NII-Electronic Library Service 【論 文】 UDC ;624
.
073 :539.
3 ;624.
012−
45 日本 建 築 学 会構 造 系 論 文報 告集 第 403 号・
1989 年 9 月繰 返
し
面 内
せ ん
断 力
を
受
け る
鉄 筋
コン
ク
リ
ー
ト
平 板
の
弾
塑 性 挙 動
に
関
す
る
実 験 研 究
正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員大
高
坪
井
栗
渡
森
橋
田上
原
辺信
敏
張
範
和
茂
次
*夫
* * 二 * *夫
*夫
* * *雄
* *1.
序 地 震 力 が 支 配 的 とな る我 が 国の鉄 筋コ ンクリー
ト 〔以 ド,
RC と略 記 )構 造 物の合理的な設計お よび安 全性の 評 価 を行う た めには, 繰返 し面 内せ ん断力に対す る弾塑 性履歴挙動を考慮し た解析 手法の開 発が 必要であ る。
最近,
RC 構 造 物の構 成 部 材で ある耐 震 壁,
シェ ル壁 等の・
・
部 を平 板 要 素と し た試 験 体に面 内せ ん断 力 あるい は面 内 組 合せ力 を作 用させ, これ よ り導かれた構 成 則 を 分 布ひ び割れ モ デル [Smeared
Crack
Model
]と して有 限 要 素 法 (以 下,
FEM
と略 記 )に組み 込 み,RC
構 造 物 を合 理 的に解 析し よ う と す る機運が あ る。
こ のよ う なRC
平 板 要 素に関す る既 往の研 究と して 単調載荷を対象と し た主なもの は以 下のと お り であ る。Vecchio,
CollinsL
]は,
鉄 筋 比,
コ ン クリー
一
ト強 度 等 をパ ラメー
タ と した試 験 体の純せ ん 断 お よ び組 合せ加 力 実 験 を実 施し,ひび割れ たコ ン クリー
トの主 圧 縮 応 力は,
主 圧 縮ひずみ と主 引張ひずみ の関 数 と して表現で き るこ とを示し た。
さ ら に,
力のつ り合い条 件,
ひずみの適 合 条 件 を用い て変形まで追従で き る解析モデル 似 後,
コ リンズモ デル と呼ぶ)を提 案して いる。 肯柳,
山 田z〕は,
鉄 筋と主 応 力のなす 角 度 (偏 角 〉お よ び鉄筋比等をパ ラ メー
タ とし た試 験 体の面 内 力 載 荷 実 験を実 施 し,
Baumann3 }の 解 析 法を基 本とし た RC 平 板 要 素の諸 耐 力および変 形 性 状の推 定 手 法 を提 案し てい る。
角,
川 股4 )は,
鉄 筋 比や鉄 筋の付 着の有 無 等をパ ラ メー
タ と し た純せん断 実 験 を実 施 し, ひ び割れたコ ンクリー
トの テンシ ョ ン スティ フニ ング効果 は鉄 筋比 をパ ラメー
* 鹿 島建設(株)技 術 研 究 所 工博 * * 鹿 島 建 設 (株 )技 術 研 究 所 i# 鹿 島建設 (株)技 術研究 所 〔長崎 大学 大 学 院 ) 〔1989 年 2 月 2 日原 稿 受 理,
1989 年 6 月 19日採 用 決 定1 タ と して,
また, 圧 縮 応 カー
圧 縮ひずみ関係はス ト ラッ トの横ひずみ特 性に より各々をモデ ル化で き ること を示 し た。
一
方, 本 論 文と主 旨を同じ と す る RC 平 板 要 素の繰 返し履歴挙動に関す る 既往の 研究と して以 下の もの が あ る。
Stevens 等5 }は,
単 調 載 荷 を 対 象と し たコ リンズモデ ル を繰 返 し載 荷に修 正・
拡 張 し た解 析モ デル を提 案 し た。
ま た, 鉄 筋 比 をパ ラメー
タ と し たRC
平 板の純せ ん断お よび組み合わ せの面 内繰 返し載 荷 実 験 を 実 施 し,
提案し たモ デル の妥当性 を検 証してい る。
さ らに,
提 案 し た解 析モ デル を分 布ひ び割れモ デル の FEM に適 用 し,
耐 震 壁の履 歴 挙 動を解 析で き ること を示して い る。
また,
岡 村らG〕は,
まず一
軸 応 力 場の RC 要 素の実 験 結 果 を 基 本 とし て RC 平 板 要 素の単 調 載 荷 解 析モ デル を導き,
こ れをFEM
に適 用 し,
既 往の平板 実 験と 照 合 す ることに よっ て モデルの修 正, 検 証 を 行 っ た。
さ ら に,
この モデル を繰返 し載 荷の解析モ デルに拡 張し,
耐 震壁等の復元力特性をFEM
を用い て解 析 的に予 測す る手 法を示 して いるT }。
し か し な が ら,
これ らの解 析モデル は単 調 載 荷 を 基 本 と し て モ デル化 し た もの であり,
RC 平 板 要 素の繰 返 し 載 荷 実 験よ り直 接 得ら れ た履 歴 特 性を定 量 的に評 価し て 確 立されたもの で はない の で,
特 性 評 価にな ん ら かの仮 定が導入 さ れ てい る。
著 者 等も既にRC
平 板 要 素の繰 返 し純せ ん断お よ び 組 合せ面 内 力 載 荷 実 験 を実 施し, コ リンズモ デル を拡 張 し たRC
平 板要素の繰 返 し純せ ん 断解 析の モ デル化 を 試み た8)が , 実験 本来の 目的が単な る特性 把握であ り,
提案モ デル も十分 な精 度 を 有す るモ デルと はい い 難い。
そ こ で,
著 者らは 今回,
繰返 し載 荷を 受 けるRC
平 板 要 素の弾塑性 履歴挙動のモ デル化を本 来のH
的とし て一 105 一
N工 工一
Eleotronio Library実 験を立 案し た
。
本 論 文は,
こ の 実験研 究の 第・
.
.
段 階と して最も基 本と な る純せ ん断 応 力 場を対 象と し,
履歴特 性に与え る要 因 の中で最も影 響が大きい と考えられる鉄筋比 をパ ラ メー
タ とし て実 施し た繰 返 し純せん断および比 較 用の単 調 載 荷実 験の結 果 お よび考 察につ い て報 告 する。
ま た,
続 報 で は, こ れらの結果に基づ き作 成し た解析モ デル につ い て報告す る予定で あ る。
2.
実験方 法 2.
