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産褥期における酸化ストレスと抗酸化力

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Academic year: 2021

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日本助産学会誌 J. Jpn. Acad. Midwif., Vol. 26, No. 2, 201-210, 2012

*1名古屋市立大学大学院看護学研究科博士後期課程(Nagoya City University Graduate School of Nursing Doctoral Course) *2名古屋市立大学大学院看護学研究科(Nagoya City University Graduate School of Nursing)

2012年5月9日受付 2012年9月27日採用

原  著

産褥期における酸化ストレスと抗酸化力

Oxidative stress and antioxidant capacity in the postpartum period

藏 本 直 子(Naoko KURAMOTO)

*1

北 川 眞理子(Mariko KITAGAWA)

*2 抄  録 目 的  本研究の目的は,産褥期における母体の酸化ストレス度と抗酸化力および,母乳の総抗酸化能につい て基礎的データを得るとともに,母乳の総抗酸化能と母体の酸化ストレス度,抗酸化力との関係や,周 産期データとの関連性を検討することである。 対象と方法  A県内の産院にて経腟分娩した褥婦50名を対象とした。調査期間は2011年1月から9月であった。血 液は産褥0∼2日と4∼5日,産褥1か月の3時点で,母乳は産後4∼5日と産褥1か月の2時点で縦断的に 採取した。採取した検体は,72時間以内にF.R.E.E.(Free Radical Elective Evaluator,Diacron社製)を用 いて,血漿の酸化ストレス度(d-ROMs)と抗酸化力(BAP)および,母乳の総抗酸化能(OXY Adsorbent) を測定した。 結 果  産褥1か月の酸化ストレス度は393.2 71.9 U.CARRであり,産褥0∼2日と産褥4∼5日と比較して有意 に低下した(p<.001)。抗酸化力は産褥日数が経過するにつれて有意に上昇し(p<.001),産褥1か月は 2288.8 252.1μmol/Lであった。酸化ストレス度と抗酸化力の変化率の間には,有意な正の相関が認めら れた(産褥4∼5日̶産褥0∼2日:r=.467,p<.01,産褥1か月̶産褥4∼5日:r=.337,p<.05)。産褥1 か月の母乳の総抗酸化能は,産褥4∼5日と比較して有意に低値であった(p<.001)。母乳の総抗酸化能 と,酸化ストレス度および抗酸化力の間には相関は認められなかったが,産褥4∼5日の母乳の総抗酸 化能の高値群(n=23)では母体の抗酸化力と正の相関があった(p<.01)。 結 論  産褥期の酸化ストレス度は,産褥1か月には低下するものの依然として基準値より高値であった。抗 酸化力は,産褥1か月には基準値まで上昇することが明らかとなった。また,母乳の総抗酸化能の高値 群では母体の抗酸化力との関連性が示唆された。酸化ストレス状態の評価は,産褥期の健康管理の指標 の一つとして有用性があると考えられた。 キーワード:酸化ストレス,抗酸化力,総抗酸化能,産褥期,母乳

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The aim of this study was to clarify the changes of oxidative stress and antioxidant potential in maternal plasma and total antioxidant capacity in human milk to investigate whether those indices may be associated with perinatal data.

Method

Fifty postpartum women were followed for one month after delivery. We measured reactive oxygen metabolites (d-ROMs) and biological antioxidant potential (BAP) in maternal plasma, and total antioxidant capacity (OXY adsor-bent) in human milk by F.R.E.E. (Free Radical Elective Evaluator), as markers of oxidative stress and antioxidant potential, respectively.

Results

Oxidant stress decreased significantly to 393.2±71.9 U.CARR, but antioxidant potential increased significantly to 2288.8±252.1 μmol/L in one month postpartum (p<.001). The rate of change of oxidant stress correlated signifi-cantly with the rate of change of antioxidant potential (from 0~2 days to 4~5 days postpartum: r=.467, p<.01, from 4~5 days to one month postpartum: r=.337, p<.05). Total antioxidant capacity levels of human milk in one month postpartum were significantly lower than in 4~5 days postpartum (p<.001). High groups of total antioxidant capacity levels of human milk in 4~5 days postpartum (n=23) were correlated with antioxidant potential postpartum (p<.01). Conclusions

Oxidant stress decreased in one month postpartum, however, it was still higher than the normal range. A sig-nificant increase was observed in antioxidant potential by one month postpartum. High groups of total antioxidant capacity in human milk were associated with antioxidant potential in maternal plasma. Evaluation of oxidative stress and antioxidant capacity in the postpartum period is considered useful as indices of health care.

