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緊急帝王切開後の女性の急性ストレス反応

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J. Jpn. Acad. Mid., Vol. 18, No. 1, pp. 37-48, 2004. 6

緊 急 帝 王 切 開後 の 女 性 の 急 性 ス トレ ス 反 応

-出産体験 と産褥1週 間の体験の分析 を通

Acute

stress

reactions

of women

after

emergency

caesarean

section

the

analysis

of birth

and

the

first

week

post

surgery

experiences

(Naomi

YOKOTE)

要 約 目 的 緊 急 帝 王 切 開 に よ って 生 児 を出産 した 女性 が 自 らの 出産 体 験 を トラウ マ と して認 知 して い る のか,認 知 して いた 場 合 は どの よ う な急 性 ス トレス 反応 を示 す の か を知 る こ とを 目的 と した 。 対 象 お よ び方 法 民 間 の産 婦 人 科 病 院 に お い て緊 急帝 切 で 生 児 を 出産 した女 性11名 に対 し,半 構 成 的面 接2回(産 褥2, 7日)と 参 加 観 察,1か 月 健 診 時 に も面 接 を行 った 。逐 語 記録 と フ ィー ル ド ・ノー トか ら得 られ た 女性 の 体 験 に 関 す る 記 述 デ ー タ をDSM-IVに よ る 急 性 ス トレ ス 障 害 診 断 基 準(American Psychiatric Association,1994/1996)を 用 い て分 析 した 。 さ ら に,特 に トラ ウマ の 再 体 験 を含 む急 性 ス トレ ス 反 応 が認 め られ た女 性 の 出産 体 験 と産 褥1週 間 の 体 験 を記 述 的 に分 析 した 。 結 果 11名 の うち8名 が 緊急 帝 切 に お い て何 らか の トラ ウマ を有 して お り,そ の う ち3名 に フ ラ ッ シ ュバ ッ ク,悪 夢,侵 入 性 想 起 とい っ た トラ ウ マ の再 体 験 を含 む急 性 ス トレス反 応 が認 め られ た。 これ ら3名 は, 手 術 そ の もの よ り も,出 産 に お い て 自分 と子 ど もの生 命 や 自己 の存 在 を圧 倒 した 強 烈 な体 験 を トラ ウ マ と して認 知 して い た。 しか し,子 ど もに よ る癒 し,母 子 の 順 調 な経 過 と適 切 な ケ ア,出 産 体 験 を第 三 者 に語 る こ と とい う3つ の 要 因 が 出産 に対 す る認 識 の変 化 を促 し,ス トレ ス反 応 の軽 減 に つ な が っ た と考 え られ た。 結 論 以 上 か ら,緊 急 帝 切 後 の女 性 の急 性 ス トレ ス反 応 を軽 減 す る た め に も,可 能 な範 囲 で の 母 子 の早 期 接 触,授 乳 や養 育,女 性 が 自 らの 出産 体 験 を と らえ直 す こ とが で き る よ うな サ ポ ー トが 重 要 で あ る こ とが 示 唆 さ れ た。 キ ー ワ ー ド 緊急 帝 王 切 開,ト ラ ウ マ,急 性 ス トレ ス反 応,出 産 体 験,産 褥 期 の 体 験

*広 島大学大学院医学系研究科博士課程後期 (Graduate School of Medical Sciences, Hiroshima University)

2003年12月22日 受 付2004年6月3日 採 用

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緊 急帝 王 切 開後 の女性 の急性 ス トレス 反応

Abstract Purpose

The purpose of this study is to clarify the following questions :

Are emergency caesarean sections perceived as a traumatic experience by women who had a live birth?

What reactions do the women have to the acute stress after emergency caesarean sections that were perceived as traumatic experience?

Methods

Eleven women who delivered live babies by emergency caesarean section at a private maternity hospital were interviewed using semi-structured guides on the second and seventh day after surgery and again at one-month post surgery. They were also observed in the post delivery ward. The data for birth and postnatal experiences from transcriptions and field notes were analyzed based on the diagnostic criteria for acute stress disorder in the DSM-IV

(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, American Psychiat-ric Association, 1994/1996). Further, the birth and postnatal (the first week post surgery) experiences of women who had acute stress reactions included re-experience their traumas were descriptively analyzed.

Results

Eight of the 11 women experienced their emergency caesarean delivery as a traumatic event, and three of the eight women re-experienced their traumas through flashbacks, night-mares, and intrusive memories. These 3 women perceived their violent birth experiences as traumas that overwhelmed their and their babies' lives or their identities, rather than simply as a surgical procedure. However, three factors contributed to changing their negative per-ceptions of childbirth, and then alleviating their acute stress reactions : 1) feeling comforted or healed by their babies, 2) good physical condition of mother and baby due to good hospi-tal care, and 3) hospi-talking about their birth experiences with a third person.

Conclusion

These results suggest that early contact of mother and baby, support for breastfeeding, parenting and birth review are important to alleviate women's acute stress reactions after emergency caesarean section.

Key Words emergency caesarean section, trauma, acute stress reaction, birth experience, postnatal experience I緒 言 予 想 外 に帝 王 切 開分 娩 とな った 女 性 の 衝 撃 と恐 怖 は非 常 に強 く,緊 急 帝 王切 開(以 下,緊 急帝 切 とす る)に よ っ て 出産 した 女 性 の 中 に は,そ の 強 烈 な出 産 体 験 ゆ え に,生 児 を得 て もな お苦 しん で い る者 も存 在 す る(横 手,2001)。 帝 王 切 開 に限 らず,近 年,海 外 で は 出産 後 の女 性 が 出 産 体 験 を トラ ウ マ と して 認 知 して い る こ と が 危 惧 さ れ て お り,難 産 後 に 心 的 外 傷 後 ス ト レ ス 障 害(Posttraumatic Stress Disorder; PTSD)が 発 症 し た 症 例(Ballard et a1.,1995) や,緊 急 帝 切 後 の 女 性 の 一 部 が 急 性 ス ト レ ス 障 害

(Acute Stress Disorder; ASD)に 該 当 し た と い う 報 告 も み ら れ る(Ryding et al.,1997)。 し か し,わ が 国 で は,緊 急 帝 切 に よ る 女 性 の 出 産 体 験 お よ び 産 褥 期 の 体 験 に 関 す る研 究 自 体 が 少 な く,緊 急 帝 切 を トラ ウ マ と い う視 点 で と ら え た 研 究 は 見 受 け ら れ な い 。 そ こ で 本 稿 で は,緊 急 帝 38 日本 助 産学 会誌 第18巻 第1号(2004.6)

