/ / / / / /
x y z
z y x z y x
D D D
E y E z E z E x E x E y
x y z
D E
よって,マクスウェルの方程式③,④を用いて, x成分について
( rot )
y( )
yx x z z
y z x y z x y z
E E
E E E E
D D D D D D
y z x x t x x
D E D B
( rot )
y( ( ))
yx x z z
y z x y z x y z
H H
H H H H
B B B B B B
y z x x t x x
B H B i D
を得る。( )xはx成分を表す。従って
div
1 1
( ) ( ) ( ) ( )
2 2
y y
x z x z
x x x y z x y z
x x x
E H
E E H H
E D D D B B B
x x x x x x
t t x
T
B D
D B i B E D H B
等方性物質については,
D E B , H
より2 2
2 2
div ( ) 1 ( ) ( ) ( )
2 2 2
x x x x x
E H
E E H
x x x t t
B D
T i B D B
2 2
( ) ( ) ( )
2 2
x x x x
E H
E x x t t
B D
i B D B
同様に,
div T
y, div T
zが求まるのでdiv
x, div
y, div
z
T T T
2 2
grad grad ( )
2 2
E H
t
E i B D B
となる。以上により,(2-46)と(2-47)は一致する。
〇* 境界条件
異なる物質が空間を占めるとき,その境界ではどのような関係式が成り立つであろうか?この 関係式もマクスウェルの方程式から導かれる。⓪~④でdivの式では垂直成分,rotの式では接線 方向成分について境界条件が出てくる。
まず,磁界
H
,磁束密度B
については,境界面の任意の点について次式の境界条件が成り立つ。
n H
2 n H
1 i
s (2-58)n B 2 n B1
0
(2-59)ここで,H H1
,
2はそれぞれ境界面の点Pの媒質1側,2側の磁界である。nは境界面に垂直な単位 法線ベクトルで,図の様に媒質1から2に向けた向きである。i
s[A / m]
は境界面に流れる単位長38
あたりの面電流密度を表す。図2-20(a)には,媒質1から媒質2に移ったとき磁界が変化する様子 を示している。本来P点近傍の磁界だから,(b)のように2つに分けて考える。n H n H 2
,
1は 外積の定義より,いずれも境界面上にある。これらの差が面電流密度だから,(c)の図が得られる。2
,
1
n H n H の大きさは,それぞれH2
,
H1の面に平行な方向(接線方向)成分の大きさである。H1
境界面上
n
面に垂直
H2
1
n H
n H2
H1
n
2
n H
1
n H
2
n H is
真上から見た境界面上
境界面上 境界面
媒質1 媒質2
1
n Hの大きさ 分けて
P 考える
P P
媒質2
媒質1
n H 1
2
n H is
1 2
, , n H H
同一平面に ない場合
1 2
, , n H H
同一平面の 場合
(a) (b) (c)
図2-20 磁界
H
の境界条件H1
H2
n
図2-21 n,H2,H1を含む面で切った断面図(面電流がない場合)
1
n H n H1
sin
H
1sin
である。面電流があると,nとH2が作る面と,nとH1が作る 面は必ずしも同じにならないだろう。面電流が流れていない場合には,n,H2,H1は同一平面 にある。この場合を図 2-21に示す。この場合,磁界の接線成分は等しくなる。(2-58)の証明は例 題1で述べる。磁束密度
B
については,図 2-22 に示すように垂直方向成分が等しいことを表している。1
1 1,
2
2 2B H B H より, B1とH1は同じ向き, B2とH2は同じ向きである。
B1
n
面に垂直
B2
n B2
B1
n
2
n B
境界面 媒質1 媒質2
分けて 考える
1
n B
図2-22 磁束密度
B
の境界条件次に, 媒質1が完全導体(
1 )の場合を述べる。完全導体中には電界は存在しないので, 交流 磁界の場合にはB10, H10となる。よってこの場合(2-58),(2-59)より次式が成り立つ。
