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Ⅵ おわりに 注 参考文献 キーワード : 関西 3 空港問題, 伊丹空港, 騒音, 市民運動, 利便性 2

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平 成 22 年 度 提 出 卒 業 論 文 伊 丹 空 港 に 対 す る 周 辺 団 体 の 態 度 A07LA085 中 山 和 哉 目 次 Ⅰ 問 題 の 所 在 Ⅱ 本 研 究 の 資 料 ・ 方 法 1) 研 究 の 資 料 と 方 法 2) 先 行 研 究 Ⅲ 伊 丹 空 港 の 歴 史 と 空 港 問 題 の 変 遷 1) 関 西 空 港 開 港 ま で の 伊 丹 空 港 2) 関 西 空 港 開 港 後 の 伊 丹 空 港 3) 小 括 Ⅳ 周 辺 団 体 へ の 調 査 1) 11 市 協 に つ い て (a) 基 本 的 事 項 (b) 運 動 方 針 の 変 遷 2) 11 市 協 の 状 況 (a) 伊 丹 空 港 の 機 能 拡 大 に 対 す る 各 市 の 見 解 (b) コ ン セ ン サ ス の 得 ら れ 方 (c) 加 盟 市 内 の 差 異 ( d) 空 港 に 隣 接 す る 3 市 の 状 況 3) 経 済 界 の 意 向 Ⅴ 考 察 1) 空 港 廃 止 に 反 対 す る 背 景 2) 空 港 の 機 能 拡 大 を 求 め る 背 景 3) 今 後 の あ り 方 に つ い て 1

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Ⅵ お わ り に 注 参 考 文 献 キ ー ワ ー ド : 関 西 3 空 港 問 題 , 伊 丹 空 港 , 騒 音 , 市 民 運 動 , 利 便 性 2

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Ⅰ 問 題 の 所 在 関 西 に は 現 在 ,関 西 国 際 空 港( 以 下 ,関 西 空 港 ),大 阪 国 際 空 港( 以 下 , 伊 丹 空 港 ), 神 戸 空 港 の 3 つ の 主 要 な 空 港 あ る 。 今 , こ の 関 西 の 3 つ の 空 港 を ど の よ う に 運 用 し て い く べ き で あ る の か , と い う こ と に つ い て 議 論 が 起 こ っ て い る 。 平 成 20 年 7 月 , 航 空 各 社 が 関 西 空 港 発 着 路 線 の 減 便 ・ 運 休 方 針 を 打 ち 出 し て い る こ と を 背 景 に , 大 阪 府 の 橋 下 徹 知 事 は , 関 西 の 3 空 港 に つ い て 「 今 の ま ま で は 駄 目 と い う こ と は 明 ら か 。 伊 丹 空 港 の 廃 止 も 含 め て 9 月 か ら 府 庁 で 検 討 す る 」 と 表 明 し た 。 そ の 発 言 に 対 し て , 伊 丹 市 の 藤 原 保 幸 市 長 な ど 伊 丹 空 港 の 地 元 か ら 次 々 と 反 発 の コ メ ン ト が 発 表 さ れ た( 朝 日 新 聞 ・ 朝 刊 34・ 38 頁 2008.8.1)。そ れ を 端 緒 に , 平 成 21 年 9 月 に 大 阪 府 や 兵 庫 県 な ど の 公 共 団 体 の 長 や 経 済 団 体 な ど で 3 空 港 の あ り 方 を 話 し 合 う 「 関 西 3 空 港 懇 談 会 」 が 4 年 ぶ り に 開 催 さ れ た 。 そ の 懇 談 会 で は , 伊 丹 空 港 の 廃 止 や 3 空 港 の 一 体 運 営 に つ い て ,1 年 間 議 論 を 続 け て い く こ と と な っ た 。 そ の よ う な 中 , 民 主 党 新 政 権 の 目 玉 で あ っ た 行 政 刷 新 会 議 の 事 業 仕 分 け に お い て , 1 兆 円 超 の 有 利 子 負 債 を 抱 え る 関 西 空 港 を 支 援 す る た め の 補 給 金 (160 億 円 ) に つ い て 「 伊 丹 空 港 な ど と の あ り 方 を 抜 本 的 に 解 決 す る 必 要 が あ る 」 と し て , 予 算 計 上 の 凍 結 を 求 め た ( 朝 日 新 聞 ・ 東 京 夕 刊 1 頁 2009.11.16)。 そ れ を 受 け , 3 空 港 懇 談 会 は 3 空 港 の 一 体 運 営 と い う 方 針 を 打 ち 出 す 方 向 で 調 整 を 進 め ,12 月 に 3 空 港 の 一 体 管 理 で 合 意 し た 。そ れ に よ り ,ひ と ま ず 補 給 金 の 予 算 は 75 億 円 が 計 上 さ れ た 。 こ う し た 形 で 関 西 の 3 空 港 に つ い て の 議 論 が 活 発 に 行 わ れ る 中 で , 伊 丹 空 港 周 辺 に お け る 11 の 地 方 公 共 団 体 で 構 成 さ れ る 大 阪 国 際 空 港 周 辺 都 市 対 策 協 議 会 ( 発 足 時 は , 大 阪 国 際 空 港 騒 音 対 策 協 議 会 , 以 下 ,11 市 協 ) は , 平 成 22 年 5 月 に 伊 丹 空 港 の 存 続 を 強 く 求 め る 3

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文 書 を 国 土 交 通 相 あ て に 提 出 し た ( 朝 日 新 聞 ・ 大 阪 夕 刊 8 頁 2010.5.1)。 そ の 後 も 同 年 7 月 , 11 市 協 は 総 会 に お い て 「 ジ ェ ッ ト 機 の 発 着 枠 の 拡 大 」 と 「 国 際 チ ャ ー タ ー 便 の 就 航 」 を 国 に 求 め る 平 成 22 年 度 の 運 動 方 針 を 決 定 し た 。 以 上 に 見 る よ う に , 伊 丹 空 港 廃 止 を 投 げ か け る 大 阪 府 や ,3 空 港 の 役 割 分 担 を 求 め る 行 政 刷 新 会 議 に 対 し て , 伊 丹 空 港 の 地 元 は 伊 丹 空 港 の 機 能 縮 小 又 は 廃 止 に 対 し て 強 く 反 対 し て い る こ と が 分 か る 。 伊 丹 空 港 は , 戦 後 の 経 済 成 長 と と も に ジ ェ ッ ト 機 が 飛 来 す る よ う に な り 航 空 機 騒 音 が 問 題 に な っ た 。 空 港 周 辺 の 住 民 は , 国 を 相 手 取 り 空 港 公 害 裁 判 を 提 起 す る 中 で ,11 市 協 は 空 港 の 廃 止 と 公 害 の な い 関 西 新 空 港 の 建 設 を 求 め て 運 動 を 起 こ し た 。 こ の よ う な 背 景 の 中 で 関 西 新 空 港 は 計 画 さ れ , 平 成 4 年 9 月 , 関 西 空 港 は 開 港 し た 。 し か し , 関 西 国 際 空 港 株 式 会 社 に よ る と , 平 成 20 年 度 に お い て , 関 西 空 港 は 年 間 処 理 能 力 の 発 着 回 数 23 万 回( 2 期 完 全 供 用 時 )に 対 し て , 実 績 値 は ,関 西 空 港 と 伊 丹 空 港 の 発 着 回 数・旅 客 数 の 推 移 示 す 図 1・ 図 2 を 見 る と ,12 万 回 9 千 回 と 56% し か 利 用 さ れ て い な い 。ま た , 空 港 を 設 置 ・ 管 理 す る 関 西 国 際 空 港 株 式 会 社 1 )の 経 営 状 況 は , 平 成 20 年 度 で 約 1000 億 円 の 売 り 上 げ に 対 し , 1 兆 1200 億 円 の 有 利 子 負 債 , 年 間 230 億 円 の 金 利 負 担 と 大 変 苦 し い 状 況 に あ る 。 以 上 に 見 た よ う に , 関 西 空 港 は 伊 丹 空 港 の 代 替 空 港 と し て 建 設 さ れ た と い う 経 緯 を 踏 ま え た 上 で , 関 西 空 港 に 航 空 便 が 集 ま ら ず 需 要 が 低 迷 し て い る 現 状 を 見 る と , 伊 丹 空 港 の 機 能 を 縮 小 も し く は 廃 止 し て , 空 港 の 容 量 に 大 幅 な 余 力 が あ る 関 西 空 港 を ハ ブ 空 港 と し て 活 用 す る こ と は , 一 見 す る と 正 し い こ と だ と 考 え ら れ る 。 し か し , 伊 丹 空 港 の 周 辺 地 域 は , 伊 丹 空 港 の 廃 止 に は 反 対 で あ り , 空 港 の 機 能 拡 大 ・ 利 便 性 向 上 を 求 め て い る 。 こ れ に は ど の よ う な 背 景 が あ る の で あ ろ う か 。 4

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5.3 10.811.912.211.811.812.412.210.9 10.010.311.311.6 12.912.9 10.9 12.913.113.013.213.0 11.8 9.1 8.7 8.5 9.4 9.7 9.9 9.8 10.0 11.012.312.812.7 12.412.6 12.7 17.1 19.9 20.6 20.7 21.2 21.5 22.3 22.0 20.9 21.0 22.6 24.1 24.3 25.3 25.5 23.6 0 5 10 15 20 25 30 関西空港 関西+伊丹 伊丹空港 発着回数(万回) (年度) 図 1 関 西 空 港 と 伊 丹 空 港 の 発 着 回 数 の 推 移 出 典 : 関 西 国 際 空 港 株 式 会 社 ホ ー ム ペ ー ジ ,池 田 市 都 市 建 設 部 空 港 ・ 交 通 問 題 調 査 特 別 委 員 会 よ り 筆 者 が 作 成 5

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図 2 関 西 空 港 と 伊 丹 空 港 の 旅 客 数 の 推 移 出 典:関 西 国 際 空 港 株 式 会 社 ホ ー ム ペ ー ジ ,池 田 市 都 市 建 設 部 空 港・ 交 通 問 題 調 査 特 別 委 員 会 よ り 筆 者 が 作 成 879 1,731 1,923 1,951 1,928 2,002 2,058 1,875 1,692 1,372 1,534 1,643 1,669 1,670 1,530 1,350 2,363 1,794 1,280 1,319 1,382 1,512 1,624 1,623 1,702 1,806 1,886 1,984 1,852 1,684 1,594 1,563 1,456 2,673 3,011 3,242 3,333 3,440 3,626 3,681 3,577 3,498 3,258 3,518 3,495 3,353 3,264 3,093 2,806 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 2,331 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 平成4 旅客数(万人) (年度) 関西空港 関西+伊丹 伊丹空港 6

