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これからの市民課窓口の運営について(案)
総務部市民課 市民課の窓口サービスの提供については、「窓口サービス提供のあり方」(平成23年2月策 定)に基づき取り組みを進めております。 市内に順次開設した3出張所がそろい、また、平成28年1月に市役所本庁舎供用開始に伴 い、新たな窓口サービスを導入してから3年が経過しました。今後も市民ニーズを捉え、窓口 サービスを取り巻く社会的変化には柔軟に対応しつつ、市民課窓口を安定して運営することが 必要だと考えます。 「茅ヶ崎市経営改善方針」、「時代に即した行政経営の基本方針 2017(C3 成長加速化方針)」 を視点に持って、働き方の見直しとしてアウトソースの活用を含めた適切な窓口サービスの実 施手法について検討した結果、これからの市民課窓口の運営については、次のとおり進めてい くものとします。 ●業務委託を含めた実施手法の最適化 市民課窓口の業務委託は方向転換も容易な範囲でのスモールスタートとし、業務の効率化 や標準化が期待できるICTを活用し、また業務の繁閑に応じてアイドルタイムの活用も可 能な会計年度任用職員を併用していきます。 ●市民窓口センターのあり方の見直し 茅ヶ崎駅前市民窓口センターについては、本庁舎と開庁日・時間のすみ分けを行うものと し、利用者のニーズを踏まえつつ、開庁日の減、開庁時間の短縮を段階的に進めます。 萩園市民窓口センターについては、一定のニーズはあるものの、その存続を含めてさらに 慎重に検討を進めます。 ●出張所の認知度アップによる利用促進 出張所については、認知度を上げるための広報活動を充実させ、今後も身近な窓口として の利用を促進します。これからの市民課窓口の運営
全員協議会資料その1 平成31年1月25日2
1 これまでの市民課窓口の取組み
●身近な生活圏域での窓口サービス提供・本庁舎の混雑緩和 地域密着型の窓口サービスを提供するため、辻堂駅前出張所、香川駅前出張所、ハマミ ーナ出張所を整備し、本庁舎市民課窓口の混雑を緩和。 ●本庁舎での新たなサービスの提供 中核的なサービスを行う市役所本庁舎では、平成28年1月の供用開始と併せて、連携 型窓口システム、証明発行窓口の一元化、フロアマネージャーによる案内業務等を稼動。 ●サービス提供機会の拡充 市役所の閉庁時でも証明書の発行ができるよう、平成26年からコンビニエンスストア での住民票の写しや印鑑登録証明書の交付サービスを導入。2 市民課窓口を取り巻く社会情勢の変化
●窓口サービスに関連したICT等の活用による負担減 AIやRPAなど、大量のデータを取り扱う市民課業務において活用できるICT技術 を活用し、これまで職員が担っていた業務の自動化の検討や、民間活力のさらなる活用が 先進自治体を中心に進展しています。効果が期待される業務への導入の検討を進めます。 ●国から「市区町村の窓口業務に関する標準委託仕様書」の提示 国においては、住所異動や戸籍事務のような市民課業務について適切な実施手法の一つ として民間委託を提示し、委託可能な範囲や民間委託における労働法令上の留意点等など の標準委託仕様書を平成30年度に整理しました。 ●マイナンバー制度を活用した情報連携による窓口利用機会の減少 マイナンバー制度を活用した情報連携の利用が本格化し、さらに国から戸籍事務へのマ イナンバー制度導入も示されており、市民が自ら窓口で証明書等を請求する機会が、現在 も徐々に減少していますが、今後さらに減少していくことが想定されています。 他の自治体においても利用状況の検証等を行った上で、出先窓口の廃止などの見直しを 行っている例が見られます。本市においても、将来的には、証明交付の窓口を削減する検 討が必要です。3 これからの市民課窓口の運営
