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Microsoft Word - 【修正後】平成25年度自治体国際協力促進事業報告書(鹿児島県大崎町)

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平成 25 年度自治体国際協力促進事業(モデル事業)

持続可能な廃棄物処理

技術普及事業

鹿児島県・大崎町

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1.目的と経緯 ○目的 バリ州は観光産業を中心に発展し交流人口が増加し,廃棄物の処理及び教 育環境が悪化している。増加傾向にある廃棄物は,街中に溢れ,川や山林等 に不法投棄されたごみは,豪雨時に海岸に漂着ごみとして散乱し,ごみ処理 は観光地バリ島としての大きな課題となっている。廃棄物の減量化を目的に バリ州のモデル地区で生ごみ等の分別排出・収集運搬・処理システムづくり を目指しリサイクル普及指導員の育成など人材育成に重点を置き意識改革に より全域に「混ぜればごみ,分ければ資源」の取り組みの普及と,廃棄物の 持続可能な処理システムの構築のために大崎町モデルの非焼却型廃棄物処理 システムを参考にバリ州に適合した手法を検討し,廃棄物の減量化・資源化 を実践する廃棄物処理システムの技術指導,生ごみ堆肥を活用した有機農業 の指導など廃棄物資源化専門員の育成と住民の意識改革など,ごみ減量化, 資源化に向けた普及活動の支援を図る。 ○経緯 2011 年 9 月に大崎町長以下 10 名がバリ州を訪問し廃棄物処理に関する技術 協力についてバリ州知事他関係職員と協議を行った。そこで,大崎町は小さ な自治体として実践した 80%のゴミリサイクル率日本一の実積と経験をバリ 州に適用できる廃棄物減量化を支援することで合意する。2012 年 3 月には, 鹿児島大学と連携し大崎町において「国際協力フォーラム」を開催し,バリ 州の環境局長が参加されバリ州の環境問題について現状報告がなされ,その 中でバリを持続可能な環境シンボルとするため廃棄物処理に関する技術協力 関係を作ることを提案された。今回,バリ州のゴミ減量化,資源化に向けた 活動を早期に実践するため本事業を実施する。 2.事業内容・成果・課題 ⅰ.現地視察及びニーズの把握 派遣先:インドネシア共和国・バリ州 期 間:5月 11 日~18 日(インドネシアには 12 日~17 日,他は移動日) 派遣員:徳禮勝矢・宮下功大(大崎町役場企画調整課) 宮地光弘(有限会社そおリサイクルセンター) プルナマワティ(特定非営利活動法人ものネットクラブ) 目 的:ごみリサイクル率6年連続日本一の大崎町の経験を活かし,バ リ州の状況を踏まえて,そのニーズと整合性を慎重に担保しつ つ,バリ州に適合した新たな仕組みづくりを支援するため,大 崎町職員及びゴミ資源化の専門員をバリ州に派遣し現地スタッ フと共に,最新の現地ニーズと現状を確認した上で,具体的な モデル地域を選定するために詳細な現地調査と行政側と普及活 動の対策を協議する。

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○バリ州環境局長表敬訪問及び協議,視察事前打ち合わせ 【バリ州の現状】(局長・次長・秘書・職員・農業局次長)が出席 ・ バリ州 1 市8町のゴミ処理政策はバリ州当局が直接関与し,特にデンパサー ル市のゴミ処分量は年々増加し埋立て処分場は厳しい現状にある。増え続け るゴミ対策を早急に講じる必要があると説明を受ける。 ・ 2015 年オーガニックバリ推進を目標に,ごみの減量化・資源化と,有機農業 への転換を政策の重点事項に考えている。 ・ バ リ州の 主 要 農 産物 で ある水 稲 の 作付 け は昔から 稲穂の 収穫 後に 藁を野 焼 きする焼畑農業が現在まで行われています。一方,近年では化学肥料,農薬 が普及し米づくりが「食の安心・安全」の方向から生産量重視に変化してお り観光都市として有機農業の推進を考えている。 ・ 持 続可能 な 循環 型 農 業 を目指 し 環境に 配 慮 し たモデ ル地域 の 設置 をバリ 州 当局が全額補助して施設整備などを行っている。 ・ モデル地域では,有機農業の普及を目的に繁殖用の子牛 20 頭を補助し,牛 の糞尿を堆肥等に活用する計画である。 ・ バリ州が進める循環型有機農業のモデル地域をシマントリ(農業特区)と呼 び,現在 400 組織を立ち上げた。2015 年ま でに 1,000 組織まで立ち上げることが目標。 ・ シマントリ(農業特区)について ⅰ臭いの問題→未完熟堆肥の使用による ⅱ牛を飼っているが餌が少ない ⅲ糞尿を有効活用が課題 ⅳ堆肥は1㎏ 500Rp(約5円)で販売 ・日本訪問時に視察したいもの ⅰリサイクルセンター(分別収集・処分場) ⅱ家庭用浄化槽の仕組み(下水処理) ⅲ堆肥化(牛糞・生ゴミ等) ⅳ和牛飼育農場(藁などによる飼育状況) ○農業特区シマントリ(グループ 245)視察 シマントリ 245 を視察した。現場では農業局の担当者とシマントリのリーダ ーが主に対応をしてくれた。ここでは 20 名のメンバーが牛の世話や水田の管理 等を協力して行うが,益金は均等に配分されるわけではなく,あくまで個人の 所有面積割により配分される。また,田は2期作で,8月と2月に田植え,12 月と7月に収穫を行う。空いた期間は野菜などを育てている。併せて牛飼育(堆 肥のため)の他なまずの養殖も行っていた。水稲作にはこれまで化学肥料を使 っていたが,政策の中で有機農業への転換を推進するということを掲げておリ, 牛の糞尿からメタンガスを取り,残った液肥や固形物を堆肥として散布してい た。メタンガスについては牛舎やリーダー宅のガスランプの燃料に活用すると 説明を受けるが現状では有効に稼動していない。堆肥化については,未完熟の

