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金 額 共 に 自 治 体 中 最 も 多 く, 県 全 体 の ~ 割 に 達 した. 地 域 の 標 高 は ~mと 比 較 的 低 いが, 北 部 の 平 野 部 (Fig.)を 除 く 中 域 には 小 渓 谷 が 深 く 刻 まれ る. 冬 期 の 降 雪 は 多 く, でも 平 年 で

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新潟県中越地震後の時間経過と農業生産基盤の被害発現

有田 博之

*

宮澤 紗文

** * 新潟大学自然科学系,〒950-2181 新潟市西区五十嵐 2 の町 8050. ** 株式会社ツルヤ,〒384-0005 長野県小諸市御幸町 2 丁目 1 番 20 号 要 旨 新潟県中越地震も発生後 5 年を経過し,農業農村分野の復旧は進んだが,農業生産基盤の小規模被害の継起的発生が 続いた.これは地震災害がもつ他災害と異なる特性であり,広範な地盤被害によって一定期間後にも被害が顕現してい るのである.しかし,地震との関連が推測されても,因果関係が不明であることなどの理由から,災害復旧対策が実施 できない.地震災害の固有性に対処するには,長期的対策の必要性が指摘されているが,被害の経年変化に関する資料 が不足しており実施面での困難の要因となっている.本研究では,中越震災地区の経時的な被害特性を手作り田直し等 支援事業の実態や農家アンケートの分析を通じて明らかにし,大規模地震後における長期的な復旧対策を提案した. キーワード:危機管理,災害復旧,経年変化,新潟県中越沖地震,地盤災害 1.はじめに 1 2 1.1 研究の目的 3 大規模地震災害は広範な地盤被害を伴う.このため, 4 災害発生直後に被害内容が確定する通常の災害と異な 5 り,一定期間後に被害が顕現することも少なくない.し 6 かし,地震が原因であると推測されても,因果関係の説 7 明が困難などの理由から復旧支援ができない事態が生じ 8 る.地震災害に固有な事象に対応するには,長期的・経 9 時的な対策の必要性が指摘されているが(木村ら,2004), 10 現段階で具体的な対策に結びつけるには困難が多い. 11 対策が困難である要因の一つは,地震後における経時 12 的被害の根拠となるデータ不足があると思われる.本研 13 究では,新潟県中越地震(2004.10.23:以下,中越地震) 14 で農業施設・基盤の被害が最も多かった小千谷市を対象 15 として,数年に亘る被害発生を追跡・検討し,大規模地 16 震後の経時的復旧対策について提案したい. 17 18 1.2 研究の方法と対象 19 1.2.1 研究の方法 20 新潟県中越大震災復興基金で創設された「手作り田直 21 し等支援事業(以下,田直し事業)」の実態分析と,農 22 家への被害アンケート調査をもとに検討する. 23 田直し事業:地震発生直後の被害だけを対象とする災 24 害復旧事業と異なり,田直し事業は時間をおいて申請さ 25 れるものにも対応した.実施期間は原則 3 年で,10 月末 26 に発生した中越地震では翌年から実施された. 27 40 万円以上/件の災害を対象とする災害復旧事業に 28 対して,田直し事業は 40 万円以下/件の小規模被害を対 29 象とした.補助対象は,原則として中越・中越沖地震発 30 生直後に発現したものである.しかし現場では,遅れて 31 確認された被害のほか,時間をおいて発現した被害の一 32 部も支援するなど,柔軟な対応が行われた. 33 農家アンケート:農家から見た経時的・追加的被害の 34 実態を把握するため,記入式の戸別アンケートを 2009 35 年 3 月に実施した.調査票は,農家組合による生産調整 36 の会議時に,市役所担当者を通じて各戸一部宛て,計 37 3408 部を配布した.個票は封印し,農家組合を通じて市 38 役所農林課が集約し,1535 戸(45%)の回答を得た. 39 1.2.2 調査対象地区の概況 40 小千谷市は,中越地域南部にある(Fig.1),人口 40,042 41 人,世帯数 12,351(2007.08 現在)の都市である.2004 42 年 11 月の集計では,中越地震の県全体被害に占める割合 43 は被害箇所で 40%,被害額で 30%に達し,人口の 3/4 以 44 上が避難生活を強いられた.また,農地を初めとする農 45 業生産基盤・施設の被害も著しく(Table 1),被害件数 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 Fig.1 小千谷市の位置と農業集落の地域区分 58

