2 3
mass %C ム 5
Fig. 3-18 Liquidus surf ace phase diagram showing solute concentration profile of the liquid phase in the intercellular region.
-76-る場合には、CとBの濃度はその系の共品線からずれて低Cr倶11の共晶線 に近づくものと 考えられ、Cr濃度変化が大きいc合金にこの傾向が見られた。 すなわち、Cr濃度変化が 大きくなる後続共品の凝固開始から終了部にかけて融機の組成は5 %Cr系のj� (J,'j線に近 づいている。
第4節 結 言
Fe-150/0Cr-C-B 4元系共晶合金の凝固組織制御法を確立するため、Cr量を150/0で一 定とし'Y+ほう炭化物共品およびγ+ほう化物共品を品出する融液の組成を表した液相面 状態図を作成するとともに、この状態図に基づいて作成した共品合金を一方向凝固途中か ら急冷し て凝固過程や溶質濃度の挙動を調査した結果以下のことがわかった。
(1)本合金系の液相面にはγ、 5、MzB、M3(C, B)およびM7(C,B)3の5種類の相 が存在する。 各化合物の品出範囲は50/0Cr系に比べるとM7(C, B)3液相面が拡大 し M3 (C,B)液相面が縮小する。
(2)各液相面間では4種類の共品反応;L→'Y + Mz B、L→γ+Ma(C, B)、 L→γ+
M7(C, B):3およびL→γ+MZ3(C, B)6と2種類の包晶反応, L+MzB→M:1(C, B)お よびL I M ( 7 C, 1:3):1→M:1 ( C, 1:3)が生じる。
(3)液相面における最低温度点は約1444Kで擬2元共品線上のほぼ(1.6% C、 1.8% B) 組成付近に位置する。 この近傍の組成を有する合金はy十M:1(C,B)共品およびγ+Mz:1 (C, B)6共晶の各単独組織あるいは混合組織となる。
( 4)本合金に品出したほう炭化物M3(C, B)、M7(C,B):IおよびMZ:l(C,B)GのC、B 濃度はその和がほぼ一定となるように変化する。 各化合物のCおよびBの濃度範囲は、
M3(C, B)がおおよそ(2.0%C、3.6%B)から (4.4%C、1.3% B) 、M7 (C, B):Iは (5.8% C、2.3%B)から(8.6%C、 O%B)までとなり、MZ:l(C,B)6は (2.0%C、
2.4%Bから2.9%C、1.70/oB)までの各直線上となっ ている。
(5)初晶ほう化物には、 形状が板状のものと直方体状の2種類が同時に観察され、 前者 は後者に比べてC、Cr濃度は同じであったが、B濃度は低いため、MzB型以外のほう化 物と考えられる。 しかし 、 X線回折でもMzBのピーケしか確認できず、低B側のほう化 物の特定はできなかった。
(6)15%Cr系共晶組成合金の凝固は液相面に おける巌低損皮点を境に高C低B側と低C 高B側でいずれも先行共晶相と後続共品相の2段階に別れて進行する。 すなわち、 高C低
-77-B倶1)合金ではCr、 Cが先行共品γ+M7(C, B ):1の方に多く分配した結果、 後続共品相と してCr、 Cが低くBが高い'Y +Ma(C, B)が晶出する。 一方、 低C高B合金ではCr、 B が先行共品'Y + M2 Bに多く固溶した結果、 後続共品相としてCr、 Bが低く Cが高いY M3(C, B)が品出する。 両後続共晶のM3(C,B)にはCrが約20%程度固溶し、 M3(C,
B)はC、 Bの他にCr�こついても広い組成範囲を有している。
(7)最低温度より低C高B側の合金の先行共晶を構成する2種類のMzBは複雑な板状に 成長し、 不規則な共品組織を呈する。 一方、 高C低B側の合金の共晶M7(C, B):lは通常 の高クロム鋳鉄に見られる組織と類似している。 しかし、 後続共品'Y+M:1(C, B)は、 い ずれの合金ともに50loCr系の共品組織によく対応している。