Keywords: oxidative stress, antioxidant potential, total antioxidant capacity, postpartum, human milk

Ⅰ.諸   言

 酸化ストレスとは,生体内の活性酸素やフリーラジ カルの産生と生体に備わっている抗酸化酵素や抗酸化 物質による抗酸化防御システムのバランスが崩れて, 酸化優位に傾いている状態のことである(吉川,2008)。 過剰に発生した活性酸素は,DNA損傷や脂質過酸化, 蛋白変性を引き起こし,発癌や老化など様々な疾患の 原因や憎悪因子となっている。また,生活習慣病やメ タボリック症候群の発症や進行要因としても酸化スト レスの関与が指摘されている(永田・長谷川・広門他, 2007;吉川,2008)。産科領域においては,近年,生 殖分野で慢性的な酸化ストレスによる生殖機能の低下 や不妊症との関連が注目されており,酸化ストレス関 連分子の不妊症マーカーへの利用可能性が検討されて いる(高橋・宮戸・齊藤,2008)。周産期では特に重大 な妊娠合併症である妊娠高血圧症候群において,酸化 ストレスの亢進が発症や疾病進行の一因となっている との報告(Hubel, 1999)や,活性酸素による子宮動脈 血流の障害が胎児発育を抑制するとの報告(Fujimaki, Watanabe, Mori et al., 2011)などがある。国内でも妊 婦の健康管理の評価指標として,酸化ストレスマー カーを利用する試みが検討されている(兒玉・篠原・ 糠塚他,2008;松崎・春名・大田他,2006)。  これまでの周産期の酸化ストレスの研究は,妊娠合 併症の病態解明や予防に関するものが多く,産褥期の 酸化ストレスについて検討した研究はほとんどない。 妊娠期や分娩期に起こる変化は心身ともに負荷が大き く,産褥期には児の生活に合わせて日常生活も変化す ることになり,様々な問題が生じる可能性がある。産 褥期には慢性関節リウマチやSLEなどの自己免疫疾患 が高頻度に惹起すること(日高・多田・飯島他,1995) や,精神障害発症のリスクが高い女性では容易にスト レス負荷によって産後うつ病や産褥精神病などの精 神障害を罹患することが指摘されている(岡野,2008)。 自己免疫疾患の悪化には酸化ストレスの関与を示唆 する報告(Kuroda, Watanabe, Santo et al., 2010;吉川, 2008)もあり,酸化ストレスが生活習慣の影響を受け ること(三村・小林・水越,2007)を考慮すると,産褥 期においても酸化ストレスを評価することは母体の健 康管理上,意義があると考えられる。  本研究の目的は,産褥期における酸化ストレス状態 を,酸化ストレス度と抗酸化力の両面から総合的に評 価し,産褥期の健康管理の指標としての基礎的データ を提示することである。また,母体の酸化ストレス度 や抗酸化力と母乳の総抗酸化能との関連性や,母体の

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産褥期における酸化ストレスと抗酸化力 nini, Macciantelli et al., 2000; Iamele, Fiocchi, Vernoc-chi, 2002)。d-ROMsテストとは,活性酸素やフリー ラジカルの代謝物である血中のヒドロペルオキシド濃 度を呈色反応で計測し,生体内の酸化ストレス度の状 態を総合的に評価するテストである。得られた血液は, 遠心分離して血漿成分を取り出し,血漿20μlをpH4.8 の酸性緩衝液(試薬2)に入れ混合した。次に無色の芳 香族アミン水溶液(試薬1)を血漿入りの試薬2に添加 し混合,直ちに光度計(505nm,5分)で呈色反応を測 定した。単位はU.CARR(ユニット・カール)が用いら れ,1U.CARRは0.08mg/dlの過酸化水素水に相当する ものである。  一方,BAPテストとは,血液中の還元物質による 力,つまり3価鉄(Fe3+)イオンを2価鉄(Fe2+)イオン に還元する力を測定して,血漿の抗酸化力を評価する テストである。チオシアン酸塩誘導物を含む溶液のキ ュベット(試薬1)に三価鉄塩FeCl(試薬2)を50μl混3 合し,光度計で測定した。次に血漿10μlをキュベット に添加し,混合した。三価鉄(Fe3+)イオンの機能で赤 色になった試薬が,血漿中の抗酸化物質の作用で二価 鉄(Fe2+)イオンに還元されて脱色される変化(5分間) を再度光度計(505nm)で測定した。単位はμmol/Lま たはμEq/lである。 3 ) 母乳の総抗酸化能の測定  母乳の総抗酸化能は,OXY吸着(OXY Adsorbent) テストで測定した。OXY吸着テストとは,水溶性有 機液体の抗酸化力を総合的に分析するテストである。 はじめに,採取した母乳は卓上多本架遠心機(TOMY 社,LC-200)を用いて5000rpmで遠心分離し,上層の クリーム状の有形成分を除去して脱脂乳を作成した。 次に,脱脂乳10μlを蒸留水1mlに入れて希釈して,そ の検体から10μlを採り,次亜塩素酸(HClO)入りのキ ュベットに混合した。37℃で10分間保温した後,脱脂 乳入りのキュベットに呈色液10μlを添加し,光度計 (546nm)で測定した。単位はμmolである。 4.データの分析方法  妊娠期から産褥期のデータおよび酸化ストレス度, 抗酸化力,母乳の総抗酸化能の測定値はエクセルに入 力し,すべての統計はIBM SPSS Statistics 19.0を用い て解析した。対象褥婦の酸化ストレス度と抗酸化力の 産褥経過による変化を検討するために反復測定による 分散分析を用い,その後Tukey法による多重比較を行 酸化ストレス度と抗酸化力,母乳の総抗酸化能に影響 する関連要因についても併せて検討した。

