特定健康診査等実施計画
第二期(平成
25 年度~平成 29 年度)
1.背景および趣旨 わが国は国民皆保険のもと、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた。 しかしながら、急速な高齢化や国民の生活様式の変化などにより、疾病構造も変化し、 疾病全体に占める生活習慣病の割合は増加し、死亡原因でも生活習慣病が約6割を占め、 医療費に占める生活習慣病の割合も3分の1を占める状況である。 中でも、心疾患、脳血管疾患等の発症の重要な危険因子である糖尿病、高血圧症、脂 質異常症等の有病者やその発症前の予備群であるメタボリックシンドローム(内臓脂肪 症候群)が疑われる者が増加している。 国民の、生涯にわたって生活の質の維持・向上、生活習慣病に係る医療費の伸びの抑 制には、糖尿病、高血圧症、脂質異常症等の発症、あるいは重症化や合併症への進行の 予防に重点を置いた取組みが急務となってきた。 このような状況を受けて、平成20年度より「高齢者の医療の確保に関する法律」に 基づいて、保険者が被保険者および被扶養者に対して、メタボリックシンドロームに着 目した糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査(特定健診)およびその結果により健康 の保持に努める必要がある者に対する保健指導(特定保健指導)を実施することが義務 付けられた。 本事業の第一期計画期間(平成20年度より平成24年度)における当健保組合の実 施状況は、事業主、被保険者の理解・協力のもと、計画通りの事業運営ができ、特定健 診・特定保健指導とも国が示した基本指針の目標値を達成することができた(詳細は後 述)。 本実施計画は、第一期の実施状況・課題等を踏まえ、第二期計画期間(平成25年度 より平成29年度)における特定健診および特定保健指導の実施に関する基本的な事項、 その成果に係わる目標に関する基本的事項について定めるものである。 2.第一期計画期間の特定健診・特定保健指導の実施状況、評価 (1)特定健診の実施状況 対象者数 (人) 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 被保険者 13,972 14,881 15,093 15,622 15,899 被扶養者 7,753 8,342 8,784 8,831 9,131 合 計 21,725 23,223 23,877 24,453 25,030 受診者数 (人) 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 被保険者 12,857 13,909 13,984 14,206 15,278
被扶養者 3,140 3,612 3,978 4,320 5,252 合 計 15,997 17,521 17,962 18,526 20,530 受診率 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 被保険者 92% 93% 93% 91% 96% 被扶養者 41% 43% 45% 49% 58% 合 計 74% 75% 75% 76% 82% *国が示した基本指針の受診率目標値は平成24 年度に 80% 実施計画 目標受診率 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 被保険者 90% 91% 92% 93% 94% 被扶養者 30% 40% 50% 53% 57% 合 計 68% 73% 77% 79% 81% (2)特定保健指導の実施状況 対象者数 (人) 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 積極的支援 2,044 1,957 1,851 1,881 1,849 動機付け支援 1,179 1,255 1,276 1,316 1,354 合 計 3,223 3,212 3,127 3,197 3,203 実施者数 (人) 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 積極的支援 1,001 683 785 608 719 動機付け支援 703 582 701 606 727 合 計 1,704 1,265 1,486 1,214 1,446 実施率 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 積極的支援 49% 35% 42% 32% 39% 動機付け支援 60% 46% 55% 46% 54% 合 計 53% 39% 48% 38% 45% *国が示した基本指針の実施率目標値は平成24 年度に 45% 実施計画 目標実施率 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 積極的支援 29% 33% 37% 41% 50% 動機付け支援 25% 27% 30% 32% 50% 合 計 38% 31% 34% 38% 50%
