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2017年 北陸3県後継者問題に関する企業の実態調査

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特別企画:2017 年 北陸 3 県後継者問題に関する企業の実態調査

はじめに

中小企業の事業承継が、国家的な問題として認識され始めている。経済産業省の推計によれば、 後継者問題等による中小企業の廃業が急増することで、2025 年頃までの 10 年間で約 650 万人の 雇用、約 22 兆円の GDP が失われる可能性が示唆されている。政府・与党は 2018 年度の税制改革 において、事業承継に関わる税制優遇措置を拡大する方針であるとされ、今後 10 年近くをかけて、 集中的にこの問題に取り組む姿勢を見せている。 帝国データバンクでは、企業概要データベース COSMOS2(147 万社収録)および信用調査報告書 ファイル(170 万社収録)から、2015 年以降の後継者の実態について分析可能な全国 33 万 4117 社(全業種)、北陸 3 県 8866 社(全業種)を対象に、後継者の決定状況などの後継者問題につい て調査した。 前回調査は 2016 年 2 月 29 日。

後継者不在率 54.2%

-建設業の不在率 59.1%と最大となるー

要旨 1. 北陸3 県の後継者決定状況は、後継者不在率が 54.2%と前回調査から 0.2 ポイント上昇、県別 では石川県が前回調査から低くなったが、富山県と福井県が上昇 2. 業種別の後継者不在率は、前回調査と同様に「建設業」が最も高く、「製造業」が最も低くなり、唯 一50%を下回った 3. 北陸3 県の社長年齢別後継者不在率は、承継時期といわれる「60 歳以上」の比率が前回調査時 より減少、承継意識の高まりもうかがわれる 4. 規模別では、売上高「1億円以下」の零細企業の後継者不在率は 66.7%と前回調査時比 1.3 ポ イント上昇 5. 後継者が決まっている企業の後継者の属性では、「子供」(44.6%)は前回調査時比 3.2 ポイント 上昇、一方で「非同族」(22.6%)は同比 0.8 ポイント低下

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1.後継者の決定状況

2015 年以降の詳細な実態 が判明している 8866 社(北 陸 3 県・全業種)を対象に、 後継者の有無を集計すると、 4805 社(構成比 54.2%)が 「後継者不在」となってお り、半数以上の企業に後継者 がいない(後継者が「いない」「未詳」「未定」)状況にある。県別では石川県が 50.4%と低く、唯 一前回調査を下回った。全国と比較すれば各県ともに下回っているため、地域としては後継者を 決めている企業の比率は高くなっているが、富山県と福井県の不在率が増加する結果となった。

2.業種別

北陸 3 県での業種別 をみると、「建設業」の 不在率が 59.1%と前回 調査同様に最も高く、 特に富山県の 61.7%が 高い数値となった。仕 事の内容に加え、業界 内の競争が激しいこと も後継者の決まらない 要因になっていると考 えられる。同業につい ては全国も 71.2%と最 も高くなっている。次 い で 「 不 動 産 業 」 (57.8%)、「小売業」 (57.1%)、「サービス 業」(56.3%)、「卸売業」 (54.6%)、「運輸・通信 業」(52.6%)が続き、「製造業」(47.0%)のみが 50%を下回った。 「製造業」の後継者不在率が低くなっていることについては、北陸は「製造業」が多い地域であ るなかで、技術の承継にも積極的であり、安定した企業が多いことも要因になっていると思われ る。全国でも「製造業」「その他」の後継者不在率はその他の業種に比較して低くなった。 後継者不在率 県 後継者あり 後継者なし 2017年 総計 2016年 富山県 1,294 1,690 56.6% 2,984 54.2% 石川県 1,609 1,637 50.4% 3,246 52.6% 福井県 1,158 1,478 56.1% 2,636 55.7% 北陸3県 4,061 4,805 54.2% 8,866 54.0% 全国 111,860 222,257 66.5% 334,117 66.1% 業種別後継者不在率 業種 県 2017年 2016年 業種 県 2017年 2016年 富山県 61.7% 62.6% 富山県 56.8% 51.6% 石川県 55.7% 56.8% 石川県 46.5% 49.7% 福井県 60.2% 58.6% 福井県 55.1% 57.2% 北陸3県 59.1% 59.2% 北陸3県 52.6% 52.7% 全国 71.2% 70.9% 全国 64.0% 64.2% 富山県 50.9% 46.1% 富山県 60.6% 56.9% 石川県 42.6% 45.8% 石川県 50.6% 53.6% 福井県 47.8% 49.1% 福井県 60.4% 60.1% 北陸3県 47.0% 46.9% 北陸3県 56.3% 56.4% 全国 59.0% 58.7% 全国 71.8% 71.3% 富山県 54.1% 53.5% 富山県 54.5% 51.0% 石川県 54.9% 55.7% 石川県 62.7% 60.8% 福井県 54.8% 55.5% 福井県 55.3% 53.7% 北陸3県 54.6% 54.9% 北陸3県 57.8% 55.3% 全国 64.9% 64.9% 全国 69.0% 68.9% 富山県 60.6% 58.5% 富山県 54.8% 57.6% 石川県 51.0% 54.2% 石川県 45.5% 34.5% 福井県 60.9% 58.8% 福井県 58.3% 51.4% 北陸3県 57.1% 56.9% 北陸3県 52.9% 48.5% 全国 67.4% 66.7% 全国 55.4% 54.4% 建設業 製造業 卸売業 小売業 その他 不動産業 サービス業 運輸・通信業

