はじめに
2010年10月に名古屋で開催された生物多様性条約第10回 締約国会議(COP10)で採択された名古屋議定書が,昨年 10月12日に発効した.この名古屋議定書は,遺伝資源への アクセスと利益配分(ABS)に関する国際的な枠組みを定 めるものである.現在,日本でも批准に向け検討が行われて いるが,「遺伝資源」の定義が明確でないなど,いくつかの 問題点があり,遺伝資源を対象とする研究開発が幅広く影響 を受ける恐れがある.このため,今年2月には,日本農芸化 学会と日本生物工学会が連名で,慎重な対応を求める要請書 を関係各大臣宛に提出した(1, 2).
しかしながら,名古屋議定書を理解している研究者は,
まだそれほど多くない.そこで,本稿では,名古屋議定書の 交渉経緯,概要,問題点,研究者へ及ぶ影響などを概観し,
研究者が理解を深める一助としたい.なお,本稿では,名古 屋議定書に関する説明を主とし,ABSに必要な具体的な手 続きなどについては必要最小限の説明にとどめた.それらに ついては,別途拙稿(3) を参照していただきたい.
生物多様性条約とABSの基本
1. 生物多様性条約
1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された 国連環境開発会議(リオ・サミット)で,「生物の多様性に 関する条約(Convention on Biological Diversity)」(以下,
生物多様性条約またはCBD)が採択された.この生物多様 性条約は,翌年の1993年12月29日に発効し,現在195カ国 とEUが加盟する大きな条約である(4)(ただし,米国は非加 盟).また,条約がカバーする内容も,生物多様性の保全の ほか,本稿の主題である「遺伝資源へのアクセスと利益配分
(Access and Benefit-Sharing; ABS)」や,それ以外にも多 くの項目が含まれており,非常に多岐にわたっている(5).
その一つである遺伝子組換え体の安全性については,こ のCBDの下にカルタヘナ議定書があり,それを受け日本で は「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性 の確保に関する法律」(通称,カルタヘナ法)が設けられて いるので,本稿の読者にとっても非常に関係が深い条約であ る(図
1
).遺伝資源へのアクセスと利益配分に関する名古屋議定書
日本の研究開発が多大な影響を受ける恐れがあることを知っていますか?
井上 歩
一般財団法人バイオインダストリー協会
図1■地球環境関連条約
バイオサイエンススコープ
2. ABSの基本
このCBDには,次の3つの目的がある.
1)生物多様性の保全
2)生物多様性の構成要素の持続可能な利用
3)遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配 分
この3番目の目的に関する事項が「遺伝資源へのアクセス と利益配分」(以下,ABS)であり,このためにCBDは環境 条約ではあるが経済的な側面をもつ特異な条約なのである.
このABSに関し,CBD第15条では,次のように規定してい る.
各国は,自国の天然資源に対して主権的権利を有する ものと認められ,遺伝資源の取得の機会につき定める権 限は,当該遺伝資源が存する国の政府に属し,その国の 国内法令に従う.
すなわち,それまで人類共通の財産と考えられてきた遺 伝資源に対し,その遺伝資源が存在する国が遺伝資源へのア クセスを国内法令等で規制することが可能になったのであ る.これに関し,CBD第15条には,次の2つのABSの基本 原則が規定されている.
1)必要な情報を事前に知らせたうえで,遺伝資源提供 国から「事前の情報に基づく同意(Prior Informed Consent; PIC)を得る.
2)遺伝資源の利用から生じる利益は,「相互に合意する 条件(Mutually Agreed Terms; MAT)」(契約)に よって公正かつ衡平に配分する.
これを図に表したのが,図
2
である.すなわち,海外の遺伝資源を利用する場合には,その遺 伝資源が存在する国の国内法令などに従い,その国の当局か ら「事前の情報に基づく同意(PIC)」を取得し,それと並 行して実際の遺伝資源の提供者などと遺伝資源の移転や利用 条件,利益配分に関する交渉を行い,「相互に合意する条件
(MAT)」(契約)を結ぶ必要がある.
なお,CBDの下で,「遺伝資源」は次のように定義されて いる.
・「遺伝資源」とは,現実の又は潜在的な価値を有する 遺伝素材をいう.
・「遺伝素材」とは,遺伝の機能的な単位を有する植物,
動物,微生物その他に由来する素材をいう.
このように,「遺伝資源」の定義は非常に広く,ABSの対 象範囲が無限大に広がりうることから,研究において海外の 生物サンプルを取り扱う際には,多くの場合このABSへの 対応が必要になる(CBD第15条では,各国の管轄下にある
「遺伝資源」をABSの対象としており,いずれの国の管轄に も属さない「遺伝資源」(たとえば,公海や南極の「遺伝資 源」)は対象としていない).
しかしながら,CBDが発効してから二十数年が経過した 今でも,CBD加盟国のうちABSに関する国内法令などを定 めている国は30カ国程度にとどまっている.PICを取得し ようにも,そのルールすらない国がほとんどであり,このこ とがABSへの対応を非常に難しくしている.
