以上の
アンケート結果から、少なくとも半数の学生は、半年間の講義の中で、自分達が高校で学んだ世界史が一
過性のもの、あるいはテストのためだけにあるものでは ないということを多少とも認識したと
判断できる。しかし、高校世界史の意義を実感しないと
答えた学生も少なからずいる。こうした相違の要因としては、歴史の勉強 が好きか嫌いかという個人的差異が予想される。それは 高校の
授業や大学の講義の内容が理解できるか否かということにも、
当然つながるからである。そこで、
質問 4(高校時代、世界史という科目が好き でしたか?)と質問
10(大学の歴史
関係の講義を受講するなかで、高校で世界史を学んだことが役に立ったと感 じたことはありますか?)
及び質問12(大学における歴 史の講義は、高校までの世界史教育とつながっていると 思いますか?)に対する回答から、世界史に対する姿勢 や得意・不得意の意識と、自分が学んだ世界史の意義の 実感や、大学での歴史教育とのつながりの認識がどの程 度の関連性を持っているかを検討した。質問
4では、
全 体の6割が①(好き)ないし
②(どちらかといえば好き)
と回答し、科目
別に見ると、Aのみの履修者のうち①な いし②と答えた者が
4割であるのに対して、Bの履修者
及び A・
B2科目の履修者では、それぞれ7割以上が①ないし
②と答えている。まず、高校
時代の世界史に対する態度(好き/嫌い)と、世界史の学習が大学での歴史学の
講義を履修する際に役立ったと思うかという意識の
関連性を検討するため、クロス集計とχ
2検定を行った。その際に、世界史に対する態度は「好き」 と「どちらかといえば
好き」を合わせて1 つの群とし、同
様に「嫌い」と「どちらかといえば嫌い」を合わせて
1群とした。クロス集計表は次の表2の通り である。
χ2検定の結果、χ2(1)=4.39(p<.05)となり有意な関連性が見られた。残差分析を行った結果、世界史が
好きだと回答した者は大学での歴史学の講義に役立ったと考えており、嫌いだと回答した者は役立っていないと 考えていた
(いずれもp<.05)。質問については全体の
半数超が、高校で学んだ世界史が大学の歴史の講義で役立ったと答え、科目別に見ると特に 履修者でその割合 が高い。「役立った」とする根拠において
A履修者と
B履修者とで大きな相違はないが、これを
質問4への回答と照合すると、 「基礎的な知識があったため、
講義内容を 理解しやすかった」、「下地がある程度できていたためスムーズな
理解ができる」、「基礎的なことが分かっていたことで、人
物の裏話等がよりおもしろく感じられた点」、「歴史の大まかな流れを把握した上で教授の話を聞くこ とができ、
理解の速度をはやめるのに役立った」、「講義の内容についていきやすい」、 「授業を理解しやすかった。
単語を初めから知っていると理解度が上がったと思う」、
「歴史的
事象に聴き覚えがあり、入りやすかった(知識)」、「内容を活かして学ぶことができた」、「ある程度歴史の
流れを理解していた方が、先生方の専門的な内容にもついていきやすい」、「用語が分かる」、「
物語のように頭に入っているので、一つの事件から色々芋づる式で情報が 出てくる」等、
講義の理解に関わる積極的理由を挙げているのは、世界史が好きだった(
①ないし②)と回答した学生である。
次に高校
時代の世界史に対する態度と、世界史の学習が大学の歴史学の講義とつながっているという意識との
関連性を検討するため、クロス集計とχ2検定を行った。クロス集計表は下の表3の通りである。χ
2検定の結果、χ2(1)=5.80(p<.05)で有意な関連性が見られた。残差分析
を行った
結果、世界史が好きだと回答した者は、高校での世界史の
授業が大学での歴史学の講義とつながっていると考えており、嫌いだと回答した者はつながっている とは思っていなかった(いずれも
p<.05)。このように、高校時代に世界史が
好きであったか嫌いであったかという、歴史学習に対する学生個人の志向が、
大学での歴史の
講義に対する評価に影響していることが 数値的に確認できた。但し、質問12で「関連があると思 わない」と回答した学生の
挙げる理由を見ると、「高校で
-- 12
れをベースに学ぶべきだった。
質問 15~20)世界史未履修者に対して
未履修者10
名のうち日本史履修者が8名、歴史関係の
授業を履修しなかった者が2名で、高校卒業後に世界史を改めて学
んだ者はいなかった。大学の講義で世界史を学んでおけばよかったと思った経験を持つ者は7名
(
70.0%)、講義以外については2名(20.0%)である。また、大学の歴史の講義と高校世界史との関連を肯定し た者は5名(
50.0%)いた。Ⅳ. 考察とまとめ
以上の
アンケート結果から、少なくとも半数の学生は、半年間の講義の中で、自分達が高校で学んだ世界史が一
過性のもの、あるいはテストのためだけにあるものでは ないということを多少とも認識したと
判断できる。しかし、高校世界史の意義を実感しないと
答えた学生も少なからずいる。こうした相違の要因としては、歴史の勉強 が好きか嫌いかという個人的差異が予想される。それは 高校の
授業や大学の講義の内容が理解できるか否かということにも、
当然つながるからである。そこで、
質問 4(高校時代、世界史という科目が好き でしたか?)と質問
10(大学の歴史
関係の講義を受講するなかで、高校で世界史を学んだことが役に立ったと感 じたことはありますか?)
