• 検索結果がありません。

第 2 学年 1 組 3 組 1 学習のくくり 日本の諸地域の特色 (54 時間 ) 社会科学習指導案 指導者 池谷 文孝 岩岡 正紘 2 3 年間の 学習のくくり の構想図 < 社会科 3 年間でめざす姿 > すべての人々が幸せに生きられる社会の実現をめざし, 社会事象を多面的 多角的にとらえ,

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "第 2 学年 1 組 3 組 1 学習のくくり 日本の諸地域の特色 (54 時間 ) 社会科学習指導案 指導者 池谷 文孝 岩岡 正紘 2 3 年間の 学習のくくり の構想図 < 社会科 3 年間でめざす姿 > すべての人々が幸せに生きられる社会の実現をめざし, 社会事象を多面的 多角的にとらえ,"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1

-第2学年1組・3組

社会科学習指導案

指導者 池谷 文孝 岩岡 正紘 学習のくくり 「日本の諸地域の特色」(54時間) 3年間の「学習のくくり」の構想図 <社会科3年間でめざす姿> すべての人々が幸せに生きられる社会の実現をめざし,社会事象を多面的・多角的にとらえ, 公正に判断し,社会的な課題を自分にひきつけて考え,よりよい社会を築く担い手になろうとす る意思をもつ生徒 社会科ガイダンス 「社会科をなぜ学ぶのか」 【地理的分野】 【歴史的分野】 【公民的分野】 ①世界の地域構成と ②古代までの社会と ⑧現代社会の実態 人々の生活 生活の変化 自然環境や宗教などとのかか 中国(大陸)化により,日本は 現代社会は様々な課題を抱え わりから伝統的な生活形態が 国家の仕組みが整えられると ており,その課題が政治や経 生まれたが,グローバル化・ ともに身分社会を確立させた。 済,国際関係にも多大な影響 情報化により画一的な生活が を与えている。 広まっている。 ③世界の諸地域の特色 ④武士の時代 ⑨憲法とわが国の政治 世界の様々な地域で進む近代 戦乱の過程で封建社会が確立 一人の国民として責任をもっ 化は,生活の利便性・物質的 し,社会の安定は主従関係に て判断し,行動していくこと な豊かさをもたらす一方,よ よる身分制度や経済,外交政 が民主主義の基本である。 き伝統の喪失をもたらし様々 策などにもとづいていた。 な問題を生んでいる。 ⑤日本の諸地域の特色 ⑥民衆の時代へ ⑩我が国の経済と地球社会 日本の様々な地域で進む近代 急速な欧米化は,日本の国際 幅広い視野から社会的な課題 化は,生活の利便性・物質的 的自立と多くの人々の犠牲を をとらえ,その解決に向けて な豊かさをもたらす一方,よ もたらした。 相手を尊重する心をもち,粘 き伝統の喪失をもたらし様々 り強くともに行動していくこ な問題を生んでいる。 とが大切である。 ⑦現代の日本 上段: 民主化や平和,経済的な豊か 学習のくくり名 さを実現させた一方で,日本 下段: が抱える課題は国際化・複雑 育みたい主な 化した。 見方・考え方 ⑪地球市民として 国際社会において日本の役割は重要であり,持続可能な社会の形成のために自ら主体的に行動 することが大切である。

(2)

