• 検索結果がありません。

アグロバクテリアを用いた遺伝子導入法のイチゴ属植物への応用-香川大学学術情報リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "アグロバクテリアを用いた遺伝子導入法のイチゴ属植物への応用-香川大学学術情報リポジトリ"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

香川大学農学部学術報告 第42巻 第2号 205∼211i1990

アグロバクテリアを用いた遺伝子導入法の

イチゴ属植物への応用

京 正晴,白井宏枚*

Application ofAgr・Obacter・ium−mediated gene transfer

methodinFr・agari−a

MasaharuKYOandHiroeSHIRAl*

Agr・ObacterizLm−mediatedgenetranslermethodwasattemptedin針agaria・Hairyrootsweresuc−

cessfullyinducedfromstrawberry(打agariaxananassaDucHESNE)explantsinfectedwithAgr.obact−

eTiuTnThizqgenesA4,SuggeStingthatT−DNAtrans董eranditsexpression were possiblein針agaTia・

Transerofβ−g1ucurOnidase(CRB)geneandneomycinphosphotranseferase(NPT)geneintotobacco(Ni−

cotianatabacumL.varSamsun)andAlpinestrawberry(凡uescaL.var小SemPerjloreTW)was tried by

applingthebinaryvectorsystem・Intobaccotheexpressionofthetwo geneS and theintegration of

GUSgeneintotheplantgenomewereconfirmed,however・inAlpinestrawberryneitherexpressionof

thetwogeneSWaSObserved. アグロバクテリアを用いた遺伝子導入法のイチゴ属植物への応用を試みた.AgroわαC亡er血mrゐizogene5A4を 用いてイチづ(針agariaxananassaDucHESNE)に毛状板を誘導することができたことからアグロ/(クテリ17に ょるT−DNAの転移と遺伝子発現はイチゴ属植物において可能であると思われた.β−ダルクロニダー・ゼ遺伝子およ びネオマイシソフォス・フォトランスフニラ・−ゼ遺伝子をパイナ・リ・−ベクタ、−・方式によってタノミコ(〃ico如几α亡αむ− αCαmL.varいSamsun)と再生頻度の高かったアルペンイチゴ(凡リeβCαL.vaLぷempe′ノわre′鳩)に導入すること を試みた.ク′くコでは両者の発現と前者のゲノム内の存在が確認されたが,アルペンイチゴではいずれの発現も観 察されなかった. 緒 口 高等植物への遺伝子導入技術は,主に組織片からの再生頻度が高いナス科植物を中心としてここ数年急速に進歩 し,薬剤耐性遺伝子やレポ・一夕・一遺伝子以外にも農業上窟安な意味を持つ様々な遺伝子の導入と形質発現が報告さ れている(1).今後この技術は様々な植物種に応用されて既存の技術と併用されながら育種に利用されて行くと考え られる.現在双子菓植物において最も確実に遺伝子を導入し発現させる方法ほ,土壌性の植物寄生菌であるアグロ * 現在,香川県高等学校教員

(2)

香川大学農学部学術報告 第42巻 第2号(1990) 206 バクテリアの感染によってTiプラスミド上のT−DNA領域が宿主染色体に組み込まれる現象を利用したアグロイ ンフェクシ≡ソ法である.最近開発された/くイナリ・−ベクター方式のアグロイン・7ェクショ/法(2′3)では,本来 はTiプラスミド_t:に存在するT−DNA領域を比較的小型のプラスミド上に独立させてありT−DNA領域の遺伝子 操作が容易である.そして植物細胞内で発現する適切なプロモータ・−・,構造迫伝子,タ・−ミオー・タ・−を備えたDNA 断片せ で−DNAの左右境界配列の間に挿入すれば任意の遺伝子を・双子菓植物に導入し発現させることが可能であ る.本研究では上述のノような遺伝子導入法がイチゴ属植物にも適用可能であるかどうかを調べるために,4㌢0わα− cねriぴmrんizogerleSによる毛状板の誘導およびA‖f払mq/bcierlSを用いたバイナリー・ベクタ・−・力式によるカナマ イシ∵/耐性遺伝子とダルクPエダ・−ゼ遺伝子の導入を試み,問題点と可能性について考察した. 材料及び方法 バクテリア及びプラスミド AgrobacteriumThizQgeneSA4はAmericanTypeCultureCo艮ection(Rochvi11e,Maryland)より騎入した. T−DNA領域を欠失したTiプラスミド(pAL4404)

