高等部(保健体育)学習指導案
日 時 平成 25 年○月○○日(○)
○○:○○~○○:○○
対 象 高等部2年 普通学級 重度・重複学級 マット運動 ○グループ ○○名
学 校 名 東京都立○○特別支援学校 授 業 者 T1:指導教諭 ○○ ○○
T2:○○ ○○
会 場 体育館 1 単元名 マット運動(前転、バランス、連続技)
2 単元の目標
・前転、バランス技が正しくできる。
・技をつなげて最後にポーズを決める演技を発表できる。
・協力して安全に活動できる。
3 単元の評価規準
ア 関心・意欲・態度 イ 思考・判断 ウ 運動の技能 エ 知識・理解
① 進んで練習をして技 能を高めようとして いる。
② 指 示 ど お り に 安 全 に活動しようとして いる。
① 動きの要点を意識し、
確認しながら練習し ている。
① 前転、バランス技を正 しく安全にできる。
② 技をスムーズにつな げて連続技ができる。
4 学習指導要領等の位置付け
「特別支援学校高等部学習指導要領」では、知的障害特別支援学校高等部の保健体育について以下のように 位置付けている。
【保健体育の目標】
適切な運動の経験や、健康・安全についての理解を通じて、心身の調和的発達を図り、明るく豊かな生 活を営む態度と習慣を育てる。
【内容】
1 段階
ア 体づくり運動、いろいろなスポーツ、ダンスなどの運動を通して体力や技能を高める。
イ 決まりやいろいろなスポーツのルールなどを守り、友達と協力して安全に運動をする。
ウ 心身の発育・発達に関心を持ったり、健康・安全に関する初歩的な事項を理解したりする。
2段階
ア 体づくり運動、いろいろなスポーツ、ダンスなどの運動をする。
イ 決まりやいろいろなスポーツのルールなどを守り、友達と協力し、進んで安全に運動をする。
ウ 心身の発育・発達に応じた適切な行動や生活に必要な健康・安全に関する事項の理解を深める。
「東京都立特別支援学校高等部 教育課程編成基準・資料」の「知的障害特別支援学校における各教科の具体 的な内容の例」では、マット運動について、以下のように示されている。
5 単元における自分の考え
(1)単元観
マット運動は、主として回転する技や、倒立する技の中から、自己の能力に応じた技に取り組み、技の上達 を図るとともに、できる技を繰り返したり、組み合わせたりして技を連続させる運動である。
生徒からみると、自己の能力に応じて、新しい技に挑戦したり、連続させたりすることで、「できる」楽し さを実感しやすく、マット運動を楽しみにしている生徒も少なくない。また回転や宙返りなど、華やかな動き に憧れる生徒も多く、普段の遊びの中でも、側転などの技に挑戦しようとする生徒もおり、意欲的に活動でき る生徒が多い単元である。しかし、日常の生活にはない姿勢になるので、恐怖心をもちやすく、できる、でき ないがはっきりしていて、できない生徒は、苦手意識を強くもちやすいという側面もある。また、日常生活に はない姿勢や動きをするために、危険を伴う活動でもある。安全に活動するために、指示どおりに活動するこ とや、互いに協力することなどについても大切な指導内容となる単元である。
(2)生徒感
運動への意欲が高い生徒が多く、体育の授業には積極的に取り組む姿勢が見られる。特に、持久走や短距離 走、水泳などのルールが簡単な単元では、学習内容を理解して、自分で動いて意欲的に活動する姿が見られる。
しかし、キックベースボールやバスケットボール、サッカーなどのゲームを行う単元では競う意識がもてなか ったり、ルール理解が難しかったりして、意欲的に活動できないことがある。
器械運動については、「でんぐりがえり」など、幼年期から楽しんで行ってきた動きがあるので、楽しんで 活動する姿が見られる。しかし、動きのイメージがもちにくかったり、身体の柔軟性に課題があったりして技 能が向上しにくく、後転などの新しい技の習得がなかなか進みにくい。このような実態から、現在習得してい る「前転」の技の精度を上げることや、できる技をつなげて「できた」ことを分かりやすく実感できる授業を おこなう。
(3)教材観