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そ こ で 本 稿 の 目 的 は , ① か つ て は 空 港 公 害 訴 訟 団 な ど を 擁 す る 空 港 周 辺 住 民 と と も に , 空 港 の 撤 去 を 訴 え て い た と 一 般 的 に 考 え ら れ て い る 伊 丹 空 港 の 周 辺 地 域 が , 廃 止 運 動 か ら 存 続 , 活 性 化 へ と 至 る 時 間 的 経 過 の 中 で , い か な る 状 況 に 置 か れ , い か な る 要 望 を 行 っ て き た の か を 報 告 し , そ れ と と も に 現 在 , 伊 丹 空 港 の 廃 止 に 反 対 し , 伊 丹 空 港 の 機 能 強 化 を 求 め る 方 針 の バ ッ ク グ ラ ウ ン ド を 明 ら か に す る こ と 。 ま た , そ れ を 踏 ま え て , ② 伊 丹 空 港 の 周 辺 地 域 に 着 目 し た ミ ク ロ 的 な 視 点 か ら , 今 後 伊 丹 空 港 を ど の よ う に 運 用 し て 行 く べ き で あ る の か を 考 察 す る こ と , と し た い 。 そ う す る こ と に よ っ て , 関 西 の 3 空 港 の 役 割 分 担 の 中 で , 今 後 伊 丹 空 港 を ど の よ う に 利 用 し て い く べ き で あ る の か を 考 え る 際 の 一 つ の 見 地 と な る と 考 え る 。 伊 丹 空 港 は 「 空 港 法 」 に お い て 定 め ら れ て い る 国 管 理 空 港 で あ る が ,国 土 交 通 省 は ,大 阪 府 や 兵 庫 県 ,11 市 協 と 連 絡 ・ 調 整 を 図 り な が ら 伊 丹 空 港 の 運 用・整 備 を 進 め て お り ,11 市 協 は 国 土 交 通 省 に 対 す る 空 港 地 元 の 窓 口 と な っ て い る 。し た が っ て 本 稿 で は ,11 市 協 を 伊 丹 空 港 の 周 辺 地 域 を 代 表 す る 一 つ の 主 体 と 捉 え る こ と と す る 。 そ の 中 で 地 元 の 経 済 界 や 周 辺 住 民 に つ い て も 触 れ て い く 。 Ⅱ 本 研 究 の 意 義 と 資 料 ・ 方 法 1) 研 究 の 資 料 と 方 法 本 研 究 は , ① 主 に 新 聞 記 事 と 伊 丹 空 港 周 辺 の 団 体 が 発 行 し て い る 資 料 や ホ ー ム ペ ー ジ を 対 象 と し た 文 献 調 査 と ,②11 市 協 の 加 盟 市 を 中 心 と し た 伊 丹 空 港 の ス テ ー ク ホ ル ダ ー へ の イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を 元 に , そ れ ら に 分 析 ・ 考 察 を 加 え る こ と に よ っ て 行 っ た 。 新 聞 記 事 の 調 査 で は , 朝 日 新 聞 の 記 事 検 索 シ ス テ ム 「 聞 蔵 Ⅱ ビ ジ ュ ア ル 」 を 用 い , 伊 丹 空 港 に 関 す る 記 事 を 収 集 し た 。 イ ン タ ビ ュ ー 調 査 で は , 主 に 11 市 協 の 加 盟 市 に 対 し て イ ン タ ビ ュ ー を 行 っ た 。 そ の 他 , 伊 丹 7

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空 港 周 辺 の 経 済 団 体 で あ る 「 大 阪 国 際 空 港 及 び そ の 周 辺 地 域 活 性 化 促 進 協 議 会 」 に 対 し て も イ ン タ ビ ュ ー を 行 っ た 。 以 下 に , そ れ ら の イ ン タ ビ ュ ー に お け る イ ン フ ォ ー マ ン ト を 示 す 。 x 伊 丹 市 総 合 政 策 部 空 港 室 2 名 x 豊 中 市 ま ち づ く り 推 進 部 空 港 室 1 名 x 川 西 市 ま ち づ く り 推 進 室 市 街 地 空 港 周 辺 整 備 課 主 幹 x 池 田 市 都 市 建 設 部 空 港 総 務 課 課 長 ・ 主 査 x 吹 田 市 政 策 推 進 部 政 策 推 進 室 参 事 ・ 環 境 部 総 括 参 事 x 宝 塚 市 市 民 環 境 部 市 民 生 活 室 環 境 政 策 課 2 名 x 箕 面 市 地 域 創 造 部 箕 面 営 業 課 1 名 x 尼 崎 市 環 境 市 民 局 公 害 対 策 課 1 名 x 大 阪 国 際 空 港 タ ー ミ ナ ル ビ ル 株 式 会 社 地 域 共 生 部 1 名 2 ) 2) 先 行 研 究 波 多 野 (2009)に よ る と ,地 理 学 に お け る 空 港 を 対 象 と し た 研 究 は , 井 田 (1987)や 塚 田 ・ 高 田( 2000)に 見 ら れ る よ う な ,航 空 輸 送 や 航 空 旅 客 の 動 向 , 空 港 の ア ク セ シ ビ リ テ ィ ー を 対 象 と し た も の が 主 流 で あ り , 空 港 を ロ ー カ ル な 視 点 か ら 分 析 す る 試 み は 日 本 の 地 理 学 研 究 に お い て は ほ と ん ど な さ れ て こ な か っ た 。 し か し , 近 年 で は , 成 田 空 港 と 周 辺 地 域 の 共 生 に つ い て 研 究 し た 三 國 (1999) や , 名 古 屋 空 港 の 機 能 縮 小 に 伴 う 周 辺 地 域 の 変 化 を 研 究 し , 今 後 の 展 望 を 予 測 し た 波 多 野 (2009) な ど , 活 発 に な っ て き て い る 。 Ⅲ 伊 丹 空 港 の 歴 史 と 空 港 問 題 の 変 遷 本 研 究 の 目 的 は , Ⅱ 章 で 述 べ た と お り で あ る が , そ れ を 明 ら か に す る に は ま ず , 伊 丹 空 港 と 周 辺 地 域 が 歩 ん で き た 歴 史 を 認 識 す る 必 8

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要 が あ る 。 し た が っ て こ の 章 で は , 伊 丹 市 立 博 物 館 (2009), 兵 庫 県 川 西 市(1980),佐 藤( 1994),大 阪 国 際 空 港 騒 音 公 害 伊 丹 調 停 団 連 絡 協 議 会 (1994), 朝 日 新 聞 記 事 を 参 照 し な が ら , 伊 丹 空 港 が 誕 生 し て か ら 現 在 に 至 る ま で の 経 緯 を 概 観 す る こ と と し た い 。 1) 関 西 空 港 開 港 ま で の 伊 丹 空 港 伊 丹 空 港 は , 昭 和 1 4 年 に 「 大 阪 第 二 飛 行 場 」 と し て 現 在 の 地 に 開 設 さ れ た 。 当 初 は 軍 民 共 同 の 飛 行 場 と し て 利 用 さ れ て い た が , 戦 後 ア メ リ カ 軍 に 接 収 さ れ ,「 伊 丹 エ ア ベ ー ス 」と し て 利 用 さ れ る 。昭 和 33 年 に は ア メ リ カ 軍 よ り 日 本 へ の 返 還 が 行 わ れ ,昭 和 34 年 7 月 , 空 港 整 備 法 に よ る 第 1 種 空 港 ( 国 際 航 空 路 線 に 必 要 な 飛 行 場 ) と し て 現 在 の「 大 阪 国 際 空 港 」と 改 称 さ れ た 。し か し 返 還 さ れ た 空 港 は , 当 時 国 内 線 で 使 用 さ れ て い た 航 空 機 の 離 着 陸 さ え も 難 し い ほ ど 手 狭 な も の で あ っ た 。 そ の よ う な 中 , 空 港 拡 張 に よ る 経 済 回 復 を 望 む 財 界 の 声 が 高 ま っ た 。 昭 和 37 年 , 空 港 周 辺 住 民 の 反 対 を 押 し 切 り , 伊 丹 市 議 会 に お い て 空 港 拡 張 案 が 強 硬 採 決 さ れ た 。 同 39 年 , ジ ェ ッ ト 機 が 伊 丹 空 港 に 初 就 航 す る と 騒 音 問 題 が 表 面 化 し , 空 港 周 辺 自 治 体 が 連 携 し て 騒 音 問 題 に 対 処 し て い く た め , 空 港 周 辺 8 市 が 「 大 阪 国 際 空 港 騒 音 対 策 協 議 会( 当 初 は 8 市 協 )」を 結 成 し た 。同 45 年 , 大 型 ジ ェ ッ ト 機 が 就 航 可 能 な 3000mB 滑 走 路 が 供 用 を 開 始 し た の と 時 を 同 じ く し て ,川 西 市 の 住 民 が「 第 一 次 空 港 公 害 訴 訟 」を 提 起 し , 空 港 公 害 訴 訟 の 口 火 を 切 っ た 。 そ の 後 , 豊 中 市 の 住 民 と 合 わ せ て 原 告 延 べ 276 名 と い う マ ン モ ス 訴 訟 へ と 展 開 し た 。表 1 は 訴 訟 の 内 容 と 結 果 で あ る 。 夜 間 の 飛 行 禁 止 に 関 し て は , 最 高 裁 で 原 告 の 請 求 は 却 下 さ れ た も の の ,11 市 協 ・住 民 団 体 の 強 い 要 望 に よ り ,第 2 審 で 決 定 さ れ た 午 後 9 時 ~ 翌 朝 7 時 の 離 発 着 禁 止 は , 解 除 さ れ る こ と な く 現 在 ま で 続 い て い る 。 伊 丹 市 や 宝 塚 市 ・ 尼 崎 市 ・ 大 阪 市 に お い て も , 住 民 に よ り , 公 害 9

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表 1 大 阪 空 港 公 害 訴 訟 の 内 容 主な請求内容 第1審判決 昭49 年 2 月 27 日 大阪地裁 第2 審判決 昭50 年 11 月 27 日 大阪高裁 上告審判決 昭56 年 12 月 16 日 最高裁大法廷 午後 9 時~翌 朝 7 時までの 飛行差し止め 午後10 時~翌朝 7 時 までの間,緊急時を除 き離発着禁止 午後9 時~翌朝 7 時ま での間,緊急時を除き 離発着禁止 訴え却下 過去の損害賠 償の支払い 一部,被告(国)に慰 謝料の支払いを求め る。 慰謝料の支払い額の 大幅増を被告(国)に 命じる。 上告棄却 高裁判決を容認 出典:豊中市まちづくり推進部空港室 10

