平成24年度事業計画
東日本大震災の影響や原油価格の高騰等による先行き不安が強 く、国内景気は依然として、足踏み状態が続いており、厳しい経営 を余儀なくされておりますが、地域公共交通としての役割を果たす ため、引き続きタクシー事業の活性化を推進し、需要喚起策等協会 一丸となって取り組むこととしております。 また、本年度早い時期に成立、施行が望まれる「タクシー事業法 案」への対応や公益法人制度改革による新公益法人への移行等課題 は山積しておりますが、事故防止・安全対策の推進、乗務員指導等 に積極的に取り組み、安全・安心、そして良質なサービスを提供す るため、以下の諸事業を実施することとしております。一、経営対策
世界的な金融不安や今なお残る東日本大震災の影響等によるかつ てない極めて厳しい経営環境の中、輸送の安全を確保するととも に、利用者利便の向上に努めながら、タクシー事業の発展を図り、 公共交通機関の責務を果たすため、次の事業を推進する。 1 .特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び 活性化に関する特別措置法 (タクシー適正化・活性化法)に替 わる一般乗用旅客自動車運送事業法 (タクシー事業法)の制定 を踏まえ、関連政省令および通達の制定に向けて調査研究を進 める。 2 .タクシー適正化・活性化法により定められた地域計画に基づ く特定事業計画および事業再構築の実施による適正化・活性化 の効果に関する検証を関連委員会とともに行う。3 .「タクシー事業構造改善計画」の中・長期計画、タクシー適正 化・活性化法に基づく 「地域協議会」にて示された 「地域計画 に定められた活性化策」および 「タクシーサービスの将来ビジ ョン小委員会報告書」等を確実に実行するための施策等を、関 連委員会およびタクシー活性化プロジェクトチームとともに検 討し、タクシー事業の維持・活性化と需要の拡大等に資するよ う調査研究を進める。 4 .交通政策審議会答申を基に、運賃改定の審査基準をはじめと する運賃・料金制度について 「運賃制度検討小委員会」を中心 に検討を行う。また、平成26年4月と平成27年10月に段 階的な実施が予定されている消費税改定における適正な運賃・ 料金のあり方について同小委員会を中心に調査研究を行う。 5 .東京国際空港定額運賃制度について、首都高速道路中央環状 線が平成25年度に全線開通することを踏まえ、適用エリアお よび運賃について改めて調査研究を行う。 6 .多摩地区におけるタクシー事業の営業形態に鑑み、市場動向 を踏まえ、タクシー事業の維持・活性化と需要の拡大等に資す るための調査研究を行う。 7 .会員事業者の経営諸資料等を収集し、タクシーの収入および 原価の分析や需要動向についての調査研究を行う。
二、広報対策
タクシー事業の現状について関係委員会並びに関係団体等と連携 を図り、需要拡大及び業界のイメージアップを図るための広報活動 を実施するとともに、特に 「タクシー生誕100年」を記念した広報 活動の実施について、一般利用者及びマスコミ関係等に対し理解を得るための諸対策を次の通り推進する。 1 .「タクシー生誕100年」を記念したキャンペーンを本年1月よ り12月までの1年間実施、次の広報刊行物 (関係団体作成の広 報刊行物も含む)等を通じ、業界内外に対する広報に努める。 ・「タクシー生誕100周年」記念ピンバッジ及びワッペン ・「タクシー生誕100周年」記念切手 ・「タクシー生誕100周年」記念パンフレット ・「東京のタクシー100年史」(年表) ・「タクシー生誕100周年」記念ホームページ ・PR用ポスター、ステッカー等 2 .「タクシー展望」、「タクシー白書」、「東旅協ニュース」、「東 旅協かわら版」及び 「タクシーニュース」、 「タッくんミニ情 報」等業界内外に対する広報刊行物を、主に 「タクシー生誕 100周年」を記念した内容について作成、広報に努める。 3 .今年度8月5日 「タクシーの日」当日に 「タクシー生誕100 周年」を記念したイベントを開催するとともに、それに伴う業 界内外への事前PR等広報に努める。 4 .「業界の現況」、8月5日「タクシーの日」キャンペーン及び 「タクシーに関するアンケート調査結果」等について、閲覧者 がよりアクセスしやすい内容で「東旅協ホームページ」を作成 し、利用者及びマスコミ関係等に対し情報を提供し広報に努め る。 5 .平成23年3月11日発生の 「東日本大震災」のような大規模震 災の被害状況等について、現場からの詳細情報提供が必要とさ れていることを教訓として「タクシー防災レポーター」による 災害発生時の初期情報について、マスコミ関係等を通じ提供す