1 試 験 体 試験 体の形 状 を 図一
1に,
試 験 体の一
覧 を表一
ユ に示 す。
試 験 体は.一
辺 2500mm,
厚さ 140 mm の正 方 形RC 平 板で, 載 荷 方 法と鉄 筋 比をパ ラメー
タ と し た8
体で あ る。
パ ラメー
タ と し た載 荷 方 法は,
表一
1に 示す と お り 面 内 純せ ん 断 力の 正負 繰返 し載 荷と 正 側単調載 荷の2
種 類であ る。 ま た,
鉄筋比 は繰 返し載荷に対し て5
水準,
単調載荷に対して 3水 準と し た。 試 験 体の配 筋の一
例を図一
2に示す。 配 筋は いずれ の 試 験 体 も直 径 10mm の異 形 鉄 筋 を縦・
横 同 量 (ll。
=
p.) の 直 交 ダ ブル配 筋と し,
被り厚さ を 15mm に し た。
ま た,
試 験体の周辺部に は応力集 中に よる局部破 損を防止する た め端部 補強 筋を上 下2
段に配 筋し た。
試 験 体に用 い た 鉄 筋の 材 質はSD
30A の 電 炉 品で あ る。 素材 試 験よ り得ら れ た鉄 筋の機 械 的 性 質を表一
2に 示す。
コ ンク リー
トは早 強ボル トラン ドセメ ン トを用い iOOlOO 変 位 計(上面 ) 平 面 図 250
一
106
IOOO 変 位・+(下面 )IOOO 2500 図一
1 試 験 体の形 状・
寸 法 250 断 面 図 た骨材最 大 粒 径10mm の 川 砂 利コ ン ク リー
トで あり,
目標 強 度 をfl
・
=
30
MPa
と し た。
各試 験体の強 度 試 験 よ り得ら れ たコ ン ク リー
トの機 械 的性 質を表一
3に示 す。 表一
1 実験パラメー
ター
覧 試験 体 記号 SRO5SRIOSRI4SRI7SR20SMIOSMI4SM20 載 荷 方 法 正 貢 繰 返 し載 荷 正側 単 調 載 荷 鉄 筋 比 1ρ 乂=
ρy[ 配 筋 間 隔 0.
51% 200mmIO2 〜も IoOmm136 % 75mm170 % 60mm204 % 50mmlO2 % lOOmm136 % 75mm2、
04°
ん 50mm 表一
2 鉄 筋の機 械 的性 質 鉄 筋 径 公 称断面積 A5 【cm2} 降 伏 強 度 fy 〔M閃 〕 最大 強 度 膏u 湘po) 降 伏ひずみ yε 〔XIO−
5〕 弾性 係 数 E5 〔Mpω DlO07 「559B5 ア0200200000 表一3
コ ンクリー
トの機 械 的 性 質 試験 体 SRO5SRloSRI4SRI7SR20SM 「0SMI4SM20 圧縮 強 度 fc1【Mpo〕 50436629328731251.
531428 1 弾性 係 数 EdMpo 〕 2070022200200002050020500226002210021000 最大 ひずみ ε。【xlo1512.
9ヨ 2975.
052.
823172、
562.
70264 割 裂 強 度 fr【Mpω 2.
253,
145.
OI2552.
47228283216 粫 部 補 強 筋 〔D101 縦筋 1DCti.
200)L
.
図一
2 O の e寸1
平 面 図童
欝
筋:
!
⊥
」
… 試 験 体 配 筋 図 (SRO5 )NII-Electronic Library Service 2
.
2 加 力 方法 面 内せん 断 力の載 荷は, 図一
3に示 す 平 板 複 合 加 力 実 験 装置9〕 を 用い て行っ た。
本 装置では面 内せん 断 力 を作 用させ る方法と してアクチュ エー
タの荷重制御を採 用し てい る が,すべ てのア ク チュ エー
タを荷 重 制 御にすると, そ れ ぞ れの ア ク チュ エー
タのわずか な誤 差に よっ て試験 体が剛 体 園 転を起こ す 可 能 性が あ る。 し た がっ て, 図一
3
に示し た ア クチュ エー
タ のうち の3
本 (No 、
8,14,20
) に は,
変 位0の信 号を与え コ リンズの実験方法と同様に 固 定 リンクとし た。
また, 試 験 体に均 等な面 内せ ん断 力 を作 用さ せ る た め,
載 荷 治 具に は櫛 型の アングル金 具 を 試 験 体周 囲の上下面に摩 擦 接 合し,
こ れ を試 験 装 置と結 合さ せ た。 さ ら に, 試験体下部に は自動 調 整が可 能な空 気ば ね支持 装置を設け,
面 外の た わ み防 止 を行っ た。
正負 繰 返し面 内せ ん断 力の加 力 制 御は,
ひ び割れ 発生 までを荷 重 制 御 と し,
ひび割れ発 生 以 後は,
試験体に作 用する主 引 張 方 向の ひずみ制 御 を原 則とし て各サ イク ル O.
5×10−’
;ごとの正負繰返 し漸増載 荷を行っ た。
な お, 鉄筋 降伏と判断さ れ る ひずみ レベル に達し た後はt 正 側 の作 用せん断力 が前サ イク ルの ピー
ク 値 を超える まで任 意の ひずみレ ベ ル で繰り返し,
破 壊に至ら し め た。 2,
3 測 定 方 法 試 験 体に負 荷す る面 内せ ん断 応力 y は,
加 力 装置の 24台の ア クチュ エー
タに取り付け たロー
ドセル の出力 を計 測し,
これより得られる作 用せ ん断 力 を試 験体の全 断面積で除した値で評価し た。 計測さ れ たロー
ドセル の 出 力値の一
例を表一4
に示す。
本表は,
表一5
に示 し た 平 面 図 断 面 図 試 験 体 /空 気 ば ね「
OOgD ロo!
l
反力フレー
ム リン ク サポー
ト 図一
3 平 板 複 合 加 力 実 験 装置SR
10試 験 体の主 要 荷 重 時の ロー
ドセル の 出 力 値で あ る。
これ より固 定 リンクの出 力が他の出力よりわずか に 低 くなっ てい るが,
全体の変動は小さ く試験 体に は ほぼ 均等な面内せん断 力が作 用して い る と判 断 され る。
試 験体の面内変形は図一1
中に示 す よ うに試 験 体の上 下 面に取り付け た 12個の変位 計で計 測し た。
各 方 向の ひずみ は.
ヒ下 面の平 均変位 を 測 定ス パ ンで除し た も の と しモー
ル の ひ ず み解 析 を 用い て軸ひずみ (εx,
εy),
せ ん断ひずみ け ),
主ひずみ (ε 1,
ε:),
主ひずみ 角 (θ)を求 めた。
なお,
実 験よ り得ら れ た軸ひずみの εx と εy は,
ほ ぼ同 値で ある こ と が 確 認さ れ たの で以後の検討で は ε=
と εy の平 均 値 を 用いて εx= εy と し た。
表一
4 ロー
ドセル の出 力 値 ロー
ドセ ル 出 力値(tf) アクチュエー
タ 番 号 初ひび われ時 降 伏 時 最大耐力時 1 13」 31.