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紛 争 処 理 法 に 基 づ く 調 停 申 請 が 行 わ れ た 。 表 2 は 請 求 内 容 と 結 果 で あ る 。 伊 丹 市 に お い て は , 空 港 廃 止 を 求 め る 調 停 申 請 の 運 動 が 全 市 的 規 模 に 発 展 し て き た こ と を 背 景 に , 静 か で 安 全 な 生 活 環 境 を 取 り 戻 す こ と が 市 の 責 務 だ と し て , 昭 和 47 年 に は 市 の マ ス タ ー プ ラ ン に 「 空 港 廃 止 」 を 盛 り 込 ん だ 。 ま た , 翌 年 10 月 1 日 「 大 阪 国 際 空 港 撤 去 都 市 宣 言 」( 図 3)を 決 議 し ,調 停 団 の 支 援 を 始 め ,住 民 団 体 ・ 市 当 局 ・ 市 議 会 が 一 丸 と な っ て 撤 去 運 動 を 起 こ す こ と と な っ た 。 ま た ,後 に 詳 し く 述 べ る が 11 市 協 も 昭 和 47 年 度 運 動 方 針 の 前 文 に「 空 港 撤 去 」 を 盛 り 込 み , 同 48 年 度 運 動 方 針 で は 「 大 阪 空 港 の 撤 去 を 基 本 と し て 検 討 す る こ と 」 を 掲 げ た 。 こ の よ う に 昭 和 40 年 代 後 半 か ら 同 50 年 代 前 半 に か け て は , 伊 丹 空 港 の 廃 止 が 一 番 叫 ば れ た 時 期 で あ っ た 。 第 1 審 判 決 後 , 運 輸 省 は こ れ ま で 公 共 施 設 に 対 す る 防 音 工 事 の 助 成 な ど に 留 ま っ て い た 環 境 対 策 を 練 り 直 し , 昭 和 49 年 3 月 「 航 空 機 騒 音 防 止 法 」( 正 式 名 称:公 共 用 飛 行 場 周 辺 に お け る 航 空 機 騒 音 に よ る 障 害 の 防 止 等 に 関 す る 法 律 ) を 改 正 し た 。 そ の 法 律 で は , 空 港 周 辺 の あ る 地 点 に お い て 計 測 し た 航 空 機 の 騒 音 レ ベ ル に , 飛 来 の 時 間 帯 や 機 数 を 考 慮 し た WECPNL 値 と 呼 ば れ る 「 う る さ さ 指 数 」 を 算 出 し ,WECPNL 値 が 同 じ 地 点 を 結 ん で コ ン タ ー を 作 成 し て 第 1 種 か ら 第 3 種 ま で の 騒 音 対 策 区 域 が 決 め ら れ た 。 表 3 は 騒 音 対 策 区 域 と そ の 対 策 内 容 を 示 し た 表 で あ る 。 騒 音 対 策 区 域 は 昭 和 52 年 と 同 54 年 に 第 1 種 ,第 2 種 区 域 が 拡 大 さ れ た 。し か し ,同 62 年 か ら は 時 間 的 経 過 と 共 に ,WECPNL 値 の 軽 減 に よ り 幾 次 に 渡 る 縮 小 が 実 施 さ れ て い る 。 騒 音 対 策 区 域 で の 空 港 周 辺 対 策 や , 発 生 源 対 策 と し て の 機 材 の 改 良 や 便 数 の 調 整 ,運 航 方 式 の 改 善 な ど に よ り ,図 4・ 図 5 に 示 す よ う に WECPNL 値 は 徐 々 に 低 下 し て き て い る 。 昭 和 55 年 に 合 意 さ れ た 調 停 事 項 を 元 に , 運 輸 省 は 同 59 年 よ り , 11

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表 2 調 停 の 請 求 内 容 と 結 果 請 求 内 容 経 緯 と 結 果 空 港 の 存 在 昭 和 56 年 以 降 空 港 廃 止 昭 和 5 5 年 に 「 存 続 に つ い て は 調 査 研 究 を 進 め ,地 元 の 意 見 を 聴 取 ,国 の 責 任 で 存 続 を 決 め る 」と い う 形 で 関 西 空 港 開 港 ま で に 結 論 を 出 す こ と で 成 立 環 境 対 策 ・ 騒 音 量 WECP NL7 0 以 下 ・ 発 着 回 数 1 日 200 回 以 内 ・ 午 後 8 時 以 降 翌 日 午 前 8 時 ま で の 発 着 禁 止 ・ 午 後 6 時 か ら 8 時 ま で の 発 着 回 数 は 1 時 間 4 回 以 内 昭 和 5 0 年 , 第 5 次 を 除 く 調 停 団 で 調 停 成 立 。調 停 案 の あ っ た エ ア バ ス 導 入 を め ぐ り ,第 5 次 調 停 団 は 反 対 す る が , 昭 和 55 年 に 受 諾 し 全 調 停 団 が 調 停 成 立 損 害 賠 償 請 求 ・ 過 去 の 損 害 に つ き 1 人 50 万 円 ・ 差 し 止 め 請 求 が 完 全 に 実 施 さ れ る ま で 1 人 月 1 万 円 昭 和 6 1 年 に 解 決 金 1 8. 1 憶 円 を 支 払 う こ と で 調 停 成 立 出典:伊丹市立博物館 12

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図 3 伊 丹 市 の 空 港 撤 去 都 市 宣 言 出典:伊丹市,大阪国際空港撤去都市宣言

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表 3 平 成 22 年 現 在 の 騒 音 対 策 区 域 と 内 容 第1種区域:概ねWECPNL 値が 75 以上…民家防音工事助成,テレビ受信障害対策助成等 第2 種区域:概ね WECPNL 値が 90 以上…移転補償,周辺環境基盤施設整備事業等 第3 種区域:概ね WECPNL 値が 95 以上…緩衝緑地帯等造成事業 出典:豊中市まちづくり推進部空港室 14

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図 4 騒音の漸減的低下を示すグラフ

出典:国土交通省 「大阪国際空港のあり方について(資料)」 国土交通省大阪航空局ホームページ 環境情報 より筆者が作成

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図 5 図 4 にかかわる,WECPNL 値の測定箇所を示す図

出典:国土交通省大阪航空局ホームページ, Google Earth より筆者が作成

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伊 丹 空 港 の 存 廃 を 決 め る た め の 判 断 材 料 と し て ,「 伊 丹 空 港 の 便 益 の 計 測 」,「 伊 丹 空 港 の 利 用 者 や 住 民 の 意 識 調 査 」 な ど 10 項 目 に 渡 っ て , 総 合 的 な 調 査 ( 存 廃 調 査 ) を 行 っ て き た 。 平 成 2 年 4 月 に は そ れ ら の 調 査 結 果 を 地 元 開 示 し ,11 市 協 や 大 阪 府・兵 庫 県 に 意 見 照 会 を 行 っ た 。 そ れ に 対 し て , 調 停 団 や 11 市 協 , 大 阪 ・ 兵 庫 両 府 県 は 条 件 付 き で 伊 丹 空 港 の 存 続 を 容 認 す る 意 見 書 を 提 出 し ,同 年 12 月 , 運 輸 省 と 11 市 協 は 「 大 阪 国 際 空 港 の 存 続 及 び 今 後 の 同 空 港 の 運 用 等 に 関 す る 協 定 ( 通 称 : 存 続 協 定 , 以 下 存 続 協 定 と す る )」( 図 6) を 締 結 し た 。 伊 丹 空 港 に お け る 発 着 枠 に つ い て は , 昭 和 50 年 に 調 印 さ れ た 調 停 事 項 に 基 づ い て , 従 来 の も の よ り 低 騒 音 で 輸 送 能 力 の 高 い エ ア バ ス と 呼 ば れ る ジ ェ ッ ト 機 が 就 航 開 始 し た 同 52 年 に , ジ ェ ッ ト 機 枠 が 200 便 / 1 日 に 減 ら さ れ た 。 図 7 は 伊 丹 空 港 の 発 着 枠 の 変 遷 を 示 す 。 そ れ 以 降 , 基 本 的 に は プ ロ ペ ラ 機 枠 170 便 / 1 日 と 合 わ せ て , 370 便 / 1 日 の 発 着 枠 の 中 で 運 用 さ れ て い る 。し か し ,昭 和 63 年 当 時 の プ ロ ペ ラ 機 の 主 力 で あ っ た YS- 11 型 機 の 経 年 化 と , そ の 後 継 機 が な い こ と を 理 由 に ,運 輸 省 か ら 代 替 ジ ェ ッ ト 機 枠 が 提 案 さ れ た 。 地 元 と の 協 議 の 上 ,低 騒 音 の ジ ェ ッ ト 機 に 限 り ,ジ ェ ッ ト 機 枠 が 50 便 /1 日 増 便 さ れ た 。運 輸 省 は そ の 後 も ,関 西 空 港 開 港 の 遅 れ か ら , 更 に 代 替 ジ ェ ッ ト 機 枠 50/ 1 日 便 の 追 加 を 地 元 に 要 望 し ,平 成 4 年 に は 代 替 ジ ェ ッ ト 機 枠 が 100 便 / 1 日 に な っ た 。 2) 関 西 空 港 開 港 以 降 の 伊 丹 空 港 平 成 6 年 9 月 関 西 空 港 が 開 港 し た 。運 輸 省 は 伊 丹 空 港 と 関 西 空 港 の 路 線 の 振 り 分 け を 決 定 し た 。 結 果 , 伊 丹 空 港 の 全 て の 国 際 線 と 長 距 離 路 線 を 中 心 と し た 国 内 線 の 一 部 が 関 西 空 港 に 振 り 分 け ら れ , 伊 丹 空 港 の 発 着 枠 は 通 常 通 り ジ ェ ッ ト 機 枠 200 便 / 1 日 , プ ロ ペ ラ 機 17

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図 6 存 続 協 定

出典:大阪国際空港の存続及び今後の同空港の運用等に関する協定

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図 7 伊丹空港の発着枠の変遷 出典:大阪国際空港及びその周辺地域活性化促進協議会ホームページ 230230 170 0 50 100 150 200 250 300 350 400 昭 50 51 200 200 200 200 200 200 50 100 50 50 30 14 30 30 30 30 170 120 70 120 90 110126 140 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 平 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 プロペラ機枠 回/1日 CRJ機枠 回/1日 代替ジェット機 回/1日 ジェット機枠 回/1日 発着回数 回/一日 19