なお,「利益配分」と書くと,ロイヤリティの支払いなど 金銭的な利益配分を思い浮かべがちであるが,CBDの下で は,金銭的な利益配分とともに,共同研究の実施,その成果 の共有,教育や研修の実施,技術移転など,非金銭的な利益 配分という考え方がある.基礎研究の場合は,この非金銭的 な利益配分のほうが現実的であろう.また,「公正かつ衡平 な利益配分」というのは,利益を等分することを意味してい
図2■遺伝資源へのアクセスと利益配分の 基本原則
るのではない.あくまで研究などへの貢献度合に応じて配分 すればよいことを付け加えておく.
名古屋議定書
1. 採択までの経緯
このように,CBDの発効に伴い,各国の遺伝資源は,
ABSの2つの基本原則に従って利用されることとなった.し かし,ABSを実施するためのルールは,各国の裁量に任さ れ,具体的な国際規定が定められたわけではなかった.この ような状況の下,開発途上国は,ABSのための何らかの国 際的な枠組みが必要であるとの主張を展開した.これを受 け,当初は,法的な拘束力をもたないガイドラインという方 向で国際交渉が進み,2002年のCOP6で「ボン・ガイドライ ン」(6) が採択された.
しかし,これでABSに関する議論が決着したわけではな かった.あくまで法的拘束力をもつ枠組みを望む開発途上国 側が「先進国企業による遺伝資源の不正な取得が依然として 行われており,利益配分が十分担保されていない」との主張 を繰り広げたのである.このため,2002年の「持続可能な 開発に関する世界首脳会議(WSSD)」(ヨハネスブルグ・サ ミット(リオ+10))において,利益配分に関する国際的な 枠組み(International Regime; IR)に関する交渉を始める ことが決定され,法的拘束力のあるIRについての議論が開 始された(7).
この国際交渉の中でも,開発途上国側は,法的拘束力を もつ枠組みを強く主張した.これに対し,先進国側は,先に 述べたように,そもそもABSに関する国内法令など,遺伝 資源を取得する際のルールすら整備されていない国が多いこ とから,まず,そのルールの明確化を求めた.このため,
2003年の交渉開始以来,交渉の入り口で意見が対立し,交 渉は困難を極めていた.
このような状況の下,2010年10月に名古屋市でCOP10が 開催された.このときも,直前の準備会合やCOP期間中の 会合を通じて,約3週間にわたりIRについて精力的に交渉 が行われたが,対象範囲や,遺伝資源の利用国で実施する措 置などで対立は解消されず,COP10最終日まで交渉官レベ ルでの合意は得られなかった.
しかし,COP10最終日に,議長であったわが国の環境大 臣から「議長提案」が各国に提示された.これを,全体会合 に諮ったところ,さまざまな意見があったものの,最終的に は各国が政治判断に基づき受入れ,「生物多様性に関する条 約の遺伝資源へのアクセス及びその利用から生じる利益の公 正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」(Nagoya Protocol on Access to Genetic Resources and the Fair and Equitable Sharing of Benefits Arising from Their Utilization to the Convention on Biological Diversity: 以下,名古屋議定書)
が採択されたのである(8).
では,争点であった,議定書の対象範囲や,遺伝資源の
利用国で実施する措置などについては,どのような解決が図 られたのであろうか? 詳細は,「名古屋議定書の問題点」
で述べることとするが,一言で言うと,それらは曖昧なまま 残されたのである.
2. 名古屋議定書の特徴
このように名古屋議定書(9) は政治決着という劇的な展開 を迎え採択された.では,次にその概要を眺めてみたい.
ただ,その前に,名古屋議定書の位置づけを確認してお きたい.というのは,国際交渉の部分でも紹介したように,
名古屋議定書は,CBDの3番目の目的に対し「利益配分に関 する国際的な枠組み」を定めたものであり,直接1番目と2 番目の目的に関するものではないということである.
それでは,名古屋議定書の概要を眺めてみよう.まず,
CBDの下での2つのABSの基本原則は,そのまま名古屋議 定書の下でも変わらない.したがって,これまで同様,海外 の遺伝資源にアクセスする際には,提供国の国内法令などに 従い,PICを取得し,MATを締結しなければならない.
では,名古屋議定書で何が新たに定められたのであろう か.それは,遺伝資源提供国と遺伝資源利用国の双方に,そ れぞれ義務が課せられたことである.
もう一度,国際交渉の争点を思い出していただきたい.
先進国側は,そもそもABSに関する国内法令などが整備さ れていない国が多いことから,ABS手続きの明確化を求め た.これを受け,提供国には,ABSに関する国内法令など を整備し,それを,CBD事務局のホームページに設けられ る 情 報 交 換 セ ン タ ー で あ るABSク リ ア リ ン グ・ハ ウ ス
(ABS-CH)に公開することが義務づけられた.