8 34.
1 2 13.
1 31.
7 34.
0 3 13.
1 31.
7 34.
0−一
.
ゴー
4 13.
1 31.
7 34.
1 5 13」31,
7
34.
1 6 13.
131.
7 34.
0 7 13.
1 31、
8 34.
1 8 ※ 11.
7 29.
4 31.
4 9 13.
1 31,
834.
0
10 13.
1 31,
8 34.
1 τ1 13.
1 31,
8 34.
0 T2 13.
1.
31,
8一
34」 13 13.
11
31.
7 34.
0 14※ 11.
9 30.
3 33.
215
13
.
1
一
31.
8 34.
1 16 13.
1 1 31,
8 34.
0 17 13.
1 31.
7 34.
0 18 13.
2 31.
834.
1 19 13.
131.
8
34.
1 20※一
12.
8 30.
733.
1
21 13.
1 31.
834.
1 22 13.
τ 31.
8 34,
1 23 13.
] 31.
8 34.
1 24 13.
0 31.
7 34.
0 平 均 f直 (tf) 13.
0 31.
6 33.
9 変 動 係 数 (% ) 2,
8 1.
8
1.
7 ※は固 定1丿ンク 表一
5 実験結果一
覧 試 験 体 諸 値 SR O5 SR IO SR I4 SR 17 SR 20SMID SM14 SM20 正 負 繰 返 し 載 荷 単 調 載 荷 応 力 度 V。r田po 111 ア 154 亅41155155155146156 初 ひ び わ れ 時 主 ひ ず みε1じr【x1σ51O I59O l58OI86O B2O 旧5O I580 1s8O I56 せ ん断ひずみ
γGrlxlo
一
ヨ1O.
250O.
2350292OIgI0275024 [o.
2440221応 力 度 Vり【Mpol2325
、
754.
685816.
764065.
II696 降 伏 時 主 ひ ず み y ε1 〔xlo匿
314 134544.
494.
アo4874qo44 ア 488 せん断ひずみ 7μ xlo.
3144346 ア 4975465784754.
955 ア7 応 力 度 Vu 〔Mpol2574024706 256824475617.
25 最 大 耐 力 時 主 ひ ず み uε11×
IG’
コ1149B1227eo ヨ 795497165 了 14、
19574 せ ん 断ひずみ アulxlo’
145D12 248 1587758B1664 叫68s65一
107
一
N工 工一
Eleotronio Library
3.
実 験 経 過お よ び結 果 各 試 験 体の実 験結果一
覧を表一5
に,
実験よ り得ら れ た せ ん断 応 力 V と せ ん 断ひずみ γの 関 係 を 図一
4に示 す。
また,
代 表 的な試 験 体の せ ん断応 力V
と軸ひずみ Ex の関係 を 図一
5に,
実 験 最 終 状態にお け るひび割れ状 況を 図一
6に示す。
3.1
実 験 経 過 各試 験 体の 目視に よ るひび 割れ発 生は表一
5に示す よ うに,
鉄 筋 比お よ び載荷種 類に より若 干の差は見ら れ る もの の,
発 生 応 力 度Vcr
は,
1.
17〜
1.
56MPa ,
こ の時 の せ ん断ひずみ 7cT Lrk O.
19〜
O.
29×10−
3の 範 囲に あっ た。
初ひ び割れ発生後,ひび割れ本 数は徐々 に増 加し た が , γ=3.O〜4.0
×10
−
3 を超え るとほ ぼ一
一
一
定の本 数 とな り,
ひび割れ幅だ け が 広 が る傾 向に あっ た。
ま た,
ひ び割れ 発 生 後せ ん断ひずみ お よ び軸ひずみ は急 激に増 加し,
そ れに伴い剛 性 も低 下し た。 そ の後の加 力で特 徴 的な現 象は鉄 筋 降 伏で ある。
本 実 験におい ては,
ひずみゲー
ジ等 を用い て鉄 筋の ひずみ状 態 を計 測して い ないの で, 平 板の軸ひずみ εx が鉄 筋 単一
9V
{Mpgl4 CO 川 ns Mode1一
一
9−
6一
32卩
1
一
一
一
一一一
一
一
23 6 9SRO5
12 γ 15 i8 【xlO『
3} 4V 【Mpa ) 2一
9−
6−
3 Collins Model∠
一口
∠.
∠
’
∠
!
_
!
一
LEML
!
° V{Mpa )一
6−
3 8∠型
Ll
,
三
.
喚哩
.
! 6 /ノ
!
! 4 ! !!
’
〆!
2 / [ 言=’
「= =一
:t−
LT =),
一
一
/’
/‘
/一
2一
4 36 9 12 γ【xi σSRI7
3一
2SR
IO
−
4 6912 15 18 γ CxLO1コ ) 〃 V(Mpo 〕 68 ⊥−
6.
測
上
i,三.
瞥
塑
’
!
編
撚
,,。ノ
!
4 ノ ! ノ ! 2ノ
〆
6−
3 3 6 9 12_
2 γ {×IQ一
一
4SR20
一
6一
8 図一
4 v一
γ関 係V
一
8一__一一__
__
、へCOIIins Model {Mpo } 6 ∠ /・
論
… ノ 〆 ! 4!
! !!
ノ 21〆
ノ
12 3 4 εx 【× lo15}一
4SR20
一
6一
8 図一
5 V一
εx 関係一
108
−.
.
NII-Electronic Library Service 体の 降 伏ひずみ (y ε
=2.OXIO −
3 )に達 した状 態 を鉄 筋 降伏と定 義 した。 し た がっ て鉄 筋 降 伏 時の εx は一
定で あ る が,
表一
5に示 す よ うに,
試験体に よ り主ひずみ y ε1は4.
1〜
4.
9×10−
s,
せ ん断ひずみ 7yは4.
4〜
5.
8× 10一
窩 の 範囲で異なっ た値を示すた め,
本 論 文で はこ れ らの範囲 を 「鉄 筋降伏ひずみ領 域 」と呼ぶことにす る。 鉄 筋 比の最も 大 きいSR20
試 験 体は,
こ の鉄 筋 降 伏 とほ ぼ同 時に図一
6 に示 す よ うな せ ん断 滑り破 壊に達 し た の で実 験を終r
し た。
同 じ鉄 筋 比で単 調 載 荷のSM
20試 験 体 も 同じよ う な破壊状況で あっ た。
鉄 筋 比の 小 さい 試 験 体は, 鉄 筋 降 伏 後 急 激に剛 性が低下し, こ の低 剛性の状 態 を維 持しな が ら変 形が進 展し た。
ま た繰 返し 載荷試験 体に おい ては, 除 荷 終 了 時 (V
= 0)にお ける 残 留ひずみが加 力サイクル と と もに累 積さ れ,
さ ら に低 応 力レ ベ ル におい て剛性がほと んどゼ ロに近い ス リッ フ 現 象が見 られ た。 な お図一4
のSR
10
お よびSR
14試 験 体の負 側 サ イク ル に おい て,
鉄 筋降伏 後 加 力 サ イク ル ご と に ピー
ク の せん断 応 力が 減少す る結果 がみ られ る が,
こ の現 象は 2.