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枠 170 便 / 1 日 に 戻 さ れ た 。 国 内 線 専 用 空 港 と な っ た 伊 丹 空 港 で あ っ た が , 空 港 周 辺 の 騒 音 は 大 き く 改 善 さ れ る 一 方 , 商 業 活 動 や 自 治 体 の 税 収 の 落 ち 込 み な ど , し だ い に 空 港 周 辺 経 済 の 停 滞 が 問 題 と な っ た 。11 市 協 は ,関 西 空 港 の 開 港 に よ る 伊 丹 空 港 周 辺 の 社 会 や 経 済 状 況 の 変 化 に つ い て 運 輸 省 に 調 査 を 求 め た 。平 成 9 年 9 月 に 運 輸 省 が 発 表 し た 調 査 結 果 に よ れ ば , 伊 丹 空 港 が も た ら す 経 済 効 果 は 関 西 空 港 の 開 港 に よ り 約 8 千 億 円 減 少 し た と い う 。 ま た , 調 査 結 果 は 旧 国 際 線 タ ー ミ ナ ル ビ ル の 整 備 ( 再 整 備 後 , 平 成 11 年 7 月 8 日 に 供 用 開 始 ),空 港 へ の ア ク セ ス の 整 備 ,移 転 跡 地 の 活 用 ,周 辺 地 域 整 備 な ど の 空 港 周 辺 地 域 の 活 性 化 の 方 向 も 示 し た 。 以 上 の 調 査 結 果 を 受 け ,11 市 協 の 中 で も ジ ェ ッ ト 増 便 を 求 め る 声 が 高 ま っ た 。 11 市 協 は 運 輸 省 か ら 打 診 さ れ た プ ロ ペ ラ 機 に 代 わ る 50 便 / 1 日 の ジ ェ ッ ト 機 枠 増 便 の 容 認 を 決 定 し ,平 成 10 年 に 代 替 ジ ェ ッ ト 機 枠 50 便 が 復 活 し た 。そ の 発 着 枠 も 次 第 に 満 杯 と な り ,大 都 市・地 方 間 路 線( 生 活 路 線 )の 維 持・拡 充 を 求 め る 声 が 経 済 界 を 中 心 に 高 ま っ た 。結 果 , 平 成 14 年 4 月 か ら ,プ ロ ペ ラ 機 の 発 着 枠 を 使 い CRJ と 呼 ば れ る 低 騒 音 小 型 ジ ェ ッ ト 機 が 30 便 / 1 日 導 入 さ れ た 。 機 能 拡 大 が 続 い て き た 伊 丹 空 港 で あ っ た が , 平 成 14 年 頃 に 転 機 が 訪 れ た 。 関 西 空 港 の 2 期 工 事 や 建 設 中 の 神 戸 空 港 と 絡 ん で , 伊 丹 空 港 を 含 め た 関 西 の 3 つ の 空 港 の あ り 方 を 見 直 す 動 き が , 国 土 交 通 省 ・ 財 務 省 の 中 で 見 ら れ る よ う に な っ た 。 関 西 の 方 で も 関 西 経 済 連 合 会 ・ 大 阪 府 知 事 ・ 兵 庫 県 知 事 ・ 大 阪 市 長 ・ 神 戸 市 長 の 5 者 で 関 西 3 空 港 懇 談 会 が 開 か れ , 3 空 港 の 機 能 分 担 が 話 し 合 わ れ る よ う に な っ た 。 そ の 動 き の 中 で , 伊 丹 空 港 は 平 成 10 年 以 降 の ジ ェ ッ ト 機 増 便 に よ り 増 加 し た 騒 音 の 軽 減 及 び 機 能 縮 小 の 方 向 で 話 が 進 め ら れ た 。 平 成 16 年 9 月 及 び 同 年 12 月 ,国 土 交 通 省 は 伊 丹 空 港 の 今 後 の 運 用 と あ り 方 に つ い て 最 終 方 針 を 示 し た 。 平 成 18 年 4 月 よ り 輸 送 能 力 20

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は 高 い が 騒 音 が 大 き い ジ ャ ン ボ ジ ェ ッ ト( ボ ー イ ン グ 747 型 機 )と 呼 ば れ る 大 型 機 が 就 航 禁 止 に な っ た 。 そ し て , こ れ ま で に プ ロ ペ ラ 機 枠 が ジ ェ ッ ト 機 枠 に 転 用 さ れ た 経 緯 を 見 て き た が , 新 し い プ ロ ペ ラ 機( ボ ン バ ル デ ィ ア 社 の DHC- 8 な ど )が 登 場 し た こ と も 踏 ま え て ,段 階 的 に 代 替 ジ ェ ッ ト 機 枠 が 減 ら さ れ た 。最 終 的 に 平 成 19 年 4 月 ジ ェ ッ ト 機 枠 200/ 1 日 ,プ ロ ペ ラ 機 枠 170/ 1 日 に 戻 さ れ ,今 後 の あ り 方 も 決 定 さ れ た 。こ の 決 定 に 従 い ,平 成 20 年 6 月 18 日 こ れ ま で の 空 港 整 備 法 が 一 部 改 正 さ れ た 。「 空 港 法 」と 改 称 さ れ ,伊 丹 空 港 は , こ れ ま で の 第 2 種 空 港 と 同 じ 区 分 の 空 港 へ と 変 更 さ れ た 。 そ れ に 伴 い 従 来 ま で 国 の 全 額 負 担 で あ っ た 伊 丹 空 港 の 維 持 管 理 費 の 1 /3 が 大 阪 府 ・ 兵 庫 県 の 地 元 負 担 と な っ た 。 ま た , 伊 丹 空 港 の 環 境 対 策 費 は , 従 来 は 国 が 空 港 整 備 勘 定 の 中 か ら 負 担 し て い た 。 そ れ が 伊 丹 空 港 の 利 用 者 が 負 担 す る 仕 組 み へ と 変 更 さ れ た 。 3) 小 括 伊 丹 空 港 は , 社 会 問 題 に ま で 発 展 す る よ う な 騒 音 問 題 を 抱 え る 空 港 で あ っ た こ と が 確 認 で き た 。 し か し , 住 民 運 動 や 11 市 協 に よ る 働 き か け の 成 果 に よ り , 運 輸 省 は 騒 音 ・ 環 境 対 策 に 乗 り 出 し , 騒 音 は か な り の 改 善 が 見 ら れ た 。 そ れ が 11 市 協 や 住 民 が 運 輸 省 か ら 求 め ら れ た 伊 丹 空 港 の 存 続 を 容 認 す る 大 き な 要 因 と な っ た 3 )。 関 西 空 港 開 港 後 , 伊 丹 空 港 の 周 辺 地 域 は 経 済 の 落 ち 込 み を 経 験 し , 空 港 周 辺 の 活 性 化 に 取 り 組 み 始 め た 。 同 時 に , こ の 頃 か ら 空 港 の 機 能 拡 大 を 求 め る 声 は 空 港 の 周 辺 地 域 の 中 に 存 在 し て い た こ と が 確 認 で き た 。 し か し , 関 西 3 空 港 の 見 直 し が 行 わ れ る よ う に な る と , 伊 丹 空 港 の 機 能 縮 小 が 国 交 省 に よ っ て 行 わ れ て い っ た 。 Ⅳ 周 辺 団 体 へ の 調 査 21

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1) 11 市 協 に つ い て こ こ か ら は 伊 丹 空 港 の 地 元 と し て 11 市 協 に つ い て 詳 細 に 見 て い く こ と と す る 。 (a) 基 本 的 事 項 Ⅲ 章 で 述 べ た 通 り 昭 和 39 年 , ジ ェ ッ ト 機 が 就 航 を 始 め 騒 音 が 激 化 し た こ と を 背 景 に , 周 辺 自 治 体 が 協 力 し て 騒 音 問 題 に 対 処 し て い く た め , 大 阪 国 際 空 港 騒 音 対 策 協 議 会 ( 当 時 は 8 市 協 ) が 結 成 さ れ た 。当 初 は 現 在 の 役 員 市 で あ る 伊 丹 市( 会 長 市 )・豊 中 市・川 西 市( 以 上 ,副 会 長 市 )・池 田 市・宝 塚 市( 以 上 ,監 事 市 )と 西 宮 市・尼 崎 市 ・ 箕 面 市 の 8 市 で あ っ た 。 同 46 年 に は 大 阪 市 ・ 吹 田 市 ・ 芦 屋 市 の 3 市 も 加 わ り 11 市 協 と な っ た 。 会 長 は 伊 丹 市 長 が , 委 員 は 各 市 の 市 長 と 市 議 会 の 議 長 が 務 め て い る 。 図 8 は 11 市 と 空 港 の 位 置 関 係 を 示 す 地 図 で あ り , 表 4 は 協 議 会 規 約 で あ る 。 平 成 17 年 9 月 に は , 協 議 会 の 名 称 か ら「 騒 音 」の 文 字 を 削 除 し ,「 大 阪 国 際 空 港 周 辺 都 市 対 策 協 議 会 」 へ と 名 称 を 変 更 し て い る 。 (b) 運 動 方 針 の 変 遷 次 に , 結 成 さ れ て か ら 現 在 に 至 る ま で の 11 市 協 を 取 り 巻 く 状 況 や , 行 っ て き た 運 動 を 明 ら か に し た い 。 そ の た め イ ン フ ォ ー マ ン ト の 話 や 考 察 を 交 え な が ら , こ れ ま で の 運 動 方 針 や , 運 輸 省 ・ 国 土 交 通 省 か ら 意 見 照 会 が 行 わ れ た 際 の 回 答 な ど の 変 遷 を 追 う こ と と す る 。 表 5 で は そ れ ら の 変 遷 を ま と め た 。11 市 協 は 当 初 関 西 新 空 港 の 建 設 を 求 め て い た が ,B 滑 走 路 の 供 用 開 始 後 , 本 格 的 に 騒 音 が 激 化 す る よ う に な る と , 昭 和 47 年 か ら 運 動 方 針 に 伊 丹 空 港 の 「 撤 去 」 を 掲 げ る よ う に な っ た 。 そ の 後 も 昭 和 60 年 度 ま で は 「 撤 去 」 の 文 字 を 掲 げ て い た 。 し か し , 運 輸 省 に よ る 存 廃 調 査 が 進 む 中 で , 昭 和 61 年 度 よ り , こ れ ま で の 運 動 方 針 か ら 「 撤 去 」 の 文 字 が 削 除 さ れ た 運 22

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図 8 11 市 協 の 位 置 を 示 す 概 略 図

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表 4 11 市 協 の 規 約 (名称) 第1条 この協議会は,大阪国際空港周辺都市対策協議会(以下,「協議会」という。)と称する。 (目的) 第2条 協議会は,大阪国際空港における航空機騒音対策・安全対策の促進および空港と周辺地域 との調和を図ることを目的とする (事業) 第3条 協議会は,前条の目的を達成するため次の事業を行う。 (1)騒音対策の促進 (2)安全対策の充実・確保 (3)空港と地域が共存する環境整備の促進 (4)空港をいかしたまちづくりの促進 (5)その他必要と認める事項 出典:大阪国際空港周辺都市対策協議会規約 24

