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リスク・マネジメントの対象リスクについて-香川大学学術情報リポジトリ

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香 川 大 学 経 済 論 叢 第70巻 第 2号 1997年 9月 149-167

リスク・マネジメントの対象リスクについて

安 井 敏 晃

I は じ め に リスク・マネジメントが対象とするリスクの範囲については,リスクを純粋 リスクと投機的リスクに区分したうえで論じられてきた。そして,リスク・マ ネジメントの母国である米国においては,対象リスクの範囲として,純粋リス クのみをとる見解が主流を占め,投機的リスクを含む見解は,少数であるとさ れてきた。 しかし,現在では米国においても,リスク・マネジメントの対象リスクを純 粋リスクに限定しない見解も有力に主張されるようになってきた。この見解の なかには,リスク・マネジメントの対象リスクに純粋リスクだけでなく,投機 的リスクをも含めるとするより,リスク・マネジメントにおける,この伝統的 なリスクの分類法に疑問を投げかけるものさえある。 そこで本稿では,まず,純粋リスクに対象を限定してきた根拠を整理したう えで,リスクを純粋リスクおよび投機的リスクに区分するこの伝統的な分類法 がリスク・マネジメントにおいて妥当なものであるのか,検討を加える。 (1) 純粋リスクと投機的リスクとに分類する方法は, Mowbrayに始まる。 Mowbray [1946], p“3 (2 ) 亀井利明 [1984],p..69.また,姉崎義史 [1985],p.

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(3 ) これに対して,わが国においても,純粋リスクのみを対象にする見解が通説であると説 明されるが,従来から,投機的リスクをも含めるとする見解も有力に主張されている。わ が国におげる見解については,亀井利明 [1984],pp. 69-76参照のこと。

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-150ー 香川大学経済論叢 304 II 通説の根拠 リスク・マネジメントの対象リスクとして純粋リスクのみを考える見解は, 多くの論者が指摘したように,かつて米国において多数を占めていた。例えば, Rosenbloomは rリスク・マネジメントは,企業の究極的な利潤に影響を及ぽ しうる,企業が直面する純粋リスクの全ての局面について管理する機能であ るj,としている。また, Denenbergは r企業,政府,慈善団体,教育機関な ど,あらゆる組織の純粋リスクをコントローノレし,管理することが,通常リス ク・マネジメントと呼ばれる。リスク・マネジメントの目的は,可能な限り, 純粋リスクがもたらす損失を最小化することであるj,とする。 Bagliniは rリ スク・マネジメントは,応用経済学の一分野であり,その主要な目的は純粋リ スクによるコストの最小化であるj,としている。 現在においても,リスク・マネジメントの対象リスクに純粋リスクだけを掲 げる論者がいる。例えば, Vaughan, Rejdaである。 Vaughanは rリスク・マネジメントは,個人および企業が直面する純粋リス ク処理の問題に対する科学的なアプローチである」とするし,また, Rejdaは, 「リスク・マネジメントは,組織や個人がさらされている純粋リスクを処理す る方法である」としている。この二人の見解は,従来の通説を敷街しているも のといえよう。 ここで,従来の通説がリスク・マネジメントの対象リスクを純粋リスクに限 定してきた論拠をみてみたい。主として,次の3つが指摘される。 L リスク・マネジメント成立にいたる沿革的理由 2 処理策の簡便性 (4 ) 武井勲 [1987J,p.. 42 (5) Rosenbloom, J S. [1972J, p..5

(6) Denenberg, H.. S, Eilers, R.D, Melone, J l and Zelten, R A [1974J, p..65, ( 7) Baglini, N.. A. [1976J, p..3

( 8) Vaughan, E.. J and Vaughan, T. M. [1995J, p.. 29 (9) Rejda, G..E [1995J, p..38

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305 リスク・マネジメントの対象リスクについて 74 F D 7eA 3. 経営管理との差異 1 リスク・マネジメント成立にいたる沿革的理由 これは,リスク・マネジメント (riskmanagement)が,保険購買(insurance buying)から発達したことに由来する。 米国におけるリスク処理の沿革は,次の

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期に分けられる。 保険購買 (insurancebuying) 保険管理 (insurancemanagement) リスク・マネジメント (riskmanagement) 企業が大規模化するにつれ,増大するリスクの対策が当然考慮されることに なる。このために,企業内に,保険部が誕生するのは,

