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3 三保松原の新たな管理体制平成 26 年 12 月の三保松原の松林保全技術会議から提言された三保松原保全センター ( 仮称 ) の設置に関し 本年 6 月 16 日の第 7 回三保松原保全実行委員会で提案された三保松原保全の主体となる新組織については 羽衣の松周辺の老齢大木や松枯れ対策についてのこ

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第8回三保松原保全実行委員会(説明資料)

【 要旨 】 1 羽衣の松周辺の老齢大木の樹勢回復 羽衣の松及び周辺老齢大木の樹勢の悪化は、周辺土壌にある「固結層」が水や 空気などの浸透を妨げていることが原因であると推定された(平成 28 年2月)。 平成 28 年 12 月、樹勢回復を図るための対策として「固結層に穴を開け、透水 性を高める資材や、木炭を埋め込む土壌改良を施す」ことを、第6回三保松原保 全実行委員会で決定し、それに基づき、平成 29 年2月、静岡市が対策を実施した。 平成 29 年 10 月、羽衣の松を含め、対策を実施した 12 本について、効果を確認 するためのモニタリングを行った。その結果、全体に樹勢が改善したと認められ るとともに、12 本全てのマツで根系の状況が改善されるなど、土壌改良の効果が 確認された。 羽衣の松については、油断はできないものの、一時の危機的状況(何時枯れて もおかしくない。)は脱したと考えられる。 また、平成 29 年 7 月、抜本的な対策を検討するため、固結層の生成原因を特定 する調査を実施した。その結果、観光客など人による踏圧が主因で、それと土砂 の細粒分や外部から持ち込まれた物質による影響が複合したものと推測された。 今後は、樹勢回復の抜本的対策とするため、引き続き、適切な場所に適切な規 模で土中の固結層に穴を開け、透水性を高める土壌改良を実施するとともに、固 結層を再度生成させないため、踏圧防止措置や、外部から持ち込まれた物質を除 くための砂の入れ替えを実施する。 2 三保松原全体の松枯れ対策 三保松原の松枯れについては、マツ材線虫病により被害が恒常化し、平成 19 年 には被害率 51.7 本/ha に達していたが、平成 26 年度に近藤前文化庁長官を座長と する三保松原の松林保全技術会議を開催し、薬剤散布の精密化、伐倒駆除の徹底、 予防剤注入の実施などの必要性が改めて確認されるとともに、早期に微害化を図 り、「薬剤に頼らない管理方法」を実現していくことが提起された。 平成 29 年度は、三保松原の松林保全技術会議で提起された目標である、マツ材 線虫病による被害率1本/ha 以下を達成する見込みとなってきている。 今後は、「三保松原の松林保全に向けた提言書」で示された「薬剤に頼らない管 理方法」の実現に向け、伐倒駆除の徹底を図るための新たな管理体制の構築や、 踏圧防止策、予防剤注入による対策等を組み合わせた最適な対策の検討を進める。

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2 3 三保松原の新たな管理体制 平成 26 年 12 月の三保松原の松林保全技術会議から提言された三保松原保全セ ンター(仮称)の設置に関し、本年6月 16 日の第7回三保松原保全実行委員会で提 案された三保松原保全の主体となる新組織については、羽衣の松周辺の老齢大木 や松枯れ対策についてのこれまでの状況を踏まえ、今後は、地域社会が一体とな って三保松原の日常的・専門的な管理を行うよう、公民連携による新組織を三保 松原ビジターセンター(仮称)内に設置し、新たな管理体制を構築する方向で検 討を進める。 4 神の道等の老齢大木の倒伏防止のための緊急樹木診断結果と対策 平成 29 年5月6日、神の道沿いのマツ1本が傾き、倒れる可能性があったこと から伐採せざるを得ない事案が発生した。 羽衣の松周辺や神の道の老齢大木の中には、同様の危険性を持つものが存在し ている可能性があることから、静岡市が樹木診断を実施した。 羽衣の松周辺および神の道の老齢大木、313 本の樹木診断をした結果、54 本に ついては、倒伏対策の必要があることから、今年度内に、ワイヤーロープ掛けや 支柱設置などの対策を講じる。