るとともに、防災レポート車の運行により、社会貢献活動に一 層努める。 尚、ニッポン放送関係及びTBSラジオ関係それぞれの「タ クシー防災レポーター」に対する研修会を実施するとともに、 「タクシー防災レポーター」として継続協力している乗務員に 対する表彰を実施する。 6 .羽田空港の国際航空機能が拡大されたことから、より一層乗 務員サービスのレベル向上に努めるとともに、「指差し外国語 シート」等を利用して外国人利用者の接客向上に努める。 また、更なる利用促進を図るためにステッカー、パンフレッ ト、ホームページ等を通じて、PR活動を継続的に実施する。 7 .「こども」を犯罪から守るため警視庁及び東京都と協力し、 「タクシーこども110番」制度を継続的に実施するとともに「こ ども見守りシステム」についても警視庁、東京都と協議し推進 する。 8 .ドライブレコーダーを使用した「タッくん防犯情報システム」 の構築及び運用について関連する委員会並びに警視庁と連携 し、治安維持に努めるための広報活動を推進する。 9 .学識者、マスコミ、消費者団体及び利用者代表等に対し、業 界の現況について理解を求めるための「懇談会」を必要に応じ 開催する。 10 .新聞、テレビ、ラジオ、雑誌等からの取材に協力し、関係資 料を提供するとともに、関係官庁記者クラブ等に対しても定期 的に配布し理解を得るための広報に努める。 11 .平成17年2月の「京都議定書」の発効に伴い、地球温暖化 防止対策について関係委員会と連携を図り、業界内外に対する
広報対策を推進する。
三、労務対策
平成24年度においては、会員事業者における良好な労使関係の 維持及び適切な労務管理による健全な企業経営の確立に資するよ う、下記事項を踏まえ、積極的な事業運営を図る。 1 .「自動車運転者の労働時間等の改善基準」の遵守の徹底を図 るとともに、労働関係法令に関する説明会を開催する等によ り、会員事業者の支援に努める。 また、必要に応じて、東京労働局の「自動車運転者労働時間 管理等指導員」の活用を図る。 2 .社会保険等関係法令や各種助成金制度の改正等については、 その動向を含め、適宜情報の提供に努める。 3 .労働者の健康管理対策を適切に実施するとともに、過重労働 による健康障害や労災事故の防止に努める。 また、乗務員に対する安全配慮義務も踏まえ、東京タクシー 防犯協力会とも連携しつつタクシー強盗などの防犯対策の推進 に努める。 4 .若年労働者の雇用の促進を図るとともに、女性労働者の適切 な活用を図る。 5 .各ハイタク労務研究会について、管内事業所のすべての参 加、定期開催の推進、内容の充実に努める。 6 .国土交通省の「賃金システム等に関する懇談会」による運転 者の賃金制度のあり方に関する報告については会員に対する情 報の提供等必要な対応を図る。 7 .労働関係法規のあるべき姿について検討し、関連機関への要望、提案を行うよう努める。 また、必要に応じ、関係専門委員会との連携を図るものとする。 8 .「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及 び活性化に関する特別措置法」に基づく地域計画に定められた 労務に関連する事業については、必要に応じ、関係する専門委 員会とも連携の上、推進するものとする。
四、交通事故防止対策
