2020 年度は回答の実数が少ないので数量的な分析は 難しい。また質問項目は今後の分析のために,2019 年 度までのものと基本的に合わせており,必ずしもオンラ イン授業の有効性を問うために設けたものではないの で,その中から本稿の視点に関わる項目を抽出して,回 答結果(人数は,対象とした3つの講義を合計して計算 している)を示すなら,以下のようになる。なお,回答 者数は特に注記しない限り,延べ人数である。
※質問 1 ~ 2 の人数の割合の分母は回答者の延べ総数(35 名)である。
質問 1a)学年
①1年生:0 ②2年生:24 名(68.6%)
③3年生:8名(22.9%) ④4年生以上:3名(8.6%)
質問 2)世界史を履修したか?
①した:30 名(85.7%) ②しなかった:5名(14.3%)
なお,実数で見ると,①に該当する者(履修者)は 19 名(82.6%),未履修者4名(17.4%)である。
※質問 3 については,人数の割合の分母は世界史履修者の実数(19 名)
である。
質問 3-a)高校の何年次に履修したか?
①1年生の1年間:11 名(57.9%) ②1~2年生の2 年間:0 ③2年生の1年間:2名(10.5%) ④2~3 年生の2年間:4名(21.1%) ⑤3年生の1年間:0
⑥1~3年生の3年間:2名(10.5%) ⑦それ以外:0 質問 3-b)履修したのは世界史 A か世界史 B か?
①世界史 A:11 名(57.9%) ②世界史 B:5名(26.3%)
③ A か B か分からない:1名(5.3%)
④ A と B の両方:2名(10.5%)
質問 3-c)どのような学習内容であったか?
①古代から近現代まで網羅的に学習した:13 名(68.4%)
② 18 世紀以前を主に学習した:3名(15.8%)
③ 19 世紀以降を主に学習した:3名(15.8%)
質問 3-d)世界史 A の履修条件
①学年の全員が世界史 A を履修することになっていた:
9名(69.2%) ②「理系」のコースの生徒は A を「文系」
のコースの生徒は B を履修することになっていた:0
③わからない:3名(23.1%) 無回答:1名
※分母は A 履修者の総数 13 名(A・B 両科目履修者2名を含む)
質問 3-e)世界史 B の履修条件
①学年の全員が世界史 B を履修することになっていた:
2名(28.6%) ②「理系」のコースの生徒は A を「文系」
のコースの生徒は B を履修することになっていた:1名
(14.3%) ③わからない:2名(28.6%) 無回答:1名
※分母は B 履修者の総数7名(A・B 両科目履修者2名を含む)。
※質問 11 ~ 14 の割合の分母は回答者の延べ総数(35 名)である。
※分母は「受験しなかった」と回答した 71 名。
オンライン授業における大学の歴史教育の可能性
質問 11)オンラインで実施された当該講義について,
通常の対面授業であったほうが良かったと感じたか?