(3)メタボリックシンドロームの該当者・予備群の減少状況 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合 判定対象者計 15,708 100% 17,301 100% 17,967 100% 18,984 100% メタボ該当 メタボ予備群 4,070 25.9% 4,230 24.4% 4,203 23.4% 4,367 23.0% メタボ非該当 11,638 74.1% 13,071 75.6% 13,764 76.6% 14,617 77.0% *メタボ該当・予備群の健保組合全国平均は21 年度 26.0%、22 年度 25.7% (4)評価 特定健診の受診率、特定保健指導の実施率については、事業主、被保険者および被扶養 者の理解、協力のもと、第一期の最終年度(平成24 年度)には国が示した基本指針の目標 値を達成できることとなった。メタボリックシンドロームの該当者・予備群についても、 年々減少傾向を示しており、平成20 年度と平成 23 年度の比較では 11.2%ほど減少してい る。 しかしながら、特定健診における被扶養者の受診率の向上、特定保健指導における複数 回目の対象者に係る実施方法、被扶養者の実施体制の構築等の課題もあるので、第一期の 実施状況を踏まえ、第二期の事業運営に向けて必要な改善を図ることとする。 3.安田日本興亜健康保険組合の現状 (1)当健保組合は、71の事業主で構成されており、損保ジャパン日本興亜グループ(被 保険者数ウェイトは約86%)をはじめとして事業所は全国47都道府県に所在している ため、被保険者は全国に散在している。被扶養者についても、首都圏に半数以上(東京都 約28%、神奈川県約11%、埼玉県約10%、千葉県約6%)居住しているが、被保険 者と同様に全国47道府県に居住している。従って、加入者にとっての利便性および当健 保組合・事業主の事務の効率性を考慮した全国の健診機関の手配および保健指導の体制づ くりが常に課題である。 (2)当健保組合に加入している被保険者は、男性43歳、女性37歳、男女平均年齢が 40歳で、男性が全体の55%を占めているが、女性のウェイトが年々増加傾向にある。 (3)当健保組合の生活習慣病に係る医療費状況は、関連する疾病(循環器系の疾患、消 化器系の疾患、内分泌代謝系の疾患)が医療費全体の約25%を占めており、新生物(が ん)も加えると全体の約40%に達し、ほぼ健保組合全国平均水準となっている(平成2
3年度レセプト分析より)。 4.特定健診等の実施方法に関する基本的な事項 (1)特定健診等の基本的考え方 日本内科学会等内科系8学会が合同でメタボリックシンドロームの疾患概念と判断 基準を示した。これは、内臓脂肪型に起因する糖尿病、高脂血症、高血圧は予防可能 であり、発症した後でも、血糖、血圧をコントロールすることにより重症化を予防す ることが可能であるという考え方を基本としている。 メタボリックシンドロームの概念を導入することにより、内臓脂肪の蓄積や体重増 加等が様々な疾患の原因になることをデータで示すことが出来るため、健診受診者に とって生活習慣の改善に向けての明確な動機付けが出来るようになる。 (2) 特定健診等の実施に係わる留意事項 ① 被保険者および被扶養者ともに、まず健診受診率を高めて、各自の健康状態を十分 に把握することが最も重要である。 ②被用者保険(健保組合、協会けんぽ、共済組合)の加入者は従来のように地元の市町 村等自治体での基本健診を受診出来なくなるので、当健保組合が提供する医療機関を 活用して受診していただくことになる。特に、被扶養者については、従来、市町村等 自治体での基本健診を受診していた方が多いと思われるので注意が必要である。 (3) 事業主との協力関係 上記「3.安田日本興亜健康保険組合の現状」に記載したとおり、多くの被保険者・ 被扶養者が全国47都道府県に居住しているため、健診体制・保健指導体制の構築と 円滑な運営のためには、当健保組合と事業主との協力関係が不可欠である。 (4)特定保健指導の基本的考え方 生活習慣病予備群の保健指導の第一目的は、生活習慣病に移行させないことである。 そのための保健指導では、対象者自身が健診結果を理解して自らの生活習慣を変える ことが出来るように支援することである。 5.当健保組合の特定健診・特定保健指導に関する基本方針 当健保組合の経営理念(「私たちは健康保険組合事業を通じて、被保険者とその家族が 健康で心豊かに生き生きと働き、暮らすことの出来る環境づくりに貢献することを使命 とする」)を実現していくために、次の基本方針で取組んでいく。 (1)メタボリックシンドロームに着目した生活習慣の改善のための特定健診・特定保健 指導について、積極的に取組んでいく(病気にならないための生活習慣改善)。 特定保健指導については、費用・効果を評価しながら、順次対象者を拡大していくこ とを検討する。 (2)当健保組合の医療費に占める新生物(がん)の割合は、医療費全体の約14%、入
院に限ると約23%に達している(平成23年度レセプト分析による)。 こうした現状を考慮すると、メタボリックシンドローム対策だけでなく、がん対策 の充実を図っていくことも重要である(疾病の早期発見・早期治療)。 (3)被保険者本人が職場で活躍するためには、家族の健康が必要である。しかしなが ら、被扶養者の健診受診率は年々上昇しているものの、58%台(平成24年度)と 低いのが現状である。 第二期においても、被扶養者の受診率向上を目指し、積極的に受診勧奨を推進する。 6.達成目標 (1)特定健診の実施に係わる目標 平成29年度における特定健診の受診率(目標)を90%とする(国の基本指針が 示す目標値に即して設定)。 この目標を達成するために、平成25年度以降の受診率(目標)を以下のように定 める。 【目標受診率】 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 基本指針目標値 被保険者 95% 96% 97% 98% 99% 被扶養者 60% 63% 66% 69% 72% 合計 83% 85% 87% 88% 90% 90% (2)特定保健指導の実施に係わる目標 平成29年度における特定保健指導の実施率(目標)を60%とする(国の基本指 針が示す目標値に即して設定)。 この目標を達成するために、平成25年度以降の実施率(目標)を以下のように定 める。 なお、第一期においては被保険者を優先的な対象としていたが、第二期より被扶養 者にも実施できる体制を整える予定である。 【目標実施率】 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 基本指針目標値 積極的支援 43% 45% 47% 49% 51% 動機付け支援 56% 60% 64% 68% 72% 合 計 48% 51% 54% 57% 60% 60%
