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終 章

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終 章

(1)総合的評価

本学園は1924(大正13)年に創立者島田依史子の理想のもとに発足し、激動の時代を 乗り越え81年の歴史を刻んでいる。甲種実業学校の時代から、高校、中学、専門学校、短 期大学そして大学に至るまで、時代に対応し、社会の要請を受け、今日の総合的な学園と しての組織に至った。大学としては1991(平成3)年の設置から15年目を迎え、経営学部、

人間学部、外国語学部の3学部と経営学研究科、人間学研究科、外国語学研究科の大学院 3研究科を擁し、総合的教育研究大学として、より一層社会的使命を自覚し、責任をもっ て社会に貢献していかなければならない。

本学は、学園の建学の精神である「自立と共生」を大学の理念として、専門的知識と技 能を身につけ、社会に貢献することのできる有能な人材の育成を行ってきた。これまで一 貫してこの精神に基づく教育を行い、多くの有能な卒業生を世に送り出してきたと自負し ている。

大学を設置し初の完成年度を迎えた1994(平成6)年から、学内に「自己点検評価委員 会」、「将来構想委員会」を設け、点検の結果を将来構想に生かすべく協議を重ね、「教 育内容・教育方法」、「学生生活の支援と活性化」、「大学と地域との連携」、「高大連 携」、「特色ある研究・教育」、「大学の質の保障」、「入学者選抜の工夫・学生募集」、

「情報化への対応」、「学長のリーダーシップと組織改革」など、テーマを定め、大胆な 大学改革を進めてきた。開学当時、経営学部のみの単科大学であった組織も、現在は、経 営学部、人間学部、外国語学部、そして大学院経営学研究科、人間学研究科、外国語学研 究科となり合計3学部、3研究科となった。さらに2006(平成18)年からは保健医療技術 学部が設置されることから、全体で4学部9学科、3研究科4専攻の組織となる。

以下に、これまで行ってきた本学での改革の主なものを総括的に列挙してみる。

1.特色ある教育

a.シラバスの開示(1991年・平成3年から)

全学部・全授業科目について年間授業計画を学生に提示し、事前の予習、事後の復習をは じめ、計画的な学習を進められるようにしている。各授業科目とも年間30週(半期科目は 15週)の授業を確実に実施して、休講の場合は必ず補講あるいは課題提出など、補う体制 がとられている。

b.オープンカリキュラム(2002年・平成14年から)

幅広い見識を持つスペシャリストを育成するため、学部や学科の垣根を越えて授業科目 を履修することができる。各学部が40科目程度をオープンカリキュラムとして掲げ、他の 学部の学生が履修登録することができる制度を採り入れている。さらに他大学とも協定を 結び単位互換を行っている。

c.ゼミナール教育(1991年・平成3年から)

懇切丁寧に一人ひとりを教育していく本学の教育方針に基づき、「ゼミは一生の財産」

をスローガンに掲げ、各学部・学科(短期大学を含む)ともゼミナールを置いている。各

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専門の分野の教員が指導教員となり、学生各自が研究テーマを設定し、卒業論文につなげ ていく。経営学部では3年間、人間学部、外国語学部では2年間のゼミナールを実施して いる。歴代の卒論は製本し図書館に配架して後輩学生の参考に供している。他大学とのゼ ミ対抗の討論会も活発に行われ、現在ではインナー大会等も本学で開催するに至っている。

d.インターンシップ(1999年・平成11年から)

企業や会社の現場で、体験学習することにより、現実に求められている能力や創造性を 育てる取組みを行っている。企業実習体験プログラム。

後述するように、2003(平成15)年からは社会貢献学習の一貫として学校インターンシ ップの制度が採り入れられ、学生達は小・中学校で社会貢献すると同時に多くのことを学 校体験から学び取り、自らの豊かな大学生活を築き上げている。

e.全学共通の多彩な留学システム(1992年・平成4年から)

短期(1ヵ月程度)、フィールドスタディーズ(3ヵ月~6ヵ月)、長期(10ヵ月程度)、

交換留学(1年~2年)等の多彩な留学システムを構築し、各種奨学金(10万円~130万円)

を支給して学生が意欲を持って参加できる仕組みとしている。また事前指導および事後指 導を丹念に行い実りある外国留学制度とし、満足のいく実績を上げている。米国(西海岸、