Ⅱ.研 究 方 法

1.対象者  妊娠経過が正常であり,A県内の産院にて経腟分娩 した褥婦で,研究参加に同意の得られた者を対象とし た。調査期間は2011年1月から9月であった。 2.調査方法  本研究は,対象者から血液と母乳の両方を採取し て,酸化ストレス度と抗酸化力および,母乳の総抗酸 化能を分析した。血液の採取は,産褥0∼2日と4∼5日, 産褥1か月の3回実施した。エタノールで消毒後,肘 内側の静脈から注射器を用いて約1mlを採血した。母 乳の採取は,産後4∼5日と産褥1か月に約5mlを用手 でコニカルチューブに搾乳した。採取した検体は,72 時 間 以 内 にF.R.E.E.(Free Radical Elective Evaluator,

Diacron社製,輸入元Wismerll社)で,血液は酸化ス

トレス度(Reactive Oxygen Metabolites; d-ROMs test) と 抗 酸 化 力(Biological Anti-oxidant Potential; BAP

test)を,母乳は総抗酸化能(OXY Adsorbent;OXY吸

着test)を測定した。血液と母乳の採取は調査者が対 象者に直接行い,測定も調査者が実施した。また,診 療録や助産録から個人特性に関する基本的情報を収集 した。 3.調査内容 1 ) 個人特性  診療録および助産録より,既往歴,妊娠分娩歴,年 齢,非妊時の身長と体重,妊娠経過(異常の有無,妊 娠貧血の有無など),分娩経過(分娩週数,異常の有無, 分娩所要時間,分娩時出血量,新生児出生体重など), 産褥経過(異常の有無,産褥4∼5日と産褥1か月健診 時の体重,母乳分泌状況,授乳回数,新生児の体重な ど)の情報を得た。身長と体重からはBMI(body mass index)を算出した。 2 ) 酸化ストレス度と抗酸化力の測定  酸化ストレス状態の総合的評価を行うために,本 研究では酸化ストレス度をd-ROMs(Reactive Oxygen Metabolites)テスト,抗酸化力をBAP(Biological Anti-oxidant Potential)テストにて測定した(Alberti,

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Bolog-周産期データ間の関連についてはPearsonの相関分析 を行った。さらに対象者の個人特性と,褥婦の酸化ス トレス度および抗酸化力,母乳の総抗酸化能の比較に はMann-WhitneyのU検定を用いた。すべての検定に おける有意水準はp<.05とした。 5.倫理的配慮  対象者に対して,研究の主旨を文書および口頭で説 明し,研究参加は自由意志に基づいていること,研究 参加の拒否や中断をした場合にもケアに不利益を被ら ないこと,匿名性の確保や研究に伴う不快やリスクに ついてなどを十分説明し,書面にて同意を得た。なお, 本研究は,名古屋市立大学看護学部研究倫理委員会の 承認を得た上で実施した(承認番号10019)。