学習構想 (1)学習のくくり「日本の諸地域の特色」について 本学習のくくりは,学習指導要領の地理的分野(2)日本の様々な地域にあたるものである。ここ では,世界の様々な地域の学習を踏まえ,日本の地域的特色をとらえる学習を通して,我が国の国土 認識を深めることをねらいとしている。近代化の経済的側面に着目し,人々の「幸せ」や「豊かさ」 と結びつけ,「近代化の光と陰」という視点から日本の地域的特色を多面的・多角的にとらえていく ことを軸に学習を進めていく。そして,学習のくくりの終了時には次のような生徒の姿を期待してい る。 規模に応じた地域調査を行うことにより,地域の特性に応じた調査の視点に気づいたり,技能を 身につけたりするとともに,調査の成果を生かして現代に生きる人々の生活を「近代化の光と陰」 からとらえ直し,自分たちの生活の中の「幸せ」や「豊かさ」と結びつけながら,「近代化」に対 する自分なりの見方・考え方を深めている姿。 上記のような姿を期待する上で,「幸せ」や「豊かさ」といった概念は個によって様々である。そ のため,世界の様々な地域の学習で身につけてきた,自分なりの概念を念頭に置きつつ,地理的な見 方・考え方を通して学習していくことを通して,よりよい自分なりの「幸せ」観や「豊かさ」観を形 成させていく必要がある。また,日本の諸地域の特色についてとらえる際に,自然的条件や社会的条 件と関連づけて多面的・多角的に考察することによって,そこに住む人間の営みが地域的特色に影響 を与え,変容させているということに気づかせることができる。そこから,「近代化の光と陰」の陰 の部分にあたる課題が明らかになってくる。その課題について,よりよい社会の担い手としてどのよ うに解決策などを考えることができるかということが重要になってくるであろう。 学習構想として,ガイダンスでは,世界の諸地域の学習でとらえた,各自がもっている「幸せ」 観や「豊かさ」観といった視点について再確認する。そして,「幸せ」と「豊かさ」が必ずしもイコ ールではないことについても再確認する。そのような視点をもとに,よりよい社会とはどのようなも のかについて考えさせていくことで,よりよい社会とは,各地域によっても異なったり,「近代化」 による変容によっても変化したりすることをおさえていく。そのような中で,よりよい日本のあり方 を創造していくためには,日本の各地域の特色やその変容について学んでいく必要があることに気づ かせ,日本の諸地域を学習していくことへの意欲を高めていきたい。 つかむ学習では,日本の諸地域を七つの地域に分けて学習を進める。七つの地域について,それぞ れ地域の特色ある事象や事柄を中核として,それを他の事象と有機的に関連づけながら学習を進めて いく。このような学習を通して,中核となるものからとらえた各地域の特色とその要因についての理 解を深めるとともに,各地域の変容の様子をつかみ,その原因についても考察していく。さらに,各 地域でとらえてきた特色や変容から地域の抱える課題についても気づかせ,その解決策について考え ていく。このような学習を通して地理的な見方や考え方の基礎を培っていきたいと考えている。また, 各地域にとっての「幸せ」や「豊かさ」とは何かを各地域の学習の最初と終わりに考え,比較させる ことで,自分なりの「幸せ」観や「豊かさ」観を広めたり,深めたりし,近代化の光と陰からよりよ い社会のあり方について創造していく基礎としていきたい。 追究する学習では,「日本における近代化の光と陰を探ろう」を共通テーマに,様々な要因で形づ くられた各地域の特色をもとに「近代化」によってその様子が変容してきている日本について,個人 の設定したテーマに沿って追究していくことで,日本の諸地域が抱える課題の解決策や将来像につい て考えさせていきたい。追究を通して,自分なりの地理をとらえる視点を深めていくとともに,より よい社会のあり方についても考えさせていきたい。 つなげる学習では,お互いのレポートを交流することで,日本の諸地域が抱える課題の解決策や将 来像についてとらえ直し,よりよい社会のあり方について他者意識をもった中で考えを深めさせてい きたい。

(3)