及び質問12(大学における歴 史の講義は、高校までの世界史教育とつながっていると 思いますか?)に対する回答から、世界史に対する姿勢 や得意・不得意の意識と、自分が学んだ世界史の意義の 実感や、大学での歴史教育とのつながりの認識がどの程 度の関連性を持っているかを検討した。質問
4では、
全 体の6割が①(好き)ないし② (どちらかといえば好き)
と回答し、科目
別に見ると、Aのみの履修者のうち①な いし②と答えた者が4割であるのに対して、
Bの履修者
及び A・
B2科目の履修者では、それぞれ7割以上が①ないし
②と答えている。まず、高校
時代の世界史に対する態度(好き/嫌い)と、世界史の学習が大学での歴史学の
講義を履修する際に役立ったと思うかという意識の
関連性を検討するため、クロス集計とχ
2検定を行った。その際に、世界史に対する態度は「好き」と「どちらかといえば
好き」を合わせて1つの群とし、同様に「嫌い」と
「どちらかといえば嫌い」を合わせて
1群とした。クロス集計表は次の表2の通り である。
χ2検定の結果、χ2(1)=4.39(p<.05)となり有意な関連性が見られた。残差分析を行った結果、世界史が
好きだと回答した者は大学での歴史学の講義に役立ったと考えており、嫌いだと回答した者は役立っていないと 考えていた( いずれも
p<.05)。質問については全体の
半数超が、高校で学んだ世界史が大学の歴史の講義で役立ったと答え、科目別に見ると特に 履修者でその割合 が高い。「役立った」とする根拠において
A履修者と
B履修者とで大きな相違はないが、これを質問4への回答 と照合すると、 「基礎的な知識があったため、
講義内容を 理解しやすかった」、「下地がある程度できていたためスムーズな
理解ができる」、「基礎的なことが分かっていたことで、人
物の裏話等がよりおもしろく感じられた点」、「歴史の大まかな流れを把握した上で教授の話を聞くこ とができ、
理解の速度をはやめるのに役立った」、「講義の内容についていきやすい」、 「授業を理解しやすかった。
単語を初めから知っていると理解度が上がったと思う」、
「歴史的
事象に聴き覚えがあり、入りやすかった(知識)」、「内容を活かして学ぶことができた」、「ある程度歴史の
流れを理解していた方が、先生方の専門的な内容にもついていきやすい」、「用語が分かる」、「
物語のように頭に入っているので、一つの事件から色々芋づる式で情報が 出てくる」等、
講義の理解に関わる積極的理由を挙げているのは、世界史が好きだった(
①ないし②)と回答した学生である。
次に高校
時代の世界史に対する態度と、世界史の学習が大学の歴史学の講義とつながっているという意識との
関連性を検討するため、クロス集計とχ2検定を行った。クロス集計表は下の表3の通りである。χ
2検定の結果、χ2(1)=5.80(p<.05)で有意な関連性が見られた。残差分析
を行った
結果、世界史が好きだと回答した者は、高校での世界史の
授業が大学での歴史学の講義とつながっていると考えており、嫌いだと回答した者はつながっている とは思っていなかった(いずれも
p<.05)。このように、高校時代に世界史が
好きであったか嫌いであったかという、歴史学習に対する学生個人の志向が、
大学での歴史の
講義に対する評価に影響していることが 数値的に確認できた。但し、質問12で「関連があると思 わない」と回答した学生の
挙げる理由を見ると、「高校で
・文化が苦手だったので、ちゃんとしておけばよかった。
・教育実習に行ったとき知識不足を感じた。
・文化史は暗記しただけで終わったが、もっと根拠や流 れをベースに学ぶべきだった。
質問 15 ~ 20)世界史未履修者に対して
未履修者 10 名のうち日本史履修者が8名、歴史関係 の授業を履修しなかった者が2名で、高校卒業後に世界 史を改めて学んだ者はいなかった。大学の講義で世界史 を学んでおけばよかったと思った経験を持つ者は7名
(70.0%)、講義以外については2名(20.0%)である。
また、大学の歴史の講義と高校世界史との関連を肯定し た者は5名(50.0%)いた。
