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マレーシア、ペトロナスに関する考察(後編)

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 1 更新日:2019/6/28 調査部:加藤 望

マレーシア、ペトロナスに関する考察(後編)

(ペトロナス HP、同年次報告書、Wood Mackenzie, IHS Markit, Platts 他)

要旨:

マレーシアの国営石油・ガス会社であるペトロナスは、Fortune Global 500 の 2018 版では総収入 ベースで 191 位に、また Petroleum Intelligence Weekly 誌の 2018 年世界の NOC & IOC ランキング 100 によれば 21 位に位置し、世界の石油・ガス会社の中では堅実なポジションを維持している。 前編では、その生い立ちと歴史ならびに組織的な特徴および 2018 年のマレーシアにおける総選 挙の影響を中心に、会社としての仕組みを分析した。 後編は、マレーシアの国内外におけるペトロナスの上流開発への取り組みを紹介する。 主な内容は次のとおり。  マレーシア全体の石油・天然ガスの探鉱開発、生産およびオフショア鉱区について  国内上流開発におけるペトロナスのポジション  ペトロナスが主導する LNG ビジネス  FLNG の活動  サバ-サラワク ガスパイプラインについて  海外におけるペトロナスの積極的な上流開発と LNG ビジネス  サラワク州の Royalty に関する論争  マレーシアにおける PSC の特徴 1. マレーシアにおける原油および天然ガスの生産量 ペトロナスを含む、マレーシアの原油および天然ガスの生産の推移を図 1~3 に示す。BP 統計 2019 によると原油とガスを併せた 2018 年原油換算生産量は、インドネシアが 207 万バレル/日であ るのに対し、マレーシアは、インドネシアにほぼ匹敵する 193 万バレル/日である。 このうち、ペトロナスとその 100%株式を所有する上流開発子会社である Petronas Carigali(以下 Carigali、チャリガリ、という)が生産する割合は、Wood Mackenzie によると半分強の 51.2%を占 める(P3、表 1)。

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 2 図 1 マレーシアの原油生産量推 移(1978 年~2018 年) 出所 BP 統計 図2 マレーシアの天然ガス生産 量推移(1978 年~2018 年) 出所 BP 統計 図 3 マレーシアの油・ガス合計 生産量推移(1978 年~2018 年) 出所 BP 統計

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 3 ペトロナスの原油とガスの生産量については、同社 Financial Report(2018 Q4)によると、2018 年は国内(ペトロナスグループおよび他のオペレーター生産分)と海外(ペトロナスグループのみ) を合わせた生産量の合計 2,361 thousand boed であった。一方、BP 統計による 2018 年のマレーシア 国内における油・ガスの生産量は下記のとおり 1,931.11 thousand boed であるので、その差の約 430 thousand boed がペトロナスグループの海外生産量と推定される。 表 1 マレーシアにおける主な上流開発会社および 2018 年生産量 会社名 ガス生産量(原油換算 thousand boed*) 原 油 生 産 量 ( thousand bbld) 合 計 ( 原 油 換 算 量 thousand boed) ペトロナス(上流開発子 会社 Petronas Carigali を 含む) 739.94 248.89 988.83 Shell 156.64 85.47 242.11 ExxonMobil 106.76 28.78 135.54 Hess 82.28 6.63 88.91 Murphy Oil 28.99 42.38 71.37 ConocoPhillips 9.42 59.28 68.70 PTTEP 46.20 4.15 50.35 Repsol 13.55 20.51 34.06 プルタミナ 12.43 18.16 30.59 ペトロベトナム 11.62 9.52 21.14 その他 41.37 158.14 199.51 合計 1,249.20 681.91 1,931.11 出所 BP 統計および Wood Mackenzie より

注 1 :生産量は Malaysia – Thailand Joint Development Area(JDA)における生産分を含む。JDA に権益を持つ のは Pertamina、Hess とペトロナスの 3 社である。

2: boed = barrels of oil equivalent bbld = barrels per day

2. マレーシアのオフショア鉱区の概要 2.1 オフショア位置図 マレーシア連邦の位置を図 4 で眺めてみる。マレーシアは半島マレーシアとボルネオ島の西側に 分かれている(インドネシアでは一般的にボルネオ島をカリマンタンと呼ぶ)。ボルネオ島には、 サラワク州とサバ州がある。その二つの州の間に挟まれるようにブルネイ・ダルサラーム国(通称 ブルネイ)があるがブルネイの国境はサラワク州とのみ接している。歴史的にサラワクとサバの両 州ではイギリス領マラヤ時代よりアブラヤシからのパーム油の生産、天然ゴム等の大規模プランテ