また,提供国には,利用者からのPIC申請に対し許可証 を交付し,そのPIC許可証をABS-CHに登録することも求め られた.このPIC許可証が,ABS-CHで公開された場合には
「国際的に認知された遵守証明書」となり,遺伝資源へのア クセスに関し,国際的にも透明性が確保されることになる
(ただし,秘密情報は保護されることとなっている). 一方,開発途上国側は「先進国企業による遺伝資源の不 正な取得が依然として行われており,利益配分が十分担保さ れていない」と主張した.これを受け,利用国には,自国の 管轄下で利用される遺伝資源が,当該遺伝資源の提供国の ABS国内法令などに従い,PICを取得し,MATが設定され たうえで,適切に取得されたものであることをモニタリング するための措置(利用国遵守措置)を設け,そのために1カ 所以上のチェックポイントを置くことが義務づけられたので ある.この措置は,提供国の法令などの遵守を利用国側で確 認するという意味において特異であり,名古屋議定書の中核 とも言えるものである(10).
なお,提供国側のABS国内法令などの整備は,それぞれ の国の判断により,そのような措置は取らないという選択肢 をとることもできるが,利用国遵守措置は,すべての国が利 用国となりうるので,名古屋議定書の締約国はすべて設けな ければならない.また,提供国側のABS措置も,利用国側
図3■名古屋議定書の特徴
図4■名古屋議定書の仕組み
表1■名古屋議定書の締約国
欧州 8 EU, デンマーク,スペイン,ハンガリー,ノルウェー,スイス,アルバニア,ベラルーシ
アフリカ 26 (1) ベニン,ボツアナ,ブルキナファソ,ブルンジ,コモロ,(コンゴ),コートジボアール,コンゴ民主共和 国,エジプト,エチオピア,ガボン,ガンビア,ギニア,ギニアビサウ,ケニア,レソト,マダガスカル,
マラウイ,モーリシャス,モザンビーク,ナミビア,ニジェール,ルワンダ,セーシェル,南アフリカ,
スーダン,ウガンダ
アジア 12 ・東南アジア(5):カンボジア,インドネシア,ラオス,ミャンマー,ベトナム
・東・中央アジア(2):モンゴル,タジキスタン
・南アジア(2):ブータン,インド
・中東(3):ヨルダン,シリア,アラブ首長国連邦
中南米 8 ドミニカ共和国,グアテマラ,ガイアナ,ホンジュラス,メキシコ,パナマ,ペルー,ウルグアイ 大洋州 5 マーシャル諸島,フィジー,ミクロネシア,サモア,バヌアツ
カッコ内は,批准書等提出済の国:コンゴは2015年8月12日に,締約国となる予定(2015年5月29日現在).
の遵守措置も,それぞれ「立法上,行政上又は政策上の措 置」と,措置の設け方について各国の裁量権が認められてい る.
このことを図に表したのが,図
3
である.3. 名古屋議定書の仕組み
さらに,名古屋議定書の仕組みがどのように機能するの かを示したのが,図
4
である.ABS国内法令などを定めた国(①)は,それをABS-CHに公開する(②).海外の遺伝資 源にアクセスしたい利用者は,ABS-CHを見れば,自分がア クセスしたい国のABS法令などがわかることになる(③). 利用者は,その国内法令などに従い,PICを取得し,MAT を設定して(④⑤),遺伝資源にアクセスし(⑥),その利用 から生じた利益を公正かつ衡平に配分することになる(⑦). 一方,利用国は,定めた利用国遵守措置に従い,自国の管轄 権内で利用されている遺伝資源が適正にアクセスされたもの であることをモニタリングすることになる(⑧).
このように名古屋議定書が円滑に機能すれば,遺伝資源 の利用が促進され,公正かつ衡平な利益配分が確保されるこ とが期待される.
名古屋議定書の状況
1. 締約国
この名古屋議定書が,昨年の10月12日に発効した.現在 の締約国は,表
1
に示した58カ国と欧州連合(EU)であ る(11)(2015年5月29日現在).2. 提供国 ABS国内法令などや利用国遵守措置の整備
状況
では,現在,名古屋議定書は円滑に機能しているのであ ろうか? これに対しては,残念ながら「まだ,機能してい ない」と答えざるを得ない.先に述べたように,名古屋議定 書が機能するためには,まず遺伝資源提供国がABS国内法 令などを定め,それをABS-CHに公開しなければならない.
しかし,現在,ABS国内法令などに関する情報をABS-CH に公開している締約国は,ベラルーシ,インド,マラウィ,
メキシコ,ペルー,南アフリカ,スイス,ベトナムだけであ る(12)(2015年5月29日現在).これでは,利用者はABS-CH から必要な情報を得ることができない.
また,利用国遵守措置に至っては,締約国59カ国+EUの うち,設けていることが確認できているのはEU(EU加盟 国に効力が及ぶ),スイス,デンマーク,ノルウェー,ベラ ルーシだけである.利用国遵守措置は,本来すべての締約国 が設けなければならないはずであるが,この状況である.こ れでは,名古屋議定書が円滑に機能する状況にあるとは言え ない.
なお,先に述べたように,CBDが発効してから二十数年 を経た今でも,ABSに関する国内法令などを定めているの
は,30カ国程度にすぎない.このことを考えると,今後,
名古屋議定書の締約国がABS国内法令などを定めるのにも,
時間がかかることが予想され,直ちに名古屋議定書が円滑に 機能するのは難しいと思われる.