(8)共晶の凝固率(fs)と凝固先端からの距離( 1 )の関係を求めれば、 fs- 1曲線の勾配に よって凝固の進行にともなう共品セル幅の変化を定量的に評価することができる。 後続共 晶'Y +M3(C, B)の品出開始位置はfs- 1曲線上に変曲点として現われ、 その凝固率の変 化挙動は5 %Cr系のγ+M3(C,B)共品の場合と類似している。
(9)共品セル間融液中の各溶質元素の分布は固相となる共品の種類や成長形態によって 大きく変化する。 すなわち、 共晶凝固が進行して共品セル先端から凝固終了部に向かつて、
Cr濃度は次第に減少するが、 BおよびCは品出する共晶の種類によって増加ある いは減 少する。 これら溶質濃度は、 ほぽ液相面状態図の擬2元共晶線に沿って変化する。
-78-第4章 F e-25 % C r-C B 4元系合金の状態図と凝固機構
第1節 緒 言
合金のCr量を増すと、 基地および化合物相により多くのCrが固溶することで耐食性、
耐熱性、 耐摩耗性などの材料特性の改善が期待される(1)。 一方、 第2章および第3章に 不したように、 50/0Crおよび150/0Cr系のFe-Cr-C-B 4元系液相面状態図では、 Cr量 が増加するほど擬2元共晶線は低C、 低B側に移動し、 共晶組成ならびに凝固組織に与え るCやBの影響が大きくなる。
そこで本章では、 強い腐食環境下でアブレージョン摩耗を受ける部材に多く利用されて いる25%Cr系白鋳鉄にBを添加したFe-25% C r-C -B 4元系について研究した。 まず、
凝固解析や実用材料開発の指針となるべく液相面状態図をこれまでと同様な方法で作成す るとともに、 品出相の組成についても調査した。 次に、 F e-25% C r-C -B系共品合金の 凝固機構を明らかにすることを目的とし、 共品組成合金を一方向凝固させる途中から急冷 して固液界面を固定した試料を作製した。 この一 方向凝固試料の固液界面近傍の共品セル 問融液部の溶質濃度分布と、 凝固組織変化および共品組織中に形成された化合物相の挿類 および濃度との関係についてEPMAやX線回折法などによって調査した。
第2節 実験方法
試料の組成はCr量を25mass%に一 定とし、 CおよびBをo "-' 4 mass %までの組合せで 配合した66種類とした。 試料は前章と同様な原材料を用いて目標組成に配合した。 これを Arガス雰囲気中の高周波炉を用い約1773Kで溶解後、 金型凝固させて熱分析に供した。
各試料の分析値はTable4-1に示したが、 ごのうち共品凝固の解析やEPMA分析、 X線 回折などに用いた試料をTable4-2に示した。 各実験方法およびそれぞれの実験に用いた 試料の作製条件などはいずれも前章と同様であるため説明は省略する。 また、 組成濃度 (mass% )についてもこれまでと同様に(%)のみで表すことにする。
ただし、 EPMAの検量線のうち、 CおよびBについては試料中のCr含有量の違いに よる影響を考慮して25%Cr系の試料で、新規に作成した検量線を用いた。 各元素の検量線 入は、 C: Kc=l.OOXIO-zcolo-1.50XIOーヘ B . KJJ二4.63XI0-:I B % -1. 98XI0-'1そして CrはKc,.二1.16XIO-2Cr%十1.12XIO-2である。 新しく作成した検量線は次のように評価 した。 すなわち、 第2章でも詳しく述べたように、 EPMAによる相対強度と 化学組成と
ハ同υ円ie
cxコo
Specìrnen No.
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
Table 4-1 Chemical composition of the specimen used.
