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反応時間および同時性知覚の神経基盤

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Academic year: 2021

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DOI: http://doi.org/10.14947/psychono.38.35

反応時間および同時性知覚の神経基盤

天 野   薫

a, b,

*・西 田 眞 也

c, d a情報通信研究機構・脳情報通信融合研究センター b国立研究開発法人科学技術振興機構,さきがけ c京都大学 dNTTコミュニケーション科学基礎研究所

Neural Correlates of the RT and timing perception

Kaoru Amano

a, b,

* and Shin’ya Nishida

c, d

aCenter for Information and Neural Networks (CiNet), National Institute of Information and Communications Technology bJST, PRESTO

cKyoto University

dNTT Communication Science Laboratories

While simple reaction time (RT) is known to be substantially affected by diverse stimulus parameters, subjec-tive temporal judgments about the onset timing of stimulus are relasubjec-tively accurate. Here we tried to find the neural correlates of RT and subjective temporal judgment by comparing MEG signals evoked by random-dot coherent-mo-tion onset with these behavioral measures. For the same mocoherent-mo-tion stimuli, participants performed both a simple RT task, and a simultaneity judgment task with respect to a beep. The effect of motion coherence was much smaller for the point of subjective simultaneity (PSS) than RT. Changes in RT and PSS could both be predicted by the time when temporally-integrated motion responses crossed a threshold. The threshold was lower for PSS than for RT, suggest-ing that the brain assigns the time marker for timsuggest-ing perception prior to stimulus detection. Existence of temporally integrated neural signals in the brain will be discussed in light of recent literature.

Keywords: MEG, RT, PSS, integrator model, threshold は じ め に 反応時間(RT: reaction time)は視覚や聴覚などの感覚 入力(刺激)が呈示されてから被験者がボタン押し等で 反応するまでの時間によって定義される。特に単純反応 課題で測定された反応時間は,刺激の出現に対してその 種類によらず反応する際の反応時間であり,感覚系の検 出処理に要する時間(検出潜時)とその後の運動系の駆 動に要する遅延(運動遅延)の和であると考えられる。 一般に運動遅延は刺激によらず一定であるため,条件間 での反応時間の差は検出潜時の違いを反映しているとい える。 感覚入力の検出に要する時間は単純反応課題によって 定量化できるが,感覚入力が生じたタイミングの知覚は同 時性判断課題によって定量化できる。同時性判断課題で は,テスト刺激に対して様々なタイミング (SOA: Stimulus onset asynchrony)でリファレンスとなる音刺激等を呈示 し,両者が同時であるか否かを被験者に回答させる。同 時と知覚する確率をSOAの関数としてプロットし,その ピークを主観的同時点 (PSS: point of subjective simultaneity)

と定義する。以後,本稿におけるRTは単純反応課題に よって測定された反応時間を表す。 外界で生じた事象のタイミングを正確に知覚すること は,モダリティ間やモダリティ内の情報の統合において 不可欠である。視覚,聴覚など異なる感覚モダリティの 情報は脳内の異なる領域で分散的に処理され,視覚情報 の様々な属性(色,形,動き,奥行きなど)も視覚野の 異なる領域で処理されているが,これらの情報を統合す Copyright 2020. The Japanese Psychonomic Society. All rights reserved. * Corresponding author. Center for Information and Neural

Networks (CiNet), National Institute of Information and Communications Technology, 1–4 Yamadaoka, Suita, Osaka 565–0871, Japan. E-mail: kaoruamano@nict.go.jp

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る必要がある(バインディング問題)。同時性の知覚は バインディング問題を解くうえでも重要な手がかりとな る。 一般に刺激強度の変化に伴いRTは大きく変化するの に対して,PSSはあまり変化しないことが知られてい る。すなわち,弱い刺激に対するRTは強い刺激に比べ て大きく延長するが,弱い刺激が生じたタイミングは RTほど遅れて感じられない。このことはRTと同時性知 覚が異なる神経基盤に基づいていることを示唆してい る。 本研究では,MEG信号を用いてRTおよびPSSの変動 を定量的に説明するモデルを検討することにより,視覚 刺激の検出およびタイミング知覚の脳内機構を検討し た。具体的には,RTの代表的モデルであるPeak detector モデル,Level detectorモデルおよび,Integrator モデルに よって検出潜時を推定し,それらをRTと比較すること によって,刺激検出のメカニズムを検討した。各モデル の検出潜時は,MEG強度がピークに達した時刻(Peak

detector モデル),MEG 強度が閾値を超えた時刻(Level detectorモデル),あるいはMEG強度の時間積分が閾値 を超えた時刻(Integrator model) によって定義した。同 時性知覚に関しては,感覚入力ごとにタイムマーカー, すなわち感覚入力のタイミングを表すフラグを取得し, それらを比較することで同時性知覚が成立しているとの モデルを前提に(Fujisaki & Nishida, 2010),Peak detector モデル,Level detectorモデルおよび,Integrator モデルに よってタイムマーカー潜時を推定することを試みた。

