使える“シンクライアント”の選び方（３）
ゼロクライアントと Amazon WorkSpaces で実現する
快適デスクトップ環境
目次
本書の取り扱いについて ... 2 0. ユースケースとベネフィット ... 3 1. はじめに... 4 2. システム要件 ... 4 3. Amazon WorkSpaces を準備する ... 5 4. HP t310 Zero Client を準備する ... 235. HP t310 Zero Client から Amazon WorkSpaces を使用する ... 39
日本ヒューレット・パッカード株式会社 2/10/2015
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0. ユースケースとベネフィット
背景 ワークスタイルの変革やセキュリティ対策の一環として仮想デスクトップインフラストラク チャ（VDI）を導入する企業や自治体が増えています。Amazon WorkSpaces はクラウドベー スの完全マネージメント型の DaaS サービスで、VDI の導入と管理を省力化できます。 Amazon WorkSpaces ではセキュアで高品質な作業環境を提供するためにユーザーのデバイス と WorkSpaces（仮想デスクトップ）間の通信に Teradici 社の PCoIP プロトコルを使用してい ます。Amazon WorkSpaces が Teradici PCoIP Zero Client をサポートするようになり、HP t310 Zero Client は Amazon WorkSpaces のアクセスデバイスとして利用する事ができるようになり ました。
ベネフィット
Amazon WorkSpaces を HP t310 Zero Client から利用することで以下の利点があります。
VDI の配備と管理が容易になり、サーバーやストレージの保守作業から解放されま す。 初期投資が不要かつ起動した Workspaces（仮想デスクトップ）ごとの月額料金のみ の支払いで利用者の増減にも柔軟に対応可能。 用途に応じた CPU 性能、メモリ容量、ストレージ容量を選択可能。管理者はワーク ロードの変化による VDI のリソース不足のリスクから解放されます。利用者は快適 なパフォーマンスを得る事ができます。 OS やストレージを持たない Zero Client による完全なセキュリティが得られます。 利用者は簡単なログイン操作で仮想デスクトップを利用する事ができます。 管理者は端末の管理が容易になり、端末の保守作業が大幅に削減できます。
HP t310 Zero Client の製品情報は以下の製品紹介ページをご参照ください。 HP t310 Zero Client
http://www8.hp.com/jp/ja/products/thin-clients/product-detail.html?oid=5316133#!tab=features
HP t310 AiO Zero Client
http://www8.hp.com/jp/ja/products/thin-clients/product-detail.html?oid=7108774#!tab=features
1. はじめに
本資料では、HP t310 Zero Client を使用して Amazon WorkSpaces に接続するために必要な情 報を提供します。また Amazon WorkSpaces の作成手順として一つの作成例を紹介します。 詳細な情報については以下の Amazon 社の Web サイトをご参照ください。
http://aws.amazon.com/jp/workspaces/
2. システム要件
以下の表に、HP t310 Zero Client から Amazon WorkSpaces を使用するためのシステム要件 を示します。
対象 システム要件
HP t310 Zero Client
HP t310 AiO Zero Client ファームウェアバージョン：4.6.0 以上
Amazon WorkSpaces
クラウドディレクトリまたはオンプレミスディレク トリ
社内ネットワークから Amazon WorkSpaces への接続 環境
PCoIP Connection Manager for
3. Amazon WorkSpaces を準備する
以下のセットアップ手順では高速セットアップを使用して WorkSpaces と仮想プライベート ゲートウェイクラウド（VPC）を自動作成する方法を紹介します。 ※以下の手順はあくまでも一つの例に過ぎませんので、必ずしも同じ手順で Amazon WorkSpaces を作成する必要はございません。 3-1. Amazon WorkSpaces に仮想デスクトップを作成するAWS アカウントを作成して Amazon WorkSpaces に仮想デスクトップを作成します。 1. 以下の Amazon WorkSpaces の Web サイトにアクセスして AWS アカウントを作成しま
す。http://aws.amazon.com/jp/workspaces
2. AWS マネジメントコンソールにアクセスします。
4. AWS マネジメントコンソールで“WorkSpaces”をクリックします。
6. このセットアップ手順では高速セットアップを使用しますので、Quick Setup の “Launch”をクリックします。
3-2. WorkSpaces の初期設定（パスワード設定）
1. WorkSpaces の作成が完了すると、Amazon WorkSpaces チームからユーザー情報として入 力した E-Mail アドレスにメールが届きます。このメールにはユーザー名、登録コード、 WorkSpaces クライアントのダウンロード先のリンクが記載されています。WorkSpaces クライアントのダウンロードリンクにアクセスすると WorkSpaces 認証情報の設定画面 が表示されますので、ユーザーのログインに使用するためのパスワードを入力して“ユ ーザーの更新”をクリックします。 2. WorkSpaces クライアントのダウンロードサイトが表示されます。
