膝蓋大腿関節障害のバイオメカニクス

NII-Electronic Library Service 理 学 療 法 学 　 第14巻 第1号 　13− 19頁 （1987年） 原 著

膝

蓋

大

腿 関節 障 害

の バ _イ

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勉

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1

．　 目 的 　膝 驀 大 腿 関 節 障害は諸 家に よりい ろいろ な角度か らの 指摘がな されて _ぎた。レ_線的 に は skyline _像を用い た P−Fcongruence な どの検 討，関 節 鏡で は軟 骨 病 変の鏡 視 禦 職 _{，さ ら}に組 織 学 的 検 討で ある。とりわけ 臨 床 症 状や 所見には，特徴がある。膝 蓋 骨圧迫 時の疼 痛， 周 囲

の圧 痛， giving　way ， 膝 蓋 骨 形状異常，　

Q

　angle 増大，

大腿四 頭筋萎縮 等々 であるv ，11） 。 し か し， こ の障害が ど ういっ た原因で おこる かにつ い て は，長年の論 議があ り， い ま だ定 説をみ ない。現 状で は次の 様な推察がある。 直 接 的 ある い は間 接 的 外 傷 説，内 分 泌，体 質，滑 膜 異常， 遺 伝， 大 腿 骨 顆 部 形 成 不 全， 大 腿四頭筋牽 引方 向偏位， 内外 側 広筋筋力 不均衡，関節弛緩，膝 蓋 骨 異 常可動 性 等 である1＞・3｝・4）・8》 。 し か しいずれも決定的 要素を持ち あわ せ て いず， 複合 的 影 響ではないか と，推察さ れ る面 が 多 い。 　こ の よ うな 経過か ら軟骨 面か らは chondromalasia

Patellae，形 態 機 能 面か ら は pate11ar　subluxation 　syn ．

drome を始め とする いわ ゆる unstable 　_patellae，_{病 因}の

明 確で ない anterior 　knee　pain　syndrome _など と分 類 されてい る。 　さ らに これらは_{若 年}女 子スポ ーツ_障害とし て も淀目 さ れ てきて お り，スrke　tuツ活動 自体か らの探 求 も進め られ て い る9） 。 一方これ を筋力 的 側面か らみ ると， 全体と し て は弱い傾 向にある が，その分 布は 非常に弱い ものか ら 平均以 上の筋 力を もつ ものまで の広 範囲にわ たっ てい る。 　＊ BiQmeehanics　of　Patellofemoral　Joint　Disorders

＊＊ _{昭和大学藤 が 丘 病 院 リ}ハビ リテーシ ョン

　 Tsutomu　Fukui ，　RPT ，　Makoto　Iritani，　RPT ，　Tsutomu

　 Yamazaki，　RPT ：Dept．　of　Rehabilitation，　Fujigaoka

　 Hospital，　Showa　University

紳 ＊ _{昭和大 学 藤 が 丘 病 院 整 形 外 科}

　 Akihil｛o　Fujimoto，　MD ，　 Yuliro　Mori ，　MD 　 Dept．　of

　 Orthopaedic　Surgery，　Fujigaoka　Hospital，　Slユowa

　 University 　 （受 イ寸1ヨ　　拝召茉061年8月21日） 現 在の ところ，その筋力 低 下が，メカ ニ カル な もの か否 かも 明瞭で は ない。 　そこで今回我々は， あまり検 討の加 えら れ ていない筋 力 的 見 地 か ら，膝蓋大 腿 関 節 障 害を 考 え，さ ら に，ア ソ ケ ート に よ りス ポーツ_{活 動 自体}の特 微か ら， 興 味 深い知 見 を得たの で報告 する。

2

．　 方 法 　   　対 象は， 膝 蓋 大 腿 関 節 障害をもつ 男 性ユ名， 女 性 19名， 計20名， 33関 節で， 右17関 節， 左16関 節であっ た。 年 齢は，11才か ら20才，平 均16．2才であっ た。

　Dynamic 　Parameter _として の筋 力 測 定に は Cybex を 用い ， 膝 屈 伸につ いて， 30及び90deg．／sec ．で の最 大 筋