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表 5 11 市協の運動方針や重要案件の変遷 年 運 動 方 針 ・ 重 要 案 件 背 景 昭 和 39 42 43 45 46 47 昭 和 48 55 57 58~ 60 61 63 平 成 元 2 3 4 5 〈8 市 協 の 時 代 〉 ・「 伊 丹 空 港 の 代 替 と し て 関 西 新 国 際 空 港 の 建 設 促 進 」 ・「 関 西 新 空 港 の 建 設 と 伊 丹 空 港 の ロ ー カ ル 化 の 促 進 」 ・「 関 西 新 国 際 空 港 の 早 期 建 設 の 促 進 」( 伊 丹 空 港 の ロ ー カ ル 化 を は ず す ) 〈11 市 協 と な っ て 以 降 〉 ・「 伊 丹 空 港 は 新 空 港 の 開 港 と 同 時 に 機 数 ・ 便 数 を 大 幅 に チ ェ ッ ク し た 制 限 空 港 に す る 」 ・「 抜 本 的 対 策 を 急 が ぬ な ら 空 港 撤 去 運 動 に 立 つ 」 ・「 伊 丹 空 港 の 撤 去 を 基 本 と し て 検 討 す る こ と 」 ・「 環 境 基 準 の 早 期 達 成 」 を 1 番 目 , 「 伊 丹 空 港 の 撤 去 」 を 2 番 目 に す る ・ 池 田 市 か ら 「 撤 去 方 針 の 見 直 し 」 の 提 案 ・「 欠 陥 性 が 解 消 さ れ な い 限 り ,撤 去 を 基 本 と す る 」 ・ 現 空 港 撤 去 の 方 針 ・ 運 動 方 針 か ら 「 撤 去 」 を 削 除 ・1 日 50 便 の 代 替 ジ ェ ッ ト 機 枠 を 認 め る 。 ・「 伊 丹 空 港 の 将 来 の あ り 方 に つ い て 早 急 に そ の 方 針 を 決 定 す べ き だ 」 ・ 空 港 の 存 続 を 認 め る 意 見 書 を 運 輸 省 に 提 出 ( 意 見 書 ) ・ 運 動 方 針 に , 経 済 的 な 要 望 を 初 め て 盛 り 込 む 。 ・更 に 1 日 50 便 の 代 替 ジ ェ ッ ト 機 枠 を 認 め る 。 ・ 規 約 に 「 空 港 と 地 域 が 共 存 す る 環 ・ ジ ェ ッ ト 機 就 航 開 始 ・ 航 空 局 , 新 関 西 国 際 空 港 建 設 計 画 発 表 ・ 運 輸 省 は 航 空 審 議 会 に 関 西 新 空 港 の 規 模 と 位 置 を 諮 問 ・B 滑 走 路 供 用 後 の 発 着 数 の 劇 的 増 加 ・ 伊 丹 市 議 会 「 大 阪 国 際 空 港 撤 去 を 求 め る 決 議 」 ・ 伊 丹 市 住 民 が 調 停 申 請 ・ 空 港 の 存 廃 に つ い て の 調 停 が 成 立 ( 新 空 港 開 港 ま で に 決 定 ) ・ 運 輸 省 に よ る 存 廃 調 査 が 進 む ・ 運 輸 省 に よ り , 存 廃 調 査 の 結 果 が 公 表 さ れ る ・ 国 と 11 市 協 が「 存 続 協 定 」を 交 わ し , 伊 丹 空 港 の 存 続 が 決 定 す る 。 ・ 関 西 空 港 の 開 港 の 遅 れ 25

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6 7 8 9 10 11 11~ 12 14 16 17 19 22 境 整 備 の 促 進 」 を 追 加 ・「 発 着 回 数 を 制 限 し ,現 行 ジ ェ ッ ト 機 の 便 数 枠 を 厳 守 す る 」 を 「 発 着 回 数 枠 を 厳 守 す る 」 に 変 更 ・ 防 災 拠 点 施 設 と し て の 機 能 を 備 え た 都 市 型 空 港 と し て 整 備 す る ・ 関 西 空 港 の 開 港 に よ る 伊 丹 空 港 周 辺 の 社 会 や 経 済 状 況 の 変 化 に つ い て , 運 輸 省 に 調 査 を 求 め る ・ ジ ェ ッ ト 機 枠 を 増 や す こ と を 協 議 す る こ と で 合 意 ・ 騒 音 対 策 区 域 の 半 減 の 容 認 と ジ ェ ッ ト 機 枠 5 0 便 の 受 け 入 れ 決 定 ・ 臓 器 移 植 を は じ め と す る 先 端 医 療 に 対 応 で き る 救 急 拠 点 施 設 と し て 活 用 ・ 大 阪 国 際 空 港 周 辺 地 域 活 性 化 連 絡 会 を 組 織 ・ 環 境 問 題 と 利 用 者 利 便 の 接 点 を 求 め な が ら , 空 港 地 域 の 共 存 を め ざ す ・ 現 行 通 り の 運 用 を 求 め る 申 入 れ 書 を 航 空 局 に 提 出 ・「 大 阪 国 際 空 港 周 辺 都 市 対 策 協 議 会 」 に 名 称 を 変 更 ・ 規 約 に 「 空 港 を い か し た ま ち づ く り の 促 進 」 を 追 加 ・「 利 便 性 の 高 い 基 幹 空 港 と し て 役 割 を 果 た す こ と 」 を 求 め る 意 見 書 を 提 出 ・ ジ ェ ッ ト 機 と プ ロ ペ ラ 機 の 柔 軟 な 運 用 と 国 内 長 距 離 便 ・ 国 際 チ ャ ー タ ー 便 の 就 航 求 め る ・ 関 西 空 港 開 港 , 国 際 線 移 転 ・ 阪 神 ・ 淡 路 大 震 災 ・ 空 港 周 辺 経 済 の 落 ち 込 み が 問 題 と な る 。 ・ 運 輸 省 の 調 査 結 果 が 公 表 さ れ た 。 ・ 国 土 交 通 省 が 伊 丹 空 港 の 役 割 を 見 直 し , 空 港 種 別 の 格 下 げ を 含 め た 機 能 縮 小 を 図 る こ と を 検 討 。 ・ 関 西 3 空 港 懇 談 会 が , 伊 丹 空 港 の 騒 音 軽 減 で 合 意 。 ・ 大 型 機 の 発 着 禁 止 や 代 替 ジ ェ ッ ト 機 枠 の 廃 止 ,特 別 着 陸 料 の 徴 収 な ど , 新 た な 規 制 策 開 始 ・ 関 西 空 港 第 2 滑 走 路 , 供 用 開 始 ・ 関 西 3 空 港 懇 談 会 が 伊 丹 空 港 と 関 西 空 港 の 一 元 管 理 で 合 意 。 出典:大阪国際空港騒音公害伊丹調停団連絡協議会(1994),朝日新聞記事,11 市協への聞き 取り調査より筆者が作成 26

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動 方 針 が 全 会 一 致 で 採 択 さ れ た 。 こ れ は 運 動 方 針 の 大 き な 転 換 で あ っ た 。 こ れ に 関 し て , 伊 丹 市 の イ ン フ ォ ー マ ン ト ( 総 合 政 策 部 空 港 室 ) は 「 確 か に 今 ま で う る さ か っ た け れ ど も , だ ん だ ん と 環 境 対 策 が で き て き た 部 分 が あ っ て , そ れ と 空 港 に つ い て は 都 市 の 発 展 に 必 要 な も の で あ る , と 認 識 に は な っ て い た と い う ふ う に 思 う 。 だ か ら 昭 和 50 年 代 後 半 か ら 60 年 初 め ぐ ら い に か け て は , 国 の 騒 音 対 策 ・ 環 境 対 策 に 対 し て , 調 停 団 や 11 市 協 が 一 定 の 評 価 を し て い た と い う こ と 。」 と 述 べ て い る 。 平 成 元 年 に は , そ れ ま で の 「 大 阪 空 港 の 『 存 廃 』 に つ い て 早 急 に そ の 方 針 を 決 定 す べ き だ 」と い う 運 動 方 針 の 一 部 を「 大 阪 空 港 の『 将 来 の あ り 方 』 に つ い て 早 急 に そ の 方 針 を 決 定 す べ き だ 」 と 変 更 を 行 っ た 運 動 方 針 案 を 全 会 一 致 で 可 決 し た 。 こ れ は , こ れ ま で の 存 廃 の 議 論 だ け で は な く , 存 続 の 場 合 の 空 港 の あ り 方 も 議 論 し て い く た め で あ っ た( 朝 日 新 聞・東 京 夕 刊 1 頁 2009.11.16)。そ し て 平 成 2 年 , 空 港 の 存 廃 に つ い て 運 輸 省 か ら 意 見 を 求 め ら れ て い た 11 市 協 は 存 続 を 容 認 す る 意 見 書( 表 6)を 提 出 し た 。そ の 年 ,運 輸 省 と 11 市 協 の 間 で 存 続 協 定 が 締 結 さ れ た 。 表 6 で 注 目 す べ き 点 は ,「 空 港 は 地 域 経 済 の 振 興 , 都 市 発 展 の 核 と し て 重 要 な 役 割 を 果 た し つ つ あ る 」 と し 、ま た 現 行 通 り の 便 数 で の 運 用 な ど 条 件 と し て い る こ と で あ る 。 こ の 文 言 に は ,11 市 協 が「 環 境 」よ り も「 経 済 効 果 」の 方 を 優 先 し , 積 極 的 な 存 続 を 選 ん だ こ と が 表 れ て い る と 見 る こ と が で き る 。ま た , 先 に 挙 げ た 図 6 の 存 続 協 定 に つ い て 触 れ た い 。 こ こ で は 基 本 方 針 の 項 に ,「 大 阪 国 際 空 港 に つ い て は ,周 辺 地 域 と の 調 和 と 利 用 者 利 便 の 確 保 と を 図 り つ つ 関 西 国 際 空 港 開 港 後 も 存 続 す る こ と と し … 」 と あ る 。空 港 機 能 の 項 で は ,「 関 西 国 際 空 港 開 港 後 も 運 輸 大 臣 が 管 理・運 営 す る 国 内 線 の 基 幹 空 港 と し … 」 と も 記 さ れ て い る 。 つ ま り , こ の 存 続 協 定 が 意 味 す る こ と は ,「 伊 丹 空 港 の 運 用 に あ た っ て は 環 境・安 27

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表 6 伊丹空港の存続を認める 11 市協の意見書の一部 今日では未だ多くの課題が残されているとはいえ,諸対策の進捗により,往時と比較して 被害実態にかなりの改善が見られる。 また,今日,時代の潮流が国際化・情報化を志向し,人・物・情報の交流を中心に,社会・ 経済活動が一段と進展するなか,航空輸送の需要は飛躍的に増大し,空港は地域経済の振興, 都市発展の核として重要な役割を果たしつつある。 本協議会としては,現下の社会情勢を思料し環境問題等が残存するなかで今後の国の対策 に期待をよせつつ,現空港が関西国際空港とあいまって近畿圏の調和ある発展と周辺地域の 振興に寄与し得る空港として活用されることを期待する。 ついては、下記事項を強く要請する。 記 1、国がその責任において直轄で管理・運営する第一種空港として位置付けること。 2、 便 数 は 現 行 程 度 と し 、 騒 音 の 軽 減 に 努 め る こ と 。 3、 時 間 制 限 は 現 行 の 運 用 を 維 持 す る こ と 。 4、 今 後 と も 環 境 ・ 安 全 対 策 に つ い て は 不 断 の 努 力 を 傾 注 し 、 こ と に 民 家 防 音 工 事 に 係 る 告 示 日 後 の 矛 盾 解 消 等 、 残 さ れ た 課 題 を 早 期 に 解 決 す る こ と 。 5、 空 港 と 調 和 し 、 地 域 の 発 展 に つ な が る 周 辺 ま ち づ く り 対 策 の 積 極 的 な 促 進 を 図 る こ と 。 以上 出 典 : 朝 日 新 聞 ・ 大 阪 夕 刊 1 頁 1990.7.28 28