東海岸、中部等)、カナダ、オーストラリア、ニージーランド、中国、マレーシア等、提 携する大学も多彩となってきた。語学研修だけでなく、異文化・社会・人間について研究 できるフィールドスタディーズ留学も実施し、さらに保育・福祉・心理等の各専門領域の 研修のための短期留学も実施している。

f.児童英語教育(2001年・平成13年から)

将来子どもたちの英語教育を目指す人のために児童英語教育を行っている。「児童英語 指導」「児童英語教材研究」「児童英語教育実習」をおき、児童に対する英語指導法や教 材開発などの授業を展開している。外国語学部の授業カリキュラムの中に児童英語の科目 群を置き児童英語教育の指導者の養成を行っている。

g.多文化共生プログラム[Multi-Lateral Student Exchange Program] (2003年・平成15 年から)

本学が留学提携をしている米国ミネソタ州にあるセント・ジョーンズ大学、セント・ベ ネディクト大学・マレーシアのマラ工科大学の学生(毎年20名程度)を本学に交換留学生 として受け入れて(学内・国際交流会館に寄宿)、9月から12月までの4ヶ月間、「多文 化共生プログラム」を実施している。本学教授陣ならびに先方の教授がプログラムの授業 を受け持ち、日本文化などの授業を英語で行うばかりか、実地見学や体験の機会を提供し、

本学学生も一定の語学レベルがあれば授業に参加することが出来る。また、この期間、外 国人留学生は本学学生とともに学生生活を送るため、クラブ・サークル活動、文化祭等の 活動にも加わり大学内が活性化している要因の一つとなっている。留学生を外国に派遣す るだけでなく、受け入れる制度としては極めて稀なかつ斬新的な試みといえる。

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h.プロジェクト型授業(2003年・平成15年から)

理論の習得と同時に実践型授業で、実際を体験する学習法を導入。ベンチャービジネス 実践、マーケティング実践等の科目をおいている。実際の企業に協力を得て、ショップの オープン企画を立案する、また商店街等の協力を得て実際の店舗を出店しビジネスを展開 する、営業・宣伝・広告・売り上げ管理・在庫管理等を実際に行っていく授業を展開して いる。

i.特別講座の開催(1997年・平成9年から)

社長や企業のトップを招いて特別講座を開催。大学では特別予算を組んでこれを支援し ている。1997(平成9)年から毎年行っていて、カルビー、ユニチャーム、東芝、資生堂、

ぴあ、キングジム等の社長が本学で講義を行っている。

j.現代的教育ニーズ(現代GP)の推進(2005年・平成17年から)

個性輝く大学づくりを目指し、他の大学にない本学の独創的な教育、学生指導を積極的 に構築する努力を行っている。文部科学省の募集した『現代的教育ニーズ』に対しては、

2004(平成16)年には、地域連携教育の分野で「共生社会創造を図る地域貢献活動と雇用 の創出」を提出し、高い評価で選出された。3,600万円の補助金が支出されている。子育 て支援、地域ボランティアの育成等を柱とするもので現在活発に活動を展開している。

k.オフィスアワー(2004年・平成16年から)

学生の意欲に応え、また様々な悩みを抱える学生を支援するため、全学部でオフィスアワ ーズを設定している。各専任教員が1週間に2日間の相談日を設けて、学習相談、教育相談、

研究の指導を行う。

2.特色ある研究

a.心理・臨床福祉センター(1997年・平成9年から)

1997(平成9)年から開設している。保育や福祉、教育に関する悩みや問題を抱えてい る人に、本学の専門領域の教授人が相談に当たる。発達の遅れ、自閉傾向、難聴やことば の遅れなど様々な相談が持ち込まれている。

b.臨床心理相談室(カウンセリングルーム)(2000年・平成12年から)

ストレス、不安や悩み、からだや心の症状、または行動の異常に苦しんでいる方などの 相談に応じている。本学相談室には、臨床心理士の教授陣が待機、月~土まで毎日相談室 を開いている。

c.文京語学教育研究センター(BLEC)(2001年・平成13年から)

このセンターでは、英語およびその他の語学によるコミュニケーションに関する理論的 研究、実際的研究、実験的研究を行い、教材の開発や教育法の開発を行っている。

d.子ども英語教育センター(CLEC)(2003年・平成15年から)

このセンターでは、英語およびその他の語学によるコミュニケーションに関する理論的

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研究、実際的研究、実験的研究を行い、教材の開発や教育法の開発を行っている。

e.コンテンツ多言語知財化センター(2005年・平成17年から)

