災害に強い地域づくりを考える
平成29年度地域活性化プランナー 学び直し塾 地域ガバナンスグループ 平成30年1月27日(土)石本 雄祐
湖南市 危機管理・防災課井上 昌宏
株式会社ナスカ草川 愛
NPO法人 くさつ未来プロジェクト久保田 雅喜
愛荘町 総務課森野 晃司
彦根市 総務部公有財産管理課発 表 内 容
1.本研究の趣旨及び背景
2.湖南市の概要
3.湖南市の防災への取り組み状況と課題
4.課題解決のための提案
5.実現に向けて
H29学び直し塾1.本研究の背景及び趣旨
3 H29学び直し塾 〇背景 大規模災害の発生頻度が増加 想定されている南海トラフ地震の発生確率は30年以内70% 〇趣旨 具体的なケースとして滋賀県内の自治体を選定し、ガバナンスの視 点から「災害に強いまちづくり」を研究 H29熊本地震災害支援にて(湖南市職員撮影) 1-1 背景及び趣旨[湖南市の特色] • 外国人比率が滋賀県内で最も高い • 福祉施策の先進地域であり、福祉避難所の協定も進められている • 小学校区を単位とした地域まちづくり協議会が設立されており、市内 すべての自治会に自主防災組織が設置されている • 市民の234名が行政の事業により防災士資格を取得 ・・・など
1.本研究の趣旨及び背景
4 H29学び直し塾 1-2 ケース自治体の選定2.湖南市の概要
5 H29学び直し塾 湖南市観光協会ホームページより Google mapsより出力 2-1 地域特性 湖南市は南北を山に挟まれた丘陵地であり、その中央に流れている 野洲川付近一帯に低地が開けている地域である。 北東には滋賀県最大の工業団地である湖南工業団地がある。6 2-2 住民の分布 0 500 1,000 1,500 2,000 0 500 1,000 1,500 2,000 0~4 5~9 10~14 15~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 75~79 80~ 男 女 湖南市人口年齢別ピラミッドグラフ 単位:人 人口 : 54,966人(男性28,504人、女性26,462人) 高齢化率(人口に占める65歳以上の割合) : 22.4% 湖南市ホームページより、平成29年7月1日時点のデータを元に作成
2.湖南市の概要
H29学び直し塾7 H29学び直し塾 2-3 湖南市の特徴 (1)福祉のまち 近江学園をはじめとする福祉施設や事業所が多く所在。 発達支援システムが早期から導入された。
2.湖南市の概要
1961年近江学園園長室にて(公益財団法人糸賀一雄記念財団より) 近江学園(滋賀県HPより)8 H29学び直し塾 2-3 湖南市の特徴 (2)外国人が多く在住 住民に対する外国人の比率が、県内市町で飛び抜けて高い。
2.湖南市の概要
0% 1% 2% 3% 4% 5% 栗東市 彦根市 日野町 長浜市 東近江市 甲賀市 愛荘町 湖南市 滋賀県内市町の人口に占める 外国人の割合 湖南市ホームページより、平成29年7月1日時点のデータを元に作成 158 86 114 142 160 287 360 1,318 0 500 1000 1500 その他 フィリピン インドネシア ベトナム 中国 韓国 ペルー ブラジル 湖南市在住外国人の 国籍別人数 平成29年10月1日時点9 H29学び直し塾
(上3点)平成25年台風18号による被害
2-4 近年の災害発生状況
(上2点)平成29年台風21号により崩壊した住宅前の市道法面
3.湖南市の防災への取組状況と課題
H29学び直し塾 平成29年度湖南市総合防災訓練(地域・行政) 10 3-1 行政の防災体制及び計画 地震や風水害、原子力災害を想定した地域防災計画を策定。 この計画に基づいて災害対応を行うほか、地域や外部団体と連携し ながら応急・復旧対応を行うこととしている。11
4.湖南市の災害対策の取組
H29学び直し塾3.湖南市の防災への取組状況と課題