本稿の内容は公刊済みの英語論文(Amano, Qi, Terada, & Nishida, 2016)を中心とし,方法,考察に加筆を加え たものである。方法や結果の詳細については元論文を参 照されたい。 方 法 本研究では同一の視覚刺激に対して,単純反応課題と 同時性判断課題を別セッションで行った。被験者は 11 名であった。 視覚刺激および課題 ランダムドット運動のコヒーレンス(一定方向に運動 するドットの割合)が変化する視覚刺激を用いた。コ ヒーレンスの変化は0%から30, 40, 90%のいずれかに急 激に変化するステップ刺激と,80, 120, 200%/sで徐々に 変化するランプ刺激の両者を用いた。PSSの変化はRTよ りも小さいことが知られているが,ランプ刺激を導入す ることで,PSSも刺激条件間で変化し,その神経相関を 調べやすくなることが期待された。視野サイズは40 deg ×30 deg で,ランダムドット刺激は左視野の10 deg× 10 degの正方形領域に呈示された。正方形領域の右辺の 中心は固視点(スクリーンの中心)から5 degの位置と した。ドットの運動速度は 8 deg/sでコヒーレント運動 の方向は上向きか下向きであった。 単純反応課題ではコヒーレント運動のオンセットに対 してできるだけ早くボタン押しによって回答するよう被 験者に教示した。同時性判断課題では視覚刺激に加えて, クリック音刺激を様々なSOAで呈示し(SOAは−670 ms から830 msの範囲でランダム,負のSOAは聴覚刺激の 先行に対応),コヒーレント運動のオンセットとクリッ ク音が同時であるか否かをボタン押しによって回答する よう被験者に教示した。 MEG計測および解析 同時性判断課題を行っている際の脳磁図(MEG)を 横河電機社製全頭型440チャネルシステムを用いて計測 した。MEGは脳の電気的な活動(主に興奮性後シナプ ス電位)によって生じる微弱な磁場を超伝導量子干渉計 (SQUID) と呼ばれる高感度センサを用いて計測する方 法で,脳波(EEG)同様時間分解能が高く,EEGに比べ て空間分解能が高いという利点がある。 一般にMEGやEEGの信号には複数の脳領域に由来す る活動が重畳して観察される。今回の実験では,最も興 味のあるコヒーレント運動のオンセットに対する視覚反 応に加えて,リファレンスの音刺激に対する聴覚反応が 含まれている。なお,単純反応課題の場合にはボタン押 し反応が視覚反応に重畳するが,同時性判断課題では両 者が時間的に分離しており重畳していない。MEG反応 から視覚反応を抽出するには,活動源推定を行い,特定 の脳領域(例えば運動視関連の hMT+野)の活動のタ イムコースを計算するという方法が考えられる。ただ し,実際のデータでは,フラッシュ刺激,仮現運動刺激 などのような単純な刺激であっても活動源の個人差が大 きく,全員の被験者で解剖学的に同一の部位に活動が推 定されることは極めてまれである。そこで本研究では, Signal Space Projection (SSP) (Tesche et al., 1995)と呼ばれ る方法によってMEG反応から運動視関連の反応のタイ ムコースを抽出し,ピークモデル,レベル検出モデル, 積分モデルによって行動データ(RT および PSS)と MEGの比較を行った。SSPはコヒーレント運動誘発反応 (視覚反応)と聴覚反応それぞれのピーク潜時における 磁場の空間パターンをテンプレートとして,各時刻に計 測された磁場の空間パターンをこれらの成分の線形和と