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3 【 個別議題内容 】 1 羽衣の松周辺の老齢大木の樹勢回復 <平成 28 年度土壌改良による樹勢回復等のモニタリング結果> ・平成 29 年 2 月に羽衣の松及び周辺老齢大木 11 本、計 12 本に、透水性を改善さ せるため、土中に穿孔を行うとともに、菌根菌との共生を促進するために炭によ る土壌改良を行った。 ・平成 29 年 10 月にモニタリングを行い、樹勢や細根・菌根菌の状況を確認した。 ・モニタリングの結果、施工前の樹勢が「著しく不良」が1本、「不良」が8本、 「やや不良」が3本であったものが、施工後は、「不良」が2本、「やや不良」が 10 本と、全体に樹勢の回復が見られた。 ・さらに、施工した 12 本のマツ全てにおいて、細根の発生や菌根菌の形成が確認 された。 ・マツの生育環境の改善や樹勢の回復に効果があったと考えられ、平成 29 年度も 引き続き同様の方法で他の地点のマツにも土壌改良を行っていく。 <固結層等の生成要因調査> 固結層、クラスト、ガリーの発生原因とその影響を解明するため、羽衣の松周辺 の土壌を調査した。 (調査結果と生成要因の推定) ・固結層の生成要因を外部要因(練炭灰や外部からの客土等)と踏圧であると仮 説をたて、調査を行った。 ・これらの影響を調べるため、6地点で調査を行い、それぞれ土壌断面調査や踏 圧の影響調査(孔隙率、飽和透水係数)や外部要因(練炭灰等)の影響調査(蛍 光 X 線分析、X 線回折分析、土壌の粒度分布)を行った。 ・固結層については、調査の結果、以下のとおりとなった。 ①売店前や羽車神社周辺で固結層が確認され、平成 29 年2月に土壌改良を実施 した羽衣の松周辺では確認されなかった。 ②売店前や羽車神社周辺で、踏圧が強く影響していると推定される。 ③ただし、売店前は外部要因(練炭灰等)が影響している。 (クラストについて) ・クラストは、土壌表面にできる薄い土の膜の層である。透水性が悪い土壌で浸 透しなかった水が表面水となり、土中に含まれる細粒分が浮遊し、乾燥する際に 表面に凝集して形成されていると考えられる。

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4 (土壌浸食・ガリーについて) ・全体的に透水性が悪く、少量の雨量でも表面水が生じやすく、過剰となった表面 水により土壌浸食(ガリー)が形成される。 ・ガリーについては、マツの根が露出してしまう程度となると、マツの生育環境に 悪影響がある。 ・透水性が悪いということは、土中への水と空気の循環が阻害されており、マツの 根の生育環境が悪化している。 (踏圧防止対策について) ・まず、現状で存在している固結層について、透水性を改善するための土壌改良を 行う必要がある。 ・そして、固結層を再度生成させないための対策を講じる必要がある。 ・練炭灰や客土については、必要に応じ撤去し、良好な砂に置き換えるとともに、 今後、供給されないようにする必要がある。 ・踏圧については、固結層再生成の原因となることから、抜本的な対策を講じる必 要がある。 ・対策としては、以下の案が考えられる。 案1 羽衣の松周辺の老齢大木エリアへの立入りを禁止する。 案2 観光客の動線を規制、変更・誘導し、踏圧を分散させる。 案3 踏圧を分散させる資材を設置する。 ・対策については、静岡市と静岡県で検討し、施工にあたっては試験的に実施し、 モニタリングを行い、柔軟な対応・対策の見直しを行う。 <平成 29 年度静岡市の対策> (対策の方針) ・平成 29 年2月に引き続き、平成 30 年2月より固結層を貫通・破壊し、水と空気 の循環を回復する。 ・外部からの客土等を除去し、砂に入れ替える。 ・固結層を再度生成させないため、踏圧防止措置の検討を行う。 (対策の概要) ・土壌改良対策が必要と考えられる場所のうち、松原売店前の老齢大木7本につい て、昨年度と同様の方法で、穿孔と炭による土壌改良を実施する。 ・売店前約 200 ㎡の土壌を、表面から深さ 30 ㎝程度除去し、砂に入替える。