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年代の初頭であっ た。これ以後,保険管理に至るまでの時期が保険購買の時期と説明される。もっ とも,この保険部は,単に企業の保険購買を扱うだけで,リスク処理手段とし て,積極的に保険を管理するものではなかった。ただ保険会社主導のもと保険 商品を購入する部門にすぎなかった。 大恐慌を期に,従来の漠然とした保険の購入だけでは,企業にとり必要な担 保が十分に得られないこと,そして,必要以上に高い保険料は,企業の財務を 圧迫することが認識されるようになれ保険を管理する必要が理解されるよう になった。これがinsurancebuyingから, insurance managementへの発展と 説明される。 保険管理の考察が進むにつれ,企業が直面するリスクに対する理解が深まり, あくまでも,損失発生後の金銭による填補手段にすぎない保険だけでなく,損 失発生自体の防止もまた,重要視されるようになっていった。すなわち,スプ リンクラーに代表される,損失自体を防止するロス・コントロール手段などの, 他のリスク処理手段をも含めた総合的なリスクの管理が必要であると認識され (11) Hedges, B..A. [1990J, p.70 (12) 石名坂邦昭 [1994J,p. 4 (13) 石名坂邦昭 [1994J,p..4

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-152- 香川大学経済論叢 306 るようになったのである。このようにして, 1950年代中頃から,保険に限らず それ以外のリスク処理手段をも用いたリスクの管理,すなわち,リスク・マネ ジメントが発達していった。 上述のように,リスク・マネジメントの源流は保険に求められるが,この保 険における制約がリスク・マネジメントを拘束しているのだとするのである。 保険購買および保険管理の時期に中心を占めてきた保険は,純粋リスクのみを 対象としてきた。この保険における制約が現在のリスク・マネジメントの対象 リスクの問題に影響を及ぽしているというのである。

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処理策の簡便性 処理策が簡便であるとは,大数の法則が働くことにより,純粋リスクのほう が,投機的リスクより正確な予測ができることを指す。したがって,この根拠 もリスク・マネジメントが保険購買から発達したことと関係が深い。いうまで もなく,保険は大数の法則を基礎として成立するリスク処理手段であるからで ある。大数の法則により,一見,偶然に思える事故であっても,その発生につ いて一定の確率を把握できるならば,当然処理しやすくなる。 3“ 経営管理との差異 リスク・マネジメントの対象リスクに投機的リスクを含めると,リスク・マ ネジメントの対象が経営管理全般に及んでしまうという主張である。例えば, Denenbergはリスク・マネジメントの対象リスクを純粋リスクに限定すると述 べた後で rなぜならば,ほとんどの企業経営は投機的リスクの管理に向けられ ているために,投機的リスクの検討を含める一切の試みは,経営管理の全ての (14) リスク・マネジメントを最初に採用したのは,カナダのMassey-Ferguson社で, 1959 年のことである。石名坂邦昭 [1994J,p. 5 (15) 姉崎義史 [1985J,p. 78 (16) 森宮康 [1977J,p.. 208 (17) 亀井利明 [1984J,p 72.

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307 リスク・マネジメントの対象リスクについて -153-側面の包括的な議論を必然的に含むからであるJ,と述べている。 企業経営が投機的リスクの管理に向けられるとは,次の意味である。投機的 リスクは,いうまでもなく,利得および損失の機会をあわせもつリスクである。 つまれある事象の結果が損失をもたらすだけでなく,利益をもたらす場合も あるリスクのことを投機的リスクというのである。新たな市場に参入する,新 商品を市場に投入する,といった企業行動は,投機的リスクの典型的な例であ る。このほか,企業が利潤の獲得を図るときには,この損失のおそれも利潤獲 得の機会もあわせもつ,投機的リスクに常に直面していることになる。この場 合,計画通り利潤を獲得したということは,まさにこの投機的リスクを処理し えた,いいかえると,損失を防ぎ利潤をもたらすように,このリスクを処理し たということになる。 したがって,企業が利得の獲得を目的として何らかの意思決定を行う際には, 利得の裏返しである損失を被るおそれをも勘案していると考えられる。つまり, 投機的リスクにおいては,利得と損失は表裏一体のものであるから,利得の獲 得を目的とする以上,なんらかのリスクの処理策を必ず勘案していることにな る。そして,このリスク処理策は,全般経営管理だけでなく,あらゆる部門管 理においても講じられるものである。とするならば,リスク・マネジメントは, 経営管理の全ての側面と等しいものなのではないか,という主張である。 III 通説に対する批判 このような,純粋リスクのみを対象とする見解には,疑問視すべき点も多々 ある。次に上述の説明に対応して,これを整理してみよう。 1 沿革的理由 沿革的に保険管理からリスク・マネジメントが発達していることが,リスク・ マネジメントの対象を純粋リスクに限定する理由となることにはそもそも無理