(1) 業務委託を含めた実施手法の最適化 本市においては、民間委託について本庁舎の供用開始に併せて検討を進めていました が、他自治体に対して労働局の是正指導があったことなどから、整備すべき課題が多い と判断し、直営としてきた経過があります。 現在、市民課の窓口は、職員(再任用職員も含む)だけでなく、非常勤嘱託職員、臨 時職員、委託、人材派遣とさまざまな手法を活用して運営しており、コストを抑えつつ 役割分担をしながら、窓口サービスを提供しています。 委託の範囲について、すべての市民課業務を分析し、どの業務をどの手法で実施する ことが最適であるのか、委託に係るコストだけでなく、職員の本来担うべき業務の精査 も含めて検討を行い、整理しました。3 また、現在の窓口サービス手法の検証として、利用者を対象に満足度のアンケートを 実施し、主に非常勤嘱託職員を活用している証明書発行の窓口と、主に職員が対応して いる住民異動・戸籍届出の窓口について、双方とも高い評価をいただいています(図1)。 これらの検討の結果、民間委託はスモールスタートとし、現在職員が担っている業 務について、業務の効率化や標準化が期待できるICTを活用しつつ、現在も活用し ている非常勤嘱託職員(平成32年度からは会計年度任用職員へ移行)を継続して活 用していくものとします(表1)。 <図1> 本庁舎市民課の窓口別の満足度 <表1> これからの窓口サービスの実施手法 業務 現状 平成31年度以降 証明書発行受付窓口業務 非常勤嘱託職員 非常勤嘱託職員※ 金券・郵送業務 非常勤嘱託職員 非常勤嘱託職員※ 住基入力業務 委託 委託 戸籍入力業務 非常勤嘱託職員 非常勤嘱託職員※ フロアマネージャー業務 派遣 委託 職員 非常勤嘱託職員※ ICT活用 住民異動受付窓口業務 職員 ※非常勤嘱託職員は、平成32年度から会計年度任用職員に移行します。 (2) 市民窓口センターのあり方の見直し 「窓口サービス提供のあり方」に基づき、市民窓口センターは、段階的に出張所等に 統合するものとし、現在は、茅ヶ崎駅前市民窓口センター及び萩園市民窓口センターの 2箇所を運営しています。
4 ア 茅ヶ崎駅前市民窓口センターの開庁日時の見直し 年末年始を除く、月曜日から日曜日に開庁、平日は8時30分~19時30分ま で、土日祝日は8時30分~17時00分まで開庁しています。本庁舎市民課か ら800mと徒歩圏にあり、本庁舎市民課利用者の認知度は、各施設の中で一番 高く(図2)、取扱件数も多いのですが、近年は微減しています。 茅ヶ崎駅前市民窓口センターの利用理由については、「茅ヶ崎駅から近いため」 「土曜日・日曜日に開庁しているため」という理由が多く(図3)、夜間の利用者 においては「19時30分まで開庁しているため」が多く(図4)、「土曜日・日 曜日の開庁」と「夜間の開庁」のニーズが高いことが分かります。 窓口の分散化やマイナンバー制度の運用が進む中、茅ヶ崎駅前市民窓口センタ ーが本庁舎の開庁日・時間に開設していることによりダブルコストが生じている こと、併せて人的資源の確保が今後困難となることから、本庁舎市民課とすみ分 けし、開庁日及び開庁時間の見直しを図ります(詳細は資料その2のとおり)。 なお、市民窓口センターのもう一つの機能である市税等の収納はすでにコンビ ニエンスストアで可能であり、将来的に、さらにマイナンバー制度の活用が進み、 証明交付の窓口利用者が減少していけば、「窓口サービス提供のあり方」の計画ど おりに本庁舎市民課に統合します。 <図2> 本庁舎市民課利用者の各施設の認知度 <図3> 茅ヶ崎駅前市民窓口センター利用者全体の利用理由 24.1% 27.9% 14.4% 31.2% 54.1% 12.8% 58.8% 55.7% 67.3% 51.8% 32.5% 67.9% 17.2% 16.4% 18.3% 16.9% 13.5% 19.3% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 小出支所 辻堂駅前出張所 香川駅前出張所 ハマミーナ出張所 茅ヶ崎駅前市民窓口センター 萩園市民窓口センター 知っている 知らない 無回答
5 <図4> 茅ヶ崎駅前市民窓口センター夜間(17:00~19:30)利用者の利用理由 イ 萩園市民窓口センターのあり方の見直し 本庁舎市民課利用者の認知度は、各施設の中でもっとも低く(図2)、取扱件数 も少なく、さらに徐々に減少しています。 萩園市民窓口センターの利用理由については、出張所と同様に「この施設の方が 自宅から近いため」という理由が一番多く(図5)、利用者のお住まいの地域も「萩 園」が全体の58%を占めており、身近な生活圏域でのサービス提供ができている といえます。 その一方、窓口の分散化やマイナンバー制度の運用が進む中、萩園市民窓口セン ターの利用者数はさらに減少していくことが想定されます。 