事業用自動車総合安全プラン2009に基づく運輸安全マネジメ ントを基本とした「交通事故半減作戦及び飲酒運転ゼロ」を展開す るため、本年度も交通事故半減及び飲酒運転ゼロのための削減目標 を設定して交通事故防止活動に取り組み、その実行のために関係機 関、団体と連携を密にし、次の諸対策を推進致します。 1 .300台未満の事業場の運輸安全マネジメントへの取り組み を推進するとともに、第一当事者となる死亡事故及び飲酒運転 等の悪質運転の絶無を図るため、出庫時、帰庫時にはアルコー ル検知器を使用した確実な対面点呼の実施並びに社内研修(明 け番集会等)の充実を図る。 2 .深夜帯等の重大交通事故等を抑止するための交通安全タクシ ー制度を継続して推進する。 3 .東京ハイヤー・タクシー交通共済協同組合と連携を緊密にし て、「心でやろう大作戦」を引き続き展開するとともに、春・ 秋の事故防止責任者講習会の開催、春・秋の全国交通安全運動 及び年末年始の輸送の安全総点検期間中におけるシートベルト 視察会議及び乗務員に対する事故防止啓蒙活動を主要駅のタク シー乗り場で実施し、乗務員の事故防止意識の高揚に努め交通事故防止対策を推進する。 また、「夏季の交通事故をゼロにする運動」、「TOKYO交 通安全キャンペーン」及び「飲酒運転させないTOKYOキャ ンペーン」等、各種行事も併せて効果的に推進する。 4 .歩行者、自転車及び二輪車との事故防止対策を推進するた め、関係機関、団体と連携して事故削減を考究する。 5 .警視庁交通部が主催するセーフティードライバーコンテスト 並びにシルバータクシードライバー安全教室への積極的な参加 を推進する。 6 .自動車の運転に係る基本的な動作、措置及び高速道路での交 通事故の削減、事故処理の基本動作の再徹底を図る。 7 .アルコールインターロックの普及促進を図るとともに、I T・新技術の活用及びASV(先進安全自動車)の被害軽減ブ レーキ等の車両への装着の推進とその装置が安価にタクシー車 両に導入できるよう他の委員会と連携して自動車メーカー等に 要請等を行う。 8 .乗務員の自主的な健康管理の徹底と家族に対する積極的な指 導、啓発を促進するため、定期健康診断並びにその再検査と精 密検査の確実な受診はもとより、SASや運転中の脳卒中等に 対応するため、「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」 の活用を推進する。 9 .運転適性診断の受診及びその活用の充実を図るとともに、高 齢乗務員の「健康診断」 及び「高齢者のための適性診断」の確 実な受診とその診断結果を踏まえた指導監督を推進する。 10 .道路交通環境を改善するため、国道管理事務所等が行う道路 調査事業への協力を推進する。
11 .タクシーに対する犯罪の防止については、東京タクシー防犯 協力会と連携を密にし、自主防犯体制を充実するとともに警察 当局等の実施する防犯、捜査活動に積極的に協力する。
五、環境・車両資材対策
「タクシーサービスの活性化と良質なサービスが選ばれる環境づ くり」、「安全性の維持・向上」、「環境問題への貢献」及び「タクシ ー運転者の労働条件の悪化の防止、改善・向上」等の観点並びに緊 急時の対応等を図る観点から、車両資材のあり方等について検討を 進め、次の諸対策を推進する。 1 .燃料消費効率の良い車両の導入やエコドライブ及び実車効率 の良い走行が不可欠なことから、次の事項を促進する。 (1 )LPGハイブリッド車、電気自動車等次世代低公害車の 開発・改善等について、関係省庁並びに自動車メーカー等 に積極的に働きかける。 (2 )エコドライブ等、環境問題に取り組む一環として、交通 エコロジー・モビリティ財団の行うグリーン経営の認証取 得を推進する。 (3 )燃料等消費効率の一層の向上を図るための装置等の開発 について調査研究を行う。 (4 )先進安全自動車 (ASV)に係る諸機能、エコドライブ (アイドリングストップ)、ETC、スマートプレート等の タクシー車両への導入及びGPS配車システムについて考 究し、支援制度の紹介等によりこれらの普及を図る。 (5 )次世代低公害車であるタクシーの専用乗り場の設置等を 推進するとともに、タクシー乗り場の位置や乗車予定地点に近接する空車にかかる携帯端末への情報提供及び当該情 報に基づくGPS配車システムの運用等について、他委員 会等と連携のうえ、検討を進める。 (6 )次世代低公害車の導入を促進するとともに、購入費助成 について、他の委員会と連携しながら、国、地方団体等へ 要望する。 (7 )LPG使用タクシーの有用性を踏まえ、改造LPGハイ ブリッド車の導入を促進するとともに改造LPGハイブリ ッド車についても購入費助成について、国、地方団体等へ 要望する。 2 .運転者の労働条件の改善のため、車内防犯カメラ、防犯仕切 り板の導入を促進し、防犯灯 (非常灯)の性能向上を図る等、 自主防犯体制を充実させるとともに、車内防犯カメラの標準規 格、運用管理基準等の普及啓発を図る。 3 .多様化する旅客のニーズに対応するタクシー車両(ユニバー サルタクシー等)の利便性及び安全性の向上を図るため、車両 構造の改善等を関係官庁と連携を図りながら推進する。また、 自動車メーカーに当該車両の開発について継続して要望する。 4 .LPガスの適正価格及び品質、長期安定供給、緊急時対策等 に関する調査研究を行う。 5 .整備管理者研修資料作成検討会へ参画するとともに、運輸支 局が開催する整備管理者及び整備管理者補助者研修会開催に協 力する。 6 .性能向上が著しい車両(HV及びEV等)の新技術に対応す るため、定期点検整備項目の内容を引き続き検討する。 7 .自動車検査証の有効期間の延長について、引続き要望する。
8 .シートベルトの正しい装着を推進するため、装置の開発等を メーカーに要望する。
六、税務・保険対策
ハイヤー・タクシー事業においては、長引く景気の低迷による需 要の減退及び規制緩和による車両の供給過剰が輸送人員及び車両当 たりの営業収入の減少をもたらし、一車当たりの営業収入が30年 前の水準までに急落するなど、極めて厳しい経営環境下にある。 こうした状況下においても、公共交通機関として安全・安心な輸 送を確保し、利用者ニーズに応えた質の高いサービスを提供してい くためには、経営上の負担とりわけ税負担の軽減が強く求められ る。 平成24年度の税制改正大綱では車体課税の抜本改革が見送られ たこと等を踏まえ、今後も、自由民主党東京都支部連合会、東京都 議会自由民主党及び東京都議会民主党、国土交通省、東京都等の関 係当局に強力に働きかけ、次の諸対策を推進する。 1 .自動車関係諸税については、取得段階での自動車取得税と消 費税及び保有段階での自動車重量税と自動車税の二重課税の問 題等があるため抜本的な見直しを行い簡素化及び軽減措置を求 める。 2 .自動車保険制度について、自賠責保険法等の動向及び諸資料 の収集と調査研究並びにハイヤー・タクシーの保険料率の是正 に努める。 3 .東京都における交通需要マネジメントについては、ハイヤ ー・タクシーを含む公共交通機関を優先的な扱いとした交通対 策を求める。4 .バスレーンへの実車タクシーの乗入れ、駅前広場のタクシー 乗り場及びタクシー車両の待機場所の整備、拡充並びに乗務員 のためのトイレ付近における短時間の駐停車禁止規制の解除を 要望する。 5 .ハイブリッドタクシー及び電気自動車タクシー等の大幅な購 入助成について、他の委員会と連携しながら、国、地方団体等 へ要望する。 6 .ユニバーサルデザインタクシーについて、自動車取得税の非 課税等税制上の優遇措置を求める。 7 .東日本大震災時の経験を踏まえた実効ある 「帰宅困難者対策」 の確立のため、緊急時の自家用車の流入規制を行うこと、ハイ ヤー・タクシーを緊急時対応車両として指定して首都高速道路 の優先走行を可能にすること及び一般道における優先走行可能 な道路レーンの確保を求める。 8 .都内の観光施設等における駐車場が十分に確保されていないこ とから観光のためのタクシーの利用が進んでいない状況にあり、 当該施設における駐車場並びにパーキングメーターを含む周辺駐 車施設の確保、整備及び拡充を要望する。
七、乗務員指導対策