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して説明する方法である。この方法により,活動源推定 がうまくいかない場合にも,視覚反応のタイムコースを 計算することができる。ただし,活動源推定を行ってそ のタイムコースを計算する場合とは異なり,hMT+由来 の反応とは言いきれない点に注意されたい。 SSPによって抽出したコヒーレント運動誘発視覚反応 のタイムコースとRTあるいはPSSの比較を三つのモデ ルに基づき行った。ピークモデルではMEG強度が最大 となった時点で,レベル検出モデルでは MEG強度が閾 値を超えた時点で,積分モデルではMEG強度の時間積 分が閾値を超えた時点で検出がなされる(RT),あるい はタイムマーカーが付けられる(PSS)と仮定した。積 分モデルにおけるリーク(過去の入力ほど軽い重み付け で積分することに対応)の時定数はτ=100 ms, 500 ms, 1000 msおよび∞とした。 モデルの評価には,横軸に行動データ(RTあるいは PSS),縦軸にモデルの潜時(検出潜時,タイムマーカー 潜時)をプロットして傾き1の直線からの平均二乗誤差 (MSE)を使用した。RTにおける傾き1は,検出潜時と 反応時間の変化量が同じ,すなわち運動遅延が刺激によ らず一定であることに対応する。同時性課題における傾 き1は,タイムマーカー潜時と主観的同時点の変化量が 同じことに対応する。ここで,同時性判断のリファレン スに用いている聴覚刺激は視覚刺激に依らず一定である ため, PSSの変動は視覚のタイムマーカーの変動をその まま反映していると考えられる。 レベル検出モデルおよび積分モデルでは,ピークモデ ルに存在しない閾値のパラメータが存在するため,その 違いを補正する必要がある。また,推定された潜時のノ イズ耐性もモデル間で異なるためこれらの違いをブート ストラップ法に基づき補正したうえでMSEをモデル間 で比較した(Amano et al., 2016)。 結 果 行動データ ステップ刺激,ランプ刺激いずれに関しても刺激強度 の増大によって RTが減少した。PSSに関しても同様に 刺激強度の増大に伴うPSSの減少が観察されたが,その 減少量はRTに比べて大幅に小さかった。例えば30%と 90%のステップ刺激を比べると RT は 250 ms 程度,PSS は50 ms程度変化し,80%/sと200%/sのランプ刺激を比 べるとRT は 250 ms 程度,PSS は 100 ms 程度変化してお り,後者の変化量が明らかに小さかった。これらの結果 から,感覚入力が生じた時間の知覚(PSS)と,感覚入 力の知覚に要する時間(RT)は異なる神経基盤に基づ くことが示唆された。 RTの神経相関 MEG反応から運動視関連反応の時系列を抽出し,そ の時系列に対して3つのモデルを適用することで,6つ の視覚刺激条件におけるRTの変動をそれぞれのモデル がどの程度よく説明できるかを検討した。その結果ピー クモデル,レベル検出モデルは,積分モデルに比べて予 測精度が有意に低いことが明らかになった。リークの時 定数による予測精度の違いは見られなかった。この結果 は,類似の視覚刺激(ただしステップ刺激のみ)を用い た著者らの以前の研究とも合致するものである(Amano et al., 2006)。以前の研究においては,同一刺激に対する RTの試行間変動も分析しており,刺激強度の変化に応 じたRTの変化のみならず,試行間変動も積分モデルで 説明可能であることが示されている。すなわち,閾レベ ルの視覚刺激に対しては,Hit試行群でMEGの積分信号 が閾値を超えるのに対して,Miss試行群では閾値を超え ないこと,閾上刺激に対してRTの早い試行群では遅い 試行群よりも早く積分信号が閾値を超えることが示され た。さらに,単一試行データを用いた解析においても, 各試行におけるRTと積分モデルが予測する検出潜時と の間に相関が観察された。 PSSの神経相関 PSSに関しても全く同様に,積分モデルに比べて他の 二つのモデルの予測精度は有意に低いことが明らかに なった。RTとPSSの変動をいずれも積分モデルで説明 できるとすると両者の違いはどこにあるのだろうか。 Figure 1はMEGの積分信号を,RT, PSSそれぞれを説明す るための閾値とともに代表的な被験者について示したも のである。積分信号が RTの閾値を超えた瞬間(白丸) は刺激の検出潜時を,PSSの閾値を超えた瞬間(黒丸) はタイムマーカー潜時を表していると考えられる,後者 の閾値は前者の閾値よりも有意に低いことが明らかに なった。 ボタン押し遅延に関する知覚 弱い刺激に対しても比較的早い時刻にタイムマーカー がついているにもかかわらず,単純反応のボタン押しが 遅れてしまうとすると,刺激が生じたと知覚しているタ イミング(タイムマーカー)からボタン押しまでの遅延 が弱い刺激ほど大きいことになる。主観的な刺激タイミ ングからボタン押しまでの遅延を被験者は知覚可能なの だろうか。この可能性を検討するため,単純反応課題に