3 -( 2 ) 学 習 の 構 想 表 は集団で行う一連の活動,☆は「学びひたる」場面 学習内容 用語・概念 社会的な思考・判断・表現,技能および知識・理解 社会への態度 ○自己目標の設定 ・世界の諸地域の学習を振 日本の今後のあり方について,「幸せ」 り返り,自分の「幸せ」 や「豊かさ」という視点から自己目標を 観や「豊かさ」観を見つ 設定する。 め直している。 ○北海道地方 北方領土 ・北海道地方の主な都市の位置と名称,主な自然地名を地図から読み取るとともに,雨温図などか ・資料を読み取り,社会的 自然環境と人々との生活との関係を見 アイヌ ら基本的特色について説明できる。 課題を的確にとらえよう つめるとともに,そこで生活する上での 酪農 ・北海道地方の自然環境の改変の理由を,開拓の歴史から説明できる。 としている。 工夫や自然災害への対策について考察す ジオパーク ・寒冷な気候の中での人々の暮らしの特色や,そうした気候を活用した生活の工夫について具体例 る。 世界自然遺産 を挙げて説明できる。 ・目的に応じて,資料を適 ラムサール条約 ・北海道地方の農業が大規模で,畑作や酪農が盛んなことなどを自然環境と関連づけて説 切に収集,選択,処理,活 明できる。 用しようとしている。 ・北海道の豊かな自然を生かした観光産業と地域の活性化の関連について説明できる。 ・北海道地方の地域的特色をとらえるとともに,自然環境が人々の生活や産業に与える影 ・社会的事象を多面的・多角 響や,自然環境に応じた防災対策の必要性を指摘できる。 的に考察し,公正に判断し ○東北地方 地場産業 ・東北地方の主な都市の位置と名称,主な自然地名を地図から読み取るとともに,雨温図などから ようとしている。 伝統的な生活や文化について,発展し 伝統産業 基本的特色について説明できる。 てきた歴史的背景に迫るとともに,自然 穀倉地帯 ・稲作を中心とした農業経営を安定させるために,品種改良など冷害に対する工夫を行っ ・社会的事象に対する自分 環境や近年の都市化の影響などとのかか 重 要 無 形 民 俗 文 化 てきたことを説明できる。 の考えを根拠をもって説明 わりから今後のあり方について考える。 財 ・東北地方で伝統的な生活や文化が根づいている要因を説明できる。 しようとしている。 地方中枢都市 ・伝統的な生活や文化が観光資源として活用されていることや,伝統産業の変容を説明で 冷害 きる。 ・日本の光と影を,多面的 減反政策 ・交通網の整備やそれに伴う工場の建設が生活に与えた影響について説明できる。 ・多角的に考察し,自己の ・東北地方の地域的特色をとらえるとともに,近年の都市化や国際化によって地域の伝統 あり方・生き方と関連させ 的な生活・文化が変容していることを指摘できる。 ながら,よりよい社会のあ ○関東地方 東京大都市圏 ・関東地方の,主な都市の位置と名称,主な自然地名を地図から読み取るとともに,雨温図などから り方について考えようとし 他地域との結びつきの強い関東地方に ドーナツ化現象 基本的特色について説明できる。 ている。 ついて,人・もの・ことなどとの関係や 近郊農業 ・一極集中がおこっている状況を,様々な機能が東京に集中していることから説明できる。 変化から,変容している地域の特色を指 首都 ・東京都市圏の拡大による問題点とその対策について説明できる。 摘する。 京浜工業地帯 ・関東で工業地域が発展した理由と,その拡大の理由を説明できる。 輸送園芸農業 ・東京を中心とする関東地方に外国人が多く居住する理由を外国との結びつきから説明で 第1~3次産業 きる。 ・関東地方の地域的特色をとらえるとともに,世界や日本の他地域との結びつきの影響を 受けながら地域は変容していることを指摘できる。 ○中部地方 政令指定都市 ・中部地方を大きく三つに地域区分し,主な都市の位置と名称,主な自然地名を地図から読み取 地域に果たす産業の役割や今後の変化 中京工業地帯 り, 雨温図などから基本的特色について説明できる。 の様子について,自然条件や生産に携わ 東海工業地域 ・東海地方の工業の特色について,各都市で盛んな工業を例に説明できる。 る人々との関係から考察する。 施設園芸農業 ・東海地方では自動車を中心として機械工業が地域の経済を支えていることを説明できる。 観光農園 ・中央高地,東海,北陸各地域の農業の特色を自然条件や社会条件と関連づけて説明でき 地産地消 る。 名古屋大都市圏 ・北陸地方で伝統産業が発達した理由を,多雪地帯であることを踏まえて説明できる。 ・中部地方の地域的特色をとらえるとともに,地域に果たす産業の役割やその動向は様々 な関連の中で変化することを指摘できる。 つ か む 学 習 ( 4 5 ) ガ イ ダ ン ス ( 1 )

