九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
C型肝炎ウイルスの疫学的・臨床的研究
林, 純
九州大学病院総合診療科 | 九州大学大学院感染環境医学分野
古庄, 憲浩
九州大学大学院感染環境医学分野 | 九州大学病院総合診療科
Hayashi, Jun
Furusho, Norihiro
https://doi.org/10.15017/17854
出版情報:福岡醫學雜誌. 101 (3), pp.46-52, 2010-03-25. 福岡医学会
バージョン:published
権利関係:
C 型肝炎ウイルスの疫学的・臨床的研究
九州大学大学院 感染環境医学分野 九州大学病院 総合診療科林
純,古 庄 憲 浩
はじめに 1989 年に C 型肝炎ウイルス(Hepatitis C virus:HCV)の塩基配列が明らかになり,1992 年には一般医 療機関でも HCV に対する抗体が測定されるようになった.その結果,わが国は世界的にみても HCV の 感染率が高いことが判明し,さらに非 A 非 B 型肝炎と呼ばれていた肝炎の大部分が HCV 感染によるもの と判明した.九州大学病院において実際に診療していた慢性肝炎の 50%,肝硬変の 70%,肝癌の 80% は HCV 感染によることは驚きであった1).当初,その感染経路の主なものは輸血および血液製剤によるもの ということであったが,輸血歴のない HCV 感染者も多く存在しており,その感染経路の解明は重要な問 題の一つであった. また,肝癌患者の大部分が HCV 感染者であることから,HCV 感染と肝癌発症との関連が強く示唆され, その機序の解明も求められていた.一方,治療については HCV が測定される以前より,非 A 非 B 型慢性 肝炎に対してはインターフェロン(Interferon:IFN)投与有効性が示唆されていた. 以上のことを踏まえて,著者らが行った一般住民および血液透析患者における HCV 感染の実態調査あ るいはその感染対策,および HCV 感染者に対する IFN 療法の成績を中心に述べる. 1.感染経路 HCV の家族内感染については,母児間感染率は約5 % で,夫婦間感染も HCV の遺伝子解析から約3 % と低いことが報告されていた.しかし,性行為による感染については,夫婦間感染は少ないものの感染 機会の多い特殊浴場女性従業者での HCV 抗体陽性率は 6.2% と女性献血者の 1.4% に比較し有意に高率 であり(p < 0.001),その際梅毒罹患者に高率であった2). 本邦における HCV の主な感染経路を知るために,HCV 抗体陽性率が高い福岡県星野村(2049 例中 19.7%)において疫学的検討を行った.その結果,1950-60 年にかけて某医療機関に通院していた住民に HCV 抗体陽性率が高く,さらに,そこでは使用した注射器および針が十分に滅菌消毒されずに,繰り返し 使用されていたことが判明した3).本邦で disposable の注射器および針などが使用され始めたのは 1963 年頃であり,一般の医療機関で使用されるようになったのは 1995 年頃からである. 長崎県壱岐市での調査でも同様の結果がえられ4),本邦における HCV の感染経路は母児間感染および 夫婦間感染よりも,輸血を含む医療行為による感染が主流であったと考えられた. 2.一般住民の最近の HCV の感染状況の推移 上述した福岡県星野村において,1993 年での HCV 抗体陽性率は 50 歳以上では 25% 以上を示していた が,年齢が若いほど低下し,19 歳以下には HCV 抗体陽性者は存在していなかった.すなわち,B 型肝炎 ウイルスの発見を契機に 1970 年頃より,血液由来ウイルに対する衛生観念が発達し,HCV 感染は減少の 一途を辿っていると思われる.さらに,1993 年の調査で HCV 抗体陰性であった 1,351 例について追跡調 Jun HAYASHIand Norihiro FURUSYO:Department of Medicine and Surgery, Internal Medicine, Environmental Medicine and Infections Diseases, Faculty of Medical Sciences, Kyushu University
Department of General Internal Medicine, Kyushu University Hospital Epidemiological and Clinical Study for Hepatitis C Virus Infection
