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災害被害者に対する個人市民税の減免について 質問 1 当市では6 月 10 日に地震が発生し 大きな被害が生じました 地方税法第 323 条の規定により 被災者に対して個人市民税を減免したいと考えています (6 月 20 日時点と仮定 ) 当市の個人市民税 ( 普通徴収 ) の納期は 6 月 (1

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災害被害者に対する個人市民税の減免について

【質問1】 当市では6月 10 日に地震が発生し、大きな被害が生じました。地方税法第 323 条の規定によ り、被災者に対して個人市民税を減免したいと考えています(6月 20 日時点と仮定)。 当市の個人市民税(普通徴収)の納期は、6月(1日~30 日)、8月、10 月及び 12 月ですが、こ れから納税する者だけでなく、既に一部又は全部を納付している被災者に対しても個人市民税を 減免し、還付したいと考えています。このような取扱いは問題ありませんか。 【質問2】 災害により被害を受けた市民について、個人市民税の減免を行いました。その翌年度分の個人 市民税について、同じ災害による損失が生じたことを理由として、更に雑損控除を行うことができ ますか。 【回答1】 個人市民税については、市町村長は天災その他特別の事情がある場合において減免を必要と 認める者に対して、条例で定めるところにより災害を受けた日以後に納期の末日の到来するもの について市民税を減免することができるとされています。 減免の性質としては担税力(税を負担する能力)が著しく低下している場合に行うものですので、 一般的には既に納付した税の減免を行うことは妥当ではありません。しかし、税負担の均衡を十 分に考慮した上で既に一部又は全部を納付している災害被害者に対しても個人市民税を減免し 還付することも可能であるといえます。 【回答2】 災害により被害を受けたため、個人市民税の減免を受けた場合であっても、その被災した翌年 の個人市民税において、雑損控除の適用を受けることができます。 【解説】 1.減免について (1)減免の概要について 地方税の減免とは、課税権者である地方団体が、その意思表示によって、いったん成立した納 税義務を解除し、その全部又は一部を消滅させるものです。減免は客観的にみて担税力が著しく 喪失している者等に対して行うことができるものであるので、減免を行うに当たっては個々具体の 事実について判断すべきものであり、特定の者について一律に判断すべきものではありません。

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(2)災害被害者に対する個人の市町村民税の減免について (ア)減免することができる範囲について 市町村長は、天災その他特別の事情がある場合において個人の市町村民税の減免を必要と すると認める者については、当該市町村の条例の定めるところにより、個人の市町村民税を減免 することができるとされています(地方税法第 323 条)。 「天災その他特別の事情がある場合」とは、震災、風水害、火災その他これらに類する災害が あり、これらの災害によって納税者がその財産について甚大な損失を被った場合等をいいます。 個人の市町村民税が減免できるのは、市町村長がこれらの納税者について担税力がなくなった ため、減免する必要があると認めた者に限られます。 (イ)減免の運用について 減免は、市町村の条例の定めるところによって、市町村長の権限において行うものです。通常、 減免を行うにあたっては個々具体の事実について判断すべきものであり、特定の者について一律 に判断すべきものではありませんが、市町村内の区域内に広範囲に災害が発生した場合におい ては、特別の災害減免条例を設けることにより、画一的な基準により減免を行うことができます。 この他、災害時の減免に関する基準等については「災害被災者に対する地方税の減免措置等 について」(平成 12 年4月1日自治税企第 12 号自治事務次官通知)(以下、「災害減免通知」とい う。)により示されています。 (3)減免と納期限との関係について 納期限後に減免の要因となる事情が生じた場合について、仮にその時点で未納の税金があっ たとしても、当該未納の税金は過去において当然納付・納入すべきであった性質のものであり、納 期限後に減免を認めることは、納税者相互間における影響等からみて好ましくないため、原則的 に未到来の納期に係る税額について減免することが適当であるとされています。 災害減免通知においても、地方税の減免の対象となる税額については、「被害者が納付すべき 当該年度分の税額のうち災害を受けた日以後に納期の末日の到来するもの」とされています。 なお、納期限内であっても既に税金を納付している者については、納付の時点においては担税 力を有していたと考えられることから、一般的には減免を受け、当該納付金の還付を受けることが 適当でないと考えられています。しかし、たまたま早期に納付していた者と、そうでない者との税負 担の均衡を考慮し、市町村長の判断により、前者に対しても減免を行うことを否定するものではあ りません。 2.雑損控除について (1)雑損控除の概要について 雑損控除とは、個人の市町村民税における所得控除の1つであり、納税義務者又はその者と生 計を一にする配偶者その他の親族で所得が一定金額以下の者の有する一定の資産について、