n H
2 i
s (2-60)n B 2
0
(2-61)(2-61)よりB2は境界面上になくてはならない。よって, B2
2H2より, H2も境界面上になくてはならない。つまり,磁界や磁束密度の垂直成分は0である。
1 0 B B2
n
2
0
n B
媒質1完全導体
境界面上
1 0 H H2
n
2
s
i n H 媒質1完全導体
境界面上
図2-23
H B ,
の境界条件(完全導体の場合)次に,電界
E
,電束密度D
については,境界面の任意の点について次式の境界条件が成り立つ。
2 1
0
n E n E (2-62)
n D 2 n D1
(2-63)ここで,
[C/m ]
2 は境界面の面自由電荷密度である。(2-62)は面電流が流れていない場合の磁界と同じ関係である。電界の面の接線方向成分は境界面 の両側で等しいことを示している。n E E
,
2,
1は同じ平面内にある。これは磁束の時間変化が境界 面で有限であることから導ける(13)。この平面の断面で,E E2,
1は図2-24の様になる。電束密度D
の場合には面に垂直な成分の差が,境界面の
に等しいことを示している。⑥よりn D D,
2,
1は同 じ平面内にある。(2-63)の証明は例題2で述べる。E1
E2
n
図2-24 電界
E
の境界条件次に,媒質 1 が完全導体(
1 )の場合を述べる。完全導体中には電界は存在しないので,10
D , E10となる。よって,次式が成り立つ。
n E 2 0 (2-64)
n D 2
(2-65)(2-64)よ り,E2はnと 同 じ 方 向 で あ る こ と を 示 し て い る 。 つ ま り 電 界 は 面 に 垂 直 で あ る 。
D E の関係があるので, 電束密度も面に垂直である。この様子を図2-25に示す。
の正,40 負に対し, (2-65)より電束密度の向きが決まる。
D2
1 1 0
E D E2
n
0
1 10
E D
0
D2 E2n
図2-25
E D ,
の境界条件(片方が完全導体の場合)最後に伝導電流密度について述べる。 電流密度に関しては, 電荷保存の法則より次式が成り立つ。
2 1
t
n i n i
(2-66)
は 境 界 面 の 面 自 由 電 荷 密 度 で あ る 。 n E E,
2,
1 は 同 じ 平 面 内 に あ り , オ ー ム の 法 則1
1 1,
2
2 2i E i E が成り立つので, n i i
, ,
2 1も同じ平面内にある。図 2-26 はこの平面での断面 図である。媒質1が完全導体の場合, 図2-24に示したように電界は面に垂直だから, i2
2E2よ り電流密度も面に垂直となる。i1
i2
n
2
n i
i1
i2
n
2
n i
1
n i n i 1
(a) 境界面で電荷の時間変化あり (b) 境界面で電荷の時間変化なし
図2-26 電流iの境界条件
例題1 透磁率の異なる境界面において,
rot
t
H i Dより磁界Hの境界条件を求めよ。
,
lC t
na ,
lC t
b
nst
S
n, S
t
,
n t
ns
S
C C
(解)図のように境界面をまたいで幅
a b ,
の長方形の積分路C
をとり,Hについてストークスの 定理を適用する。幅a
をb
に対して十分小さく取ると,a
についての線積分は無視できるので
CH t ldl
S rot
H
nsdS
S sdS
S sdS
t
i n
D n∴
(
H2H1)
tb ab ab t
i
D
(H2についてはtl t)0
a
のとき,ia
is[A / m]
が境界面の単位長当たりの電流密度として存在するとし,次式が得られる。D
/
t
は有限とすると,a
0
のときa
D/
t
0である。2 1
(
H H)
t is
t
nだから,ベクトルの公式より,(
H2H1) (
n) (
n(
H2H1))
である。任意の
について成立つことから次式が得られる。
n H
2 n H
1 i
s例題2
div
D
より,電束密度Dの境界条件を求めよ。D2
n S n
a
S S
S
2 n n
1 n n D1
(解)図のように境界をまたいで厚さ
a
の薄い円板状の体積V