2の加 力 方 法で述べ た と お り,
正 側お よ び 負 側 サ イ クル の除 荷 開 始 点を ともに同一
の主引張り ひずみで制御し た た め,正 側で受け た損 傷に影 響さ れて,
負 側で は前サイクルの ピー
クせ ん断 応 力を超 過す る前 に,
主引 張り ひずみ が 除荷開始ひずみ に達し た ことによ るもの で あ る。 鉄 筋 比の小さい試験 体は そ の後,
わずか な応 力 上 昇 を 継続し ながら変 形が限りな く増 加す るの で,
γ= 15.
0×10
−.
3前 後で実 験 を終r
し た 。 こ の実 験 終 了時点に お け る試 験 体の損 傷は図一
6に示 すよ うに,
対角方向に大き なひび割れ が発 生する鉄 筋 降 伏 型の損 傷モー
ドであっ た。 SM 10 SRIO SRO5 SR20。’
: 跚 跚 : : 鵬 跚 呂 呂“
。
ii
…
〜ii
ロii
ほ嫐
・
广
广
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灘
鯲
・
蕪
…… ・.
轗
慧…
i
瓢
3二 : 含呂: 言 ξ 呂 と 匿 躑 正側載荷 負側 載 荷 図一
6 最 終 破 壊 状 況 3.
2 実験結 果の検討 こ こ では,
前 記 実験結果を も とに, 面 内せ ん断 力を う けるRC
平 板 要 素の挙 動に及ぼ す実 験パ ラメー
タ (鉄 筋 比,
載 荷 種 類 )の影 響につ い て定性的に検 討す る。
ま た, 実 験 結 果とコ リンズモ デル によ る解 析結果を 比較す る。
(1 ) 実 験パ ラメー
タの影 響 表一
5に示す よ うに, ひび割れ発生 応 力 お よ びこ の時 の せ ん断ひずみ は鉄 筋 比お よび 載 荷 種 類による顕著な差 異は な かっ た。一
方,
図一
6に示す よ うに鉄 筋 比の大き い試 験 体ほ ど,
ひ び割れ本 数が多く ひ び割れ間 隔が小さ い傾 向に あり,
試 験体の鉄筋本数お よび鉄 筋 間 隔とひび 割れ発 生 状 況は密 接な関 係に あ ること が考 察さ れ る。
ひび割れ発 生 後の剛 性は,
図一
4お よ び図一
5に尓す よ う に鉄 筋 比の小さい試 験 体ほ ど低く,
鉄 筋 比の影 響が 顕 著に見ら れ る。 しか しな が ら, 載 荷 種 類に よ る 差異は 見ら れ な かっ た。
つ ぎに鉄 筋降伏時の特性と して,
こ の時のせ ん断 応 力Vy
は表一
5に示 す よ うに,
鉄筋比と と もに ほ ぼ比 例 的 に増 加 し,
こ の 時の せ ん断ひずみ γy は鉄 筋 比の増 加に よ りわずか に増 大する傾 向を示し た。一
方,
降伏 応 力,
降伏ひずみ ともに載 荷 種 類に よ る明 確な差 異は なか っ たe繰返 し載 荷 試 験 体に特 有の残 留 変 形の累 積は
,
鉄 筋 比 の 小さい試 験 体ほ ど顕著と な り, 特に図一
5に示さ れ る よ うに SR 10 試験体に おい て は軸ひずみ εx,
す な わ ち 平 板の 面内膨脹 が加 力サイク ルと ともに累 積さ れ るこ と が う か が え る。
ま た 図一4
に み ら れる よ うに,
ス リッ フ 現 象に関して も鉄 筋 比の小さ い試 験 体ほ どス リッ プ現象 の領域が広 く さ ら に そ の時の y一
γ曲 線上 におけ るス リップ剛 性 も低い。
試 験体破 壊時また は実 験 終 了 時の特 性とし て, まず 最 大耐力は単 調 載 荷お よび 繰 返し載 荷 と もに鉄 筋 比の増 加 と と もにほ ぼ線形的に 増 加す る。
つ ぎに,
載 荷 種 類に よ る最 大 耐 力を比 較す る と,
繰 返し載荷の ほ う が わずかに 単 調 載 荷 より低く,
繰 返し載 荷に よ る耐 力低 下が わずか に見られ る。一・
方,
こ の時の ひずみ は繰 返し載荷の ほう が単 調 載 荷よ りも 明らか に小 さ く,
繰 返 し載 荷に よる試 験体の劣 化が うか がえ る。 (2) コリンズモ デ ル と の比 較 図一4,
図一
5に示すコ リンズモ デル による解 析 結 果 と単 調 載 荷の実 験 結 果およ び繰 返し載 荷 実 験 結 果の包 絡 線を 比較す る。
まず,
ひび割れ発 生 応 力に お い て,
解 析 お よ び実験結果 に差 異が あ り, コ リンズモ デル は ひび割 れ 発生 応 力 を高めに評 価する傾 向にある。
つ ぎに,
ひ び割れ 発生 以 降の領 域に お いて, 鉄 筋 比が 最 小のSRO5
試 験体で はコ リンズモ デル は実 験 結 果よ り も応 力 を低めに評 価し,
逆に鉄 筋 比が大きくな る につ.
一
一
.
109
一
N工 工一
Eleotronio Libraryれ て高め の評 価 を与え る傾 向にあっ た。
4.
デー
タ解 析 前 章において実 験結 果に対す る検 討を述べ た が,
こ れ はRC
平板と し ての し かも 定 性 的な検 討である。
し た がっ て定量的な考察さ らには弾 塑 性 履 歴 特 性の モデル化 を 図る た めに は,RC
平板を鉄 筋とコ ン ク リー
トに分 離 し,
そ れ ぞ れ につ い て構 成 則 を検 討す る必 要が あ る。
ここで は
,RC
平 板と して の実 験 デー
タか ら鉄筋お よ びコ ン クリー
トの構 成 則すな わち応 カー
ひずみ関 係を分 離 する手 法につ い て述べ る。
デー
タ分 離の基 本 方 針と して コ リンズモ デル と同 様に「ひずみ の適 合 条件」お よ び 「力の つ り合い条 件」を仮 定し た
。
まず, 「ひずみ の適 合 条 件 」 より,
鉄筋お よ び コ ン ク リー
トの ひずみ 状 態は 2.