Ⅲ.結   果

1.対象者の概要  研究の同意を得られた52名のうち,追跡が不可能 だった1例と情報が不十分だった1例を除外した50例 を分析対象とした。対象者の特性を表1に示す。年齢 は32.5 5.0歳,分娩週数は39.4 1.1週であった。初産 婦は12名(24.0%),経産婦は38名(76.0%)であった。 現病歴がある者は3名(6.0%)であり,その内訳は子 宮筋腫,甲状腺機能低下症,特発性血小板減少性紫 斑病(妊娠初期のみ指摘)であった。これらの疾患は, 妊娠期間中や調査時点において悪化することなく経過 し,また現段階では酸化ストレスとの関連は解明され ていないため,各種測定値に影響ないものとして捉え た。また,妊娠中に貧血を指摘された者は33名(66.0%) であった。 2.産褥期における酸化ストレス度と抗酸化力,母乳 の総抗酸化能の変化  産褥期の酸化ストレス度と抗酸化力,母乳の総抗 酸化能の変化について表2に示す。褥婦の酸化スト レ ス 度 は, 産 褥0∼2日(平 均0.92 0.5日 )で は607.6 118.0U.CARR, 産 褥4∼5日(平 均4.38 0.5日 )で は 586.1 113.8 U.CARR,産褥1か月(平均35.7 4.3日)で は393.2 71.9 U.CARRであり,分散分析の結果,有意 に低下した(F(2,98)=125.43, p<.001)。多重比較を行 ったところ,産褥1か月と産褥0∼2日,4∼5日の間に 有意な差がみられた。一方,抗酸化力は,産褥0∼2 日では1633.2 321.3μmol/L,産褥4∼5日では1819.5 314.0μmol/L, 産 褥1か 月 で は2288.8 252.1μmol/Lで あり,有意に上昇した(F (2,98)=129.71, p<.001)。多 重比較を行ったところ,すべての時期の間で有意な差 がみられた。母乳の総抗酸化能(母乳OXY)は,産褥 4∼5日では87.8 23.9 μmol,産褥1か月では63.2 15.7 μmolであり,産後1か月で有意に低下した(t (49)=7.41, p<.001)。  産褥0∼2日から産褥4∼5日の酸化ストレス度と抗 酸化力の変化率および,産褥4∼5日から産褥1か月の 酸化ストレス度と抗酸化力の変化率の間の関係を図1 年齢(歳) 分娩週数(週) 非妊時BMI 産褥1か月BMI 出産回数   初産婦   経産婦 現病歴あり 妊娠貧血あり 分娩時出血量(g) 分娩所要時間(分) 児の出生体重(g) 32.5 5.0 39.4 1.1 20.0 1.5 21.5 1.7 12(24.0%) 38(76.0%) 3(6.0%) 33(66.0%) 275.6 180.4 389.0 333.4 3140.4 388.8 mean SDまたは人(%) 表2 産褥期における酸化ストレス度と抗酸化力,母乳の抗酸化力の変化(n=50) 産褥0〜2日 産褥4〜5日 産褥1か月 F, t P d-ROMs(U.CARR) BAP(μmol/L) 母乳OXY(μmol) 607.6 118.0 1633.2 321.3 − 586.1 113.8 1819.5 314.0*** 87.8 23.9 393.2 71.9** 2288.8 252.1*** 63.2 15.7* 125.43 129.71 7.41 <.001 <.001 <.001 mean SD * 対照群と有意差あり ** 多重比較法で他の2群と有意差あり(vs.0∼2日:p<.001,vs.4∼5日:p<.001) *** 多重比較法ですべての群に有意差あり(p<.001)