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-154- 香川大学経済論叢 308 がある。 いうまでもなく,従来の保険管理の限界を克服するためにリスク・マネジメ ントが成立したのだから,保険自体がもっ限界にリスク・マネジメントが束縛 されることは矛盾である。 2 処理策の簡便性 大数の法則にかなうリスクは,確かに比較的処理が容易である。しかし,純 粋リスクといえども必ずしも,大数の法則にかなうわけではない。最初の航空 保険は,大数の法則が適用できるだけのデータがえられない時期につくられて いる。保険の歴史はある意味で,文明の発達に伴い出現した新種リスクを包含 する歴史でもある。新種リスクは,まさに新種であるが故に,過去の統計デー タがえられない。したがって,そもそも大数の法則が期待できる余地がない。 また,新種リスクでなくても,大数の法則が適用しがたいリスクがある。阪神・ 淡路大地震以降,特に関心が高まっている地震リスクは,大数法則を適用しに くいリスクの典型的な例である。 それゆえ,大数の法則を適用しやすいリスクをリスク・マネジメントの対象 リスクに限定することは,リスク・マネジメントの一手段である保険だけを考 えても狭すぎる範囲といえる。まして,企業のリスク処理として,保険以外の リスク処理手段をも含めて管理するリスク・マネジメントにおいては,この根 拠は妥当ではない。 さらに,より重要なことは,処理が簡便であることから,対象リスクの範囲 を純粋リスクに限定するということは,処理が困難であることから,投機的リ スクをその対象範囲から除くことに他ならない。このことは,説明としてそも そも無理がある。処理の難易度にかかわらず,そのリスクに企業が直面するこ とにかわりはない。企業が現実にリスクに直面している以上,それを無視して (19) 英国における航空保険の起源については, 1908年説, 1911年説, 1919年説がある。(こ の点については,原茂太一[1991J, p.10 を参照のこと)なお,ライト兄弟が最初の動力 飛行に成功したのは, 1903年である。

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-155ー リスク・マネジメントの対象リスクについて 309 リスク・マネジメント・ このことが成り立つなら, も何の解決にもならない。 プロセスにおけるリスクの発見・確認の意味が問い直されねばならない。 そもそも保険が純粋リスクのみを対象としてきたこと 上述の二つの根拠は, なぜ保険では,投機的リスクがその対象範 それでは, に関係するものである。 リスク・マネジメントが純粋リスクに限定 囲の外とされてきたのであろうか。 v '- -される理由として,保険における制約が影響しているとの主張がある以上, の問題につき検討を加えることは無駄ではなかろう。 保険が投機的リスクを対象としない理由は, これまで積極的に論じられてき または,当然の前提として 自明のことである, たわけではなかった。むしろ, したがってこの理由を正面から扱っ た文献も数が少ない。G悶 neの著書は,その意味でも貴“重であ

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。この見解は, 保険と投機的リスクの問題を扱うときに,頻繁に引用される見解であるので, まずそれを紹介しておきたい。彼は, 考察の対象にはならなかったようである。 t I I 事

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つの理由を挙げて説明している。 投機的リスクは,十分に正確な予測が保険者によりなされないと考えられ この点は前述した。すなわち,投機的リスクのなかでも,社会経済の変 その動態的変動を予測することが保険可能なリスクよ りもはるかに困難である。 動に基づくリスクは, る。 (1) ヲ えー のとき,生じる損失は,同一の危険団体の大部分の構成員に同時に生じてし リスクの時間的な分散が困難となる。例えば,同一銘柄の株式の その株式を保有する者全員に同時に損失が発 投機的リスクは,壊滅的なハザードの影響を被ることがしばしばある。 (2) まうため, 下落のおそれが顕在化すると, リスクの時間的な分散ははかれない。 投機的リスクは,同一期間内において,一地域における損失を他の地域に おける利益により相殺できるほどの十分なリスクの分散を得ることが難し リスクの地域的な分散がはかれない。 (2)と同じ例を用いると, 同一銘柄の株式の下落のおそれは,株主の居住地に関係なく生ずるリスクで 生することになるから,