Composìtìon(mass幻 Specimen Composition(mass%) Specimen Composition(mass%) Specimen
Cr C B No. Cr C B No. Cr C B No.
25.15 O. 05 l. 81 18 25.83 l. 77 l. 50 35 28.35 0.45 3.29 52 24.07 O. 98 l. 96 19 25.84 1. 97 0.46 36 26.32 0.56 2.87 53 24.67 1. 41 1. 69 20 25.25 2.00 1. 18 37 26.37 0.58 3.28 54 24.64 2. 37 O. 77 21 25.39 2.28 2.64 38 26. 70 0.61 2.15 55 25.12 3. 18 。 22 25. 50 2.39 0.80 39 27.55 0.65 1. 48 56 24.89 O. 03 2.82 23 25.90 2.44 。 40 24.96 0.67 2.16 57 25.25 0.13 1. 99 24 25.83 2.46 0.86 41 26.23 0.88 3.12 58 26.45 0.17 2.92 25 25. 10 2.48 1. 46 42 25.21 1. 07 1. 88 59 25.31 0.38 2.29 26 24.87 2.37 1. 94 43 25. 13 1. 13 2.41 60 24.63 O. 45 l. 07 27 25. 50 2.97 1. 36 44 25.60 1. 16 2.54 61 25.62 O. 98 3.26 28 25.54 2.98 0.45 45 26.42 l. 26 2.94 62 26.06 l. 10 2.33 29 25.57 3.04 。 46 24. 71 1. 37 l. 32 63 25.20 1. 30 2.89 30 24. 53 3.29 O. 79 47 25.23 1. 39 2.96 64
24. 75 1. 38 2. 03 31 25.43 3.83 0.48 48 25.97 1. 41 2.07 65
24.22 1. 38 1. 58 32 24. 99 4.17 。 49 25.38 1. 52 2.07 66 26.09 1. 68 2.05 33 24.49 0.24 2.25 50 26. 19 1. 70 2.55
25.33 1. 73 0.86 34 24.53 0.26 2. 78 51 26.19 1. 77 2. 76
Composition(mass%)
Cr C B
25.81 1. 80 l. 29 26.54 1. 82 1. 62 25.32 1. 83 2.00 24.05 1. 89 0.82 27.36 2. 12 1. 57 25.02 2.17 2.36 26. 52 2.25 3.00 28.11 2.39 1. 43 26.21 2.39 1. 98 23.48 2.65 0.45 23. 76 3. 12 。 25. 12 3.47 。 25. 23 3.42 0.97 26.21 3. 79 0.46 26.43 4.30 。
Table 4-2 Chemical composition of the specimen used for each analyzed.
No. Specimen Composition(mass%)
Use of alloy
No. Cr C B
24.15 0.05 1. 81 X-ray diffractìon
2 2(e-alloy) 24.07 0.98 1. 96 X-ray diffraction and solidification analysis 3 3 24.67 1. 41 1. 69 X-ray diffraction
4 4 (f-alloy) 24.64 2.37 O. 77 X-ray diffraction and solidification analysis 25.12 3.18 X-ray diffraction
