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Academic year: 2021

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(1)

木地山・下の岱地域調査で適用した S波スプリッティング解析について 平成26年6月 東北水力地熱株式会社 高橋智広 地熱技術開発株式会社 佐藤龍也 1 平成25年度 JOGMEC地熱部事業成果報告会

(2)

調査目的・概要

• 平成24年度に取得した微小地震観測(3軸)データを

用いてS波スプリッティング解析を行い、地熱流体の

流動構造を規制する断裂構造について検討する。

• P波、S波の3次元速度構造を解析し、地熱流体の貯

留構造について検討する。

(3)

地熱地帯での微小地震探査の解析

一般的な方法  震源位置の同定  震源の空間分布等からフラクチャーの位置や応力場等を推定する 今回の方法  震源位置の同定①(精度向上のための速度構造の見直し)  震源位置の同定②(Double-Difference 法による震源位置の高精度化)  3次元速度構造解析による速度構造分布 • P波速度分布 • S波速度分布 • ポアソン比分布  S波スプリッティング解析(フラクチャーの方向性)  フラクチャー密度解析(フラクチャーの密度→透水性の推定)

(4)

木地山・下の岱地域 事業計画(基本方針)

地熱貯留層を規制す る地熱構造の解明 1 地熱資源の規模 評価 2 上の岱地区の地熱貯 留層との関係解明 3 国定公園内での地熱 開発の可能性の評価 4 地熱開発の経済性 の評価 5 国定公園特別地 木地山 下の岱 上の岱 図1 木地山・下の岱地域 基本方針 4 上の岱地熱発電所 発電部門:東北電力㈱ 蒸気生産部門:東北水力地熱㈱

(5)

過去の調査等

• 平成22年度 地熱開発促進調査(NEDO) • 平成23年度 地熱開発導入基盤整備調査(METI) • 平成24~25年度 地熱資源開発調査(JOGMEC助成事業)※ (※:平成26年度現在 調査継続中。) • S波スプリッティング解析 – 平成24年度:臨時観測点を用いた微小地震観測の実施 – 平成25年度:観測データを用いた解析

(6)

S波 フラクチャー ゾーン 速い 遅い フラクチャーの 発達方向

S波スプリッティング解析の概要(1)

パス スプリット パス パス スプリットパスを観測 微小地震 通常のパスを 観測 S波のスプリッティングの分布を調べる事で 貯留層の断裂系分布を推定する方法 地震計 微小地震

a) 測定原理

(7)

震源 観測点 ①震源位置 を求める Z 成分 X 成分 Y 成分 ホドグラム解析: X 成分及び Y 成分の合成値を平面上に時間の経過順にプロットする。その際の軌跡から波 の分析を行う。この図をローズダイアグラムと言う。 スプリッティング波形が存在する場合、初めはある一方向の楕円を描くが、途中から 90° 方向が変わった楕円を描く。この様なダイアグラムを探す。 ②ホドグラム解析でスプリッティングデータを探す ③スプリッティング波形の記録を 各観測点に投影する。

b) 解析手順

S波スプリッティング解析の概要(2)

(8)

適切なS波スプリッティング解析のための観測条件(目安) ・ 2,500程度以上の震源と観測点を結ぶパスが必要とされる。 ・ 調査対象地域内において、1,000個程度以上の微小地震イベントがあると、 経験上、上記要件を満たす可能性が高いとされる。 上から見た図 観測点 フラクチャー 震源 横から見た図 ① 観測された先行 S 波 の方位は、各観測点 に投影し、黒い棒線 で示す。 ② 各観測点では複数の スプリットが観測さ れるので、それらを 全て表示する。 ③ 異なるイベントで同じ方位 が観測された場合、黒い棒 線の長さを長くして表示す る。 ④ 観測点に示される先行 S 波 の方位。 S 波スプリッティング観測 のイメージ 観測点

S波スプリッティング解析の概要(3)

(9)

スプリット波形が記録されたスプリットパスを用いて、 トモグラフィー解析を実施し、フラクチャー密度の分布を 推定する。 平面図 を作成

(フラクチャー密度分布の解析)

S波 フラクチャー ゾーン 速い 遅い フラクチャーの 発達方向 フラクチャーの規模が大きい程、時間差が大きくなる 0 2 4 6 8 0.010 0.100 0.50 km 0 2 4 6 8 0.010 0.100 1.50 km 0 2 4 6 8 0.010 0.100 2.50 km 0 2 4 6 8 0.010 0.100 3.50 km 0 2 4 6 8 0 2 4 6 8 10 12 0.010 0.100 4.50 km 0 2 4 6 8 0 2 4 6 8 10 12 0.010 0.100 5.50 km

Fig. 8. Three dimensional tomographic results of the splitshear-wave inversion

displayed as horizontal slices 1.0 km apart. The model is represented by the value of the dimensionless crack-density parameter CD = Na3/N, where orange and red regions represent higher crack-density and blue regions represent lower crack-density. Black triangles represent station locations.