平成24年度においては、平成21年10月1日に施行された 「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性 化に関する特別措置法」に基づく地域計画で示されている①タクシ ーサービスの活性化と良質なサービスが選ばれる環境作り②交通問 題、都市問題の改善等の目標達成に向けた事業を基本として以下の 事業に取り組む。これらの事業の推進に当たっては関係機関及び関連する専門委員 会との密接な連携が不可欠であることに十分留意するものとする。 1 .ターミナル駅のタクシー乗り場や繁華街における交通秩序の 維持 (1 )東京駅八重洲口、池袋駅東口・西口等のターミナル駅のタ クシー乗り場とその周辺及び六本木地区、新宿靖国通り (大 ガード付近)、赤坂地区等の繁華街を重点として関係機関と 連携を図りながら交通秩序の維持に努める。 (2 )関係機関や住民等からの通報による都内各所における違 法客待ち駐車等について迅速、適切な対応を図る。 2 .銀座乗禁地区への対応 (1 )銀座1号乗り場のショットガン方式の導入については、関 係機関等と連携して適切な運用方法を検討し、円滑な実施を 図る。 (2 )東京高速道路土橋入口付近については、タクシー乗り場 等適正運営推進制度による規制の対象に 「乗車行為の禁止 無視」が新たに追加されたところであり (平成24年4月 1日施行)、不適正な乗車行為の防止を図る。 (3 )各乗り場への入路方法等のルールについて遵守の徹底を 図る。 3 .特別街頭指導の効果的な実施 (1 )交通秩序の維持に関し問題が認められる箇所については早 期把握に努め、必要な特別街頭指導を機動的に実施する。 (2 )特別街頭指導の実施に当たっては、指導の内容・方法等 の統一を図る等により指導の実効性の確保に努める。 4 .優良タクシー乗り場等の円滑な運用
(1 )新橋駅東口、東京駅丸の内北口、新宿駅西口、銀座1 号・4号・11号、池袋駅西口、上野駅正面口及び渋谷駅 西口に設置されている各優良タクシー乗り場について円滑 な運用を図る。 (2 )昨年10月に開設されたEV・HVタクシー乗り場につ いては、供給の確保に配意しつつ定着を図る。 5 .羽田空港国際線タクシー乗り場の円滑な運用 (1 )定額運賃乗り場については、運用方法の見直し等に適切 に対応し、円滑な運用を図る。 (2 )国際線を利用する外国人旅行者に対するホスピタリティ の向上に努めるとともに乗り場及び待機所におけるルール の遵守、マナーの徹底を図る。 6 .乗務員の法令・マナー違反の絶滅 (1 )酒酔い・酒気帯び運転の絶滅に向け、安全管理の徹底を 図る。 (2 )タクシー乗り場等における喫煙・タバコのポイ捨て、ゴ ミ捨てなどに関する一般市民や関係機関からの苦情が依然 として跡を絶たない状況であるため、マナー向上対策及び 指導の強化を図る。 7 .良質な乗務員の確保 悪質乗務員の他社への移動が容易である現状を改善するため 運転者記録証明の活用を徹底する。 8 .災害発生時の対応の検討 大地震等の災害発生時の乗務員の対処方法等について検討を 行うとともに、必要な情報の提供に努める。 9 .防犯対策の一層の推進
乗務員の安全確保を図る見地から、関係諸官庁及び東京タク シー防犯協力会と連携を図りつつタクシー防犯活動を積極的に 推進する。
八、無線対策
タクシー無線の積極的な活用により、タクシー事業の効率化・省 力化及び利用者サービスの向上並びに付帯する技術的問題につい て、関東自動車無線協会東京支部と連携し、現状の改革と将来の無 線タクシーのあり方を見据え、次の諸対策を推進する。 1 .デジタル無線等IT技術の導入・活用を積極的に行い機能の 高度化利用を図る為の検討・研究を行う。 2 .高精度の情報の提供による気象、災害、犯罪情報等に対する 有効活用を図るための研究・検討を行う。 3 .無線タクシーの資質向上を図るため、次の事業を実施する。 (1 )運行管理者、無線従事者に対する講習会の実施。 4 .温暖化対策等環境問題に寄与すべく、関係機関・団体と連携 を密にし、移動局に対する広報活動を推進する。 5 .デジタル化等により高度化された最先端の情報通信技術につ いて次の項目の調査・研究を実施する。 (1 )次世代のITSシステムの展開 (2 )プローブ情報の提供による高精度の交通情報の取得 (3 )緊急地震速報等の早期配信による旅客・乗務員の安全確保 (4 )カーナビゲーションシステムの最適化 (5 )利用者の高機能携帯電話を使用した配車注文の多様化 (6 )多摩地区における無線電波不感地帯解消対策 6 .高齢化社会が進行するなか、無線を利用した高精度の配車及び潜在需要の掘り起こし等、事業の活性化を図る。 7 .タクシー無線の合理化に関し、チケットの規格統一化につい て調査・研究を行う。 8 .東京国際空港の到着便遅延時の需要増に対応した無線タクシ ーの在り方について調査・研究を行う。 9 .タクシーを対象とした強盗事件の防止策として、東京タクシ ー防犯協力会および当局の実施する施策に対し、積極的に協力 するとともに、乗務員の安全確保のための方策につき研究・検 討する。 10 .災害時のタクシー無線の優位性を利用した緊急通信に関する 調査・研究を行う。