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い。つまり, Greene, M. R and Serbein, 0 N..[1983], P 291 姉崎義史 [1985],p..85 (20) (21)

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310 香川大学経済論議 -156-リ 一地域に限定せず,多数の地域を包含することによる, ある。そのため, スクの地域的な分散がそもそも不可能となる。 投機的リスクを付保することは,多くの事例において,保険者が被保険者 この時の損失 この条件は通常,不適切であると 投機的リスクによる損失は偶然性をもたない。なぜならば, は,少なくともある範囲まで被保険者が管理しうるものであるからである。 このことは,被保険者による故意の事故招致を惹起しかねない。 この 5つのうち, (1)(2)(3)(5)は投機的リスクに限らず,純粋リスク もっとも,

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との共同経営者になることを必要とする。 ω) 考えられる。

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(4) これも順を追って説明する。 であっても生じうる。

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の予測困難性についてであるが,前述の通り,新種のリスクはしばしば正 確な予測をえられないまま,保険商品が提供されることがあるから,投機的リ スク固有の性質とは言えない。前述のように新たに出現したリスクに対する新 種の保険が対象とするリスクはこれである。 この壊滅的なペリノレをもたらすハ (2)の壊滅的なハザードについてであるが, ザードは,純粋リスクにおいてもみられる。地震リスクがその典型的な例であ る。地震は,地下の岩石破壊による地震波の放出というハザードが,地震動と 悶) いうペリルを生ぜしめるものである。 これもかならずしも,投機的リス (3)の危険分散不可能性についてであるが, クに限定されない。例えば,純粋リスクの典型である火災であっても,実質的 わが国に 一地域における保険団体のみによる保険

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の形成は,純粋リスクにおいても起こりうる。むろん,好ましいことではない に被保険者が一地域に限られる場合は,同様の問題がおこる。実際, おける初期の共済にみられるように, これをして投機 が,実際に純粋リスクにおいても考えられることであるから, (22) このことは,保険者が危険団体の構成員の意思決定に直接参与することになり,保険経 営上好ましくないと考えられる。姉崎義史 [1985J,p. 85 (23) 石橋克彦 [1997J,p.. 4 (24) 安井信夫 [1960J,p.13

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311 リスク・マネジメントの対象リスクについて 7'' 5 ト 民 的リスクに固有の性格ということはできない。 (5)これも,投機的リスク固有の性格ではない。ここで問題になるのは,ハザー ド,なかでもモラル・ハザードおよびモラール・ハザードの次元と考えられ, 純粋リスクでも生じうる問題である。 たとえば,火災保険における被保険者自身による放火もこの端的な例である。 このような,故意の事故招致および被保険者側の不注意によるリスクの増大は, 純粋リスクの領域でも問題となるからこそ,現行の保険約款上で免責されてい るのである。つまり,この点は,現行約款における免責危険に現れていること から明らかなように,かならずしも投機的リスクに固有の性質ではない。純粋 リスクにおいても見られる性格を投機的リスクが有していることが,投機的リ 邸) スクの付保可能性を否定することにはならない。 したがって,

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が挙げる根拠のなかで,投機的リスクにのみ固有なもの は(4)の保険者と被保険者が共同経営者になるという点だけである。それ以外の 理由は,確かに保険化しにくい説明にはなるが,純粋リスクにもみられること から,投機的リスク固有の性質を説明してはいない。 もっとも, (4)の理由だけでは,投機的リスクの付保可能性を否定する根拠と しては不十分である。投機的リスクの付保を不可能とする,より重要な理由が ある。それは,投機的リスク固有の性格からして,保険成立の前提となる,保 険団体の形成が不可能であることである。投機的リスクにより生ずる損失を填 補する保険団体の形成とは,とりもなおさず,利益を生じうる者が他者の損失 を填補する基金の形成を意味する。例えば,財務状態の良好な企業が,極めて 拙劣な経営により多額の債務を抱える同業の他の企業の損失を填補するため に,基金を拠出する場合が例として考えられる。しかも,このとき,拠出する 保険料には,当然付加保険料が含まれることになる。このような基金形成のため 。 却 に,企業が利益の一部を拠出することは,少なくとも私保険においては考えがたい。 (25) もっとも,モラル・ハザードが強く作用し,監督困難な場合には,保険化しにくい理由 にはなる。 (26) ベネット,