3で定 義 し た RC 平 板 の ひずみ状態 と等 し く なり既 知 量とな る。
つ ぎ に,
鉄 筋 お よ びコ ンクリー
トの応 力状 態 を 決 定す る た め に,
比 較 的 定 式 化が容 易な鉄 筋の応 カー
ひずみ関 係と して コ リン ズモ デル と同 様に図一
7に示す完 全 弾 塑 性 型 を仮 定し, 降 伏 強 度, 降 伏ひずみ は表一2
に示す鉄 筋 素 材 試 験の結 果 を用いた。
ま た 履 歴特性 評 価 に必要な鉄 筋 降 伏 以後の 除荷時, 再載荷 時の剛 性 も弾 性 剛 性Es
と等 値で あ る と 仮 定し た。 この よ う に鉄 筋の応 カー
ひずみ関 係を仮 定し たこ とに よ り,
既 知量で ある軸ひずみ εx (= ε。) を 用 いて鉄 筋の軸 方 向 負 担 応 力漏 (=
f
』y)を (1
)式の よ うに算 出できる。
fs
==
Es・
εゴー …・
…・
…・
……・
………・
…・
…
(1
) 鉄 筋の負 担 応 力が求ま る と,X
軸 (y
軸 ) 方 向の コ ン クリー
トの負 担 応 力f
,x (=
f
。y)は力のつ り 合い条件 式,
す な わ ち,
RC 平 板に作 用 する応 力は鉄 筋お よ びコ ンク リー
トの負担応 力の和に等しく なるという (2 }式 の よ うに表せ る が,
本 実 験は純せ ん断を対 象と して い る た めX
軸 (Y
軸 )方 向の作 用 応 力fnv
(=
f
。v)は存 在 せず,
(3
)式で求める こ とがで き る。f
。
x十 ρガ魚 r 塩ビ……・
・
………・
…・
・
…
(2 )fcx
=一
衡・
fsr
…………・
…・
・
………・
・
…
(3
>一
方,
せ ん断 応 力に関して も力のつ り合い条 件 式よ り一
般に (4)式で示 さ れ る が,ヒ
こ で は 鉄 筋は せ ん断 応 力 を 負 担し ない も の (鞠;
0)と仮 定し た た め,
コ ンクfsx
Yfsx
乂一一一一
2
;
Es
}
Esyfsx
:鉄 筋 降 伏 強 度Es3
y
εズ 鉄 筋 降 伏ひ ずy
εx εx一
110
一
図一
フf。
T一
ε、
関 係 リー
トの負 担 応 力Vc
のみ と な り (5
)式と な る。
y
;Vc
十l
/s・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
』
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
(4> y;Ve ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5>また
,
コ ン ク リー
トの主 応 力 (f
,
i,
f
、
z)お よ び主 応 力 角(θりも 上式で求まっ た コ ン ク リー
トの負 担 応 力を用 いてモー
ル の応 力 円 より浹 定できる。
以 ヒに示し た デ
ー
タ解 析 手 法に基づ き得ら れ た,
コ ン ク リー
トの主 応 力f
。 、一
主ひ ずみ ε、関 係を図一
8に示 す。5
.
コ ン ク リー
トの履歴特性の検討 図一
9はコ ンク リー
トの主 応 カー
主ひずみ関係の実験 結 果 (図一8
参 照 )を観 察し,
ひ び割れ たコ ン ク リー
ト の 1方向お よ び2方 向の主 応 カー
主ひずみ 関 係 の履歴 ルー
プ を模 式 化し て示し たもの で あ る。
図中の記 号の点 は次のよ うに定 義し た。
B ,E
:コ ンク リー
トの ひび割れ発生点。
C ,G
,K
,0
,S
:各サ イクル の 除 荷 開 始 点 すなわ ち peak 主ひずみ点。
D ,H ,
L ,
P
:作 用する せん断 応 力 y=
0の点。
C
’
,G
’
,
K’
:主 引 張ひずみが前 サ イクル の peak 主 引 張ひずみ に達し た点お よ びこ の時の 圧 縮 領 域の点。
1,M ,
Q
:作 用す る せ ん断応 力V =0
点か ら,
再 載 荷に よ り,
引張 領 域の コ ン クリー
ト 剛 性が テンショ ン ス ティ フニ ングの曲 線に達す る点。
F ,
J
,
N :再 載 荷に より主 圧 縮 方 向に直角な ひ び 割れ が閉 じコ ンクリー
トの圧縮剛性が 効き始める点。
R :鉄 筋単体の降伏点。 以 下で は繰 返 し載 荷 時の ひび割れ たコンク リー
トの構 成則の モ デル化に必 要な履 歴特 性,
特に1)ひ び割れ 発 生 応 力 2 )引張領域の応 カ
ー
ひずみ関 係3
)残 留 応 力, 残留ひずみ 4)ス リッ プ剛 性 5)圧 縮 領 域の応 カー
ひずみ 関係 6 )繰り返し に よる応 力,
ひずみ の変化 量につ い て の検 討 を行 う。
5,
1
ひ び割れ発 生 応 力 図一
9の B,
E 点に対 応する コ ン ク リー
トの ひび割れ 発 生 応 力fc
. (図一
8に示す●印)は表一5
のひ び割れ 発生応力Vcr
と等しい。
この ひび割れ発 生 応 力をf
,。=
α 瓶 と して係数 a を検討 し た結 果,
平 均で a ≒0.
25が 得ら れ た。 これ は,
コ リンズ モ デル で用い ら れ てい るACI
規準のG.
33
よ り も低い値であっ た。 5.
2 引張領域の応カー
ひずみ関 係 図一8
の第1象限の 主応 カー
主ひずみ関 係は,
コ ン ク リー
トの引張特 性す な わ ち テンショ ン ス テ ィ フニ ン グ [以 後TS
と 略す] を示す。
これ は,
図一
9(a)の模 式 図に おい て, ABCIKgRS を結ぶ線に対応 す る領 域であNII-Electronic Library Service
3
fc1CMpo
) PN− .
一
・謡
COIIins
ModeISMIO
−_
∠
.
.
8 1 「ー
用 d −SRIO
6
“ L−一
絡 18 εL 〔×10−
3)3fCi
〔Mpo
〕’
一一一一一一..一.
/
Co
凵insModel
丶 10 ε1 {xlo’
313
一6
SR17
一9
ρ一
123fCI
{Mpa
)k..
.L.
L
−L.
.
.
/
c°11insM
°del丶
丶
図一
8f 、,一
ε 、関係 fCI/fcr I.
0 0.
5 図一
9fc1,
f。
,一
ε、,
ε2模 式 図 o−
o.