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 4 ーションが行われてきた。また、今ではその面積を著しく減じているが、原生林による木材資源が 豊富であった。1957 年マレーシア半島でマラヤ連邦が独立したあと 1963 年にマラヤ、サバ、サラ ワクおよびシンガポールでマレーシア連邦を結成した。後にシンガポールが 1965 年に分離独立し 現在のマレーシア連邦の形となった。 図 4 マレーシア位置図 各種資料より JOGMEC 作成 2.2 オフショア鉱区 マレーシアのオフショア鉱区は、以下の三つの地域に分けられる。オンショア鉱区も存在してい るが、生産量は少ない。  マレー半島沖(マレー半島の東から北東沖)  サラワク沖(ボルネオ島南西沖)  サバ沖(ボルネオ島北西沖) 三つの地域のそれぞれの油・ガスの産出量については明確な資料はないが、ライセンス数をみる とおよそ 4:3:3 の比率である。

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Capture, Utilization and Storage)の研究をマレーシア工科大学および外国企業と共同で進めてい る1 2.4 地域別の油・ガス田の特徴 (1) マレー半島沖 マレー半島沖は主として油田がメインであり。ガスは随伴ガスとして生産されている。原油と ガスは海底パイプラインでトレンガヌ州の Kerteh に送られ、原油は精油所に送られ精製される。 ガスは、ガス発電の燃料および石油化学プラントの原料および燃料として使用される。マレー 半島沖では、CO2 濃度が高いガス田が多く見つかっているが技術やコストの問題から開発が 遅れている。 (2) サラワク沖 サラワク州沖はガス田の開発が主である。生産されたガスのほとんどは、Bintulu にある LNG 液化プラントに送られ、そこで LNG として輸出される。LNG 液化プラントの概要は後述する が、9 トレイン、2,930 万トン/年の生産能力を持つ。陸上 LNG 液化プラントの原料ガスとして サラワク沖のガスがいつまで充分な量を供給できるかが気になるところだが、ペトロナスの説 明では 2026 年までは確保しているという。その中にはこれから開発されるガス田の生産量が 含まれているようだ。マレーシア全体のガス生産量は 2022 年をピークとして 2023 年から減退 が始まるという。その減退を補完するため、サバ沖で生産されたガスを Bintulu まで輸送する サバ-サラワク・パイプラインが重要となってくる。サラワク沖も CO2 濃度が高い未開発の ガス田が多く残されている。 (3) サバ沖 サバ沖の特徴は、大水深(最大水深約 1,800m、平均 800m~1,200m)で油田が比較的多いとい うことである。また、油・ガス田のサイズも比較的小型であり、海底パイプラン網も密には発 達していない。原油に関しては、Kikeh 油田では FPSO にて直接輸出しているが、ガスは陸上 に送られるものの、人口が少なく産業が未発達なサバ州にはガス需要はそれ程大きくない。後 1 CCS およびCCUS の用語の説明は、経済産業省資源エネルギー庁のWebsite「知っておきたいエネルギ ーの基礎用語」を参照願いたい。https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccus.html また、Cameron と多繊維膜分離技術を共同研究している。

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図 7 マレーシア 油・ガス田 全体図 出所 GlobalData Oil and Gas

2.5 マレーシアの LNG 液化設備

ペトロナスのビジネスで重要な位置を占めるのが LNG の販売である。2017 年のペトロナスの売 り上げ中 22%を LNG が占めている。ただし、一部海外の LNG 液化プラント(豪州 GLNG:Gladstone

LNG)による売り上げが含まれている(注:エジプト ELNG の LNG はこれまで原料ガスの減少により細々

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MLNG I (Satu) (Train 1-3) 3 840 C3MR(APCI) 1983 Bintulu MLNG (ペトロナス90%、サラワク州

5%、三菱商事5%) KBR、日揮

MLNG II (Dua) (Train 4-6) 3 960 C3MR(APCI) 1995 同上 MLNG Dua (ペトロナス80%、サラワク州10%、三菱商事10%) KBR、日揮

MLNG III (Tiga) Train 7, 8) 2 770 C3MR(APCI) 2003 同上

MLNG Tiga (ペトロナス60%、サラワ ク州25%、JXTG 10%、DGN(三菱 商事/石油資源開発=4:1)

KBR、日揮

Petronas LNG 9 (Train 9) 1 360 C3MR(APCI) 2017 同上 ペトロナス70%、JXTG 10%、PTT Global LNG 10%、サラワク州10% 日揮 Petronas FLNG 1 (Satu)

(浮体式) 1 120

AP-N LNG (Air Products & Chemicals)

2017 Kebangbang(サバ沖) ペトロナス 100% Technip, DSME

Petronas FLNG 2 (Dua)

(浮体式) 1 150

AP-N LNG (Air Products & Chemicals) 2020 上半期予定 Kanowit (サバ沖) ペトロナス 100% 日揮、Samsung Heavy Industries 合計 11 3200 (予定) 出所 JOGMEC 天然ガスリファレンスブック2019