名古屋議定書の問題点
先に,名古屋議定書は政治決着という形で採択されたた め,争点となっていた,議定書の対象範囲や,遺伝資源の利 用国で実施する措置などについて,曖昧なまま残されたと書 いた.このため,名古屋議定書には以下に示すような問題点 があると考えられ,次にこれらについてみていきたい.
1)議定書の対象範囲:用語の定義が広く,対象範囲の外縁 が明確でない.
・「遺伝資源」,「遺伝資源の利用」など
・一般流通品(コモディティ),派生物の取り扱いが明 確でない
・締約国ごとにABS国内法令などの対象範囲が異なる 恐れ
2)玉虫色の重要条項:多様な解釈が可能
・「利用国遵守措置」,「モニタリング」など
3)遡及性:過去に取得した遺伝資源に対しても,利益配分 を求められる恐れ
・名古屋議定書第10条「地球規模の多国間利益配分の 仕組み」
1. 議定書の対象範囲
「ABSの基本」で,CBDの下での「遺伝資源」の定義が 広く,ABSの対象範囲が無限大に広がりうると説明した.
名古屋議定書においても,「遺伝資源」が再定義されること はなく,CBDと同じ定義が適用されることとなった.
また,名古屋議定書では,「遺伝資源の利用」は次のよう に定義されている.
・「遺伝資源の利用」とは,条約第2条に定義するバイ オテクノロジーの応用を通じたものも含め,遺伝資源 の遺伝的及び/又は生化学的な構成に関する研究及び 開発の行為をいう.
・条約第2条に定義する「バイオテクノロジー」とは,
物又は方法を特定の用途のために作り出し又は改変す るため,生物システム,生物又はその派生物を利用す る応用技術をいう.
・「派生物」とは,生物資源若しくは遺伝資源の遺伝子 発現又は代謝の結果として生じる天然に存在する生化 学化合物をいい,遺伝の機能的な単位を有しないもの も含む.
このように,「遺伝資源」や「遺伝資源の利用」の定義が 広く,外縁が明確でないことから,いろいろな疑問が生じ
る.たとえば,
・海外から輸入された発酵食品をスーパーマーケットで購入 し研究開発に利用することは,名古屋議定書の対象範囲 となるのか?
・試験研究機関が,受託業務として「遺伝資源」の遺伝子解 析や成分分析を行うことは,「遺伝資源の利用」に該当す るのか?
・「派生物」(たとえば,植物抽出物や精油,酵素タンパク質 など)は,名古屋議定書の下で,どのように取り扱われ るのか?
などである.これらは,一例にすぎないが,「遺伝資源」や
「遺伝資源の利用」の解釈が国ごとに異なり,同じ名古屋議 定書の下での措置であるにもかかわらず,提供国ABS国内 法令などや利用国遵守措置の対象範囲が各国で異なり,対応 に混乱が生じる恐れがある.
2. 玉虫色の重要条項
遺伝資源の利用国で実施する措置については,最終的に 交渉官レベルで合意されることなく,名古屋議定書が採択さ れた.では,政治決着ながらも,どうして採択という結果が 得られたのだろうか.それは,利用国遵守措置に関する規定 が,多様な解釈が可能な玉虫色の表現となっているからであ る.
具体的に言うと,利用国遵守措置に関する議定書第15条,
16条,17条では,“as appropriate” (適宜)が多用されてい る.さらに,利用国での遺伝資源の利用のモニタリングを規 定する第17条では,通常条約などで用いられる “shall” の ほか,“would”,“should”,“will” が使い分けられ,微妙に 規定の重さの違いを表現している.これらは措置の導入に際 し各国の裁量権を認めたものであるが,このことにより,読 み手の立場による多様な解釈が可能となっている.このた め,開発途上国,先進国のそれぞれが,自分たちの主張があ る程度反映されたと解し採択に至ったものと思われる.
なお,利用国遵守措置に関する規定が,多様な解釈が可 能な玉虫色の表現となっていることは,各国に裁量権が認め られたものであるので,基本的には問題点とは考えにくい.
どうして問題点となるのかは,次の「日本が批准する場合の 利用者への影響」でみることとしたい.
3. 過去に取得した遺伝資源に対し,利益配分を求めら
れる恐れ過去に取得された遺伝資源の取り扱いも,交渉の大きな 争点であった.開発途上国側,特にアフリカ諸国は,CBD 発効以前に取得,移動された遺伝資源についても,議定書を 遡及適用し,利益配分すべきであると主張した.この遡及適 用に関する対立は最後まで続き,その政治決着のため,議長 テキストで導入されたのが議定書第10条である.この第10 条には,次のように規定されている(下線,筆者).