3. Windows 版の WorkSpaces クライアントをダウンロードして Windows PC にインストール します。
4. Windows 版の WorkSpaces クライアントを使用して WorkSpaces にログオンし、DNS サー バーのアドレスを確認しておきます。※後ほど PCoIP Connection Manager for Amazon WorkSpaces の初期設定の際に必要になります。
3-3. Key Pair を作成する
PCoIP Connection Manager for Amazon WorkSpaces の導入に必要となる Key Pair（秘密鍵と 公開鍵ペア）を作成します。
1. AWS マネジメントコンソールにアクセスし、AWS アカウントでサインインします。
http://aws.amazon.com/jp/console/?nc2=h_ls
2. EC2 をクリックします。
4. “Create Key Pair”をクリックします。
5. 作成する Key Pair に付ける名前を入力して、“Create”をクリックします。
3-4. PCoIP Connection Manager for Amazon WorkSpaces を作成する
Amazon WorkSpaces に PCoIP Connection Manager for Amazon WorkSpaces を導入します。 1. AWS Marketplaces (https://aws.amazon.com/marketplace?) にアクセスして AWS アカウント
でサインインします。
2. 検索ボックスに”PCoIP”と入力して“Go”をクリックします。
4. “Continue”をクリックします。
5. “Region”をクリックします。Connection Manager を作成する地域として Asia Pacific(Tokyo)を選択します。
7. “VPC Settings”をクリックします。
8. 使用する“Virtual Private Cloud(VPC)と Subnet を選択します。
9. Security Group をクリックします。
10. Create new based on seller settings を選択します。
11. “Key Pair”をクリックします。
13. “Accept Terms & Launch with 1-Click”をクリックします。
3-5. PCoIP Connection Manager for Amazon WorkSpaces を設定する
PCoIP Connection Manager for Amazon WorkSpaces の初期設定を行います。設定を行うに は SSH クライアントソフトウェアと 3-3 で作成した Key Pair ファイルが必要になります。以 下の手順ではフリーソフトウェアの PuTTY と PuTTYgen を使用しますので必要に応じて以下 の PuTTY ダウンロードページからダウンロードしてください。
http://www.chiark.greenend.org.uk/~sgtatham/putty/download.html
1. PuTTYgen を実行します。
3. “Successfully imported foreign key”のダイアログで“OK”をクリックします。
5. “はい”をクリックします。
6. ファイル名を入力します。ファイルの種類 PuTTY Private Key Files（*.ppk）として“保 存”をクリックします。
7. PuTTYgen を閉じます。 8. PuTTY を起動します。
9. Host Name (or IP address)に PCoIP Connection Manager のパブリック IP を入力します。
10. Category の“SSH”→“Auth”をクリックします。
11. “Brouse”をクリックして、PuTTYgen で変換して保存した.ppk ファイルを選択します。 12. “Open”をクリックします。
13. PCoIP Connection Manager のコンソールに接続します。administrator と入力して “Enter”キーを押します。
15. Host name に PCoIP Connection Manager に設定するホスト名を入力します。
16. Extra DNS servers に自分の WorkSpaces の DNS サーバーの IP アドレスを入力します。 ※不明な場合は Windows 版の WorkSpaces クライアントを使用して WorkSpaces にログオ ンし、DNS サーバーのアドレスを確認します
17. “Tab”キーを押してカーソルを“Next”に合わせて、“Enter”キーを押します。
18. Registration code に Amazon WorkSpaces の登録コードを入力します。この登録コードは 3-2 で WorkSpaces を再作成した際に Amazon WorkSpaces チームから送られてきた E-Mail に記載されています。
19. Directory Domains に WorkSpaces が所属するディレクトリ名を入力します。
21. “Enter”キーを押すと設定が適用されます。
22. 設定が適用された後、ネットワークの接続性の診断を行う事ができます。
23. 診断が完了したら“Tab”キーを押してカーソルを“Exit”に合わせて、“Enter”キーを 押して終了します。
4. HP t310 Zero Client を準備する