を有するA.£以mq/dcie那LBA4404(2),およびプラ

スミドpRK2013(4),pBI121(3)を宿する大腸菌

(励eゐerわんぬco∼孟HBlOl,C600)は市販品(でoyobo, Osaka)を用いた.pBI121は大腸菌,■7グロバクテ リアいずれでも機能する広宿主域複製開始点を有し, T・・DNAの左右境界配列(LB,RB)の間に図1にI示 したようにプロモ・−・タ・−およびクー・ミネ・−・クーを備 えた,選択■マ・−カ、−としてのネオマイシソ■フォスフ ォトランスアエラ・−・ゼ遺伝子(NPT,カナマイシ 耐性迫伝子)およびレポ・一夕・−・遺伝子としてのβ一 グ/レクPニダ1−・ゼ遺伝子(GUS)が挿入されている. NOS

PrO NOS帥5S t8r PrO NOS te「

NPT(Kmr) GUS(βqucuronidas威 RB て一DN4 図1pBI121とそのT−DNA領域の構成 NOS−pf0:ノバリソ合成酵素遺伝子プロモータt−,NOSter:ノ バリソ合成酵素遺伝子クーミネ1−タ・−,CaMV35S−prO:カリ17 ラワ・−モザイクウィルス35Sプロモ・−・クー トリペアレンタルメティンゲによる月gro加納血のへのPB1121の導入(23) pRK2013を有する大腸菌,pBI121を有する大腸菌およびA..舌αmq/dcお花ざL王∋A4404の三者をL王∋培地上で 250C一晩共存培養(tri−parentalmating)した後,′くクテリアを10mMMgSO4で遠心洗浄し沈澱を適宜希釈しカ ナマイシソ200ppmを含むminimal培地(5)上で25。C,3日培養後,単一・コロニ・−せスクリ・−=・こ/グした. Minimal培地上での大腸菌の増殖はアグロ/くクテリアのそれよりも遅く,pBI121は図1に示したように原核生物 で発現するカナマイシ∵/耐性遮伝子も有しているのでpBI121を導入されたアグロ′くクテリアを選抜できる.導入 されたpBI121はアルカリーSDS法(5)によって抽出しHindⅢ,EcoRIで完全分解後,アガP1−スゲル電気泳動に よって確認した. アグロバクテリアの葉切片への接種と形質転換体の選抜 タバコ(JⅥeo如几α亡αむαCぴmLいVar.Samsun)またはアルペンイチゴ(打αgαr£αUe5eαLいVar∴SeJγゆer.βore−

,W,サカタのタネ,横浜)の無菌植物は滅菌した種子を2倍希釈したMurashige−Skoog培地(6)(1/2MS)で培養

することによって得た.この植物体の菓切片(0.5cm角)をpBI121を導入したA爪tuTnq/dciensLBA4404の20 hr培重液(LB培地)に30秒浸した後,再生に適した植物ホルモン組成を含む1/2MS寒天培地(再生培地)に置

(3)

