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リアルタイム・スペクトラム・アナライザの基礎

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Academic year: 2021

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(1)

リアルタイム・スペクトラム・アナライザの基礎

キーサイト・テクノロジー

(2)

Page 2

本セミナーでは、リアルタイム性を

1.信号の取りこぼしが無く、かつ

2.測定結果を瞬時に表示できる

と定義します。

すなわち、

リアルタイム・スペクトラム・アナライザは

周波数が刻一刻と変化し、あるいは発生頻度

の低い信号やノイズを確実に捕捉し、これを

瞬時に表示することができます。

リアルタイム・スペクトラム・アナライザとは

(3)

Page 3

信号の取りこぼしが無く、かつこれを直感的に

表示することにより、干渉波やノイズを発見し

障害対策を迅速に行うことができます

掃引型スペアナ

リアルタイムスペアナ

(RTSA)

(4)

Page 4

W-LANも含めたISM帯全体の把握

Bluetooth信号の

チャンネルホッピング詳細の観察

ホッピングを伴う通信の把握を周波数軸上・

時間軸上で正確に行うことができます。

9,000 ms

90 ms

(5)

Page 5 船舶無線航行用レーダー用 3000 – 3100 MHz* 空港監視レーダー(ASR) 2700 – 2900 MHz* 広帯域移動無線アクセスシステム 2545 – 2655 MHz* 3.8秒に一回の割合でレーダーが回転

電波環境を事前に把握することで、

的確な障害対策を立案できます。

*総務省周波数割当表を参照。

(6)

Page

内容

6

1. フーリエ変換

2. RTSA動作の概要とオーバーラップ

3. 信号捕捉の限界

4. FMT(周波数マスクトリガ)とその応用

5. 製品紹介

6. まとめ

(7)

Page

フーリエ変換

7

デジタルデータの場合

フーリエ変換

時間領域

周波数領域

範囲

タイムレコード長

スパン

分解能 ⊿t(サンプリング周波数の逆数)

⊿f(分解能帯域幅)

時間

タイムレコード長(T)

= サンプル数(N) x ⊿t

周波数

DC fs/2 12 N ・・・・・・・・

スパン

⊿t

⊿f

DFT: 離散フーリエ変換(Discrete Fourie Transform)

DFT: 離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform)

FFT: 高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)

(8)

Page 8

フーリエ変換

(9)

Page • サンプリング • 窓関数処理 • FFT処理 • オーバーラップ処理

RTSA動作の基本

9

処理の流れ:リアルタイム性の確保

入力 信号 RF/MW/mmW フロントエンド*1 デジタルデータ への変換 デジタル 演算処理 表示処理 • アンチエイリアシ ングフィルタ*2 • ADC • 所望の周波数へ同調 • 後段への信号レベル の最適化 • 確率密度表示 • スペクトログラム *1:詳細は参考資料1.をご覧ください *2:詳細は参考資料3.をご覧ください

1. 専用HWを使用し、N点のFFTをN回のクロックで処理。

2. FFTの動作クロックをサンプリングクロック以上にするこ

とによりリアルタイム性を確保

(10)

Page

RTSA動作の基本

10

リアルタイム性の確保と窓関数の影響

サンプリング クロック FFT クロック

時間

時間

・・・ ・・・ タイムレコード 1 タイムレコード 2 タイムレコード 3 演算処理 2 演算処理 3 ・・・

問題点

1.タイムレコードの端の方では窓関数の影響により信号の検知レベルが低下する。

2.タイムレコードより短い時間で変化する信号に対する追従性が劣る。

演算処理 1 スペクトラム 1 スペクトラム 2 スペクトラム 3

(11)

Page

時間

・・・ タイムレコード 1 タイムレコード 2 タイムレコード 3

RTSA動作の基本

オーバーラップによる改善

・・・ 演算処理 1 演算処理 2 タイムレコード 1.5 タイムレコード 2.5 タイムレコード 3.5 演算処理 3 ・・・ 演算処理 1.5 演算処理 2.5 演算処理 3.5 ・・・ スペクトラム 1 スペクトラム 2 スペクトラム 3 スペクトラム 1.5 スペクトラム 2.5 11 オーバー ラップ