また、世界で初の浮体式LNG(FLNG)である、ペトロナスFLNG Satu (PFLNG Satu: Petronas Floating LNG Satu、120 万トン/年)はサラワク沖最大水深 80m の Kanowit ガス田に据え置かれ、2017 年 12 月に LNG の生産を開始したが、一年数ヶ月稼動しただけで 2019 年 3 月にサバ沖の水深 120m の Kebabangan フィールドに移動し 5 月より生産を再開している。この移動のためのエンジニアリン グ、Hook-up と Commissioning はマレーシアの Sapura Energy が手懸け、水深の違いによる Mooring Chain の付け替えは三井海洋開発が請け負った。これに要した費用は 2 億ドルといわれている。

更に、ペトロナスは、PFLNG Dua(生産能力 150 万トン/年)を現在韓国の Samusung Heavy Industries で建造中であり、2020 年上半期に同じくサバ沖 Rotan ガス田に配置の上、生産が開始される見通し である。

また、マレー半島ではガスが不足しているために LNG を輸入して再ガス化している。そのため FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)を二隻、半島の西側に配置している。

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Sungai Udang (RGT1), Melaka N.A 380Seawater-Propane 2013ペトロナス100% N.A

Pengerang (RGT2)、Johor 2 350 N.A 2017

PLNG2(ペトロナス65%、 Dialog LNG 25%、Jphor州 10%) Samusung C&T プラント名 マレーシア 出所 JOGMEC 天然ガスリファレンスブック 2019 2.6 サバ・サラワク ガスパイプライン(SSGP)と Bintulu LNG 液化基地について サバ沖で生産された天然ガスは、一部サバ州の発電所や工場、民生用で消費され、残りは、2014 年に運転開始となったサバ・サラワク ガスパイプライン(SSGP)を通じてサラワク州 Bintulu のLNG 液化プラント(生産量 2,930 万トン/年)に送られる。そこで LNG に液化され輸出される。 SSGP は、送ガス開始から約 5 年半が経過しているが、これまで 3 回ガス漏れとそれに伴う火災 と爆発事故を起こしている。詳細な報告は公表されていないが、修理と復旧で半分弱の期間、2 年 以上SSGP は使用できなかったといわれている。 パイプラインは、インドとサバ州の工事業者が建設した。ルートは、直線ルート上にブルネイが あることから迂回せざるを得ず、熱帯雨林の峻険な山裾を通っている。熱帯モンスーン特有のスコ ール等集中豪雨により土壌が軟弱になり、土砂崩れが起きパイプランが流されたというのが前述の 火災や爆発事故の直接的な原因である。一方、パイプラインは集中豪雨による土砂崩れを考慮して おらず設計段階において安全上の瑕疵があったとの指摘もある。 幸い、Bintulu 向けの天然ガスはサラワク沖ガス田の開発・生産が順調であり、Bintulu におけ るLNG の長期生産維持に向けた取り組みが平行して始まっている。 また、SSGP が信頼性に欠けつことから、もう一本新たにサバから Bintulu に向けてガスパイプ ランを建設・敷設するという計画も取り沙汰されている。 SSGP の来歴 ・ 2008 年契約、2011 年竣工(512km、36 inches、600mcf/d≒450 万トン LNG/年)。建 設・敷設コンソーシアムはインド企業Punj Lloyd と Dialog E&C およびサバ州政府 の企業であるPetrosab Logistics で構成。建設資金は、14.4 億ドルである。

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の取引であり、取引は2019 年 6 月末に完了する予定である。 同社は、オフショアに強みを持つ探鉱開発企業で、北米、南米、東南アジアおよび豪州で活動し ている。1999 年にマレーシアに進出し、三ヶ所のオフショア鉱区の権益を取得し、ペトロナスと PSC(生産分与契約)を締結した。Murphy 社は 2001 年にサラワク沖で最初の油田を発見。次い でサバ州沖Kikeh で 2002 年 8 月に油・ガス田を発見した。この発見は同社の歴史の中でも特筆す べきものであった。同社は、開発にあたってプラットフォームとFPSO を使用した。そのときの

エンジニアリングはフランスのTechnip が担当した。また、マレーシアの Malaysia Marine and Heavy Engineering が建設を請け負った。Kikeh からの生産は 2007 年に開始した。12 万バレル

相当/日の油・ガス処理能力を持つ FPSO を配している。

Murphy は、2014 と 2015 年に 7 つのマレーシア資産(Kikeh, Sarawak Gas Project in Blocks SK309 & SK311, Blocks K. H, P と SK314A および PM311)の権益 30%、当時 86,000 バレル