京 正晴,白井宏枝:イチゴ属植物への遺伝子導入の試み 207 床した(pre−Culture).ニ日後アグロ/:クテリアの増殖を抑えるための100ppmクラフォラン(HoechstJapan, Tokyo)と形質転換体選抜のためのカナマイシソ(0−100ppm)を含む再生培地に移植し250C明条件(10,0001ux) 下で培養を続けた.菓片止に生じた不定芽または幼植物体は同じ組成の培地に移植し除菌をかねて成長させた.除 菌が完了したことは植物体の組織を無菌的に親してLB培地に塗布し,数日培養してもバクテリアの増殖がみられ ないことによって確認した. 毛状根の誘導とオパインの検出 イチづ(針agaT・iaxanムnassaDucH:var.Ai−berry)のランナーを1/10希釈のアンチホルミソで滅菌し滅菌 水で十分に洗浄後,約1cmの断片としてMS寒天培地に直立させ,その上端にA…rゐおoge花eざA4を塗布し,明 所で培養した.約=.ケ月の後,生じた毛状板をタラ7ォラン100ppmを含む1/2MS寒天培地に置床し暗所にて二 度継代した後,1/2MS寒天培地で継代した.アグ1:ピソ,マンノピソの検出ほTepferらの方法(7)によ・Dた. 導入された遺伝子の検出 カナマイシ∵/耐性とGUS活性を示した形質転換体植物の菓組織約2gからCTAB法(9)に・よって約40pgの DNAを得た.1iindⅢとEcoRIにより完全分解した後アガロースゲル電気泳動により分離し,Southern法(5) によりニーロセルロト−ス膜に転写した.低融点アガロ・一ス法で精製したpBI121の]沌ndⅢ,EcoRI断片せ血− goxigenin−dUTPで標識したものをブロープとして,上述のニトロセルT=−ス膜にハイプリダイズしELIZA法で, 植物に導入されたGUS退伝子を検出した.プp−−ブの標識とELIZA法ほ市販の“DNALabe最ngandDetectiorl Kit”(Boehringer−Mannheim,W.−Germany)のプpトコールによった. GUS活性の組織化学的検出 5−bromo−4−Chloro−3.indolylglucuronide(Ⅹ−glu)を2mM含むリソ酸カリウム緩衝液(pH7…0)をミリポアで 除菌した後プラスチックシーt−・レにマウントし,形質転換植物の菓,茎,板,茎頂などの組織切片を浸し250C暗 所で一塊インキユべ−卜した後,顕微鏡観察した.β−ダルクロニダ・−・ゼの存在部位に於てⅩ−gluは分解を受け最終 的にイソジゴとなり青色が観察される.乗組織に関してはさらに一晩70%ユタノ−・ルに浸してクpbフィルを脱色 してから観察した. イチゴ属の棄切片からの再生条件の検討 茎頂培養で得られたイチゴ(舟喝αriα×α托α几αβ云αL‖Var..DucHいノの3品種,アイペソ・−,みよし,とよのか の無菌植物,および滅菌種子から得られたアルペソイチゴの無菌植物を材料としてそれらの乗切片(0..5cm角)を オ1−キシソ(2,4−dichlorophenoxyaceticacid,2,4−Dまたは1−naphthaleneaceticacid,NAA),およびサイト カイエソ(ben2:yladenine,BA)を含む1/2MS寒天培地に置床し250C,10,00Ohx照明下で培養した. 結 果 アグロバクテリアの遺伝子導入能力の確認 Tri−parentalmatingの後選扱されたアグロ/くクテリアをク/(コ乗切片に感染させ形質転換植物の選抜を試みた. pre−Cultureの後,菓片をBAlppm,クラフォラソ100ppm,カナマイシソ0,301,またほ100ppm含むMS 寒天培地に置床した.コソ∵トロ・−ルとしては菓片をLB培地に浸したものを同様に培養した.約−サ月後の再生状 況を表1に示す.カナマイシソ0,30ppm存在下ではアグロバクテリア処理区,無処理区いずれにおいても全て の菓片で多数の再生体の出現がみられたがGUS活性を示した個体はなかった.カナマイlシソ100ppm存在下で ほアグロバクテリア処理区において再生頻度はやや低いものの,再生個体の組織片せⅩ−gl11溶液中で一塊インキュ

(4)