※無回答3名
①対面授業だったら,もっと分かりやすかったと思う:
11 名(31.4%)
理由
・音声が途切れることがあったし,画面を見ているのと 目の前で,対面で授業をきけるのでは集中力の持ち具合 が異なった。画面を見続けるのは目も疲れるので,対面 で受けたいと思った。
・授業中に質問するのははばかられるように思った。し かし振り返りで疑問に答えてもらえたのでそれは非常に よかった。
・音声が途切れたり,目が疲れてしまったり,集中力が 対面の時よりも持ちにくかったりした点
・内容が早すぎて理解が追いつかないところがあった。
・スピードが少し速くて理解が追いつかなかった点。
・[対面の方が]授業に集中できる環境が整っていたと 思う。本など実物を手に取って拝見できる機会が多く あったと思う。
・図や絵などが載った本などを実際に手に取って見るこ とができたと思うから。
② Zoom を使った授業だったおかげで,むしろ分かり やすかったと思う:11 名(31.4%)
理由
・たくさんの追加資料を用意してくださったおかげでオ ンラインでも分かりやすかった。
・私はともかく,非対面であることによって,質問がし やすいというメリットはあったと思う。また,この講義 がいわゆる講義型に分類されるということは要因である と思う。
・自分なりにわからないところを調べることができた。
集中できた。
・資料がみやすかった。集中できた。分からない部分に ついて自分なりに調べることができた。
・Zoom だと,スライドがみやすくて授業後の振り返り で理解できなかった部分については質問することができ るから。
・授業の振り返りで質問する機会が十分に設けられてい て,対面授業よりも分からないことや疑問に思ったこと を聞ける点において理解が深まりやすかったように思い ます。
・毎回の授業の振り返りで質問をする機会が十分に与え られていたので,対面授業よりも理解が深まったのでは ないかと思います。
・チャットの方が他の人の意見が通常よりも出ている印 象があり,他の人の考えを聞くことで自分の考えを深め たり新たな見方を得ることができたから。
・ノートパソコンで授業を受けながらデスクトップパソ コンでノートがとれたので,振り返りを書くときに授業
ノートを参照しやすく効果的に復習できた。配布資料を 印刷せずとも直接書き込めるので便利だった。
・授業ノートがとりやすく,資料も参照しやすかったと いう点と,実際に先生の持っている資料を示して説明し てくださったのが記憶に残っている。
③どちらでもあまり変わらなかったと思う:10 名(28.6%)
理由
・資料を見ながら受けることができる点ではどちらでも 同じだと思ったから。
・PC の画面に向き合う時間が増えて,疲労感を感じた り集中力が持続しにくかったりしたという個人的な問 題はあるものの,授業内容はむしろひとりひとり平等に フォーカスされる機会が与えられているので,よかった のではないかと思う。
・講義者が語る授業は対面でも対面でなくても価値に変 化はないと思うから。
質問 12)授業後に提出する毎回の振り返りは,自分の 学習の役に立ったか?
①役に立った:27 名(77.1%)
②役に立たなかった:5名(14.3%) 無回答:3名 役に立った点
・自分の学びを確認する場となった。
・前の授業でも思い出すことができたから。
・自分の印象に残っている事柄をもう一度自分のなかで 整理し,自分の言葉で表すことでより理解が深まったと 感じた。
・その回で学んだことの復習にもなったし,わからなけ れば質問できるシステムになっていて,役立った。ただ,
Word で打つのにかなり時間がかかるので,量的には負 担だった。
・授業で学んだ内容に対して,自分の立場や意見をじっ くり考えることにつながった。
・質問や疑問について解決できる貴重な機会だった。
・内容の振り返りができたから。
・授業の振り返りの機会が与えられることで学びが深 まった点。
・復習になったし,分からないことは質問できたので良 かった。ただ,Word で作成するのにかなり時間がかか るので,負担は大きかった。
・一度聞いただけではよくわからないこともあったの で,自分でまとめなおすことで復習になった。しかし,
内容が難しいということもあり,すべてを理解すること はかなわなかった。
・授業後の頭を自分自身で整理できる。
・1 回自分の頭で整理することができて,授業内容を頭 に残すことができた。
・授業内容をまとめつつ復習することができた。
・学んだことを自分なりに整理できた。また,授業内容 を思い出すことにつながった。
・授業を受けっぱなしにならず,その日に学んだことや
※分母は「受験しなかった」と回答した 71 名。
- 110 - 理解したことなどを振り返ることで,学習内容が定着し やすかったように思います。
・毎回の授業で何を学ぶことができたか,何を知ること ができたのか振り返りができる点。
・後から振り返りを見返したときに,どんなことを学ん だのかということを思い出しやすい点。
・復習になり,自分の認識を深めたり,改めて書くこと で自分の勘違いに気づいたりできたから。
・授業内容を復習する機会が与えられていて内容理解が しやすかった。質問にも丁寧に答えられており参考に なった。
・振り返りで書くべき内容について授業中に考えながら 聞いていたので,より深く,聞き漏らしがなく受講でき たと思う。
・授業で取り上げる時代や地域の範囲が大きく変わると ころで,振り返りの際に資料やノートを見て再整理でき たので,最終レポートの時に記憶が残っていたため書き やすかった。
質問 13)毎回の振り返りでの質問等に対して翌週に提 示される「回答」は,自分のためになったか?