(4)

○近畿地方 阪神工業地帯 ・近畿地方の主な都市の位置と名称,主な自然地名を地図から読み取り,雨温図などから基本的特 景観や文化の保全について,歴史的な リアス海岸 色について説明できる 背景を探ることを通して,今後の保存と 大阪大都市圏 ・伝統的な町並みと都市の発達によって,景観の保全と開発という対立があり,調和の必 開発との調和について考える。 世界文化遺産 要性について説明できる。 中小企業 文化財 ・過去から現在の阪神工業地帯の変遷について,歴史的事象を背景に説明できる。 ・交通網の整備とニュータウンなどの都市の発達についての関係性を説明できる。 ・都市開発の歴史について,地形の変化から説明できる。 ・近畿地方の地域的特色をとらえるとともに,地域の地理的事象の形成や特色に歴史的背 景がかかわっていることを指摘できる。 ☆中国・四国地方 石 油 化 学 コ ン ビ ナ ・中国・四国地方がおかれている状況や課題について,説明することができる。 ・中国・四国地方の大まかな状況や課 ート ・中国・四国地方を大きく三つに地域区分し,主な都市の位置と名称,主な自然地名,雨温図など 題をつかむ(本時1組1/9) 平和記念都市 から基本的特色について説明できる。 ・過疎・過密問題の現状や課題につい 過疎化 ・都市の過密化による現状や課題について説明することができる てつかむ 過密化 ・過疎地域の現状と抱える課題について説明することができる ・中国・四国地方の特色をとらえ,地 町おこし ・人口や都市・村落を中核として,中国・四国地方の地域的特色をとらえるとともに,過疎 域的課題の解決策を考える。 村おこし ・過密問題の原因を多面的・多角的にとらえることができる (本時2組8/9) ・中核となる事象とそれに関連する事象からとらえた中国・四国地方の地域的特色をもと に,中国・四国地方の地域的課題を多面的・多角的に考察し,その解決策について述べる ことができる。 ○九州地方 促成栽培 ・九州地方の主な都市の位置と名称,主な自然地名を地図から読み取り,雨温図などから基本的特 地域の抱える環境問題や環境保全の取 棚田 色について説明できる。 り組みをとらえ,持続可能な社会をつく 四大公害病 ・自然災害や環境問題を,自然環境の特色や地域開発の動向と関連づけて説明できる。 るために必要なことについて考察する。 シ リ コ ン ア イ ラ ン ・環境保全のための取り組みを具体例をもとに説明できる。 ド ・工業化による深刻な公害が発生した水俣市が,その後どのように公害防止に取り組み, Uターン 具体的な政策を行ったかを説明できる。 Iターン ・北九州市が持続可能な社会をめざして,どのようなエコタウン事業を行っているかを説 環境モデル都市 明できる。 持続可能な社会 ・九州地方の地域的特色をとらえるとともに,持続可能な社会の構築のためには地域にお ける環境保全の取り組みが大切であることを指摘できる。 ○これまでの学習を振り返り,追究する学習での個人テーマを共通テーマ「日本における近代化の光と陰を探ろう」をもとに設定する。 ・近代化のもたらす光と陰を明らかにするため,地域調査の過程や結果を振り返り,イメージマップ・社会科ファイル・調査レポート等を生かしながら,自分なりの追究の視点と方 法について見通しをもち,個人テーマを設定しようとしている。 【個人テーマ例】・近代化に伴う都市と農村の変化から考える ・身近な地域の近代化についてさらに調査を深める ・近代化による人々の生活の変化から考える など 《追究活動で期待する生徒の姿》 ・近代化の進展による人々の生活の変化や社会問題について,地域調査の結果やその他の資料・情報をもとに追究し,学んだことを再構成しながら,自分なりの見方・考え方を深め ている。 ・各地域の学習で学んだ視点や方法を生かして,自分の力で課題解決に向かっている。 ・課題解決に向けて,資料・情報の収集に意欲的に取り組んでいる。 ・追究にあたり,資料集・図書資料・インターネットなどを有効に活用している。 ・情報の収集にあたり,得られた情報をそのまま受け入れるのではなく,情報の是非や適否を慎重に判断し活用しようとしている。 ・追究によって得た情報や自分なりの見方・考え方を,追究のまとめ用紙にわかりやすく工夫してまとめている。 など 《交流活動・振り返りの記述・振り返りの記述の交流で期待する生徒の姿》 ・近代化によって生活が豊かで便利になる一方で,伝統的な生活が失われていくことを指摘している。 ・工業が発展し都市化が進む過程で,環境破壊が深刻化し,人々に大きな影響を与えていることを指摘している。 ・伝統を単なる遅れたものとして見るのではなく,伝統のよさについても語っている。 ・近代化について多面的・多角的にとらえ,その長所や短所について指摘している。 ・ミニ追究の成果を生かし,近代化に対する自分なりの見方・考え方にもとづき,根拠となる事柄を挙げてわかりやすく相手に説明しようとしている。 ・他者の語りを尊重しながら,疑問点について質問したり,異なる面から自分なりの考えを語ったりしている。 など 追 究 す る 学 習 ( 5 ) つ な げ る 学 習 ( 3 )