6 8 26.45 0.17 2.92 X-ray diffraction and EPMA analysis 7 13 25.20 1. 30 2.89 X-ray diffraction and EPMA analysis 8 18 25.83 1. 77 1. 50 X-ray diffraction and EPMA analysis 9 21 25.39 2.28 2.64 X-ray diffraction and EPMA analysis 10 26 24.87 2.37 1. 94 X-ray diffraction and EPMA analysis 11 27 25.50 2.97 1. 36 X-ray diffractìon and EPMA analysis 12 32 24.99 4.17 。 X-ray diffraction and EPMA analysis 13 42 25.21 1. 07 1. 88 X-ray diffraction and EPMA analysis 14 50 26.19 1. 70 2.55 X-ray diffraction and EPMA analysis 15 52 25.81 1. 80 1. 29 EPMA analysis
16 65 24.05 1. 89 0.82 EPMA analysis
-81-の関係を表す検量線図において、 化合物中の分析元素の相対強度と化学量論的な分析元素 濃度との交点が検量線の延長上あるいはその近傍にあるかどうかでその妥当性を評価する ものである。 Cについては試料恥.32に晶出した初品M7C:h Bについては試料ぬ8に品出 した初品M2BをそれぞれEPMAで分析したところ、 C、 日の相対強度と化学景論的な 濃度の交点はいずれもほぼ検量級の延長上にあることがわかった。 なお、 Crについては 検量線作成用に化学分析した試料数が、 5 %Cr系および15%Cr系より多くなっているた め、 検量線の式は多少異なっているが高Cr濃度側でイ専られる分析値はほとんど同じであ る。
凝固解析用の試料はFe-25% C r-C -B系液相面状態図 (後述のFig. 4 -2 )に基づき、
擬2元共晶線上の最低温度近傍のa点より低C高B側 (恥.2 . e合金)および高C低B側
(No.4 : f合金)の2種類の組成とした。 以下では両試料をそれぞれe合金およびf合金 と呼ぶことにする。 これらの試料の作成条件も前章までと同じである。 ただし、 この場合 の共品凝固範囲の温度勾配はG=5.0XI03K/mで、あり、 σと凝固速度 ( R)の比σ/Rは 1.8XI09K・sec/rriで、ある。
第3節 実験結果および考察
4 .3.1 Fe-25%Cr-C-B4元系合金の状態図の作成と凝固組織の評価
25%Cr系の各液相面の初品を含む凝固組織の一例をFig.4-1に示した。 M2B液相由a 上の合金の組織であるFig.4 -1 (a)および(b)は、 いずれも初品として板状のM2Bを品出し
ている。 このうち低C側の(a)は、 初品M2Bが共品の,+M2B共品に固まれ凝固が完了し ているのに対して、 C量が多い(b)では,+M23(C,B)6およびγ+M2Bの2種類の共品 が観察される。 Fig.4 一1 (例C吋)はM2B液相面とM7ベ(C,B ):1液相面との境界線上における組 成の試料の組織で、 初晶的に晶出したM2BとM7ペ(C,B)
M7ベ(C,B)3を取り囲もむ、ように,+M2幻3(C,B)6共晶が晶出しており、 ついで残りの間際 を埋めるようにγ+M2B共品が品出している。 この組織中のY十M2:l (C,B)6共品は、
L + M 7 ( C, 1:3):1→, + M 2:! ( C, B) fi包共品以此;を経てL )0γIM2:1 (C, 13) fi J� ú,'dえめに より生じたと考えられる。 ちなみに、 これよりやや高B側の試料ではL + M 7 ( C , B ) :!