査を 2003 年まで行ったが,新たな HCV 感染者は2例(70 歳および 74 歳女性)のみであった.この 2 例 はいずれも某医療機関で下部消化管内視鏡検査(生検を含む)を受けていた.C 型慢性肝炎患者の大腸ポ リープ摘出術に用いた内視鏡で検査を受けた一組の夫婦が,HCV に感染し急性肝炎を発症した事例が米 国で報告されている.著者らの症例も他に感染機会などがないことから,同様な感染経路の可能性が考え られた5).いずれにしても,日本赤十字社血液センターでのスクリーニング体制の改善,disposable 器材 の普及などから新たな HCV 感染は著明に減少していると思われる. また,著者らが継続調査を行っている長崎県壱岐市では,1996-1999 年における 30 歳以上の HCV 抗体 陽性率は 17.6% で,HCV 抗体陽性者のうち HCVRNA 陽性は 76.7% であった6).すなわち 30 歳以上の HCVRNA 陽性率は 13.5% であったが,2005 年の HCVRNA 陽性率は 2.7% と激減していた7).この減少 の原因として,この地域では九州大学病院総合診療科が 1993 年より行政および医師会と連携して,HCV 感染者の掘り起こしおよび感染者の肝機能検査を中心とした健康管理を行ってきた結果,ほとんどの感染 者が医療機関に受診し管理されているため,今回の検診に参加しなかったことが判明した.研究機関であ る大学病院と地域医療機関および行政が協力した啓蒙活動により,一般住民に HCV 感染の重要性が理解 された結果と考えられた. 3.血液透析患者における HCV 感染 福岡および佐賀県の6施設の血液透析患者 HCV 抗体陽性率は 418 例中 30.4%(20.0-34.9%)と高率で あった.このうち輸血歴のない 113 例の HCV 抗体陽性率は 22.1% と高く,透析期間と比例して陽性率は 上昇していた.すなわち,透析期間が 2 年以内では 12.2%,2-4 年で 16.2%,5-9 年で 28.6%,10 年以上で 57.1% であった8).この6施設のうちの1施設について,HCV 感染撲滅のため感染経路を明確にするこ とを目的とした継続的調査を行った.この透析施設での 1989-1998 年の HCV 感染率は 15.4%(年間感染 率 1.711%)で,あった.この感染率は上述の福岡県星野村の 1993-2003 年,0.26%(年間感染率 0.023%) と比較して有意に高率であった(p < 0.001,リスク比 59.1)5).HCV 感染者の透析後の透析液には HCVRNA が存在していることから9),透析液が流れる管とダイアライザーとの接合部位の洗浄などを 行っていたが,HCV 感染者の新たな発生は依然として続いていた.2000 年に同時に5例の C 型急性肝炎 の発症が認められた.HCV の遺伝子学的解析および聞き取り調査により,HCV 感染者の血液で汚染され た生理食塩水のアンプルを介して感染が広がったことが判明した10).この原因として,この生理食塩水の アンプルがリキャップできるために起こったこと,汚染されたものを運ぶ動線が長く,また,汚染された ものを置くテーブルと,種々の薬剤を準備するテーブルが近接していることが感染のリスクを高めている と考えられた.以上のことを踏まえて,各透析ベッドの下に廃棄ボックスを設置し,薬剤の調整は別の部 屋で行うことを指導した.その結果,現在 2010 年4月まで新たな HCV 感染者は出現しておらず,この透 析施設の院内感染に対する関心とたゆまざる努力の成果と考えられる.また,血液透析の HCV 感染者は 肝機能検査が正常にもかかわらず肝線維化マーカーは高く,血小板数も減少しており,腹部超音波検査か ら肝病変の進行が考えられるが11),HCVRNA 量は低いため12),後述する IFN 療法の効果が期待されるこ とも判明した. 4.肝炎および肝癌発症機序 1)HCV 感染例における肝機能異常 福岡県星野村での HCV 感染 306 例について,年1回行なわれる肝機能検査の 10 年間の成績をまとめて 検討すると,39.5% が肝機能持続正常例,41.5% が間欠異常例,19.0% が持続異常例であった.また,持 続正常例には女性が多く,持続異常例には男性が多かった13). 2)肝炎発症とウイルス側因子 細胞障害性 T リンパ球(CTL)が認識する HCV コア領域に注目し,福岡県星野村における肝機能持続 C 型肝炎ウイルスの疫学的・臨床的研究 47
