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12. 最大・最小問題 - 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY)

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Academic year: 2024

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(1)

§ 12. 最大・最小問題

有界閉集合:無限に広がっていない(有界),境界をすべて含む集合(閉集合).

(きちんとした定義は教科書 §7,p. 205に委ねることにする.)

例 12.1. 円の内部または境界からなる集合

{(x, y)2R2 ; (x a)2+ (y b)2 5r2} (r >0) は有界閉集合.円周 {(x, y) ; (x a)2+ (y b)2 =r2}も有界閉集合.

定理 12.2. 有界閉集合A上で連続な函数fはAで最大値も最小値もとる.

以下現れる函数は連続であるとする.

例 12.3. g(x, y) :=x3+y3 3xy= 0の条件下でf(x, y) = xyの極値を調べる.

F(x, y, ) := xy (x3+y3 3xy)とおくと,

Fx =y 3 x2+ 3 y, Fy =x 3 y2+ 3 x, F = (x3+y3 3xy).

ゆえに,Fx =Fy =F = 0 () 8>

<

>:

y= 3 (x2 y) · · · 1 x= 3 (y2 x) · · · 2

x3+y3 3xy= 0 · · · 3

x, yの一方が0なら,3 より他方も0.原点は :g(x, y) = 0の特異点であるが,

は原点の近くで第3象限以外の3個の象限に現れるので,f(x, y) =xyは原点の近 くで正にも負にもなる.ゆえにf(0,0) = 0は極値ではない.

 以下xy6= 0とする. 12 より 6= 0であって,

x2 y

y = y2 x

x

⇣= 1 3

⌘.

分母を払うとx3 =y3を得て,x=yを得る.これを 3 に代入すると,x2(2x 3) = 0 となって,x = 32 = yを得る.このとき = 23 である.f(32,32) = 94 は,g(x, y) = 0 の条件下における最大値であって,極大値でもある.実際,曲線 と,境界も込め た第1象限との共通部分 +は有界閉集合である(宿題参照)ので,f(x, y)は +で 最大値をとる.f(0,0) = 0であるので,この最大値は必ず +の内部で達している ので,極大値でもある.さらに +以外の(x, y) 2 ではf(x, y) < 0であるから,

f(32,32)は 全体でのfの最大値でもある.

【変数や条件が多い場合の極値問題】

定理 12.4. g(x) = 0の下で函数f(x)がg = 0の通常点aで極値をとるなら,新た に変数 2Rを増やして,F(x, ) :=f(x) g(x)を考えるとき,9↵2R s.t.

Fxj(x,↵) = 0 (j = 1, . . . , n), F (x,↵) = 0.

1

(2)

例 12.5. 条件x2+ (y 1)2+ (z 2)2 = 3a2 (a >0)の下でのf(x, y, z) = x+y+z の極値を求めよう.

F(x, y, z, ) := x+y+z (x2+ (y 1)2+ (z 2)2 3a2) とおくと,

Fx = 1 2 x, Fy = 1 2 (y 1), Fz = 1 2 (z 2) であるから,Fx =Fy =Fz =F = 0 ()

1 = 2 x= 2 (y 1) = 2 (z 2) · · · 1 , x2+ (y 1)2+ (z 2)2 = 3a2 · · · 2

1 より出るx=y 1 =z 2 = 1

2 を 2 に代入して, =± 1

2a.したがって (x, y, z) = (±a, ±a+ 1, ±a+ 2) (複号同順).

さて,x2 + (y 1)2+ (z 2)2 = 3a2 (a > 0)を0みたす点の集合 は球面であり,

有界閉集合である. には特異点はないので(各自確かめよ),f が 上でとる最 大値,最小値はそれぞれ極大値,極小値でもある.

定義 12.6. (1) なめらかな3変数函数g, hに対して,

✓gx gy gz

hx hy hz

をgとhの Jacobi行列という.

(2) 空間曲線 : g = h = 0上の点でそこでのJacobi行列が

eeeeeeeeeeeeeeeeeefull rank でないとき,

すなわち階数が1または0のとき,その点を の特異点という.特異点でない点を 通常点という.

定理 12.7. 条件g(x, y, z) = h(x, y, z) = 0の下での3変数函数f(x, y, z)が,曲線 :g =h= 0上の通常点(a, b, c)で極値をとるなら,新たに変数 , µを増やして

F(x, y, z, , µ) :=f(x, y, z) g(x, y, z) µh(x, y, z) を考えるとき,実数↵, が存在して,点(a, b, c,↵, )において

Fx =Fy =Fz =F =Fµ= 0.

証明. 点(a, b, c)でdet

✓gy gz

hy hz

6

= 0と仮定しよう(他の場合も同様である).陰 函数定理から,(a, b, c)の近くで,g(x, y, z) = h(z, y, z) = 0からy='(x),z = (x) と解ける.H(x) :=f(x,'(x), (x))はx=aで極値をとるので,H0(a) = 0.ゆえに

fx(a, b, c) +fy(a, b, c)'0(a) +gz(a, b, c) 0(a) = 0.

一方,xの近くで恒等的にg(x,'(x), (x)) = 0かつh(x,'(x), (x)) = 0であるから gx(a, b, c) +gy(a, b, c)'0(a) +gz(a, b, c) 0(a) = 0,

hx(a, b, c) +hy(a, b, c)'0(a) +hz(a, b, c) 0(a) = 0.