相当/日をインドネシアのPertaminaに約20億ドルで売却した経緯がある。今回の取引は、Murphy

によるとその資産を見直し、負債を圧縮し北米を強化(Eagle Ford の Shale とメキシコ湾)する

と述べている2。より投資回収期間の短い北米シェールとメキシコ湾に資産を集中する狙いがある

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 12 とされている。ペトロナスは、Murphy が手放す権益の買収には動かなかったようだ。ペトロナス は自ら有望鉱区の新規の探鉱開発権を取得できるのであるから、20 億ドル超の対価を払ってまで、 民間会社保有の自国の権益資産を取得することはないと判断したのであろう。Murphy は、マレー シアの資産売却に続いて、ベトナムとブルネイでも保有している権益資産も売却し、東南アジアか ら撤退するものとみられている。 表4 Murphy Oil のマレーシアにおける主要資産 フィールド名 ロ ケ ー シ ョン 石 油/ ガス 生産開 始 水深(m) 生産規模 権益保持者 Kikeh Block K、 サバ沖 石 油・ガ ス 2007 1,330 FPSO 能力

120,000bopd Murphy* 56% Pertamina 24% Carigali 20% Kakap Block K、 サバ沖 石油 2012 1,220 FPO 能 力 150,000bbld Murphy 8.05% Shell 29.05%* ConocoPhillips 29.05% Carigali 16.8% Pertamina 2.7% その他 14.35% Siakap North Block K、

サバ沖

石油 2014 1,400 Unknown Murphy* 42%

Carigali 40% Pertamina 18% West Patricia Block

SK309, サ ラ ワ ク 沖 石油 2003 40 FSO 能力 700,000bbld Murphy* 59.5% Pertamina 25.5% Carigali 15% Sarawak Gas Project(6 fields か ら構成) Block SK309 & 311 サラ ワク沖 ガス 2009 30-40 250 mmcfd Murphy* 59.5% Pertamina 25.5% Carigali 15% Sarawak Oil

Project Blocks SK309 & 311、 サラ ワク沖

石 油/ ガス

2013 32-48 Tie-back to West

Patricia Murphy* 59.5% Pertamina 25.5% Carigali 15% Block H Gas Development Project (Rotan) Block H、 サバ沖 ガス 2020 前半 1,128 PFLNG Dua (LNG 150 万ト ン/年) Murphy* 42%(Block H), 56% (Rotan) Carigali 40% (H), 20% (Rotan) Pertamina 18%(H), 25% (Rotan) Block SK314A サ ラ ワ ク 沖 - - 10-34 - Murphy* 59.5% Pertamina 25.5% Carigali 15% 出所 Murphy Oil HP 注:*印はオペレーターを示す

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 13 過去4 年間の Murphy Oil の業績は以下のとおりである。マレーシアの生産が会社全体の生産 の約30%を占めている。ただし、同国における原油、コンデンセートおよび NGL (Natural Gas Liquid)の合計を示す液分(Liquid)の生産量が落ち込んできているのが分かる。同社の資産の約 30%を占めるマレーシア資産の売却に踏み切った背景には、以下に示すように同社の財務状況の厳 しさもあるようだ。

表5 Murphy Oil 過去 4 年間の業績推移 単位:US$ million (除く生産量)

項目/年 2018 年 2017 年 2016 年 2015 年 売り上げ 2,586 うちマレーシア 石油 709 ガス 148 2,079 うちマレーシア 石油 640 ガス 138 1, 863 うちマレーシア 石油 624 ガス 128 2,787 うちマレーシア 石油 791 ガス 185 純利益(損失) 411 ▲312 ▲276 ▲2,271 油・ガス生産量 170,945 boed うちマレーシア Liquid 29,468 bbld ガス 110,223 千cfd (20,590 boed) 163,536 boed うちマレーシア Liquid 33,815 bbld ガス 112,974 千cfd (21,104 boed) 175,654 boed うちマレーシア Liquid 38,770 bbld ガス 116,450 千cfd (21,754 boed) 207,930 boed うちマレーシア Liquid 41,373 bbld ガス143,468千 cf d (21,754 boed)

出所 Murphy Oil Annual Reports

3. ペトロナスの海外展開 3.1 上流開発 ペトロナスの海外における上流開発の展開は、NOC の枠を超え始めているのではないだろうか。 イージーオイルが少なく反対にマージナル油田(限界油田)の多いマレーシア国内では十分な成長 が望めないために、技術力を磨いて海外のよりポテンシャルが高いエリアに進出せざるを得ない事 情があった。メジャーズが保有する最先端の技術は後述するPSC に参加することによって自ら獲 得する、もしくは 100%所有の上流開発会社の Carigali によって吸収されていった。特にサバ沖 での大水深の油・ガス田の開発を通じ、Carigali は技術と経験を蓄積していった。 2017 年末時点におけるペトロナスの海外における上流権益は、以下の 17 カ国に広がっており、 その上流開発契約数(ライセンス契約、PSC およびサービス契約)は 120 を越える。