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堆肥であり,今後の支援として,完熟堆肥の作り方や現地にあるものを利用し た堆肥作りの指導が必要となる。また,牛の飼育では,餌に雑草を与えている ようであるが,量・質共に不足しており牛は痩せていた。米の収穫後の藁も餌 となることや,より質の良い飼料の作り方も併せて指導し,良質な堆肥を作る ことができるように支援していく必要性を感じた。バリ州は,持続ある観光都 市を目指し自然環境に配慮した循環型農業の構築とゴミの減量化・資源化を大 崎町の技術支援のもとで同時に推進したい意向であった。 ○バリ州最終処分場(サルバギタ TPA)視察 ごみの最終処分場(埋立地)サルバギタ TPA の視 察へ行った。バリ州には2ヶ所埋立て処分場があり, 上 記 の サ ル バ ギ タ TPA と も う 一 つ は バ リ ン TPA (3.8ha,3町を管轄)があるということであった。 バリ州は1市8町で構成されており,ごみの処理 の 負 担 は 申 請 を し た 市 町 に つ い て の み バ リ 州 が 請 け負うようになっている。サルバギタ TPA とバリン TPA で1市6町のゴミ処理を管轄しているとのことであった。残りの2町は各自 で処理を行なっているという現状である。サルバギタ TPA については一部一般 企業へ委託していたが,委託業者はほとんど管理・分別せずに埋立地に搬入し ており,ごみで溢れ,バリ州の管理地にも搬入している状況であった。埋立可 能残年数は5年と言われているようであるが,環境局の担当者はこのまま分別 しないまま埋め立てれば残り2年ほどしか埋め立てられないのではないかと懸 念していた。ごみの中で目立つものは草木で,バリのグリーン政策で街中に草 木を植える活動をしており,その剪定により搬入量が増えてきたと考えられる。 その他にプラスチックや紙類が目立った。ごみが搬入されている現場では市民 の人達がお金になるプラスチック等のごみを拾い,運び出していた。 このことは本町の有機センターのような中間処理施設を設けるだけでも大部 分のごみが削減できるということになり,埋立地の延命化と雇用の創出,有機 堆肥の製造による有機農業への推進に寄与すると考えられる。 ○リサイクルセンター(デポチャマラ UPS)視察 リサイクルセンターはこの村には2箇所設置さ れており,村の申請により州が設置,管理は業者 に委託しているようであった。このリサイクルセ ンターではごみの分別をしているようであったが 綺麗に分けられておらず,プラスチックなど混ざ っているものが目立った。堆肥を作っていたがや はり分別が上手くいっていないため,良質な堆肥 とは言えない。現状では最終処分場と変わらない という印象である。草木が7割というのは,宗教的に祭りや,毎日2回,家の

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玄関や店の入口等に感謝のため花や葉っぱのお供えを行うため,多量の草木が ごみとなり,リサイクルセンターに集まってくるという背景がある。 ここでは,「集める」というシステムはできているので,「分ける」意識の 向上と草木の有効利用で良質な堆肥作り出すことや資源ごみの取引等「売る」 ことの促進で安定的な収入と雇用を作り出す支援が必要であると感じた。 ⅱ.大崎町の取組視察及び協力可能分野の確認 研修先:鹿児島県大崎町他 期 日:7月6日~13 日(研修期間は8~12 日,他は移動日) 研修員:I NYOMAN SUJAYA (スジャヤ・州環境局長)