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3.社長年齢別

社長の年齢別に見ると、全国に比較すれば、後継者不在率は「80 歳以上」で 22.0%(全国 34.2%) と低くなったほか、すべての年代で全国を下回った。65 歳を前にして後継者を選定する必要があ ると考えれば、「60 歳代」が 39.1%(全国 53.1%)と比較的後継者の選定は進んでいるとみられ る。ただ、60 歳以上の 3 社に 1 社は後継者不在であり、決して低い水準とはいえない。

4.売上規模別

売上規模別での北陸 3 県の後継者不在率は、「1 億円未満」が 66.7%と最も高い数値であり、前 回調査比でも 1.3 ポイント上昇した。「1 億円未満」は各県、全国ともに不在率が最も高くなって おり、零細企業での後継者が決まらない状況を現している。特に富山県の 70.3%は北陸 3 県で唯 一 70%を超えており、全国の 78.0%同様に後継者問題が顕著であることを示している。「1 億円~ 10 億円未満」の中小企業についても、不在率は 55.6%と高く、全体の不在率 54.2%を上回ってお り承継準備が十分進められていない実態がみられる。10 億円以上の企業の不在率は各県 50%を下 回っており、100 億円以上では後継者不在率は低下、企業規模が大きな企業では後継者選定が進ん でいることがうかがわれる。 社長年齢別後継者不在率 2017年 2016年 2017年 2016年 2017年 2016年 2017年 2016年 2017年 2016年 30歳未満 100.0% 100.0% 80.0% 100.0% 100.0% 100.0% 88.9% 100.0% 92.1% 94.5% 30歳代 89.4% 83.5% 87.8% 90.4% 88.0% 88.2% 88.4% 87.3% 92.4% 91.3% 40歳代 88.2% 85.3% 79.3% 80.4% 82.1% 81.1% 82.9% 82.1% 88.1% 88.0% 50歳代 70.3% 69.5% 59.0% 63.7% 65.5% 65.1% 64.5% 65.9% 74.8% 75.7% 60歳代 41.7% 40.6% 35.4% 37.9% 40.5% 42.4% 39.1% 40.2% 53.1% 54.3% 70歳代 29.7% 30.3% 22.4% 24.4% 31.8% 34.3% 27.6% 29.4% 42.3% 43.3% 80歳代以上 20.0% 21.0% 4.9% 15.1% 40.6% 40.3% 22.0% 25.5% 34.2% 34.7% 社長年齢が判明した8397社(北陸3県)、30万860社(全国)が対象 全国 社長年齢別 富山県 石川県 福井県 北陸3県 売上規模別後継者不在率 2017年 2016年 2017年 2016年 2017年 2016年 2017年 2016年 2017年 2016年 1億円未満 70.3% 63.6% 61.4% 61.6% 68.4% 71.4% 66.7% 65.4% 78.0% 78.2% 1~10億円未満 57.9% 56.5% 52.4% 55.4% 57.0% 56.0% 55.6% 55.9% 68.6% 68.5% 10~100億円未満 44.9% 45.2% 39.3% 43.2% 45.8% 47.5% 43.1% 45.1% 57.2% 57.5% 100~1000億円未満 40.0% 35.4% 31.0% 33.3% 29.1% 28.1% 33.9% 32.7% 39.7% 41.1% 1000億円以上 37.5% 55.6% 27.3% 20.0% 0.0% 25.0% 25.0% 33.3% 24.3% 25.0% 売上規模 富山県 石川県 福井県 北陸3県 全国