(5)

5 -4 本時の学習について (1)学習目標の明確化 目標分析によって導き出された本時に関係する活動における身につけさせたい力は以下の通りであ る。 ①中国・四国地方にかかわる基本的な用語理解 ②中国・四国地方がおかれている状況や課題について,説明することができる (本時1組1/9) ③中国・四国地方を大きく三つに地域区分し,それぞれの地域の基本的特色の理解 ④都市の過密化による現状や課題,取組について説明することができる ⑤過疎地域の現状と抱える課題,取組について説明することができる ⑥人口や都市・村落を中核として,中国・四国地方の地域的特色をとらえるとともに,過疎・過 密問題の原因を多面的・多角的にとらえることができる ⑦中核となる事象とそれに関連する事象からとらえた中国・四国地方の地域的特色をもとに, 日本の各地域の地域的課題を多面的・多角的に考察し,その解決策について述べることができ る (本時2組8/9) ⑧中核となる事象とそれに関連する事象からとらえた各地域の地域的特色や地域的課題の解決 策をもとに,日本全体のよりよいあり方についての考えを述べることができる まず,本時(1組)において,②についての学習を行う。本時(1組)は,中国・四国地方の学習 の最初の場面にあたり,地域の現状を大きくとらえていくことで,中国・四国地方が抱える課題を見 つけていく。さらに,なぜそのような課題を中国・四国地方は抱えているのか仮説をたて,交流を行 うことで,様々な面から課題の原因をつかむためのアプローチの仕方があることに気づかせていく。 このような学習を通して,中国・四国地方の学習に対する今後の見通しと課題意識をもたせることで, 次の学習へとつなげていく。 そして次に,③についての学習を行っていく。ここでは,地形的な特色について,中国山地が低く なだらかな山が連なっていることをおさえさせることで,他地域との違いを理解させ,山間部からの 人口流出の原因と自然環境を結びつけていく手がかりとした。さらに,中国・四国地方を三つの地方 に分けることで,それぞれの気候的な特色など,中国・四国地方を形作る基本的な特色をおさえさせ た。そして,その後に,④,⑤の力についておさえさせていった。この力をおさえさせていく上で, ①,②の力が基盤となってくる。ここでは,過疎・過密についてその現状や課題について,人口ピラ ミッドや写真資料など様々な資料を用いて,理解を図った。さらに,現在の過疎,過密に対する取組 についても具体例をもとに理解を図った。これらの学習を通じて,過疎・過密問題の概要についてつ かませた。 上記の①から⑤の力をもとに⑥,⑦についての学習を行うこととした。まず,⑥の力である中国・ 四国地方における地域的課題である過疎・過密問題について理解を深めるために,ジグソー学習を行 うこととした。四つの視点からそれぞれが,過疎・過密問題の原因をレポートにまとめ,交流を行っ た。これにより,中国・四国地方における過疎・過密問題について多面的・多角的にとらえさせてた。 そして,⑥の力をもとに,⑦の学習へと進んでいく。 本時(2組)は,⑦についての学習の場面である。前時までに,⑥までの力をもとに,過疎地域に ついての解決策となる地域振興策をまとめてきている。本時(2組)は,前時までにまとめてきた地 域振興策について交流を行う。ここでは,討論形式を用いる。まずは,自分たちが考えた地域振興策 について説明し,相手方の振興策について問題点を指摘する。その後,立場を変え,自分たちの振興 策の問題点を指摘することで,振興策の改善点を明確にしていく。これは,実際に過疎地域で振興策 を作成していく際に用いられた四面会議システムを簡略化したものである。そして,交流によって明 確になった改善点を修正し,自分たちなりの解決策をまとめていくことで⑦の力を身につけさせてい く。さらに,次時において,自分たちの住む浜松における中山間地の過疎化についても自分たちが考 えた解決策をもとに考えていく。 そして,本時(2組)とこれまでに身につけてきた①から⑥の力は,七つの地域についての学習を 終えた後に,日本全体のよりよいあり方を考えていく際の基礎となっていく。七つの地域それぞれの よりよいあり方ををもとに,日本全体のよりよいあり方を考えていくことで,自分たちなりの日本の 将来像を描かせていきたい。そして,「よりよい社会の担い手」としての自分の役割という視点をも たせることで,自分自身のあり方にまで考えを深めさせていきたい。