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 14  カナダ(1)、メキシコ(10)、アルゼンチン(1)、アイルランド(3)、エジプト(11)、アルジェリア (1)、チャド(1)、ガボン(1)、スーダン(3)、南スーダン(8)、イラク(3)、アゼルバイジャン(1)、 トルクメニスタン(1)、ブルネイ(3)、インドネシア(20)、ミャンマー(6)およびオーストラ リア(45)である。(注:カッコ内は契約数を示す) このうち、生産中のフィールドは37 ヶ所、非在来型はカナダとアルゼンチンの 2 ヶ所である。 以下、特筆すべきフィールドを何ヶ所か取り上げる。 (1) カナダ・アルゼンチン(非在来) ペトロナスがオペレーターを務めたものの、Capex が嵩むこと等から経済性が得られないと

の理由で2017 年 7 月に撤退を決めた Pacific NorthWest LNG Project は、ペトロナスがオペレー

ターである確認埋蔵量22.3tcf という大型の North Montney(ブリティッシュ・コロンビア州:ペ

トロナス62%、Sinopec15%、Japex10%、Indian Oil 10% 、Petroleum Brunei 3%)のシェール

ガス田から生産されたガスを原料にすることが想定されていた。ペトロナスはPacific NorthWest

LNG プロジェクトからの撤退は決めたものの、如何に North Montney からのガスを効果的に販

売するのかという問題を抱えていた。結局、既に組成が終わり先行していたShell がオペレーター

である LNG Canada Project に参画し、権益を 25%取得した(Shell 40%、ペトロナス 25%、 PetroChina 15%、三菱商事 15%、Kogas 5%)。なお、LNG Canada Project は 2018 年 10 月に

最終投資決定(FID)がされた。

また、ペトロナスはアルゼンチンの大型シェールプレイであるVaca Muerta の La Amanga

China 鉱区にアルゼンチンの YPF とともに開発に参画している。 (2) メキシコ (大水深)

ペトロナスは、自らまたはCarigali を通じ 2015 年からメキシコの鉱区入札に参加し、2016

年12 月のラウンド 1.4 の結果、Salina del Istmo Basin で 3 鉱区を、また 2018 年 1 月のラウンド 2.4 では Corilleras エリアの 鉱区 10、12 と 14 および Cuenca Salina エリアで鉱区 25、26 なら

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 15 びに28 の権益を取得した。浅海の一鉱区を除き水深は 1,500m を超える大水深である。中でも、 Petronas Carigali が単独で権益を取得した鉱区 25 および 26 は最大水深が 2,000m 近くもあり、 サバ沖の開発以上の困難を伴うオペレーションが予想される。Carigali の開発力量が試されるこ とにもなる。 表6 ペトロナスのメキシコ鉱区入札(ラウンド 1-4、2-1 および 2-4)の結果 入札名 実施年月 Area 参加者 水深

Round 01-L04 2015年12月 Area 4-Perdido CNOOC E&P Mexico (CNOOC 64.4%、その他 35.6%)70%、Petronas 30%

最小2,900m、最大 3,100m

同上 2015年12月 Area 4 Wintershall* 50%、Petronas 50% 最小3,000m、最大

3,200m 同上 2015年12月 Area 5 - Salina Murphy* 30%, Petronas 23.34%,

Wintershall 23.33%, Medco 23.33% 最小3,200m 3,000m、最大 Round 02-L01 2016年7月 6 Petronas* 50%、Ecopetrol Global

Energy(コロンビア) 50%

最小0m、最大80m Round 02-L04 2017年7月 Area 10 Repsol* 40%、Petronas 40%、Medco

20%

最小820m、最大 1,825m

同上 同上 Area 12 Petronas* 60%、PTTEP 20%、Medco

20%

最小1,250m、最大 1,850m

同上 2017年7月 Area 14 Repsol* 50%、 Petronas 50% 最小1,300m、最大

2,000m

同上 2017年7月 Area 25 Petronas* 100% 最小820m、最大

1,825m

同上 2017年7月 Area 26 Petronas* 100% 最小1,775m、最大

2,100m

同上 2017年7月 Area 29 Repsol* 30%、Petronas 28.33%、

Wintershall 25%、PTTEP 16.67% 最小1,476m、最大 3,280m 出所 JOGMEC (3) 豪州 オーストラリアでは45 のライセンス契約を締結しているが、アラフラ海で Eni がオペレータ

ーを務めるオフショア開発の一鉱区と Santos がオペレーターの Queensland 州の陸上 Coalbed Methane (CBM:炭層ガス) 開発に参加している。ただし、フラクチャリングに対する水汚染、土 壌汚染等環境破壊への不安感から法規制が必要と認識されている。

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 16 (4) イラク イラクHalfaya 油田は、イラクにおける大型油田のひとつである。2018 年の推定生産量は 25 万バレル/日であるが、増産により 2019 年中には 40 万バレルの生産を目指しており 2019 年 5 月 時点では35 万バレル/日まで生産量が増加していると思われる。このサービス契約への参加企業の