Location and area classification of the agricultural settlement of Ojiya

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・金額共に自治体中最も多く,県全体の 3~4 割に達した. 1 地域の標高は 27~581mと比較的低いが,北部の平野 2 部(Fig.1)を除く中・山間地域には小渓谷が深く刻まれ 3 る.冬期の降雪は多く,平野部でも平年で積雪深 100cm, 4 累積積雪量 700cm に達する.耕地は水田が約 9 割(Table 5 2)と支配的である.地域は錦鯉養殖の発祥地であり,東 6 ・南部の山間地を中心に多数の養鯉池が展開する. 7 8 2.田直し事業による復旧 9 10 2.1 田直し事業の概要 11 田直し事業で実施された工事の内容は,①農道・用排 12 水路・養鯉池等における小規模被害の復旧(補助率 3/4), 13 ②農地の地力回復対策(補助率 1/2)であった.申請の受付 14 は市町村窓口で行い,復興基金事務局が認定したものに 15 補助が行われた.中越地震・田直し事業では,2005~2008 16 年に合計 2,309 件,6.5 億円が投下された.田直し事業は 17 3 年を期限としたが,止むを得ない事情で申請が遅れた 18 ものには 2008 年度も対応した.また,同事業は 2005 年 19 度に設けられたが,それ以前の施工事例にも現場写真が 20 あるなど一定条件を満たせば遡及的補助が行われた. 21 22 2.2 田直し事業の経年変化 23 事業件数の経時変化(Fig.2)の特徴は,以下の 2 点で 24 ある.①事業実施件数は 2006 年度に最大値となり,その 25 後減少するが,数年に亘って実施例が多い.②時間経過 26 と共に復旧工種の構成に変化が見られる. 27 田直し事業の件数が,2006 年度に最大値となったの 28 は,水路の件数増に加えて,田の件数が微減にとどまっ 29 たことによる.事業最終年の 2007 年度には件数は減少し 30 たが,それでも前年度のほぼ 2/3 の高い水準である.2008 31 年度における大幅減少は,3 年以内の申請が困難であっ 32 た事例だけを例外的な対象としたためである.自然減も 33 あるが,件数の減少は制度的要因に強く規定されている. 34 現地での聞き取りでも,田直し事業が延長されれば申請 35 したいという話を多く聞いた. 36 工種別件数を見ると,水田復旧が最も多い.とりわけ, 37 2005 年度は水稲の作付け率確保が地域目標であったた 38 め,水田の小規模復旧は積極的に行われ,その後も大き 39 なシェアを占めた.2 番目に多いのは水路であるが,水 40 田よりやや遅れて申請される傾向が見られた.水田復旧 41 が農家意識の面で優先された事情もあるが,水路復旧は 42 複数の関係者の合意形成を必要とするほか,パイプライ 43 ン被害に象徴されるように直ぐには確認できない被害も 44 あることなどの制約が原因したと考えられる. 45 46 2.3 経時的な被害発生の特徴とその要因 47 田直し事業は,単年度限りで採択する災害復旧事業と 48 異なり,複数年度に亘って採択して復旧を支援した.こ 49 Table 1 中越震災における新潟県・小千谷市の被害 50

Damage of Niigata pref. and Ojiya c. bythe Mid-Niigata Prefecture

51 Earthquake in 2004(MNPE2004) 52 自治体 農業生産基盤・施設合計 農 地 箇所 金 額(円) 箇所 金 額(円) 小千谷市 5,893 225億9,400万 1,605 42億300万 新潟県計 14,765 688億1,100万 3,985 155億9,300万 *)新潟県農地部ほか(2006)より加工・引用 53 54 Table 2 小千谷市の農地面積 55

Farmland area of Ojiya

56 地域 類型 総面積(ha) ① 農地(ha) ② 水田(ha) 農地面積率 (%) ②/① 平野部 4,784 1,503 1,301 31 中間地 6,813 1,113 985 16 山間地 3,914 245 211 6 合計 15,511 2,861 2,497 18 *)2005 農業センサスデータをもとに作表 57 58 59 Fig.2 田直し事業件数の経年変化 60

Change in the number of application to the Small-scale Disaster

61

Restoration Project (SDRP: In Japanese "Tezukuri-tanaoshi-tou

62 -shien" Project) 63 64 うした実施方式によって,①農家が復旧対策を講じるま 65 でに一定の時間が必要であったもの,②大規模地震によ 66 って形成された素因が時間をおいて発現する,「目に見 67 えない被害」(木村ら,2004)への対応が行われた. 68 2.3.1 施工までに時間がかかった被害 69 復旧対策を講じるまでに時間を要した事例が,中越地 70 域では少なくない.詳細は 4.2 で述べるが,いくつかの 71 事例を示し,事業への取り組みの「遅延」が,大規模地 72 震では不可避であることを指摘したい. 73 事例 1:中越地域では,全村避難や道路の途絶等の事 74 情で暫く現地に入れなかった農家は多い.仮設住宅の入 75 居者が帰村できたのは 2006 年春であったが,この時に初 76 めて被害を確認した農家は少なくない.申請があれば、 77 この時点での被害に田直し事業が適用された. 78 事例 2:農家の多くは地震被害の大きさにショックを 79 受け,暫くは帰農意欲を回復できなかった.意欲を回 80 復したのは,生活再建に目処が立って以降であった. 81 2.3.2 遅れて発現する目に見えない被害 82 被害の特徴:目に見えない被害は,地震で形成された 83 地盤内の被害等の「素因」が一定期間後に物理的要因等 84 の誘因によって発現するものである.しかし,以下の事 85