HP t310 Zero ClientからAmazon WorkSpacesを使用するために、ファームウェアをバージョン 4.6.0以上にバージョンアップし、接続先を設定します。以下の手順ではバージョン4.6.0の ファームウェアを使用します。 4-1. HP t310 Zero Client のファームウェアのダウンロード 1. インターネット接続可能なPCからWebブラウザを起動し、以下のURLからHP t310 ZeroClientのファームウェア（SP69223.exe）をダウンロードします。 http://h20564.www2.hp.com/hpsc/swd/public/readIndex?sp4ts.oid=6875792&swLangOid=25 &swEnvOid=54
らの作業が可能になります。
1. 4-1で使用したPCからWebブラウザを起動して、以下のURLにアクセスします。 http:// HP t310 Zero ClientのIPアドレス
2. 証明書エラーのページが表示されたら、”このサイトの閲覧を続行する（推奨されませ ん）。“をクリックします。
3. Administrator Web Interfaceのログイン画面が表示されますので、HP t310 Zero Clientの管 理者パスワードを設定している場合はパスワードを入力してから“Login”をクリックし ます。管理者パスワードを設定していない場合は何も入力せずに“Login”をクリックし ます。
4. Administrator Web Interfaceのメニューから“Upload”→”Firmware”をクリックしま す。
6. アップロードするファイルの選択で”C:\SWSetup\SP69223_t310_FW_460\t310-fw-v4.6.0\tera2_4-6-0_r4_6@16708.all”を選択し、“開く”をクリックします。
7. Firmware Upload画面で“Upload”をクリックします。
8. アップロードの確認メッセージで、“OK”をクリックします。
9. Success画面が表示されたら、“Reset”をクリックしてHP t310 Zero Clientを再起動しま す。
10. 再起動の確認メッセージで“OK”をクリックして再起動を進めます。
4-2-b. ファームウェアのバージョンアップ（HP Device Manager を使用する場合）
HP Device Manager（HPDM）を使用してHP t310 Zero Clientのファームウェアをバージョンア ップする手順を説明します。HP Device Managerを使用すると複数のHP t310 Zero Clientデバイ スに対してファームウェアのバージョンアップを一括で実行する事ができるのでデバイスの 台数が多い場合には大幅に作業工数を削減する事ができます。HP Device Managerの詳細な情 報やインストール方法は以下のURLの資料をご参照ください。 http://h50146.www5.hp.com/lib/products/thinclient/pdf/hp_device_manager_training.pdf 以下の手順では次の内容を実施します。 HPDMコンソールへのHP t310 Zero Clientの検出 ファームウェアのインポート（ファームウェア更新タスクの作成） ファームウェアバージョンアップの実行（ファームウェア更新タスクの送信）
4. デバイスの検出のダイアログで、デバイスの種類を選択：に“PCoIP Zero Clientのみを検 出します”を選択し、“次へ”をクリックします。
5. 範囲で検出のダイアログで、HP t310 Zero Clientを検出するための開始IPアドレスと終了 IPアドレスを入力し、“OK”をクリックします。
7. HP t310 Zero Client のファームウェアをインポートしてファームウェア更新用のタスクを 生成します。HPDMコンソールのメニューバーから、“テンプレート”→インポート” →“PCoIPのファームウェア”をクリックします。 8. イメージ ファイルのインポートで“参照”ボタンをクリックし、1でコピーした“t310-fw-v4.6.0”フォルダ内の” tera2_4-6-0_r4_6@16708.all“を選択します。 9. “インポート”をクリックします。 10. パッケージの説明エディターで“生成する”をクリックします。
11. テンプレートが正常に生成された事を通知するメッセージで“了解”をクリックしま す。
12. HPDMコンソール画面下部のタスク テンプレートタブにタスクテンプレート“Tera2_4-6-0_r4_6@16708”が生成されます。
13. ファームウェア更新用タスク“Tera2_4-6-0_r4_6@16708”をHP t310 Zero Clientに送信し てファームウェアのバージョンアップを実行します。HPDMコンソールでタスクを送信 する対象のデバイスアイコンまたはグループを右クリックして“タスクの送信”を選択 します。
14. テンプレート選択のダイアログで、カテゴリに“イメージング”を、テンプレートに “tera2_4-6-0_r4_6@16708”を選択し、“次へ”をクリックします。 15. タスクエディターが起動したら、“スケジュールおよびバッチ制御”タブをクリックし ます。 16. 複数台のデバイスにタスクを送信する場合、バッチ数とバッチ間の間隔を調整します。 以下の画面の例ではバッチ数を5から25に、バッチ間隔を2分から1分に変更していま す。この設定では25台以上のデバイスに対してタスクを送信しようとした場合に、まず バッチ数で指定した25台のデバイスに対してタスクが送信されます。その後バッチ間隔 で指定した1分間待機してから次の25台のデバイスに対してタスクが送信されます。こ のバッチ制御を行うことでタスク実行時のネットワークへの負荷を分散することができ ます。バッチ制御を行いたくない場合は“FTPタスク用のバッチ制御を使用”のチェッ クを外せば、タスクを送信しようとした全てのデバイスに対して同時に送信されるよう になります。 17. タスクエディターで“OK”をクリックしますとタスクが送信されてファームウェアがバ ージョンアップされます。その際HP t310 Zero Clientは再起動します。