IDA BAGUS GEDE AGUNG BADRAKA(バッドラカ・次長) IDA BAGUS WISNUARDHANA(ウイスヌ・州農業局長)

目 的:今回はバリ州行政の3名を本町へ受入れ,バリ州が求めるごみ の資源化システムや有機農業,生ごみの堆肥化・飼料化につい て実際の取り組みを視察する。今後,両者でどのような取り組 みを実施していくべきなのか探り,より具体的に協力体制を築 いていく。 ○そおリサイクルセンター松山有機工場視察 この工場では生ごみの飼料化を行っている。バリ州は世界でも有数の観光 地であり,ホテルや飲食店から出される生ごみの処理についても課題のひと つである。その対策の選択肢のひとつとして家畜用の飼料化が挙げられてい る。現場では処理前,処理後の実物を見たり,飼料化設備の視察を行ったり した。 ○生ごみ収集見学及び大崎有機工場への生ごみ搬入・畑作・堆肥化視察 町内2つの集落のごみステーションにおいて住民の方々の生ごみ収集状況 を視察。収集の時間帯などのシステムを視察した。その後収集車の後につい ていき,搬入先であるそおリサイクルセンター大崎有機工場において研修を 行った。大崎有機工場では生ごみや草木を堆肥化,その堆肥を利用した畑作 等を行っている。先述のとおりバリ州では生ごみが多いことから,飼料化と

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ともに堆肥化も選択肢として考えているようである。また,農業分野におい て,畜産や畑作,米作などを有機農業化するなど,オーガニック政策展開し ていることから,生ごみの搬入から堆肥のできる過程,農場などを視察し, 意見交換を行った。 ○一般ごみ収集,清掃センター視察 町内の2つの集落における一般ごみの収集現場の視察を行った。また,収 集後,清掃センター(埋立最終処分場)へ搬入される現場の視察も行った。 この処分場には資源化できないごみが搬入されて埋め立てられるが,バリ州 の埋立地と違い,臭いがしないということと,量も少ないため,処分場の寿 命が分別前と比べ大幅に延びた。 ○一般ごみ回収及びそおリサイクルセンターへの搬入,中間処理作業視察 町内2つの集落の資源ごみの収集の様子を視察した。その後収集車がリサ イクルセンターへ資源ごみを搬入し,それぞれのごみがどのように中間処理 されて,出荷し,益金となっているのかを視察した。バリ州の最終処分場に ついてはいろいろなものが混ざった状態で処理されており,その中から売れ るものを住民が抜いて利益を出しているという状況があった。 バリ州でもリサイクルセンターのような中間処理施設ができることで,雇 用が生まれ,より効率的に利益を出すシステムが必要である。その手法や売 り先の模索などリサイクルセンターの職員と意見交換を行った。

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ⅲ.総括 今回の専門員派遣では,バリ州が抱えている現状や課題をよりリアルに捉 えることができた。その意味で現地への訪問は大変有意義なものであった。 また同様にバリ州の行政側でもリサイクル率日本一の町の取り組みを肌で感 じることができ,今後の活動がより具体化できるのではないかと考える。今 回の両国での視察や協議では,簡単なことから改善していくだけで,多くの ごみを減らせるということ,少しの工夫で農業の生産性を高めることができ るなど互いに大きな可能性を感じることができた。これを機にバリ州の新し い雇用や産業を産み出し,既存の観光産業や農林漁業をよりよいものにでき るよう,現地のニーズに則した支援のために本町も動いていかなければなら ないと感じた。またそういった活動を通して,大崎町民の国際理解の機会が 増えたり,ビジネスチャンスが広がったりすることで,本町においても新た な産業や雇用の創出に繋がるものにできればと感じた。先ずは,埋立て処分 場の延命化対策が急務であり,搬入量の多くを占める有機系廃棄物の分別収 集と堆肥化への技術支援を展開すべきとお互いに確認できた。 4.今後の事業展開 今年度の事業で得た現状やニーズ,課題などを踏まえて活動していく。具体 的には廃棄物の減量化を目的にモデル地域を設け生ごみ等の分別排出・収集・ 運搬・処理システムづくりを目指し,専門指導員の育成など人材育成に重点を 置き以下の活動を行っていく。 ①廃棄物処理の普及指導員育成 ②行政及び住民の「混ぜればゴミ分ければ資源」への意識改革 ③生ごみ堆肥化に向けた既存施設への技術協力 ④リサイクル堆肥を活用した有機農業の技術協力 ⑤住民及び教育現場等での環境学習 そして,上記の点について実現に向けた活動を平成 26 年度も継続し,2年後 の平成 27 年度に JICA 草の根技術協力事業(地域提案型)に申請し,実践的な 活動を展開していきたい。

参照

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