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全 に は 一 番 に 配 慮 を す る が , こ れ か ら も 規 模 を 縮 小 す る こ と な く 利 便 性 の 高 い 空 港 と し て 利 用 す る 」 と い う こ と で あ る 。 し た が っ て , 11 市 協 は 国 か ら 求 め ら れ た 伊 丹 空 港 の 存 続 を 決 し て 甘 受 し た の で は な く , 積 極 的 に 受 け 入 れ た と 見 る こ と が で き る 。 翌 年 平 成 3 年 度 の 運 動 方 針 で は , 基 幹 空 港 に ふ さ わ し い 空 港 施 設 ・ 交 通 ア ク セ ス の 整 備 や 地 域 振 興 の 支 援 な ど , 経 済 的 な 要 求 を 初 め て 運 動 方 針 に 盛 り 込 ん だ 。 一 方 で は , 幹 事 会 に お い て こ れ ま で 運 動 方 針 の 付 帯 要 望 と し て 盛 り 込 ん で き た ジ ェ ッ ト 機 の 200 便 枠 / 1 日 と 午 後 9 時 か ら 翌 朝 7 時 ま で の 離 発 着 禁 止 の 厳 守 が 削 除 さ れ た 運 動 方 針 案 が 決 定 さ れ た が , 総 会 で の 反 対 が 多 く 立 ち 消 え に な っ た 。 平 成 5 年 度 は , こ れ ま で 「 騒 音 対 策 」 に 限 ら れ て い た 協 議 会 規 約 に 「 空 港 と 地 域 が 共 存 す る 環 境 整 備 の 促 進 」 と い う 表 現 が 盛 り 込 ま れ た 。 関 西 空 港 が 開 港 し た 平 成 6 年 度 は ,「 ジ ェ ッ ト 機 の 便 数 枠 を 厳 守 す る こ と 」 を 削 除 し ,「 発 着 回 数 枠 (370) 枠 を 厳 守 す る 」 と し , 関 西 空 港 開 港 後 の ジ ェ ッ ト 機 枠 の 増 便 に 含 み を 持 た せ た 。 そ の 後 平 成 7 年 度 は , 阪 神 ・ 淡 路 大 震 災 の 教 訓 を 生 か し , 防 災 拠 点 施 設 と し て の 機 能 を 備 え た 都 市 型 空 港 と し て 整 備 す る こ と を 求 め た 。 平 成 11 年 度 は ,「 臓 器 移 植 を は じ め と す る 先 端 医 療 に 対 応 で き る 救 急 拠 点 施 設 と し て 活 用 」 と い う 運 動 方 針 を 定 め た 。 こ の 2 つ の 運 動 方 針 か ら は , 伊 丹 空 港 を 自 分 た ち の 街 の シ ン ボ ル と し て 積 極 的 に 位 置 づ け よ う と い う 11 市 協 の 意 図 が う か が え る 。 運 輸 省 の 活 性 化 調 査 が 発 表 さ れ た 後 の 平 成 9 年 度 は , ジ ェ ッ ト 機 枠 を 50 便 増 や す 案 を 協 議 す る こ と を 総 会 で 合 意 し ,平 成 10 年 に は , プ ロ ペ ラ 機 枠 の 代 替 を 含 む ジ ェ ッ ト 機 枠 50 便 の 受 け 入 れ を 決 定 し た 。 朝 日 新 聞 記 事 に よ る と , こ の 時 の 11 市 協 の 議 論 の 中 で , 池 田 市 の 小 林 一 夫 ・ 市 議 会 議 長 は 「 復 便 な く し て 活 性 化 は あ り え な い 」 と 述 べ た 。 一 方 で 豊 中 市 の 宇 野 尚 一 助 役 は 「 増 便 が 活 性 化 の 大 前 提 29

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と は 考 え て い な い 。 切 り 離 し て 考 え る べ き だ 」 と 述 べ た と い う ( 朝 日 新 聞 ・ 大 阪 夕 刊 1996.12.29)。 平 成 11 年 に は 周 辺 地 域 の 活 性 化 に 専 門 的 に 取 り 組 む た め に , 11 市 協 に 加 盟 す る 市 の う ち , 池 田 市 ・ 豊 中 市 ・ 伊 丹 市 ・ 尼 崎 市 ・ 宝 塚 市 ・ 川 西 市 の 6 市 と , 大 阪 ・ 兵 庫 両 府 県 , 運 輸 省 が 「 大 阪 国 際 空 港 周 辺 地 域 活 性 化 連 絡 会 」 を 11 市 協 の 関 連 組 織 と し て 発 足 さ せ た 。 平 成 14 年 頃 か ら 関 西 空 港 の 2 期 工 事 に 絡 ん で 伊 丹 空 港 の 機 能 縮 小 の 議 論 が 出 て き た 際 に は ,「 年 間 1700 万 人 に 利 用 さ れ て い る こ と を 考 慮 し , 現 行 通 り 第 1 種 空 港 と し て , 国 が 直 轄 で 管 理 ・ 運 営 す る こ と を 維 持 す る よ う 求 め る 」 と い う 意 見 書 を 運 輸 省 航 空 局 に 提 出 し , 第 1 種 空 港 と し て 伊 丹 空 港 の 機 能 を 縮 小 す る こ と の な い よ う 求 め た 。 平 成 17 年 に は 組 織 の 名 称 が , 地 域 経 済 の 核 と し て 空 港 の 機 能 強 化 や 利 便 性 向 上 を 求 め て い る 現 状 に そ ぐ わ な く な っ て い る と し て 協 議 会 の 名 称 か ら「 騒 音 」の 文 字 を 削 除 し た 。こ れ に は「『 関 空 救 済 策 の た め の 伊 丹 減 便 を , 騒 音 問 題 を 逆 手 に 取 ら れ て の ま さ れ た 』 と の 意 見 が く す ぶ っ て い た 」( 朝 日 新 聞 ・ 大 阪 夕 刊 1 頁 2005.6.22)と あ る よ う に , 騒 音 対 策 を 目 的 に 発 足 し た 11 市 協 が 騒 音 対 策 だ け で は な く , 空 港 の 活 性 化 も 前 面 に 掲 げ ら れ る 組 織 を 目 指 し て 変 更 さ れ た も の で あ っ た 。 朝 日 新 聞 記 事 に よ る と , こ の 時 も 「 国 内 基 幹 空 港 の 位 置 づ け が 脅 か さ れ て い る 」 と 主 張 す る グ ル ー プ ( 池 田 市 , 宝 塚 市 な ど )と ,「『 騒 音 』を 削 除 す る と ,11 市 協 発 足 の 趣 旨 か ら 逸 脱 す る 」 と の 慎 重 派 の グ ル ー プ ( 豊 中 市 , 川 西 市 な ど ) に 分 か れ て い た ( 朝 日 新 聞 ・ 同 上 )。 最 近 で は 平 成 22 年 度 の 運 動 方 針 に お い て , 運 動 方 針 に 係 る 具 体 的 要 望 事 項 と し て , 現 行 の 発 着 枠 内 で の ジ ェ ッ ト 機 と プ ロ ペ ラ 機 の 柔 軟 な 運 用 と , 国 際 チ ャ ー タ ー 便 の 就 航 を 国 に 求 め る な ど , 空 港 機 能 の 拡 大 を , 初 め て 運 動 方 針 に も 盛 り 込 ん だ 。 以 上 で , 年 度 ご と の 運 動 方 針 や 重 要 案 件 を 順 に 追 っ て き た が , い 30

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く つ か の 重 要 な ポ イ ン ト を 挙 げ る こ と が で き る 。一 つ 目 は ,11 市 協 が 伊 丹 空 港 の 存 続 を 容 認 し た こ と は , 存 続 を 甘 受 し た の で は な く , 将 来 に 渡 っ て 空 港 と 共 存 共 栄 し て い く と 決 意 し た こ と を 意 味 す る こ と 。 二 つ 目 は , 存 続 協 定 締 結 後 は 空 港 の 機 能 拡 大 を 主 張 す る 池 田 市 な ど の グ ル ー プ と , 環 境 を 重 視 す る 豊 中 市 ・ 川 西 市 な ど の グ ル ー プ に 分 か れ て い た こ と 。 三 つ 目 は , 騒 音 対 策 を 目 的 に 組 織 さ れ た 11 市 協 は , 時 間 的 経 過 の 中 で 空 港 の 機 能 拡 大 や 利 便 性 の 向 上 を 求 め る 組 織 へ と 変 化 し て い っ た こ と で あ る 。 2) 11 市 協 の 状 況 1)で は 11 市 協 を 取 り 巻 く 状 況 と 取 り 組 ん で き た 運 動 を 明 ら か に し た 。 そ の 上 で 伊 丹 空 港 に 対 す る 周 辺 地 域 の 意 向 を 知 る 上 で 重 要 な ポ イ ン ト を 示 唆 し た 。 こ こ か ら は 11 市 協 が 現 在 , 伊 丹 空 港 の 機 能 拡 大 ・ 利 便 性 の 向 上 を 求 め る 背 景 を 明 ら か に し て い き た い 。 (a) 伊 丹 空 港 の 機 能 拡 大 に 対 す る 各 市 の 見 解 11 市 協 は 22 年 度 の 運 動 方 針 に お い て 環 境 ・ 安 全 対 策 の 推 進 や 基 幹 空 港 と し て 役 割 を 果 た す こ と な ど 従 来 の 方 針 を 踏 襲 し て い る 。 そ の 一 方 で , 運 動 方 針 に 関 わ る 具 体 的 要 望 事 項 に お い て ジ ェ ッ ト 機 枠 の 増 便 と 国 際 チ ャ ー タ ー 便 の 就 航 を 求 め て い る 。 果 た し て , 全 て の 11 市 協 の 加 盟 市 が こ の 空 港 の 機 能 拡 大・利 便 性 の 向 上 を 求 め る 運 動 方 針 に 賛 同 し て い る の で あ ろ う か 。 主 に イ ン ビ ュ ー に よ っ て 得 ら れ た 各 市 の 空 港 機 能 拡 大 の 是 非 と 見 解 を 以 下 に 示 す 。 是 非 を ま と め た も の が 表 7 で あ る 。 賛成派 x 伊 丹 市 ( 総 合 政 策 部 空 港 室 ) 現 在 170/ 一 日 あ る プ ロ ペ ラ 機 枠 の 内 130 し か 使 わ れ て い な い の で , 安 全 ・ 環 境 対 策 に 万 全 を 期 す こ と を 前 提 に , 余 っ て い る 枠 を 柔 軟 に 31

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表 7 機能拡大に対する見解による加盟市の分類 現 時 点 で 伊 丹 空 港 の 機 能 拡 大 に 賛 成 反 対 伊 丹 市 豊 中 市 池 田 市 宝 塚 市 吹 田 市 箕 面 市 川 西 市 尼 崎 市 大 阪 市 不 明 ・ 未 調 査 芦 屋 市 西 宮 市 32