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(木村栄一監訳)[1996J, p..339

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-158- 香川大学経済論叢 312 投機的リスクは,損失だけでなく,利潤をもたらしうる機会であるが故に,企 業はこのリスクを負担する。その利潤の源泉である,投機的リスクを付保する 事は,保険料支出という形態でその利潤を失うことになる。つまり,利潤の源 泉たる投機的リスクを付保することは,まさにその利潤を失うことになるから, 企業がとりうる手段とはならない。 したがって,投機的リスクの対策として保 険を積極的に活用することには,無理があることになる。 3 経営管理との差異 上述の点からも明らかなように, リスク・マネジメントの対象範囲を純粋リ スクに限定する理由としては,第3の論拠がより重要であると考えられている。 しかし, この点に関しては, わが国の研究者の反論が多い。たとえば,亀井教 授は次のように主張する。 「企業経営は多くの危険を官して,各種の経営活動を遂行することになるわげ であるが, それは全体としての危険負担をしているわけであって,危険管理の 結果として企業経営がなされているわけではない。」そして rどの管理分野に おいても大なり小なり企業危険の管理を含んでいるが,決して危険管理そのも 仰 のではない。」 従来の経営管理の諸分野において,当然リスク処理が一部含まれてきたのは 事実である。 しかし, その場合においては,必ずしもリスクの統一的な管理の 一貫としてリスク処理がなされたわけではなかった。そのため,看過できない ような重要なリスクが見落とされたり,無駄なリスク処理費用を支払うことも ある。 したがって, リスク・マネジメントの対象リスクに投機的リスクを含め ることから,

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きない。 リスク・マネジメントが経営管理そのものであるということはで また, リスク・マネジメントと経営管理とを同一視することが是認されるな らば,多くの部門管理は,全般経営管理と等しくなることになるのではなかろ (27) (28) 亀井利明 [1984],p.72. 亀井利明 [1984],pp.72-74参照のこと。

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313 うか。 から, リスク・マネジメントの虫す象リスクについて -159-そのこと リスク・マネジメントは全ての部門管理と密接な関係をもつが, リスク・マネジメントが全般経営管理そのものであるとか, リスク・マネ

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ジメントの考察と,経営管理の全側面を考察することと等しくはならない。 このように,多くの批判にもかかわらず,米国の通説では, リスク・マネジ メントの対象リスクとして純粋リスクに限定する見解が通説であった。それに 対して, リスク・マネジメントの対象リスクに投機的リスクをも包含する見解 がなかったわけではない。 しかしながら, このような見解をとる学者は米国に 自由 おいては少数であり,決して通説ではなかった。 ところが,近年,米国では, リスク・マネジメントの対象リスクとして,純 粋リスクに限定しない見解が注目されてきている。 このなかで,象徴的ともい えることは,米国のリスク・マネジメントの代表的な体系書の一つである, W

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iamsらの著書においてさえ,純粋リスクにとらわれない見解を強く打ち出 していることである。 ORM(Organizational Risk Management) という j虫自

のリスク・マネジメントの概念を示すこの見解は,従来のリスク・マネジメン トの体系を3点から批判する。そして,その批判の最初に挙げられているのが, ( め まさに対象リスクの範囲に関する問題なのである。彼らは, リスク・マネジメ ントはリスクの区別をすべきではないとし,そもそも r純粋リスクと,投機的 (33) リスクは異なった特徴を有するが,両者を別々に管理すべき強い理由はない」と (29) この点を後藤幸夫教授は次のように戒めている。機械の購入はモノの購入であるか ら購買管理上の問題となるが,その購入にどれだけの資金が必要か資本の菌を通して検 討するときは,財務管理上の問題となるし,その機械をいかに稼働させるか,は生産管理 上の,そしてその機械を操作する人間の行動に着目すれば,それは労務管理上の問題とな る。このように見る限り,一つの機械購入という行為も,財務,購買,生産,労務等々い ろいろの管理にそれぞれ関連しているから,この点を充分留意し,一面からのみ眺めて全 体の管理と混同する愚を冒さないように注意せねばならない。」後藤幸男 [1992J,p 11 (30) 亀井利明 [1984J,p 69 (31) Crockford, G N..[1982J, p.170, Head, G. L.[1982J, p..182 (32) 他の2点とは,リスク・マネジメントは特別な経営管理であるとする見解に対する批 判,および,従来のリスク・マネジメントが損害防止に比重を霞きすぎていたことに対す る批判である。 (33) Williams, Jr, C A, Smith, M. L and Young, P C [1995J, p 27