(6)

(2)本時の目標(2組・公開授業Ⅰ) ・中核となる事象とそれに関連する事象からとらえた中国・四国地方の地域的特色をもとに,中 国・四国地方の地域的課題を多面的・多角的に考察し,その解決策について述べることができる。 (社会的な思考・判断・表現) (3)学習過程 ●生 徒 の 活 動 ※期待する生徒の表れ ○支援 ・評価 ●学習課題を確認する。 中国・四国地方の地域的課題である過疎問題の解決策を他者の意見を取り入れながら提案し よう。 (言語,論理,対人,博物学) ●本時の活動の進め方について確認する。 ○活動内容を提示しながら,全体で確認する ことで,授業の見通しをもたせる。 ●前時までに作成した過疎問題を解決するための ○リスナーにわかりやすく伝えるために、大 地域振興策についてまとめたレポートの交流を 事な部分を強調したり,身ぶりや手ぶりな する。 どを交えたりして発表するよう助言する。 (音楽,身体) ○理解を深めるために,リスナーは必要な情 報についてメモをとり,疑問点については 質問するよう助言する。 ○立場を入れ替えて,再度交流することで自 分たちの地域振興策の修正点を明確にして いくよう助言する。 ●交流で明確となった自分たちの地域振興策を修 ○地域振興策を確定させていく上で根拠を明 正する。 確にできない生徒には,自分たちがその地 ※中国・四国地方の地域的課題である過疎問題の 域に住んでいたらどのようなことを望むか 解決策を根拠をもとにワークシートにまとめ直 を考えてみるよう促す。 (内省) している。 (言語,論理) ○地域振興策の具体案がはっきりしない生徒 ※中国・四国地方の地域的課題である過疎問題の には地域の強みと弱みを洗い出してみるよ 解決策を他者の意見を取り入れながら根拠を明 う助言する。 (博物) 確にして練り直している。 (論理,対人) ○自分たちの地域振興策の修正点ははっきり ※中国・四国地方の地域的課題である過疎問題の しているが,具体的な振興策が提案できな 解決策を重要度や緊急性を考えることで根拠を い生徒にはイメージマップをつくること 明確にして練り直している。 (論理,博物学) で,どのようなことができそうか見つけ出 してみるよう助言する。 (視覚) ○地域振興策がまとまった生徒には地域振興 策のキャッチフレーズをつけてみるよう促 す。 (言語) ○地域振興策が確定した生徒には、同じよう な課題を抱える浜松市の中山間部にも対応 できそうな振興策を洗い出してみるよう促 す。 (博物) ●自分たちのまとめた地域振興策の修正した点に ついて発表する。 ●本時の学習に対する教師の話を聴き,次時への 見通しをもつ。 ・本時の目標について,※印のような生徒の 表れが見られたか。 ゴシックはマルチ能力の視点からの支援