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緊 急帝 王切 開後 の女 性 の急 性 ス トレス 反応 切 に よっ て生 児 を 出産 した 女性 が 自 らの 出 産 体 験 を トラ ウ マ と して認 知 して い るの か,認 知 し て い る とす れ ば,ど の よ うな 急性 ス トレ ス反 応 を示 す の か を知 る こ と を 目的 と した 。 II 研 究 方 法 1.研 究 対 象 民 間 の 産婦 人 科 病 院 で緊 急 帝 切 で生 児 を出産 し, 精 神 疾 患 や重 篤 な術 後 お よび産 後 合 併 症 が な く, 面 接 可 能 で,文 書 と口頭 で 同意 が得 られ た女 性 。 2.デ ー タ 収 集方 法 対 象 者 に対 し,産 褥 入 院 中 に半構 成 的 面接2回 と参 加 観 察 を実施 した 。 担 当 医 と病 棟 師 長 らの許 可 を得 て,産 褥1日 にベ ッ ドサ イ ドで調 査依 頼 を 行 い,面 接 は 自室(個 室)に て 産褥2日 と7日 に 行 った 。 面 接 内 容 は,分 娩 入 院 あ るい は 緊 急 入 院 か ら手 術 が 決 定 し終 了 す る まで,お よび 産褥1週 間 の 体 験 に つ い て で あ り,対 象 者 の許 可 を得 て テ ー プ録 音 し,逐 語 記 録 を作 成 した 。術 後 の ベ ッ ドサ イ ドや 日常 生 活,授 乳 場 面 の 参 加観 察 で 得 た 情 報 は,対 話 や 観 察 の終 了 後 直 ち に フ ィー ル ド ・ ノ ー トに記 録 した。1か 月健 診 時 の面 接 は,外 来 の待 合 時 間 に行 っ た。 3.分 析 方 法(図1) 面 接 の逐 語 記 録 とフ ィール ド ・ノー トか ら得 ら れ た 記 述 デ ー タ を 対 象 ご と に 分 娩 ・産 褥 経 過 に 沿 っ て 整 理 し,DSM-IV (Diagnostic and Sta-tistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, American Psychiatric Association, 1994/1996)に よ るASD診 断 基 準 を 用 い て,対 象 の 体 験 や 反 応 が 各 基 準 に 該 当 す る か ど う か を 照 合 し た 。 な お,診 断 基 準Aの 『トラ ウ マ の 存 在 』 に つ い て,DSM-IVで は 「実 際 に ま た は 危 う く死 ぬ ま た は 重 傷 を 負 う よ う な 出 来 事 を 一 度 ま た は 数 度, ま た は 自 分 ま た は 他 人 の 身 体 の 保 全 に 迫 る 危 険 を そ の 人 が 体 験 し,目 撃 し,ま た は 直 面 し た 」 こ と が 前 提 条 件 と な っ て い る 。 産 科 領 域 で は,胎 児 の 生 命 に 危 険 が 迫 っ た 場 合,妊 産 婦 が 危 険 に 曝 さ れ て い る 胎 児 の 様 子 を 直 接 「目 撃 」 す る こ と は で き な い が,妊 娠 期 間 を 通 し て,自 ら の 胎 内 で 慈 し み 育 て て き た わ が 子 に 生 命 の 危 機 が 迫 っ て い る こ と を 宣 告 さ れ た 場 合 も,こ の 条 件 に 十 分 合 致 す る と 考 え ら れ る 。 ま た,DSMに よ る 診 断 基 準 は そ の 最 大 公 約 数 的 性 質 か ら 刺 激 特 性 が 明 確 化 さ れ て お ら ず,実 際 に 何 が ト ラ ウ マ で あ る か と い う 点 に は 議 論 の 余 地 が あ る と さ れ て い る(西 澤,1999)。 そ こ で,本 稿 で はRydingら(1997)を 参 考 に し,`ト ラ ウ マ'と は 「女 性 が 分 娩 入 院 あ る い は 緊 急 入 院 後,緊 急 帝 切 で 子 ど も を 出 産 す る ま で に, 自 分 が 危 う く死 ぬ,ま た は 危 害 を 与 え られ る,も し く は 子 ど も が 危 う く死 ぬ,ま た は 重 症 や 後 遺 症 を 伴 っ て 生 ま れ る か も し れ な い と い う 脅 威 や 恐 怖 図1分 析 の手 順 日本 助産 学 会誌 第18巻 第1号(2004.6) 39

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緊 急帝 王 切 開後 の 女性 の急 性 ス トレス反 応 を感 じ,動 揺 した体 験 」 と して用 い た。 ASD診 断 基 準 に よ る全 対 象 の 分 析 後,今 回 特 に,PTSDの 初 期 症 状 と し て特 徴 的 な ス ト レ ス 反 応 と も言 わ れ る,ト ラ ウマ の再 体 験 を含 む 急 性 ス トレ ス反 応 が認 め られ た 女 性 の 出産 体 験 と産 褥 1週 間 の体 験 を記 述 的 に分 析 し た。 具 体 的 に は, 対 象 ご とに記 述 デ ー タ を診 断 基 準 を参 考 に しな が ら何 度 も読 み返 し,今 回 の 出 産 に お い て何 が トラ ウマ とな っ て い るの か,そ の 認 知 に至 っ た背 景, 急 性 ス トレス反 応 の経 過,出 産 に対 す る認 識 の 変 化 に着 目 し,時 系列 に 沿 って 女 性 の 出産 体 験 と産 褥1週 間 の体 験 を再 構 成 し,記 述 した。 分 析 過 程 は 医師 を含 む母 子保 健 領 域 の研 究 者3 名 と検 討 を繰 り返 す と と もに,ASD診 断 分 類 に つ い て精 神 科 医 に意 見 を も らい,妥 当性 の確 保 に 努 めた 。 4.倫 理 的 配 慮 研 究 参 加 は対 象 者 の 自由意 志 で あ り,研 究 参 加 を断 っ て も母 子 が 診 療 に お い て 不利 を被 る こ とは ない こ と,調 査 開 始 後 も中 断 で き る こ と,母 子 の プ ラ イバ シー の保 護 を保 証 した 。 た だ し,そ の母 子 が 適 切 な治 療 を受 け る上 で必 要 とみ な され た情 報 につ い て は,対 象 の 同意 を得 て ス タ ッ フ に報 告 す る こ とを説 明 した。 また 強度 の ス トレ ス反 応 を 示 す 対 象 者 に つ い て は,協 力 施 設 の ス タ ッフ に必 要 に 応 じ て精 神 的 フ ォ ロ ー や専 門機 関 との 連 携 を 依頼 す る こ とを調 査 開始 前 に説 明 し,了 解 を得 た 。 研 究 参 加 の 同 意 が 得 られ た 場 合 も,面 接 当 日は 事 前 に看 護 記 録 を把 握 し,対 象 者 と看 護 者 に面 接 が 可 能 か を再 確 認 した 。1回 の 面 接 時 間 は1時 間 以 内,面 接 中 は対 象 者 の 疲 労 や体 調 に 留 意 し,体 験 を話 す こ とが 辛 い とき は 中 断 し て よ い こ と を伝 え た 。 医 療 処 置 や授 乳,面 会 な どが 入 っ た場 合 は 面 接 を 一 時 中 断 し,許 可 を得 て後 刻 あ る い は 後 日 に再 開 した 。 III 結 果 1.対 象 の概 要 研 究 参 加 を依 頼 した女 性11名 全 員 か ら同 意 が得 られ,調 査 を実 施 し た。 調査 開 始 後,中 断 を 申 し 出 た 者 は い な か った 。 対 象 の 産 科 学 的 背 景 の概 要 を表1に 示 した 。 な お,全 対 象 の 術 式 は腹 壁 正 中 切 開,子 宮下 部 横 切 開,麻 酔 法 は腰 椎 麻 酔 で,他 院 か ら の母 体 搬 送 例 は な か っ た 。 出 生 後NICU搬 送 や 重 篤 な疾 患 を有 した 新 生 児 は い な か っ た が, 対 象1の 新 生 児 の み 早 産 児,低 出 生 体 重 児 にて 保 育 器 管 理 が続 い た 。 2.ASD診 断 基 準 に よ る分 析 結 果 対 象11名 の デ ー タ をASD診 断 基 準 に基 づ い て 分 析 した 結 果 を 表2に 示 した 。 基 準Aを 満 た し, 緊 急 帝 切 に お け る トラ ウ マ を有 して い た の は8名 で,8名 全 員 が何 らか の ス トレス 反 応 を有 して い た 。 最 も多 か っ た 反 応 は基 準Bの 解 離 性 症 状 で, 表1対 象 の産科 学 的背 景 40 日本 助 産 学会 誌 第18巻 第1号(2004.6)