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314 香川大学経済論叢 160-ー 述べる。 リスク区分の問題点

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以上のような論議を踏まえた上で,純粋リスクと投機的リスクの分類自体に (3~ まず,

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が取り上げている見解の検討から始める。この見解については, 防) すでに日本にも賛同者がいる。この見解は,純粋リスクと投機的リスクを峻別 する見解に対して,純粋リスクと投機的リスクの区別を重要視しないものであ まず,純粋リスクに限定しない根拠として,洪水に見舞われるような純粋 リスクであれ,販売リスクのような投機的リスクであれ,企業に損失をもたら この点は,近年新た ここで検討してみたい。 意味があるのか否か, る。 s i l l

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もっとも, すという意味で差異がないことをあげている。 に登場したというものではない。 この見解が注目されることは,リスクを純粋リスクと投機的リスク とに分類する,従来の区分に疑問を投げかけていることである。

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らの 見解においても,純粋リスクのみを対象範囲にすることを否定してはいるけれ しカ〉し, し この見解では,純粋リスクと投機的リスクには,あえて両者を区分する 必要があるほどの大きな相違点があるものとは考えないこと,そしてさらには, そもそも純粋リスクと投機的リスクは,相互に密接に絡み合っている場合があ ども,純粋リスクと投機的リスクには異なる特徴があることは認めている。 かし, ることを指摘する点で重要である。

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は,投機的リスクと純粋リスクの密接な関係を示す例として,次の例を 挙げる。「製品の生産に際しては,生産に従事する従業員の被傷,または欠陥製 もしくはその者による提訴という可 これらの潜在的な偶発的損失

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を処理するコストは,それを防ぐものであれ,填補するものであれ,投機

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品による利用者の傷害ならびに就労不能, 能性を処理することが必要となる。 的な利潤獲得のための費用である。」 Head, G.L.[1991], p..9 森宮康 [1985],p.. 21 (34) (35)

(13)

315 リスク・マネジメントの対象リスクについて -161-この説明を純粋リスクと投機的リスクの用語を用いて説明すると次のように なる。ある製品の生産活動およびその販売活動自体は,利得と意図せざる結果 としての損失の機会を含む,投機的リスクの次元のレベノレである。しかし,生 産活動には,

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訴訟のごとき純粋リスクが必ず派生して生じてくる。このリ スク処理には当然コストがかかり,他のコストと同様に製品価格に反映される。 価格の上昇はその製品の競争力に影響をあたえるから,再び投機的リスクの問 題に立ち返ることになる。逆に,良好なリスク・マネジメントによるリスク・ コストの軽減が製品の競争力を高めるという意味でも投機的リスクに強く作用 することになる。 このように,企業活動においては,投機的リスクが派生的に純粋リスクを生 じ,その純粋リスクを処理することがさらに投機的リスクに作用するという形 態をとることで,両者は密接に結びついているのである。しかも,前述したよ うに,純粋リスクも投機的リスクも損失をもたらし,それが企業活動に大きな 影響を与えうるという意味では変わりがない。確かに,その意味で,両者を峻 別する意味はないといえよう。 。 副 次に, Greeneらの見解を例にとり,検討することにする。この見解もまた, 従来の通説とは違い,リスク・マネジメントの対象リスクを純粋リスクのみで あるとは考えていない。もっとも,

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日来の二分法に基づいた上で,純粋リスク に加え,投機的リスクの一部も含むものと考えている。さらに,ここで紹介す る見解はリスク・マネジメントの対象リスクの範囲そのものについて論じてい

1) るわけではなく,信用保険の説明において展開される。 しかしながら,この見解は純粋リスクと投機的リスクの峻別の意味を考える うえで,非常に示唆に富むものである。彼は,信用保険が対象とする信用リス クは,投機的リスクと純粋リスクの双方を含むものであり,それゆえ,信用保 険は投機的リスクの保険化の一例であると理解している。興味深いのは,信用 (36) Greene, M. R and Serbein, 0..N. [1983J, p 292 (37) ここでいう信用保険は,信用取引における,買い手の債務不履行により売り手が被る損 害を対象としているものである。

