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新規授業科目企画書 科目名「移動体通信概説」

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Academic year: 2025

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新規授業科目企画書 科目名「移動体通信概説」

慶應義塾大学大学院 政策・メディア科 氏名:__________

平成 19 年 5 月 30 日

1 主題と目的

本講義では、無線通信の基礎、インターネットに関わる移動体通信の基礎、そして日本国内における電波政策等、

移動体通信の全体像を包括的に理解することを目標とする。

日本における移動体通信事業は、1979年日本電信電話公社が自動車電話サービスの提供を開始して以来、今日にい たるまで飛躍的な勢いで市場規模を拡大させ続けてきている。第三世代移動体通信環境は、移動体通信サービスはす でに我々の生活の上で基盤サービスとして位置づけられており、移動体通信に関連した技術の進歩も目覚ましい。

本講義では、無線技術の詳細解説については他講義に譲り移動体通信に関わる技術、法律、政策、社会的な動向を 理解した上で、移動体通信の将来像を創造していく能力を習得を行う。

2 講義の概要

本講義では移動体通信に関わる事柄を網羅的に取り扱う。全15回の講義は以下に示す通り4つのテーマに分割さ れる。前半の3テーマは技術解説であり、最終テーマにおける社会動向の理解に対する基盤となる知識を身につける。

以下に4テーマの詳細を示す。

無線技術基礎(1回〜第3)

無線応用技術の理解に先立ち、基礎的な無線技術の理解を行う。高度に専門的な知識を必要とせず、無線通信の 基本となる電波伝搬、無線通信機器の基本構成をイメージできる程度の基礎知識の習得を行う。

無線技術応用(4回〜第7)

現在普及している3G携帯電話を支えるCDMA技術ならびに次世代無線通信技術を支えるOFDMなどの無線

(2)

移動体通信と社会動向(13回〜第15)

無線通信事業の歴史、無線通信に関わる法律、技術の標準化作業、移動体通信事業の展開等、移動体通信に関わ る社会的動向、社会的背景について学ぶ。

3 教材と授業方法

講義はPCによるプレゼンテーションにより行う。プレゼンテーションに用いられる講義資料は授業に先立ってWEB 上に公開する。授業参加者はあらかじめ資料に目を通すことが望ましい。学生からの質問は、講義終了後一定時間教 室にて受け付ける他、メールによる質問も受け付ける。

4 評価基準

評価基準は学期末に提出する最終レポートを基準とする。レポートテーマは本講義に関わるテーマであれば任意と する。以下にレポートテーマ例を示す。

移動体通信新規事業提案書

アメリカにおける移動体通信の歴史

移動体通信の将来像

レポート分量はA4 5枚以上無制限とするが、電子ファイルによる提出以外を認めない。また、上記レポートに加 え、講義後の質問により随時評価に加点する。加点の度合いは質問内容を評価した上で決定される。また、質問によ る減点は存在しないため、学生の積極的な質問を期待する。

5 前提知識

本講義では特別な前提知識を求めないが、無線通信の基礎、TCP/IPの基礎を理解していることが望ましい。

(3)

6 講義計画

1回:無線通信の基礎知識(1)

目標 ラジオを題材として電波の定義や電波の基本性質を理解する。

概要 電波とは電磁波の一部であることを理解し、電波を用いて情報を伝達することの意味を理解する。まずは、各 周波数帯区分と割当技術について、周波数帯における電波伝搬特性と割当技術の要求をふまえた解説を行うこ とで、身近な無線サービスを基に電波に対する意識を高める。また、変復調の意味、仕組みの基礎(振幅変調、

周波数変調)を理解することで、情報がどのように搬送波へと変換され、電波として出力されているかを把握 する。さらに、TDM, FDMという2つの基本的な多重化方式について解説する。

参考文献

文献[1]第1章、第2章、第10章

文献[2]第1章、第2章

文献[6]第1章、第2章、第5章 第2回:無線通信の基礎知識(2)

目標 簡易無線システムの構造を理解する。

概要 第2回の講義では、無線システムを回路レベルで概説する。解説項目としては大きく、アンテナ、変復調器で ある。アンテナを理解することで、コイルとコンデンサで構成された共振回路の動作原理を学ぶ。変復調器を 学ぶことで、第1回の授業で取り上げた電波の基礎技術がどのように実際に無線通信の上で用いられているか、