をとり,それにガウスの定理を適 用する。
div
S
dS
VdV
D n
D
V dV
左辺は
a
を非常に小さくとれば,側面の積分は0
となり,上面と下面のみの積分となる。円板の 面積S
を小さくして,その面積S
内ではDは一様と考えられるようにするとD n1 1
S
D n2 2S
aS
S
は面自由電荷密度である。下の面では法線ベクトルn1はnと向きが反対だから n D 2 n D1
○ いろいろな場合の問題の解き方
これまで,一般的に成り立つ式を述べてきた。第3章以降で,いろいろの問題を解いていくが,
ここでは,これらの問題を大きく3つの場合に分類しておく。
(1) 静電界と静磁界
電界や磁界が時間的に変化しない場合,
/ t 0
とお いて,マクスウェルの方程式と物質の式は電界と磁界が無 関係となる。この場合を,静電界,静磁界という。電気回 路で言えば,スイッチを入れて時間が十分経過した直流回 路に相当する。静電界では,時間的に変化しない電荷
が与えられた場合の電界を求めることが中心のテーマ である。直流回路にコンデンサが接続されていて時間が十分経過したとき,コンデンサの中の電 界を求める問題が典型的な例である。本テキストでは第4章のコンデンサで主に静電界を扱う。div D rot
E0
D E
div
B0 rot
H i
B H
42
一方,静磁界は時間的に変化しない直流電流iが与えられた場合の磁界を求めることが典型的な 例である。
静電界,静磁界は,電磁気学の中では比較的理解しやすいテーマである。とは言っても,偏微 分方程式を解くことになるから,特別な形状でなければ式で解を求めることは困難である。よっ て電磁気学の教科書に書かれているのは簡単な形状の場合だけである。一般の場合にはコンピュ ータを使って数値的に解くことになる。有限要素法などの数値解法が実際に用いられている。
(2) 緩慢に変化する現象
変位電流D
/
t
の作る磁界が,伝導電流iの作る磁界に比べて無視できる場合である。他の/ t
は無視しない。変圧器,電動機,発電機を扱う場合がこれに相当する。また,回路の長さに もよるが周波数がおよそ1MHz以下の交流回路が当てはまるであろう。③,③’より
rot H i
,C
d l
S dS
H t
i n (2-67)を使用する。(2-67)より,
div
i 0
である。ただし,コンデンサではD/
t
は無視できず,div
i0
は成立しない。電磁気では準定常電磁界とよばれているが,本テキストでは交流でもスイッチを入れて時間が 十分経過した状態を定常(電気回路の定義)いうので,緩慢に変化する現象(9)とした。第3,5,6章 で緩慢に変化する現象を扱う。
(3) 急速に変化する現象
アンテナや伝送路の電波や電磁波を考える場合には,変位電流D
/
t
が重要な役割を演じる。本テキストでは,D
/
t
を考慮した解析を第7章で扱う。電気回路の場合には分布定数回路で解 析する。分布定数回路では分布したコンデンサを考えることで,等価的にD/
t
が考慮されてい るとみることができよう。電磁波は交流であれば大なり小なり存在している。いずれの場合にも適用できる基本的な考え方として重ね合わせの理がある。これはマクスウェ ルの方程式が線形な演算で表されていることによる。すなわち,
div
D1
1div
B10 rot
1 1t
E B rot
1 1 1t
H i D
(2-68)
div
D2
2div
B2 0 rot
2 2t
E B rot
2 2 2t
H i D
(2-69)なら,
div (
D1D2)
1 2div (
B1B2)
0
1 2
1 2
( )
rot ( )
t
B B
E E
1 2 1 2(
1 2)
rot( )
t
D D
H H i i
(2-70)が常に成り立つ。つまり,電荷や電流によって電界や磁界ができるとき,(2-68),(2-69)に分けて 解を求め,そのあとで加算することができる。ただし,マクスウェルの方程式だけでは解は得ら れず,物質の式を必要とする。このとき透磁率,誘電率,導電率が電界や磁界に依存しないなら たとえ時間や空間の関数であっても重ね合わせの理が使えるが,電界や磁界の関数で透磁率,誘 電率,導電率が変化するなら重ね合わせの理は使えない。磁束の飽和はその例である。