このセンターを中心として、経営学部、外国語学部、人間学部の学生が、多言語コンテン ツプロデュース教育を実施していく。その中心的な手法は、経営学部で取り組んでいる「長 期フィールドワーク実践」(プロジェクト型授業)や外国語学部で取り組んでいる語学ゼミ ナール教育の成果である。学内における事前の指導を経て、学生は半年間提携先の企業で のインターンシップやクリエーターとの共同作業を経験し、CG、ビジュアルコンテンツ 領域、コンテンツプロデュース領域、コンテンツ多言語化領域の分野について学んでいく。

3.高大連携

a.高等学校と連携した「総合的学習」(2002年・平成14年から)

高等学校の新課程の導入に伴い、高校生の「生きる力」をはぐくむ「総合的学習の時間」

に、本学の研究教育を還元していこうとする試みを実施している。人間学部では大宮開成 高校、浦和学院高校と連携して、高等学校の総合的学習の時間に本学内で福祉、心理の講 座を開催して高校生に受講させている。また、外国語学部では、都立芝商業高校との連携 で、英検取得講座を行い、英語に関心のある高校生に大学教育を体験してもらっている。

b.出張講座(2000年・平成12年から)

高等学校の教養講座、文化講座、特別講座などに、本学の教授陣が出張講義を行ってい る。学長を初め、本学教授陣の専門分野について、テーマを一覧として示して各高等学校 に配布。希望があれば出張して講義する(費用は本学負担)。毎年年間5~6の高等学校 へ出張し講義している。

4.地域連携

a.大井町町民カレッジ(2000年・平成12年から)

本学の研究教育の成果を地域に還元し、併せて地元市民のリカレント教育を目的として、

埼玉県大井町と共同で町民カレッジを実施している。大井町の町民を初め上福岡市、富士 見市、三芳町など近隣からも受講生がある。毎年1シリーズ(4回)を行い、各回100 名程度の市民が参加している〈上福岡市と大井町は市町村合併により、2006(平成17)年 からふじみ野市に変更〉。

b.社会貢献実習(学校インターンシップ)(2003年・平成15年から)

東京都文京区、埼玉県上福岡市、埼玉県大井町(現ふじみ野市)とそれぞれ協定し、管 内の公立小学校・中学校に本学学生を派遣し、教室の補助、生徒の相談役、クラブ活動の 援助などのボランティア活動を行っている。各学校とも教員の高年齢化が進み平均年齢は 45~50歳前後となっている。その中で若い活力が、児童・生徒たちのへ援助のひとつ となっている。

c.シニアサポート活動(2001年・平成13年から)

産官学が連携し、シニアネットワーク推進事業を進めている。これは、本学教員チーム

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が地域の活性化や世代間交流の新しい手段に位置づけることを目的として、埼玉県の支援 を受けて、県内の高齢者向けのパソコン講習会等を行い、本学の学生が指導の補助を行っ ているものである。

d.地域連携センター(BICS) (2005年・平成17年から)

人間福祉学科の教員が中心となって大学内に地域連携センターを開設している。学生の社 会福祉実践を行う臨床の場としての機能の他、地域の各種ボランティア団体と連携して福 祉人材の育成(2級ホームヘルパーの育成)、ボランティア活動の情報交換、地域の外国人の 児童(日本語を母国語としない子ども)への援助活動などを行っている。

5.開かれた大学づくり/社会貢献

a.公開講座ウィークエンドフォーラム(1991年・平成3年から)

1991(平成3)年から始め、本年で14年になる公開講座で、毎年春と秋に週末に連続3 回開催。すっかり定着し、登録会員は1,500名以上。毎回300名程度が参加している。タイ ムリーなテーマを設定した講演と少人数で行うゼミナール方式の2コースがある。学園創 立80周年を迎える本年は、著名人らを招いてパネルディスカッションを予定している。

b.生涯学習センター(1996年・平成8年から)

文京学院大学生涯学習センターを設置。近隣住民、市民、首都圏ビジネスマン等の再教 育・リカレント教育を行っている。本学のもつ教育ノウハウを広く社会に提供し、

「実務・資格」「語学」「保育・福祉・心理」「ビジネス」「教養」の5分野の学問領域 について年間600講座を開講。6,000人を超える社会人の学問意欲に応えてきた。

6.国の政策課題に対する対応

a.委託訓練(1)(2002年・平成14年から)