を確認する。

参考文献

文献[1]第3章、第4章、第5章、第6章

文献[2]第1章、第2章 第3回:デジタル無線通信

目標 デジタル無線通信の基礎を理解する。

概要 第2回までの講義で学んだアナログ無線通信とデジタル無線通信の違いを解説する。デジタル無線通信で必須 となる符号化回路ならびにデジタル変復調について解説した上で、各回路における処理手順を確認する。

参考文献

文献[1]第10章

文献[2]

(4)

4回:第三世代携帯電話

目標 現在、日本において主要な無線通信方式である第三世代携帯電話について理解する。

概要 まず、携帯電話の歴史をひもといた上で、第三世代携帯電話が開発された背景を説明する。そして、第三世 代携帯電話の基礎技術であるスペクトル拡散技術、干渉特性に優れたスペクトル拡散技術を支えるその上で、

W-CDMA、CDMA2000、TD-CDMAの3技術の特徴について解説する。

参考文献

文献[2]第7章、第8章

文献[3]

文献[4]第6章

5回:次世代無線通信を支える基礎技術

目標 OFDMをはじめ次世代の無線通信の基礎技術について理解する。

概要 無線通信が一般化するにしたがって、高速無線通信への要求が高まってきている。本講義では、周波数あたり の効率を高めるための技術として、OFDM、MIMO、アレーアンテナの3技術を取り上げ、解説する。

参考文献

文献[2]第10章

文献[4]第5章

文献[5]第5章

文献[6]第6章 第6回:次世代無線通信の動向

目標 次世代無線通信技術として標準化が進められている複数の通信規格について理解する。

概要 次世代無線データ通信規格として注目されている4つの技術について解説する。講義の前半では、携帯電話と 同等の通信範囲を持ち、通信事業者によるサービス展開が想定されるWiMAX、IEEE 802.20の2つの技術を 取り扱う。後半では、短距離無線技術としてPAN (Personal Area Network)や、ホームネットワーク、センサ ネットワークにおける活躍が期待されるUWB、Zigbeeという二つの技術について解説する。

参考文献

文献[4]

文献[5]

(5)

7回:All-IPモバイルネットワーク

目標 次世代無線通信において基本となるAll-IPモバイルネットワークの知識習得を目指す

概要 通信事業者におけるサービス通信メディアの多角化に伴い、それぞれのサービスネットワークを単一のIPネッ トワークにより提供することへの要求が高まっている。第7回の講義では、3GPP, 3GPP2で議論されてい

るIMS, MMD、ならびにWiMAX Forumで議論されているIPコアネットワークの構造、関連技術の説明を

行う。

参考文献

文献[3]

文献[7]

文献[8]第2章

8回:IP無線通信における認証課金とセキュリティ

目標 無線通信において今後標準的に使われると思われる認証課金メカニズム、ならびにセキュリティ方式について 学ぶ

概要 第7回の講義では、認証課金とセキュリティという2つのテーマを扱う。まず、現在、無線LANネットワー クにおける認証方式として一般的に用いられ始めているAAA方式を中心にIP網における認証課金方式を解 説する。認証サーバとの認証セッション管理方式であるRadius、Diameterの解説とともに、認証メッセージ や認証プロトコルを定義するEAPについて詳説する。

参考文献

文献[11]

9回:IP通信と音声通信

目標 IP通信において音声通信アプリケーションを用いる際の基盤技術について習得する。

概要 通信事業にとって音声通信はもっとも重要なアプリケーションとして位置づけられてきた。第9回の授業では、

すでに固定IP網でも広く用いられている電話の呼設定を実現する技術であるSIPと、ITU-Tにおける標準技 術でもあるMEGACOについて解説する。

参考文献

文献[8]第2章

(6)

10回:IPネットワークと移動体

目標 IP網においてネットワークの移動がどのように扱われるかを学ぶ。

概要 IPネットワークにおいて、移動体はネットワークの接続点を切り替えながら移動するため、移動体に割り当て られたIPアドレスは移動体の移動とともに変化する。第10回では、接続IPネットワークの切り替えを行っ たとしても移動体がインターネットにおいて一意に識別されるための技術であるMobile IPやNEMOを解説 する。また、移動体同士におけるアドホックネットワークの形成技術についても述べる。

参考文献

文献[13]

文献[14]

文献[15]