4-3-a. HP t310 Zero Client の設定（OSD メニューからの設定）
t310 Zero ClientのOSDメニュー（端末側の設定画面）からAmazon WorkSpacesを使用するため の設定を行います。
1. T310 Zero ClientのOSD設定メニューのSessionタブをクリックします。
2. Unlockをクリックしてパスワードを入力して“OK”をクリックします。パスワードを設 定していない場合は何も入力せずに“OK”をクリックします。
3. Connection Type設定に”PCoIP Connection Server”を選択します。 4. Server URLにPCoIP Connection ServerのURLを入力します。
4-3-b. HP t310 Zero Client の設定（Administrator Web Interface を使用する場合）
HP t310 Zero ClientのAdministrator Web Interfaceを使用してAmazon WorkSpacesを使用するた めの設定を行うことが出来ます。この方法ではPCなどのWebブラウザを使用して実施するた め遠隔からの作業が可能になります。 1. PCからWebブラウザを起動して、以下のURLにアクセスします。 http:// HP t310 Zero ClientのIPアドレス 2. 証明書エラーのページが表示されたら、”このサイトの閲覧を続行する（推奨されませ ん）。“をクリックします。
3. Administrator Web Interfaceのログイン画面が表示されますので、HP t310 Zero Clientの管 理者パスワードを設定している場合はパスワードを入力してから“Login”をクリックし ます。管理者パスワードを設定していない場合は何も入力せずに“Login”をクリックし ます。
4. Administrator Web Interfaceのメニューから“Configuration”→”Session”をクリックし ます。
5. Session Connection Typeに“PCoIP Connection Manager”を選択します。
6. Server URLにPCoIP Connection ManagerのDNS名またはIPアドレスを入力します。 7. “Apply”をクリックします。
4-3-c. HP t310 Zero Client の設定（HP Device Manager を使用する場合）
HP Device Manager（HPDM）を使用してAmazon WorkSpacesを使用するための設定を行う手順 を説明します。HP Device Managerを使用すると複数のHP t310 Zero Clientデバイスに対して Amazon WorkSpacesへの接続に必要な設定を一括で実行する事ができるため、デバイスの台 数が多い場合には大幅に作業工数を削減する事ができます。 以下の手順では次の内容を実施します。 接続設定タスクの作成 接続設定タスクの送信 1. HPDMコンソールを起動します。 2. HPDMコンソール上部のPCoIPタブをクリックし、HPDMコンソール画面下部のタスク テ ンプレートタブのタスクテンプレート“_Deploy Connections”をダブルクリックしま す。
6. 新しいテンプレート名の入力ダイアログでテンプレートに付ける名前を入力します。こ の手順では“Deploy AWS Connections”を入力します。
7. 作成したタスクテンプレートをHP t310 Zero Clientに送信して接続設定を実行します。 HPDMコンソールでタスクを送信する対象のデバイスアイコンまたはグループを右クリ ックして“タスクの送信”を選択します。
8. テンプレート選択のダイアログで、カテゴリに“接続”を、テンプレートに作成したテ ンプレート“Deploy AWS Connections”を選択し、“次へ”をクリックします。
9. タスクエディターで“OK”をクリックします。タスクが送信されてAmazon WorkSpaces への接続設定が実行されます。その際HP t310 Zero Clientには再起動が発生します。
5. HP t310 Zero Client から Amazon WorkSpaces を使用する
前のセクションでAmazon WorkSpacesへの接続設定が完了しているHP t310 Zero Clientから Amazon WorkSpacesを使用する手順を紹介します。 5-1. Amazon WorkSpaces への接続手順 1. HP t310 Zero Clientの電源を投入し、“接続”をクリックします。 2. 証明書の警告ダイアログで“続行”をクリックします。 3. Amazon WorkSpacesのユーザー名とパスワードを入力して、“ログイン”をクリックし ます。
4. “接続”をクリックします。
5-2. Amazon WorkSpaces の概要 1. WorkSpacesのOS
OSはWindows Server 2008R2 Datacenter Editionです。デスクトップ エクスペリエンスがイ ンストールされているためWindows 7と同様のデスクトップになっています。
2. ディスクドライブ
Dドライブとしてユーザープロファイルフォルダが利用可能です。
3. プログラム
Value BundleのWorkSpacesでは以下のプログラムがインストールされています。
4. USBデバイスとプリンター
USBリダイレクト機能はありませんので、USBデバイスは利用できません。 プリンターはネットワークプリンターのみ利用可能です。
HPシンクライアントに関する情報
http://www.hp.com/jp/thinclient
