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ジアシルヒドラジンの銅害防止活性の重回帰式による予測

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Academic year: 2021

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(1)

愛 総 研 ・ 研 究 報 告 第 3号 ・ 平 成 13年

6

7

ジアシルヒドラジンの銅害防止活性の

霊園帰式による予測

E

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Copper D

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古 川 俊 夫 Toshio

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Abstract Diacylhydrazincs have copper deactivaling aclivily [or polypropyl巴ne.Th巴mulliplcrcgression analysis was madc lo estimate th巴iractivilies. 11】atis, sixty-two diacylhydrazines w巴r巴synthesiz巳dand th巴iraClivili巴swilh olhcr physical

properties were m回suad.Among !h巴 calculat巴d巴quations,a second ord巴requalion of five physical properli巴S

provided the high巴staccuracy of eSlimalion. Thus, was shown tti hal lhe mulliple r巴gressionanalysis can b巴us巴d日sa

screening test for copper d巴aclivalor巴[日ciency.

1

.

緒 言

ジアシルヒドラジン(下式,以下 DHZという)は銅イオ ンとキレート結合を生成する日.そのため銅の酸化触媒作 用を防止する銅害防止剤として絶縁材料などに添加されて いる2) R-C-N-N-C-R 1 1 " " "

o

H H 0 最近,我々は DHZがポリプロピレン

(

p

P

)

に対して核剤作 用(結晶核発生作用)を持っていることを見出した.また核 剤作用と銅害防止作用との聞にプラスの相関関係があるこ と,更に,核剤作用項を含む重回帰式で銅害防止作用を予 測できる可能性があることもわかった川.この重国防i分析 は銅害防止剤の新しいスクリーニング手法として利刑でき ると思われる.その場合,銅害防止効果の有無を正しく判 定するためには重回帰式の信頼性が重要なポイントとなる. 以上のような状況を踏まえて,本研究では,この場合の 重回帰式の予測精度について詳細に調べることとした.そ 愛知工業大学総合技術萌究所(豊田市) のため分子構造の異なる種々の DHZを 多 数 合 成 し た そ れ らについて銅害防止作用,核剤作用及びその他の特性値を 測定し,解析用データとした. このデータを使用して可能なすべての2次重回帰式31式 について検討しそれらの予測精度を算出した.その結果, 5 変数の2次重回帰式が最高の予測精度を示し,これにより 銅害防止作用を精度よく予測できることがわかったので報 告する.

2

.

実 験

2.1試 料 ボ1)プロピレン(日石J170G) を熱キシレンから再沈殿 した佑'視で真空乾燥後,窒素置換した容器に入れ冷暗所 に保管した.市販銅粉をヘキサンで洗浄して使川した酸 化│的

H

二斉J1としては, Telrakis-[mcthylcnc-(3 ', 5 '-di-!crt -butyl-4 '-hydroxyph巴ny1)-propionalc-]-mcthancの市販 1111を そのまま使用した. DHZのうち, N, N'ージベンゾイルヒドラジンは Tlil坂試 薬 を そ の ま ま 使 用 し た 対 称 形 の DHZ ( 一 般 式 : RCONHNHCOR) は塩化アシルと抱水ヒドラジンの反応 により,非対称形のもの (RCONHNHCOR')は楓化アシ ルと酸ヒドラジドの反応により合成した.カルボキシル基

(2)

6

8

愛 知 工 業 大 学 総 合 技 術 研 究 所 研 究 報 告 , 第3号 , 平 成13年,Vo l.3, Mar. 2001 を持つものはメチルエステルの加水分解を 経て合成した.N, N'-ジメチルアセトアミ ドを溶媒としピリジンを触媒として使用し た,生成物を再結品した後,融点, IRスペク トル,及び元素分析によって同定した. 本研究で使用したDHZの構造をTabl巴1 にアシル基で示した. 2.2 DHZの 銅 害 防 止 作 用 臼gL) の測定 PP:銅粉:駿化防止剤:DHZ= 100: 3.0 : 0.5: 0.5(重量比)の処方を共通に使用した. 最初に

pp

,銅粉及び酸化防止剤を 100: 3.0: 0.5の重量比に措秤し,乳鉢で混合して共 通のベース組成物を調製した.次にベース 組成物とDHZを103.5:0.5の重量比で精秤 し,乳鉢で

5

分間混合し誌料粉末とした 試料粉末

O

.