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緊 急帝 王 切 開後 の 女性 の急 性 ス トレス反 応 表2 ASD診 断基 準 に よる11名 の分析結 果 術 前 処 置 や術 中 は 「ぼ うっ と して いた 」 とい う言 葉 に象 徴 さ れ た よ うな 自分 の 周 囲 に対 す る注 意 の 減 弱,今 か ら手 術 を受 け る,あ る い は子 ど もが 危 な い,も う生 まれ て し まった とい うこ とが ピ ン と こな い とい う現 実 感 の消 失 と感 情 の 一 時 的 な麻 痺 が あ っ た。 しか し,こ の 反 応 は ご く短 期 間 に限 ら れ てお り,子 ど も と接 す る よ う にな っ て か らは ほ とん ど出 現 して い なか った 。3回 の 面 接 時 の い ず れ も,す べ て の 基 準 を満 た した 者,精 神 科 的 治療 を要 した 者 は い なか った 。 ASD診 断 基 準 に よ るス トレス 反応 の例 と し て, 対 象1,2,8の 具 体 的 な反 応 を表3に 整 理 し た (た だ し,基 準F,Hに つ い て は該 当 者 な し,基 準Gは3名 と も合 致 の た め,表 中 か ら省 略 した)。 これ ら3名 に は基 準Cの トラ ウ マ の再 体 験 が 認 め られ た が,そ の持 続 は最 大 で も6日 間(対 象8) で あ っ た。 3.ト ラ ウマ の 再 体 験 を含 む急 性 ス トレス 反 応 が 認 め られ た 女性 の 出 産 体 験 と産 褥1週 間 の 体験 次 に,基 準Cを 含 む 急 性 ス トレス 反 応 が 認 め ら れ た3名(対 象1,2,8)に つ い て,出 産 体 験 と産褥1週 間 の 体 験 を時 系 列 に沿 っ て記 述 的 に 分析 した 。以 下,分 析 結 果 を各 対 象 の 経 過 が わ か りや す い よ う に対 象 ご とに記 述 す る。 な お,語 り の 引 用 中 の()は 対 象 の 表 情 や し ぐさ,ま た は 研 究 者 が対 象 の 言 葉 を補 った 部 分 を表 して い る。 <対 象1> 対 象1は,同 日の うち に 下腹 痛 で2度 も時 間 外 受 診 し,2度 目 の受 診 で 緊 急入 院 とな った 。 妊 娠 中 は も ち ろ ん,入 院 時 も,「 ま さか 帝 王 切 開 に な る と は思 っ て い なか っ た」。 入 院 後 は猛 烈 な 陣 痛 の痛 み で,「 別 に,な ん か,(自 分 は)死 ん だ ほ う が い い な」 「も う,痛 い と い うの で 頭 が い っ ぱ い で,早 く ど うにか して ほ しか っ た 」 と い う。 彼 女 は,こ の よ うな身 体 的 状 況 と常 位 胎 盤 早 期 剥 離 と い う術 前 診 断 か ら,最 低 限 の術 前 説 明 しか 受 け て い な か っ たが,す ぐに手 術 に 同 意 して いた 。 手 術 を宣 告 され る まで 帝 切 に対 す る心構 え ど ころ か, 分 娩 に な るか も しれ な い とい う認 識 さ え な か っ た が,手 術 や 分 娩 に対 す る恐 怖 や 不 安 よ り も,と に か くこの 痛 み か ら救 っ て ほ しい,そ の た め に は 医 師 に任 せ る し か な い と思 っ た の で あ る。 彼 女 は あ ま りの痛 さ で,手 術 決 定 以 降,術 中 の 日本 助産 学 会誌 第18巻 第1号(2004.6) 41

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緊 急 帝王 切 開後 の 女性 の急 性 ス トレス反 応