①なった:27 名(77.1%)
②ならなかった:5名(14.3%) 無回答:3名 ためになった点
・疑問に思ったことが分かった。
・このような考え方があったのだと知ることができたから。
・自分にはなかった視点,そしてその回答は見ていて新 たな発見をもたらしてくれた点。
・自分の分からなかったことが分かるようになったし,
他の人の質問への回答も見られるシステムになっていた のが新たな気づきもあってとてもよかった。
・他の生徒がどのようなことを疑問に思ったのかを知る ことが出来たり,他者の意見とそれに対する先生の回答 やフィードバックを得られたりすることで,新たに学ぶ ことが増えた。
・他の人の質問も見られてその回答も読むことが出来た ので,自分でも気が付かなかったことに気づくきっかけ にもなった。
・他の人の疑問への回答によってさらに知識を得ること ができたから。
・他の人の疑問で自分が考えることのなかった内容を知 ることができた点。他の人の疑問への回答によってさら に知識を得ることができた。
・分からないことを質問したら次の回で解決できたし,
他の人の質問とその回答を見ることができて新たな気づ きがあってよかった。
・自分と同じ目線で講義を受けている人の質問なので,
おおよそ自分もよくわかっていなかったり,質問を聞い てそういえばなんでだろうと考えなおしたりすることが 多かったので,よかった。
・自分の気づかなかった疑問点も見つかることでさらに
知識が増えた。
・先生が丁寧に質問に答えてくださり,疑問が解けた。
・疑問が解けた。
・より詳しく内容について説明されていて学びを深める ことができたから。
・自分自身も何回か疑問に思ったことを質問し,それに 回答してくださったおかげで,モヤモヤ感がなくなり,
また,他の受講者さんがどのようなことに疑問を抱いて いるのかを知ることや自分以外の質問もとても参考にな りました。
・疑問に持った点を解説付きで答えてくれていたため,
より深く理解できた点。
・自分[へ]の回答を文章にすることで,その質問に対し てどのように感じたかということを改めて確認できる点。
・学んだ内容をより深めることができたから。
・毎回丁寧に回答してもらえたので,ためになった。
・ちょっとした,授業に深く関係するわけではない部分 にもこたえていただき,すっきりした部分も多かった。
毎回自分の質問に答えていただいたのが嬉しく,他の人 に対する質問への答えも興味深かった。
質問 14)当該講義で「考える」ことをしたか?
①した:23 名(65.7%) ②しなかった:9名(25.7%)
無回答:3名 具体的な内容
・提示されたものを頭に入れると自然と,考えたり,批 判したりした。
・提示された絵からその時代の考えや文化を感じ取るこ とはできたと思う。
・分からないことや忘れていたことについて自分なりに 調べて考えてみた。
・とくに授業のなかで,先生が問いかけたことについて 自分で考えたり,環境問題はこれが全てであるというよ うな正しい答えがないことが多いので,自分で直感的に 考えたこと以外にもどのような考え方ができるのかとい うことを実践したり,考える機会はあった(毎回しっか り実践できたわけではないが)。
・資料からわかることや説明されたことを自分の中で組 み合わせて理解を深めた。
・補足説明と資料を照らし合わせた因果関係などを考え ることができた。
・自分なりにどういうことか分からないときは調べて考 え,どうしても分からないときは質問していた。
・レジュメは因果関係を必ずしも明確に記されていな かったので,考える必要があった。
・資料から当時の暮らしや人々の心情はどのようなもの であったか考えることができた。
・なぜそのような思想に至ったのか,これからの目標は どのような物か,時には現代と関連付けて考えることが できた。
・先生が授業中に質問したことに対して考えたり,現代