権益比率は、PetroChina(CNPC)45%、Carigali 22.5%、Total 22.5%、Basra Oil(イラク石油省) 10%となっている。 3.2 ペトロナスの海外における LNG プロジェクトへの展開 ペトロナスのLNG の海外展開は以下の表のとおり、液化プラントが計画中も含めて 3 ヶ所、 再ガス化プラントは、1 ヶ所である。エジプトの ELNG は、2012 年頃からエジプトのガス生産が 著しく落ち込んだことによりLNG の生産も僅かとなったが、Eni が発見開発した大型 Zohr ガス 田が生産に移行したことにより2019 年後半からは国内消費分を超える生産ガスは LNG として輸 出されることになっている。 表7 ペトロナスの海外における LNG 液化プラントの現在と計画 国名 トレイン数 液化能力 (万トン/年) 液化方式 生産開始年 参加者 コントラクター Egyptian LNG (ELNG)(Train 1) 1 360 Shell35.5%、ペトロナス 35.5%、EGAS12%、 EGPC12%、Total 5% (Train 2) 1 360 Shell38%、ペトロナス38%、 EGAS12%、EGPC12% カナダ LNG Canada, BC (Train 1,2) 2 1,400 DMR (Shell) 2020年代半ば

Shell40%、ペトロナス25%、 PetroChina 15%、三菱商事 15%、KOGAS 5% 日揮、Fluor GLNG (Train 1) 1 390 2015年 (Train 2) 1 390 2016年 2005年 エジプト Bechtel、Phillips Opt. Cascde (ConocoPhillips) Santos 30%、ペトロナス 27.5%、Total 27.5%、 KOGAS 15% Bechtel 豪州 プラント名 Opt. Cascde (ConocoPhillips) 出所 JOGMEC 天然ガスリファレンスブック2019 表8 ペトロナスの海外におけるLNG 再ガス化プラント 国名 タンク数 受入能力 (万トン/年) 再ガス化方式 受入開始年 参加者 コントラクター UK 2 441 SCV x 6 2009Shell 50%、ペトロナス50% Whessoe、Volker Stevin 注: SCV=Submerged Combustion Vaporizer

プラント名 Dragon

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 17 4. サラワク州が要求する Royalty 問題 サラワク州は、石油とガスの生産に伴う現行Royalty の州政府の取り分 5%を 20%に引き上げよ と2017年以来主張している(因みにマレーシアのPSC上、Royaltyは10%である。連邦政府が5%、 油・ガス田が存在する各州(サバ州、サラワク州、クランタン州およびトレンガヌ州)が5%の取 り分となっている)。 ただし、20%の解釈が政権与党とサラワク州政府の間で異なっている。2018 年 5 月の総選挙で 勝利したマハティール率いるPakatan Harapan(希望連盟)は、選挙時の公約は「利益の 20%」 であると主張。一方、サラワク州政府は従来の5%と同様、「生産量の 20%」を Royalty としてサ ラワク州に与えるべきとし、Pakatan の公約に違反すると主張。一方、1974 年の石油開発法です べての石油とガスの権限が与えられたペトロナスは、2018 年 6 月にサラワク州政府の主張は石油 開発法1974 に違反するとして連邦裁判所に提訴したものの、連邦裁判所は、本件はまずサラワク 州の地方裁判所で審議すべきとの管轄違いの理由で門前払いをしている(2018 年 6 月 22 日付連邦 裁判所)。 既に、サラワク州はペトロナスに代わる事業体として、州の上流開発企業“Petroleum Sarawak (Petros)”を 2017 年に設立しており、2018 年 7 月 1 日よりサワラク州で操業する上流開発企業お よびその他コントラクター、サービス企業に業者登録をするよう呼びかけている。 この問題は、サラワク州(サバ州も同様)の成り立ちという歴史的な背景を押さえないと、本質 には辿りつけないため以下にサラワク州の石油開発を巡る歴史を簡単にまとめさせて頂いた。20% のRoyalty 問題の解決は、マハティール首相は 2019 年 10 月までには解決できるだろうと述べて いるが、一方では数年掛かるのではないかともいわれている。ペトロナスは本件について連邦政府、 即ち政治の問題であるとして距離を置いているが、2019 年鉱区入札の対象からサラワク沖が除外 されている等の影響が出始めている。 <サラワク州の石油開発を巡る歴史> (注:本稿は、金沢大学人間社会学域経済学類 中島健二教授のご了解の下、同士の論文「マレ ーシアの石油権益における連邦と州の対立-連邦国家の形成の一事例」(京都大学経済学会「経 済叢書第147 巻、第 148 巻」を参考に要約した。)