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災害等による損失を生じた場合(当該災害等に関連してやむを得ない支出をした場合を含む。)に は、損失の金額をその者の総所得金額から控除することができるという制度です(地方税法第 314 条の2)。 ただし、損失の金額は保険金、損害賠償金などで補填された部分の金額を除きます。 控除額は、次に掲げるとおり、損失の金額に含まれる災害関連支出(後記(4)記載)の区分に より計算されます。 損失の金額に含まれる 災害関連支出の金額 雑損控除額の計算式 ①5万円以下(災害関連 支出がない場合を含む。) 損失の金額-総所得金額等の合計額×1/10 ②5万円超 損失の金額-次のいずれか低い金額 (Ⅰ)損失の金額-(災害関連支出の金額-5万円) (Ⅱ)総所得金額等の合計額×1/10 ③損失の金額がすべて 災害関連支出 損失の金額-次のいずれか低い金額 (Ⅰ)5万円 (Ⅱ)総所得金額等の合計額×1/10 ※損失の金額 = 損害金額 - 保険金等により補填される金額 (2)雑損控除の原因となる災害等の範囲について 雑損控除の原因となる災害等の範囲は、次に掲げるものとされています(地方税法施行令第 48 条の5)。 ①震災、風水害、火災、冷害、雪害、干害、落雷、噴火その他の自然現象の異変による災害 ②鉱害、火薬類の爆発その他の人為による異常な災害 ③害虫、害獣その他の生物による異常な災害 ④盗難 ⑤横領 (3)対象とならない資産について 災害等による損害のうち、次に掲げるものに対しては雑損控除は受けられません(地方税法第 314 条の2及び地方税法施行令第 48 条の7第2項)。 ①棚卸資産や事業用固定資産の損失(被災事業用資産の損失) ②書画、骨董、貴金属等で1個又は1組が 30 万円を超えるもの ③別荘などの生活に通常必要ない資産の損失 (4)災害関連支出について 災害関連支出とは、損失の金額のうち、地方税法施行令第 48 条の6の2に掲げる金額をいいま

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す。ただし、保険金等で補填される部分の金額は除かれます。 例えば、災害により住宅家財等が滅失し、損壊し又は価値が減少したことによる当該住宅家財 等の取壊し又は除去のための支出などが挙げられます。 (5)所得税における雑損控除 雑損控除については、所得税にも規定があります(所得税法第 72 条)。ただし、所得税について は現年課税であるため、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の規定によ り減免を受けるか、雑損控除を受けるかのいずれかを納税者が選択するようになっており、双方 を適用することはできません。 【事例の検討】 (質問1について) 個人の市町村民税については、一般的には納付後の税額について減免を行うことは適当では ありません。しかし、災害を受けた日以降に納期の末日の到来するものについては、市町村長の 判断により、税負担の均衡を考慮し、減免を行うことを否定するものではありません。 よって、事例の場合、これから納付を予定していた災害被害者の個人市民税を減免し、併せて 既に一部又は全部を納付している被災者に対しても個人市民税を減免し還付することも可能であ るといえます。 ただし、納付後の減免を認めることについては、災害以外の事由による自市町村の他の減免の 取扱いと比較して、不公平や不均衡が生じないよう慎重に判断することが必要です。 (質問2について) 所得税においては、納税者が災害等により資産等に損害を受けた場合においては、所得税額 の減免を受けるか、雑損控除の適用を受けるかのいずれかを選択することになります。 一方、個人の市町村民税については、現年課税である所得税とは異なり、災害による損害を受 けた年に減免を受け、その翌年度に雑損控除が適用されることとなるため、所得税のような制度 はありません。 したがって、災害による被害を受けたことにより、個人の市町村民税の減免を受けた場合であ っても、その災害の損失額については翌年の個人の市町村民税において、雑損控除の適用を受 けることができます。 なお、給与所得以外の所得を有しない者や公的年金等に係る所得以外の所得を有しない者が 雑損控除の適用を受ける場合は、雑損控除のある旨を記した個人の市町村民税の申告書を提 出することが必要です。 【おわりに】 今回は災害が発生した場合の個人の市町村民税の減免、その翌年度の雑損控除について解

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説を行いました。 近年、日本全国で自然災害が多発しており、今後も気候変動の進展等による自然災害が発生 することが懸念されます。地方税法及びこれに基づく条例により地方団体の長が災害被害者への 税負担軽減措置としては、期限の延長、徴収猶予及び減免があります。災害発生時には迅速な 対応が求められることから、それぞれの制度の趣旨や内容を十分に理解し、状況に応じた適切な 対応に努めていただきたいと思います。 【参考文献】 ・「平成 30 年度版 要説住民税」 (市町村税務研究会編、株式会社ぎょうせい発行) ・「住民税逐条解説」(財団法人 地方財務協会(現:一般財団法人 地方財務協会)発行) ・「市町村税実務提要」(市町村税務研究会編集、株式会社ぎょうせい発行) ・「コンメンタール市町村民税関係取扱通知」(地方税制度研究会編集、株式会社ぎょうせい発行) ・「図解 地方税」(一般財団法人 大蔵財務協会発行) (大阪府総務部市町村課税政グループ)

参照

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