表3 ASD診 断 基 準A∼Eに つ い て の 対 象1,2,8の 反 応

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緊 急帝 王切 開 後 の女 性 の急性 ス トレス反 応 こ とは よ く覚 え て い な か っ た が,助 産 師 に 「も う す ぐだ か らい きん だ らい か ん よ!」 と励 ま され な が ら車 椅 子 で手 術 室 に運 ば れ た こ とだ け は鮮 明 に 覚 え て い た。 子 ど もが 生 まれ た 時 点 で は 「大 丈 夫 だ っ た ん だ … … と ぐ らい しか 思 わ な か った 」 とい う よ うに,一 時 的 な感 情 の 麻痺 も あ った が,帰 室 途 中 の ス トレ ッチ ャー 上 で 再 び 子 ど もの こ とが 心 配 に な り,早 く赤 ち ゃん を 自分 の 目で 見 た い と 思 った と い う。 翌 日,助 産 師 に子 ど もの 面 会 に誘 わ れ た とき は とて も うれ し か っ た が,車 椅 子 に 乗 った こ と を きっか け に,術 前 の猛 烈 な痛 み を思 い出 して 嫌 な 気 持 ち に な り,以 降 は 自力 で 歩 け る よ う に な る ま で 面 会 に は行 か なか っ た。 つ ま り,彼 女 に とって 車 椅 子 は,死 を覚 悟 す る く らい の猛 烈 な痛 み とい う トラ ウ マ の象 徴 とな っ て お り,車 椅 子 に再 び乗 る こ とに よっ て トラ ウ マが 再 体 験 され て いた 。 彼 女 は,出 産 体 験 に お い て は子 ど もよ り も自分 自身 に 関 す る認 識 が 中心 とな っ て い たが,産 後, 保 育 器 の 中 の 子 ど も を改 め て見 る と,「 か わ い い 」 と思 う と同 時 に早 産 で産 ん で し まっ た こ とを後 悔 し,激 痛 に襲 わ れ た の は便 秘 薬 のせ い だ と思 い込 み,過 敏 にな って い た 。 この ほ か に も 「小 さ い赤 ち ゃん だ か ら や っぱ り ね,ち ゃ ん と,ず っ と頑 張 って い け る の か な 」 「自分 の体 も ち ゃ ん と よ く な るの か 」 と心配 は尽 きず,不 安 の訴 え も多 か っ た 。 しか し,産 後,わ か らな い こ とが あ っ て もす ぐ に看護 者 に聞 け るの で安 心 は で きて い た。 また,術 直 後 は 「生 まれ た とい う こ とが信 じ ら れ な い」 とい う よ う に子 ど も を産 ん だ実 感 は な い もの の,子 ど もの こ とが 心配 で,自 分 の産 後 の こ とな ど考 えて い る場 合 で はな か ったが,徐 々 に搾 母 乳 や保 育 器 内 で の オ ム ツ交 換 な どで きるか ぎ り の世 話 をす るた め に意 欲 的 に な っ た。 この背 景 に は助 産 師 か らの働 きか け もあ り,子 ど もを実 際 に 見 た り触 れ た りす る こ とで,子 ど もを産 ん だ とい う事 実 が彼 女 の 中 で現 実化 した こ とが あ っ た。 ま た,今 回 の大 変 だ っ た 出産 を通 して夫 との信 頼 関 係 が深 まっ た こ と,研 究 者 との面 接 で 「話 を聞 い て も らっ て気 持 ち が落 ち着 い た」 こ と もあ り,日 が た つ に つ れ,お 産 に対 す る嫌 な感 じ は薄 れ て い った 。 (お産 に対 す る気持 ちは)そ うですね,ち ょっと変 わ ったか もしれ ん。や っ ぱ りなんか赤 ちゃん とか を 見 てか らです ね,そ の時,手 術 を した ときは,嫌, 痛 い思い を した け ど,で も嫌 とかそ ういう感 じはな くなって ……あ,『 痛 い』思い をす るこ とがですね。 で もまだ 自分 が(赤 ち ゃんが)で きた らで す ね, 産 みた い とは思 い ます。 そ れ に今 思 え ばで す ね, そんな に痛 い思 い は してな い よ う に も思 い ます。 今思 え ば,で す ね……一産 褥5日 く対 象2> 対 象2は 妊 娠 経 過 が 順 調 で,「 ま さか 自分 が 緊 急 帝 切 に な る とは思 っ て もみ な か っ た」 た め,胎 児 仮 死 の た め 緊 急 帝 切 の 必 要 性 を 説 明 さ れ て も 「心 の 準 備 が ま った くな か った 」 と い う。初 め は 帝 王 切 開 は嫌 だ と思 い返 事 を渋 っ て い た が,医 師 か ら 「長 引 け ば長 引 くだ け(赤 ち ゃ ん が)危 険 に な るか ら保 証 はで き な い」 と子 ど もに生 命 の 危 機 が 迫 って い る事 実 を突 きつ け られ,突 然 強 い 恐怖 が 出 現 した 。 ま し て夫 が 付 き添 っ て い な か っ た た め,「 そ ん な 大 事 な こ と を私 一 人 で 決 め て い い の か 」 と,子 ど もの 命 の た め の重 大 な決 心 を 自分 一 人 に,し か も短 時 間 の うち に迫 られ,と て も不 安 にな った 。 一 刻 を争 う状 況 の 中で,彼 女 は助 産 師 に諭 され 緊 急 帝 切 を受 け る決 心 を した が,以 降 の こ と は動 揺 して い て よ く覚 え て お らず,「 も う産 む の か な … … と ぐ ら い しか(思 わ な か っ た)」 とい う よ う に現 実 感 の 消 失(解 離 性 症 状)も あ っ た。 つ ま り 彼 女 に とっ て,突 然 子 ど もの生 命 に迫 っ た 恐 怖 と 緊 急 手 術 を受 け る こ とに な っ た わ が 身 に 迫 る恐 怖 が トラ ウ マ とな っ て い た。 しか も入 院 か ら手 術 決 定 まで が あ ま りに も急 展 開 で,本 当 に必 要 性 を納 得 し て 自分 で 決 めた と も思 え な か っ た た め,こ の 恐 怖 体 験 は鮮 烈 に記 憶 さ れ て い た 。 そ の 後,彼 女 は手 術 室 の緊 迫 した 状 況 に圧 倒 され,た だ 怖 い と しか 思 えず,麻 酔 が 入 る まで ず っ と震 えて い た と い う。 や っ と一 安 心 で きた の は,児 の 出 生 直 後,助 産 師 の サ ポ ー トで産 声 を 聞 き,生 まれ た ば か りの 子 ど もを見 て,子 ど もに触 れ た と き,す なわ ち聴覚, 視 覚,触 覚 とい う自分 自身 の 感 覚 で子 ど もが 元 気 に生 まれ た こ とを確 認 した ときだ っ た。 帰 室 直 後, 駆 け つ け た夫 とや っ と面会 した 時 は,そ れ まで 抑 え て い た気 持 ち を 夫 に 受 け止 め て も らい,頑 張 っ 日本助 産 学会 誌 第18巻 第1号(2004.6) 43