正常例と持続異常例について,クローニング・シークエンスを行った.前者ではアミノ酸レベルでは変異 がみられず,後者では変異が多くみられた.また,観察中,肝機能が正常から異常になった例では,今ま でなかったコア領域の変異が出現するようになった.すなわち,HCV 感染による肝障害と,HCV のコア 領域でみたウイルスの quasispecies との関連性が示唆された13)14). 3)肝炎発症と宿主側因子 ①免疫:C 型慢性肝炎患者の末梢血のリンパ球では IL-1βおよび TNF-αの産性能が亢進し15),また,T 細胞の活性化を示すとされる可溶性 IL-2 レセプターが血清中で高値を示している16).さらに,HCV 陰性 の患者に比較して,CD4 +細胞では IFN-γ+細胞が有意に増加しており,CTL の前駆細胞とされる CD28 + CD8 + IFN-γ+細胞が増加していることも判明し,HCV 感染例における肝炎に CTL が強くかかわって いることが考えられた17)18). ②生活習慣:福岡県星野村における HCV 感染者について生活習慣因子と HCV genotype,ウイルス量を変 数として多変量解析を行った.HCV 感染者では,重労働2時間以上,男性,飲酒歴が肝機能に影響を及ぼ す因子として抽出されたが,HCV 非感染者では飲酒歴のみしか抽出されなかった19).HCV 感染者にとっ ては過激な運動は推奨できないと思われた. 4)肝癌発症機序 福岡県星野村での HCV 感染 411 例において,12 年間,肝癌発症について経過観察した.肝癌発症は 15.6% であった.肝機能持続正常群 144 例からは,5年目までに0例,12 年目までに 74 歳と 80 歳男性2 例,1.4% であったが,肝機能間欠異常群 137 例からは,5年目に 5.1%,12 年目までに 12.4% で,肝機能 持続異常群 130 例からは,5年目までに 17.7% で,12 年目までに 27.8% であった.肝機能異常群に有意 に多くの肝癌発症がみられたことから,C 型慢性肝炎における肝癌発症には,持続する炎症が重要な役割 を果たしていると考えられた.それ以外の詳細な機序については肝細胞の再生,サイトカインや増殖因子 による増殖ストレスが誘因となること,また様々の癌遺伝子の異常発現や変異産物の蓄積などにより異常 クローンが発生することなどが考えられている.また,肝機能が正常であっても,高齢の HCV 感染者は 肝癌の発症があり,HCV 感染者の診療上注意を要することと考えられた5)14). 5.HCV 感染者に対する IFN 療法 1)PEG-IFNα-2b +リバビリン併用療法 わが国では 1992 年に C 型慢性肝炎に対して IFN の投与が保険適応となった.当初,IFNαは 24 週20), βは 6-8 週21)投与の単独投与で,その効果は IFN 投与終了後 24 週でも HCVRNA の持続的に陰性化して いる有効例は約 25% で,genotype 1 型/HCVRNA 高値の例では,さらに低く約5 % であった.また,40 歳過ぎの女性の有効率は低値であった22). このため,新たな IFN 療法として 2001 年より Th2 の産生を抑制することによって Th1/Th2 の比を高 めるリバビリンと IFN の併用療法が行われ23),さらに 2004 年より,週1回の投与の Pegylated(PEG) -IFNα-2b とリバビリン併用の 48 週投与が開始され,現在,この治療法が主流となっている.この成績に ついては九州大学大学院感染環境医学分野と病態修復内科学分野,病態機能内科学分野,病態制御内科分 野,およびそれぞれの関連病院とで組織した九州大学関連肝疾患研究会(Kyushu University Liver Dis-ease Study:KULDS)での成績を述べる24).有効率は genotype 1 型では 939 例中 40.7% と genotype 2 型
の 313 例中 79.6% に比較し有意に低値であったが(ITT 解析),以前の IFN 単独投与に比較すると飛躍的 な上昇であった.有効に寄与する独立因子を多変量解析を用いて検討したところ,genotype 1 型では男性, 低年齢,HCVRNA 量低値,γ-GTP 低値,アルブミン高値,空腹時血糖低値,血小板数高値であった.そ の他の因子としては,ウイルスのコア領域や IFN 感受性決定領域および宿主の IFN-λに関連する IL-28 遺伝子多型などとの関連が報告されている.genotype 2 型では IFN 治療歴が無いことおよび HCVRNA
量低値であった.近年,HCVRNA の測定感度がさらに改善されたことにより,治療開始8週目までに HCVRNA が陰性化した例の殆どは有効例となることが理解されるようになった25). 治療薬の減量について体重規定総投与量からみると,genotype 2 では減量とその効果に有意な差はみら れなかったが,genotype 1 型では PEG-IFNα-2b は 80% 以下,RBV は 60% 以下の量では,有効率の有意 な低下がみられた26). IFN 療法の有効例では肝生検組織像も改善することを既に証明していたが27),多くの症例対して肝線維 化測定機器 FibroScan(Echosens,Paris,France)を用いて,非侵襲的に長期に肝病態の推移を検討した. FibroScan 値は C 型慢性肝炎の肝生検組織像の Stage 分類および Grade 分類と正の相関を示していた28).