Ⅳ . 考察とまとめ
以上のアンケート結果から、少なくとも半数の学生は、
半年間の講義の中で、自分達が高校で学んだ世界史が一 過性のもの、あるいはテストのためだけにあるものでは ないということを多少とも認識したと判断できる。しか し、高校世界史の意義を実感しないと答えた学生も少な からずいる。こうした相違の要因としては、歴史の勉強 が好きか嫌いかという個人的差異が予想される。それは 高校の授業や大学の講義の内容が理解できるか否かとい うことにも、当然つながるからである。
そこで、質問 4(高校時代、世界史という科目が好き でしたか?)と質問 10(大学の歴史関係の講義を受講 するなかで、高校で世界史を学んだことが役に立ったと 感じたことはありますか?)及び質問 12(大学におけ る歴史の講義は、高校までの世界史教育とつながってい ると思いますか?)に対する回答から、世界史に対する 姿勢や得意・不得意の意識と、自分が学んだ世界史の意 義の実感や、大学での歴史教育とのつながりの認識がど の程度の関連性を持っているかを検討した。質問 4 では、
全体の6割が①(好き)ないし②(どちらかといえば好 き)と回答し、科目別に見ると、A のみの履修者のう ち①ないし②と答えた者が4割であるのに対して、B の 履修者及び A・B 2科目の履修者では、それぞれ7割以 上が①ないし②と答えている。
まず、高校時代の世界史に対する態度(好き/嫌い)
と、世界史の学習が大学での歴史学の講義を履修する際 に役立ったと思うかという意識の関連性を検討するた め、クロス集計とχ2検定を行った。その際に、世界史 に対する態度は 「 好き 」 と 「 どちらかといえば好き 」 を 合わせて1つの群とし、同様に「嫌い」と 「 どちらかと いえば嫌い 」 を合わせて1群とした。クロス集計表は次 の表2の通りである。χ2検定の結果、χ2(1)=4.39(p<.05) となり有意な関連性が見られた。残差分析を行った結果、
世界史が好きだと回答した者は大学での歴史学の講義に 役立ったと考えており、嫌いだと回答した者は役立って いないと考えていた(いずれも p<.05)。質問 10 につい
ては全体の半数超が、高校で学んだ世界史が大学の歴史 の講義で役立ったと答え、科目別に見ると特に B 履修 者でその割合が高い。「役立った」とする根拠において A 履修者と B 履修者とで大きな相違はないが、これを 質問4への回答と照合すると、「基礎的な知識があった ため、講義内容を理解しやすかった」、「下地がある程度 できていたためスムーズな理解ができる」、「基礎的なこ とが分かっていたことで、人物の裏話等がよりおもしろ く感じられた点」、「歴史の大まかな流れを把握した上で 教授の話を聞くことができ、理解の速度をはやめるのに 役立った」、「講義の内容についていきやすい」、「授業を 理解しやすかった。単語を初めから知っていると理解度 が上がったと思う」、「歴史的事象に聴き覚えがあり、入 りやすかった(知識)」、「内容を活かして学ぶことがで きた」、「ある程度歴史の流れを理解していた方が、先生 方の専門的な内容にもついていきやすい」、「用語が分か る」、「物語のように頭に入っているので、一つの事件か ら色々芋づる式で情報が出てくる」等、講義の理解に関 わる積極的理由を挙げているのは、世界史が好きだった
(①ないし②)と回答した学生である。
次に高校時代の世界史に対する態度と、世界史の学習 が大学の歴史学の講義とつながっているという意識との 関連性を検討するため、クロス集計とχ2検定を行った。
クロス集計表は下の表3の通りである。χ2検定の結果、
χ2(1)=5.80(p<.05) で有意な関連性が見られた。残差分析 を行った結果、世界史が好きだと回答した者は、高校で の世界史の授業が大学での歴史学の講義とつながってい ると考えており、嫌いだと回答した者はつながっている とは思っていなかった(いずれも p<.05)。
このように、高校時代に世界史が好きであったか嫌い であったかという、歴史学習に対する学生個人の志向が、
大学での歴史の講義に対する評価に影響していることが