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犬にTTS−NTGを14日間連続貼付した後,ニトログリセリンを静脈内投与し,そ の降圧反応を検討した.その結果,TTS−NTGの連続貼付は静脈内投与のニトログリ
セリンの降圧作用をほとんど減弱しなかった.一62一
第2節 連続投与後の冠状動脈結紮による心電図に及ぼす影響 1 実験目的
小動物にTTS−NTGを連続投与したとき,耐性のため抗心不全作用が減弱しないか
を検討するために本実験を実施した.犬の冠状動脈を結紮すると,心電図のST segment上昇が観察される(10)ため,本節ではTTS−NTG連続貼付
群と1回貼付群のニトログリセリンの作用を心電図のST上昇を指標として比較検索した.
II 実験材料および方法 1.実験材料
心疾患のない健康な雌雄のビーグル犬15頭を用いた.
2.使用薬物
ニトログリセリンの経皮吸収製剤TTS−NTG〈25mg/10cm2,ニトロダーム
ーTTS,日本チバガイギー)を用いた.
3.実験方法
胸部を電気カミソリで勇毛したあとTTS−NTG(25m9/10cm2)1枚を1El 1回24時間,14日間にわたって連続貼付した.TTS−NTGが剥されないように犬 用ジャッケットを犬に着用させた(TTS−NTG連続貼付群5頭).
14日目,24時間の最終貼付の終了後,TTS−NTGを剥離し,チオペンタール(ラ ボナール,田辺)30mg/kgの静脈内投与により麻酔を導入し,気管チューブを挿入
してハロタン(フローセン,武田)0.75−1%で実験中麻酔を維持した.
人工呼吸下に第5−6肋間で開胸した.心嚢膜切開後,左冠状動脈下行枝の分枝を剥離 し結紮した.心電図は結紮した分枝の左室壁領域内ならびに領域外の心表面より単極誘導 を用い,不関電極を右後肢に設置して記録した.冠動脈分枝結紮後,経時的に心電図上よ
一63一
りSTの偏位を求め,結紮前値からの変化分を△ST(InV)とし, TTS−NTG(
25mg/10cm2,1枚)貼付時の抑制効果を検討した. TTS−−NTGは結紮2時間 前に貼付した.貼付部位は10−13肋骨部であり,この胸部をTTS−NTGの貼付前
に電気バリカンと電気カミソリで勇毛した.実験方法をFig.28に示した.
耐性の有無を調べるために一回貼付群(5頭)およびコントロール群(非貼付群5頭)
を設けた.
測定値はすべて平均値±標準誤差で示した.統計処理は対応のないStudentのt
検定を用いて有意差検定を行い,5%以下の水準をもって有意とした.III結果
左冠状動脈前下降枝の分枝結紮後に,分枝流域内の心電図上でみられるSTの上昇は対
照群で3.93−5.01mV, TTS−NTG連続貼付群で1.33−2.70mV,
TTS−NTG1回貼付群で0.86−2.77mVであった. ST上昇は,14日間の
連続貼付の有無と関係なく,明らかに抑制され,その程度は連続貼付の有無に関して有意
な差が認められなかった(Fig.29,30).
一64一
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