FibroScan 値の推移から有効例では長期にわたって組織学的改善が考えられ,無効例では一時期的な改善 はみられたが最終的に悪化していることが示された29). 2)IFN の肝癌発症抑制効果 IFN 投与患者の観察期間平均 5.7 年での肝癌発症は,IFNα投与群では 260 例中 6.5%,β投与群では 91 例中 4.4% で,福岡県星野村 HCV 感染者を年齢補正した肝機能持続異常群における5年の肝癌発症率 17.7% に比較し低い値であった.特に,ウイルスが持続的に陰性化した有効例や,肝機能が正常化した例 に肝癌発症が少なかった30).肝癌細胞株 Huh7 および HepG2 を用いた in vitro の実験では,IL15 を介し
て IFN が癌の発育を抑制していたことから31)32),IFN 療法による HCV の持続的な排除が望めないよう な症例に対しては,肝癌発症抑制効果を期待して,IFN の少量長期投与が推奨されている. 6.HCV 感染とインスリン抵抗性 C 型慢性肝炎患者に対して食事負荷試験(クッキーテスト:糖質 75g,脂肪 28.5g,蛋白質 7g,計 585Kcal)を行い33),HOMA-IR だけでなくインスリン面積,インスリン面積×グルコース面積を指標とし てインスリン抵抗性を検討した.いずれの指標でも非糖尿病 C 型慢性肝炎患者では,コントロール(非糖 尿病高血圧患者)に比較して高値であった34).また,HCVRNA 量は種々のインスリン抵抗性の指標と有 意な関連がみられるだけでなく,高分子量アディポネクチンとは逆相関がみられ,HCV 感染とインスリン 抵抗性との関連が強く示唆された35). さらに,C 型慢性肝炎に対する pegIFNα-2b + ribavirin 併用療法の効果とインスリン抵抗性との関連 を検討した.genotype 1 型での有効率は血清空腹時インスリン高値例あるいは HOMA-IR 高値例に有意 に低かったが(p < 0.0001),genotype 2 型では有意な差はみられなかった.しかし,インスリン面積,イ ンスリン面積×グルコース面積でみると genotype 2 型でもインスリン抵抗性が存在する例では有効率が 有意に低かった. さらに,pegIFN α-2b + ribavirin 併用療法を受けた C 型慢性肝炎患者のインスリン抵抗性を経時的に 観察すると,HCV が完全に排除された有効例では血清空腹時インスリン値の低下あるいは HOMA-IR の 低下がみられ,インスリン抵抗性の改善が認められた33). 7.HCV と成人 T 細胞白血病ウイルス(HTLV-1)との重複感染 福岡県を含む九州は HTLV-1 の高浸淫地区であるが,HCV 感染者に HTLV-1 が重複感染すると,HCV 単独感染に比較して,肝癌の発症頻度が高く,また,若年で発症する傾向がみられることが,著者らの調 査で判明した.すなわち,長崎県壱岐市における継続調査では,10 年間の肝癌発症率は HCV/HTLV-1 重 複感染 159 例中 20.7% で,HCV 単独感染 491 例中 7.9% に比較して有意に高率であった(p < 0.001). これを 45 歳以下の年齢から観察できた例と,55 歳以上の年齢から観察できた例に分けて検討した.前者 では HCV/HTLV-1 重複感染 32 例中 21.9% で,HCV 単独感染 184 例中 4.3% に比較して有意に高率で あったが(p < 0.01),後者では HCV/HTLV-1 重複感染 127 例中 20.5% で,HCV 単独感染 307 例中 10.1% と差はみられなかった.すなわち,HCV/HTLV-1 重複感染例では HCV 単独感染例より肝癌の発 C 型肝炎ウイルスの疫学的・臨床的研究 49