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例に示すように現場では地震との因果関係の証明が困難 1 であるため補助の対象となりにくい. 2 事例 1:二作を経験した後,道路が陥没した場所を掘 3 り返すと,パイプラインの損傷が見つかった.損傷は地 4 震で生じたと思われたが,微細であり,埋設物であるた 5 め,地震直後の通水試験・目視等では確認できない. 6 事例 2:地震の翌春に,田面が突然に陥没した.亀裂 7 の存在が陥没断面に確認できたが,地震直後の目視によ 8 る調査では発見できなかった. 9 中越沖地震と田直し事業:目に見えない被害の広範な存 10 在を傍証するものとして,震度 6 弱(小千谷市)を記録 11 した新潟県中越沖地震(2007.07.16:以下,中越沖地震) 12 の被害がある. 13 中越沖地震でも災害復旧事業・田直し事業が適用され 14 た.小千谷市では災害復旧事業は 3 件に止まったが(Table 15 3),田直し事業は,2007~2008 年度に 153 件が実施さ 16 れた.中越沖地震の発生が作付け期間中であったことも 17 影響したのか,2007 年度は少ないが,2008 年度は 116 18 件に増加し,同年の中越地震・田直し事業 54 件を上回っ 19 た.これは,中越地震では両事業の件数がほぼ均衡(有 20 田ら,2009)したのと,対照的傾向である.地震被害は 21 個別性が高いため,限られた情報をもとに断定できな 22 いが,中越沖地震では田直し事業が災害復旧事業を圧 23 倒したことは注目される.中越沖地震は,中越地震で 24 広範に形成された素因を「吐き出」させる機能を果た 25 し,田直し事業の多数傾向に繋がったと推測される. 26 27 3.農家アンケートによる経時的被害調査 28 29 3.1 農家アンケート 30 制度上の制約もあるため,田直し事業の推移だけで 31 は経時的な被害発生実態を十分に把握できない.2009 32 年 3 月に実施した農家へのアンケート調査では,地震 33 発生後 4 年半を過ぎた時点までに行われた,農家各戸 34 の被害対応履歴を把握した.アンケート票の回収率は 35 45%(1535/3408)であったが,分析に利用できた有効 36 回答はその内の 1324 であった(Table 4). 37 38 3.2 農家による被害対応の概況 39 Fig.3 は,農家が災害復旧事業・田直し事業のほか, 40 自己負担による自力復旧を相当数並行していることを 41 示している.自力復旧は,災害復旧事業・田直し事業 42 で対応できない,主として地震発生後,時間をおいて 43 発現した被害が対象になったと考えられる.注目され 44 るのは,自力復旧の実施件数が田直し事業とほぼ同程 45 度の水準で実施されていることである.自力復旧,田 46 直し事業共に山間地ほど実施農家の比率は高い. 47 以下においては,長期的な被害発生を,①地震後半 48 年以上を経てから農地等で発生した被害(以下,追加 49 的被害)と,②復旧後の農地等で再び発生した被害(以 50 Table 3 中越沖地震における田直し事業の実績 51

Result of the SDRP applied in the Niigataken Chuetsu-oki

52 Earthquake in 2007 53 2007 年度 2008 年度 件数 事業費(千円) 件数 事業費(千円) 田 16 3,307 50 16,204 水路 13 6,564 41 12,227 農道 6 2,266 9 2,013 ため池 0 0 12 2,995 その他 2 836 4 2,331 合計 37 12,973 116 35,769 54 Table 4 アンケート票の回収状況 55

The number of the questionnaire returned

56 地区農家数 回答数 回答率(%) 平野部 1598 696 44 中間地 1319 372 28 山間地 491 256 52 計 3408 1324 39 57 0 20 40 60 80 100 災害復旧事業 手づくり田直し事業 自力復旧 山間地 中間地 平野部 58 Fig.3 農家の災害復旧手段選択 59

Farmers' choice of disaster restoration means

60 61 62 63 64 65 66 67 68 Fig.4 追加的被害発生農家戸数比率の経年変化 69

Change in the ratio of farmers suffered from additional damages

70 71 下,再被害)に区分してとらえ,被害発生の実態と農 72 家の対応を把握する. 73 74 3.3 追加的被害 75 3.3.1 被害の発生状況 76 2005~2008 年度における追加的被害の発生実態を 77 Fig.4に示す.アンケート回答者全体では,平均で約 12 78 %の農家が何らかの被害を各年に経験している.地域 79 間で発現形態は異なるが,いずれも 2006 年を頂点とし 80 ている点は共通する.地域別に見ると,山間地に行く 81 ほど追加的被害の発生率は高く,山間地では平均 15% 82 に達している.また,平坦地では大きな変化はないが, 83 中間地では,2006 年に 34%という高比率を示したほか, 84 山間地でも 2006 年・2007 年には 20%を超えた. 85 被害の発生場所(Fig.5)は,全般的に似通った傾向を 86 示す.いずれの地域でも田が最も多く,6~7 割に及ぶ. 87 水路・道路は 20~25%程度でこれに次いで多い.平野 88 0 10 20 30 40 2005 2006 2007 2008(年度) 被害発生農家の比率 (%) 平野部 中間地 山間地 全体