厚生労働省が雇用失業情勢の厳しさの中で国の政策として導入した「大学等委託訓練」

の呼び掛けに本学が応じて講座を開いている。本学の他、法政大学、東海大学等が協力し、

雇用・能力開発機構の主催で、中高年ホワイトカラーを初めとする失業者を対象とし、職 業資産を生かした、管理職高度な専門職等としての再就職を支援する職業訓練の講座。

b.委託訓練(2)(2003年・平成15年から)

経済産業省では、わが国の経済の低迷を打開する一つの方策としてコンテンツ産業の役割 に注目しこの分野の人材養成を提唱した。これに応えて経産省の支援を受け、本学でプロ デューサーの養成講座を開設した。

c.子育て支援(2004年・平成16年から)

厚生労働省では、都道府県と連携し『少子化対策プラスワン-少子化対策の一層の充実 に関する提言-』を発表しており、地域社会への協力を呼掛けている。これに呼応して人 間学部を持つ本学では、子育て支援施設「ふらっと文京」を立ち上げ、子育ての悩みや保 育の技術、父母ネットワークづくりの支援等を通して地域と連携を行っている。保育実践 研究センター(ふらっと文京)は、保育学科の教員が中心となって大学内に育児支援センタ

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ーを開設している。学生の保育実践を援助する臨床の場としての機能の他、地域の若い母 親らに育児支援を行う場として活動を行っている。子育ての悩み、保育方法・保育技術の 習得など本学の教員の指導の下学生がお手伝いをして地域の親子の支援をおこなっている。

d.カウンセリングルームの設置(1999年・平成11年から)

学生生活、教育関係を初めとして、個人的な悩みや相談についてもカウンセリングを行 う相談室を設置。医師、看護師、保健師、臨床心理士等が交替で在室している。相談記録 の保管を初め、月刊統計・年間統計も集計しており、悩みの種類、性質、傾向、退学率へ の関連性等も分析している。

7.学生支援/奨学金

a.クラブ・サークル顧問制度(2002年・平成14年から)

クラブ活動の活性化を図るため規程を整備し、教員が顧問としてクラブを支援していく。

合宿費の援助、合同の顧問会議の設置、リーダー育成合宿の開催、クラブ活性化補助金の 支出を行っている。

b.奨学金制度(1993年・平成5年から)

学園創立者の名を冠し授業料相当分を貸与する『島田依史子記念奨学金』がある〈1991

(平成3)年から〉。また留学を支援する奨励金、奨学金として、短期留学生に10万円を 支給する「語学留学奨励金」、半年留学を支援し半期授業料を支給する「長期留学生 奨 学金」、1年間の留学または交換留学生を支援し130万円を支給する「特別留学奨学金」等 がある。

c.特別被災者への対応(2005年・平成17年から)

三宅島被災島民の指定の入学に際して、入学金、授業料の40%減免を行っている〈2004

(平成16)年から〉。また新潟地震の被害家庭の師弟についても入学金、授業料の40%減 免を行った。

d.外国人留学生支援(2002年・平成14年から)

経営学部では、中国を初めとするアジア諸国から「日本のビジネスを学びたい」との意 欲をもって多くの留学生が志望してくる。これらの諸国では必ずしも豊かな蓄財をもって いるものではなく、留学についての支援を必要としている者が多い。本学では、「私費外 国人留学生奨学金」として、外国人入試での入学者に対して入学金、授業料の40%を減免 している。

e.中国提携大学からの入学者の減免(2003年・平成15年から)

本学が提携している中国の北京語言文化大学経済短期大学からの特別編入生については、

入学金、授業料の40%を減免している。

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8.学長のリーダーシップを補佐する体制や教職員組織の充実 a.学内組織の充実①

経営学部では完成年度を迎えた1994(平成6)年に将来構想の検討に入り、1995(平成 7)年から大幅なカリキュラム変更を行い、教育組織を見直し、それまでの経営学科1学 科4コース体制から、1学科2専攻(マネジメント専攻、経営情報デザイン専攻)・4コ ース体制に改編し学生の進路に合わせた教育を推進することとした。その後、学生のニー ズを受けてマネジメント専攻を経営コミュニケーション専攻に改編し現在に至っている。

さらに検討を進め、経営情報デザイン専攻についてもニーズを盛り込みコンテンツ・ネッ トワーク専攻に改編することにしている。

b.学内組織の充実②

2000(平成12)年に完成年度を迎えた人間学部では、それまでの保育心理専攻、福祉心 理専攻に加え、2001(平成13)年から新たに「心理学専攻」を設置。また、2003(平成15)