九、ハイヤー対策
ハイヤー事業の効率化・合理化や安全性の維持・向上と安定的な 経営基盤の確立を図るため、安全で良質なサービスの提供等、次の 事業を推進する。 1 .今後のハイヤー事業の展望に関する諸対策について、研究・ 検討を行う。 2 .多様化する顧客ニーズに対応した、運賃・料金制度につい て、研究・検討を行う。 3 .安全管理体制の維持・向上、輸送の安全の確保を推進する。 4 .「市場」における安全で高品質なサービスの提供等について 調査・研究を行う。 5 .観光需要への取り組みや振興策について調査・研究を行う。 6 .首都直下地震等、災害発生時におけるハイヤーが出来うる役 割について研究を行う。7 .銀座ハイヤー乗り場の円滑な運営、秩序維持を図る為、街頭 指導を実施する。 8 .東京国際空港の24時間制に対応したハイヤー車両の運行・ 運営に関し、調査・研究を行う。
十、中小企業対策
中小企業の健全な発展および事業の安定化・合理化を推進する 等、関係機関・団体と連携を密にし、次の諸対策を実施する。 1 .中小企業事業者を取り巻く状況は、景気が低迷し、経営環境 が一段と悪化している。今後のタクシー事業の展望に関する諸 問題の検討や各種補助金・助成金による金融の円滑化等、中小 企業事業者に係る問題点を適時適切に取り上げ対応策の検討を 行う。 (1 )各種補助金の研究や、助成金制度の改正等について情報 の提供に努める。 (2 )最低賃金を下回る事態に備え営業効率の向上等の調査・ 研究を行う。 (3 )事業運営の活性化、効率化等に資する対策を検討する。 (4 )運転者の労働条件の悪化の防止、改善等に取組む。 (5 )中小企業事業者における大規模災害発生時の対応策等の 研究を行う。 2 .監査業務対策室と連携し自主点検を継続するとともに事業者 の関係法令等の遵守や監査に対する理解度を深める。 3 .直面する課題について、適時正副委員長会議を開催し、共有 認識を持って本委員会活動を推進する。 4 .中小企業事業者として高齢化社会への対応等の問題について調査研究を推進する。 5 .中小企業関係法規の調査・研究を行うとともに中小企業を基 盤とした経営者及び管理者の為の講習会・研修会を開催する。
十一、ケア輸送対策
急速な高齢化社会の進展とともに、安全で安心な交通手段として 福祉タクシーや介護タクシーさらには一般タクシーによるケア輸送 サービスが広く求められており、高齢者、障害者等の移動制約者の ニーズに対応するため、次の事業を推進する。 1 .一般乗用旅客自動車運送事業法(仮称)及び交通基本法の制 定に向け、ケア輸送にかかるタクシー事業のあり方等を検討する。 2 .地方公共団体が主宰する福祉有償運送運営協議会に参加する タクシー業界代表委員の選出、推薦、配置の調整及び研修等を 実施する。 3 .一般財団法人全国福祉輸送サービス協会東京支部による「東 京福祉タクシー総合配車センター」の運営に協働するととも に、利便向上のための調査研究を行う。 4 .「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」 (バリアフリー法)について調査研究を行う。 5 .ユニバーサルデザインタクシーの開発及び導入の数値目標の 設定について環境・車両資材委員会との連携により推進する。 6 .高齢者や身体障害者等移動制約者の社会参加を支援するため のタクシーにおける福祉輸送の役割について調査研究を行う。 7 .子育て支援タクシー等、タクシーが行う救援事業等について 調査研究を行う。 8 .業務の範囲を福祉輸送サービスに限定する旨の条件を付された一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)のあり方 等について検討を行う。 