トル ク，30deg ．／sec．での最 大 トル ク発 生 角 度，　90　deg．_／

sec ，に おける仕 事 量 を 計 測した。

　Static　parameter _として は， 60度 軸 写レ ン ト ゲ ン艨に

乙A＝ pateUofemoral

　tilting　angle

　 AB　　　　　　　lateral　shift　fatio　of

π ×1°° ： th，　p，，，1］a

∠＿

SA

二＝ sulcus angle

∠．D零 lateral　patめlbfem 。ral 　angle

∠＿E＝ Congruence_angle

　 　 図 1Patello −FemQral 　Congruence

　 　 　 　　 （Skyline　View）

NII-Electronic Library Service

14 理学療法学 第14巻第1号

表 1Dynarnic

　parameter

Group _{Max 　Torque} 5PRM _（ft　lbs_） 　Max 　Torque lsRPM _（ft　lbs_） Angle　Qf　max Torque _（degree_） Work 　3　tlmes 　　　（ft　lbs_） 　　1 （n−＝16） extfiex 654 ±152 358 ±118 395 ± 96 211 ± 96 615 ±181 530 ±173 1506 ±679 　　H （n＝12_） extfiex 754 ± 177 408 ±108 473 エ 262 162 ± 98 556 ±215 558 ±206 1994 ±782 （n＝・5） extfiex 263 ± 56 255 ± 28 144 ± 43 185 ± 46 552 ±237 464 ±287 853± 146 Total extfiex 631 ± 222 361 ±1王5 385 ±196 225 ± 93 584 ±198 530 ±200 158　7±74　8 表 2Statlc 　parameter

Gtoup _{Lateral　P−F　angle}

　　　　（degree） Tilting　angle 　　（degree） Congruenceangle 　　　（degree） Lateral　shlft 　　　（％） 王 （n− 16_） H ＠一12） 皿 （n；5_） 　Total 129 ±40 127 ±43 62 ± 74 118±51 153 ±43 135 ±48 190 士42 152 ±47 一₁₄₁ ±202 　　47 ±170 　　78 ±263 −40 ±218 91 ± 41 151± 50 241 ±150 136 ± 85 　  　 聾_ぴ Pt 　恥

1

毒

評乳

　

畠罵 壹a毎 fiLldi 飢 臥恥 蠶 “ 饗 難k 曝 羽卿 短 湖 崢 　　　　『 　　　　　　 　ち　@’@　“　　　　g　　ワ　@ロ　　ら　　　　 　 　w 　　　 　 ，P 劉ゆ

_dslti

　 掛b賽 舘σ鰤 　　　ゴ　　　 b 　p　　　問　ぴ　 　eq 　　　mド 　　｛弓if　F 　 　　　ド　　 　丐　田9ヒ 鳬e　　　　　　　、 @　　ま臣　　　　　』 @

h

　　　

Sdi5

撫 　図　2（第1群）　_Iateral　p　f　a1

gle

　

18

° 　tlltmg 　　　 　　angle _{IO °}，　

congru

ce

　

angle

　−25_°， 　　　　　　sulcus 　angle 　151°_la ral

　

lft2 　1　％『廉　 　’ e5 問典　　k　 ﾁ 　　ぴ証 　“ 邱

t@ti

　tB 撃 E_；ξ 孟 lド 駅，ta@ 野 w『  b“’ 轟 ． 　a ”　5 　 豊纏 “ 　　 h｝ 　2Je よる　P−Fcongrue eを_，　Lateral 　_Patello 　Femora旦 angle ，　_Tlltmg 　angle 　Con

uence　angle ， 　

Lateral

− shift ， Sulcus 　ang の 計測 か ら求 め， 　Dynam 　

paramete1

と の 比 較検討 を 行 っ た 。 （ 図1 　　  　当院整形外科外 来におい て ， 膝 蓋大腿関 節 害 と 診 断 された 若 年者の中て，スポ ーノ活 動を盾 発 h って いた_者につい_{て，アノケ}ー_{ト調査を行った 。}有 回 症 例 ，男一｝　

10

名 ，女 了

75

名_{，計 85} 名であった。

3

  果 　 　〔1 ） 々ぽト ルク 曲 紛 の分 析 に」一り ，そ の形状 を次 の

3

つ 群に 分類した。 　　第

Q

　形状が 滑 ら かて あ るに も拘 わらす 膝盍 大 腿関 節障 を臨 床 上 持 タイプ 　　 第

2

群 　伸展最 人

1

ルク付近て，

1

〃 クの落ち み の るタ イ フ 　　第3 群 　可動域全体にわ たり低トノノクを ける

Hat

な タ イフ 　 　1 ルク曲線の 分 析によ り，第工

16

関節 ，第2 群12 閉 節 ，第3群5関節と なった。 群 別の各

pa

meter

の値を 表 1 ，_{表 2}に 示す。

Dynamic

parameter に お け る各群 間の差が有意で あっ九の ，_第

1

群と第3 群の仲_筋（

P

_＜ 0001 _），屈 筋 （P ＜

OO

j及 ひ第2群と 第3群 問 に お け る伸笏 （P_＜0001） ， 屈 筋

NII-Electronic Library Service 膝蓋大腿関節障害のハ イオ メカ ニ クス 15 騨 litr監“ ‘　　 耳f 　 1 　 　 hd 　 　 　 罫 　　 　日耳　、t 　　 拭　　h 蕁