年には、専攻を学科へと改編し新たな「共生社会学科」を加えて、「保育学科」、「人間 福祉学科」、「心理学科」の4学科制へと教育組織を改編した。幼稚園教育要領、保育所 保育指針ならびに教育職員免許法等の改正、児童福祉法等の改正を受けて、カリキュラム も一新し、現場のニーズを反映した実学志向の教育課程とした。

c.学内組織の充実③

2004(平成16)年に完成年度を迎える外国語学部は、新たな飛躍の年とするべく現在将 来構想を検討して、カリキュラムの改編およびコースの設置を行い、来年度以降の在り方 を再構築しているところである。

d.大学運営会議(2003年・平成15年から)

大学運営会議は学長を議長とし、副学長(計2人)、各学部長(計3人)、大学を担当 する理事2人および総括ディレクター(事務局長)によって構成され、毎月定例に開会され ている。本会議は学長の方針を各学部に伝達し、学長を補佐する機関であると同時に、各 学部の意思を汲み上げ、大学としての意思を形成する機関でもある。本学の大学運営会議 は、21世紀の循環型社会に相応しい意思形成機関として、まさに循環ポンプ(心臓)とし ての重要な機能を果たしている。

e.学長を補佐する役職者の配置

学則上は任意となっている副学長については本郷キャンパスに1名、ふじみ野キャンパ スに1名の計2名を配置した。また、学長補佐を1名置き副学長とともに分掌を決め学長 を補佐している。さらに学長特命委員を置き、地域連携について担当させている。大学事 務の統括については、統括ディレクターを配置して学長を補佐する体制をとっている。

9.大学の質の保証 a.自己点検

学内組織を作り、規程を整備して、項目を定め、各学部ごとに自己点検・自己評価を行 っている。4年に1回のペースで点検報告書を発表している。すなわち1994(平成6)年

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と1999(平成11)年に報告書出版、2001(平成13)年には大学基準協会の第三者評価を得 ている。

b.外部評価 (1999年・平成11年)

外部委員として、他大学、企業、高等学校校長等を委員に委嘱し、これまでの成果で冊 子となっているもの等を閲覧点検を受け、本学側、学長、副学長、学部長、学生部長、教 務委員長、図書館長、事務局長らにヒアリングを行い、本学の教育や研究、学生指導等に ついて評価を受けた。

c.学生生活(満足度)調査 (1995年・平成7年)

全学生を対象として、教育・授業の充実度、学生生活、施設利用など20項目程度のテー マを挙げて毎年その満足度を調査している。この中から、学部ごとの集計、大学全体とし ての集計をまとめ、次年度以降の大学改善に生かしている。

d.学生による授業評価(2001年・平成13年から)

毎年6月には、学生による授業評価を行っている。対象は、専任・非常勤が行う全授業 について行うもので、授業の進め方、資料の活用、分かりやすさ、板書、学生本人の努力 や事前準備等、10項目程度の設問に対して学生が回答するアンケート方式。教員ごとの集 計、講義と演習等の授業科目に分けた集計、学部ごとの集計等を行って、次年度の授業改 善に生かしている。結果は図書館に置いて学生にも公表している。

e.保護者の満足度調査(2003年・平成15年から)

4年生在学者の父母(保護者)を対象として、親の視点から見た学生本人の成長度、教 育・授業の充実度、学生生活の充実度、就職指導に対する満足度、親自身の満足度など20 項目程度の設問を挙げて、総合的な満足度を調査している。この中から、学部ごとの集計、

大学全体としての集計をまとめ、次年度以降の大学運営に生かしている。

f.第三者評価(2001年・平成13年から)

財団法人大学基準協会の維持会員として相互評価を受けている。ここでは、同協会が設 定している項目について学内点検を行い、第三者評価として財団法人大学基準協会が審査 を行う。評価できる点や今後の課題、指摘事項など上げられ、次年度以降の大学運営や将 来計画の策定に生かしている。

g.FD(ファカルティ・ディベロップメント)(2004年・平成16年から)

教員の質の向上を図るため、「教育方法に関する研究会」、「研究方法に関する研究会」

を定期的に開催している。内部の教員が持ち回りで講師を勤め、事例紹介、新たな方法の 紹介、学生の反応、教育効果など測定していく。現在1年に2~4回程度のペースで行っ ている。

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10 大学院の改革充実

a.経営学研究科(1997年・平成9年開設)