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緊急 帝 王切 開 後 の女 性 の急性 ス トレス反 応 た こ とが 報 わ れ た 思 い が した 。 しか し,そ れ で も 「も うず-つ と泣 い て ま した 」 「ず-つ と震 えが 止 ま らな か っ た」 とい う よ うに興 奮状 態 が再 び続 き, 覚 醒亢 進 が み られ た。 また,手 術 当 日 と翌 日の2 日間 にわ た っ て手 術 の光 景 や 音 が 悪 夢 の よ う に蘇 り,同 時 に強 い恐 怖 も蘇 った 。 (手術決 定か ら術 中の体 験 を時 々涙 を流 した り, 声 を震 わせた りして語 ったあ と)… … その 日(手 術 当日)は,さ すが に眠 れ なか った んで す よ。 こ う, う と う として る と,手 術 の光 景 を見 て るわ け じゃ ない んで す け ど,な ん か そ うい う思 い 出 され て し まって,音 とか,カ チ ャカ チ ャい う音 とか,そ う い う…… な ん て い うか な,感 覚 み た い な の?が 出 て きて ……眠 ろ う とす る と出 て きて,そ の 日 は 眠 れ なか ったです(不 安 そ うな表 情)。 一産 褥2日 しか し,授 乳 が 始 ま り,子 ど も との 接触 が 増 え る と,「 自分 の こ と よ りも子 ど もの こ とで精 一 杯 」 に な り,母 乳 育 児 に試 行 錯 誤 しな が ら母 親 と して の 実感 や 自信 が 出 て き た。 また,日 が た つ に つれ 授 乳室 で 他 の 女 性 の 出産 体 験 談 を聞 い た り,面 会 に 来 る人 来 る人 に 自分 の体 験 談 を順 を追 っ て話 し た りす る こ とで も,気 持 ち が落 ち 着 い て きた 。 そ れ で も,「 あ の と き緊 急 帝 切 で 産 ん で よ か った の か も し れ な い 」 が,「 や っ ぱ り`普 通 に'産 み た か った 」 とい う思 い も残 っ て い た 。 (研究 者 に赤 ち ゃんが笑 って くれた り,か わ い い か ら,お 産 に対 す る見 方 が 変 わ って きた の か と聞 か れ,首 をひ ね る)うー ん そ うで す ね,そ れ は そ れで(変 わ らない)。 日にち もた つ とだい ぶ ん手術 の こ と も遠 の いて い く……遠 の くって い うか,覚 えて はい る けれ ど も,な ん か だ いぶ気 持 ちが落 ち 着 いて きますか ら…… 。一産 褥7日 〈対 象8〉 対 象8は,妊 娠 中,高 年初 産 と子 宮 筋 腫 合 併 妊 娠 の た め帝 切 の可 能 性 を認 識 し なが ら も,今(産 後)思 え ば 「初 め て の 出 産 で 頭 で っ か ち」 に な っ て い て,「 自然 分 娩 で な けれ ば お産 じ ゃ な い 」 と 思 う ほ ど,自 然 分 娩 を希 望 し て い た。 しか し,陣 痛 発 来 に よ る入 院 か ら約30時 間 が 経 過 し,そ れ ま で と比 べ もの に な らな い く らい陣 痛 が強 くな る と 痛 み と体 力 の 限 界 に達 し て,「 正 直 言 っ て,こ の 陣 痛 に耐 え れ る だ ろ うか」と 自信 もな く,こ の ま ま分 娩 が 進 まな け れ ば さ ま ざ まな医 療 介 入 が 行 わ れ るだ ろ う と想 定 して,「 不 安 で余 計 な ことば か り 考 えた 」 とい う。 そ の よ うな極 限 状 態 の と き,胎 児 心 音 が低 下 し, 医 師 に 「今,帝 王 切 開 した ほ うが い い」 と決 断 を 迫 られ,痛 み で朦 朧 とし な が ら も胎 児 心 音 が ゆ っ く りとな っ て い くの が 聞 こえ,お 産 で無 理 を して 脳 性 麻 痺 や 死 産 に な っ た人 の こ とを思 い 出 した。 この よ う に,対 象8に お い て も手 術 前 に体 験 し た 陣 痛 に よ る痛 みが トラ ウ マ の1つ とな っ て いた が, 痛 み の 質 とそ の体 験 の 長 さ は対 象1と 異 な って お り,痛 み に よ っ て直 接 自分 の 生命 に危 機 感 を抱 い た わ けで は な か っ た が,い つ終 わ る と も知 れ ぬ陣 痛 で 自分 が ど うな っ て し ま うの だ ろ う か とい う不 安 が 強 か った 。 さ ら に胎 児 心 音 の 悪 化 で子 ど もの 生 命 へ の 危 機 と子 ど もの 後 遺 症 の 心 配 も加 わ り, 子 ど もの 生 命 と身 体 的 機 能 へ の 脅威 も トラ ウマ と して 認 知 され て い た 。 この よ うな状 況 で 彼女 は,自 然 に産 み た い が 「子 ど も に何 か あ っ た ら…… と い う思 い が ぐ ち ゃ ぐ ち ゃ に な っ て ど う した らい い の か わ か らな くな っ て 」,「赤 ち ゃ ん の た め な ら迷 っ て る場 合 じ ゃ な い!」 と思 い,「 お 任 せ し ます,と 言 っ て し ま っ た 」。 そ の 後 は手 術 を承 諾 は した もの の,「 い ろ ん な こ とが どん どん 進 ん で,ボ ー ツ と して るみ た い で よ く覚 え て い な い」 と語 っ た 。 この よ う に,も と も と医 療 処 置 に対 して警 戒 心 の 強 か っ た 彼 女 で さ え も,術 前処 置 か ら術 中 に か け て,自 分 の 周 囲 に対 す る 注意 の 減 弱 や 重 要 な 側 面 の想 起 不 能(解 離 性 症 状)が 認 め られ た。 しか し,こ う し た状 況 下 で も夫 と助 産 師,手 術 室 ス タ ッフ の サ ポ ー トの おか げ で子 ど もが 生 まれ る と ころ を見 る こ とが で き,子 ど もの 元 気 な様 子 を確 認 して と にか く安 心 し た 。 予 想 以 上 に 大 き か っ た 子 ど も を 見 て, 「や っ ぱ り先 生 の 判 断 は 正 し か った!」 と思 っ た とい う。 しか し,術 後,陣 痛 の 痛 み と疲 労,当 時 の様 子 が フ ラ ッ シ ュバ ック した 。 そ れ に よ っ て陣 痛体 験 中 の さ ま ざ ま な思 い や 帝 切 の判 断 を医 師 に 任 せ て し ま った こ とが侵 入 的 に想 起 され,最 後 まで 陣 痛 を耐 え る こ とが で き な か った 自 分 に対 し て,「 女 性 と して 中途 半 端 だ」 とい う挫 折 感 や 「(経腟分娩 した 女 性 よ り)苦 し い時 間 を も う け ち ゃ った 」 と い う罪 悪 感 に さい な まれ た 。 なん か,寝 て る時 とか にふ っ とあ の時 の,あ の 44 日本助 産 学会 誌 第18巻 第1号(2004.6)

