TPPによるメガFTA始動
米 国 の 舞
台 復 帰 が 鍵 に
名古屋市立大学大学院 経済学研究科教授
板倉 健
い たく ら・ けん 国 際経 済 パ デ
大 学
Ph .D .
1 96 9年 生 まれ
月 日 ベト ナム のダ ナン で開 かれ た環 太平 洋パ
ト ナ シ プ閣 僚会 合に おい て TP P 協定 の大 筋合 意が 確認 され た 協定 の正 式名 称は
﹁包 括的 及び 先進 的な 環太 平洋 パ トナ
シ
プ 協定
﹂ 今回 の合 意は
今 後の メガ FT A
︵自 由貿 易協 定︶ の動 向に 重要 な影 響を 持つ こと にな るだ ろう
メ ガF TA とは
日本
米 国 欧州 連合 や中 国な ど経 済規 模が 大き な複 数の 国が 他の 国々 と共 に参 加す
るF TA であ る 2 01 6年 2月 に米 国を 含む
カ 国が 署名 した 環太 平洋 経済 連携 協定
︵T PP
︶ は メガ FT Aの 先駆 けと なる 予定 であ
た
し かし なが ら 今年 1月 のト ラン
プ政 権誕 生と 同時 に米 国が TP Pか ら離 脱し たた め TP P発 効に 必要 な条 件が 満た せな くな
た
T PP に参 加す る カ国 の国 内総 生産 を合 計し
そ の
%以 上を 占め る少 なく とも 6カ 国が 批准 する こと が必 要条 件で ある ため だ
% を占 める 米国 の離 脱は TP Pを 実現 不可 能な もの とし た そし て
﹁T PP は死 んだ
︵
TPP is de ad
︶﹂ とし て 多く のメ デ ア記 事が 書か れた
今 回の TP P 合意 は 単な るT PP の復 活で はな く さら なる TP P拡 大の 可能 性も 持 てい る その 合意 内容 は 高水 準な 貿易 投資
の自 由化 と労 働や 環境 や国 有企 業な ど広 範な ル ルを 含め たT PP を踏 襲し てい る
項 目の
﹁特 定の 規定 の適 用の 停止
︵凍 結︶
﹂ がT PP
に 加え られ てい るが
米 国が 復帰 すれ ば凍 結が 解除 され るこ とに な る また
参 加国 の国 内総 生産 にか かる 条件 がは ずさ れ 6カ 国が 批准 すれ ばT PP
は 発効 する
こ の発 効条 件の 緩和 とい う点 から も 来年 の早 い段 階で TP P が誕 生す るこ とが 期待 され てい る 韓 国 イン ドネ シア
フ
リ ピン
タ イな どT PP 加盟 に関 心を 寄せ る国 々が ある こと から TP P拡 大の 可能 性は 存在 する
T PP
の 早期 発効 によ り拡 大の 実現 可能 性が より 高ま るも のと 考え られ る TP P に参 加す る国 が増 え 加盟 国間 での 貿易 投資 が活 発化 し経 済成 長す る一 方で
不 参加 を続 ける 米国 には 負の 影響 が出 る それ を避 けよ うと する 米国 の復 帰を 織り 込む なら ば TP P から TP P へ拡 大す るメ ガF TA の動 向を 見通 すこ とが でき る 米 国の TP P復 帰を 後押 しす るメ ガF TA の動 向と して
A SE AN と日 本 中国
韓 国 オ スト ラリ ア ニ
ジ
ラ ンド
イ ンド が交 渉中 の 東ア ジア 地域 包括 的経 済連 携︵ RC EP
︶が ある
T PP やT PP
が 掲げ る高 水準 な自 由化 と 包括 的な ル ルと 同等 な内 容を RC EP が採 用す るな らば
経 済的 な効 果は TP Pを 上回 ると いう 試算 もあ る RC EP のメ ンバ
で はな い米 国に は不 利益 とな るた め TP P復 帰へ の誘 因と もな る T PP
を 端緒 とし て拡 大T PP とR CE Pと いう メガ FT Aが 並行 して 発展 する こと が予 想さ れる
そ の先 には
ア ジア 太平 洋自 由貿 易圏
︵F TA AP
︶が 見え てく る 今回 のT PP
合 意が AP EC
︵ア ジア 太平 洋経 済協 力︶ 会合 の地 であ
た こと も意 義深 い
C中部経済新聞社 2 0 1 7 年 1 2 月 2 2 日 0 0 8 面 0 1 版 N o . 0 2