M23(C, B)6なる包品組織が観察された。 Fig. 4 - 1 (d)と(e)はM7(C, B):l液相面上の合金 の組織で、 初品M7(C,B):lを品出した後、 高B側の(d)では,+ M 2:! ( C, B) fi共品と,+
M2B共晶が品出し、 低B側の(e)では大部分がγ十M7(C,B);l共品で最終凝固部 にY
円/UOKU
内くU00
MZ3(C, B)6共品が品出した組織となっている。 Fig. 4 - 1 (f)および(g)はγ液相面上のム 金の組織で、 初品Yのほかに共品組織として、 高B側の(f)ではγ+MzBと'Y+ M Z:I (C,
B) fjが、 そして低B倶11の(g)ではY十M7(C, B)aが品出した組織となっている。 さらに、
F ig. 4 -1 (h)は(f)と類似の組織で、あるが、 初品がL+δ→Y包品反応により、 中心部がδ で周辺部がYと考えられる2相構造となっていることから、 これをδ液相面の試料とみな した。 Fig.4一1 (ιωiリ)は少量のM7託(C, B):Iの周囲にMzμ:九I(C, B)
でで、あることカか、らM7(C, B ):1液相面上の合金で‘あるがMZ:I (C, B) fj液相面に近い組成を有 すると考えられる。 M23(C, B)6の周囲には'Y +MZ3(C, B)6共品が品出し 、 最終凝固部 がγ+M2B共晶となっている。
以上のような組織観察結果および熱分析結果に基づいて作成したFe-25%C r-C - B 4 元系液相面状態図をFig. 4 -2に示す。 この液相面はMzB、 M7(C, B)3、 MZ3(C, B)6、
γおよび他の研究者によって得られた状態図(Z) C:!)から外挿して存在領域を推定したδの 5種類の相から構成されている。 ElおよびEzはそれぞれFe-25%Cr- B系(2)およびFe
-25% C r-C系(3 )における共品点で、 これを結んだE ,-E 2区間はYと各化合物との擬2 7c共品線である。 すなわち、 γとM2Bの液相面聞のE ,-a区間はY十M2B共品、 yと M23(C, B)6の液相面間のa-b区間は'Y +M23(C, B)6共晶、 YとM7(C, B)3の液相面
聞のb-E2区間は'Y +M7(C, B)3共品が品出する。
一方、 M2BとM7(C, B)3の両液相面問の境界c-dはM2BとM7(C, B)3が同時に観 察される試料の組成に基づ、いて大まかに領域を 区分したものである。 ここで、 両化合物の 品出状況を明らかにするために、 この境界近傍の組成の試料 (恥51)について、 初品 凝固 開始温度直下で1 h保持後水焼入れした試料と、 完全に凝固させた試料の組織をFig. 4
-3に示す。 Fig. 4 -3 (b)では初晶的に大きく成長したMzBとM7(C, B)aが認められる。
Fig. 4 - 3 (a)においても焼入れ前に品出した粗大なM4BとM7(C, B)3の周囲に、 焼入れ
中に品出した微細なMzBとM7(C, B):lが観察され、 L→MzB十M7(C, B)aの共品反応 が生ずるものと判断した。
また、 a-c区間ではL+MzB→MZ3(C, B)6、 b-c区間ではL+M7(C, B)a→MZ:1 (C, B)6の包晶反応が起こるものと考えられるが、 組織的には後者のみが確認できた。 な お、 前章でも述べたように化合物相が関与した包品反応速度は非常に逝いため、 MZ:l(C,
B) 6の大部分は直接液相から品出する。
熱分析結果に基づいて各液相面内の等温線を細線で、 また共晶線および包品線の温度降
-84-FhJV
e Peritectic reaction ①Eutectic reaction
4
a-c;し+M2B→M23(C,B)6 E1-a ;し→ァ+M2B c-b;し +M;(C,B)3→M23(C,B)6 a-b;し→ァ+M23(C,B\
b-E2;し→ァ+M7(C,B)3
し+M2B
c-d; L→MzB+MiC,B)300 0
∞opωωのε
。
。 2 3 E2 4
massoloC
「円d
fig. 4-2 Liquidus surface phase diagram of the Fe-25%Cr-C-B system.
にυのバυ
よ�喝
Fig. 4-3 Micrographs for solidification process of L→Mz B+M7 (C, B) 3 reaction. (a) ;at early stage (b)after heat analysed.