香川大学曲学部学術報告 第42巻 第2号(1990) 208 開

院苛

べ−トすると通導組織や傷害部位が青く染色された.100 ppmカナマイシソ存在下で再生した再生個体の73%にお いて上述のような組織特異的GUS活性がみられ,形質 臨 転換体であると考えられた.無処理区では再生体の出現 はみられなかった.カナマイシソ耐性とGUS活性をと もに示した個体のうち1個体について導入遺伝子の検出 表1 タバコ形質転換体の選抜 カナマイシソ(ppm) 0 30 100 十Agroinfection 再生頻度(%)

1001)100 30

GUS陽性個体(%) 0 0 73 Control 再生頻度(%) 100 100 0 GUS陽性個体(%) 0 0 nd 図2 サザソハイプリダイゼーショソによるタバコ形質 転換体のGUS退伝子の検出 M:marker,C:COntrOl,非形質転換体DNA20FLg,T:形質転 換体DNA20〟g 1)(再生個体のみられた葵片数/培養菜片数)×100 を試みたところ,pBI121のHind軋咽coRI断片と同じ3kbpの位置にバンドを検出することができた(図2). Tri−Parentalmatingによって得られた23系統の/くクテリアを用いて同様にタ′;コの形質転換を試みたところ21系 統においてほぼ同程度の頻度でGUS活性を示すカナマイシソ耐性個体が得られ,遺伝子導入能力が認められたが 2系統でほ認められなかった. イチゴ毛状根の誘導と毛状堰からの再生体の試み アグロバクテリアがイチゴ属植物に感染できるか否かを調べるために,4groわαCfer云比mrんねoge托e∂A4をアイ ベリーのランナーの切片に感染させたところ約ニケ月後に鮮紅色の毛状板の出現がみられた(図3−A).この毛状 板は植物ホルモンを含まない培地上で旺盛に成長し(図3−B),アグロピソ,マンノピソの存在も確認された(図 3−4)ことから,T−DNAが導入されていると判断された.この毛状板を1/2MS培地を基本としてBA(0,0.1, 図3 A)イチゴのラソナー切片に生じた毛状板,Bar=1cm,B)寒天倍地上での毛状板の増殖,Bar=1cm, C)濾紙電気泳動と銀染色によるマソノピソ(m)とアグロピソ(a)の検出,1)マ∴カーとしてのトマト 毛状板抽出物,2)イチゴ無菌植物棍部抽出物,3)イチゴ毛状板抽出物.0=Orlgin

(5)