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轍・聯 ・毳甲 　　　　tt ’唾　　 　　 　“「　  轟　 く　　 　ハ田　 　　 　　：臣 　 　 　 貞　　　｛　ゴ　臣　 F 　　　 　 ae｛｝駄ILE 　｛　　 　　　　 　　滝b 　 建 　　　　　　b　b　　　　　　　s　　　　　　b 　図 3 （第2群 ）lateral　_p　f　angle 　19°，　tlltmg

　 　 　 　angle 16°_，congruence 　angle 　16°， 　 　 　 　sulcus　angle 　136° ，1ateral　shift 　83_％ 表 3Sulcus 　angle と最 大 筋 ［〃 ク と の相 関 　 　 　 （n＝33） 　 舮 炉 甲 鼡 　 　“ 絆 』 訳 〜 ゴ 壹 　 　 氏 　 　 　_卓 尋 　 5 　 　 　 　 孝 b 　 　 3 　 　 　 　 　 　 し 　 　 自 　 　 　 日 高 耳 島 　 　 　 　 　 　 舞 5 穿 臣 ， 　 　 臣 　 蕁 　 砺 日 　 p 　 　 　 き ヒ ∬ 7 即 韆 卑 ¢ 巨 　 　   F き 獲 頃 灌 蜜 唱 日 　 旬 口 § 　 蚕 　 」 尚 高 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 6 　 　 ヒ ゴ 　 炉 廴 炉 § 　 　わ 　 　 　 　 　 　 　 ジ 　 日 r 目 　 信 　 厂 　 σ 　 　 　 〜 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 』 　 5 　 　 ⊆ 　 　 　 　 舮 莓 涯 雑 棄 窃 日 舞 窪 　 蔚 b 戸 　 　 　 ー 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 シ f 　 a 　 昆 　 　 ヨ 　 　 蕁 聲 ” 　 P 　 ー 　_し 卓 75 声 壹 　 　 5 　 宥 ← 　 　 モ 6 冨耳 鼡 野 『 … 　 匠 ” 卜 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 訴 　 偉 蕁 　 鍵 　 　 　 　 　 　 　〜 　 日 　 “ 覃 蹟 早 丁 炉 　 費 9 　 垂 ジ … … 　 　 　 　 詫_高 聯、 川 響 葬 ギ 翫 黷 謝 … 欝 讐 話 厂 島 　 ビ 唖恥ゴ高ヨ_P 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ← 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 葺 　 　 　 　 　 　 　 　 謹 窰 　 　 　 　 　 　 　 　 韋 　 諺 F5 跡 　 　 　 　 　 　 　 　 竇 Pb 減 彊 　 　 　 　 　 　 　 　 5 篝 虜 甲 凧 『 点 鍔 穿 巨 の 　 田 硫 驅 ぴ 節 　 尹 舞 旋 　 　 　 　 　 」 　 　 　 白 殤 串 」 　 き 日 臣 F ヨ T γ 皿 　 7 日 羣 　 　 　 　 　 　 　 ♂ 　 　 哥 高 ザ 　 § 　 　 辜 歓 　 匹 　 　 　_葺 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 丐 　 ヨ ゴ 　慶 … 　 毋 　 3 、 レ 簍 　←   廴 　 　 卓 　 郁 δ 炉 　 　 灯 」 昌 　 戸 　 π 蕘 羞 卮 鼻 　 　 P ぽ 厂 ← 賦 　 　 　 　 　 　 　 　さ C 改 尋 　 　 　 　 　 畧 　 ρ ぽ 、 日 臣 歹 厂 P “ 　 厄 旁 翫 　 　 戸 　 田 梦 礁 　 　 ξ ← ’ 膏 距 6 韻 」 『 a 島 ρ 日 、 　 　 聰 浄 　 　 哥 鳬 蔦 F 喧 　 　 鰹 辱 、 窪 　 戸 丐 点 　 O 　 舞 　 　 衰 亳   觚 　 日 　 見 皿 　 融 5 蕁 卜 … ρ 喬 　 　 　 冨 庫 日 　 　 跡 巨 日 見 匠 号 η 凧 師 薮 　 茎 　 　 臣 聾 ξ て 　 蔭 　 量 　 　 