ハhuoo
下の方向を矢印で示した。 本合金系の最低凝固温度は擬2元共品線上のa点近傍における 1460Kで、 5%Cr系の1414Kや15%Cr系の1444Kなどに比べて高くなっている。
4.3.2 化合物相の組成と擬2元共晶反応について
擬2元共晶線上およびその近傍の5種類の試料のX線回折結果をFig. 4 -4に示した。
これによると、 各試料で同定された化合物ピークはBの減少とCの増加により、それぞれ (a)がCr2BにFeが固溶したM2B、(b)、(c)ではa)と同じM2BのほかにM23(C, B)6、
(d)ではM23(C,B)6そして(e)ではM7C:!のみとなっている。 25%Cr系の大部分の試料に はM23(C, B)6がyとの共品として品出した。 このM23(C, B)6にはCr2:! C 6にFeとB を固溶した場合(2)とFe23(C, B)dこCrを固溶した場合が考えられるが、回折ピークの 位置を検討した結果、 本研究で得られたものは後者と考えられた。 さらにFe2バC, B) 6 には高C (a = 1. 0591\nm)のものと高B(a = 1. 0628nm)のものがあり(1\)、 両者の相違 は同一格子面からの回折角のずれとなって現われるはずである。 本研究ではF ig. 4 -4 (b)、
(c)、(d)に示すように高角度側(700 '"'-'900 )で0.10 '"'-'0.5。 児なる同折ピーケが認められ たことから、CおよびB濃度が異なる2種類のM23(C, B)6相が共存すると推察された。
一方、 M2Bは金子らのCr2B(2)および河部らの(Cr, Fe)2Bの回折デー夕刊)を参身に 同定した結果、 Fe の固溶量の違いによる回折角の多少のずれはあったが、 ピークの数は 両者とほぼ一致しており、 Cr2BにFeを固溶した(Cr, Fe)2Bであることが明らかにな った。
次に、ほう炭化物相をEPMAを用いて定量分析した結果をF ig. 4 - 5に示した。 各ほ う炭化物のCとB濃度はほぼ直線的に変化し、それぞれの直線式および組成範囲は以下の 通りである。 すなわち、M:JC, B)の直線式はB%=5. 26-0. 91C %で組成範囲は(2.2 010 C、3.3%B)から (3.30/0C、2.5%B)、M23(C, B)6の直線式はB%=4.40-0. 88 C 0/0で組成範囲は(2.60/0C、2.3%B)から(4.0%C、1.1%B)、 M7(C, B):lの直線 式はB0/0=6. 80-0. 82C %で組成範囲は(5.6%C、2.4%B)から(9.0%C、 0%B) となっている。 各直線式は3章でも述べたように化学量論的な値よりはやや低いが、直線 の傾きはほぼ J放している。 なお、 M:1(C, D)については、 被村II(rÎ状態凶LではlリJ {l{Eに仰 認できなかったが、一部の試料に共品あるいは包品として品出したので、 その分析偵を小 したものである。 このM3(C, B)のC濃度は3.3%以下で、B濃度は2.5'"'-'3.3%Bの範囲 内にあり、他のCr系合金に比べてその組成範囲は狭くなっている。
-87-0.98<}に,24.07与にr,1.96o/c必(No.2,e-alloy) 0.05o/cC, 24.1 5o/cCr, 1.81畑(NO.1)
I I b)
ロ A
口 M2B o M2B
A Mn(C,B)6
。 ロ 。
D A
2.37<}に,24.64今にr,0.77与侶 (No.4, f-alloy) 1.41<}に,24.67o/cCr,1 .69�侶(No.3)
d)
hH一ωcωハ七」
A
口 M2B 企M勾(C,B)6
A ロ
4‘ 3.18<}に, 25.12<}にr(No.5)
οMぉ(C,B)6
A A
ロ
e) '‘ 50 60 70 80
Diffraction angle, 2 8 /0
• M7C3
4‘
90
Fig. 4-4 X-ray diffraction patterns.
-88-10
Specimen No.
。
8
• 13
•
18
ム
21
×
26
∞6
A 27
、。、旬。 ロ
32
2U3 4
。
42
マ
50
+
52
M3(CJB)
。55
v
65
2ト 設竺 M7(CJB)3
-争責
o lヱq
"'"。 2 ム
000
6 8 10
灯、ass% C
Fig. 4-5 Compound phase diagram of the Fe-25%Cr-C-B system.