5−
1.
o 「一3
−
6−
9−
12−
15・
5 8 10汽
ε1〔.10
−
・}SM20
SR20
fCi/fcrI.
0 0.
5 o−
O.
5−
Lo 〔a:1単調載荷 (b }繰 返 し載 荷 A SR20 図一
10fCi/f。
。
一
E=
関 係一
111
−
N工 工一
Eleotronio Libraryる。 こ こ で は こ の TS につ い て検 討す る
。
図一
10(a)お よ び (b
>は図一
8に示す各 試 験 体のTS
の包絡 線を単 調 載 荷お よび繰 返し載 荷に分 けて示 し た も の である。
ただし, 鉄 筋 降 伏ひずみ (y εx)時のTS
の 特性 を より明 確に把 握するた め,
こ こ では横軸に軸ひず み εx を用い た。
ま た,
縦 軸の コ ン ク リー
ト応 力 はひび 割れ発 生 応 力で除し て無 次元化し てい る。 図一
10 より分 か る よ うに,
単調お よ び繰 返 し載 荷の TS の包絡 線はひび割れ 発 生 以降急激に低 下する。
こ れ は従 米の TS に関す る諸 提 案と同 様である。 しか し,
εx の増 大と と もにf
。i=
Oの横軸を横 切っ て,
負 側へ 進 入 して い く傾 向とな る。
こ の傾 向は コ リン ズモデル を始め 従 来のTS
で仮 定 されて い るfCi
=0
まで で終わ る モ デ ルや,
0に収 束する モ デ ル とは異 な る。
この よ う な差 異は 図一
11に示すSRI4
試 験 体の せ ん 断 応 力V
と軸ひずみ εx の関係を例に とっ て説 明 するこ と がで き る。
まず,
モー
ル の応 力 円よりコ ン クリー
トの 応 力Vc,
f
。i,
f
。21f
。r (=
f
。y)の相 互 関 係は次の よ う に 表せ る。
Vc=
(ノモ1一
ノモ2)/2噛
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
▼
・
・
(6)fcx
=
(ノtCl一
トfe2
>/2 ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
一・
・
.
t−.
tt.
.
(7) し た が っ て,
こ の 関係 式と (1 ),
(3),
(5)の 各 式と によ り,V 一
εr 関 係は次式で表 すこ と がで き る。
y =
ノ≧1十Ar’
E3 ・
どコc・
・
…
「
…
7・
・
匸
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
一一・
(8
) 第 4 章で述べ たよ うに本 実 験の デー
タ解 析に おい て は コ ン ク リー
トに埋め込 まれ た鉄 筋の応 カー
ひずみ関係と して図一
7に示す完 全 弾 塑 性 型の関係 を仮 定し たの で,
(8 )式の右辺第 2項に対応す る 鉄 筋の 負 担応力は図一
11
の.一
点 鎖線で示す よ う な完 全 弾 塑 性 型と なる。
こ の 鎖線と V一
εx 関係包 絡線の応 力の差がコ ン ク リー
トの 負 担 応 力 (f
。i)す な わ ちTS で あ り, こ の領 域 を陰影で 示 す。 こ のfCi
は,
Ex が小 さい領 域で は鎖線の上側 (正 側 )にある が 1.
7×10−
1付近で下 側 (負 側)にな る。 こ のよ うにTS
が負 側に な る 理由と して,
次の こと が 考え ら れ る。
岡 村らlc)’
1 はコ ンク リー
ト中に埋め込ま れた 鉄 筋の一
軸 応カー
トの現象と して 『(1)鉄筋の平 均 応 力 6 4 2 o一
2一
4一
6一 ll2一
図一
11 y一
ε=
関係 (SRl4 }一
平 均ひずみ曲 線の降 伏 点は,
鉄 筋 単 体の応 カー
ひずみ 曲 線の降伏 点よ り も低いn (2)鉄 筋の 平 均 応 カー
平均 ひずみ曲線で は 塑 性 棚の長 さ が 0で あり, 降 伏後た だ ち に,
鉄筋単 体に お け るひずみ硬 化 域の よ うにひずみ の増 加に応 力の増 加が伴う領 域とな る。
亅と述べ てい る。
こ の こ と を逆に コ ン ク リー
ト側の立 場でいえ ば,
鉄 筋 単 体 の応 カー
ひずみ関 係 を 仮 定す ること はコ ンク リー
トの応 カー
ひずみ 関係に おいて,
コ ンク リー
トの負 担 応 力が小 さ く評価され ること を意 味してい る。 この よ う な 考え方 を 参考に し て,
二次 元 応 力 場の現 象で ある図一
ll を考 察 す れ ば,
本 実 験で仮 定し た鉄 筋の完 全弾塑性型の応カー
ひずみ関 係は,
二 次 元 応 力 場におい て も鉄 筋の 負担 応 力を過 大に評 価 することにな り,
その た めTs
が 負 側に なるもの と考え られ る。 し た がっ て,
こ の現 象は,
鉄 筋 の負 担 応 力 を先に仮定し て,
そ の結 果と して評 価さ れ た 見か け上の コ ン クリー
トの負担 応 力で あり,
実 際の現象 と し てコ ン ク リー
トの負 担 応 力が負 (圧 縮 応 力 )にな る こ とでは ないと思わ れ る。 ま た,
図一
10に示す よ うにTS
の最 小 値は鉄 筋の 降 伏ひずみ の位 置に一
致し, その後TS
は わずか に増 加 す る傾 向にある。
こ の現象も鉄筋の 負担応 力を完 全 弾 塑 性 に仮 定し たこ とに起 因 し た見か け 上の もの である と思わ れ る。 し た がっ て,
鉄 筋 降 伏 後の ひずみ硬 化 を 考 慮す れ ば,
鉄 筋 降 伏後の TS の増 加は な くな り ほ ぼ一
定の値に な るこ と が予想される。 つ ぎに,
跳一
10より鉄 筋 比がTS
に及ぼ す影 響を検 討する。
こ の図 よ り,
単調,
繰返 し載荷 と もに鉄筋比 が 大き い試 験体ほ どTS ,
す な わ ちコ ンク リー
トの 負 担 応 力が小さ く な る傾 向に あ り,
こ の 傾 向はひずみ の増 加と と もに顕 著にな ること が分か る。 こ の よ うな傾 向は次の よ う な 理由に よる と考えられる。一
一
般に ひび割れ位 置の 鉄筋は局 部 的な高 応 力 状 態 と なり,
この た め ひび割れ近 傍で は鉄 筋とコ ン ク リー
ト間の付着の劣化が生 じ る と考 え られ るe 本 実 験の場 合, 試 験体すべ て に同じ径の鉄 筋 を用い, 鉄 筋 比の大 小は鉄 筋本数,
す な わ ち鉄筋間 隔で 制 御し た た め,
鉄 筋比の大きいほ どひび割れ本 数が多く なっ た。
し た がっ て,
鉄筋 比の大きい試 験 体は鉄 筋 比の 小さい試験体に比べ,
ひび割れ位 置に発 生する鉄 筋の局 部 的な高 応 力 状 態の部 分が多くな り,
鉄 筋 とコ ンク リー
ト間の付着劣化の領 域が広が る ため,
コ ン ク リー
トの負 担 応力 が小さ くな っ たと考え ら れ る。
5.