経営学部を基礎とする大学院研究科である経営学研究科については、1997(平成9)年 に昼間主の課程として設置したが、社会人の強い要請を受け、東京本郷キャンパスで一部 夜間にサテライト授業を展開し多くの社会人を受け入れた。現在、昼間を主とするマネジ メントコース、夜間を主としたビジネスコース(夜間主)、医療関係機関のマネジメント を研究する医療マネジメントコース(夜間主)、税理士の養成を目指す税務マネジメント コース(夜間主) の4コースで設立当初の入学定員10名から、現在では入学定員30名に変更 し社会の期待に応えている。

b.人間学研究科(1999年・平成11年開設)。

人間学部を基礎とする大学院人間学研究科では、保育学、社会福祉学、心理学、臨床心 理学の4コースを備え、人間学分野の様々な学習ニーズ、研究ニーズに応えられるようにし ている。社会人を受け入れるための「随時入試制度」、「社会人入試」などを行っている。

また臨床心理士養成のための臨床心理士協会1種指定校として、学内に臨床心理相談センタ ーを備え地域の相談にもあたりニーズに応えている。

c.外国語学研究科(2005年・平成17年開設)

2005(平成17)年に外国語学部を基礎とする大学院外国語学研究科学を設置した。ここ ではこれからますます必要となる「仕事で英語を使える人材の育成」が目標とされ、現職 の高校・中学の英語教員のスキルアップ、国際機関で働く人材の育成など高度専門職業人 を養成していく。現職学生だけでなく、社会人が入学できるように夜間主での教育を行う。

以上、本学における改革の主立った項目を記述したが、このように、「自己点検評価委 員会」、「将来構想委員会」の報告を教授会でよく吟味して、理事会においても慎重に検 討し、将来構想に生かすべく協議を重ね迅速に改革を進めてきた。多岐の項目にわたって 改革を進められたことは、何よりも本学を構成する教職員の熱心な姿勢があってこそ、な し得たものであった。

(2)評価項目ごとの目標達成状況

これまで15年にわたって大学を運営しまた改革を行ってきた結果を踏まえて、今回の自 己点検の大項目ごとに目標の達成状況を以下に記述することとする。

1 理念・目的および学部等の使命・目的・教育目標

本学の目指す到達目標は、人々が共に支え合い、共に幸せを求める共生社会の実現に寄 与することのできる人材の育成にある。本学の歴史は、男女共同参画社会の実現を目指す 経営学部の設立に始まり、保育、社会福祉、こころのケアなど、福祉社会を支える人間学 部、国際多文化社会に貢献する外国語学部へと発展している。それぞれの特色を活かして 有為な人材を育成し社会に寄与している。90パーセント台の就職率からも伺えることであ る。

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2 教育研究組織

本学では「自立と共生」を建学の精神として、それぞれの学部・研究科がこの精神に基 づいた教育理念を掲げ、それぞれの教育目的・目標を立て、教育研究を行っている。さら に総合研究所、図書館、各種センター等は、学部・大学院研究科に、実践的・臨床的な教 育研究の場を提供するだけでなく、同時に大学と社会の融合を図り、大学の社会貢献を促 し、多大な成果を上げている。このことは、本学が教員による共同研究の上につくり上げ た教育プランが2004(平成16)年度文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」

(通称「現代GP」)の実施校として採択されたという実績からもいえるであろう。

3 学生の受け入れ

本学の教育理念は「自立と共生」である。この理念の基に共生社会の実現に寄与するこ とのできる専門的職業人を育成することが本学の教育目的であり、この教育目的に基づく 各組織の専門領域においてそれぞれの領域に相応しい人材を育成することをそれぞれの教 育目標としている。この教育目標を達成するため、多様な学生募集の方法・選抜者方法を 取り入れ、本学部の教育理念・目的・目標に相応しい人柄と基礎的学力を備えた人材の選 別に重点を置き、学生受け入れの目標としている。受験生応募者の倍増が実現し他の大学 からも注目されており目標は達成できている。

4 教員組織

本学では本学の教育理念に基づいて、(1)専門職業人の養成(2)地域・職場のリー ダーとなる人材の育成を行うことを目標としている。そのための教員組織として、高度な 学識を有する教員と専門的資格を有する実務家教員を配置して、理論と実践の両面から指 導できる体制としている。教育課程の種類、性格、学生数との関係における本学の教員組 織は適切に配置されている。