3-2 湖南市の課題(ヒアリング結果を受けて) • 日本語を母語としない住民(外国人)に向けたものがない • 社会福祉協議会や国際協会のマンパワー(特に正職員)不足 • 避難所について、 公共施設の場合は執務時間外の開錠、福祉避難所の場合は施 設の体制及び意識付けが問題 • 防災士が234人いるが、多くの人が地域で活躍できていない • 地域によって防災意識に差がある • 地域での防災活動をリードする人材について、 次世代の育成を考慮していく必要がある12 H29学び直し塾
3.湖南市の防災の取組状況と課題
(1)外国人には特に情報が伝わりにくい • 外国人向けの情報がない • そもそも日本で起こる災害についての基本的な知識がない (2)福祉避難所を運営するノウハウがない • 協定は締結しているが、実際どのように運営するか考えられていな い • 施設にとっては、利用者のサービスで手一杯で、福祉避難所運営 のスタッフが足りない (3)防災士が育成されているが、活躍する仕組みがない • 区や地域まちづくり協議会との連携がない場合が多いが、地域でこ そ活躍する必要がある • 防災士に防災リーダーとしての自覚がない 3-3 課題の整理13 H29学び直し塾
3.湖南市の防災の取組状況と課題
4.課題解決のための提案
(1)外国人には特に情報が伝わりにくい (2)福祉避難所を運営するノウハウがない (3)防災士が育成されているが、活躍する仕組みがない提案2
提案1
提案3
SNSを活用した多言語での情報発信 やさしい日本語を用いた情報を提供 福祉避難所連絡会の設立と訓練 専門職ボランティアのマッティング 防災士が地域で活躍できる仕組みづ くり14 H29学び直し塾
提案1
① SNSを活用した多言語での情報発信
② やさしい日本語を用いた情報を提供
課題1 外国人には特に情報が伝わりにくい
・外国人向けの情報がない ・そもそも日本で起こる災害についての基本的な知識がない・防災アプリ
(浜松国際交流協会など) →避難所などの災害マップなどの提供。・広域連携
(近畿地域国際化連絡協議会) 「災害時における外国人支援ネットワークに関する協定」など →災害時の緊急対応として、大規模災害が発生した際の、 通訳者などの派遣や翻訳による支援①SNSによる情報伝達
H29学び直し塾災害に関する外国人への情報伝達の事例
H29学び直し塾
6.外国籍住民に対応するための具体的な提
案
交流系SNSを活用する →特にfacebook湖南市国際協会と連携して外国人への発信を強化。
①SNSによる情報伝達
16 ・災害時の避難情報 ・防災に関する基本的な情報 ・日常的なイベント情報 などを発 信。ソーシャルメディア・システム・外国文化
や言葉。これらの特性を理解してFBを活
用する!
・・・・・外部の力を取り込む ①大規模災害による被災を想定した遠隔地との 協力関係の構築が可能 ②市内外問わず、協力者へ参加を呼びかけるこ とが可能6.外国籍住民に対応するための具体的な提
案
H29学び直し塾 地域ガバナンス①SNSによる情報伝達
1718 H29学び直し塾
○○に 雨が たくさん ふりました。○○川の 水が ふ
えています。川の ちかくは あぶないです。
災害時には、市から発する通常の情報に加えて、 わかりやすい言葉で情報発信 例)○○地区に避難準備・高齢者等避難開始が発令されまし
た。○○川が氾濫注意水位に達しています。
②「やさしい日本語」を用いた情報提供
湖 南 市 湖南市 国際協会 協力 外 国 人 迅速な情報は『やさしい日本語』で 災害時の情報発信だけで なく日頃から様々な情報 を発信 市外からの 協力・応援 19 H29学び直し塾
提案1の全体図
情報を受け た 個人か ら さらに 情報は 拡散 団体間での協定・ 多言語ボランティア等の 協力者20 H29学び直し塾
提案2
課題2 福祉避難所を運営するノウハウがない