本単元では、前転とバランス技の精度を上げることと、技を連続させて発表をすることに重点を置いた指導 をする。高等部1年の時には、マット運動の単元が設定されておらず、生徒にとっては中学部、中学校以来の 単元となるため、単元の前半は、既習の技の感覚を取り戻す学習が必要となる。その上で、「前転」について は、精度を高めるための学習を取り入れていく。前転は感覚的に前回りすることはできるものの、正しく手を ついてから、スムーズに周り、手をつかないで立ち上がるなど、動きの一連の流れをスムーズに行えない生徒 がほとんどである。自分の身体のイメージをもちにくい生徒たちのため、口答による細かい動きの解説や、動 きを分けての学習では、スムーズに動きをつなぐことが難しい。そのため、前転を連続して行うなかで、感覚 的に動きをイメージしやすいキーワードを提示したり、補助具を工夫したりすることで一連の流れをスムーズ に行いながら技の精度を上げられるようにしたい。また、新たに「バランス技」の習得に取り組む。バランス 技は、動きを止めての技のため、身体のイメージがもちやすく、できるようになったことを実感しやすい。10 秒間片足で立つなど、どのように表現すればよいのかを明確に理解し活動できるような内容で取り組みたい。
さらに前転を繰り返したり、バランス技をおこなったりして技を連続させ、動きを発展させられるようにした い。単元の最後には、練習の成果を発表し合う機会を設け、学習の成果を生徒同士で認め合えるようにしたい。
マット運動は、日常生活にはない姿勢や動きをするために、危険も伴う活動である。安全に活動するために、
指示どおりに活動することや、お互いに協力することなどについても指導し、正しい態度で学習できるように していきたい。
6 体育・保健体育 器械・器具を使った運動
1<運動遊び> 5 マットの上でごろごろ転がる。
2<いろいろな運動> 5 マットで横転や前転をする。
3<いろいろな運動> 5 マットで連続横転や連続前転をする。
4<器械運動> 4 マットで前転、後転などをする。
5 マットで開脚前転、開脚後転などをする。
6<器械運動> 3 マットで連続前転、連続後転、開脚前転、開脚後転などをする。
6 単元の指導計画 単元全体の授業時間数(8)時間
・本単元は、学習課題別に3つのグループに分けて活動する。
・授業の始めと終わりは全体で学習をし、展開はグループごとに学習をする。
・グループ別の学習では、グループごとに学習内容がちがう。
(1グループの単元計画)
主な学習活動 時数 期日
オリエンテーション・班分け 1 ○月 ○日(○)
3つのグループに 分かれての学習
前転・バランス技の練習 4
○月 ○日(○)
○月 ○日(○)
○月 ○日(○)
連続技・発表の練習 2 ○月 ○日(○)
○月 ○日(○)(本時)
発表会 1 ○月 ○日(○)
6 本時の指導について
(1)本時の目標
・キーワードを意識して、ゆりかご運動、前転がスムーズにできる。
・技をスムーズにつなげて、演技ができる
・順番を守り安全に活動できる。
(2)支援の工夫 具体的な配慮事項・手だて等
・試技の前に、意識するポイント「うさぎの耳」「手を前に」をキーワードで提示することで、生徒が何 をがんばればよいか、その要点をしっかり認識して活動に取り組めるようにする。
・ゆりかご運動、前転では、ボクシング用のミットを使い、ミットを叩くことで手が前に出ていることを 実感できるようにする。
・マットの下に踏み切り板を入れて坂を作り、回転の勢いを付けられるようにする。
・模倣が難しい場合や、どのように体を使うか分からない場合は、動かす部位を軽く補助し、具体的な体 の使い方を指導する。
(3)配置図・教材
舞台
準備する教材・教具 (体育館の備品等)
短いマット 台 ホワイトボード 踏み切り板
(T1が用意する教材等)
スケジュールボード ホワイトボードマーカー ◎カード キーワードのカード ボクシングのミット
(4)本時の展開
第1グループマット
第3グループマット はじめの挨拶、
整理体操、終わ りの挨拶は、こ こ に ク ラ ス ご と に 並 ん で 行 う。
第2グループマット
第2グループマット
第1グループマット
時間 生徒の学習活動 指導者の支援、留意点・T2の動き 評価の観点 導入