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緊急 帝 王切 開後 の女性 の急性 ス トレス反 応 だ ら だ ら続 く痛 み を 思 い 出 した りし ま した。 あ の 薄 暗 い部 屋 の 中 に 自分 が い て,陣 痛 は来 る の に な か な か 進 まな くて … … 空 気 が 動 か な い,つ て い うか … … な ん か,あ の 独 特 の 雰 囲 気 が あ っ て … … 。 も う一 人 の 自 分 が こ う上 の ほ う か ら,あ の 時 の,痛 さ を こ ら えて い る私 を見 て る感 じで 。 で 「も う少 し耐 え れ た ん じ ゃ な い か 」 「も う少 し頑 張 れ た ん じ ゃ な い の か 」 とか 何 回 も考 え ち ゃ う ん で す 。-産 褥2日 こ う し た トラ ウ マ の 想 起 に よ る苦 痛 を 避 け る た め,彼 女 は 「陣 痛 の 痛 み は 『個 人 差 が 大 き い 』 と 思 わ な い と や っ て い ら れ な い 」,「 あ の と き手 術 し て も ら っ た か ら子 ど も も私 も元 気 な ん だ 」 と 自分 に 言 い 訳 し て,「 帝 王 切 開 で よ か っ た の だ 」 と無 理 や り結 論 づ け よ う と も し た が,出 産 に 対 す る否 定 と 肯 定 の 気 持 ち が 堂 々 巡 り し た 。 初 回 面 接 で は 感 情 が 高 ぶ り何 度 も 流 涙 す る な ど覚 醒亢 進 が 見 受 け ら れ,研 究 者 の ほ う か ら 中 断 を 申 し 出 た こ と も あ っ た が,彼 女 は 語 り を 続 け た 。 こ れ は,体 験 を 話 す こ とが 出 産 体 験 の 確 認 作 業 に も な っ て い た か らだ っ た 。 あ あ,す み ま せ ん。 や っ ぱ り泣 い ち ゃ っ て 。 で も,辛 い とか で は な い ん で す … … と い う か,お 話 を 聞 い て も ら って よ か っ た で す 。 自 分 の 中 で,確 認 作 業 が で き た と い うか … …。 や っ ぱ り,必 要 だ と思 い ます し,子 育 て の 中 で も。 一 産 褥2日 さ ら に,助 産 師 や 夫 の 手 助 け を借 りな が ら授 乳 や 子 ど も の 世 話 を 行 っ て い く う ち に,自 分 の ペ ー ス で 育 児 に 取 り組 ん で い け ば い い の だ と 気 長 に な る こ とが で き た 。 ま た,ス タ ッ フ 全 員 が 応 援 し て く れ て い る の だ か ら 自 分 も頑 張 ろ う と 前 向 き に な っ た 。 この よ う な 認 識 の 変 化 に よ り,分 娩 過 程 に も 「い ろ い ろ あ る ん だ な 」 と 多 様 性 を認 め る こ とが で き,「(終 わ っ た こ と を)い ろ い ろ考 え て も し か た な い!」 と思 え る よ う に な り,産 褥6日 ご ろ か ら気 持 ち の 堂 々 巡 り を脱 出 す る こ と が で き た 。 や っ ぱ り,あ の と き手 術 し て も らっ た か ら,子 ど もが 元 気 で す し,私 も順 調 に 回 復 し て る と 思 い ま す し … … 。 あ の,赤 ち ゃん が 生 まれ た の が 最 高 の,こ う 山 に 例 え た ら,頂 上 の と こ ろ だ と す る と (手 を 動 か して 山 の 形 を表 現 す る),そ こ に た ど り 着 く ま で の 過 程 は い ろ い ろ あ る ん だ な っ て,わ か り ま し た 。 ま,予 定 外 に い ろ い ろ あ り ま した け ど。 (笑 う)… …(略)も う,そ ん な こ と(分 娩 様 式) は,人 が ど う 言 お う と い い っ て い う か 。 ネ ガ テ ィ ブ だっ た のが,ポ ジ テ ィブ に こ う… …変 わ って る 途 中,と い うか。 こ う して言葉 に 出 して気 が つ く んで すけ どね 。一産褥7日 IV考 察 1.緊 急 帝切 後 の 急性 ス トレス反 応 の特 徴 と トラ ウ マ ASD診 断 基 準 との 照 合 の 結 果,対 象11名 の う ち8名 が 緊 急 帝切 に よ る出 産 を トラ ウ マ と して 認 知 して お り,そ の 全 員 がASD診 断 基 準 にお い て 何 らか の ス トレス 反 応 を有 して いた 。 な か で も 『解 離 性 症 状 』(基 準B)は 多 くの対 象 に み られ た が,そ の ほ とん どが 手 術 当 日の短 期 間 に 限局 され た。 これ に は手術 室 で の母 子 の対 面 や そ の後 の早 期 接 触 に よ り,子 ど もが 無 事 に生 ま れ た とい う実 感 を もて た こ とが 貢献 して い る の で は な い か と考 え られ た 。 対 象1,2,8の3名 に 特 有 だ っ た 『トラ ウ マ の再 体 験 また は トラ ウマ を想起 させ る もの に暴 露 され た と き の苦 痛 』(基 準C)の 内 容 は,フ ラ ッ シュバ ック(3名),悪 夢(対 象2),侵 入 性 想 起 (対象8)で あ った 。 この よ う に,出 産 時 に トラ ウマ とな っ た 出来 事 は何 らか の 形 で 産 後 に繰 り返 し再 体 験 され,し か もそ れ は侵 入 的 に女 性 の意 思 に反 して生 じて い た。 しか し,い ず れ の 対 象 者 も 子 ど もに対 して は 強 い 愛情 を示 し,身 体 回復 に合 わせ て授 乳 や搾 乳,子 ど もの世 話 を喜 ん で行 っ て お り,母 性 行 動 の 阻害 や 日常 生 活 へ の 支 障 は観 察 され な か っ た た め,必 要 な課 題,こ の場 合 は母 親 役 割 を遂 行 す る能 力 を障 害 して い る とは言 え ず, 基 準Fに は該 当 しな か った 。 で は実 際 に,緊 急帝 切 に お け る何 が トラ ウ マ と して女 性 に認 知 され た の だ ろ うか 。 産 後 に トラ ウ マ を再 体 験 した3名 の体 験 を分 析 し た結 果,対 象 1で は死 を覚 悟 す る くらい の 猛 烈 な陣 痛 の痛 み, 対 象2で は突 然 子 ど もの 生 命 が 脅 か さ れ る とい う 恐 怖 と,何 の 心 の準 備 もな い ま ま緊 急手 術 を受 け る こ とに な っ た恐 怖,対 象8で は い つ終 わ る と も 知 れ ぬ 陣痛 で 自分 が ど う な っ て し ま うの だ ろ う か とい う不 安 と,子 ど もの 生 命 の危 険 性 と後 遺 症 な ど身 体 的機 能 へ の 脅威 が トラ ウ マ とな って い た。 西 澤(1999)に よ る と,人 が 自己 の 存 在 を圧 倒 日本 助産 学 会誌 第18巻 第1号(2004.6) 45