汗 　 ぴ 　 ¢ 自 P 　 　 　 『 　 眞 τ 舞 島 　 轟 耳 ダ ぴ 臣 サ 典 モ 　 　 　 圧 再 露 毎 F η 噺 　 胛 　 9 霍 5r げ 轟 　 圧 ‘ ’ 穹 日 百 5 日 5 顎 蘿 早   韻 　 日 　 　｛ 　 　 　 　 　 冴 　 　 日 昏 舞 5 　 厄 声 　 　 　 　 　 蓑 ヰ 」 　 臣 量 冨 『 　 F 炉 　 冨 　 　 　 窪 臣 　 ゼ_罐 　 　 　 　 … … 　 げ_芦 b 　 　 　 　 　 　 　 巧 　 吽 　 　 武 厂 e§ 厂 　 　 … 　 　 ゼ耳 ” 乏 耳 　5 　 广_巨 由 臣 「 慶 高 穿 き 　 毛_{日 　5義} 罐 営 　 　 勝 　 高 嘔 出 甑 　 」 　 　 　 § 　 　炉 量 　 　 璽 “ 酔 甲 　 　 　 p 　 　 　 嶂 　 餐 哥 　 曁 　 島 　 　 葦 ー 　 痒 　 耳 “ 5 舞 　_β 耳_厂 P 　 　 　 罰 F 尋 し 　 日 　 匿 ” 碁 再 £ b 　 　 　ρ 　 　 　 筒 乏 　 　 　 ” 　 田 皿 舮 P 点 ‘ ｛ 脚 日 鮮 の 甲 蕁 ぎ 蠡 認 』 謡 碕 」唱 皿 膏 　 　 　 　 高 乱 　 　 　 　 こ 』 　 　_膏 、 　 　 ’ 　 　 　 　 ぴ 驅 紅 　 　 　 『 、 　 　 ← 　 　 　 ヨ 凧 5 　 陣 滝 　 3 モ 　_ゼ 　 　 　 肌 　 再 6 〜 博 ぴ 耳 寧 高 9 　 　 ド 輙 襲 『 曇 品 擬 庚 厂 酸 穿 罵 壁 … 勢 聾 葺耳 畠 レ 撃 　 　 韋 b 読 轟 　 　 ー 高 悟_{圧 、} 葛 窰 飜 ゜ 夢 弼 撰 蠶 ：   廴 野 窺 聴 罷 　 　 　 　 百 写 唾 翠 巧 再 畠 　 　 　 　 　 　 ロ 　 鰍 　 妻 や 臣 巨 蹇 訳 　 鰹 段 　 　 … 　 　 　 　 … 　 鳶 ぴ 陣 昆 4 罵 　 碁 　 　 β 　 　 　 、 順_ま 」 口 軍 魯 　 臣 § 　 丹 3 耳 月 ぽ 斥 　 　 臼 　 P 　 霍 諺 轟 　 F 画 自 張 　_日 籌 順 量 　 　 　 　 　 霧 『 　 律 　 　 　 　 　 お 霆 　 薹 　 　 　 　 　 鍍 彦 圧 　 　 　 踊_認 　 　 　 　 　 　 　 卍 労 霧 　 　 　 　 　 邱 “ 　 　 　 　 声 甲 　高 需 　 　 直 　 　 胛 　 ひ 日 　 　 § 冨 　 葺 　臣 蕁 　 融 師 話 『 　 　 　 　 　 　 轟 』 ド 嚢 　 耳 ” 　 　 　 　 　 　 母 　丐 　 琴 臣 　』 順 、 信 ぽ 奪 島 渉 　 匠 β 慶 劉 纛 鷺 b 掀 蓴 　 　 　 偉 賦 尋 　 　 軒 蒹 陪 　_庚 　 　 　 　 　 ぴ 島 　 　 賦 崋 R 　 　 彗 　 　 ” 　 　 　 　 皿 壹 晋 皿 日 言 　 　   臣 　 　 孵 q 　 　 壹 　 5 武 モ 厂₅ 『 “ ぴ ｛ 耳 　 声 16 ρ 　 耳 ヨ 軾 r 電 凧 高 爵 謹 臣 　 　 彗 丐 　 夛 丐 皿 　 の 　 　 b 改 　 凧_再 嚢 卵 誘 B 塵 男 誼 囎 碁 厂 　 　 凧 自 　 電 落 高 膏 募 巨 乏 箏 問 £ 収 敵 の ’ 巨 　 P 　 　 耳 萄 笋 　 　 ” 典 　 　 r 　 冒 　 　 　 日 寂 炉 目 　 叩 ゴ 　し 　 阻 点_ロ モ ‘ 問 百⊃ 　 　 　 　 　 　 撃 　 　 　 臣 　 　 　 　 　 　 哮 　 　 　 　 　 　 喪 篝 『 9 　 　 　 　 　 両 、 β 径 耳 卜 麗 筋 触 　日 渚 8 自 廣 气 典 ー 　 　 　 　 　 　 託 嚢 訳 百⊃ 　_融 『 陣 融 5 　 羅 垂 』 巧 ビ ま 耳 り 訃 跡 　₅ 塵 蒙 師 萱 　 聰 阻 再 詑 　 　 　 耜 氏 耳 高 ｝ 羽 　 ゆ 　 鼠 　 　 　 臣 　 」 　 高 　 武 　 島 甲 巖 気 　 の き ¢ 」 臣 匸 “ 需 　 　 5 耳 偉 ぴ 5 俘 虫 　 厂 　 臣 　 　 　 圧 蔵 　 　 “ § 」 　 げ 罠 毛 ゼ_膏 蓐 b ー β 募 言 虚 　 r “ 嚢_’ F 三 野 眞 参_需 訳 ‘ 野 目

