2020年度
本郷中学校入学試験
過去問解説 国語 第二回
はじめに
2020年本郷中学校入学試験問題第二回国語の解説です。昨年本郷中学校に受験した僕が、
来年入試を受ける皆様の力になるようにと考えて作ったので、ぜひご覧になってください!
きっと本郷中学校の入試の力になると思います。
まず、問題の構成について、【一】【二】【三】の順に、漢字、説明文の文章問題の物語 文の文章問題となっていることが多いです。そのため、5分で漢字、20分で【二】、20分で
【三】、5分と余った時間で解き直しをするのがおすすめです。
文章問題の2つは、それぞれ一つずつ記述の問題があることが多いため、記述の問題の時 間の使い方が重要です。よく考えて取り組んでください。
答えを導き出すのが難しい問題もありますが、あきらめずに解くのが大事です。
解説
【一】
①ひたい ②耕 ③官庁 ④尺八 ⑤宗派
〈ポイント〉
・漢字の問題で点を取るためには、「漢字検定5級」までの漢字を書けるように勉強 しましょう。問題に出る漢字はすべて小学6年生までの漢字です。
「漢字検定5級」の参考書に出てくる熟語をかけるようになれば間違えません!(オス スメです)
※③官庁街・・・官庁(役所のこと)が並ぶ街のこと。
※④尺八・・・笛の一種。
※⑤宗派・・・宗教の分派、流派。
【二】
問一 Aエ Bア
〈ポイント〉
・接続後(つなぎ言葉)を選ぶ問題は、前後の文の内容ををもとに、その2つの 文の関係を考えながら選ぶのがいいです。それでも悩む問題は、選択肢を 1つずつあてはめて1番合うものを選びましょう。
A:前の文「あなたの内面は誰にも見えない。」
⇒ ⇒
後の文「周りから⇢(略)自己満足のためと⇢心のなかで思われたりするのを防ぐ
ことはできない。」
誰にもあなたの内面は見えない から 自己満足のためと思われるのを防げない
とあるため、 は「だから」だとわかります。
B:前の文「久しぶりにボランティアが声高に語られ、議論を起こしたのが東京五輪 ボランティアだった。」
⇒ ⇒
「そこにおいて、贈与のパラドックスを伴う「無償性」は放棄されてしまったよ うに見える。」
(ボランティアという言葉が無償であるときなどに限られていった中で、)
久しぶりにボランティアに関心が向けられた けれど そのボランティアに無償性 はなくなってしまった
とあるため、 は「しかし」だとわかります。
問二 自分が善意でした無償の行為を周囲から何か
しらの対価を求めて行ったのだろうと疑われ
てしまうという問題。(50字)
〈ポイント〉
・問題にあった答えを見つけることです。作文の問題では、問題製作者が書かせた い答えを書くのが大切です。
・わかりやすい(素直な)記述をすることです。自分の作文を読む気持ちになって 添削すると、とてもいい回答にすることができます。
この問題での答えは
「ボランティアをめぐる問題」は[どのような]問題 です。
[どのような]に入るポイントを探します。
[どのような]問題は、
[ボランティアをしても、報酬が真の目的であると思われてしまう]問題です。
これをより詳しくして、
[(善意で行った)無償の行為を 周りの人に対価を求めて行ったんだと 疑われて しまう]問題と書くことができます。
問三 見返り
〈ポイント〉
・抜き出す問題は根気よく頑張って探さなければなりません。
・そのときに抜き出す事柄に関係する話題の段落から探したり、本文を読んだとき の記憶を頼りにして探すのがおすすめです。
贈与とは反対の を探します。
この問題では、(4)ページの 9段落 6行目に書かれています。
問四 エ
〈ポイント〉
・記号を選択する問題は、本文とどれだけあっているかを判断する必要があります。
・それでも迷うことが多いので、すべての選択肢から間違いを探し、答えのみを残 す、消去法がおすすめです。
→けれど どうしても迷ってしまうときは、覚悟を決めて勘で解くのがいいです。
アに「プレゼントするものを通して自分の気持ちを直接伝える」とありますが、
本文には「プレゼントはものではない。モノを媒介にして、人と人との間を人格的 ななにかが移動しているよう」とあり、少しずれていると考えられます。
イも上記の本文から考えるとモノを送ろうとするのはずれていると考えられます。
ウは、前半 本文の贈与ではなく交換の話になっているため違うと考えられます。
よって、答えはエです。
問五 ウ
アは後半 交換の話をしています。
ウは「贈られたモノ自体を重視し、」がずれています。
エはすべて交換の話をしています。
よって、答えはイです。
問六 エ
ボランティアという言葉が使われるのが限られていったのは、
「交換」に「ボランティアに関する言葉」を使われるようになり、
ボランティアという言葉を使うのが、完全無償の場合などのみに限られてしまった からです。
アは「贈与のパラドックスに悩み人が減った」が違います。
イのように「有償ボランティアがボランティアの主流となった」わけではありま せん。違います。