3 残 留ひずみ および残 留 応 力 図一
9(a),
(b
)に示すせ ん断 応 力V =0
点 (D ,H ,
L ,P
)を,
繰 返し載 荷に よ り生じる コ ン ク リー
トの残 留 主 応力。f
=,,
。f
。2 および残 留 主ひずみ 。ε1,
。e2 と定 義す る。
ま た, この 時のX
軸 方 向の残 留 応 力,
残 留ひずみ を 。f
。
x,
。εx と定 義する。
こ の 残 留 応 力,
残留 ひずみ は 引 張 領 域と圧 縮 領 域と を結ぶ点で あ り,
各サ イ クル の 始NII-Electronic Library Service 点 を表す重 要な物理 量である
。
こ こで は この残 留応力,
残 留ひずみ につ いて の検討を行う。 (1 ) 残留ひずみ 図一
12 はX
軸 方 向の各サイク ル の peak ひ ずみ 。ex と そのサイクル の残留ひずみ 。εr との関 係, 図一13
は各 サ イ クル の peak 主引 張ひずみ p ε1 と そ の サイクル の 残 留主引張ひずみ。εi との関 係 を示し たもの で あ る。 図一
12
よ り,
pεx が大き く な るにつれ て eεr は増 加し,
こ の 傾 向は 鉄筋 比が小さ い ほど顕著に生 じ た。 これ は鉄 筋 比 が小さい ほ ど,元に戻ろ う と す る 鉄筋の ば ね が弱い た め,
より大き な残 留ひずみ が累積す る もの と考え ら れ る。
さ らに鉄 筋降伏以降,
つ ま りpEx が鉄 筋 降 伏ひずみ ”ex を 超え る と, 。εエ は急激に大き く な り,
p εx とeε=
の増 加量 30 εXCxlo’
5 〕 2 ● SRO5 △ SR100 SR14 ロ SR17 ▲ SR20 鉄筋 降伏 ひずみ yεx : v!
.
y
r」lv
三
゜ ε・ 。εゴ oε1 〔xl〔角 4 2 o O一
「 o 2 3 図一
12 。εx−
。ε=関係 〜 4 5 6 Pεx [×IO−
」, 2一
2 0fcx 〔MPa}−
3 468 10 12 E4 Pε1 〔xlσ 図一
13 尸 ε、一
。el関 係 PεX {)(1〔ア5} 図一
14 pε=
一。
f,
=
関 係 は鉄 筋 比に関係な くほぼ等し く な る傾 向に ある。
これ は 鉄 筋 降 伏 以降に生 じ る,
塑性 流れ が そのまま残 留ひずみ と して累 積 さ れ る もの と考え ら れ る。
ま た, 図一
13 に 示す 尸ε1 と 。ε 1 との.
関 係 も上 記 と 同 様の傾 向で あっ た。 以上の こ と よ り,
p ε=
と 。ε=
の関 係の モ デル 化に は鉄筋 降 伏点 を折 点とす る バ イリニ ア の近似 式が 適用で き ると 考え ら れ る。 (2
) 残 留 応 力 図一
14に X 軸方向の 各サイクル peak ひ ずみ p εr と そのサイクル の残 留 応力。/Lx
と の関 係を示 す。
この 図 よ り, pEx が大き く な るに従っ て,
。f
。x は圧 縮 応 力と し て大き く な り,
こ の 傾 向は鉄 筋 比が大き い ほど顕 著と な る。
これ は,
力のつ り合い条 件 式 (31 より得 られ る下 式で説 明で き る。 ofcx=一
ρ・
Es’
o εx・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
t
S・
・
・
・
・
…
(9
} さ らに,
p εx が鉄 筋 降 伏ひずみ y εx を超えると各々 。f
。
x は ほ ぼ一
定あるいは緩や かに.
ヒ昇 (圧縮 応 力とし て減 少) す る。
つ ま り, 鉄筋 降 伏時の of。、 はそれ以 降に おいて も ほ と んど変化し ない とい うことで ある。
し た がっ て,
鉄 筋の塑性流 れ が。f
。x に及ぼ す影 響は小さいと考え る こと がで き る。 以上 の こと よ り, pε。
g と 。f
。r の関 係の モ デル化に は,
残 留ひずみ と同 様に鉄筋 降伏点 を折 点と す るバ イリニ ア の近 似 式が適 用できる と考え ら れ る。 5.
4 ス リッ プ現象 ここ で は,
繰 返 し載 荷 試 験体に特 有の ス リップ 現象の メ カニ ズム につ いて考 察を加え る。
図一
15はSRlO
試 験 体の繰 返し載荷に よ る両 主ひずみ (el,
の の 変 化過 程を示す。 本 図におい て, 矢 印は繰返 し載荷の加 力 方 向 を示し,
y・
−
Oの 点す な わ ち前節で定義し た残 留 点 を▲ 印で,V
= ±O.
5MPa
に相 当す る点を○ 印で表 示して い る。 本実 験の よ う にX ,Y
軸 等量 配 筋の試 験 体に純せ ん 断 力が作用 し た時の ひずみ状態は,
ひ び割れ発 生 前に お い て は純せ ん断ひずみ状 態である。
その後, 両対角方 向 に発 生し たひ び割れに よ る平面 膨脹に 相当す る X 軸,
Y 軸 方 向の等量の伸びひずみ εx (一
εy)が純せ ん断ひ ずみ状 態に累 加 さ れ た ひずみ状態と な り,
Ex;
(ε1+ ε2ソ 2の関 係が成 立す る。
し た がっ て,
εx が一
定に な る状 態 は,
図中において右 下 り45度の破 線とし て表 示で き る。 ま た, せ ん断ひ ずみ γが ゼロ の状 態, す な わ ち試 験体 が εr (=
εy)だけ膨脹 し た 正方形に あ る状態で は,
ε,=
ε、なる関 係が成 立し, 図一
15に おい て原点を通り右一
ヒ リ 45度の一
点 鎖 線と して表 示で き る。
上記の よ う なひ ずみ 関 係 を 考 慮に いれ て,
図一
15の 実 験 結果 を考 察す る と,
ま ず両 主ひずみ は繰 返し載 荷に よ り大き く変動 し な が ら順 次 第一
象 限 (ε ,≧0,
ε、≧Q
の 領 域 )の 右 上の 方 向に移行 し て い る。
この こ と は,
加 力 サ イク ル ご とに E=
は 増 加 し,
平 面が 膨 脹 する い わゆる一
113
一
N工 工一
Eleotronio Libraryダィ ラ タン シ イ現 象を示す もの であ り
,
この平 面 膨 脹は 鉄筋降伏を 示す図 中の yεx の一
点鎖線を経て か ら特に顕 著と な る。
さ らに, 負 側の主ひずみ (圧縮ひずみ)は加 力 サ イ クルと と もに累積さ れ る平面膨 脹の 影 響に より,
順 次正側 (第ユ象 限 )に移 行 する傾 向が見ら れ る。
つ ぎに
,
図 中の ▲ 点 と○ 点との間の挙 動を み ると, こ の間のせ ん断応 力の変 動は わずか に V=
:
±0.