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産褥期における酸化ストレスと抗酸化力 に示す。産褥0∼2日から産褥4∼5日の酸化ストレス 度と抗酸化力の変化率の間には,有意な正の相関が認 められた(r=.467, p<.01)。また,産褥4∼5日から産 褥1か月の間の酸化ストレス度と抗酸化力の変化率の 間にも有意な正の相関が認められた(r=.337, p<.05)。 産褥4∼5日から産褥1か月の母乳の総抗酸化能の変化 率と,同時期の酸化ストレス度と抗酸化力の変化率の 関係についてはいずれも相関は認められなかった。 3.母乳の総抗酸化能と褥婦の酸化ストレス度,抗酸 化力との関連  褥婦の酸化ストレス度と抗酸化力,母乳の総抗酸化 能間の相関を表3に示す。産褥4∼5日と産褥1か月の 母乳の総抗酸化能と褥婦の酸化ストレス度,抗酸化力 の間には有意な相関は認められなかった。産褥4∼5 日と産褥1か月の母乳の総抗酸化能の平均値以上を高 値群(n=23)として,母乳の総抗酸化能と褥婦の酸化 ストレス度,抗酸化力との関連を検討したところ,産 褥4∼5日の母乳の総抗酸化能と抗酸化力の間に有意 な正の相関が認められた(産褥0∼2日:r=.544, p<.01, 産 褥4∼5日:r=.506, p<.05, 産 褥1か 月:r=.424, p <.05)。しかし,産褥4∼5日の母乳の総抗酸化能と 酸化ストレス度には相関は認められなかった。産褥1 か月の母乳の総抗酸化能の高値群では,母乳の総抗酸 化能と酸化ストレス度,抗酸化力の間には関連性は認 められなかった。また,産褥4∼5日と産褥1か月の母 乳の総抗酸化能の間には有意な正の相関が認められた (r=.367, p<.01)。 表3 褥婦の酸化ストレス度と抗酸化力,母乳の総抗酸化能間の相関(n=50) 産褥0∼2日 Ⅰ d-ROMs − -.114 .851** -.090 -.025 .275 .013 -.070 Ⅱ BAP − -.154 .586** .267 -.048 .413 .008 産褥4∼5日 Ⅲ d-ROMs − .107 .008 .198 -.039 -.017 Ⅳ BAP − .116 -.104 .515** -.136 Ⅴ 母乳OXY − .166 .151 .367** 産褥1か月 Ⅵ d-ROMs − .099 .198 Ⅶ BAP − -.079 Ⅷ 母乳OXY − **p<.01 図1 酸化ストレス度と抗酸化力の変化率の間の相関(a)産褥0〜2日から産褥4〜5日,(b)産褥4〜5日から産褥1か月

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4.産褥1か月における酸化ストレス度と抗酸化力, 母乳の総抗酸化能と関連要因の検討  産褥1か月における酸化ストレス度と抗酸化力,母 乳の総抗酸化能と,周産期の各種データとの関係を 表4に示す。褥婦の抗酸化力と年齢および体重増加量 (分娩直前の妊婦健康診査の体重­非妊時の体重)の間 に有意な負の相関がみられた(r=-.320, p<.05および r=-.336, p<.05)。また,母乳の総抗酸化能と分娩時 出血量の間に有意な負の相関が認められた(r=-.352, p <.05)。出血量別による褥婦の酸化ストレス度と抗酸 化力,母乳の総抗酸化能の変化を表5に示す。出血量 が250g以下の場合,母乳の総抗酸化能は他の2群と比 較して有意に高値であった(p<.05)。