(10分)
(全体での活動)
マットの準備
整列 挨拶
授業の流れを確認する 準備運動
ストレッチ運動
・身体の伸ばす部分をしっかり意識 しながら行う。
(グループに分かれての活動)
靴、靴下を脱いで整列 本時の説明を聞く
・授業の流れを確認する
・前回の授業で学習したことを思い 出し、ゆりかご運動、前転でがん ばる「キーワード」を確認する。
「うさぎの耳」
「手を伸ばす」
(T2)
・第1グループの生徒を中心にマット を並べる指示を出だす。
(T1)
・健康観察
(T1)
・動きをはっきりと模範する。
・運動の始まりと終わりが明確になる ように号令をかける。
(T2)
・マットの位置を修正する。
・台やホワイトボードを設置する。
(T1)
・ミニホワイトボードを使い、流れを 書きながら説明する。
・授業の流れに沿って各技のポイント を、キーワードを使って簡単に説明 していく。
・号令にあわせて、
大 きな動 きがで きる。
展開
(30分) 柔軟体操(オットセイ・猫の姿勢)
・身体の伸ばす部分をしっかり意識 しながら行う。
ゆりかご運動
(全員一斉に)
・キーワードを復唱する。
・始めに腕の動きだけを行う。
・キーワードを意識しながら、全員 でゆりかご運動をする。
・初めは立ち上がらず、ゆれるのみ。
・指示が出てから立ち上がる。
(T1)
・動きの模範をする
(T1)
・キーワードによって、動きの要点を 強調しながら、動きの模範をする。
・動きの要点を意 識 しなが ら試技 ができる。
(各列1名ずつ)
・立ち上がりながら手を伸ばし、ミ ットをたたく。
・T2、T1それぞれと行う。
(T1・T2)
生徒が腕を伸ばしてたたきやすい位 置にミットを構える。
各列1名ずつを指名する。
連続前転の練習
・連続前転の模範を見る。
・キーワードを意識しながら、1回 の試技で2回ずつ回転を行う。
・試技の前に、「キーワード」を読ん で確認する。
・2回目の回転の立ち上がる直前に 手 を 勢 い よ く 伸 ば し て ミ ッ ト を 触る。
・坂になっているマットから試技を 始め、次に平らなマット上で2回 目の試技をする。
(T1)
・前転のキーワードを確認し、T2の 模範演技を解説する。
(T2)
・連続前転の模範演技をする。
(T1・T2)
・1列ずつを担当し、列の生徒が全員 試技を終了したら、担当する列をか える。
・床面においてあるキーワードの強調 と、必要に応じて個別の指示をする。
・手をのばしてたたきやすい位置に ミットを構えて、たたけるように する。
・立ち上がることのできるきる生徒に は、1回目の前転が終わったところ では立たないで、そのまま低い姿勢 で次の前転に入るように指示をする。
バランス技の練習
・ 全 員 で 、 片 足 バ ラ ン ス の 姿 勢 で 10 秒間停止する。
・姿勢は、各自が工夫をする。
・足をついてしまっても、すぐに再 開する。
・列3名ずつ2回行う。
・ 待 っ て い る 生 徒 は 教 師 と 一 緒 に 数える。
・上手にできた生徒、発表したい生 徒は前で発表する。
(T1)
・ 各 自 姿 勢 を 工 夫 す る よ う に 指 示 する。
(T2)
・バランスの模範をする。
(T1)
・10秒間カウントする。
(T1)
・上手にできた生徒を指名する。
・姿勢を工夫して いる。
・進んで発表しよ うとしている。
まとめ
(10 分) 振り返り
・今日の学習を振り返る。
・次回の予定を知る。
・靴、靴下を履く。
・マット、用具等を片付ける。
(全体での活動)
・舞台の前に整列し直す。
・整理体操をする。
・3つのグループの活動を聞く。
・挨拶をする。
(T1)
・キーワードを用いて、学習の振り 返りをする。
・◎カードを使って評価する。
・ 次 回 か ら 連 続 技 に 入 る こ と を 伝 える。
・靴下を履いて、元の隊形に戻るよう に指示する。
(T1)
・整理体操の模範をする。
・各グループの様子を全体に伝える。
・各班の様子を全体に伝える。
(T1)
・体育館出口で、生徒一人一人に言葉 掛けをする。
・◎カードを使って、頑張りを評価 する。
・動きの要点を理 解している。