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平野部 中間地 0 10 20 30 40 50 2005 2006 2007 2008 発生件数 0 10 20 30 40 2005 2006 2007 2008 発生件数 山間地 凡 例 0 5 10 15 20 25 30 2005 2006 2007 2008 発生件数 Fig.5 追加的被害発生場所の経年変化 1

Change in the location of additional damages

2 3 部では田の比率が高く,中間地・山間地で水路の比率 4 が高い傾向が見られるが,際立った差異ではない. 5 3.3.2 復旧方法 6 工種や地域によって復旧方法には差があるが(Fig.6), 7 共通するのは自力復旧をした事例が多いことである. 8 特に,田では 5~6 割に及んでいる.復旧されずに放棄 9 の対象となったのは,平野部では道路,中間地では道 10 路・ため池,山間地では水路の比率が高い. 11 市単独事業でも復旧対策は実施されているが,年間 12 予算上限が 200 万円程度であるため,適用は自ずと制 13 約される.土地改良区が事業主体である事例は平坦地 14 の水路で多いが,田直し事業の分析経験を踏まえると, 15 パイプライン復旧の多くを土地改良区の手で実施した 16 ことが関連すると思われる. 17 3.3.3 自力復旧の対象となった被害 18 自力復旧された追加的被害は,被害の程度によって 2 19 区分できる.一つは,「補助事業制度があれば申請」 20 したと推測される一定規模以上の被害,あと一つは, 21 日常的な「営農的対応」で解決可能な軽微な被害であ 22 る.アンケート票回収後の聞き取り調査で把握できた 23 ことだが,自力復旧の中には営農的対応によって修復 24 が可能なものが一定数含まれると考えられた. 25 そこで,自力復旧と回答した中で,対応内容が概ね 26 把握できた 151 事例を,営農的対応が可能なものと, 27 事業対応が必要なものに区分した(Table 5,Table 6). 28 「判定不能」としたのは,アンケートの記述では被害 29 の程度が判別できなかったものである. 30 事業対応が必要と考えられた件数は 36%程度あった. 31 田直し事業は,原則的に地震発生時に被害が顕現した 32 ものだけを対象とした.このため,遅れて発現した被 33 害が比較的大きくても,原則通りの対応をしたため同 34 事業の対象外となったものも自力復旧されたと考えら 35 れる.また,判別不能に区分したものの一部がこれに 36 加わる可能性があるため,提示した比率は最低限度の 37 0% 20% 40% 60% 80% 100% 田 道路 ため池 水路 田 道路 ため池 水路 田 道路 ため池 水路 山間地 中間地 平野部 田直し(中越) 田直し(中越沖) 市単事業 土改区の発注 自力復旧 放置 その他 Fig.6 追加的被害の復旧方法別の構成(2005-2008) 38

Proportion of restoration means for additional damages

39 40

Table 5 自力復旧における被害水準別構成比率 41

Proportion of damage degree level in restoration on one's own

42 43 平野部 中間地 山間地 営農的対応で復旧可能 18(26 %) 9(18 %) 5(16 %) 事業対応が必要 21(30 %) 18(37 %) 15(47 %) 判定不能 31(44 %) 22(45 %) 12(38 %) 合計 70(100 %) 49(100 %) 32(100 %) 44 Table 6 自力復旧した被害の類型別内容 45

List of items of self-restoration according to damage level

46 「営農的対応が可能」に区分した被害の例 ①春,一部の水田で畦畔が沈下 ②畦畔が少し崩れた ③田面の均平が悪くなった ④畦・水田の一部が地盤沈下したのを畦塗り地ならし ⑤春先,棚田の畦が 50cm崩れた(2 ケ所) ⑥畦畔が 10mに亘って低くなったのを土盛復旧 ⑦秋,陽気が良い日が続き,1輪車にて畦畔を修復 「事業対応が必要」に区分した被害の例 ①ため池の土手が沈下して水が流出したが,重機が入れな い所なので断られた ②20m位にわたって山が崩れた ③畦畔が崩れて,水路をふさぎ,溢水が他の田,畑に流れ たので,地内で直した ④地震時に川に崩落した土砂のため,春先の増水が田に流 れ,畦の一部が崩れた ⑤春先,被害がなかった田の一部,約 25 ㎡,50cm位が 陥没した ⑥7月,被害がなかった棚田の畦畔が7m崩れた ⑦春先,新たな湧水で,道が削られ,長い範囲が崩れた ⑧ため池に亀裂ができて水がたまりにくくなった ⑨田植後,山が崩れて水路をふさぎ,田に土砂が入った 47 48 49 50 値と考えることができる.また,事業対応が必要な被 51 害の比率は山間地へ行くほど高く,営農的対応が可能 52 な被害の比率は平野部ほど高い傾向が見られた. 53 54 3.4 再被害 55 3.4.1 被害の発生状況 56 2005~2008 年度に再被害を経験した農家は回答者の 57 0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 2 0 0 5 田 畑 水路 道路 ため池

(5)