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利 用 し た い 。 ま た , 今 の ジ ェ ッ ト 機 は 昔 と 違 っ て 低 騒 音 に な っ て お り , 国 際 線 や ジ ェ ッ ト 増 便 を し た か ら と い っ て , 騒 音 値 が 急 激 に 上 が る と い う こ と は な い 。 市 民 も 沖 縄 や 石 垣 な ど の 長 距 離 国 内 線 や , 東 ア ジ ア な ど の 近 距 離 国 際 線 を 要 望 し て い る 。 x 豊 中 市 ( ま ち づ く り 推 進 部 空 港 室 ) 空 港 を 活 か し た ま ち づ く り を 行 い た い 。 x 池 田 市 ( 都 市 建 設 部 空 港 総 務 課 ) プ ロ ペ ラ 機 枠 が 余 っ て お り , ジ ェ ッ ト 機 の 安 全 性 の 向 上 と 低 騒 音 化 が 進 ん で い る こ と か ら , ジ ェ ッ ト ・ プ ロ ペ ラ 枠 の 区 分 を な く し た い ( 以 上 は 池 田 市 『 広 報 い け だ 平 成 22 年 10 月 1 日 号 』 よ り )。 伊 丹 空 港 は 利 便 性 の 良 い 空 港 で あ る 。 こ れ を フ ル に 活 用 す る こ と に よ っ て , 関 西 経 済 と か 地 元 経 済 に と っ て も 活 性 化 し て い く と い う 考 え で , フ ル 活 用 と い う こ と を 主 張 し て い る ( 以 上 は イ ン フ ォ ー マ ン ト ( 都 市 建 設 部 空 港 総 務 課 主 査 ) か ら )。 x 宝 塚 市 ( 市 民 環 境 部 ) 11 市 協 の 名 称 が 変 更 に な っ た こ ろ か ら 伊 丹 市 や 豊 中 市 が 活 性 化 を 言 い 始 め て , 現 在 の 宝 塚 市 の 方 針 も そ れ に 沿 っ た も の に な っ て い る 。 空 港 の 利 便 性 向 上 に よ り , 歌 劇 や 植 木 と い っ た 宝 塚 市 の 観 光 資 源 に 人 を 呼 び 込 み た い 。 x 吹 田 市 ( 政 策 推 進 部 ) 長 距 離 国 内 線 や 近 距 離 国 際 線 を 要 望 し て い る 。 市 当 局 の 役 目 と し て , 市 民 の 利 便 性 を 追 求 し な け れ ば な ら な い と い う 思 い も あ る が , 関 西 全 体 の 経 済 を 考 え た 時 に , 羽 田 空 港 と 成 田 空 港 の パ イ が 拡 大 す る 中 で , 伊 丹 空 港 を も っ と 活 用 し て い か な け れ ば , 関 西 の 経 済 は 一 層 落 ち 込 ん で し ま う 。 x 箕 面 市 ( 地 域 創 造 部 箕 面 営 業 課 ) 箕 面 市 を PR し , 多 く の 観 光 客 に 来 て も ら う た め に 伊 丹 空 港 の 利 33

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便 性 を 向 上 さ せ た い 。平 成 22 年 3 月 25 日 ,箕 面 市 議 会 は「 関 西 に お け る 空 港 の 在 り 方 と 都 市 将 来 像 に つ い て 」( 図 9)と い う 決 議 を 採 決 し た 。 そ の 中 で 「 中 長 期 的 に は 大 阪 国 際 空 港 ( 伊 丹 空 港 ) 廃 港 に し … 」 と あ り , 報 道 で は 「 箕 面 市 議 会 が 中 長 期 的 な 廃 港 決 議 」 と 報 じ ら れ た 。し か し ,「 大 阪 国 際 空 港 に つ い て は ,当 分 の 間 ,近 距 離 国 際 便 ( ア ジ ア シ ャ ト ル 便 等 ) を 導 入 す る な ど , 現 在 の 合 意 枠 の 範 囲 内 で の フ ル 活 用 を 図 る 」 こ と も 求 め て い る 。 あ く ま で も 市 議 会 の 決 議 で あ る と 市 当 局 は 話 し て い る が , 現 在 の 合 意 の 枠 内 で フ ル 活 用 を 要 望 す る 点 で は 一 致 し て い る と い う 。 反 対 派 x 川 西 市 ( ま ち づ く り 推 進 室 ) 現 在 で も 騒 音 の 被 害 を 受 け て い る 住 民 が い る の で , 機 能 拡 大 に よ り 騒 音 が 増 加 し な い と い う 担 保 が 得 ら れ な い 限 り は , ジ ェ ッ ト 機 の 増 便 や 国 際 線 の 復 便 は 認 め ら れ な い 。 x 尼 崎 市 ( 環 境 市 民 局 公 害 対 策 課 ) 白 井 文 尼 崎 市 長 は 12 月 14 日 の 記 者 会 見 で 伊 丹 空 港 の あ り 方 に つ い て 「 市 街 地 に あ る の は , 安 全 上 問 題 と 思 っ て い る 。 市 と し て も , 公 害 対 策 の み で 伊 丹 を 活 性 化 さ せ る た め の 議 論 は し て い な い 」 と 話 し , 伊 丹 の 機 能 拡 大 な ど に は 消 極 的 な 姿 勢 を 示 し た ( 以 上 は , 財 団 法 人 関 西 空 港 調 査 会 (2010) よ り )。 尼 崎 市 に は , 空 港 に 関 し て は 環 境 対 策 を 行 う 部 署 し か な い 。 し た が っ て 活 性 化 を 協 議 す る セ ク シ ョ ン は 無 く ,空 港 を 活 か し た ま ち づ く り は 今 の と こ ろ 考 え て い な い 。 機 能 拡 大 に よ っ て , 騒 音 値 が 増 加 す る の で あ れ ば , 機 能 拡 大 に は 反 対 で あ る 。( 以 上 は ,イ ン フ ォ ー マ ン ト( 尼 崎 市 環 境 市 民 局 公 害 対 策 課 ) か ら ) こ の よ う に 11 市 協 の 中 で も , 空 港 の 機 能 拡 大 ・ 利 便 性 の 向 上 を 34

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図 9 箕 面 市 議 会 の 決 議「 関 西 に お け る 空 港 の 在 り 方 と 都 市 将 来 像 に つ い て 」 出 典 : 箕 面 市 ホ ー ム ペ ー ジ

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図 る べ き だ と 考 え て い る 市 と , そ れ よ り も 騒 音 対 策 を も っ と 取 り 組 む べ き で あ る と 考 え て い る 市 が あ る こ と が 分 っ た 。 そ れ は 1) に お い て も 指 摘 し た 。ま た ,11 市 協 の 協 議 の 場 に 参 加 し て い る 担 当 部 署 が 各 市 に よ っ て 異 な り , 総 合 政 策 の よ う な ま ち づ く り の 部 署 と 環 境 対 策 を 行 う 部 署 な ど が あ る こ と も 注 目 す べ き 点 で あ る 。 (b) コ ン セ ン サ ス の 得 ら れ 方 11 市 協 に 加 盟 す る 市 を 個 別 に 見 る と ,空 港 の 機 能 拡 大 に 対 す る 見 解 は 二 つ に 分 か れ て い た 。 で は な ぜ , 平 成 22 年 度 の 運 動 方 針 が 決 定 さ れ た の か 。 そ こ で , 次 に ,1) - ( b) で 見 て き た 年 度 ご と の 運 動 方 針 や 重 要 案 件 に 対 す る 回 答 な ど の コ ン セ ン サ ス が ,11 市 協 内 で ど の よ う に し て 得 ら れ る の か を 調 査 し た 。 表 8 で は 運 動 方 針 の 例 を 挙 げ る 。運 動 方 針 の 原 案 は ま ず ,11 市 協 の 会 長 市 で あ り 事 務 局 が 置 か れ て い る 伊 丹 市 の 事 務 担 当 者 の 主 導 の も と で , 他 の 役 員 市 と 連 絡 ・ 調 整 を 図 り な が ら , 原 案 の た た き 台 が 作 成 さ れ る 。次 に ,11 市 協 の 全 て の 加 盟 市 の 事 務 担 当 者 で 構 成 さ れ る 事 務 担 当 者 会 議 が 開 か れ る 。 そ こ で 協 議 を 行 い , 正 式 に 運 動 方 針 の 原 案 が で き る 。 そ の 後 11 市 協 全 て の 加 盟 市 の 副 市 長 の 出 席 の も と で 開 催 さ れ る 幹 事 会 に 持 ち こ ま れ て 審 議 さ れ , 正 式 な 運 動 方 針 案 が 決 定 さ れ る 。 最 終 的 に は , 全 て の 加 盟 市 の 市 長 と 市 議 会 議 長 の 出 席 の も と で 開 催 さ れ る 総 会 が 開 か れ る 。 そ の 場 で 多 数 決 に よ り 運 動 方 針 が 採 択 さ れ る 。 伊 丹 空 港 の 運 用 に 関 し て 国 土 交 通 省 か ら 意 見 を 求 め ら れ ,11 市 協 と し て の 意 見 を ま と め る 際 に も ,同 様 の 方 法 で コ ン セ ン サ ス が 得 ら れ る 。 こ れ を 見 る 限 り は , 伊 丹 市 の 事 務 担 当 者 主 導 の も と で , 役 員 市 の 間 で 原 案 の た た き 台 が 作 成 さ れ る 点 で は , こ れ ら の 市 の 空 港 に 対 す る 要 望 が 運 動 方 針 に 反 映 さ れ や す い と 思 わ れ る 。 36

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表 8 運動方針におけるコンセンサスの得られ方 会長市である伊丹市(事務局)主導のもと,役員市間で連絡・調整を図りながら,原案 のたたき台を作成する。 その原案のたたき台を役員市以外の全ての市の事務担当者も出席する事務担当者会に て協議し,原案が作成される。 その原案を元に全ての加盟市の副市長の出席のもとで開かれる幹事会にて協議し,正式 に運動方針案が作成される。 最終的には,幹事会で決定された案は,全ての加盟市の市長と市議会議長の出席のもと で開催される総会に提出され,多数決により案が採択される。 37

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(c) 11 市 協 加 盟 市 内 の 差 異 こ こ で , コ ン セ ン サ ス や 11 市 協 内 の 立 場 に 関 し て 何 人 か の イ ン フ ォ ー マ ン ト か ら 得 ら れ た 回 答 を 示 す 。 ・ 箕 面 市 ( 地 域 創 造 部 箕 面 営 業 課 ) 「 基 本 的 に は ,11 市 協 に 関 し て は 役 員 市 と 言 わ れ る 被 害 を 受 け て い る 方 の 意 見 に 従 う と 言 う 立 場 に あ り ま す の で , 実 際 あ ま り 発 言 も し て な い で す 。 基 本 的 に は 騒 音 対 策 を さ れ る と こ ろ が 最 終 的 な 決 議 を し て 頂 く べ き だ と 思 っ て お り ま す の で 。 そ こ が 空 港 な ん て い ら な い と 言 え ば , そ れ に 従 う べ き 立 場 に い る と 思 う の で す 。」 ・ 吹 田 市 ( 環 境 部 総 括 参 事 ) 「 そ ん な に 昔 じ ゃ な い 市 長 の 発 言 を 考 え て い ま す と ,当 時 の 市 長 は , 伊 丹 と か 空 港 直 下 の 方 の 騒 音 が や は り 大 き い と 。 し た が っ て , か な り 発 言 は 控 え て お ら れ た と い う の は あ る よ う で す ね 。 や は り そ ん な に 深 刻 だ と い う こ と で , 不 用 意 な 発 言 は し な い よ う に か な り 注 意 は さ れ て お っ た よ う で す ね 。」 ・ 宝 塚 市 ( 市 民 環 境 部 市 民 生 活 室 環 境 政 策 課 ) 「 宝 塚 市 で 騒 音 の 影 響 を 受 け る の は 山 本 野 里 地 区 と 安 倉 地 区 で あ る が , 川 西 の 久 代 な ど の 方 が 騒 音 は 激 し く , 宝 塚 市 独 自 で 要 望 を 出 す と い う こ と は な く ,11 市 協 の 方 針 に 沿 っ た も の に な っ て お り ,適 宜 意 見 を 言 っ て ,11 市 協 の 運 動 方 針 に 織 り 込 ん で も ら っ て い る 。 11 市 協 の 名 称 が 変 更 に な っ た こ ろ か ら 伊 丹 市 や 豊 中 市 が 活 性 化 を 言 い 始 め て , 現 在 の 宝 塚 市 の 方 針 も そ れ に 沿 っ た も の に な っ て い る 。」 こ れ ら の イ ン フ ォ ー マ ン ト の 発 言 か ら , 同 じ 11 市 協 に 属 す る 市 で あ る と は い え ど も , そ れ ぞ れ の 市 が 置 か れ て い る 状 況 に よ っ て 11 市 協 内 で の 立 場 が 異 な る こ と が う か が え る 。 そ れ で は 置 か れ て い る 状 況 は ど の よ う に 違 う の で あ ろ う か 。 図 10 は , 伊 丹 空 港 周 辺 エ リ ア の 地 図 に 航 空 機 の 離 発 着 航 路 を 重 ね た も の で あ る 。 こ の 図 を 元 に 38