京 正晴,白井宏枝:イチゴ属植物への遺伝子導入の試み 209 0.3,1ppm)とNAAまたは2,4−D(0,0.1,0.3,1ppm)を28通りの組合せで添加した培地に置床したところ− 部で活発なカルスの増殖がみられた. イチゴ属の薬片からの再生条件の検討 上述の毛状扱が良好な成長を示した 1/2MS培地を基本とし,BA(0,0.1, 0.3,1,3,5ppm)およびNAAまた ほ2,4−D(0,0.1,0.3,1ppm)を含 む42通りの培地上でイチゴ3品種の薬 片を培養し再生を試みた.1濃度区当 たりに供した乗切片数ほ,アイベリー 20−120切片,とよのか8−12切片,み よし6一里2切片であったが,前者2晶 しかしながら再生体の出現はみられなかった. 表2 アルペンイチゴ菓片からの再生条件の検討 NAA(ppm) 2,4−D(ppm) BA(ppm) 0 0.1 0.3 1 0.1 0.3 3 8 8 2 7 8 鋸肘一射鋸鋸 1 4 888177 ′/ / ′/ ′/ / / 0 0 0 9 0 0 3 8 8 0U 3 8 7 ′/ ′/ / / / / 0 0 0 3 0 0 1 3 . 0 0 0 1 3 5 6 8一・エ 8 8 一鋸射∴W釘 1 7 0 8 1 8 1 一鋸=∴W釘 l 0/8 0/8 0/22 19/32 0/6 4/8 0/9 2/8 1)(再生個体の現れた薬片数)/(匿床した葉片数) 種では再生個体はみられず,みよしにおいてはBAlppm,2,4㌻DO.1ppmにおいて1個体のみ再生した.アルペ ソイチゴでほBAIppm,NAAまたは2,4−DO.1ppm存在下において置床した切片の12−81%に再生体の出現が みられた(表2). アルペンイチゴへの凋伝子導入の試み 上述のように,アルペンイチ ゴにおいてきわめて高い再生頻 度が得られたので基本培地とし てBAIppm,2,4−DO.1ppm を含む1/2MS培地を用いてタ /くコの場合と同様の方法で遺伝 子の導入を試みた.約3ケ月の 培養後の結果を表3に示す.タ バコの場合と異なりカナマイシ ソ存在下では再生体は全く見ら れなかった(図4−A).カナマ イシソOppmでほ,アグロバク テリア処理区及び無処理区にお いて置床した薬片のそれぞれ20 %及び71%(図4−B)において再 生体の出現がみられた.アグロ バクテリア処理区で得られた再 生体約180個体を除菌をかねて 同じ組成の培地に移植しその菓 片を用いてGUS活性の組織化 学的検出を試みたがいずれから も検出されなかった. 囲4 アルペソイチゴ菓片からの植物体再生 カナマイシソ10ppm(A),Oppm(B)含有. 表3 アルペンイチゴ形質転換体の選抜 カナマイシソ(ppm) 0 10 30 100 +Agrohrection 再生頻度(%)

201) 0

0 0 GUS陽性個体(%) O

nd2) nd

nd Control 再生頻度(%) 71 0 0 0 GUS陽性個体(%) O nd nd nd

1)(再生個体のみられた薬片数/培養葉片数)×100

2)n。td。ne

(6)

香川大学農学部学術報告 第42巻 第2号(1990) 210 考 察 野生種に近いアルペンイチゴは二倍体積(2n=14)であって,栽培種(2n=56)である,とよのか,アイペソ −,みよしとは異なり適切なホルモン濃度区においてはタバコに匹敵する再生.頻度を示すことが分かった.この榛 端な相違は遺伝的要因,とくに倍数性の違いによるのではないかと想像される. Tri−parentalmatingによって得られたバクテリ7の約90%ほタバコに対して遺伝子導入能力があると考えられ た.造伝子導入能力を確かめた1系統を用いてアルペンイチゴにNPT遺伝子およびGUS遺伝子の導入を試みた が再生個体中にはいずれの形質を示すものも見られなかった.このことはi)アグロパタチリ■7の感染が成立しな かったかii)NPT,GUS遺伝子のプロモpタl−・として用いたNOS−プロ・モーター,CaMV35S−プロ“モーターPが 機能しなかった可能性が高い. A.餌mq/acまe71さとA.r勉ogeJleざの植物への感染機構は類似していると考えられ,アイペソ、一においてA.r鮎一 之oge乃eSが感染して形質転換体である毛状板が得られたことは他の品種およびイチゴ属においてもA・・r九iz呼eneβ やA.£αm的cie花βの感染が成立しうることを強く示唆するものである.アグロ′くクテリアの感染に際して働くTi プラスミド上のVir領域に存在する通伝子群の発現は,フ盟ノ・−リレ性化合物であるアセトシリンゴソや単糖塀に・よ って活性化されることが知られている(81ァ′レペソイチゴにアグロバクテリアを感染させる場合にそのような物質 を培地に添加しておくことは葡効かも知れない.また今回の実験では菓切片にアグロバクチリ■7を接種し,pre− cultureの後,タバコと同様にすく小にカナマイシソを含む選択培地に移植したが,イチゴ属ではタ′くコの場合より も導入された遺伝子の発現に時間を要することも考えられるので,不定芽の形成がみられる時期まで培養してから カナマイシソ培地へ移植した方が形質転換体が得られる可儲性は高いと思われる.また導入遺伝子の発現畳やカナ マイシソに対する感受性なども考慮して選択培地のカナマイ・ンソ濃度を下げることも検討する必要がある. 今回の実験ではA,tuTn擁ciens・LBA4404をGUS,NPT遺伝子の導入に用いたが毛状根を誘導することのでき たAいr墟oge柁e5A4にトリペアレソタ′レメイティソグによってpBI121を導入すれは,アイベリーなど食用イチ ゴへのGUSやNPT遺伝子の導入も可儲と考え.られる.ただこの場合には形質転換体は毛状根として得られるの で育種への応用を将来的に考える場合にほ得られた毛状根からの再生を必要とする.結果に述べたようにアイベリ ー・の毛状棍からの再生は今回成功しておらず今後も高頻度の再生は期待できないと思われる.しかし,カナマイシ ソ耐性やGUS活性を示す毛状根が得られればそこからの再生体もほぼ確実に両形質の遺伝子を有していると期待 されるので再生体の形成頻度の低さはそれほど大きな問題ではない.むしろA..r九近oge几egが本来もっているRi プラスミドのT_DNA上に存在する毛状板形成を誘導する遺伝子群が再生植物体の形態異常を引き起こすことが懸 念される. 謝 辞 アイベリーを御提供いただき多くの御助言を賜った本学農業生産学科園芸学大講座・青田裕一債生,とよのかを 御提供いただいた徳島県立農業試験場・小川純一虎に感謝致します.