・協定は締結しているが、実際どのように運営するか考えられていない ・施設にとっては、利用者のサービスで手一杯で、福祉避難所運営の スタッフが足りない① 福祉避難所連絡会の設立と訓練
② 専門職ボランティアのマッチング
21 H29学び直し塾 連絡会の設立と訓練
福祉
避難所
連絡会
社会福祉 協議会 福祉 避難所 福祉担 当部局 • 各福祉避難所、市福祉 担当部局、社会福祉協 議会で構成 • 事務局は社会福祉協 議会がもつ • 災害時における施設の 被害対応、物資・人員 不足等を想定した訓練 の実施①福祉避難所連絡会の設立と訓練
事務局22 H29学び直し塾 専門職のマッチングのしくみ 福祉 避難所 連絡会 A福祉 避難所 B福祉 避難所 C福祉 避難所 人材派遣 専門職ボラ ンティア • 災害時には専門職ス タッフの人員不足が 発生 • 福祉避難所連絡会が 県内外の介護福祉 士、 看護師などの専門職 のボランティアを受け 入れ、派遣調整(マッ チング)を行い、運営 をサポートする。
②専門職ボランティアのマッチング
• 2016年4月に発生した熊本 地震 • 「みなみ阿蘇福祉救援ボラン ティアネットワーク」が立ち上が る。 • 村内の福祉施設等9カ所を対 象に、延べ1,600名を超える外 部支援者の派遣をマッチング。 事例:みなみ阿蘇福祉救援ボランティアネットワーク H29学び直し塾 19
②専門職ボランティアのマッチング
認定特定非営利活動法人しがNPOセンターHPより24 H29学び直し塾
提案3
課題3 防災士が育成されているが、
活躍する仕組みがない
・区や地域まちづくり協議会との連携がない場合が多いが、地域で こそ活躍する必要がある ・防災士に情報や地域活動への道筋がない防災士が地域で活躍できる仕組みづくり
25 H29学び直し塾
提案
個別でなく包括的な活動、組織の提案 防災士としての存在感や旗振り役が不在→組織化することは困難 現状 地域 ・ 行政 ・ 防災士 防災士の活動と組織化が 必要だけど、まずどうしたら いいんだろう・・・防災士が地域で活躍できる仕組づくり
スタートアップとして、市全体規模の組織ではなく、小学校区単位で 組織されている地域まちづくり協議会での活動 市全体でない組織の提案 地域の防災リーダーという基本に立ち返る市の総合防災訓練では地域まちづくり協議会単位で防災訓練 を行っている例もあり、防災部会で学区内の防災士に中心的役割 を担ってもらう。 区単位では防災士が少なくても、地域まちづくり協議会単位であ れば10名はいるため、防災士同士のつながりも生まれやすい。 26 H29学び直し塾
提案
地域まちづくり協議会の防災部会にて、防災士を中心とした活動を推進 ◯◯学区地域まちづくり協議会 防災士2名 A区 防災士1名 B区 防災士6名 C区 防災士3名 D区 防災士2名 E区 防災士1名 F区 防災士2名 区単位では防災士が少なくても、 地域まちづくり協議会単位では協 議会と区がそれぞれ推薦した防 災士が、合計で17名にもなる 例①防災士が地域で活躍するために
27 H29学び直し塾
5.実現に向けて
1 行政 将来的な市全体の防災ビジョンを提示し、政 策パッケージを具体化。 役割を担う組織(社協、国際協会等)には予 算・補助(特に人件費)を給付する。 2 社会福祉協議会 市と協力して福祉避難所連絡会を組織し、 平時から情報共有や不明点の確認、各施 設の避難計画の策定などを行う。 3 国際協会 SNSでの情報発信を多言語化するなど強化 を図り、平時からの閲覧者を増やす。 4 防災士 防災の専門知識を活かして2.3.5.の組織 など地域で活躍する。 5 地域まちづくり協議会 防災士など地域人材の登用を積極的に行い 地域の防災体制の強化と意識の高揚を図る。
災害時避難所運営に係る問題共有 各避難所と専門職のマッチング 福祉避難所連絡会 事務局:社協 外国人 住民 福祉避難所 平時の情報発信の活発化 →外国人住民の情報拠点化 湖南市国際協会 地域まちづくり協議会 防災部会 防災士