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れていたが、大陸棚法および2012 年に制定された領海法(Territorial Sea Act 2012) によって 3 マイル(約 5km)を超える大陸棚資源は連邦政府によって領有されることになった。しかし、 大陸棚法の適用範囲はマレー半島に限られ、サバとサラワクのボルネオ2 州には適用が見送ら れ、領海法もサバ州、サラワク州とも同意していない。サバとサラワクに対してはマレーシア連 邦に帰属させるために大幅な自治が与えられた。かつ、サバ、サラワクともイスラム教徒は当時 30%強と少数であり、マレー半島からマレー・イスラムの浸透や人の移動の自由に対する警戒か ら現在でも、サバ、サラワクに行くにはパスポートの提出が義務付けられている。 1974 年に、これまでの石油鉱業法に代わり石油開発法が制定された。その眼目は、インドネ シアのプルタミナに倣ってペトロナスを設立すること。そしてペトロナスにマレーシアの石油資 源を全面的に委譲することにあった。したがって、これまで法的に未解決であったサバ、サラワ ク両州の石油管轄権もペトロナスに移転され、同時にそれまで石油会社に譲渡されていた石油の

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Service Contract(RSC)モデルおよび EOR 使用を考慮した PSC がある。

また、近年2010 年以降徐々に「費用を上回る収益」という概念に基づく PSC(new PSC based

on “revenue over cost” concept、R/C PSC) が登場し使用されている。R/C PSC は、他の国の PSC

には類をみないペトロナスによる革新的な試みである3。以下、東北大学名誉教授の猿渡氏の論文 から引用する。 「R/C PSC は、探鉱・開発のための作業を自社のコスト負担で請負い、コストの回収分および 報酬を取り決められた割合のコスト・オイル(ガス)および利益オイル(ガス)として生産物で受け 3 「国営石油会社ペトロナスの技術能力構築と競争優位-石油探鉱開発契約と市場セグメントの創出を通じ た技術能力構築-」東北大学経済学部名誉教授 猿渡啓子 2017 年8 月31 日発行 http://hdl.handle.net/10097/00123662 利権はすべて無効とされることとなった。次に、ペトロナスが石油資源の所有者であるのみな らず、その開発を管理する唯一の機関となったことである。 ペトロナスと石油開発上流会社が新たに締結した生産分与契約により予想利潤が圧縮された エッソは操業の一時停止をして抵抗し、コノコは撤退した。 この石油開発法の結果、州政府の取り分はRoyalty の半分 5%となった。連邦側取り分は、 当時ペトロナスが生産量の27%、政府が 36.5%となった。 サラワクとサバの両州は当然石油権限の委譲に難色を示したが、その間に力を付けたマレー シア連邦政府は、中央に反発する州政府の首相を解任し、また非常事態宣言を発して圧力をか け続けた。 連邦体制における石油資源の主権の保障という特権的な地位がサバとサラワクを連邦へと引 き付けたひとつの要因であるが、マレーシア連邦政府は発足より中央集権の拡大を目指したの である。

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 20 取るという点では従来のPSC と変わらないが、従来の PSC にはなかった「費用を上回る収益」と いう概念がコントラクターの収益性を測る指標として開発され、その概念に基づいて財務管理され る。一般的には利益率はIRR として計算されるが、「費用を上回る収益」概念に基づく財務管理 では、収益性はコントラクターのR/C Index で判断される。 コントラクターのR/C Index は次のように定義される。交渉に合意した時点の条件および技術に 基づいて、コスト、埋蔵量、原油(ガス)価格が見積もられ、それらの推定値を用いて R/C Index が作成されるが、R/C Index の分母はコントラクターの探鉱・開発のための投資や作業コスト、分 子は契約発効日からのコントラクターの累積的コスト回収原油(ガス)+累積的利益原油(ガス)と なる。」 また、2019 年の鉱区入札から大水深と浅海の区分が導入され、生産期間が 25 年から 20 年に短 くなった他、コスト認定の限度額が低くなったなど浅海での条件は若干厳しくなった。 このように、マレーシアのPSC はペトロナスとコントラクターの取り分がケースバイケースで 可変であることから複雑であり、かつインドネシアや他の国と異なり交渉により決定される余地も 残され、落札してからPSC が締結されるまで半年以上掛かることも珍しくない。通常毎年 10 月 末に翌年の鉱区入札が発表されるが、決着はこれまで翌年秋頃であったという(ただし 2019 年は 6 月末にAward を目指している)。ペトロナスは、何種類かの PSC およびガスの買い取り契約の フォームを準備しており、フィールド条件ごとに使い分けているという。 次に、マレーシアのFiscal Terms の概要を別紙に示す。R/C という概念の導入により一見した だけでは分かりにくくなっている。最終的なコントラクターの手元に残るキャッシュは標準的な油 の場合で20%弱、ガスの場合で 25%程度といわれており、世界的にみて条件面は上流開発コント ラクターにとっては厳しい。しかしながら、ペトロナスの監督体制への信頼性、多くの油・ガス田 があり探鉱の結果、生産に繋がる可能性が高いという、まったくのニューフロンティアではないた め、投資的には堅実といえよう。