5

gを200'Cで3分間プレスし て厚さ0.1mmのフィルムを作製した. このフィルムを30mm

x

10mmの矩形に 切り出したものをテストピースとした.150 ℃に加熱した島津製熱風循環式垣温乾燥機 (P45・M)を使用した.各組成について3枚 のテストピースを使用した.テストピース がぜい化するまでの回数の平均値をエージ ングライフ fAgLJ (日数単位)とし, DHZ の銅害防止作用の指標とした.共通ベース 組成物のAgLは

1

(日)であった. 2.3 DHZの特性植の

;

P

l.J定 2.3.1*亥剤作用 (Tc) 2.2で調製したフィルムから直径約

6mm

の円板を打ち抜きDSCiJW定詰料とした.測 定装置としては島津製DSC-50を利用した 流 量20ml/分の窒素ガスを系内に流じなが ら測定した. 加熱冷却のプログラムを下に示す 加熱速度 10'C/分 最高温度 (190'C)での保持時間 5分 冷却l速度 2.5'C/分 冷却l過程での

pp

の発熱ピーク温度を

pp

の結品化温度 fTcJ('C)としDHZの核剤作 用 の 指 標 と し た . ベ ー ス 組 成 物 のTcは 123.15'Cであった.DHZに按剤作用がある 場合はTcがこの

1

見度より上昇した. Noj hylGmupsof山 本

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(3)

ジ ア シ ル ヒ ド ラ ジ ン 類 の 重 金 属 不 活 性 化 作 用 の 重 回 帰 式 に よ る 予 測

6

9

2

.

3

.

2

融点(/1ψ)と融解エントロビー (QIT)

2

.

3

.

1

と同じ

DSC

装置によって

DHZ

の融点

nψ(OC)

と 融解熱Q (kJ/mol) を測定した.融点は昇温速度

1

0

"C/分 での融解ピーク祖度と定めた.融解熱Q を融点11ψ(K)で 除した値をQIT(kJ/molK)で表すこととした .'QITJは融 解エントロビーで

DHZ

の溶解性を反映する特性位と考え られる.

2

.

3

.

3

N-H

結合の

I

R

特性吸収波数 (v ) KBr 錠剤~7:去で IR スペクトルを測定し 3200cm-1付近に観 察されるヒドラジド基の

N-H

仲縮振動による吸収の波数 v

(

c

m

-

1)を測定した

I

v Jはヒドラジド基の反応性を反 映する特性値と考えられる.

3

.

結果と考察

重回帰分析では試料群の目的変数

(

y

)

と説明変数 (Xl' X

・・)の測定データから,最小自乗法によって

y

の予測値を 与える重回帰式, y =β

+β1Xl +

s

X

+

・・ を求める.ここで,

s

。は定数項7

s

!J β2・・は係数である. 本研究の試料群はTabl巴1に示した62種のDHZである. 目的変数

y

はAgLである.説明変数は,Tc, 111P, I11W, V, QITの5個の特性値である (mwはDHZの分子量を示す)• 本研究では,特性値の効果が直線的でない場合も想定し たーそのため,上式と異なり,特性値に関して2次式の重回 帰式引をも対象としたまた,特性値聞の相互作用を想定し て交差項 (Tc'mwなど)を式に含ませた(式の形は後述の Eq.A~Eq.E 参l!日) . 上記特性{直の

1

個から

5

個までを選んだ

1

元から

5

元まで の全ての

2

次重回帰式を対象とした.この場合の組合わせの 総数は31である.従って2次重回帰式の総数は31となった 重田l帰式の予測精度の指標としては「自由度2霊調整済 みの寄与率J(常用される記号 IR2"Jで示す)を採用した R2"が説明変数の予測精度への寄与を正確に表す指標であ るからである. なお,R2"は理論上最大値は

1

である.R2">0.5なら予 測の精度が良い,R2" >0.8なら非常に良いと評価する例 がある夙 Table 1のデータを利川し最小自乗法により重回附式31 式のそれぞれにについて,R2",定数項,及び係数項を算山 した. 本報告の目的から考えて,特に予測精度R2"に注目した. Fig.1はR2"と,墨田l帰式に使用したDHZの特性値数の 関係を示す.特性([[数と共にR2"も附加する傾向が見られ る,しかし特性値数が等しい場合でも特性値の組合わせに よってR2"に大きな差があることがわかる. 同図中Ii'舎』は藍回帰式"I:JにTcを含む場合Ii'女』はTc を含まない場合を示す.Tc項の有無によって2群に分かれ ているー TcJ~ によって予測精度が苦しく上昇することがわ かる. Fig. 1 rjlの股上部に位置する点(A, B,

C

.