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葛_虜 啄 　 　 　 羅 、 　 照 而 赫 明 　 从 　 　 　 　 語 阻 訳 甑 り 5@ 　 　 　 　 譲   厄 宏 嚢 耳 槻 　 　 　 ず 読 膨 　 葺 瞭 　 　 F 日 　 信 読 恩 恥 　 　 　 　 丐 　 　 　 　 　 　 　 　　　 圧 り 需 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 鎚 　 　 　 霆 毎 即 屡 蕁 肱 購 罫 乱 亂 乾 謡 霾 gP 瑚 ひ

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−

041

春 r ＝− 021 みであった。 　Statl @parameter _{について各 群} 間の差か 有意てあった のは，第1_{群 と}第2 における

Congr

nce

　angle と Lateral −

shlft

みて， 第3 群は偏 差 が大き いた め 有 意 差 は な か った

しかし ， 第2群 と第3 群 をあわ せた グ ル ー プと第

1

との比較， つ ま り 波形異 常 群対非異常群 の 比 較_ては，

ngruence 　angle と

Lateral

− shift の み て

首 洋 かあ った

o

また，統 計的 に波形 異常 群 け， Co ruenceangle 

O

_{度 以}ト _{に 多}く，ま たL eral−shift 　120％ 以 ．ト に多い率が 言えた。 　次 各群 の症例を 供 覧 する 。図 2け ， 第1 群つまり形 _{状が 滑}ら てあるにも 拘 わら ず膝蓋大腿 閉節障冑を 臨 床 上 持つ イ プの一例てあ 。この症例け 小学生の_頃から _時々膝 の 疼痛を訴え ，計測 時

19

才て膝 骨内側 の圧痛 及 び hypermobility を有 し ていた 。図 ﾍ ，第2 耕つ まり 仲展 最 大トルク付近て _{，ト ルク}の_落ち込み のあ タ イ プ の 一 例て， 計 測時16 才， _{膝 蓋 骨}内側 の 圧 捕 有 しapp

henslon

　slgn 陽性 _てあっ 九 。 区「 ₄ は_{， 第} Q つ_{まり 可動 域全体に} わ たD 低 ト ルクを 続ける

fla

@k

タイプの一 例 てある。この症 例は反 復性脱臼て ，膝 蓋 外 方 偏 位 か 極 輪 に大き_{い 。} 　

Sulcus

　a

ie

の 分 布 は ， 第1 群1398 ±69 度，第 2群 1 8±64度 ，第3 群 1518 ±134度， 全 体_ては1405 ±

NII-Electronic Library Service 16 理 学 療 法 学　第14巻第 1号 41 ．1％，何ら か の理 由に よ り中 止 して い る もの は， 50、6％であるが， こ のうち疼 痛のため に中止 し たものは， 16．5％と割 合 少なか っ た。 ま た活 動 継 続 中の35名の うち しぼしば 活 動 を 中 止 する もの は， 3名のみであっ た。 　最後に ス ポ ーツ_{活 動}の継 続が本 症に影 響を与えている か につ い て検 討し たQ 図8の様に活 動 継 続 群で は，疼痛 が な くなっ た者が1名もい な かっ たの に対し，何 らかの 巴