(14)

-162- 香川大学経済論叢 316 リスクが投機的リスクを含むとするその根拠である。 彼によれば信用リスクには純粋リスクおよび投機的リスクの両者が含まれる とする。 まず,信用リスクに純粋リスクが含まれる理由として,買い手の債務 不履行の原因として,火災,爆発などの偶発的な事故が考えられるからだとい フ。 これらは,いずれも純粋リスクであり, 側 それが原因となる信用リスクもま た純粋リスクを含むのであるとする。 次に,信用リスクに投機的リスクの要素があることの根拠として,債権者が 信用保険を契約する理由から説明する。信用リスクを保険者に転嫁することで, 債権者は, この保険を契約しないときより,多くの売上と利潤を手にすること ができる。信用保険がなければ,信用供与を鴎踏するはずの債務者に対してさ え,信用供与をなすことで,売上をのばすことができるのである, とする。つ まり, この信用供与は利潤を得ることができる反面,損失を被るおそれもある から,投機的リスクなのである, とする。 ここで,注意しておかなければならないことは,投機的リスクと純粋リスク という伝統的な分類法を用いる以上, この区分はペリノレを基準としなければな らないことである。あるペリルの結果が損失のみをもたらすリスクが純粋リス クであり, あるペリルの結果が損失だけでなく利潤をもたらす機会をも合わせ 持つリスクが投機的リスクである, と分類されるのである。信用リスクにおげ るペリノレを考えた場合には, それは債務不履行と考えるべきである。それは, 損失の直接的原因が債務不履行であることから明らかである。ペリ1レである債 務不履行が現実のものとなったとき損失が発生する一方,債務不履行が生じな かった場合には,約定通り債務が履行されるだけであり,格別それ以上何らか の利益が生じるわけではない。 したがって, この信用リスクは,純粋リスクで (38) つまり.Greeneは,保険化しにくい投機的リスクが付保できる例外的な事例として考 えている。このほかにも,例えば,変額保険やストライキ保険が同じく例外的な事例であ ると考えている。 Greene,M R and Serbein, O. N [1983J, pp.291白302 (39) もっとも,債務不履行の原因として,より重要なのは,債務者の経営能力であるとする。 債務者の経験不足,能力不足が債務不履行につながるとするのである。 (40) Greene, M R and Serbein, 0.N. [1983J, p..293 (41) 保険事故が債務不履行であることからもわかる。

(15)

317 リスク・マネジメントの対象リスクについて -163-あって,投機的リスクではない。純粋リスクと投機的リスクを区分するとき, ペリルである債務不履行がいかなる理由に基づくかは,考慮されない。 しかし,

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は,債務不履行というペリルを基準に純粋リスクと投機的リ スクの区分をしない。損失を生じさせる債務不履行は,債務者に対する信用供 与の結果生じたものであることから,信用供与に焦点をおいている。信用供与 がなければ,そもそも債務不履行は発生しない。そして,この信用供与とは, 売上をのばし,利潤を得るために行われたものである。その反面,損失に至る 側面をも有する。信用供与は利潤をうる機会もその反面損害を被るおそれもあ るから,投機的リスクである,とする。 確かに,債務不履行は,信用供与を前提に生じるものであり,信用供与が何 らかの利潤の獲得を目的に行われることも理解できる。ただ,この投機的リス クと純粋リスクの区分の仕方には問題がある。伝統的な純粋リスクおよび、投機 的リスクの

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分法を前提に検討している以上,その区分原理を無視する訳には いかないはずである。したがって,リスクは,損失の直接的な原因であるペリ ノレを中心に区分しなければならない。ペリルそのものでなくして,ペリノレにつ ながる原因に投機的な性質がみられることを基準としてリスクを

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つに区分す ると,その両者はもはや純粋リスクとも投機的リスクとも異なる新たな概念に なる。 つまり,この見解を是認すると,投機的リスクの意味するものが従来とは, まったく異なってしまうのである。すなわち,企業活動に関わるリスクのほと んどが,投機的リスクになるのである。例えば,貨物保険を考えてみる。船舶 の座礁というペリルを考えた場合,このペリlレが生じたことにより,荷主に損 害が発生する。生じなければ損害は発生しない。したがって,通常これは,純 粋リスクと捉えられる。しかし,

