代数学の広がり
下記の要領で東北大学数理科学連携研究センターと東京理科大学総合研究院との協定に基づく 研究集会「代数学の広がり」を開催いたしますので、ご案内申し上げます。
日時: 3月25日(金) 10:00 17:50
場所: 東京理科大学野田キャンパス講義棟K401およびオンライン
(または野田キャンパス4号館3階数学科セミナー室およびオンライン)
東武アーバンパーク線(野田線)運河駅東口から徒歩7分 及びZoom
https://tus-ac-jp.zoom.us/meeting/register/
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世話人: 都築 暢夫 (東北大学数理科学連携研究センター)
伊藤 浩行 (東京理科大学総合研究院・先端的代数学融合研究部門)
プログラム
10:00 – 11:00 川邊大貴 (東北大学数理科学連携研究センター) 種数1のファイバー曲面のモチーフ
11:10 – 12:10 榎園誠 (東京理科大学理工学部数学科) 代数曲面上の曲線からの射の拡張定理
– 昼食休憩
13:10 – 14:10 13:10 14:10 小境雄太 (東京理科大学理学部第一部数学科) 有限群のブロック上の台τ-傾加群について
14:20 – 15:20 田中太初 (東北大学情報科学研究科)
量子ウォークに基づく Johnson グラフ上の探索アルゴリズム 15:40 – 16:40 板場綾子 (東京理科大学教養教育院葛飾キャンパス教養部)
中心上有限生成な非可換射影平面の特徴づけ 16:50 – 17:50 都築暢夫 (東北大学理学研究科数学専攻)
3次元Dwork族Calabi-Yau多様体の鏡対称のmod 2 Galois表現
Abstracts
• 種数1のファイバー曲面のモチーフ (川邊大貴・東北大学数理科学連携研究センター) 代数曲面から代数曲線への全射で生成ファイバーが種数1の曲線となるものを, 種数1の ファイバー曲面という. さらに, 生成ファイバーが有理点を持つ場合, Jacobian曲面と呼 ばれる. 任意の種数1のファイバー曲面X に対して, それに付随するJacobian曲面J が 1つ存在する. Betti数やEuler数 など, XとJの不変量が一致することが知られていた. 本講演では, XとJのモチーフが同型になることをご紹介したい. その応用として, 幾何 種数0の非一般型曲面の有限次元性が導けることもご紹介したい.
• 代数曲面上の曲線からの射の拡張定理 (榎園誠・東京理科大学理工学部数学科)
与えられた代数多様体の部分多様体から他の代数多様体(例えば射影直線)への射はい つ全体に拡張出来るのか,という問題を考える.この講演では,代数曲面とその上の曲線
(因子)に対し,この問題の一つの解答を説明する.またそのいくつかの応用(任意の体 上定義された平面曲線の非特異な有理点の特徴付けなど)を紹介する.
• 有限群のブロック上の台τ-傾加群について(小境雄太・東京理科大学理学部第一部数学科) Adachi-Iyama-Reiten(2014)により、有限次元多元環Λに対して、台τ-傾加群が定義され た。この台τ-傾加群は、Λ上の二項準傾複体や、二項単純系、半煉瓦をはじめとする、さ まざまな表現論的な対象と一対一で対応する。このことから、多くの研究者により、さま ざまな有限次元多元環を例に、台τ-傾加群の分類が行われてきた。本講演では、不足群 として巡回群をもつ有限群のブロックを被覆するようなブロック上の台τ-傾加群の分類 について述べる。本講演は、東京理科大学の小塩遼太郎氏との共同研究に基づく。
• 量子ウォークに基づく Johnsonグラフ上の探索アルゴリズム(田中太初・東北大学情報科 学研究科)
種々のグラフの系列に於いて、量子ウォークに基づく探索アルゴリズムが古典的アルゴリ ズムの2乗高速化を実現することが示されてきた。本講演ではこれらの事実を概観した 後、距離可移グラフ(有限2点等質空間)の重要な例である Johnsonグラフについても同 様であることを紹介する。
• 中心上有限生成な非可換射影平面の特徴づけ(板場綾子・東京理科大学教養教育院葛飾キャ ンパス教養部)
非可換代数幾何学はArtin-Schelter [1]によって導入された3次元AS正則環と呼ばれる多 元環の分類問題から出発した分野であり,この分類問題を解決するにはArtin-Tate-Van den Bergh [3] による代数幾何学的手法が有効であった. d次元quantum polynomial algebra とは,ヒルベルト級数に関するある条件を満たすd次元AS正則環のことであるが,こ れは多項式環の非可換類似であり, この研究分野において最も基本的な研究対象である. Artin-Zhang [2]によって, 右ネーター多元環Aの非可換射影スキームProjncA が定式化さ れた.特に,非可換射影空間(quantum Pd−1)はd次元quantum polynomial algebra A に付随する非可換射影スキームProjncAとして定められ,d= 3のとき,ProjncA は非可換 射影平面(quantum P2)と呼ばれる.
本講演は毛利出氏(静岡大学)との共同研究[4]に基づいており,この研究の動機づけや 背景を含め,中心上有限生成な非可換射影平面の特徴づけに関する研究結果を紹介する. さらに, 多元環の表現論に関連する結果および予想についても言及する.
[1] M. Artin and W. Schelter,Graded algebras of global dimension 3, Adv. Math.66(1987), 171–216.
[2] M. Artin and J. J. Zhang,Noncommutative projective schemes, Adv. Math. 109(1994), no. 2, 228–
287.
[3] M. Artin, J. Tate and M. Van den Bergh, Some algebras associated to automorphisms of elliptic curves, The Grothendieck Festschrift, vol. 1, Progress in Mathematics vol. 86 (Birkh¨auser, Basel, 1990) 33–85.
[4] A. Itaba and I. Mori, Quantum projective planes finite over their centers, Can. Math. Bull., First View (2022), 1–15.
• 3次元Dwork族Calabi-Yau多様体の鏡対称のmod 2 Galois表現(都築暢夫・東北大学理 学研究科数学専攻)
本講演では、代数体の4次 mod 2 Galois表現と5次多項式との間の相互律を導入し、そ の性質を研究する。相互律を適用して、Dwork族と呼ばれる3次Calabi-Yau多様体の鏡 対称に付随するmod 2 Galois表現が、ある5次多項式のGalois群で与えられることを示 す。本研究は、山内卓也氏(東北大)との共同研究である。
尚、対面でご参加の方は感染症対策として以下をお願いいたします。
• 建物・教室・セミナー室等の入口での検温実施
(37.5℃以上が検知された場合、入場をご遠慮いただく場合がございます。)
• 建物内でのマスク着用
(着用いただけない場合、入場をご遠慮いただく場合がございます。)
• こまめな手指消毒
(建物入口・教室・セミナー室に手指消毒用アルコールを設置いたします。)
• 建物・教室・セミナー室でのソーシャルディスタンスの確保
教室・セミナー室についてはドアを常時開放します。また、二酸化炭素濃度測定によるモニ タリングにより換気をコントロールいたします。