検討の結果、萩園市民窓口センターにおいては、一定のニーズはあるものの、 その存続を含めてさらに慎重に検討を進めるものとします。 <図5> 萩園市民窓口センター利用者の利用理由 (3) 出張所の認知度アップによる利用促進 3出張所の開設後、市民課所管業務(戸籍届出、住民異動届、印鑑登録、及び戸籍、 住民票などの証明発行など)に占める本庁舎市民課での取り扱い件数の割合は、年々減 少し、分散化が進んでいることで本庁舎市民課窓口の混雑緩和が図られています(表2)。 また、各出張所においては、各出張所の利用者の5割以上が出張所周辺地域の利用者 であり(図6)、各施設を利用した理由についても、「市役所よりこの施設の方が自宅か ら近いため」の回答が最も多く、どの出張所においても7割を超えている(表3)こと から、身近な生活圏域でのサービス提供ができているといえます。 その一方で、本庁舎市民課利用者の各施設の認知度(「施設を知っている」と回答し た割合)は、3出張所で一番高いハマミーナ出張所でも約3割となっております(図2)。
6 出張所の認知度を高めるための広報活動を充実させ、地域における高齢者等の移動 困難者の方に出張所をさらに利用をしていただけるよう努めます。 <表2> 本庁舎市民課が占める市民課所管業務の割合 年度 25 年度 出張所開設前 27 年度 28 年度 29 年度 割合 61.9% 55.4% 54.9% 54.2% <図6> 各出張所利用者のお住まいの地域 <表3> 各出張所利用者の利用理由のうち 「市役所よりこの施設の方が自宅から近いため」の割合 施設 辻堂駅前出張所 香川駅前出張所 ハマミーナ出張所 割合 73.9% 70.6% 77.8%
4 今後のスケジュール
詳細は資料その3のとおり 平成 30 年 12 月~31 年 1 月 政策調整会議・政策会議 平成 31 年 1 月 全員協議会 5 月 例規等審査会 (茅ヶ崎駅前市民窓口センター関連規則・規程) 6 月~ 市民への周知 平成 32 年 1 月 フロアマネージャー業務の委託開始 茅ヶ崎駅前市民窓口センターの開庁日時の見直し実施茅ヶ崎駅前市民窓口センター 開庁日時見直しイメージ(案) 現行 開庁時間 (h) 11.0 11.0 11.0 11.0 11.0 8.5 8.5 勤務形態 平日 土日祝日 市民課 配置人数再任用短時間職員 4人 非常勤嘱託職員 3人 本庁舎市民課職員 0.5人工 変更案 (平成32年1月~) 開庁時間 (h) 8.5 0.0 0.0 0.0 8.5 8.5 8.5 勤務形態 平日 休日 市民課 配置人数再任用短時間職員 3人 非常勤嘱託職員 2人 現行と変更案の差 ※併設する市民ギャラリー(文化生涯学習課所管)の開館時間は9:00~21:30(受付時間:8:30~19:30) 市民課職員とギャラリー職員双方に兼務を発令している。 ※併設する市民ギャラリー(文化生涯学習課所管)の開館時間は9:00~21:30(受付時間:8:30~19:30) 市民課職員とギャラリー職員双方に兼務を発令している。 年間の開庁日 変更後 34時間 一週間の開庁時間 72時間 一週間の開庁時間 34時間 年間の開庁日 359日 月 火 水 木 金 土 日 祝日 木 金 土 日 祝日 水 8:30 17:00 19:30 月 火 11:00 207日 現行と変更後の差 △38時間 一週間の開庁時間 年間の開庁日 現行 72時間 359日 △152日 8:30 17:00 19:30 11:00 207日 配置人数 再任用短時間職員4人 非常勤嘱託職員3人 本庁市民課職員0.5人工 再任用短時間職員3人 非常勤嘱託職員2人 △再任用短時間職員1人 △非常勤嘱託職員1人 △本庁市民課職員0.5人工 休 館 日 休 館 日 休 館 日 開庁 8:30 11:00 17:00 17:15 閉庁 19:30 19:45 ( 正 規 ) 市 民 課 ( 非 ) 市 民 課 ( 正 規 ) 市 民 課 ※ ( 非 ) ギ ャ ラ リ ー 開庁8:30 11:00 閉庁17:00 17:15 19:30 19:45 ( 正 規 ) 市 民 課 ( 正 規 ) 市 民 課 ( 非 ) 市 民 課 ( 非 ) ギ ャ ラ リ ー ※ 8:30 開庁 11:00 17:00 17:15 閉庁 19:30 19:45 ( 正 規 ) 市 民 課 ( 正 規 ) 市 民 課 ( 非 ) 市 民 課 ※ ( 非 ) ギ ャ ラ リ ー 開庁8:30 11:00 閉庁17:00 17:15 19:30 19:45 ( 正 規 ) 市 民 課 ( 正 規 ) 市 民 課 ( 非 ) 市 民 課 ( 非 ) ギ ャ ラ リ ー ※