(12)

Page

時間

・・・ タイムレコード 1 タイムレコード 2 タイムレコード 3

RTSA動作の基本

オーバーラップによる改善(その2)

・・・ 演算処理 1 タイムレコード 1.5 タイムレコード 2.5 タイムレコード 3.5 演算処理 1.5 ・・・ スペクトラム 1 スペクトラム 2 スペクトラム 3 スペクトラム 1.5 スペクトラム 2.5 演算処理 2 演算処理 2.5 演算処理3 演算処理3.5 12

(13)

Page

RTSA動作の基本

13

RTSAの測定画面例

(14)

Page

RTSA動作の基本

14

取りこぼしの無い表示

Acq Time ピクセル毎に、 信号の有無を 数え出現頻度 を算出します。 Acq Time内の全FFT 結果の束ね方は detector type で決まります。通常、 peakを使用。 束ねる 確率密度表示 Real time Trace Slice 周波数軸を維 持し、レベル をカラーコー ドします。 Slice追加 Slice追加 一秒当たり 292,969の ギャップの無い オーバーラップ した FFT Acq Timeで 設定した時間 ごとに連続的 に処理します。 871 x 225 pixel ・・・・・・

Acq Time Acq Time

・・・・ ・・・・ ・・・・ Acq Timeごとに同じ処理を繰り返す ノーマルトレース スペクトログラム

(15)

Page

信号捕捉の限界:POI

15

Minimum signal duration with 100% probability of intercept (POI) at full amplitude accuracy

FFT長(1タイムレコード)

1.オーバーラップが無い場合:2X FFT長 – 1 FFTポイント長

2.オーバーラップがある場合:2X FFT長 - 1 FFTポイント長 – オーバーラップ長

3.窓長がFFT長より短い場合:FFT長+窓長 - 1 FFTポイント長 –オーバーラップ長

信号の最短長

100%の確率で捕捉できる 振幅確度を損なうことなく

詳細は参考資料7.をご覧ください

(16)

Page

信号捕捉の限界:感度低減を許容した場合

16

1.POIより短い場合

2.POIに比べはるかに短い場合

✓ POIより短い信号も捕捉できるが信号のレ

ベル確度は保証できない。

✓ 信号とタイムレコードは同期していないの

で、レベルの低減量は変動する。

✓ この変動はオーバーラップ量が多いほど緩

和される。

✓ 信号が複数のタイムレコードにまたがる可

能性が低いので窓関数を使う必要がない。

✓ パルス長が数サンプリング分あれば周波数

とパルス幅を概算できる*。

*詳細は参考資料2.をご覧ください

(17)

Page

数ナノ~数十ナノ秒の極めて短い

単発パルスを捕捉することができ

ます。

17

信号捕捉の限界:感度低減を許容した場合

測定例

上: 1.00 GHz, 0 dBm, 100 ns

右: 1.06 GHz, 0 dBm 8 ns

(18)

Page

周波数マスクトリガ(FMT)

18 18

-特定の周波数成分のレベルでトリガ

-上限/下限、ロジックでのトリガ

送信信号の突発的な変動、外部からの瞬間的な妨害波を捉えます。

(19)

Page

RTSAの測定画面

時間波形 スペクトラム

FMTを用いたRTSAとVSAの連動

19 VSAでレコーディングし再生 することにより、RTSAでは 確認不可能な時間波形の遷移 状態や各スペクトラムの発生 タイミングを確認可能。 スロー再生をするとより分か りやすく遷移状態が見えます

(20)