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図 10 11 市協加盟市の位置関係と航空機の離発着航路 出典:豊中市まちづくり推進部空港室,Google Earth より筆者が作成

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11 市 協 加 盟 市 の 状 況 を 示 す 表 9 を 作 成 し た 。伊 丹 市・豊 中 市・池 田 市 に お い て は 市 域 に 空 港 の 敷 地 を 抱 え て い る 。 そ の た め 空 港 周 辺 で 事 業 を 行 っ て い る 企 業 が 支 払 う 法 人 市 民 税 , 空 港 内 の 職 場 に 通 勤 し て い る 市 民 が 支 払 う 住 民 税 , 空 港 利 用 者 の 空 港 周 辺 商 業 地 区 に お け る 消 費 な ど の 空 港 が も た ら す 経 済 効 果 が 他 市 と 比 べ て も 圧 倒 的 に 大 き い 。 少 し 古 い デ ー タ で は あ る が , 平 成 9 年 に 行 わ れ た 大 阪 国 際 空 港 活 性 化 調 査 の 結 果 ( 戸 崎 (1997) 94 頁 か ら 引 用 ) を 用 い た 。 そ の 結 果 に よ る と ,そ れ ら 3 市 に 川 西 市 を 加 え た 4 市 に 伊 丹 空 港 が も た ら す 経 済 効 果 ( 波 及 効 果 ) は 平 成 5 年 の 時 点 で 1,292 億 円 で あ っ た 。そ れ に 対 し て ,11 市 へ の 波 及 効 果 は 1,806 億 円 で あ っ た 。つ ま り ,4 市 で 11 市 の う ち の 約 72%を 占 め て い た 。ま た ,関 西 空 港 開 港 後 に 経 済 の 停 滞 が 問 題 に な っ た 平 成 7 年 で も 11 市 の 約 72%を 占 め て い た 。こ れ ら の デ ー タ は ,11 市 協 の 中 で も 3 市 の 財 政 が 伊 丹 空 港 に 大 き く 依 存 し て い る こ と と 表 裏 一 体 の 関 係 で あ り , 伊 丹 空 港 の 運 用 状 況 し だ い で は , 市 の 財 政 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す と い う こ と を 意 味 す る 。 次 に , 騒 音 の 程 度 を 見 て み る 。 伊 丹 空 港 に 離 発 着 す る 航 空 機 は 図 13 の よ う な 経 路 を 飛 行 す る の で , そ の 直 下 の あ た る 豊 中 市 ・ 伊 丹 市 ・ 川 西 市 ・ 大 阪 市 な ど は 特 に 騒 音 被 害 が 大 き く な る 。 し か し , 現 在 ど の 程 度 の 騒 音 が あ る の か と い う こ と で あ る が ,WECPNL 値 な ど を 用 い て 各 市 の 騒 音 被 害 を 比 較 す る の は 難 し い 。 そ の た め 航 空 機 燃 料 譲 与 税 を 用 い て 比 較 す る 。航 空 機 燃 料 税( 国 税 )と し て 26,000 円/キ ロ リ ッ ト ル が 航 空 事 業 者 か ら 支 払 わ れ る 。 そ の 収 入 額 の 2/13 に 相 当 す る 額 が , 航 空 機 燃 料 譲 与 税 と な る 。 更 に そ の 4/5 が 空 港 関 係 市 町 村 に 対 し て 譲 与 さ れ る 。 そ の 額 は 主 に , 騒 音 が 特 に 著 し い 地 区 内 の 世 帯 数 に よ り 決 定 さ れ る 。 し た が っ て , 航 空 機 燃 料 譲 与 税 の 額 は ,騒 音 被 害 の 程 度 に 比 例 し て い る と 見 る こ と が 出 来 る 。平 成 21 40

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表 9 11 市協加盟市の状況 市域における 空港の敷地 経済効果<波及効果>(億円) 航空機燃料譲与税額 (21 年度決算 千円) 平成 5 年度 平成 7 年度 役員市 伊丹市 有 1,292 1,806 818 1,137 826,597(推定) 豊中市 有 2,068,259(推定) 池田市 有 37,500 川西市 無 522,704(推定) 宝塚市 無 H21 まで譲与 一般市 大阪市 無 138,000 尼崎市 無 無 吹田市 無 無 箕面市 無 無 西宮市 無 無 芦屋市 無 無 出典:航空機燃料譲与税額は各市ホームページ上の決算報告書から推定(池田市はインタ ビュー内で得られた金額,大阪市は市議会録での 22 年度予算より),経済効果は戸崎 (1997) 以上より筆者が作成 41

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年 度 決 算 ( 大 阪 市 は 22 年 度 予 算 ) で , 航 空 機 燃 料 譲 与 税 を 譲 与 さ れ て い る の は , 豊 中 市 (20 億 6826 万 ), 伊 丹 市 ( 8 億 2660 万 ), 川 西 市 (5 億 2270 万 ), 大 阪 市 ( 1 億 3800 万 ), 池 田 市 ( 3750 万 ) の 5 市 の み で あ る 。 こ れ に よ り , 豊 中 市 ・ 伊 丹 市 ・ 川 西 市 で は 他 市 と 比 べ て も , 現 在 で も 大 き な 騒 音 の 被 害 を 受 け て い る と 捉 え る こ と が 出 来 る 。 こ の よ う に 見 て い く と , 置 か れ て い る 状 況 に よ っ て 11 市 協 加 盟 市 を い く つ か の パ タ ー ン に 分 類 す る こ と が 出 来 る 4 )。表 10 は 分 類 を 行 っ た 表 で あ る 。 ① 豊 中 市 ・ 伊 丹 市 は 現 在 で も 相 当 な 騒 音 被 害 を 被 っ て い る 。 し か し 同 時 に 空 港 が も た ら す 経 済 効 果 が か な り 大 き く , 市 の 財 政 ・ 経 済 が 空 港 に 大 き く 依 存 し て い る と 言 え る 。 ② 池 田 市 は 空 港 に 近 接 し て お り , 空 港 が も た ら す 経 済 効 果 は か な り 大 き い と 考 え ら れ る 。 し か し 航 空 機 騒 音 被 害 は 豊 中 市 ・ 伊 丹 市 と 比 べ る と 圧 倒 的 に 少 な い 。 ③ 川 西 市 は , 騒 音 被 害 は 大 き い も の の 空 港 か ら 少 し 離 れ た 位 置 に あ る 。そ の た め 空 港 が も た ら す 経 済 効 果 は 大 き く は な い 。 川 西 市 の イ ン フ ォ ー マ ン ト ( ま ち づ く り 推 進 室 市 街 地 空 港 周 辺 整 備 課 主 幹 ) に よ る と ,豊 中 市 が 同 市 の 空 港 に よ る 経 済 効 果 を 900 億 円 と 算 出 し た 計 算 式 を 用 い て ,川 西 市 の 経 済 効 果 を 算 出 し た と こ ろ 50 億 ~70 億 円 で あ っ た 。④ そ の 他 の 宝 塚 市・尼 崎 市・吹 田 市・箕 面 市 ・ 西 宮 市 ・ 芦 屋 市 は 程 度 の 差 こ そ あ れ , 市 の 財 政 ・ 経 済 が 空 港 に 依 存 し て い る 部 分 は 小 さ い 。ま た 騒 音 被 害 も 比 較 的 少 な い と 考 え ら れ る 。 11 市 協 加 盟 市 内 に は こ の よ う な 状 況 の 違 い が 見 ら れ る 。そ れ に よ り , 各 市 が 市 独 自 の 要 望 を 自 由 に 発 言 す る と い う こ と で は な く , よ り 騒 音 被 害 が 深 刻 で あ り , よ り 市 の 財 政 が 空 港 に 依 存 し て い る 市 に 対 し て 一 定 の 配 慮 が な さ れ て い る こ と が 分 か っ た 。 そ の こ と と 先 ほ ど の コ ン セ ン サ ス の 得 ら れ 方 を 合 わ せ て 考 え て み る 。す る と ,11 市 協 の コ ン セ ン サ ス に は 役 員 市 , 特 に 豊 中 市 ・ 伊 丹 市 ・ 池 田 市 の 空 港 42

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表 10 11 市 協 の 加 盟 市 を 経 済 効 果 と 騒 音 の 程 度 で 分 類 し た 図 分 類 経 済 効 果 騒 音 ① 伊 丹 市 ◎ 強 豊 中 市 ◎ 強 ② 池 田 市 ◎ 中 ③ 川 西 市 ○ ~ △ 強 ④ 宝 塚 市 中 ~ 弱 尼 崎 市 箕 面 市 吹 田 市 西 宮 市 芦 屋 市 筆 者 が 作 成 43

図   2   関 西 空 港 と 伊 丹 空 港 の 旅 客 数 の 推 移 出 典:関 西 国 際 空 港 株 式 会 社 ホ ー ム ペ ー ジ ,池 田 市 都 市 建 設 部 空 港・ 交 通 問 題 調 査 特 別 委 員 会 よ り 筆 者 が 作 成879 1,731 1,923  1,951  1,928  2,002 2,058 1,875 1,692 1,372  1,534  1,643  1,669  1,670  1,530  1,350 2,363 1,794 1,280  1
表 1   大 阪 空 港 公 害 訴 訟 の 内 容 主な請求内容  第1審判決 昭49年2 月 27 日  大阪地裁  第 2 審判決 昭50年11 月 27 日 大阪高裁  上告審判決 昭56年12 月 16 日 最高裁大法廷  午後 9 時~翌 朝 7 時までの 飛行差し止め  午後 10 時~翌朝 7 時までの間,緊急時を除き離発着禁止  午後 9 時~翌朝 7 時までの間,緊急時を除き離発着禁止  訴え却下  過去の損害賠 償の支払い  一部,被告(国)に慰謝料の支払いを求め る。  慰謝料の支
図 3  伊 丹 市 の 空 港 撤 去 都 市 宣 言 出典:伊丹市,大阪国際空港撤去都市宣言
図 4  騒音の漸減的低下を示すグラフ
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参照

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