(7)

京 正晴,白井宏枝:イチゴ属植物への遺伝子導入の試み 211 文 献 (eds):MoleczLlaT・aOning,ColdSpring−Har− boILaboratOry(1982). (6)MuRASHIGE,Tu,F.SKOOG:E%γSioIPlant.15, 473−497(1962). (7)TEPFER,D.A.,J.TEMPE:C…及.Aeαd.βci..Pbr由 292,SerieⅢ,153−156(1981) (8)BoLTON,G.W.NESTER,M.P.GoRDON:Science, 232,983−985(1986). (9)RoGERS,S.0.,A.].BENDICH:mantMolecular .技ogogγ,5,69−76(1985). (1990年5月31日受理) 引 用 (1)UcHIMIYA,H.,Tl鮎NDA,D.S.BRAR:]. 戊0亡ec九几OgOgγ,12,1−20(1989). (2)HoEKEMA,A.,P.R.ⅢRSCH,P.].).HooYKAAS, R.A.ScILPEROORT:八bturJe,303,179−180(1983). (3)JEFFERSON,R。A.,T.A.KAVANAGH,M”W小 BEVAN:乃e且泌βOJり6,3901−3907(1987). (4)DITTA,G.,S.STANFIELD,D.CoRRIN,D.R. H且uNSKI:乃・Oe.肋〟.Acαd.5e王.L唱A,77, 7347−7351(1980). (5)MANIATIS,T.,E.F.FkITSCH,J.SAMBROOK

参照

関連したドキュメント

私はその様なことは初耳であるし,すでに昨年度入学の時,夜尿症に入用の持物を用

〃o''7,-種のみ’であり、‘分類に大きな問題の無い,グループとして見なされてきた二と力判った。しかし,半

マーカーによる遺伝子型の矛盾については、プライマーによる特定遺伝子型の選択によって説明す

同研究グループは以前に、電位依存性カリウムチャネル Kv4.2 をコードする KCND2 遺伝子の 分断変異 10) を、側頭葉てんかんの患者から同定し報告しています

高効率熱源機器の導入(1.1) 高効率照明器具の導入(3.1) 高効率冷却塔の導入(1.2) 高輝度型誘導灯の導入(3.2)

10 特定の化学物質の含有率基準値は、JIS C 0950(電気・電子機器の特定の化学物質の含有表

JP90C000GR04 eMAXIS Neo 遺伝子工学 三菱UFJ国際投信. JP90C000GR12 eMAXIS Neo