Page UXA 突き抜けたパフォーマンス 超高性能に超広帯域、ミリ波領域でRTSA 機能の活用も可能。110GHzモデルでも 255MHzのRTSAをミリ波領域で可能 PXA 厳しい要求に対応するベンチマークモ デル 圧倒的な感度を持つ高性能機に510MHz の超広帯域RTSA機能を搭載 MXA ワイヤレステクノロジーに最適な一台 リーズナブルな価格に160MHzの広帯域 RTSA機能を搭載

160MHz BW

510MHz BW

FieldFox ハンドヘルドSA/NA バッテリー内蔵現場での障害対策に大 きな威力を発揮。ベンチトップに匹敵 する100% POI 約12us、最小感知 信号長 1usの能力があり、レアな信 号も逃しません。 10MHz BW MXE EMIレシーバー EMI規格試験だけでなく85MHz帯 域の (3.6GHzまで)のRTSAの追加 可能。EMI試験も対策も一台で 85MHz BW

X-シリーズ・シグナル・アナライザに

RTSA機能を追加可能。お手許のスペ

アナがRTSAに。

ハンドヘルド、レシーバーに

もRTSA追加。圧倒的なトラブ

ル対応能力を提供。

510MHz BW

89600 VSA ソフトウェア Windows/X-シリーズ上で動く、業界標準の 多機能で柔軟なベクトル・シグナル・アナライザ・ ソフト。

Keysight RTSAインナップ紹介

20

柔軟かつ多機能なポストプロセスに

より記録した信号を解析。現象のよ

り深い分析・理解をサポート。

(21)

Page

まとめ

• 「取りこぼしが無い」の意味とその限界:窓関数、オー

バーラップ、POI

• 取りこぼしの無い膨大な量のスペクトラムの表示とパラ

メータ:確率密度表示、スペクトログラム、Acq Time

• スペアナで全体像把握、RTSAで信号やノイズを確実に

捕捉、VSAでレコードし詳細に解析。

21

(22)

Page

参考資料

1. スペクトラム解析の基礎, Application Note 150, 5952-0292JAJP:

http://literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5952-0292JAJP.pdf

2. スペクトラム/信号解析 - パルスドRF, Application Note 150-2, 5952-1039JAJP:

http://literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5952-1039JAJP.pdf

3. ベクトル信号解析の基礎, Application Note, 5990-7451JAJP:

http://literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5990-7451JAJP.pdf

4. The Fundamentals of Signal Analysis. Application Note 243, 5952-8898E:

http://literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5952-8898E.pdf

5. 発生頻度の低い信号の広帯域/高ダイナミック・レンジ測定による複雑なシステム/環境の特性 評価, Application Note, 5992-0102JAJP:

http://literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5992-0102JAJP.pdf

6. アジャイル信号とダイナミック信号環境の測定、5991-2119JAJP:

http://literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5991-2119JAJP.pdf

7. Understanding and Applying Probability of Intercept in Real-time Spectrum Analysis :

http://literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5991-4317EN.pdf

(23)

Page

Keysight World Online シリーズ RF関連セミナ

のご紹介

※申込みサイトセットアップ後本日のご参加者様にはメイルにてご連絡させて頂きます 日時 タイトル 講師 9月20日(水) 10:30-11:30 ネットワークアナライザを用いたミリ波領域測定 ~ミリ波部品測定の基礎と応用~ 弊社 アプリケーション・エンジ ニア 桜井 昭寛 10月18日(水) 10:30-11:30 新Wifi規格802.11axの基礎とRF測定 弊社 アプリケーション・エンジニア 栗山 有美 11月15日(水) 10:30-11:30 ネットワークアナライザの基礎 その2 弊社コントラクトトレーナー 島田 寛之 12月20日(水) 10:30-11:30 スペクトラム・アナライザーの基礎その2 弊社コントラクトトレーナー飯銅 隆幸 1月17日(水) 10:30-11:30 5Gの基礎とソリューション 弊社 アプリケーション・エンジニア 森下 幹夫 23

(24)

Page

ご清聴ありがとうございました

参照

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