10
FO
/何 回。\oωの勺「ト」
y +M2B I Y +M2B
8
II y + M23CC,B\11 y + M)CC,B) 田 y + M7CC,B))
M3(CJ B) M23(CJB)6
ハ〉ハ〉
2 亡」 司/』 4 m a s s O ,,,, o pし戸b
8 10
Fig. 4-6 Shematic phase diagram of the Fe-25%Cr-C-B system.
-89-Table 4 -3に他の研究者によって報告されている、 ほう化物およびほう炭化物の 化学組 成の一例を示した。 Stadelmaierの報告(-1)によるほう炭化物Fe23(C, B)6はFe-C -B 3 元系に現われたもので、 金子ら(2)のほう炭化物(Cr,Fe)23(C, B)6はFe-0.2%C-Cr B系 (Cr: 0'""'-'12%) に現われたものである。 金子らの場合、 Crの固溶量は不明である が、 炭化物Cr23C6にFeおよびBを固溶したものと報告されている。 それで、 1 %Cr鋼 の(Cr, Fe)23(C, B)6 (B/C�2.5)は、 Cr2 3 C 6の最低Cr濃度で、ある59%(6)を含む と仮定し、 一方、 12%Cr鋼の(Cr, Fe)23(C, B)6 (B/Cミ0.5) はJacksonの報告(6)に 基づきCrを84%固溶しているものと仮定して、 それらの値も参考にTable4 -3に示した。
本研究の結果とは試料の組成や調製条件が異なるため直接的な比較はできないが、 各化合
物中のCとB濃度の和はほぼ等しいものと仮定すれば、 ほう炭化物Fe23(C, B)6およ び ( C r, F e) 23 (C, B) 6ではC+ B =4. 7'""'-'5.5%となることがわかる。 本研究におけるE P
MA分析結果では、 M23(C, B)6のC+B量は約5.0%、 Cr濃度は33'""'-'37%であり、 これ らの値は金子らの結果より低い。 本実験試料のX線回折結果はFe23(C, B)6の回折図形 に近いこと、 また、 C+B濃度がH.H.Stadelmaierが報告しているFe23(C, B)6のC+B 値に近いことや、 化学量論的なC+B濃度の範囲(4.8---5.3%) に入っていることからも Fe23(C, B)6にCrを固溶したものと考えられる。
ところで、 Fig.4 - 5に示したようにほう化物M2BのC濃度は約0.2%でほぼ一定であ るのに対してB濃度は7.0'""'-'9.5%で、 Cr濃度は初晶および先行共品として晶出した場合 は43'""'-'48%で、 'y +M23(C, B)6共品に引き続いて後続共品として品出した場合は約35%
となっている。 このうちCr濃度については、 ほう化物Cr2BのCrの最小濃度は約35%で あることから後続共品もM2Bとしては妥当な値と考えられる。 しかし、 B濃度はCrと置 換するFeの固溶量で、変化することを考慮しても、 化学量論的には8.9'""'-'9.4%の範囲内と
なる。 したがって、 B濃度が8.9%に充たなし1ほう化物はM2B以外のものと考えられる。
そこで以下に不明ほう化物の同定を試みた。 まず、 本研究に供した合金系に 品出する可能 性のあるほう化物およびそのB固溶量をTable4-4に示した。 この中でM2BよりB濃度
が低いほう化物としてはCr-1 B、 Fe3B(8)ー(lO)、 Fe23B6(11)がある。 しかし、 各ほっ 化物中のFeとCrの量比が仮に1 : 1としても、 B濃度はそれぞれ4.76%、 6.25%、 4.96
%に過ぎず、 不明ほう化物のB濃度に比べて低いことがわかる。
次に、 熱分析結果から2種類のほう化物が共晶として品出していると見られるTable4
2の極低Cの試料No. 1のX線回折結果{Fig.4 -4 (a)}を、 'y +M2B共品と'y +M2a(C,
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