第10条 地球規模の多国間利益配分の仕組み
締約国は,遺伝資源及び遺伝資源に関連する伝統的知 識*が国境を越えて存在する場合,又は 事前の情報に基 づく同意の付与若しくは取得が不可能な場合に,その利 用から生じる利益の公正かつ衡平な配分に対処するた め,地球規模の多国間利益配分の仕組みの必要性及び態 様について検討する.(以下,略)
*
「遺伝資源に関連する伝統的知識」は,ABSの重要事 項の一つであるが,誌面の都合もあり,本稿では取り 上げなかった.下線部分の「事前の情報に基づく同意」というのは,
ABSの基本で説明したPICのことである.その「PICの付与 若しくは取得が不可能な場合」というのは,どのような場合 であろうか? 提供国のABS国内法令などが整備されてい ない場合,整備されていてもそれがきちんと運営されていな い場合などが想定される.しかしながら,PICの付与・取得 というABSの基本原則が,CBDで導入されたことを思い出 してほしい.つまり,CBD発効以前には,PICの付与・取 得はなく,「PICの付与若しくは取得が不可能な場合」とい う表現には「CBD発効以前」ということが含意されている のである.
もちろん,「地球規模の多国間利益配分の仕組みの必要性 及び態様について検討する」となっていることから,直ち に,過去に取得した遺伝資源に対し,利益配分を求められる わけではない.ただ,まだその火種が残っており,それが再 び燃え上がることは間違いないのである.
日本が批准する場合の利用者への影響
では,日本が名古屋議定書を批准する場合,日本の学術 界や産業界など,遺伝資源の利用者にどのような影響が及ぶ であろうか? なお,先に,これまでに批准した国の多く は,利用国遵守措置を整備しないまま批准したと説明した が,日本が議定書の義務を履行せずに批准することはありえ ないと思われる.したがって,日本が名古屋議定書を批准す る場合の利用者への影響というのは,直接的には,主に,日 本が新たに導入する利用国遵守措置が利用者にどのような影 響を及ぼすかということになる.
しかしながら,現時点では,どのような利用国遵守措置 になるのか公表されておらずわからない(2015年5月31日 現在).ただ,その目的からは,利用者にはPIC取得,MAT 設定に関する情報を保持することが求められ,チェックポイ ントが何らかの形でそれらの情報を収集する,ということが 柱となる措置が想像できる.では,その場合,何が起きるの であろうか?
1. 利用国遵守措置の対象範囲
まず,利用国遵守措置の対象範囲が無限大に広がる恐れ
がある.これは,名古屋議定書の問題点のところで指摘した ように,議定書の対象範囲の外縁が明確でないため,各国の ABS国内法令などの対象範囲も大きく広がる可能性があり,
それらを漏れなくカバーするためには,利用国遵守措置の対 象範囲が,さらに広がってしまうからである.
通常,日本で何らかの措置が設けられる場合には,その 対象範囲が明確に規定されるが,名古屋議定書の場合は,
CBDおよび名古屋議定書と同じ「遺伝資源」の定義が適用 され,実質的に規定されないかもしれない.その場合,遺伝 資源の利用者は,措置の対象となるのかどうか自分で判断し なければならなくなる.実際,EUの遵守措置 (13) はそのよ うになっており,利用者などからは,分類のために遺伝子解 析する場合や研究ツールとして遺伝資源を利用する場合,遵 守措置の対象となるのかなど,どこまでが対象か不明確であ ると懸念の声が上がっている (14).
2. 利用国遵守措置の内容
また,日本の利用国遵守措置の内容が,他国と比べ厳し いものとなる恐れがある.これも議定書の問題点が関係して くる.利用国での遺伝資源の利用のモニタリングを規定する 第17条では,通常条約などの規定で用いられる “shall” の ほか,“would”, “should”,“will” が使い分けられているとい うことを述べた.一方,日本で措置を検討する際には,外務 省の仮訳(15) に基づいて検討される.しかし,その仮訳では 微 妙 な 使 い 分 け が 十 分 に は 反 映 さ れ て お ら ず,す べ て
“shall” と同じに読めてしまうのである.このため,日本の
措置は,利用国遵守措置に対し裁量権があるにもかかわら ず,最大限の要件を詰め込んだ措置となってしまう恐れがあ る.その場合,日本の利用者は,ほかのどの国の利用者より も多くの負担を強いられることになる.
3. 研究開発が停滞してしまう恐れ
では,日本が批准した場合,研究開発にどのような影響 が及ぶ恐れがあるのか,もう少し具体的に見てみよう.
先に述べたように,日本の利用国遵守措置がどのような ものになるのか,具体的にはまだわからない.しかし基本的 には,利用者にはPIC取得,MAT設定に関する情報を保持 することが求められ,チェックポイントが,何らかの形でそ れらの情報を収集することになると思われる.
それらの情報としては,名古屋議定書では「事前の情報 に基づく同意(PIC),遺伝資源の出所,相互に合意する条 件(MAT)の設定及び/又は遺伝資源の利用についての関 連情報」(括弧部分は,筆者が挿入)とされており,たとえ ばEUの遵守措置では「国際的に認知された遵守証明書に基 づく関連情報」となっている.しかしながら,この「国際的 に認知された遵守証明書」は,提供国がABS-CHに,その 情報を登録することになっており,どの程度スムーズに登録 されるのかについては懸念が残る.では,「国際的に認知さ れた遵守証明書」がない場合には,どうなるのであろうか?