11回:移動体通信環境の将来

目標 移動体通信環境の将来像であるマルチホーム通信環境について学ぶ。

概要 移動体におけるマルチホーム通信環境とは、移動体が複数の通信メディアを用いて、複数のネットワーク接続 点nに同時に接続することを意味する。第11回では、IEEE, IETFにおける最新標準化動向をおい、国内各 通信事業者が発表しているサービスの将来像を理解する。

12回:電波法の基礎

目標 有限資源である無線周波数がどのような法律により社会全般において公平に用いられているか、を理解する。

概要 電波法の第1条に「この法律は、電波の公平且つ能率的な利用を確保することによつて、公共の福祉を増進す ることを目的とする。」と示される通り、国内において我々が各無線サービスを安全に享受することができるの も電波法によるところが大きい。第12回では、電波法の理念、歴史をふまえ、無線局免許、無線機器の要件、

局運用手法を中心に電波法の要点を理解する。また、各国無線法令の比較を行うことで、国際法を理解する。

参考文献

文献[6]第3章

文献[9]

(7)

13回:無線通信と標準化

目標 無線技術の標準化団体と標準化プロセスについて学ぶ

概要 あらゆる技術仕様は「標準」として制定されることではじめてその標準に基づいて実装された機器間での相互 運用を行うことができる。したがって、技術にとって標準化はなによりも重要な作業となる。第13回では、国 内無線標準化団体として、電波産業会を、国際標準化団体としてITU、IEEE、IETFを取り上げ、それぞれの 団体における標準化プロセスを理解する。また、標準化組織だけで無く、機器間の相互運用を行うための仕様 詳細を決定するための団体の代表として、Wi-Fi Alliance、WiMAX Forumを取り上げ、それぞれの組織にお ける相互運用試験について解説する。

参考文献

文献[6]第3章

文献[16]

文献[17]

文献[18]

文献[19]

14回:日本における移動体通信事業の歴史

目標 日本における移動体通信事業がどのように発展してきたか学ぶ

概要 日本では、1979年に日本電信電話公社が自動車電話サービスを導入して以来、今日における携帯電話の爆発的 普及にいたるまで、移動体通信事業には多くの事件が起こってきた。第14回の講義では、政策の変遷を中心 に移動体通信事業の歴史をひもとき、今後の移動体通信事業の発展をうらなう。

15回:まとめ

目標 今までの授業の復習を行う。

概要 第1回〜第14回の復習

参考文献

[1] 吉村 和昭,安居院 猛,倉持 内武 著, ”図解入門 よくわかる最新電波と周波数の基本と仕組み―意外に知られてい ない周波数のひみつ”,秀和システム, 2004

[2] 石井 聡 著, ”無線通信とディジタル変復調技術”, CQ出版社, 2005

[3] 木下 耕太 著, ”やさしいIMT‐2000―第3世代移動通信方式”,電気通信協会, 2001

(8)

[7] Gonzalo Camarillo, Miguel A. Garc´ia‐Mart´ 著,澤田 拓也,鹿島 拓也 訳, ”実践入門ネットワークIMS(IP Multimedia Subsystem)標準テキスト―NGNのコア技術”,リックテレコム, 2006

[8] 和泉 俊勝,大宮 知己,石川 宏 監修, ”やさしい次世代ネットワーク技術”,電気通信協会, 2006 [9] 安達 啓一 著, ”電波法大綱―よくわかる教科書”,電気通信振興会, 2005

[10] W.Richard Stevens,橘 康雄 訳,井上 尚司 監訳, ”詳解TCP/IP〈Vol.1〉プロトコル”,ピアソンエデュケーショ ン, 2000

[11] Jonathan Hassell著, ”ADIUS―ユーザ認証セキュリティプロトコル”,オライリー・ジャパン, 2003 [12] 澤田 拓也,池田 徹,木下 岳人,西澤 哲夫,川島 倫央 著”実践SIP詳解テキスト”,リックテレコム, 2005 [13] C. Perkins, ”IP Mobility Support for IPv4”, RFC 3344

[14] Johnson, D. and Perkins, C. and Arkko, J., ”Mobility Support in IPv6”, RFC 3775

[15] Devaraplli, V. and Wakikawa, R. and Petrescu, A. and Thubert, P., ”Network Mobility (NEMO) Basic Support Protocol (Proposed Standard)”, RFC 3963

[16] 社団法人 電波産業会, http://www.arib.or.jp/

[17] IETF, http://www.ietf.org/

[18] ITU, http://www.itu.int/net/home/index.aspx [19] IEEE, http://www.ieee.org/portal/site

参照

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