酸化ストレス 度と抗酸化力には統計的な有意差は認められなかった が,出血量が多いほど酸化ストレス度は高く,抗酸化 力は低い傾向がみられた。酸化ストレス度と抗酸化力, 母乳の総抗酸化能のこのような傾向は,産褥0∼2日 や産褥4∼5日にも認められた。  初経産別,現病歴の有無,妊娠貧血の有無などの対 象者の個人特性と,褥婦の酸化ストレス度と抗酸化力, 母乳の総抗酸化能との関係を検討したが,それぞれ統 計的に有意な関連は認められなかった。 1.産褥期における酸化ストレスと抗酸化力,母乳の 総抗酸化能の推移  褥婦の酸化ストレス度(d-ROMs)は,産褥0∼2日と 産褥4∼5日の平均が基準値の500U.CARRを超えてお り,産褥早期の酸化ストレス度は非常に高値を示して いた。酸化ストレス度は産褥0∼2日を最高に下降し たが,産褥1か月時点でも平均値が393.2 71.9U.CARR と高値であった。妊娠期の酸化ストレスに関しては, 脂質ヒドロペルオキシドやマロンジアルデヒド等の過 酸化マーカーのレベルが非妊女性より妊婦で高くなる ことや,過酸化脂質は妊娠中期に上昇することが指摘 されている(Shoji, Koletzko, 2007)。また,d-ROMs濃 度では,妊娠末期には合併症のない妊婦でも非妊時 と比較して上昇することが報告されており(Fujimaki, Watanabe, Mori et al., 2011; Harsem, Braekke, Staff, 2006;児玉・篠原・糠塚他,2008),分娩時のd-ROMs は600U.CARR以上の高値になるとの指摘もある(田中 ・北川・山本,2010)。本研究からは,産褥早期の酸 化ストレスは分娩後であっても依然として高値である ことが明らかとなった。生涯にわたる女性の健康の保 持増進のためには,妊娠期だけでなく,産褥期にも気 を配り,酸化ストレス度がいつの時点で正常値に戻る のか経時的な推移を調査する必要があると考える。ま た,酸化ストレスは流早産や妊娠高血圧症候群の発 症に関与しているといわれており,Erdem, Harma, Harma et al.(2012)は子癇前症や妊娠高血圧症候群な どの高血圧症を合併した妊婦は正常妊婦よりも分娩開 始前の母体血や臍帯血,産褥3日の母乳で酸化ストレ ス指数の有意な上昇と抗酸化能の有意な減少を報告し ている。さらに,分娩時の母体血と臍帯血間において は酸化ストレスマーカーであるカルボニル基や過酸化 脂質には正の相関があり,母親と新生児の酸化ストレ ス状態の関連が指摘されている(Arguelles, Machado, Ayala et al., 2006)。妊娠期からの高い酸化ストレス状 表5 分娩時出血量別による産褥1か月の酸化ストレス度および抗酸化力と母乳の総抗酸化能の変化 出血量 250g未満(n=28) 250〜500g(n=17) 500g以上(n=5) F P d-ROMs(U.CARR) 390.8 78.3 395.4 54.9 399.6 99.2 .04 n.s. BAP(μmol/L) 2315.1 261.8 2290.6 226.4 2135.6 276.8 1.08 n.s. 母乳OXY(μmol) 69.5 10.7* 56.2 18.9 52.0 14.1 6.25 <.01 *多重比較法で他の2群と有意差あり(vs.250∼500g:p<.05,vs.500g以上:p<.05 mean SD