その場合,EU遵守措置では,以下の情報が求められている.
(i) 遺伝資源又は遺伝資源に関連する伝統的知識への アクセスの年月日及びその場所
(ii) 利用した遺伝資源又は遺伝資源に関連する伝統的 知識の説明
(iii) 遺伝資源又は遺伝資源に関連する伝統的知識が直 接に得られた出所並びに遺伝資源又は遺伝資源に 関連する伝統的知識のその後の利用者
(iv) アクセスと利益配分に関する権利及び義務の有無.
これには,その後の応用及び商業化に関する権利 及び義務も含む.
(v) アクセス許可証(該当する場合)
(vi) 利益配分の取決めを含め,相互に合意する条件
(該当する場合)
日本でどのような情報が求められるのかはわからないが,
利用者(研究者)は,このような情報を,一つひとつの遺伝 資源に対し,求め,保持しておかなければならなくなる.た とえば,微生物や植物サンプルを対象としたスクリーニング を想像してほしい.厖大な情報を求め,保持する必要があ り,実際に研究者が対応できるかどうかもわからない.も し,それらの情報が紙に記されたものであれば(MATは,
いわゆる契約なので,その可能性が高い),研究室は書類の 山に埋もれることになる.また,EU遵守措置では,それら の情報を「利用期間の終了後20年間保存する」こととなっ ており,そのための仕組みや施設を整備する必要も出てく る.
なお,資料およびその保管ということについては,すで に医薬品等各種GLP(Good Laboratory Practice)制度があ るが,それらが開発ステージがかなり進んだ試験に対し適用 されるのに対し,この名古屋議定書の下での対応は,学術研 究やスクリーニングなどの基礎研究に対しても求められる可 能性が高く,学術研究や基礎研究が受ける影響は計り知れな い.
また,チェックポイントが,利用者(研究者)が保持し ている情報を,何らかの方法で収集することになる.日本 で,それがどのような制度になるかまだわからないが,たと えば,EUの遵守措置では,「遺伝資源又は遺伝資源に関連 する伝統的知識を利用して開発された製品の最終開発段階」
に,それらの情報を提出することとなっている.このEUの 場合,関連情報の保持は基礎研究の研究者にも求められる が,実際に当局への情報提出が求められるのは「製品の最終 開発段階」に達した場合だけである.それに対し,日本で は,海外から遺伝資源が移転された時点(最初の段階)で,
情報提出が求められることになるかもしれない.その場合に は,学術研究や基礎研究の研究者も含め利用者の負担がます ます大きくなる.
このように,日本が批准した場合,研究開発にどのよう な影響が及ぶのかについては,現時点では「もし,こうなっ たら」という話にならざるをえない.しかし,これまでにな かった措置に対応することになるので,研究者の負担が増え
ることは間違いない.それも,学術研究や基礎研究へのイン パクトが大きくなりそうである.そうなると遺伝資源を利用 した学術研究や基礎研究が停滞し,その成果を活用した応用 開発も止まってしまうことになる.
また,アメリカはCBDを批准しておらず,おそらく名古 屋議定書も批准しないと思われる.このため,アメリカの利 用者(研究者)は,利用国遵守措置へ対応する必要がなく,
その時点で,日本の研究開発はアメリカに対し競争力を失う ことになる.この意味においても,日本の研究開発全体が多 大な影響を受ける恐れがある.
日本の現状,今後の方向性
1. 国内措置の検討状況
では,実際,日本での国内措置の検討状況はどのように なっているのであろうか.2012年9月に,環境省の下に,日 本にふさわしい国内措置のあり方について検討するため,産 業界および学術界の有識者を委員とする「名古屋議定書に係 る国内措置のあり方検討会」(16) が設置された.このあり方検 討会は16回開催され,2014年3月にはその報告書が公表さ れている.しかし,このあり方検討会の位置づけは,日本の 国内措置のあり方(基本方針や方向性)を検討する場であ り,国内措置の具体的な内容については検討されなかった.
国内措置の具体的な内容については,あり方検討会の後,
関係省庁の作業チームで検討していると聞くが,その内容は 公表されていない.ただ,環境省によると「この作業チーム では『遺伝資源』,『遺伝資源の利用』,『名古屋議定書の下で の義務』は何か,それらを利用実態に照らし合わせたときに どうなるかなど,議論してきた.しかしながら,『遺伝資源』
というものが明確でないので,その利用,名古屋議定書の義 務(モニタリング,チェックポイント)といっても,結局
『遺伝資源』とは何かに戻ってしまい,詰め切れていないの が現状」とのことである(17).
2. 批准の時期
また,批准の時期については,2012年9月に閣議決定され た「生物多様性国家戦略2012‒2020」(18) の中に,「可能な限り 早期に名古屋議定書を締結し,遅くとも2015年までに,名 古屋議定書に対応する国内措置を実施することを目指す」と 書かれている.