8

冥 唱 雪 α ぢ 睾 嘗 。 ← ■ 許 227。0−1，15π r＝−0．52 o o 　　； 亀 201000908D70605040302010 ： 。：■ ● ■ ■ 90　100　110　120　130　140　150　160　170 　 　 　 　Sulcus　angle 図5　 Sulcus　angle と 5RPM 膝伸 筋 トル クの相関図 理 由で スポーツを 中 止し た者の多くが， 疼 痛がなくなっ た か或いは軽減し た と答 えて い る。 4．　 考 察 （1）の結 果よ り．第2群灰び第3群 は膝蓋 骨適 合不全が く 名 30 20 10

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．．iE””gL−vu［1［L 7　9　1113 　15 　17 　19 　2ユ 23_オ 年　 　 齢 図 6　 発症年 齡 分 布 女　子 男 　子 20　　 　 15 10 、5 O　　 　 　　D 5

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　 　 　 　その他の 理由 29名 　 　 　 　で 中 止 　 　 　34．1％ 不 　 　 明 ₈7名_，3％ 図7　ア ンケート時の _活動の状態とス ポーツ競 技 N工 工一Eleotronio _Library

NII-Electronic Library Service 膝 蓋 大 腿 関 節障害のパ イオ メカニ ク ス 17 運 動 活 動 　 継 続 疼 痛の 為 活動 中止 17 1 85 18

鏖

　 　 　 　 疼 痛不 変 21名　24」％ 　 　 　 　 疼 痛 軽 減 　　38名　　44．7％ 　 　 　 　 疼 痛 なし　19名　22．4％ そ の他の 理 由 で活 動 中止 2 1314 図8　ス ポーツ_{活 動 継}続と疼 痛の関 係 あると考え られる。し か し疼痛 を 考慮し第2群の一例に お い て，局 所 麻 酔 剤の関 節 内 注入前 後で計測 し た ところ 落 ち込み の度 合が減 少し た ことか ら， 第2群の波 形は疼 痛にも関 係し てい る と思わ れ る。 ま た第3群の低 トル ク 持続波 形におい ても，第2群ほ どで はない であろ うが疼 痛の関 与がある と思わ れる。 ま た Lateral 　Patello−Fem −

oral　angle ，　Tilting　angle に は有 意 差が認め られ なか っ

た事 も考 え 合わ せ ると，これ らの波 形の異 常は膝 蓋 骨の 大 腿 骨 顆 部に お_ける傾 斜よ りむ し ろ，外方 変位に よ り生 ずる と考え ら れ る。 　Sulcus　angle が膝伸筋トル ク と一次 相 関を 示 した こ と は， レ バ ーア ーム の長 さに関 係がある と思わ れ る。 つ ま り相 対 的に Sulcus　angle が_小さい方が， 大 腿四頭 筋と 膝 運 動 軸の距 離を大 きくし て い ると考え られる か ら であ る。 　また我k　tよLJ前に関節 構 造が tight な 者の方 ほ ど 関 節 トル クを発揮し やすく，逆に 100seな者ほ どトル クを発 揮 しに くい とい うデータを得た2｝ 。 こ の事と考え合わ せ てみ る と，Sulcus　angle と_{関 節}の柔 軟 性に関 連のある事 を示 唆して い る と考 え られる。 事 実， 膝 蓋 大腿 関 節 障 害

患 者に は，general　

jeint

　

laxity

_{を 示 す 者}が多い。 臨 床

上，膝 伸筋強 化が_有効でない者の 中に は，こ の ように関 節 構 造 自体に問 題がある場合が多い の で はないか と， 現 在 我々は考えて い る。 　発 症時の_年齢にお い て13才，16才に多か っ たのは，中 学 高 校の入 学 時 期 と一致 する。 SandQW らの調 査で も発 症 時 年 齢の平 均は ，15，5才で，60％