5 施設・設備等

経営学部移転に伴うキャンパス活用計画2004(平成16)年を中心に行われ、各キャンパ ス内の適正配置を行った結果、施設・設備には大きな問題点が無いと言える状態になって いる。しかしながら、個別施設としては次のステップとして下に示すような改善を計画し、

実行して行くことが、当面の到達目標である。特に本郷キャンパスでは、一部校舎のバリ アフリー設備の向上、体育器具等の補強、e-Learning対応施設の検討調査の実行とその対 応を進めたい。また、ふじみ野キャンパスでは、一部教室のAV化率の向上、e-Learning対 応施設の検討調査の実行とその対応、体育施設・設備を計画的に充実させていく。

6 図書館及び図書・電子媒体等

大学3学部、大学院3研究科を擁する大学として、ふさわしい図書館にしていく。蔵書 数、雑誌、電子資料、サービス体制等のこれまでの課題が整備できたため、目標はほぼ達 成されている。今後の当面の到達目標は、予算の有効活用、利用しやすい資料配置、文献 複写・相互貸借の活用、当館の方針・方向性に沿った職員の指導研修、地域への図書館の 開放、両キャンパス間を結ぶ回線の容量が大幅な増強などあるが、いずれもすでに着手に

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入っている。

7 社会貢献

「自立と共生」を教育理念とし、共に支え合い、共に幸せを願う福祉社会に貢献するこ とのできる資質と技能とを備えた人材の育成を教育目標とする本学にとって、「社会への 貢献」は最重要事項であるといえる。生涯学習センターの設立をはじめとし、本大学・学 部は「社会への貢献」に深く関与してきたが、これからはさらにその拡充に尽力していく。

8 学生生活

1924(大正13)年、我が文京学園の創設者島田衣史子は、「女性の自立」を願って「島 田裁縫伝習所」を開設した。「女性の自立」を願うこの女子教育は、同時に、「同性であ る女性の味方になる仕事」であり、「仁愛」が、校訓として掲げられた。この「仁愛」の 精神は、現在でも学生生活の福祉を願う学内の諸制度として生きている。「家庭的な、き め細かな学生指導の文京」という世評もその現れであり、学生に体知る教職員の基本的な 姿勢となっており、激動する社会状況の中で、この「仁愛」の精神を学生支援として実践 していく。

9 管理運営

21世紀は循環型社会である。本学部の目指す管理運営も循環型管理運営である。それは 下からの一方的なボトムアップ方式でもなく、また上からの一方的なトップダウン方式で もない。全学においては大学運営会議が、学部教授会においては学部運営協議会が大学・

学部の管理運営における、いわば心臓として位置づけられ、ポンプとなって意思の循環を 図り、全学的なコンセンサスの確立に努めている。

10 財 務

財務に関する本学の到達目標は、教育研究を実施するための財政基盤の確立と適正な会 計処理の推進にある。本学の静態的な財務体質は、自己資金構成比率、流動比率等に見ら れるとおり安定的であるが、消費収支差額構成比率の推移が示すとおり収支差額が悪化し ている。このため、財政基盤を支える動態的指標として帰属収支差額比率を用い、その目 途値として5%を掲げ、2006(平成18)年度開設の保健医療技術学部が完成する平成2009

(平成21)年度以降の早期に、収支の均衡を確保するよう努める。また、適正な会計処理 を行い、関係者との財務情報の共有を通し、公正で納得性のある大学運営を目指す。

11 事務組織

本学では、大学として2つのキャンパスを有しているため、事務組織についても統一し て行うものと個々に対応するものを工夫して運営している。大学事務局は、従来の部課制 度を廃止して、学生サポート・支援を第一義の目標とする「学生の支援センター」として 位置づけ、名称も「学生支援センター」「学習支援センター」「キャリアセンター」「社 会教育センター」「国際交流センター」などとしている。

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12 自己点検・評価

本学では、大学設置基準および本学学則に基づき、大学の教育研究水準の向上を図り、

本学の目的と社会的使命を達成するため、教育研究活動等の状況について自ら点検・評価 を行い、併せて結果の公表に努め本学の積極的なPRも図ることを目標とする。自己点検 の結果は報告書としてまとめ、国の認証機関である財団法人大学基準協会の第三者評価を 得るため提出する。また、監督官庁を初め、関係大学等に送付して公表に努めることとす る。これまでに、定期的に「自己点検・評価」を行い『自己点検・評価報告書』を出版し、