14%であった.一旦復旧しても再度の被害を経験して 1 いる農家の比率が,これほどに達するのである.再被 2 害の発生率は地域間で異なり,平野部・中間地では 10 3 %程度と低いが,山間地は 31%と高い. 4 再 被 害の 原 因に つ いて 農家 に 聞 き取 り をし た とこ 5 ろ,業者の施工不備を指摘する意見が多かった.施工 6 の不備事例の多くは,①経費節減のため農家が十分な 7 施工を業者に依頼しなかったものや,②基盤整備の経 8 験がない下請け業者が施工したものであった.現地で 9 は後者の事例を多く聞いた.これらは緊急時における 10 品質管理体制整備の必要性を示している. 11 3.4.2 被害発生の経年変化 12 再被害発生農家の比率を経年的にみると,2007 年度 13 に最大値となり,翌年度には減少している(Fig.7).こ 14 の傾向は比率の多少はあるが,地域間で特徴的な差異 15 はない.追加的被害と比較すると,1 年の時間的遅れが 16 見られる.これは,再被害が一旦復旧をしたあとに生 17 じるものであることによるのであろう. 18 再被害の発生場所には,地域間で共通した傾向が見 19 られる(Fig.8).田が最も多く,4~6 割を占める.こ 20 れに次ぐのは農道・水路であり,いずれも 10 数%~20 21 %未満である.経時変化も,概ね似通った傾向が認め 22 られる.追加的被害では田の割合が他の項目を大きく 23 上回るのに対して,再被害では多様化している(事例 24 が少ない平野部では田の傾向が強調されているが). 25 再被害と追加的被害の発生場所を対比すると(Fig.9), 26 再被害は追加的被害の約半数(200/408)であり,いず 27 れの工種においても両者の比率はほぼ一定である.再 28 被害の発生は地震災害の特性や復旧方法の影響を受け 29 るが,大規模地震による素因の解消は,短期には困難 30 であることを同時に示している. 31 3.4.3 復旧方法 32 最も多いのは自力復旧である(Fig.10).制度上,再 33 被害には田直し事業が利用できないため,農家の多く 34 は自力復旧を選択したものと思われる. 35 一方,再被害の復旧でも,田直し事業を使った事例 36 がみられる.地区では後に発生した中越沖地震の田直 37 し事業を用いた事例があるほか,中越地震の同事業の 38 利用も散見される.制度運用面において一部で柔軟な 39 対応が行われた可能性を伺わせる. 40 41 0 2 4 6 8 10 12 2004 2005 2006 2007 2008(年度) 被害の発生率 (%) 平野部 中間地 山間地 Fig.7 再被害発生農家の地域別比率 42

Regional comparison of the rate of the farmers re-damaged

43 3.4.4 自力復旧の対象となった被害 44 自力復旧された再被害も,補助事業が必要な被害と営 45 農的対応で解決可能な軽微な被害に区分できる.再被害 46 事例の中で対応内容が概ね把握できた 76 事例を,上記 47 の内容で区分した(Table 7,Table 8).再被害で自力復旧 48 49 平野部 中間地 山間地 凡 例 Fig.8 再被害の発生場所の経年変化 50

Change in the re-damaged locations

51 52 0 50 100 150 200 250 被害延べ件数 追加的被害 225 61 20 85 14 再被害 109 30 10 34 17 田 農道 ため池 水路 その他 Fig.9 再被害と追加的被害の発生場所別の件数比較 53

Comparison between the number of the re-damaged and the

54

additionally damaged locations

55 56 0% 20% 40% 60% 80% 100% 平野部 中間地 山間地 その他 放置した 自力で復旧 土地改良区から発注 市の単独事業 手づくり田直し(中越沖) 手づくり田直し(中越) 57 Fig.10 再被害の復旧手段別構成 58

Proportion of recovery means for a re-damage restoration

59 60

Table 7 再被害における被害水準別構成 61

Proportion of the re-damaged locations according to damage level

62 63 平野部 中間地 山間地 営農的対応で復旧可能 5(13 %) 3(21 %) 0(0 %) 事業対応が必要 22(56 %) 3(21 %) 18(78 %) 判定不能 12(31 %) 8(58 %) 5(22 %) 合計 39(100 %) 14(100 %) 23(100 %) 64 0 5 10 15 2004 2005 2006 2007 2008 発生件数 ( 件) 0 5 10 15 2004 2005 2006 2007 2008 発生件数 ( 件) 0 5 10 15 2004 2005 2006 2007 2008 発生件数 ( 件) 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 田 農道 ため池 水路 その他