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緊急 帝 王切 開 後 の女 性 の急 性 ス トレス反応 し,否 定 され る よ うな体 験 に遭 遇 した 時,そ の記 憶 は 心 の 「異 物 」 つ ま り トラ ウマ と な り,瞬 間冷 凍 され た状 態 で 鮮 度 を保 ち続 け,そ れ が 何 らか の 理 由 で 解 凍 され た 場 合 に,生 々 しい 形 で 蘇 り心 の 中 に侵 入 して くる とい う。 この こ とか ら も,緊 急 帝 切 に お け る トラ ウマ は個 人 の体 験 や認 識 の しか た に よ って 具 体 的 内容 こそ違 い はあ るが,出 産 体 験 の 中 で 女 性 と子 ど もの生 命 や存 在 を圧 倒 した 強 烈 な体 験 で あ った と考 え られ る。 また トラ ウマ が 再 体 験 され る際,た ん に トラ ウ マ とな っ た 出 来 事 が 蘇 るの で は な く,痛 み とい う 感 覚 や,恐 怖 や 不 安,さ ら に は女 性 と して 中途 半 端 だ とい う挫 折 感,子 ど もを小 さ く産 ん で し ま っ た,陣 痛 で 苦 しむ べ き時 間 を短 縮 し て し まっ た と い う罪 悪 感 とい っ た 感情 まで もが 蘇 り,心 理 的苦 痛 を伴 っ て い た。 そ の 結 果,車 椅 子 の よ うに トラ ウ マ の 象徴 とな っ て い る もの を避 け た り,ト ラ ウ マ に 関 す る思考 を無 理 に断 ち切 ろ う と した りす る 行 動 もみ られ た 。今 回 は,前 述 した よ うに基 準F に相 当 す る 障害 に まで は 至 らな か った が,開 腹 術 後 お よ び産 後 の身 体 回復 期 にあ り,新 た に母 親 役 割 を も遂 行 しな け れ ば な らな い 女 性 に とっ て,こ う した 心 理 的 苦 痛 は か な りの 負 担 を強 い る もの と 憂 慮 され た 。 女 性 が 出 産 体 験 に お い て どの程 度 トラ ウマ を有 して い るか ど うか に つ い て,国 内 の報 告 は見 受 け ら れ な い が,海 外 で は約30%と 報 告 さ れ て い る (Creedy et al.,2000; Soet et al.,2003)。 緊 急 帝 切 の 場 合 は さ ら に 高 率 で,ス ウ ェー デ ン で は 76%と い う報 告 も あ る(Ryding et al.,1997)。 今 回 の 結 果 と これ らを一 概 に比 較 す る こ と はで き な い が,女 性 が た とえ無 事 に生 児 を 出産 して も, 出産 に 関連 した トラ ウマ を有 して い る可 能 性 が あ る こ とは,今 後 さ ら に認 識 され る べ きで あ ろ う。 また医 療 者 は,母 体 の 身 体 回 復 と母 子 関係 の早 期 確 立 の観 点 か ら も,緊 急 帝 切 後 の女 性 の一 部 が た と え短 期 間 で も急性 ス トレ ス反 応 を呈 し,産 後 の トラ ウ マ の再 体 験 に よ り更 な る心 理 的 苦 痛 に苛 ま れ て い る女 性 もい る とい う事 実 を認 識 す べ きで あ る。 2.出 産 に対 す る認 識 の 変化 を促 した 要 因 と ス ト レス反 応 の 軽 快 トラ ウ マ の 有 無 に か か わ らず,11名 の 対 象 者 は,帝 切 だ っ た か ら こ そ無 事 に 生 まれ て くる こ と が で きた 子 ど も に対 す る愛 情 は と て も強 か った (横手,2001)。 トラ ウマ を再 体 験 した3名 に お い て も,対 象1,2は 産 褥2日,対 象8は6日 頃 に は症 状 が 消 失 し,1か 月 健 診 時 の 面 接 で もス トレ ス反 応 の 再 燃 は な く,子 ど もに対 して も自然 な声 か け や振 る舞 いが 見 られ た 。 Rydingら(1997)は,緊 急 帝 切 後ASDと 診 断 さ れ た 女 性 がPTSDに 移 行 し な か っ た 背 景 と し て,た と え出 産体 験 が トラ ウ マ とな っ て い る に し て も,他 の喪 失体 験 とは異 な り,対 象 が 元 気 な 子 ど も を得 て い る とい う根 本 的 な 違 い が あ る の で は な い か と推 察 して い るが,本 稿 で は,3名 の緊 急 帝 切 に よ る出産 体 験 と産 褥1週 間 の 体 験 を記 述 的 に分 析 し,ト ラ ウマ とし て の認 知 を含 む出 産 に対 す る認 識 が 産 褥1週 間 に どの よ う に変 化 して い く の か を探 る こ とが で きた 。 そ の結 果,子 ど もか ら 癒 され る こ と,母 子 の 順 調 な経 過 と適 切 な ケ ア, 出産 体 験 を第 三 者 に語 る こ とが,出 産 に対 す る認 識 の 変 化 を促 進 し,ス トレ ス反 応 の軽 快 に も貢 献 した の で は な いか と考 え られ た 。 以 下,こ の3点 に つ い て 考 察 す る。 対 象1,2,8は す べ て 初 産 婦 で,し か も心 身 と も に準 備 不 足 で の ぞ ん だ 開 腹 術 後 で あ った こ と か ら,子 ど もの世 話 や授 乳 は決 し て楽 で は なか っ た と思 わ れ る。 しか し,か わ い い子 ど も と共 に過 ご し世 話 が で き る こ とは む し ろ救 い で あ り,子 ど もの存 在 そ の もの に よ っ て 心 が 癒 さ れ た もの と考 え られ た。 緊 急 帝切 後 の 女性 が子 ど もの世 話 に の ぞ む に は, 母 子 の順 調 な 経過 と適 切 な ケ ア が 不 可 欠 だ った 。 出 生 直 後 に子 ど もの 大 きさ を見 て 医 師 の判 断 に納 得 した対 象8の み な らず,対 象1,2も 術 後 に 医 師 か ら再 度 説 明 を受 け,あ の 時 手 術 を した か ら こ そ,子 ど もは 無 事 に生 まれ る こ とが で きた の だ と 医 師 の判 断 に感 謝 して い た 。 つ ま り,帝 切 だ っ た か ら こそ子 ど もが 元 気 に生 まれ る こ とが で き,自 分 も無 事 だ っ た と改 め て手 術 に納 得 で きた こ とに よ り,辛 か っ た 出 産 体 験 に価 値 を見 い だ す こ とが で き る よ う に な っ た と考 え ら れ る。 ま た,対 象 46 日本助 産 学 会誌 第18巻 第1号(2004.6)