ウも前半 イのような考えが書かれているため違います。
よって、答えはエです。
問七 イ
アには後半「質問し続ける」とありますが、「相手に問う」ことで「私」の苦悩 をわずかでも相手に伝えたいため、違います。
ウ「周囲の人と――考えながらボランティアをつづける」わけではないため違い ます。
エの「無償性めぐる問題」は「自己矛盾」ではありませんし、「有償ボランティ アと並行して活動を続ける」わけでもないので、違います。
よって、答えはイです。
問八 ウ
アの「一九九五年」は「最も盛んにボランティアが行われた頃」ではなく「最も たくさん朝日新聞に取り上げられた頃」です。
イの『純粋贈与』は、「天皇からの無限の恩恵」のことです。
エでは、「無償性のめんどくささ」が引き起こすのは『自己満足』問題ではなく、
「報酬(対価)」の問題です。
よって、答えはウです。
【三】
問一 aウ bイ cエ
〈ポイント〉
・言葉の意味を問われる問題を間違えないためには、語彙力を付ける必要がありま す。そのために読書をしてみましょう。どんな本でもいいです。知らない言葉を見 つけたときに聞いたり調べたりすることをおすすめします。
・また、例えその言葉の意味がわからなくても前後の文を見たり、文の流れを考察 して、意味を選択肢の中から絞ることができます。
※aかろうじて・・・やっと、どうにか、
※bはにかむ・・・(接した人に気圧され)恥ずかしがる。
※cつぶらな・・・小さくまるいこと。
問二 ウ
この問題では作者の不安や緊張の気持ちを答えさせようとしています。
ア、イ、エは違うことを言っているので違います。
よって、答えはウです。
問三 エ
親に従うしかない子どもの気持ちは「罪悪感」でも「劣等感」でも「屈辱感」
でもなく、エの「孤独感」です。
よって、答えはエです。
問四 ウ、エ
「言ってあげたかった」「過去の自分」とは、孤独感を抱く自分のことです。
それに近いのは、ウの「長年住んだアメリカを離れて日本にやってきて、辛く寂し い思いをしていた自分」と、「故郷を離れて日本にやってきて、心細い思いをして いるであろう支援教室の子どもたち」です。自分の孤独が重要なので、ア、イ、オ
、カは考えにくいです。
よって、答えはウとエです。
問五 ノートには
ジュリアの勉強の内容が書かれた段落は
(15)ページの一番うしろの行から、(16)ページの1行目までの段落です。
問六 母親が願うようにブラジルのことを忘れない
でいたいと思うが、日本語がうまくなって日
本の友達と仲良くなりたいとも思う気持ち。(50字)
ジュリアの「二つの国の間で揺れ動く」二つの気持ちは、
「①ブラジルを忘れたくない」という気持ちと「②日本語を話して日本の友達と仲 良くなりたい」という気持ちです。①は、母のブラジルを忘れてほしくないという 願いからの気持ちで、②は、日本語をもっと上手に話せるようになってもっと日本 の友達と仲良くしたいという気持ちです。
問七 ウ
アに「同じく子を持つ母親」とありますが「私」は子どもを持つ身として答えて ないので違います。
イに「ジュリアがずっと日本にいることがわかって」とありますが、本文には そう書かれていません。
エは「人の子持ちは言葉ではうまく伝わらないものだけれど、詩を通じてなら伝 えられるということがようやくわかってうれしい」と書かれていますが、本文にこ うは書かれていないので違います。
よって、答えはウです。
問八 ア、カ
イに「もう見られない」とありますが、ブラジルに帰れば見られるので、これは 誤りです。
ウに「オレンジ色がジュリアの好きな色だということがよく伝わってくる」とあ りますが、オレンジの空もまっくろの空も「どちら――もすきだ」とあるので、こ れは誤りです。
エは「しらない」みちや「あたらしい」ともだちという詩を見て、「完全に」日 本の暮らしに馴染んでいると考えるのは難しいです。
オは詩の「おかあさんと〜わすれにように」の部分で「嫌いな日本での生活を親 子で何とか切り抜けていこうという――強い意志」と考えるのは、少し難しいで す。
よって、答えはアとカです。
終わりに
ここまで、本郷中学校を受験した僕が問題を解くときに考えること、注意すること をまとめました。
しかし、あくまで僕の考えなので、力になれないこともあるかもしれません。けれ ど、皆様にこうして思いを伝えることができて楽しかったです。
ありがとうございました。本郷中学校で会えるのを楽しみに待っています。
これからも頑張ってください!
☆受験勉強時のおすすめ☆
・朝、学校に行く前に縄跳びを飛ぶ
気持ちのいい朝が迎えられ、大変な受験勉強の心の安らぎとなり、
より勉強に集中できるかも
・勉強するときは、時間を決めて行う⇒ただし、その時間内は必ず勉強だけをする
・集中力が少なくなってきたら、休むのではなく 甘いものを食べる!
(ラムネがおすすめ)糖分補給は重要
・文章問題でわからない問題があるときは、
めげずに文章を何度も読み返す!