5MPa で あるに もか か わ らず,
E= が ほ ほ L 定 (破 線にほ ぼ平 行) の状 態で主ひずみ ε lt εt の み が大きく変 動し 入 れ替っ て い る。
こ の ことは V= O近傍の ス リップ領 域におい ては,
小さ な応 力 変 動に対し,
試 験体は あ る一
定の εx の膨 脹 状 態 を 維 持しながら,
正 か ら負あ るいは負か ら正にせ ん 断ひずみ状態が急 激に転 換し,
そ れに伴い主ひずみ だ け が大き く変動す ること を意 味して いる。 ま た,
本図 に示 す よ うに,
せ ん 断応 力y =
0点 (残 留点)と せ ん断ひず み γ=
0点と は一
般的に一
致 し て い な い。
こ のこ と は,
残 留 点におい て前 節に示し た よ う な残 留ひずみお よ び内 力と し て のコ ン クリー
トお よ びこれにつ り合っ た鉄 筋の 残 留 応 力 が 存 在し,
この状 態か ら せ ん断ひずみが ゼロ の ε2〔xlσ↑
Esl[P!ECO.
20 O.
15 O.
10 α05 0ロ
ム ●__
一
ラ ε1 {×1〔ア 図一
15 ε、
一
ε2関係 (SRlO }一
〇.
05丶
響
欝
頁域 ■ ● SRO5 △ SRIOO SR14 □ SR17 ▲ SR20 o 231b67阜
ε1&
1σ 1° 図一
16pel−
ESIip/E,
関 係一
114
−一
状態 (平板が正 方 形に戻る状 態 }に移行す る に は わずか で は あ る が外力 と して の せ ん断 力が必 要であ る。
以上 の検 討よ り,ス リップ 現 象 を総 合 的に考 察する と, V=
0の近 傍に おい て は累 積さ れた平 面 膨 脹に よ り,
両 対 角方 向に発 生し た ひ び割れは閉 じず, 主ひずみは共に 正の値 とな る。 これ に よ り ひび割れ で囲 まれ たコ ンク リー
トが一
時 的に鉄 筋だ けで支え ら れ た状 態 とな り,
わ ずか な応 力で大き なせ ん断 変 形が発生 する メ カニ ズム で あ る と考え ら れる。
ま たコ ン ク リー
トの履 歴特 性の モデル化の た めには,
こ の ス リッ プ領域に お け る剛 性 を定 量 的に評 価す る 必要 が あ る。 こ こ で は,
図一
9に示 すコ ン クリー
トの主 応 力 主ひずみ関 係にお け るy
= Oの点での接 線 剛性をス リッ プ剛 性 (E,it。)と定 義し検討し た。
図一
16 は,
ス リップ剛 性 E。ii,をコ ン クリー
トの ヤン グ係 数 (E
。)で無 次 元 化し, 各サイクル の peak 主 引 張ひ ずみ pε1との 関 係 を 調べ たもの で あ る。 本 図に よ る と, ス リップ剛性はコ ン ク リー
トの ひび割れ発 生後,
急 激に 低 下 し p ε 1 が1.
O
× 10−
3で は 0.
05に まで低 下す る。
そ の後の低 下の度合は緩や か であるが鉄 筋 降 伏ひずみ領 域 〔.ε、)に 至 る と,
ほ ぼ0 に接近 し,
鉄 筋 降伏 以 後の変 化は 少ない。 前 述 し たス リッ プ現象の メカニ ズム は, 図一
16 に示す鉄 筋 降 伏後の領域で の ほ ぼ ゼロ に近い ス リップ 剛 性の特 性を説 明する もの で も あ る。5.
5
圧 縮 領 域の応 カー
ひずみ関 係 こ こ で は,
図一
9(b
)のACD,
HJC’
KL,
PK’
S で示さ れ るコ ンク リー
トの圧縮 側 特 性につ い て検 討する。
ひび 割れ たコ ンク リー
トの主 圧 縮ひずみ は, 図一
8に示すよ うに,
鉄筋比の小さい試 験 体では前 述した繰 返し載 荷に よる平 面膨 脹の累 積によ り,
加力 サイク ル と と もに引張 側に移 行 する傾 向が み ら れ る。 そこ で,SR
lO
試験体を 例に と り,
V=
・
O〔。五,,
。ε、}を原点と して座 標 変 換を行っ て求め た結 果 を図一
ユ7に示 す。 この 図よ り分か る ように,
繰 返 し載 荷に よ るコ ン ク リー
トの 五厂 ε2閧係は,
V=
0の残 留点か ら ス ター
ト して その低荷重域に おいては抵 抗 が 少ない ス リップ現 象 を示す。
そ の後,
ひび 割れの開 閉に よっ て膨 脹 し たRC
平 板は,
ひび割れ が タッ チ してか ら圧縮 抵 抗を始め,
次 第に剛 性が大き く なっ て行く。
この ひ び割れ が閉じ て 圧 縮 剛 性が効き始める点は 図一
9 に おい て点F ,
J
,
N
で定 義されて い る が,
図一17
を 見 る 限 りこの点の概 略の位 置は想 定でき るもの の,
正確な位置 を決定す ること は 困 難であると思わ れ る。
こ の 圧縮剛性が効い た状 態が しば ら く続き,
応 力 が 前 サ イ クルの ピー
ク値を超え る と曲 率 が反 転す る。
その後の除 荷 状 態に おいて は,
除 荷 剛 性は ほ ほL 定で あ り,V =0
近 傍で再びス リップ現 象 を 示し てい る。
この よ う な, 繰 返し載 荷による ひび割れ た コ ンク リー
NII-Electronic Library Service トの圧 縮 側の特 性を評 価する に は, まず 繰 返し載荷に特 有な前サ イクルか らの応 力お よびひずみの変動 〔劣化〉 を 定 量 的に把 握 す ること が 重 要であ る と 思 わ れる