D,及びE)は, 特性値の組合わせが最適のものである. これらの点に対j忘する1元 2次から 5元 2次までの重回帰 式, Eq.A~Eq.E を下に示す, なお,定数。。と係数

s

・・βJ'の数値は省略したー Eq.A : (R2"= 0.4388) AgL=β

Tc+β

Tc' Eq.B : (R2"= 0.4771) AgL = so+β

Tc

+

s , Tc~ +β3(QIT) +β

QITF+s .rT

c

-

(

Q

l

T) Eq.C: (R2" = 0.5149) AgL=β

Tc+β

Tc' +β3mw +β ,I1lW' + s r, (QIT)+ s 6(QIT)'

+

s

Tc . mw

+

s 8 Tc' (QIT) + s .mw' (QIT) Eq.D : (R2" = 0.5514) AgL = so+β,Tc +β

Tc' +βJ:I1lW +β111lW' + s 5 (QIT) +β6 (QIT)2 +β7ν+β明V'+βgTC'I1IW + s lOTc'ν+s

JTc'(QIT) +β2'I1lW' V +β川 mw'(QIT) +β" V • (QIT) Eq.E : (R2"= 0.5707) AgL = /3

+

ITc+ β 2Tc~

+

s 3mp + {3Imp' + (Jr.I7lW +

s

6/1lW 十{3,V+sRV'十139(QIT) +β

0(QIT)2+β11 Tcmp +β

]

'mw+ {3'3Tc'ν +β"Tc'(QIT) +β,,,mp・mw +β,,;/11P'ν+β17 mp . (QIT) 4β日I11W'ν +{3'9111W' (QIT) +β20 V . (QIT) Eq.AはTcのみの1元2次式である.R2"は0.4388で低い. しかしTcのみでもある程度の予測ができることがわかる. Eq.B~Eq.E では説明変数を逐次追加することで R2" も 逐次附加することがお

1

察できる.

(4)

愛 知 工 業 大 学 総 合 技 術 研 究 所 研 究 報 告 , 第 3号 , 平 成 13年, Vol.3, Mar. 2001 70 上述の結果を利用して DHZの未知試料に対して重回帰 分析を応用する場合は,試料のTc,mp, lJ,及びQITを測定 し,

mw

とともに Eq.Eに代入して

AgL

の予測値を算出する

E

D 事 @ 申 @ @ 瞳

ことができる.

Tabl巴1の各 DHZの特性値を Eq.Eに代入して

AgL

の予

測値を算出した.この予測値と,同表

q

:lに示されている

AgL

の実3m値との散布図を Fig.2に示した. ぱらつきがあるため信頼限界の幅はあるが, Eq.Eを適用 した重回帰分析はスクリーニングテストとして銅害防止作 《 《 真 ︽ ︽ 会 開 《 ︽ ︽ よ ト ト ト ト t J 5 4 3 2 1 F U n v n u n u n u n U ( t 向 ) E 官 EEEe 口 宮 古 E U E 3 0 口 市 E E ﹄ 一 - 3 @ 鍋 w @ @ B

A

9 《 《 JfJの予測に利用できると思われる. 6 5 4 3 2

圭4 ロrm

4

.

Number of Variables Used 銅害防止作用を予測する重回帰式に核剤作用の項を加え ることによって予測精度が格段に改良される.

3

2

次と

4

2

次の重回帰式にはR2">0.5で予測精度

*

with Tc Term Accuracy of multiple regression equalion vふ number o[ variables used. A withoutTc Term Fig.l が「良いJ範囲に入るものが見出された.

5

2

次重回帰式が検討した諸式の中で最高の予測精度 @ @ を与えることがわかった. 試料 DHZについて,

AgL

の実測値と Eq.Eによる予測値 の対応状況を散布図で示した. Eq.Eを適用した重回帰分析は銅害防止作用のスクリー ニングテストに利用できると思われる. 需 品 @ 60 50

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1

225 (CRC Prcss Inc.

1990) MuJler, H. :“ Plastics Addilives, 4th. Ed.", Hanscr Publishcrs (1993)

引用文献

60 50 @・ @ 20 30 40 Calculated Value(days) 10 @ 10 3)古川俊夫,木村圭一郎:マテリアルライフ, 10[3,]143 (1998)

2

)

Estimalion of aging lifc of PP by eq.E. Eq.CではR2"= 0.5149で予測精度の「良いJ値に到達 した. Fig.2 4)久米均,飯塚悦功:“巨l帰分析ぺ岩波書防(1998)

5

)

官民郎:“多変量解析の実践(上)"現代数学社(1

9

9

6

)

Eq.Eは全ての特性値 (Tc,

mw

, 11ψ, QIT,ν)を使刑した 5元2次式である.全重回帰式中最高のR2"= 0.5707 (E点) 平成13

3

19

日)

(受理 を示した.

Tabl 巴 1 の各 DHZ の特性値を Eq.E に代入して AgL の予 測値を算出した.この予測値と,同表 q :lに示されている AgL の実3 m 値との散布図を Fig.2 に示した

参照

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