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Table 8 再被害の類型別内容 1

The contents of the re-damaged locations by damage category

2 3 されたものには,事業対応が本来必要であったものが相 4 当数含まれる.地域間で差異はあるが,特徴的傾向を見 5 ることができる.すなわち,追加的被害と同様に,事 6 業対応が必要な被害の比率は山間地ほど高く,営農的 7 対応が可能な被害の比率は平野部に行くほど高い. 8 9 4.考察 10 11 中越地震の被害発現の調査結果は,二つの点から復 12 旧支援対策の長期化の必要性を示している.一つは物 13 理 的 要 因に 基 づく 被 害発 現の 長 期 化へ の 対策 の 必要 14 性,あと一つは人的・社会的要因による復旧対応の遅 15 延に応じた長期的対策の必要性である. 16 17 4.1 中越地震における長期的被害の構造 18 4.1.1 事業的対応が必要な被害の発生形態 19 農家は,多様な追加的被害・再被害に対して,自力 20 復旧を多様に試みている.災害復旧においては,災害 21 復旧事業・田直し事業等に関心が集中しがちである. 22 しかし,農家の負担を考えるなら,事業対応のない自 23 力復旧の実態を加えて検討する必要がある. 24 アンケートデータをもとに,田直し事業と自力復旧 25 の比率,地域別回答率を考慮して,小千谷市で実施さ 26 れた田直し事業 2250 件に比例換算した(Table 9). 27 自力復旧された追加的被害・再被害と田直し事業の 28 件数を比較すると,2005 年には田直し事業が大半を占 29 めるが,2006 年以降は追加的被害・再被害の比重が増 30 す.2008 年にはこれらの件数が田直し事業を上回った. 31 これをもとに,事業対応が必要なものと営農的対応 32 が可能なものを加えて農家の災害復旧対策を整理する 33 と(Fig.11),長期的被害対策の必要度が確認できる. 34 すなわち,災害復旧対策が必要な被害は,田直し事業 35 だけでなく,これに事業対応が必要な自力復旧を加え 36 た水準(同図破線 A)として把握できるが,件数総体 37 Table 9 田直し事業と自力復旧における対応件数の経年変化 38

Change in the number of implementation of disaster restoration

39

project by the SDRP and self-restoration

40 41 年 度 2005 2006 2007 2008 合計 田直し事業 746 885 565 54 2,250 追加的被害 303 709 361 163 1,536 営農的対応 66 145 35 35 324 判定不能 106 255 57 57 547 事業的対応 131 310 71 71 666 再被害 45 146 204 125 520 営農的対応 19 51 36 36 180 判定不能 14 47 50 50 178 事業的対応 12 48 39 39 162 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 Fig.11 長期的被害発現の経年変化 52

Change in the long-term damage emergence after the occurrence of

53 the MNPE2004 54 55 は現況の 37%増((666+162)/2250)となる.しかも, 56 これは最小限度の数値であり,「判別不能」の中で「事 57 業的対応が必要」に区分されるものを加えると更に比 58 率は高まるだろう.こうした事業的対応が必要な被害 59 の自力復旧は,現況では災害復旧対策として表面化せ 60 ず,農家が全てを負担しているのである. 61 事業対応が必要な被害は,田直し事業と異なる経時 62 変化を示す点にも注目したい.田直し事業は 2006 年度 63 以降急減するが,これに較べて減少傾向は緩やかであ 64 る.この結果,2008 年度には田直し事業の実施件数 54 65 を上回る 110 件に達し,その後も減少傾向はあるとし 66 ても,継続的な被害発生の可能性を示唆している. 67 4.1.2 事業的な対応が必要な被害の内訳 68 事業的な対応が必要としたものには再被害の事例が 69 含まれるが,これらについては吟味が必要である.す 70 なわち,地盤災害における再被害は,復旧部分と異な 71 る素因の存在のほか,業者の施工不備も原因となる可 72 能性がある.聞き取り調査では,①突き固めが不十分 73 で崩壊を繰り返す畦畔,②農地の基盤土を畦畔の用土 74 としたため深田になった水田,③進入路が欠如してい 75 た圃場など,常軌を逸した事例もあった.これらの多 76 くは,地域の特性に不案内な県外業者や,農業関係の 77 事業経験が少ない業者が請け負った場合であった. 78 人為的な瑕疵に基づく再被害に対する公的資金の使 79 用は避ける必要がある.しかし,業者の施工不備を農 80 「営農的対応が可能」に区分した被害の例 ①地盤の低下が見られ,部分修理 ②春,一部分水田,畦畔が低下 ③田面の均平が悪くなった ④畦・水田の一部が地盤沈下したのを畦塗り地ならし ⑤春先,棚田の畦が 50cm崩れた(2ケ所) ⑥秋,陽気が良い日が続き,1輪車にて畦畔を修復 「事業対応が必要」に区分した被害の例 ①復旧した田に水を入れたら畦畔が 5m崩れた ②夏,中越沖地震で田面が 30cm位下がった ③秋,稲刈後に 18 年に復旧した農地が 20m崩れた ④17 年復旧した,農地畦畔が 10m 陥没した ⑤畔が長さ 5m,田面巾=5m,長さ 50m崩壊 ⑥18 年に復旧した農地畦畔が 30m位下がる ⑦18 年に復旧した溜池の堰堤が 30m位下がる ⑧中越地震の災害復旧事業で直した送水管が破損し,吹き 出した水で畦や水田が決壊した 0 300 600 900 1200 1500 1800 2005 2006 2007 2008 被害件数 営農的対応 判別不能 事業的対応 田直し事業 平年度災害 A

(7)