L

／上 が14才か ら16才 の間に発 症し て い る1  。 また共 通な事は年 齢 経 過と とも に疼痛 が 軽 減してい くことで あり，これ は他の報 告と も 一_{致して い る} q 　疼 痛の た め に スポ ーツを中止し た_者が _少なか っ た の は Sandow らの調 査で も同様で， 疼 痛がス ポーツ活 動 を極 端に妨 げ たの は，16、7％であ り48．1％の症 例が，全く妨 げていない と し てい る。図 8はス ポ ーツ活 動 量の影 響を 示し てい ると考え られ るe これは今 後の運 動 療 法の示 唆 としたい 。 　競 技 種目の分布は興 味 深い。競 技に よ る普及 状 態の相 違の た め一_概に は言 え ないが，坂 西 らの調 査で も上 位4 競 技は，我々 と 同 じパ ス ヶ ッ トボール ，陸 上競 技，テ ニ ス ・バ レーポールであっ た9）。 いずれも4競 技 合 計で全 体の65 ％以上であ り， 何らか の競技特性が 膝 蓋 大 腿 関 節 に影 響を与えて い ると考え られ る。 　 身 体 が 受 ける衝 撃はその部 位に生 ずる加 速 度 や 加 速 度 の時 間に対 する変 化 率と密 接な関係 が あ る と 言 わ れてい る。 膝に つ い て は， 7G 以上の 加 速度で衝撃に よ る障 害 が 予想され る とい う報 告もある。一方，床 反 力の時 間に 対する変 化率は膝 関 節に か か る力に影 響 を与える と言わ れてい る5｝。 例えば 着地動 作に おいて，衝 撃を小さ く し ようとする と膝の負 担は増大し，膝の_負担を小 さ くし よ うとする と衝撃が大 き くなる とい う事である。競 技特 性 につ い て は， 観 点に よ り別の見 解 もあるで あ ろ うが，上 位 4競 技には加 速 度 変 化の大 きい事，床 反 力の影 響の大 きい_事が 言 えるの で は ないか と思 わ れ る。

5

．　 ま　と　め 　（1＞ 膝蓋 大腿 関 節障害を 持つ20名33関 節の最大筋 トル ク，最 大 筋トル ク発 生 角 度，仕 事 量 を Cybex で，　 P−F

congruence を60度 skyline 　v三ew で の Latelal　Patello

femoral　angle ，　Tilting　angle ，　Congruence　angle　Lateral

shift ，　 Sulcus　 angle の計 測よ り求め た。ま たこれ と は

別に， 膝蓋大 腿 関 節障害と診断さ れ， か つ スポーツを活

発に_行っ ていた85名の ア ソ ケ ート結果 を得た。

NII-Electronic Library Service 18 理学療法学　第14巻第 1 号 　  　我々 の分 類し た第 1か ら3群の う ち，波形の落ち 込む第 2 群や低 トル ク_持続の_第3_群に は， 膝 蓋 骨 適 合不 全が 指摘さ れ た。 　（3） Sulcus　angle は膝 伸 筋 トル クと一次 相関 を しめ し， 1・ル クが レバ ーア ーム の長さ に_影響を受 けてい る と 思 わ れ た。 ま た Sulcus　angle は， 関節の柔 軟性に関 連 ある と推 察された。 　〔4） 発 症 時平 均 年 齢は13．6才であ り一般 的に_年齢 経過 と ともに疼 痛は軽 減し て い る。 ま たス ポ ーツ活 動 はあま り妨 げ られて いなか っ た。 　  　スポーツ種目上位4競 技はパ ス ヶ ッ トボール ， 陸 上競技，テニ ス ，バ レーボール であっ た。 これ ． らは膝 関 節の加 速 度 変 化や床 反 力の影響 が あるの では ないか と 思 わ れる。 参 考 文献 1）赤松 功 也，町 田英夭 ；Chondromalacia 　_patellaeにっ い て， 　 整 ヲ彦夕十翠斗，　23；637−644，　1972． 2）福 井　勉，入谷　誠，山崎　勉 ： _膝前．［’宇ew帯 損傷 後リハ 　 ビリ テーシ ョンの理論，琿学 療 法学，11 ：195〜199，1984． 3） 片 岡 　 治： いわ ゆる習 慣 性 膝 蓋 骨 脱 臼，臨 整 外，3；222〜 　 231，　1968． 4_{） 腰 野 富 久}：_{膝 蓋 軟骨軟 化 症} ChondromalaciaPatellae，_整 　 形 外 科，Mook　No ．8，金 原 出 版，1979，　pp．231〜239． 5） 宮 地　力，小 林一敏，大 島 義 晴： _{着 地 動作}につ いて の 力学 　 的一考 察，ス ポーッのバイ オメ カニ _クス，杏_{林書 院}，1983， 　 Pp ．283−292． 6） 森 　 雄二郎，黒 木良克，足利 邦 和 ： ChondromalacLa 　Pa− 　 tellaeの臨床 豫と関 節 鏡 所 見と の比較 検 討につ い て，整 災 　 夕雫，　23：1543−154S，　19SO． 7） 森　雄二郎，黒木 良 克：ChoDdromalacia　Patellaeに お け 　 る膝蓋軟 骨損傷の特 徴につ い て，整 災 外，25：1537〜1544， 　 1982．

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1Q）Sandow _，　M，　J。　Goodfellow，　J，　W ．；The 　Natura田 is・

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11） 杉 本 康三，腰 野 富 久，岡 本 連三，中 江 濡 光，他； 膝 蓋 軟 骨