ただ,今年の3月に参議院に提出された「名古屋議定書等 に関する質問主意書」に対する答弁書(19) では「名古屋議定 書の締結については,『生物多様性国家戦略2012‒2020』に 基づき,産業界,学術界等の国内関係者の要望を十分踏まえ つつ,関係省庁間で検討を行っているところであるが,現時 点では具体的な締結時期についてお答えすることは困難であ る」とされており,具体的な締結時期については,明言され ていない.
3. 今後の方向性
このように,日本においても批准に向けた検討が行われ ているが,名古屋議定書の曖昧さのために検討が難航してい るというのが現状のようである.また,名古屋議定書自体も 発効はしたが,円滑に機能するまでには,まだまだ時間がか かりそうである.このような状況の下,「名古屋」という日 本の都市の名称が付された議定書ではあるが,批准に向けた 議論を行うにあたっては,日本は拙速に走るべきではなく,
時間をかけて内容を一つひとつ丁寧に検討していくべきであ ろう.また,その間に,EUでの遵守措置の運用実態なども 蓄積されていくであろうから,それを参考とすることもでき る.
学術界や産業界の対応
1. 国内措置検討への対応
では,学術界や産業界は,このような状況に対し,どの ように対応すればよいであろうか? あり方検討会の報告 書(20) にも述べられているが,国内措置の検討は,関係する 主要な学術分野や産業分野の具体的な課題をイメージできる 程度まで遺伝資源などの利用実態を把握したうえで進めるべ きである.上記のとおり,あり方検討会以降,国内措置の検 討は関係省庁連絡会作業チームで行われてきた.しかし,こ の作業チームが,影響を受ける学術分野や産業分野の実態を 正確に把握することは容易ではない.このため,学術界や産 業界は,名古屋議定書を正しく理解したうえで,どの分野が どのような影響を受けるのかを把握し,自ら発信すべきであ ろう.昨年の10月には,バイオインダストリー協会(JBA)
をはじめとする産業界6団体(21) が,今年の2月には,日本農 芸化学会と日本生物工学会が連名で,それぞれ名古屋議定書 に関する要請書を,関係各大臣宛に提出した.今後も,この ような動きが各方面に広がっていかなければならない.
2. ABS
への対応一方,ABSの2つの基本原則は,名古屋議定書のいかん にかかわらず,遺伝資源利用者が従わなければならない原則 であり,利用者は,これまでどおりこの原則に誠実に対応し なければならない.
経済産業省とJBAでは,遺伝資源利用者向けのガイドラ インである「遺伝資源へのアクセス手引」(22) を作成してい る.このアクセス手引は,ABSの基本原則の下,さまざま な状況で利用者が具体的にどのように対応すればよいのかを 示したものである.また,JBAでは,守秘の下,ABSに関 する個別の相談(23) にも応じている.
3. 組織としての対応
「日本が批准する場合の利用者への影響」の「3. 研究開 発が停滞してしまう恐れ」で触れたように,このABSの問 題に研究者個人が対応するのには,自ずと限界があるように
思われる.このため,ABSの国際的な状況も踏まえれば,
今後,企業,大学,研究機関などが組織として体制を整え対 応していくことが必須になってくると思われる.そのために は,以下のような取組みが必要である.
・組織内におけるCBDおよび名古屋議定書の内容の周知徹 底
・遺伝資源などへのアクセスと利用に関する組織内体制の整 備
・取得した遺伝資源などの記録および保存の体制の整備 これらについては,日本の大学の中で九州大学の有体物 管理センター(24) が先駆的な取組みを行っており,参考とす ることができる.
また,国立遺伝学研究所のABS学術対策チームでは,大 学などの学術機関を対象に「大学での生物多様性条約と名古 屋議定書実施のための講習会」を開催しており,研究者だけ でなく,研究支援や産学連携担当者への啓発にも努めてい る(25).
日本の利用者や組織は,これらを活用し,ABSへの理解 を深め,適切に遺伝資源にアクセスし,利益配分に対応して いくよう努めねばならない.
謝辞:本稿で述べた内容は,これまでのJBAのABSに関する活動に基 づくものです.JBAのメンバーをはじめとする関係者の皆様に厚く御礼 申し上げます.
編集委員後記:生物多様性条約における研究面,安全面,倫理的側面に 関する最近の議論については,特に遺伝子組換え技術に関連する話題を 中心に,本誌の次号から記事を連載いたします.併せてご覧いただき,
生物多様性条約への関心を高めていただけることを期待します.
文献
1) 公益社団法人日本農芸化学会:生物多様性条約・名古屋 議 定 書 に 関 す る 要 請 書,http://www.jsbba.or.jp/info/
news/nagoya̲protocol.html (2015年5月29日アクセス). 2) 公益社団法人日本生物工学会:生物多様性条約・名古屋
議 定 書 に 関 す る 要 請 書,http://www.sbj.or.jp/news/
news̲20150522-1.html (2015年5月29日アクセス). 3) 井上 歩:日本乳酸菌学会誌,26,22 (2015).