家が指摘するのは難しいため,適切な施工を確保する 1 体制を整備する必要がある.一方,施工時に確認でき 2 ない地盤災害(素因)に基づく再被害は,注意深く施 3 工をしても回避困難であるため,業者への安易な責任 4 転嫁は回避する必要があるだろう. 5 4.1.3 追加災害が目に見えない被害に及ぼす影響 6 中越地域では自然災害が中越地震後にも継起的に発 7 生したが,これらによる被害と地震の経時的被害とを 8 区分するのは困難である.直後の数次の余震に加えて 9 翌春には融雪害(平成 17 年豪雪),6 月には集中豪雨 10 が発生したほか,2007 年には中越沖地震が起きたが, 11 こうした追加的自然災害は被害の素因に作用し,長期 12 的被害の評価に影響を及ぼす可能性をもつ(Fig.12). 13 自然災害による被害発現の短期化: 一端を,中越沖地 14 震における復旧関連事業の申請件数に見ることができ 15 る.中越沖地震では災害復旧事業(3 件)と較べて田直 16 し事業は多く(174 件)申請されたが,中越沖地震は中 17 越地震で形成された素因の「吐き出し」を促し,被害 18 発現の短期化に繋がったと考えられる. 19 長期的被害件数の過小評価: 追加的自然災害による 20 「吐き出し」効果は,目に見えない被害発現の確認を 21 困難化し,過小評価に繋がる可能性をもつ.中越地域 22 で追加的自然災害がなければ,被害発現の推移は今回 23 の調査より上方にシフトしていたと考えられる.中越 24 地震後の推移を前提として制度設計をする場合,経年 25 的な被害発現を過小評価する可能性があることに注意 26 する必要がある. 27 28 4.2 長期的対応の指標 29 長期的災害復旧を行う場合,実施期間の決定が技術 30 的課題となる.地震の被害発生は固有性が高いため, 31 他地域の経時変化は参考にはなるが,実際の現場にそ 32 のまま適用するのは妥当ではない. 33 地震後における長期対策実施の可否を判定する際の 34 指標となるのは,地域における通常時の災害発生状況 35 と現場での被害発生実態との対比であろう.被害発生 36 が通常年を上回る場合,地震に由来する被害が継続し 37 ているものと考えることができるため,地震被害とし 38 て対策を講じる必要があるだろう. 39 地震発生以前 4 年間に小千谷市で申請された災害復 40 旧の事業件数(市単独事業等)を見ると,平均 29 件/ 41 年,最大値でも 37 件/年である(Table 10).これと地 42 震発生後の被害発現を比べると,4 年を経ても地震に由 43 来すると考えられる被害件数が平年値(平均)を大き 44 く上回る(Fig.11).こうした現状は,中越地震に由来 45 する長期的被害がまだ十分に沈静・解消していないこ 46 とを示すものと考えられ,支援継続の必要性を示唆し 47 ている. 48 49 4.3 事業申請までの時間経過の不可避性 50 51 52 53 54 55 56 57 58 Fig.12 追加的災害が長期的被害発現に及ぼす影響 59

Influence of additional disaster on a long-term damage emergence

60 61

Table 10 中越地震発生以前の被害発生状況 62

The number of damages occurred before the MNPE2004

63 年度 農地 道路 ため池 水路 その他 合計 2000 16 15 1 3 0 35 2001 17 9 0 2 0 28 2002 7 5 0 1 1 14 2003 17 13 2 5 0 37 平均 14 11 1 3 0 29 64 Table 11 地震被害への対応が遅延する理由 65

Reasons for delay in restoration measure implementation

66 発見時期 対応が遅れた理由 地震直後 生活インフラの復旧が優先され,農業生産基盤・ 施設の復旧順位が低下した 当初,心理的ショック等で帰農意欲がわかなかっ たが,時間をおいて復旧を決めた 当初は軽微であった被害が,時間経過と共に拡大 した 被害が軽微であるため当初は復旧対象にならなか ったが,生産条件が全体的に安定化するに及んで 被害の修復が求められた Ex. 農地が復旧した段階で道路面の小規模不陸を修復 共同で復旧するための合意に時間がかかった Ex.数戸で管理する山間地の水路・道路の被害 地震発生 後時間を おいて 被害が起きていたが一定期間現場に到達できず確 認が遅れた Ex. 全村避難で仮設住宅にいた農家が2年後に自宅に 戻って初めて農地の被害を確認 被害が起きていたが一定期間表面化しなかったい わゆる「目に見えない被害」 Ex.パイプラインの亀裂被害を,2年目の通水時に路面 が陥没して初めて確認 67 大規模地震においては,事業申請までに不可避的に時 68 間が経過し,農家による復旧対策の「遅延」が生じる. 69 遅延の原因は多様であるが,①直後に被害を確認した 70 が対応が遅れたケース,②被害の発見自体が遅れたケ 71 ースに区分して捉えることができる(Table 11). 72 こうした対応遅延の大半は,農家の主体的責任に帰 73 すことができないものであり,不可避的に生じること 74 に留意する必要があるだろう.また,小規模・軽微な 75 被害の発見・対応の遅れは,大規模地震等の激甚災害 76 では,当初は大規模被害に目がいって見過ごされるた 77 めに生じる可能性があることにも配慮が求められる. 78 79 5.おわりに 80 吐き出し 短期化 時間 被害 件数 追加的自然災害 過小評価 実 質 の素 数 見 か け 上 の 素 因数