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Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 22 別紙 マレーシア 1997 年 PSC モデルに基づく Fiscal Terms(財務条件)概要 1 サインボーナス 2 プロダクションボーナス 3 PSC期間(大水深200m超、浅海) 4国の参加率(ただし、探鉱・評価費用は100% コントラクター負担) 5 Royalty (連邦:州=50:50) 6 Profit Sharing 7 Cost Recovery 8 Excess Cost Recovery 9 Income Tax

10 Taxable base

11 Loss Carry Forward

12

Additonal Petroleum Tax (油・ガスのBase Priceを超過した分) ただし、R/C Ratio1.0超。 2019年 Base Price:油価US$59.25/bbl、Gas US$ 4.26/MMBtu 13 Withholding Tax 14 Export Duty 15 Trainning Fee(探鉱開始から)

16 Research Cess (Tax) (生産開始から)

17 国内販売義務(Domestic Supply Obligation)

18 Abandonment Fund 19Investment Allowance(大水深、EOR、高二酸 化炭素濃度、大水深かつ高温高圧) 項目 80%-20% *別表3参照 内容 なし なし 最低15%(通常20%以上、50-60%もある。交渉可能) 最大10% ただし、10%以外の例なし 油:要求ベース(30日前通知で最大50%) ガス:100%ペトロナスへ売却(ペトロナスと共同で買い手と販売 契約を結ぶ場合あり) 資本的支出の60% 、課税対象から減額 探鉱5年、開発6年、生産25年(浅海:同4年、4年、20年) 年間生産量、残りの生産量見込み、廃坑費用見積もりおよび既 に廃校ファンドに拠出した額から導き出された年間拠出額 限度額は各四半期毎の70-30% (コントラクターのR/C Ratioに よる)*別表2参照 課税ベース:Royalty控除後のプロフィット、コストリカバリー 減額:定義された探鉱費用、トレーニング費、Research Cess、 Abandonment Fund拠出額、Export Tax、Supplementary Payment、減価償却費、運転費用、定義された資本的支出の一 部

コントラクター取り分10%~80% *別表1参照

38%(限界油ガス田25%)

No time limitation (PSC期間中)

70% for Oil, 60% of Gas

なし

10%(ただし、限界油ガス田なし) 交渉可能。概ね探鉱期間10万ドル/年 コントラクターのコストリカバリーと利益の0.5%

(23)

Global Disclaimer(免責事項) 本資料は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」)調査部が信頼できると判断した各種資料に基づいて作成されていますが、機構は本資料に含まれるデータ および情報の正確性又は完全性を保証するものではありません。また、本資料は読者への一般的な情報提供を目的としたものであり、何らかの投資等に関する特定の アドバイスの提供を目的としたものではありません。したがって、機構は本資料に依拠して行われた投資等の結果については一切責任を負いません。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。 23

別表1 Profit Sharing with Revenue over Cost (R/C) Ratio

Profit Sharing Pool

Cumulative Production ≤ Cumulative Threshold Value Cumulative Production .> Cumulative Threshold Value 0 < R/C ≤ 1.0 80 40 1.0 < R/C ≤ 1.4 70 1.4 < R/C ≤ 2.0 60 2.0 < R/C ≤ 2.5 50 2.5 < R/C ≤ 3.0 40 R/C > 3.0 30 10 Contractor's Share

Gross Production less Royalty and Cost Recovery Rate (%)

30 Non-Incremental sliding

scale tied to contractor's R/C Ratio and cumulative production

Method Contractor's R/C Ratio

出所 各種資料をもとにJOGMEC 作成

別表2 Cost Recovery Ceiling (限度額)

Profit Sharing Pool

0 < R/C ≤ 1.0 70 1.0 < R/C ≤ 1.4 60 1.4 < R/C ≤ 2.0 50 R/C > 2.0 30 Rate Method Contractor's R/C Ratio Rate (%)

Gross Production less Royalty and Cost Recovery

Non-Incremental sliding scale tied to contractor's R/C Ratio and cumulative

production

出所 各種資料をもとにJOGMEC 作成

別表3 Excess Cost Recovery (限度額に達しない場合の追加コスト回収)

Cumulative Production ≤ Cumulative Threshold Volume Cumulative Production > Cumulative Threshold Volume R/C ≤ 1.4 80 1.4 < R/C ≤2.0 70 2.0 < R/C ≤ 2.5 60 2.5 < R/C ≤ 3.0 50 R/C > 3.0 40 20 40 Contractor's Share of Excess Cost Recovery (%)

Non-Incremental sliding scale tied to contractor's R/C Ratio and cumulative

production

where: Threshold Volume for each field is the lesser of (a) gross production of 30MMbbl Method Contractor's R/C Ratio

図 7  マレーシア  油・ガス田  全体図      出所  GlobalData Oil and Gas

参照

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