d-ROMs BAP 母乳OXY

年齢(歳) .085 -.320* -.074 分娩週数(週) -.026 -.002 -.039 身長(cm) -.039 -.099 -.220 非妊時BMI -.102 -.119 -.207 体重増加量(kg) .162 -.336* .122 産褥1か月BMI -.058 -.215 -.115 出血量(g) .033 -.155 -.352* 分娩所要時間(分) -.106 -.102 .034 新生児出生体重(g) -.023 -.200 -.243 *p<.05

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産褥期における酸化ストレスと抗酸化力 態は産褥期にも持続する可能性や母親と新生児の酸化 ストレス状態は関連することから,妊娠中から母親の 酸化ストレスが上昇している場合には新生児も同様に 酸化ストレスが高いことを考慮しなければならないと 考えられる。   一 方, 抗 酸 化 力 は, 産 褥0∼2日 で1633.2 321.3 μmol/L,産褥4∼5日で1819.5 314.0 μmol/Lと基準値 (2200 μmol/L以上)より不足からやや不足の状態であ ったが,産褥1か月では2288.8 252.1 μmol/Lと産褥日 数が経過するにつれて適値まで上昇した。産褥期の酸 化ストレス状態は,酸化ストレス度に比して,抗酸化 力の方が早期に改善していた。抗酸化力は妊娠末期 に最も低下するとの報告があるが(田中・北川・山本, 2010),産褥早期には抗酸化力が不足の状態にあるも のの,全身状態の回復や復古により産褥1か月には非 妊時の状態に改善することが本研究より明らかになっ た。産褥1か月では,酸化ストレス度は基準値(200∼ 300U.CARR)より依然として高値であり,抗酸化力が 低い褥婦では相対的に酸化ストレス度が高いと評価で きる。  本研究では,母乳の総抗酸化能は産褥4∼5日より 産褥1か月の方が有意に低下した。早産児の母乳の総 抗酸化能を二価鉄イオンへの還元力を評価する方法 で測定した研究では,生後日数と母乳の総抗酸化能 の間には逆相関があることが報告されている(Ezaki, Ito, Suzuki et al., 2008)。また,代表的な抗酸化酵素で あるsuperoxide dismutase(SOD)活性や抗酸化物質の ポリフェノールは成乳より初乳で有意に高いことが報 告されている(Wakana, Daimatsu, Homma et al., 2007)。 本研究においても,先行研究と同様に母乳の総抗酸化 能は産後日数の経過によって減少することが明らかに なった。しかしながら,母乳の抗酸化能は減少してい くものの,生後4∼145日での母乳の抗酸化能は人工 乳と比較して継続的に高いとの指摘がある(Ezaki, Ito, Suzuki et al., 2008)。また,生後1か月の乳児におけ るDNAの酸化障害のマーカーである尿中8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)の排泄は母乳栄養児では有 意に低く,人工乳栄養児と比べて酸化障害が軽減され ているとの報告(Shoji, Oguchi, Shimizu et al., 2003)や, 生後3∼6か月の母乳栄養児は血漿中の抗酸化能レベ ルやビタミンC濃度が人工栄養児より高いことが報告 されており(Aycicek, Erel, Kocyigit et al., 2006),これ らの結果は,母乳が人工乳より長期的に児に対して抗 酸化能を与えることを示している。新生児は胎児期の 低酸素の環境から正常酸素圧の子宮外の環境へ移行す ることによって活性酸素の産生が4∼5倍に増加する こと(Shoji, Koletzko, 2007)を考え合わせると,母乳 が新生児の体内の抗酸化防御系に果たす役割は非常に 大きい。以上のことから,分娩後早期から新生児や乳 児へ抗酸化能を含む母乳を与える意義は大きく,酸化 ストレスの観点からも母乳栄養を推進していくことは 非常に重要であると考える。  さらに,今回,酸化ストレス度と抗酸化力の変化率 の間に正の相関関係が認められ,酸化ストレス度の減 少率が小さい褥婦では,抗酸化力の増加率が大きい ことが分かった。この結果から,酸化ストレス度が高 い場合には,抗酸化力を上昇させて,酸化ストレスと 抗酸化のバランスを維持しようとする生体のホメオス タシス機構が作用しているのではないかと考えられた。 生体内では活性酸素の産生と抗酸化防御システムの微 妙な均衡によって健康が保たれている。酸化ストレス 状態の評価は,酸化ストレスと抗酸化力の両面からの 評価が重要であり,両者を分析することで生体の酸化 ストレス状態を総合的に評価できる。さらに,縦断的 に追跡することによって,過去の状態からどの程度変 化したかを知ることができ,相対的変化量を把握でき るものと考える。酸化ストレス状態の評価は,酸化ス トレス度と抗酸化力の両面からの査定が重要であるこ とや,経時的変化を捉えることによって酸化ストレス 状態をより正確に把握できるということが改めて確認 できたといえる。 2.母乳の総抗酸化能と母体の酸化ストレス度,抗酸 化力間の関連  本研究では産褥4∼5日と産褥1か月時点の母乳の総 抗酸化能と各時期の褥婦の酸化ストレス度,抗酸化力 には有意な関連は認められなかった。褥婦の酸化スト レス度は,母乳の総抗酸化能に関連しないことが明ら かとなった。母乳の総抗酸化能と母体の抗酸化力につ いては全体として有意な相関はなかったが,産褥4∼ 5日での母乳の総抗酸化能の高値群においては褥婦の 抗酸化力と正の相関関係が認められており,母乳の総 抗酸化能と褥婦の抗酸化力には何らかの関連性が示唆 される。Vanderjagt, Okolo, Costanza et al.(2001)は母 乳の抗酸化成分と母体の抗酸化状態は有意な正の相関 を示すと報告しており,Zarban, Taheri, Chahkandi et