全員協議会資料その2
平成31年1月25日
市民課窓口運営 スケジュール(案) 平成30年度(2018年度) 平成31年度(2019年度) 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 共 通 窓口 アンケート 業者 決定手続 庁内 議会 運営 規則改正 庁内 議会 市民 業務 窓 口 業 務 委 託 茅 ヶ 崎 駅 前 市 民 窓 口 セ ン タ ー の 開 庁 日 ・ 開 庁 時 間 の 見 直 し ●仕様書確定(4/20頃) 指名競争入札実施準備 実施手法の検討 実施 結果分析 ●指名通知発送(6/1頃) 質疑対応 ●入札日(7/1頃)業者決定 契約準備期間 ●契約(10/1) 稼動前準備 ●稼動開始(1月~) ●全員協議会(協議) ●議会(当初予算) ●理事者協議 結果分析 ●理事者協議 ●政策調整会議(審議)(12/25) ●政策会議(審議)(1/7) 周知(例規等審査会終了後から) 新体制で窓口運営開始 ●政策調整会議(審議)(12/25) ●政策会議(審議)(1/7) 現体制で窓口運営 ●例規等審査会 ●施行 関係課打ち合わせ 関係課打ち合わせ ●庁議または部長会議(報告) ●全員協議会(協議)(1/25) ●全員協議会(開庁日時の決定)
全員協議会資料その3
平成31年1月25日
市民課窓口委託に関連した経過及び予定
(経過) 平成24年 市民課において窓口委託について調査・研究 ~(継続して検討) 平成26年 5月~ 市民窓口センターの出張所との統廃合(市民窓口センター5箇所→2箇所) 平成26年 7月 政策調整会議・政策会議(窓口業務委託) 全員協議会(窓口業務委託) 将来に渡って持続性のある最適な窓口サービスの提供体制を創設する ため、証明書発行受付窓口業務、金券・郵送業務、住民異動受付窓口業務、 住民異動届・戸籍届書入力業務、フロアマネージャー業務などを外部委託 する方針を決定。 平成26年7月~9月 東京労働局からの足立区への窓口委託の是正指導を踏まえた再検討 受託者が、受託した業務の完了までの間に、あらかじめ判断基準書等に 定められていない事項について、発注自治体に対して疑義照会することが、 「事実上の指揮命令」となっていることが指摘された。 平成26年10~11月 政策調整会議・政策会議(窓口業務の外部委託計画の見直し) 全員協議会(窓口業務の外部委託計画の見直し) 国から民間事業者が取り扱うことの出来る業務範囲、労働法令上の留意 点の見直しが提示されるまでの間は、当面直営で窓口業務は実施する。 国の動きを注視しながら、外部委託のメリットが十分に発揮できると判 断できた時点で、外部委託導入の可能性について改めて検討する。 ~(継続して委託業務の範囲・効果を検討) 平成30年 1月 市民課窓口アンケートの実施(本庁舎市民課) 平成30年 4月 国が「市区町村の窓口業務に関する標準委託仕様書」を公表 平成30年10月 市民課窓口アンケートの実施(本庁舎市民課・出張所・市民窓口センター) 平成30年12月 政策調整会議・政策会議(これからの市民課窓口の運営について) ~平成31年 1月 全員協議会(これからの市民課窓口の運営について) 業務委託を含めた市民課窓口運営の実施手法の最適化について提案。 ・市民課窓口の業務委託は方向転換も容易な範囲(住民異動届入力業務とフ ロアマネージャー業務)のスモールスタート。 ・業務の効率化や標準化が期待できるICTを活用。 ・業務の繁閑に応じアイドルタイムの活用も可能な会計年度任用職員の併用。 (予定) 平成31年10月 フロアマネージャー業務委託の契約締結 市民課窓口アンケートの実施 本庁舎東側出入口の供用開始 平成32年 1月 フロアマネージャー業務の委託開始 全員協議会資料その4 平成31年1月25日※「窓口サービス提供のあり方」(平成23年2月策定)より抜粋
※(仮称)市民センターとは、現在の出張所のことです。
全員協議会資料その5 平成31年1月25日