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5.後継者の属性

「後継者あり」の企業(北陸 4061 社、全国 11 万 1860 社)について後継者の属性を分析すると、 「子供」が構成比 44.6%(全国 40.5%)で最多となった。「子供」の比率が北陸で前回調査比 3.2 ポイント、全国で同比 1.9 ポイントと大幅に上昇、特に北陸の上昇率が高く、高齢社長の承継意 識の高まりもうかがえられる。一方、「非同族」は北陸で 26.6%(全国 31.4%)と前回調査を下 回り、特に石川県と福井県が減少した。全国的にいえば後継者候補の 3 人に 1 人は同族外の人物 が選ばれているという結果であったが、北陸ではまだ同族への承継意識が高い傾向にあることが わかった。

まとめ

今回の調査では、平均的な引退年齢といわれる 60 歳代後半から 70 歳代が代表を務める北陸 3 県の企業では、県別で多少の変動はあるが、前回調査比で後継者不在率の低下が見られた。事業 承継税制の改正や経営者保証のガイドライン、各地域での相談窓口の拡充など政策効果の表れか 高齢社長の後継者問題に対する意識は変わってきていると見られる。 一方で、全国的には後継者候補は「子供」が 4 割、「非同族」が 3 割とここ数年で非同族への承 継が浸透しているが、北陸 3 県では依然として承継者候補が「子供」である比率が高く、非同族 への承継は進んでいない状況がみられる。 業種別では、仕事の内容がきつく、同業者間の競合が激しい「建設業」の後継者難が最も高い比 率を示しており、得意先や技術力が安定している傾向がある「製造業」との差は縮まっていない。 規模別では「1 億円未満」の後継者難が顕著となっており、規模が小さい企業は、その存続性を 含めて承継するメリットが小さいと考えられていることがうかがわれる。 後継者難はもとより、金融円滑化法終了以降の抜本的な経営再建が進まず、会社を存続させる ことそのものへの意義付けを失って、倒産・廃業するケースも少なくない。経営の窮状を知って 後継者が会社を継ぎたがらないという事例も多いとみられるが、抜本的な業態転換を行うベンチ ャー型事業承継など、承継のタイミングは大きな躍進の可能性を秘めているという側面もある。 経営者の意識が変わり始めているこのタイミングこそ、政策面、金融面でのフォロー充実が必要 だろう。 2017年 2016年 2017年 2016年 2017年 2016年 2017年 2016年 2017年 2016年 配偶者 10.0% 11.0% 10.8% 16.5% 5.3% 6.9% 9.0% 11.9% 7.5% 8.9% 子供 45.3% 44.3% 44.6% 38.6% 44.0% 41.7% 44.6% 41.4% 40.5% 38.6% 親族 17.4% 17.7% 18.0% 16.9% 25.1% 24.4% 19.8% 19.3% 20.6% 20.0% 非同族 27.3% 27.0% 26.7% 28.0% 25.6% 27.0% 26.6% 27.4% 31.4% 32.4% 総計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 後継者の属 ( 後継者ありの企業) 富山県 石川県 福井県 北陸3県 全国

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内容に関する問い合わせ先 】 (株)帝国データバンク 金沢支店 寺口 明良 TEL 076-263-4321 FAX 076-263-9388 当レポートの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。 当レポートはプレスリリース用資料として作成しております。報道目的以外の利用につきましては、著作権法の範囲内で ご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。

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