al.(2009)も産後3か月の授乳婦の血漿の抗酸化力と母

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究では強力な活性酵素である次亜塩素酸の消去能力を 測定して母乳の抗酸化能を総合的に評価した。次亜塩 素酸は生体内の白血球が異物を攻撃する際に産生する 最も強力な活性酸素の一つであるため,OXY吸着テ ストによって生体内で起こる反応を生体外で再現でき るものと考えた。そのため,今回の結果には,血漿と 母乳の抗酸化能を異なった方法を用いて評価したこと も影響している可能性がある。FRAP法はBAPテスト と類似した方法であるため,今後は同方法を用いた検 証を含めて,母乳の総抗酸化能と母体の抗酸化力との 関連を詳細に検討していく必要がある。 3.産褥1か月の酸化ストレス度と抗酸化力,母乳の 総抗酸化能に関連する要因  産褥1か月の酸化ストレス度と抗酸化力,母乳の 総抗酸化能と周産期の各種データとの関連について は,分娩時出血量の増減が産褥1か月の母乳の総抗酸 化能に影響する可能性が示唆された。経腟分娩により 約300∼500mlの血液が失われるが,分娩時出血量や 妊娠中の貧血の程度によっては産褥期に貧血を呈する 危険性がある。出血性外傷性モデルの場合,抗酸化物 質としても知られる血漿中のトコフェノール濃度は下 降することが報告されており(Helmut S., 1991/1996), ショックとまでいかなくても循環血液量の喪失は,血 球成分とともに血漿中の抗酸化物質も流出させるため, それが母体の抗酸化力や母乳の総抗酸化能に影響した 可能性がある。しかしながら,今回の調査では褥婦の 酸化ストレスや抗酸化力防御システムと,産褥期の貧 血や血液成分との関連について十分検討することがで きなかった。産褥期の貧血は,身体の回復に大きく影 響する指標であり,妊娠期からの生活習慣とも深く関 係する。今後は周産期データと併せて,産後の生活習 慣と酸化ストレスの関連や母乳の総抗酸化能に及ぼす 影響についてさらに検討していく必要がある。  また,今回,抗酸化力と年齢,体重増加量の間に負 の相関が認められた。酸化ストレス度(d-ROMs)は年 齢や性別に依存して変化しないが,高齢者の場合には 抗酸化力(BAP)が低い傾向を示す。本研究の対象者 は生殖可能年齢(平均32.5 5.0歳,範囲19∼43歳)で あり,高齢者ではない。対象者の年齢の範囲が19∼ 43歳と幅広いことが結果に影響した可能性はあるが, 年齢が高いほど経産回数が多いこと(r=.323, p<.05) 体的な負荷が大きいことが推察される。また,今回の 調査では,BMIや体重増加量などの肥満関連指標と酸 化ストレス度(d-ROMs)との間に関連はみられなかっ た。肥満と酸化ストレスマーカーとの関連性は以前か ら指摘されており(Ohmori, Ebihara, Kuriyama, et al., 2005),体重増加や高いBMIは妊娠期においても酸化 ストレス増加の危険因子とされている(兒玉・篠原・ 糠塚他,2008)。本研究の結果は,酸化ストレス度に 影響しないまでも,抗酸化力に反映して,酸化・抗酸 化のバランスの不均衡を生じさせる可能性を示唆する ものと考えられる。多くの研究は様々な酸化ストレス マーカーを用いて生体内の酸化ストレス状態を評価し ているが,酸化ストレス度のみの一側面を測定したも のが多く,酸化・抗酸化システムのバランスを総合的 に検討している研究は少ない。適切に生体内の酸化ス トレス防御系を評価するならば,酸化・抗酸化の両面 のバランスから評価することが望ましいと考える。酸 化ストレス防御系を包括的に評価した研究からは,内 因的要素(遺伝,疾病,睡眠障害など)は酸化ストレ ス度(d-ROMs)に反映し,外因的要素(食事内容など) は抗酸化力(BAP)に反映するとの指摘もあるため(永 田・長谷川・広門他,2007),今後はさらにデータ数 を積み重ね,内的および外的要素の視点からも関連要 因を整理,検討していく必要があると考える。

Ⅴ.結   語

 本研究では,産褥期における酸化ストレス状態を総 合的に評価するために,正常な妊娠経過で経腟分娩し た褥婦を対象に,酸化ストレス度と抗酸化力,母乳の 総抗酸化能を測定し,各指標の関連性を検討した。  産褥期の酸化ストレス度は,産褥0∼2日に最も高 値を示し,産褥1か月には低下するものの依然として 基準値より高値であった。抗酸化力は産褥日数が経過 するにつれて上昇した。酸化ストレス度の減少率が小 さい褥婦では,抗酸化力の増加率が大きいことが分か った。母乳の総抗酸化能は産褥1か月より産褥4∼5日 の方が高値を示し,産褥4∼5日の母乳の総抗酸化能 の高値群では母体の抗酸化力との関連性が示唆された。 また,分娩時出血量の増減は母乳の総抗酸化能に影響 する可能性が考えられた。以上より,本研究から産褥 期における酸化ストレスと抗酸化力についての基礎的

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産褥期における酸化ストレスと抗酸化力 データを提示することができ,さらに酸化ストレスの 観点から母乳栄養への知見を示すことができた。しか しながら,今回の調査ではサンプル数が少なく,統計 処理を行うには限界があった。また,検体採取につい ては,対象者の負担を考慮して,産後の体調に合わせ て実施し,産褥1か月では 1か月健診の時間に合わせ て採取した。多量の食事摂取後には検体採取を避けた ものの,同一時間帯に統一して検体を採取することは 困難であった。d-ROMsテストやBAPテストは日内変 動がないとされているが,生体試料を取り扱うゆえに 慎重を期すことは重要である。今後は採取時間を同一 時間帯にできるよう検討したいと考える。  本研究から産褥期の健康状態の指標の一つとして酸 化ストレス度や抗酸化力を評価する意義は明らかであ るが,現段階では未検証な点もあり,実践的に活用す るまでには至っていない。今後はサンプル数を増やし て調査を継続し,産褥期における酸化ストレス防御系 の長期的な評価や健康管理の指針についても検討して いく予定である。 謝 辞  本研究に快くご協力くださいました対象者の皆様, 研究にご配慮くださいました施設の皆様に深く感謝い たします。  本研究は,公益信託山路ふみ子専門看護教育研究助 成基金より助成を受けた。 文 献

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