また「第三者評価」を受けて『第三者評価報告書』を作成してきた。その中で、「学生に よる授業評価」「学生の満足度調査」「ご父母の満足度調査」「卒業生満足度調査」も行 ってきている。今後はこれらをより積極的に公表していくこととする。

13 情報公開・説明責任

本学では、インターネットによる「文京学院大学ホームページ」での情報提供、出版物 による「人間学部紀要」「経営学部紀要」「外国語学部・短期大学紀要」「総合研究所紀 要」での情報提供、冊子・リーフレットによる「ぶんきょう春秋」「文京学院大学ニュー ス」「入学案内・要覧」「講義要綱」「学生生活ノート」等を活用した情報提供等で、大 学の教育内容、研究活動、入学者選抜に関する情報等を公開してきている。これらをさら に進めて、広く社会に対して積極的な情報提供行い、大学設置基準及び学則に基づく大学 の教育研究水準の向上を図っていくことを目標とする。

14 生涯学習に対する取り組み(社会人教育)

本学の誇り得る事項として生涯学習に対する取り組み(社会人教育)を特記することが できる。短期大学時代1987(昭和62)年から取り組んできた公開講座を足掛かりに、社会 に開かれた、地域に開放された大学での生涯学習を目指し、現在では「公開講座=ウィー クエンドフォーラム」は春・秋の年2回にわたって、それぞれ1ケ月程度の期間(毎週土 曜日)の講座を実施し、地域ではすっかり定着している。地元の自治体と共催での講座(町 民カレッジ)も毎年行っていて好評である。公開講座の定着、自治体との共催講座の実施 で、市民に開放された大学としての大きな役割を果たしてきたといえる。大学の知的財産 を社会に還元できたことは大いに評価できる。また大学の念願であった社会人の再教育の 場を提供する「文京学院大学生涯学習センター」は年間延べ約6,000人が学ぶ、全国でも最 も大きな規模の社会人教育機関の一つとなり実績を上げている。これからのわが国の課題 の一つとなる「生涯教育振興」について、本学が積極的に取り組んできたものであり大い に評価できる点である。

(3) 本学の特色:教育力と革新性の発揮

大学としての歴史が浅いだけ、新設大学は人一倍努力をしなくてはならない。その成果 として築き上げてきた「教育力と革新性」は、本学の誇りとするところである。

まず「教育力」という点で述べる。新設大学の場合、入学時にいわゆる“偏差値”の高 い学生を迎えることはきわめて難しいのだが、その代わり入学してから一人ひとりを尊重

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して、さまざまな教育機会を提供して「学力」ばかりか「人間力」を成長させることは本 学の規模の大学なら可能なことと信じて実行してきた。教職員が一丸となって、教育の部 面であるいは学生生活指導という部面で、創意工夫して熱意をもって実行し、卒業時には 学生一人ひとりの成長が強く感じられる。この高い「教育力」こそ本学の最大の評価点で ある。実際、卒業生は社会において着実に活躍しており、官庁、事業団、企業、病院、幼 稚園、保育所、施設等からの評価が高いのである。

「革新性」という面では女子大学としてわが国で初めての経営学部を開設したことに始 まって、以来、女性が社会に進出していく上で、また自立するために有利な諸分野の新学 部や新専攻を、大学をあげて開設してきた。具体的には、学部段階で、保育・福祉・心理・

共生社会等の人間学の分野(人間学部)を切り開いてきたこと、デザインやコンテンツ等 の新しい社会的ニーズ(経営学部)を取り入れてきたこと、語学にとどまらず異文化理解・

国際理解(外国語学部)をコアの一つとして導入してきたこと、大学院段階では、経営学 の分野に社会人を対象としたビジネスコース(夜間主)を設定したこと、医療マネジメン ト、税務マネジメントの分野を導入したこと(いずれも経営学研究科)、大学院で子育て 支援を教育の柱の一つとしたこと、臨床心理士の養成を手がけたこと(いずれも人間学研 究科)などの他、学部のキャンパス移転、女子大学から男女共学への移行、生涯学習への 取り組みなど、いずれも他の大学にはない本学ならではの革新的な試みであると確信する。

人間は自らを省みることによって、自らを乗り越え、自らを新たに創り出し、創造する 存在である。大学もまた常に自らを点検し、社会の客観的な評価に自らを照らし合わせな がら、自らを改善し、自らの進むべき方向を定めていかなければならない。ここに、「自 己点検・評価」の意義を新たに確認し、「文京学院大学自己点検・評価報告書2006」を閉 じることにする。

参照

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