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12）Da▽ies，　G．　J．：Acompendium 　of　isokinetics　in　cllni −

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13）Goodfellow，」．　W ．_，　Hungerford，　D．　S，，　Zindel，　M ．二

　 　Patello−femoral　jqint　mechanies aロd　pathology，　1．

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14）Goodfellow，」，　W ．，　Hungerford，　D．　S．，　 Woods ，　C．：

　 　Patello−femoral　joint　mechanic5 　 and _pathology，2．

　 　Chondromalacia　patellae ，　J．　BQne　and　JQint　Surg．，58−

　 　B ：291〜299，　1976，

15）Grace ，　T．　G．．　SweetseT ，　E．　R．，　Nelson ，　M ．　A．，　Ydens，

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　 　740，　1984， 16_{） 腰}野富久：_膝蓋 大腿 関節 のバ イオメ カニ ックス と臨 床，膝． 　 　3：61−−71，1977． ／7） 森雄二郎，黒木良克，山本 龍二 ，_{渥 美 　敬}，_他： 習 慣 性 膝 　 　蓋 骨亜脱 臼症候群につ い て，臨 整 外，14：883L890，／979、 18）中山 剛男，桑波 田恵生，笠原 俊 昭 ： _伸展型 習慣 性 膝 蓋 骨 亜 　 　脱 臼の 3症 例，整災 外，25：1607〜1613，1982．

19）Norgren _，　B．，　Nordesjo，　L．，　RausChning，　W ．：Isokinetlc

　 　Knee　Extention　Strength　and 　Pain　Before　aud 　After

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20） 坂 西 英 夫，高沢晴 夫，鈴 木　峻，松 富 是 哲，他 ： _若年女子 　 　にみられた_{膝 蓋 骨周}辺の疼 痛につ い_て，_整災外，25 ；1959t − 　 　1966，　1982． 21_{） 鈴 木}愉，増　正 昭，大井 淑 雄，井L和彦，他： _{習 慣 性 膝} 　 　蓋 骨 亜脱 臼にお け る大 腿四頭 筋の役 割につ い て，整 災外， 　 　27：55〜60，1984．

22）WUes ，　P．，　 Andrews ，　P．　S．，　Bremner ，　 R．　A．： Chon．

　 　dromalacia　patella ，　J．　Bone　and 　Joint　Surg．，42−B ：65

　 　〜70_，　1960．

NII-Electronic Library Service E$XJi<.eeeeanuseO-:i27B"=]Jk l9 <Abstra¢t> ' ' tt t

Biomechanicsof PatellofemoralJointDisorders Tsutomu FUKUI, RPT, 'MaketoIRITANI, RPT, TsutorriuYAMAZAKT, RPT Dopt.

of

Rehabilitation,Fay'igaokaHospital,Showa Universit'y

Akihiko FUJIMOTO, MD, Yu.jiroMORI, MD ･

Dept.

of

OrthopaedicSur.aery,

nywf-igaoka

Hospital,Showq'University tt

'

' The firstpurpose of this study wa's to analyze fhekneeextenor and flexormuscles by using

the Cybex dynamemeter in_patientswith _{patellofemoral}

_joint

disorders.

Thirty-three

joints

of twenty patients were classified intothreeclasses accordillg to the shape

of torquecurve. Sixteen

joints

inTYPE 1 had smooth extensor terque curve$, while twelve in TYPE 2 hadidepressed areas nearby _quadriceps rnuscle _peak torque. And fiveinTYPE 3 had

rgaetnetagUenaongdradmeC:efaihede

kCnUereV.eS' EaCh tYPe Was analyzed.by other cybex _parameters and axial

The mean value of _{quadriceps peak} torque in TYPE 3 was significantly $maller than that in

TYPE 1

(p<O.OOI)

and thatinTYPE 2

(p<O.OOI).

BothCongruence angle and Lateral shift in TYPE 1 were significantly lessthan thoseinTYPE 2(C :_p<O.05,L :_p<O.el)Sulcusangle showed a significant relationship to_peak torques of kneeextensor and flexormuscles.

The second _purpose was to indicatethe character of thesepatients fromthestandipoint of athle･ tic injuries.A _group of eighty-five _patientswere sent a _{questionnaire}to deterniinethestate knees.

The mean follow-uptime between_presentationand _{questionnaire}was 3 years 4 months. The ave-rage _{age at preseptation was} 13,6-_years. Knee _pain had diminishedin _{many and} patients were

hardlyinterferedwith sports activies. Itseemed there were rnaly _patients in basketball,

volley-?eaEiic'tig:ldfo?:ed

otrraCakcceainadtiotne?niS