2

(3)

(X, Y, Z) = (1,'0(a), 0(a))は斉次連立一次方程式 8>

<

>:

fx(a, b, c)X+fy(a, b, c)Y +fz(a, b, c)Z = 0 gx(a, b, c)X+gy(a, b, c)Y +gz(a, b, c)Z = 0 hx(a, b, c)X+hy(a, b, c)Y +hz(a, b, c)Z = 0

の非自明な解である.ゆえに係数行列式は正則ではない.仮定より,係数行列中の 下2行の2⇥3行列の階数が2であるから,(a, b, c)において,↵, 2Rが存在して

(fx, fy, fz) = ↵(gx, gy, gz) + (hx, hy, hz)

と書ける. ⇤

例 12.8. x+y+z = 4,xy+yz+zx= 5の条件下でのf(x, y, z) :=xyzの最大最 小(極大極小).

解. g(x, y, z) :=x+y+z 4,h(x, y, z) =xy+yz+zx 5とおくと,Jacobi行列 は

✓gx gy gz

hx hy hz

=

✓ 1 1 1

y+z z+x x+y

であり,これが階数1であるためには,

y+z =z+x=x+y,すなわちx=y=zであり,g(x, y, z) = 0よりz =y=z = 4 となるが,h(x, y, z) = 0をみたさない.ゆえに :g(x, y, z) =h(x, y, z) = 0上には3

特異点はない.

 そこでF(x, y, z) :=xyz (x+y+z 4) µ(xy+yx+zx 5)とおくと,

8>

<

>:

Fx =yz µ(y+z) Fy =zx µ(z+x) Fz =xy µ(x+y)

(F = (x+y+z 4) Fµ= (xy+yz+zx 5) ゆえにFx =Fy =Fz =F =Fµ= 0 ()

8>

<

>:

yz = +µ(y+z) · · · 1

zx= +µ(z+x) · · · 2

xy= +µ(x+y) · · · 3

(x+y+z = 4 · · · 4

xy+yz +zx= 5 · · · 5

x 6= yと仮定すると, 1 2 より得るz(y x) = µ(y x)から,z = µ.同様に y 6= zと仮定すると,2 3 より得るx(z y) = µ(z y)から,x = µ.そして z 6=xと仮定すると, 1 3 より得るy(z x) =µ(z x)から,y =µ.したがっ

て,x, y, zのすべてが異なるということはない.

(i)x=yのとき,4 は2x+z = 4,5 はx2+ 2xz = 5となる.z = 4 2xを後者に代 入すると,3x2 8x+ 5 = 0,すなわち,(3x 5)(x 1) = 0となり,x= 5

3,1.この ときz = 2

3,2.あとはx, y, zの対称性により,極値を与える点の候補は⇣5 3, 5

3, 2 3

⌘,

3

(4)

(1,1,2)でのみ考えてよい.f⇣5 3, 5

3, 2 3

⌘= 50

27,f(1,1,2) = 2.  さて :g(x, y, z) = 0, h(x, y, z) = 0上の点は,

x2+y2+z2 = (x+y+z)2 2(xy+yz+zx) = 6 をみたすので,原点を中心とする半径p

6の球面上にある.閉集合であることは明 らかであるので, は有界閉集合.ゆえにf(x, y, z)は 上で最大値と最小値をと る. に特異点がないことより,最大値・最小値は極値候補の中にある.ゆえに 50 は最小かつ極小,2が最大かつ極大である. 27

定理 12.9 (逆写像定理). :x= (x, y)7! u= (u, v)はなめらか1で,そのJacobi 行列J (x) =

✓ux uy

vx vy

はx=x0で正則であると仮定する.このとき,u0 := (x0) の近くで定義されたなめらかな :u7!xで, の逆写像になっているものが存在 する.すなわち, はx0の近傍からu0の近傍へのなめらかな全単射であって, 

( (u)) =u, ( (x)) = x, J ( (x)) =J (x) 1.

証明. 4変数のベクトル値函数F(u,x) = u+ (x)を考える2.そのJacobi行列 JF(u,x)は2⇥4行列で

JF(u,x) = E J (x) (Eは2⇥2の単位行列)

となる.右側の2⇥2行列J (x)について,detJ (x0) 6= 0であるから,陰函数定 理より(u0,x0)の近くで,なめらかな により,F(u,x) = 0からx = (u)と解 ける.このとき,u= ( (u))であるから,合成函数(写像)の微分により,E = J ( (u))J (u)が成り立つ.ゆえにu= (x)において,J ( (x)) =J ( (x)) 1 が成り立つ.

 またG(x) := ( (x)) xとおくと,

JG(x) = J ( (x))J (x) E =O (零行列).

G(x, y) = (G1(x, y), G2(x, y))とすると,これはx=x0の近くでG1, G2が定数,す なわちGが定ベクトルであることを示している.ゆえにG(x) =G(x0) = 0.よって ( (x)) = xであり,すでに示したことからJ ( (x)) =J (x) 1が成り立つ. ⇤

1u, vx, yのなめらかな函数.

2ここではuは独立変数.

4

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