深度 密度が低い 密度が高い

観測のイメージ

(10)

その他の微小地震データ用いた構造解析

① 3次元速度構造解析 ② 震源位置の高精度化 (Double Difference 法) 微小地震 弾性波トモグラフィーによる P波・S波速度異常分布の把握 微小地震観測点 1.5km/s 2km/s 3km/s 深度 通常の微小地震の解析では、震源位置 の決定に1次元速度構造が参照される。 速度異常域 速度異常分布(イメージ)

(11)

微小地震データの 選別および検討 3 次元速度構造 解析 S 波スプリッティング 解析 データの選定 発生頻度の検証 速度モデル の最適化 震源位置決定 Double- Difference 法 による震源位置 の高精度化 震源位置の比較 高精度化された 震源を用いて、 震源分布深度 を検証 データ数量 (パス×観測点) の確認 同一点で観測され る地震ペアを探す 地震ペアの相互相 関係数を求める P 波トモグラフィー の実施 3 次元 P 波 速度構造 S 波トモグラフィー の実施 3 次元 S 波 速度構造 デ ー タ 量 は十分か? Vp/Vs トモグラフィー の実施 Vp/Vs 比 の算出 3 次元 Vp/Vs 構造 Vp/Vs 参考構造 総合解釈 震源分布深度の 再検証 Yes No 時間オフセット の補正 q ファクター の決定 スプリット S 波 間の遅延時間を 計測する パスを P-SH-SV 座 標に回転する S 波の極性を探す (ホドグラム解析) 結果を手作業で 確認し、極性 と遅延時間を 確定させる データ量の 確認 遅延時間に関して フラクチャー密度 インバージョン 解析の実施 フラクチャー 密度解析 フラクチャー密度 分布図

(12)

木地山・下の岱地域の地熱構造モデルについて

(13)

上の岱 地熱発電所 泥湯断層(断層①) 断層⑥ 断層⑤ 泥湯断層(断層①)とその北側の断層(⑤,⑥)の間に挟まれた領域で、重力の急勾配域が見 られる。基盤がNW-SE系の複数断層で北側で下がっているのと整合する。

重力探査 ブーゲー異常図(補正密度2.50g/cm3)

METI(2012)

(14)

熱水は南東側(図面手前側)から北西方 向(図面向こう側)に上昇しつつ側方流動 している。上の岱地域では貯留層の上 部に低比抵抗域が発達し、モンモリロナ イト形成温度付近(170℃付近)の分布 と整合的であるなど、低比抵抗域は貯 留層上方に発達する変質帯と関連性が 高いと考えられる。 上の岱(C断面) 木地山(E断面) 上の岱と木地山は 類似の構造 地熱構造モデル断面図 (C,E断面) METI(2012)に加筆

(15)

測点数および 観測期間 7測点 平成24年10月17日~11月18日 8測点 平成24年10月17日~12月18日 観測微小地震数 解析範囲内475件(全体1,236件) 観測成分 3成分 サンプリング 間隔 500Hzサンプリング A/D コンバータ 24 bit 微小地震観測点 位置図

微小地震臨時観測の概要

(16)
(17)

フラクチャー密度解析結果

(18)
(19)
(20)
(21)
(22)
(23)

ポアソン比分布(標高-800m)

   /  2 2 2 / 2 2    s p s p V V V V  応力掛けた方向の歪と、これと直交する方向の歪の比。値が大きいと応力に対する変形量が大きい。 硬い岩石で低く、柔らかい岩石で高いとされる。 ポアソン比

(24)

弾性波速度・ポアソン比と岩石の特徴について

岩石(地層) 応力 応力方向の歪 応力の方向に直行する歪 歪の比が大きいと ポアソン比が大きい ポアソン比 弾性波速度 ・弾性波速度が速いと 岩石が硬い(緻密)。 ・流体を含んだ地層は相 対的に弾性波速度は低く なる。 ・ポアソン比が大きいと岩 石は柔らかく、小さいと岩 石は硬い。 ・亀裂の多い岩石(地層) はポアソン比が大きいと 考えられる。

(25)
(26)
(27)
(28)

まとめ

• S波スプリッティング解析では、本地域の地熱流体流動を規 制するJOG構造を構成するフラクチャ方位と、解析で得られ たフラクチャ方位とが整合的である。 • フラクチャ密度解析については、S波スプリットパスの偏りか ら参照可能域が限定されるが、下の岱付近および木地山付 近でJOGの北側でフラクチャ密度の高い領域が見られ、熱水 活動との関連性が考えられる。 • 3次元速度構造解析では3次元P波速度および3次元S波速度 の速い領域と地下の高温域との高い相関性のある事が示さ れた。 • 3次元のP波速度とS波速度から算出されるポアソン比の分布 図を作成したが、標高-800mでは高ポアソン比の領域と主要 な熱水流動域との整合性が考えられる。

(29)

課題

• スプリッティング解析では、震源と観測点間のフラク

チャーの方向が観測点位置にプロットされる。また、

震源分布に偏りがあると、フラクチャ密度を評価出

来る領域に偏りが出るため、観測点数が多いほど

精度が高くなる。

• 3次元速度構造分布では、速度構造とポアソン比が

逆相関(速度構造が相対的に高く、かつ、ポアソン

比も相対的に高い)が見られ、これは流体流動を規

制する亀裂のある基盤が上昇している構造に起因

していると推定したが、今後の坑井調査などで確認

が必要である。

Fig. 8. Three dimensional tomographic results of the splitshear-wave inversion

参照

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