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5 2 三保松原全体の松枯れ対策 <マツ材線虫病の被害状況> ・マツの伝染病であるマツ材線虫病の被害状況は、静岡市が行ってきた防除対策の 効果があり、平成 29 年 10 月時点で 0.29 本/ha となっている。 ・「三保松原の松林保全に向けた提言書」の目標である1本/ha 以下を達成する見 込みであり、「薬剤に頼らない管理」へ移行することが検討出来る状況になった。 ・一方、三保松原の薬剤散布で使用しているネオニコチノイド系農薬は、環境への 影響があり、使用を中止することが必要である。 (薬剤に頼らない管理の実現に向けて) ・現在、三保松原の松枯れ対策では薬剤散布と予防剤注入、伐倒駆除を実施してお り、薬剤散布を中止した際に、微害化の状況を維持できるための管理体制を確立 する必要がある。 ・しかし、マツ材線虫病のリスクはなくなったわけではなく、松林内にしぶとく生 息するマツノマダラカミキリに加え、外部からカミキリが飛来する可能性も残っ ている。 ・薬剤散布に代わる予防対策として予防剤注入があるが、薬効が及ばないリスクが あり、また老齢で樹勢の衰えたマツへの施用が困難であることや多額の予算がか かるという課題がある。 ・また、伐倒駆除は、徹底した伐倒駆除を実施できたとしても、何らかの原因で被 害木を見逃し、それが次年度以降のカミキリの発生、マツへの感染というリスク が残るという課題がある。 ・そのため、今後はこれらの課題について検討し、「薬剤に頼らない現実的な管理 手法」を実現していく。

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6 3 三保松原の新たな管理体制について <設置目的> ・公民連携による組織の設立 地域社会が一体となって三保松原の取組を実施 ・専門人材の育成 新組織のプロパー職員がマツの保全の経験の蓄積 ・地元住民との恒常的な連携 地域住民に近い三保松原の現場に新組織を設置し、地域住民との恒常的な連携 を図る。 <役割> ・日常的な管理業務(下草刈、間伐、巡視等) ・専門的な管理業務(土壌改良、松枯れ対策等) ・保全団体の活動支援(レクチャー、器具貸し出し) ・人材育成事業(保全活動リーダー・インタープリターの育成) <今後の検討内容> ・組織形態、事務局、役員等について県市で連携して検討を進めていく。

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7 4 神の道等の老齢大木の倒伏防止のための緊急樹木診断結果と対策 <診断概要・対策概要> (診断概要:調査対象木 313 本) ・神の道及び羽衣の松周辺老齢大木の樹木診断フローにより実施 ・神の道「247 本」及び羽衣の松周辺「66 本」の老齢大木を対象 ・外観診断「313 本」実施 ・・・外観診断カルテ作成 ・簡易内部診断「246 本」実施・・・打撃音樹内腐朽簡易診断(商品名:ぽん太) ・詳細内部診断「22 本」実施 ・・・多点式応力波速度測定(商品名:アーボソニック 3D) (診断結果) 羽衣の松周辺及び神の道の老齢大木 313 本を総合的に調査した結果、 ・健全なマツは 135 本(43.1%) ・少し注意が必要なマツは 152 本(48.6%) ※これら 287 本(91.7%)については、大きな異常は認められなかった。 ・残りの 26 本(8.3%)のうち、更に調査が必要な 22 本については、詳細内部診 断を実施し、そのうち 18 本は根元や幹などに 40%以上の内部腐朽が確認された ため、早急に倒伏予防措置等が必要な状況と判断した。 ・また、異常が見られないものでも、樹幹傾斜が 25°以上の松 36 本に関しては、 松にかかる負荷の軽減が必要となるため、倒伏予防のために処置が必要な松を 合計で「54 本」と判断した。 (対策概要) 今年度内に、この 54 本に対して倒伏予防対策を実施する。 ・ワイヤーロープ掛けによる倒伏予防措置 ・・・・・ 50 本 ・支柱による倒伏予防措置 ・・・・・ 4本 ※対策の実施については、事前に地元自治会や住民などに説明を行い、試験的 にモデル施工するなど事業への理解を図った上で実施する。 ※内部腐朽が確認されたマツ 18 本については、更に詳細調査を実施する。

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