症の危険性高く,特に若年者からの発症があることが判明した5). また,HCV/HTLV-1 重複感染例では IFN 単独療法の有効率が有意に低く6),IFN 単独療法による肝癌 発症抑制効果もみられなかった5).HTLV-1 が HCV に重複感染すると不利な状況に働く機序の詳細は不 明であるが,HTLV-1 感染細胞から未感染細胞に感染する際には,細胞表面の gp46 を介して行われるが, 肝病態が進行しているほど,この gp46 に対する抗体の出現頻度が高く,抗体価も高いことから7), HTLV-1 の外被蛋白の発現が肝病態に何らかの影響を与えているものと考えられる. 現在,PEG-IFN α-2b + ribavirin 療法が行われているが,この治療法では HCV/HTLV-1 重複感染例 に対しても 34 例中 20 例,58.8% と HCV 単独感染 142 例中 80 例,56.3% とほぼ同等であり,当地区では 今後は肝癌発症が減少するものと思われる5). おわりに わが国は HCV の高浸淫国の一つであり,その原因としては医療行為による感染拡大が考えられた.ま た,HCV 感染者のうち肝機能異常者は高率に肝癌発症がみられた.HCV 感染者に対する PEG-IFNα+ ribavirin 併用療法の有効性は genotype 1 型で 40%,2 型で 80% であった.有効例については HCV が完全 に消失するため肝病態の著明な改善および肝癌発症抑制効果がみられた.また,HCV 感染者はインスリ ン抵抗性がみられる例があり,このような例では IFN 療法の有効性が低い.九州地区では成人 T 細胞白 血病ウイルスの高浸淫地区でもあるため,HCV との重複感染例が高頻度にみられる.重複感染例では若 年での肝癌発症があるため,有効性が高まった PEG-IFN-α+ ribavirin 併用療法に期待しているところで ある. 本稿では九州大学大学院感染環境医学分野/九州大学病院総合診療科の方針である予防医学の実践の一 つとして,HCV 感染を取り上げた.すなわち,著者らが取り組んだ HCV 感染の実態調査およびその感染 防止対策とその効果,さらに感染患者対する肝癌発症抑制を目的とした IFN 療法の効果について述べた. 参 考 文 献
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molecular weight of adiponectin levels in Japanese patients with chronic hepatitis C virus infection. Hepatol Res 37 : 1052-1061, 2007. (参考文献のうち,数字がゴシック体で表示されているものについては,著者により重要なものと指定された分です.) 林 純(はやし じゅん) 九州大学教授(大学院 医学研究院 臓器機能医学部門 内科学講座 感染環境医学分野)医学博士 九州大学病院総合診療科 科長 ◆略歴:1949 年福岡市に生まれ,1950 年より山口県下関市に移住.1967 年鹿児島ラ・サール高校卒 業.1975 年に東邦大学医学部卒業し,九州大学医学部第1内科入局する.北九州市立門司病院,福 岡逓信病院をへて,1988 年九州大学病院の総合診療部立ち上げに参加.1989 年に同部助教授,2001 年に九州大学大学院感染環境医学分野および総合診療部(現,総合診療科)教授.2002 年九州大学 病院臨床教育研修センター長,感染制御部部長.2005 年に九州大学病院病院長補佐.2006 年から東 邦大学医学部客員教授(併任),現在に至る. 専門領域:肝炎ウイルス,レトロウイルス,インフルエンザ,持続感染と生活習慣病の疫学的/臨床 的研究,院内感染 所属学会:病院総合診療医学会(理事長),感染症学会(評議員),動脈硬化学会(評議員),性感染 症学会(評議員),内科学会,肝臓学会 ◆研究テーマと抱負:研究マインドを持った,臨床に強い総合診療医の育成を目的として,感染症お よび生活習慣病を中心とし,臨床的に,また,疫学的に研究を進めたい.現在は感染症が生活習慣病 に及ぼす影響を検討し,感染症を治療すると生活習慣病が改善するのではないかと密かに期待して 研究しています. ◆趣味:読書(歴史関連),ゴルフ ◆その他:『ゴルフ四方山話』出版(ペンネーム:二木一白) プロフィール