9 .自家用自動車による有償旅客運送について調査検討を行う。 10 .乗務員の福祉輸送に必要な知識、技能について調査研究を行 うとともに、「ユニバーサルドライバー研修」への積極的な参 加を会員各社に要請する。 11 .市区町村で発行している障害者等に対するタクシー福祉利用 券の拡大及び統一化について関係地方公共団体に要望する。 12 .福祉タクシーの導入費補助等福祉輸送に対する継続的な助成 措置について関係地方公共団体に要望する。 13 .地域公共交通確保維持改善事業(バリアフリー化設備等整備 事業)に基づく、福祉タクシー(ユニバーサルデザインタクシ ーを含む。)導入費補助金申請に必要となる生活交通ネットワ ーク計画(生活交通改善事業計画)を策定するための協議会の 設置について関係地方公共団体に要望する。 14 .「タクシー事業構造改善計画」を確実に実行するための方策 等を関連委員会とともに、検討を行う。 15 .大規模災害発生時における福祉タクシーの使用等について研 究を行う。
十二、総務対策
協会組織の連携、強化および各専門委員会間の総合的調整を図る とともに、次の事業を行うこととする。 1 .平成25年4月1日の一般社団法人登記を目指し、東京都に 提出する移行認可申請書類などの作成作業を進める。 2 .タクシー共通乗車券の廃止に伴う清算業務等の適切な執行を図る。 3 .協会財務の健全化とその維持に努めるとともに、予算、決算 の適切な執行を図る。 4 .関係官庁等にかかる示達事項および情報の把握と会員への速 やかな伝達に努めるとともに、関係団体との協調活動を推進す る。 5 .協会活動の円滑化に資するため、雇用対策等の協会決定事項 の徹底および調整を図る。 6 .IT化構築の推進、協会業務遂行の合理化、効率化を促進す るとともに事務局組織の活性化並びに事務機器等の整備に努め る。 7 .諸外国とのハイヤー・タクシー事業を通じて提携交流を深め、 あわせて業界の発展に資する。 8 .地域計画に盛り込まれた項目について検討する。 9.他の委員会に属しない事項。
十三、サービス改善対策
サービス改善対策委員会は多様化する利用者ニーズを的確に把握 し、より一層の安全・安心かつ快適に利用できる輸送サービス向上 を目指すために次の取組みを重点として推進する。 1 .エコーカードシステムの活用及びモバイルアンケートシステ ムの推進 タクシー乗車時に基本動作に関してエコーカードに該当箇所 をチェックして投函すれば事業者が責任をもって調査し、その 結果を確実に回答するエコーカードシステムを活用する。 また、従来のエコーカードに加え昨年7月に導入したタクシー利用者が携帯端末から手軽にアンケートに回答するモバイルア ンケートシステムを推進する。 2 .東京タクシーセンターの優良運転者表彰制度の改正により、 親切等実行運転者について表彰条件である勤務年数等を短縮す る特例措置が導入されたところである。この特例措置の対象と なる小さな親切実行者を的確に把握するためエコーカードシス テム及びモバイルアンケートシステムの積極的な利用を図る。 3.1万人アンケート調査制度の充実 一般利用者の利用動向調査をはじめ、日頃東京のタクシーに 関してどのような意見やイメージを持っているか等について時 宜に適したアンケート調査を実施し、その結果をサービス改善 に活用する。 4.東京のタクシー有識者懇談会制度の開催 「東京のタクシー」をテーマとし、学識経験者に加え、タク シー利用者、マスコミ関係者、交通関係者、地方公共団体関係 者等の幅広い分野の有識者により、その知見に基づく様々な切 り口での意見交換を行い、その成果をタクシー利用者に対する サービスの向上に資する。 5.特定地域協議会で策定された地域計画の推進 平成21年10月に施行された「特定地域における一般乗用 旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」 に基づく地域計画について進捗状況をフォローアップし、タク シー事業の適正化、活性化を実現するため事業再構築等の進捗 状況を把握しその対応を図る。