(3)特定健診等の実施の成果に係わる目標 平成29年度において、平成24年度と比較したメタボリックシンドロームの該当者 および予備群の減少率を10%以上とする。 7.特定健診等の対象者数 【特定健診】 対象者数 (人) 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 被保険者 16,000 15,700 15,700 15,700 15,700 被扶養者 8,320 8,000 8,000 8,000 8,000 合 計 24,320 23,700 23,700 23,700 23,700 受診者数 (人) 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 被保険者 15,200 15,072 15,229 15,386 15,543 被扶養者 4,992 5,040 5,280 5,520 5,760 合 計 20,192 20,112 20,509 20,906 21,303 目標受診率 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 被保険者 95% 96% 97% 98% 99% 被扶養者 60% 63% 66% 69% 72% 合 計 83% 85% 87% 88% 90% 【特定保健指導】 対象者数 (人) 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 積極的支援 1,918 1,911 1,948 1,986 2,024 動機付け支援 1,353 1,348 1,374 1,401 1,427 合 計 3,271 3,259 3,322 3,387 3,451 実施者数 (人) 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 積極的支援 825 860 916 973 1,032 動機付け支援 758 809 879 953 1,027 合 計 1,583 1,669 1,795 1,926 2,059 目標実施率 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 積極的支援 43% 45% 47% 49% 51%
動機付け支援 56% 60% 64% 68% 72% 合 計 48% 51% 54% 57% 60% 8.特定健診等の実施方法 (1)健診実施場所 ◎・・・受診可能な健診機関 (2)実施項目 ①特定健診 「標準的な健診・保健指導プログラム第2編第2章」(厚労省作成)に記載されてい る特定健診項目を含めた生活習慣病予防健診を受診する。 * 健診項目は別紙のとおり。 ②特定保健指導 「標準的な健診・保健指導プログラム第3編」(厚労省作成)に記載された内容に基 づいて実施する。 (3)実施時期 被保険者および被扶養者ともに、事業主経由で健診案内を行うが、その際には出 来るだけ健診機関の受け入れ可能時期を選んで実施時期を案内する。 (4)委託の有無 ①特定健診 上記8(1)の健診機関に委託する。 ②特定保健指導 全国訪問健康指導協会社に委託する。 (5)受診方法 健診機関 被保険者 被扶養者 ① 損保ジャパン日本興亜健康開発センター(東京) ◎ - ② 松翁会健診プラザ(東京) ◎ ◎ ③ 日産厚生会診療所(東京) ◎ - ④ 立川中央病院(立川市) ◎ - ⑤ 三越総合健診センター(東京) ◎ - ⑥ 代々木病院(東京) ◎ - ⑦ 日本予防医学協会 ネットワーク提携医療機関(全国) ◎ ◎ ⑧ 日本予防医学協会 集合健診(11ヶ所) ◎ - ⑨ 日本予防医学協会 施設健診(4ヶ所) ◎ ◎ ⑩ 地方個別提携医療機関(⑦を補うための個別提携) ◎ - ⑪ 人間ドック(全国) ◎ ◎
①特定健診 事業主経由で行われる健診案内に従って、生活習慣病予防健診を受診する。 <被保険者> 法定健診を兼ねているので40歳以上は原則全員受診する。 <被扶養者> 従来の地元市町村での基本健診は受診できないので、原則として 当健保組合が提供する生活習慣病予防健診を受診する。 ②特定保健指導 当健保組合にて健診結果に基づいて保健指導対象者を選定し、動機付け支援と積 極的支援の階層化を行った上で、保健指導の案内を行う。 (6)周知・案内方法 周知は、当健保組合機関誌「健康広場」やホームページに掲載して行う。 詳細な案内は、基本的には事業主経由で行うが、被扶養者の受診率向上には、自 宅宛に受診勧奨のダイレクトメールも検討する。 (7)健診結果データの受領方法 ①原則として健診機関から当健保組合に送付してもらう(一部、健診機関→事業主 →当健保組合)。 ②特定保健指導については、外部委託先 全国訪問健康指導協会社から当健保組合 に電子データで受領する。 ③健診結果および特定保健指導結果の保管年数は最低5年とする。他の保険者へ移 行する加入者については、移行時の翌年度まで保管する。 9.個人情報の保護 当健保組合は、安田日本興亜健康保険組合個人情報保護管理規程を遵守する。 当健保組合および委託された健診・保健指導機関は、業務によって知りえた情報を 外部に漏らしてはならない。また、定められた利用目的以外の目的に利用してはなら ない。 当健保組合の個人情報管理責任者は常務理事とする。また、データの利用者は当健 保組合の職員に限る。外部委託する場合は、データ利用の範囲・利用者等を契約書に 明記することとする。 10.特定健康診査等実施計画の公表・周知 本計画の周知は、ホームページに掲載する。 11.特定健康診査等実施計画の評価および見直し 本計画については、平成27年度において3年間の評価を行い、目標を大きくかけ 離れた場合その他必要がある場合には見直すこととする。 以上