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おけるボタン押しの遅延が,以下のいずれに相当するか を被験者に回答させた。1: 100 ms, 2: 167 ms, 3: 250 ms, 4: 350 ms, 5: 467 ms, 6: 600 ms。事前にこれらの持続時間を 持つ視覚刺激を呈示し正しく弁別できるようになってか ら本実験を行った。その結果,単純反応課題において も,タイムマーカーからボタン押しまでの遅延をある程 度知覚可能であることが明らかになった。 運動方向知覚と同時性知覚の閾値比較 MEGの積分信号に対する閾値が同時性判断において 単純反応より低いということは知覚閾値も同時性判断に おいて低いことを意味するのだろうか。言い方を変える と,運動方向を知覚できないサブリミナル刺激に対して も同時性判断はできる,という状況が存在するのだろう か。この可能性を調べるため,様々なコヒーレンスの運 動刺激(ステップ刺激)に対して,運動方向と音刺激と の同時性の両者を回答させた。運動方向は上下いずれか で,同時性課題のためのクリック音とコヒーレント運動 オンセットの時間差は明らかに非同期 (SOA=−500 ms, 500 ms)か同期(SOA=0 ms)のいずれかとした。その 結果,同時性判断の知覚閾値は運動方向判断よりもむし ろ高いことが明らかになった。また,運動方向課題の正 答,不正答で試行を分け,それぞれに関して同時性課題 の正答率を調べたところ,運動方向が不正答の試行では 同時性課題の成績もチャンスレベルであったことから, サブリミナル刺激に対する同時性判断は不可能であるこ とが示された。 考 察 一連の結果はどのように解釈できるのだろうか。MEG の積分信号に対する閾値は同時性判断の方が単純反応よ り低い一方で,知覚閾値は同時性判断の方が単純反応よ りむしろ高い,という結果は一見矛盾するように感じら れる。これらの結果は,刺激の出現タイミングのポスト ディクティブな知覚を考えることで説明することができ る。すなわち,積分信号がRTの閾値を超えて刺激が意 識に上ってから,タイムマーカーの時点に遡ってポスト ディクティブに刺激のタイミングが知覚されていると解 釈できる(Figure 1)。 本研究では,感覚野由来の反応をコンピュータ上で積 分し,RTおよびPSSの予測に使用した。もし脳内で感 覚野反応の積分信号に対する閾値検出プロセスが働いて いるのであれば,そのような積分信号が脳内に存在する はずである。実際サルでは90年代からLIP (外側頭頂間 Figure 1. Integrator model. Changes in RT and PSS could both be predicted by the time when temporally-integrated visual

responses to coherent motion onset crossed a threshold. The threshold was lower for PSS than for RT, suggesting that the brain assigns the time marker for timing perception prior to stimulus detection.

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野)と呼ばれる領域においてこのような信号が観察さ れ,行動と非常に強く相関することがたびたび報告され ている(Gold & Shadlen, 2001)。しかしながら近年,各 試行におけるLIPの活動はランプ関数的ではなくステッ プ関数的に変化しており,そのタイミングが試行ごとに 異なるため,試行間平均データではLIPの活動がランプ 関数的に見えているだけであるとの報告がなされている (Latimer, Yates, Meister, Huk, & Pillow, 2015)。さらに,LIP を不活性化してもサルの選択行動に影響がないとの研究 も報告され大きな議論を呼んでいる (Katz, Yates, Pillow, & Huk, 2016)。ヒトにおいては,EEGを用いた研究によっ て,LIP同様徐々に増大していく活動 (CPP: Centro-Parietal Positivity) と知覚判断の関連が報告されているが(O’Connell, Dockree, & Kelly, 2012),この信号が真に検出に関与して いるのか,あるいはepiphenomenonなのかについては今 後の検討が待たれる。

引用文献

Amano, K., Goda N., Nishida, S., Ejima, Y., Takeda, T., & Ohtani, Y. (2006). Estimation of the timing of human visual perception from magnetoencephalography. Journal of Neuroscience, 26, 3981–3991.

Amano, K.,Qi, L.,Terada, Y., & Nishida, S. (2016). Neural cor-relates of the time marker for the perception of event tim-ing. eNeuro, 3(4) ENEURO.0144-16.

Fujisaki, W., & Nishida, S. (2010). A common perceptual tem-poral limit of binding synchronous inputs across different sensory attributes and modalities Proceedings. Biological

Sciences/The Royal Society, 277, 2281–2290.

Gold, J. I., & Shadlen, M. N. (2001). Neural computations that underlie decisions about sensory stimuli. Trends in Cognitive

Science, 5, 10–16.

Katz, L. N., Yates, J. L., Pillow, J. W., & Huk, A. C. (2016). Dis-sociated functional significance of decision-related activity in the primate dorsal stream. Nature, 535, 285–288.

Latimer, K. W., Yates, J. L., Meister, M. L., Huk, A. C., & Pillow, J. W. (2015). Single-trial spike trains in parietal cortex reveal discrete steps during decision-making. Science, 349, 184–187. O’Connell, R. G.,Dockree, P. M.,& Kelly, S. P. (2012). A supra-modal accumulation-to-bound signal that determines per-ceptual decisions in humans. Nature Neuroscience, 15, 1729–1735.

Tesche, C. D., Uusitalo, M. A., Ilmoniemi, R. J., Huotilainen, M., Kajola, M., & Salonen, O. (1995). Signal-space projections of MEG data characterize both distributed and well-localized neuronal sources. Electroencephalography and Clinical

参照

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