(8)

5.1 長期的な被害救済制度の必要性 1 本論では,中越地震の被害分析をもとに以下の 3 点 2 を明らかにした.①地震被害は長期に亘って発現する, 3 ②事業申請の遅延は不可避である,③これらを踏まえ 4 た長期に亘る災害復旧支援の体制構築が必要である. 5 また,近年立て続けに発生した大規模地震での経験で 6 は,地震の規模と被害の関連性には個別性が高いこと 7 が認識されている.今後の大規模地震災害の復旧にお 8 いては,上記の経験を踏まえた,長期的な対策が可能 9 となる制度設計が求められる. 10 現況の災害復旧関連事業は,即時的に発現する被害 11 を対象とするが,経時的に発現する被害に対応できな 12 い.田直し事業は,中越地域で柔軟に運用されたが, 13 原則的には時間をおいて発現した被害には対応できな 14 いことが制約となった.また,地震被害は災害の発生 15 地区毎に区々で固有性が高いため,事前に対応期間を 16 設定することは困難である.とりわけ,追加的自然災 17 害による素因の吐き出しに留意し,被害発生の過小評 18 価を回避する必要がある.長期対応においては,被害 19 発生のモニタリングを通じ,いわば順応的な災害復旧 20 支援ができる制度的枠組みの形成を期待したい. 21 22 5.2 適切な復旧工事の推進 23 業者の不適切な施工によるリスクの多くは,現状で 24 は農家が負担している.長期的な災害復旧対策を講じ 25 26 るうえで,こうした事態を改善し,不適切な施工に対 27 する業者の責任体制の整備が不可欠である.このため, 28 緊急時とはいえ施工の品質管理システム整備は不可欠 29 である.また,大規模災害時には施工業者が不足する 30 ため,これに対応した休耕や生産調整などの制度的枠 31 組みを活用し,工事実施期間を延長させ,不備を回避 32 する等の手法開発も長期的な視点から必要性が高い. 33 34 謝辞:本研究の実施においては小千谷市農林課の多大な支援 35 を得た.多忙な中にも係わらず,アンケート票配布,資料の 36 収集・整理に便宜を提供いただいたことに感謝し,お礼申し 37 上げる.また,研究実施においては文部科学省科学研究費・ 38 基盤 B 一般:課題番号 19380135 による支援を得た. 39 40 参考文献 41 有田博之・湯澤顕太(2009):新潟中越地震における農業生産基 42 盤の小規模被災と復旧対策,農土論集 262,89-94 43 木村和弘・森下一男・内川義行(2004):淡路島農村における震 44 災後 5 年間の農業的土地利用の変化,農土誌 72(10),875~880 45 新潟県農地部,新潟県農村振興技術連盟 (2006):新潟県中越大 46 震災-農地・農業用施設の復旧復興に向けて 47 新潟県中越大震災復興基金(2005):新潟県中越大震災復興基 48 金事業メニューのご案内 49 50 [2010 05.11 受稿,2010 .● .●閲読了] 51 [この研究論文に対する公開質疑あるいは討議(4,000 字以 52 内,農業農村工学会論文集編集委員会あて)は,2010 年● 53 月●日まで受け付けます.] 54

Relationship between the damage emergence of the agricultural infrastructure and the period

after the occurrence of the Mid-Niigata Prefecture Earthquake in 2004

ARITA Hiroyuki* and MIYAZAWA Safumi**

* Graduate School of Science and Technology, Niigata University. 8050 2-Nocho Ikarashi Nishiku Niigata 950-2102, JAPAN

** Tsuruya Corporation Co. Ltd.,20-1-2 Miyuki-machi Komoro Nagano 384-0005, JAPAN

Abstract

Although the disaster restoration in the agricultural land and rural villages has progressed since the Mid-Niigata Prefecture Earthquake in 2004, potential small-scale damages of the agricultural infrastructure have been continuously coming to surface. The notable difference between the earthquake disaster and other disasters is that the former induces extensive ground damages which, in turn, lead to a long-term continuation of small-scale damage emergence. However, there exists no measure devised to deal with those small-scale damages due to the difficulty in technically proving the relationship between the damages and the earthquake even though the damages are actually caused by the earthquake. Although it has been pointed out that longer-term restoration measures are necessary to cope with the peculiar characteristic of a earthquake disaster, these are not realized in practice owing mainly to the unavailability of the secular change data of damages. In this research, the damage characteristics in the Chuetsu area were clarified through the analysis of tracking records of the Small-scale Disaster Restoration Project (SDRP: In Japanese "Tezukuri-tanaoshi-tou-shien" Project), and the results of questionnaires for the farmers. In conclusion, a proposition was made on long-term measures for the disaster restoration after the occurrence of a large-scale earthquake.

Key words:Crisis management, Disaster restoration, Secular change, The Niigata Chuetsu-oki Earthquake in 2007,

Table 5  自力復旧における被害水準別構成比率 41
Table 7  再被害における被害水準別構成 61

参照

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