(7)

7 -(2)本時の目標(1組・公開授業Ⅱ) ・中国・四国地方がおかれている状況や課題について,説明することができる。 (社会的な思考・判断・表現) (3)学習過程 ●生 徒 の 活 動 ※期待する生徒の表れ ○支援 ・評価 ●前時までの内容を確認する。 ○これまでに学んできた日本の諸地域の特色を, 写真や資料から想起させることで,日本の地域 的特色から表出する課題などをとらえ,解決し ていこうという意識を高める。 ●学習課題を確認する。 中国・四国地方の現状から課題を見つけ,他者の考えを参考にしながらまとめていこう。 (言語,論理,対人) ●本時の活動について確認する。 ○活動の流れを示し,自分たちの活動の見通しを もたせる。 ●中国・四国地方についての自分の抱いている印象に ○生徒全員が他者の印象を認識できるよう,黒板 ついて発表する。 に自分たちの印象を表すことができるシートを 用意する。 ●中国・四国地方に関する教師が提示する資料などか ら,この地域が抱える課題について自分の考えをま とめる。 ●自分の考えをもとにグループで話し合い,解決すべ ○自分の考えたことをわかりやすく伝えることが き課題について整理する。 困難な生徒には,白地図や図にまとめながら説 明したり,既習地域の状況や,自分の経験を踏 ※グループ内で,中国・四国地方がおかれている状況 まえながら伝えたりするよう助言する。 や課題について他者の意見を参考にしながら,解決 (視覚,内省) すべき課題について説明している。 (対人) ○自分の説明に自信がもてないでいる生徒には, ※中国・四国地方がおかれている状況や課題につい グループの中の意見を参考にすることで,自分 て,なぜそのような課題が生じるのか仮説を立てて が立てた仮説をより確かなものにすることがで 説明している。 (論理) きることを助言する。 (論理,対人) ※自分がとらえた中国・四国地方がおかれている状況 ○説明する内容が明確になっている生徒には,身 や課題について,他者の意見などを参考にしながら 振り手振りなどを交えて重要なポイントを強調 深め,ワークシートにまとめている。(言語,対人) しながら発言することで,他者の理解をより得 られることを助言する。 (音楽,身体) ○説明することができた生徒には,さらに自分な りの視点で分類しながら他の事象との関連性な どについても考え,補足するとよいことを助言 する。 (博物) ●グループで考えた課題について発表する。 ○他のグループの考える課題と,自分たちの考え た課題の共通点や相違点などについて着目させ る。 ●本時の学習に対する教師の話を聴き,次時への 見通しをもつ。 ・本時の目標について,※印のような生徒の 表れが見られたか。 ゴシックはマルチ能力の視点からの支援

参照

関連したドキュメント

○本時のねらい これまでの学習を基に、ユニットテーマについて話し合い、自分の考えをまとめる 学習活動 時間 主な発問、予想される生徒の姿

「社会人基礎力」とは、 「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な 力」として、経済産業省が 2006

その目的は,洛中各所にある寺社,武家,公家などの土地所有権を調査したうえ

専門は社会地理学。都市の多様性に関心 があり、阪神間をフィールドに、海外や国内の

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.

関西学院大学社会学部は、1960 年にそれまでの文学部社会学科、社会事業学科が文学部 から独立して創設された。2009 年は創設 50