Greene

の見解を適用すると,まったく異なる。 このペリルの結果が損失のみを生み出すか否かには拘泥しない。座礁の遠因が 海上運送にあること,そして,その海上運送の目的を問題にする。いうまでも なしこれは荷主が利潤をうるためにおこなわれたものである。したがって,

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の見解では,座礁による損害発生のおそれという,通常純粋リスクとし

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-164- 香川大学経済論叢 318 か考えられないリスクが投機的リスクと説明されることになる。

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の見解はこのように,伝統的な二分法を前提にしているにもかかわら ず,明確な説明なしに投機的リスク概念を拡張していることに無理がある。伝 統的な二分法を前提にリスクを区分するなら,ベリルを基準に投機的リスクと 純粋リスクの区別をしなければならない。ペリルの原因を基準にすることで, 投機的リスクの範轄を広げる

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の説明には問題がある。 しかしながら,逆説的であるが,まさにこの彼の指摘がリスク・マネジメン トの対象範囲を考える上で,有力な手がかりをあたえている。つまり,投機的 リスクと純粋リスクの二分法そのものが,対象リスクの区分として不十分であ ることが明らかにされるのである。

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の説くように,信用リスクを考える とき,債務不履行というペリノレのみにとらわれると,このリスクを充分に処理 することは難しい。そもそも,債務不履行を引き起こす原因となった信用供与 までをも考えねばならない。さもなければ,適切な処理策を考えることが困難 となる。ところが,信用供与を行うか否かは,これまでの区分法をもちいるな ら,当然,投機的リスクを処理することになる。 この

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の例から,リスク処理をおこなう場合に,純粋リスクと投機的リ スクの両者は,そもそも,区分して考える意味がない場合があることがわかる。 つまり,両者を区分すること自体が不可能であることを示している。この場合 には,

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の例示より,両者の結合の度合いは強い。

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の例では,投機的 リスクが純粋リスクを付随的に発生させ,その発生した純粋リスクの処理の結 果が,投機的リスクに作用するという形で両者の結合の強さが示されていた。 このとき,両者は密接な関係にはあるものの,純粋リスクのみに働きかけて, その処理をおこなうこと自体は,決して不可“能ではなかった。それに対して,

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の例では,純粋リスクの処理をはかることがそのまま投機的リスクの処 理に直結している。それゆえ,このとき両者は,一体のものとして把握されな ければならず,あえて,ペリルを基準とする従来の区分をしても,リスク処理 には意味がない。

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319 リスク・マネジメントの対象リスクについて -165ー V お わ り に 前述したように,企業経営において,投機的リスクは純粋リスクを生ぜしめ, その純粋リスクが投機的リスクに影響を与えるという形で両者は密接な関係に ある。さらにすすんで,純粋リスクと投機的リスクは一体のものとして,切り 放して考えることができない場合もあった。このときには,リスク・マネジメ ントの対象リスクとしてあえて,両者を区別する必要がなくなる。 そもそも,この従来の分類法は,ペリルを基準に考えるものであることから, そのリスクの性質のー側面をあらわすものにすぎない。リスク・マネジメント は,ただ単に,ペリノレに働きかけるだげではない。ペリルより前の段階,すな わち,ハザードが認識される段階から,リスク・マネジメント・プロセスは始 まっている。その意味でも,ペリルの原因に自を向けにくくなるこの区分は, リスク・マネジメントにおいては,最適な区分法ではない。 したがって,これまで,従来の通説が当然の前提としてきた,保険的観点に とらわれた純粋リスクと投機的リスクの峻別には,リスク・マネジメントにお いては,大きな意味がないと考えられる。確かに,純粋リスクと投機的リスク の区分がリスク・マネジメントに意味がないとすることから,企業が直面する リスクをすべて包含するべきであるとまではまだ即断できない。対象リスクの 範囲を何らかの形で制限する必要はあるかもしれない。しかしながら,リスク・ マネジメントの対象範囲を限定するためには,この伝統的な二分法以外の観点 から新たなリスク区分をおこない,その成果を前提に限定をおこなう必要があ るものとおもわれる。 参 考 文 献

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-OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

参照

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