4) CBD事務局: List of Parties,https://www.cbd.int/infor- mation/parties.shtml (2015年5月29日アクセス). 5) 外務省:生物の多様性に関する条約,http://www.mofa.
go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-H5-0299̲1.pdfお よ び http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-H5- 0299̲2.pdf (2015年5月29日アクセス).
6) 一般財団法人バイオインダストリー協会生物資源総合研 究 所:ボ ン・ガ イ ド ラ イ ン(2002年9月5日JBA訳), http://www.mabs.jp/archives/bonn/index.html (2015年 5月29日アクセス).
7) 一般財団法人バイオインダストリー協会生物資源総合研究 所:もうひとつの生物多様性のおはなし−Win-Winな関係
(2009),http://www.mabs.jp/archives/pdf/mohitotsu.
pdf (2015年5月29日アクセス).
8) 薮崎義康,渡辺順子,野崎恵子,炭田精造:バイオサイ エンスとインダストリー,69,162 (2011).
9) 一般財団法人バイオインダストリー協会生物資源総合研 究 所:名 古 屋 議 定 書(2011年1月31日JBA仮 訳), http://www.mabs.jp/archives/pdf/nagoya̲protocol̲je̲
3.pdf (2015年5月29日アクセス).
10) 磯崎博司,炭田精造,渡辺順子,田上麻衣子,安藤勝 彦: 生物遺伝資源へのアクセスと利益配分̶生物多様性 条約の課題̶ ,信山社,2011, p. 264.
11) CBD事務局:Parties to the Nagoya Protocol, https://
www.cbd.int/abs/nagoya-protocol/signatories/default.
shtml (2015年5月29日アクセス).
12) CBD事 務 局:Access and Benefit-sharing Clearing- house, https://absch.cbd.int/ (2015年5月29日 ア ク セ ス).
13) EUR-Lex: REGULATION (EU) No511/2014 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 16 April 2014 on compliance measures for users from the Nagoya Protocol on Access to Genetic Resources and the Fair and Equitable Sharing of Benefits Arising from Their Utilization in the Union, http://eur-lex.euro- pa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:32014R0511
(2015年5月29日アクセス).
14) EU Commission: Stakeholder consultation on forthcom- ing Commission implementing measures under Article 5, 7 and 8 of Regulation (EU) No. 511/2014̶ABS Regu- lation,http://ec.europa.eu/environment/nature/biodi- versity/international/abs/list̲en.htm (2015年5月29日 アクセス).
15) 外務省:生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の 機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分 に関する名古屋議定書,http://www.mofa.go.jp/mofaj/
gaiko/treaty/shomei̲72.html (2015年5月29日アクセス). 16) 環境省:遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利
益の公正かつ衡平な配分/名古屋議定書に係る国内措置の あり方検討会,http://www.env.go.jp/nature/biodic/abs/
conf01.html (2015年5月29日アクセス).
17) 一般財団法人バイオインダストリー協会:環境省との意見 交 換 メ モ,http://www.jba.or.jp/pc/activitie/development
̲base/info/001781.html (2015年5月29日アクセス). 18) 環 境 省:生 物 多 様 性 国 家 戦 略2012-2020,http://www.
env.go.jp/press/files/jp/20763.pdf, p. 113(2015年5月29日 アクセス).
19) 参 議院:質問主 意 書,http://www.sangiin.go.jp/japanese/
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20) 環境省:遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる 利益の公正かつ衡平な配分/名古屋議定書に係る国内措 置のあり方検討会報告書,p. 29, http://www.env.go.jp/
nature/biodic/abs/conf/conf01-rep20140320/01̲main.pdf
(2015年5月29日アクセス).
21) 一般財団法人バイオインダストリー協会:生物多様性条 約・名 古 屋 議 定 書 に 関 す る 要 請 書,http://www.jba.
or.jp/pc/activitie/development̲base/info/001553.html
(2015年5月29日アクセス).
22) 一般財団法人バイオインダストリー協会生物資源総合研 究所:遺伝資源へのアクセス手引,http://www.mabs.jp/
archives/tebiki/index.html (2015年5月29日アクセス). 23) 一般財団法人バイオインダストリー協会生物資源総合研究 所: 相 談 窓 口,http://www.mabs.jp/aboutus/contact.
html (2015年5月29日アクセス).
24) 九州大学有体物管理センター:http://mmc-u.jp/ (2015 年6月15日アクセス).
25) 国立遺伝学研究所ABS学術対策チーム:http://idenshigen.
jp/ (2015年6月15日アクセス).
プロフィル
井 上 歩(Ayumu INOUE)
<略歴>1980年東京大学農学部農芸化学 科卒業/同年住友化学工業(株)(現在の住 友化学(株)入社/2009年社団法人日本化 学工業協会出向/2012年一般財団法人バ イオインダストリー協会出向<研究テー マと抱負>生物多様性条約の下での「海 外 遺 伝 資 源 へ の ア ク セ ス と 利 益 配 分
(ABS)」<趣味>散歩,特に湧水巡り<所 属研究室ホームページ>http://www.jba.
or.jp/pc/
Copyright © 2015 公益社団法人日本農芸化学会 DOI: 10.1271/kagakutoseibutsu.53.633