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緊急 帝王切 開後 の女 性 の急 性 ス トレ ス反応 2,8の 体 験 か ら,子 ど もの 出生 時 の 様 子 に つ い て 声 か け をす る,女 性 か ら見 えや す い位 置 で 出 生 直 後 の ケ ア を す る,保 育 器 収 容 前 に母 子 の 肌 と肌 を触 れ合 わせ る,と い った 助 産 師 に よ るサ ポー ト は,ト ラ ウマ にな るほ どの 強 烈 な出 産 体 験 の 中 に お い て も,と て も うれ しか った 体 験 とし て印 象 深 く残 っ て い る こ とが わ か った 。 この よ う に,出 生 直 後 に 自分 自身 で 子 ど もの 無 事 を確 認 で きた こ と の ほ か に,術 後 の 身 体 的 ケ アや ス タ ツフ全 員 が 応 援 して くれ て い る よ う な温 か い励 ま し,病 棟 業 務 の都 合 で は な く女 性 と子 ど ものペ ー ス に合 わ せ た 授 乳 介 助 とい った ケ アが 女 性 を支 え て いた 。 しか し,産 後 の 母 子 の順 調 な経 過 や ケ アへ の感 謝 に よ っ て,各 自 の トラ ウ マが 帳 消 しに な る とい う こ とで は な か っ た。 女 性 の心 に凍 りつ い た辛 い 体 験 が 遠 ざ か っ て い っ た の は,手 術 か ら時 間 が 経 過 し,家 族 や 医 療 者 に よ る サ ポ ー トに満 ちた 平 和 な時 間 と生 まれ た子 ど も との現 実 の時 間 を積 み重 ね る こ とに よ り,女 性 が トラ ウ マ とい う`過 去' か ら子 ど も と共 に あ る`現 在'に 心 の 関 心 を 向 け る こ とが で き る よ うに な っ た か らで は な い だ ろ う か。 また,研 究 開始 時 は対 象 者 が 辛 い体 験 を ほ ぼ初 対 面 の研 究 者 に語 っ て くれ るか ど うかが 懸 念 され た が,対 象者 は面 接 時,と きに流 涙 し身 体 を震 え させ な が ら も,そ の生 々 しい体 験 を詳 細 に語 っ て くれ た。 そ し て面 接 終 了 時 に は,「 聞 い て も らっ て落 ち着 い た」 とす っ き り した表 情 を見 せ た り, 「聞 い て くれ て あ りが と う」 と感 謝 を述 べ る者 も い た 。特 に対 象8は,今 回 の 体 験 が 辛 い こ と で あ っ て も言 葉 に出 して振 り返 っ た こ とが,自 らの 心 の 確 認 作 業 を促 し,前 へ 進 む こ とを可 能 に して くれ た と認 識 して い る よ う だ っ た。 人 は それ まで の 認 知 的 枠 組 み に な い体 験 を した とき,そ の体 験 を何 度 とな く思 い出 した り,他 者 に繰 り返 し話 を した りす る こ とに よ って 認 知 的 枠 組 み に統 合 し,し だ い に当 時 の 強 烈 な感 情 が 薄 れ て い く(西 澤,1999)。 緊 急 帝切 に お け る トラ ウマ を有 した 女性 も,術 後 早期 に 自 らの 体 験 を声 に出 して語 っ た こ とに よ り トラ ウマ に よ る強 い 情 緒 的 な 反 応 を 薄 め,心 が`今'ま さ に直 面 し て い た こ とを,`過 去'の 記 憶 と して認 知 す る作 業 が 促 進 さ れ た の で は な い だ ろ うか。 した が って,調 査 手 段 と し て の 面 接 が 対 象 者 に 出 産 体 験 を 語 る場 とな り,出 産 に対 す る認 識 の変 化 に影 響 を与 え た可 能 性 も考 え られ た 。 また,対 象8は 自 然 分 娩 に対 す る こだ わ りが非 常 に強 か った が,他 の 女 性の 出 産 体 験 を聞 い た り,自 らの 体 験 を第 三 者 に語 った り した こ とで,子 ど も を産 む とい うゴ ー ル は 同 じで も,ど うお産 す るか は人 それ ぞれ で あ り,自 分 な りの お産 で い い の だ と分娩 過 程 の多 様 性 を認 め る こ とが で き る よ う に な っ た 。Mitchell & Everly (2001/2002)は,ト ラ ウマ 後 の ス トレ ス に対 す る 心 理 学 的 感 受 性 を解 決 す る治 療 の1つ に,そ の人 の世 界 観 に 「例 外 」 を認 め る こ と を あ げ て い る 。 この こ とか ら,対 象8の よ うに 不本 意 なが ら緊 急 帝 切 に な っ て し まっ た こ と に よ り自己 の存 在 が圧 倒 さ れ て い た ケ ー ス で は,分 娩 過 程 の 多 様 性 を認 め る こ とが ス トレス の軽 減 に つ な が るの で は な い か と推 察 され る。 従 来,女 性 が 産 褥 早 期 に 出産 体 験 を想 起 す る こ とは,積 極 的 な 自己 概 念 の保 持 な い し回 復 を助 け, 母 親 役 割 を遂 行 す る能 力 を促 進 す る と考 え られ て お り(新 道 ら,1991),特 に助 産 師 は 出 産 体 験 の 想 起 を援 助 す る役 割 を担 っ て い る。 また,緊 急 帝 切 後 の母 子 の 早 期 接 触 は母 親 のSelf-esteemを 高 め る の に 役 立 ち(千 葉,1994),情 緒 的 交 流 に よ り母 親 役 割 の 喪 失 を 防 ぐ こ とか ら(八 木 橋, 2000),す で に臨 床 の 場 で 実 践 され て い る。 さ ら に今 回,過 酷 な 出産 体 験 が トラ ウマ とな っ て い る 女 性 で も,母 子 の早 期 接 触,授 乳 お よ び養 育 の サ ポ ー トや,よ い聴 き手 を得 て 自 らの 体 験 を見 っ め 直 す こ とに よ り,出 産 に対 す る認 識 の 変 化 が 促 さ れ,ス トレ ス反 応 の軽 快 に つ な が る こ とが 示 唆 さ れ た 。 この結 果 は,緊 急 帝 切 後 の母 子 に対 す る産 褥 早 期 の ケ ア の重 要 性 を再 度 強 調 す る もの で あ る と考 え る。 特 に,緊 急 帝 切 に移 行 した 分 娩 を介 助 した 助 産 師 は,そ の女 性 と分 娩 過 程 を共 有 し,当 時 の 母 子 の状 況 を も知 りえ て い る こ とか ら,女 性 が 自 らの 出 産 体 験 を トラ ウ マ と して 認 知 して い る 可 能 性 も念 頭 に置 きな が ら産褥 ケ ア を展 開 す る こ とが 望 ま れ る。 V本 研 究 の 限 界 本 対 象 とデ ー タ は,緊 急 帝 切 に よ る 女性 の 出 産 日本助 産 学会 誌 第18巻 第1号(2004.6) 47

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緊急 帝王 切 開 後 の女 性 の急 性 ス トレ ス反応 体 験 を 知 る研 究 過 程 に お い て 得 られ た もの で あ り,ス トレ ス に対 す る脆 弱 性 な ど妊 娠 前 の因 子 は 十 分 把 握 され て い な い。 ま た,出 生 時 の 新 生 児 の 身 体 状 況 と母 子 の 経 過 が 良 好 で母 子 の 早 期 接 触 が は か れ て い た こ と,調 査 方 法 と して の面 接 が 対 象 の認 識 の 変 化 に影 響 した 可 能 性 もあ り,結 果 の 解 釈 に は 限界 が あ る。 今 後 は研 究 デ ザ イ ンの研鑚 と と もに,よ りハ イ リス クの 母 子 を含 む研 究 が必 要 で あ る。 VI 結 論 緊 急 帝 切 で生 児 を出産 した 女 性11名 の 半 構成 的 面 接 と参 加 観 察 か ら得 られ た デー タ をASD診 断 基 準 を用 い て分 析 した結 果,8名 が 緊 急 帝 切 に お い て何 らか の トラ ウ マ を有 して お り,急 性 ス トレ ス 反 応 と して 解 離 性 症 状 が 最 も 多 く認 め ら れ た が,ご く短 期 間 で消 失 して い た 。 な か で も産 後 に トラ ウマ を再 体 験 し て い た3名 は,手 術 その もの よ り も,出 産 に お い て 自分 と子 ど もの 生 命 や 存 在 を圧倒 した 強 烈 な体 験 を トラ ウ マ と して認 知 して い た 。 しか し,子 ど もに よ る癒 し,母 子 の 順 調 な 経 過 と適切 な ケア,出 産 体 験 を第 三 者 に語 る こ と とい う3つ の 要 因 が 出 産 に対 す る認 識 の変 化 を促 し,ス トレス 反 応 の 軽 減 に つ な が っ た と考 え られ た。 以 上 か ら,緊 急 帝 切 後 の 急 性 ス トレ ス反 応 を 軽 減 す るた め に も,可 能 な範 囲 で の母 子 の早 期 接 触,授 乳 や 養育,女 性 が 自 らの 出 産 体 験 を と らえ 直 す こ とが で き る よ うな サ ポー トが 重 要 で あ る こ とが 示 唆 さ れ た 。 謝辞 ご入院 中 に もか か わ らず貴 重 な体験 をお 話 し くだ さった お母様 方 と研究 の場 を快 く提供 して くだ さっ たF病 院 の ス タ ッ フの皆 様 に 心 か ら御 礼 を申 し上 げ ます 。 ま た,研 究 者 自身 を も癒 し て くだ さった 赤 ち ゃんの健 や か な ご成 長 を心 よ りお祈 りいた します。 最後 に,研 究 活動 を終 始 あ た たか く見 守 り ご指 導 く だ さ った 広 島大 学 医 学部 保 健 学 科 ・田 中義 人 教 授 に 深 謝 いた します 。 引用文献

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参照

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