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中国
中国
中国
中国会社法
会社法
会社法
会社法における
における
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における国家
国家の
国家
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の意義
意義
意義
意義について
について
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について
中国改革開放政策の実施に伴い、法の確立または改正が頻繁に行われている。この現象 は中国が完全に法制社会に進んでいることを示している。法規制の不備ないし遅れであれ ば、経済のさらなる発展および安定な社会秩序の維持のためには支障となることは、政府 から一般国民までには認識されつつである。周知の通り、中国では現行会社法(1993 年) の成立から実施までの期間が僅か十数年であるが、会社法制度が存在したことは、中国に おける市場経済の確立および拡大においては大きな役割を果たしている。他方、会社法の 成立は、国有企業が計画経済を脱出し、市場経済における独立法人として存続することか らくる独特の性格が認められており、いわゆる欧米・日本とは異なる企業体制下にあるこ とも事実である。 本稿は、中国会社法における国家の意義について検討しようとするものである。その場 合の問題関心は主として次のようなものである。第一に、会社法の制定は、中国において 「公有」という概念が存在し、国家が公有財産権の行使者であることを前提になされたも のであることに関係する。他方、同法において、国家は民事法上の権利義務の主体として 位置づけられており、国家はこの局面では会社法上の一つの取引主体にすぎない。この点 で国家は民事法上の主体であると同時に、国民経済の運営における公権の行使者でもある。 しかも、こうした権利主体としての国家が、国民経済の五割ほどを占める規模で、市場に 参入している点に中国の現状があり特色がある。もとより、中国以外の国にあっても、規 制主体としての国家と取引主体としての国家という関係は認められるのであるが、中国に あっては、国家はそもそも「所有」一般の基礎をなすと共に、会社の出資者・株主として の立場を有し、かつ取引主体としても機能する、という三重の関係が認められるところに 大きな特徴がある。例えば、各級の人民政府の国有資産管理機構が出資者であるとの会社 法の規定(65 条)。国有独資会社に関する特別な規定(会社法 65 条~71 条)。企業が有する国 有財産の所有権は国家に属するが、会社は法人財産権を有するとの規定(会社法 4 条)などか これに関する規定である。要するに国家は会社法上特別の地位を有している。 第二に、中国は巨大な市場であると言われているように、特に近年国内において会社が 相次いで設立されると同時に、海外の投資家・企業の中国への参入も盛んである。会社法 はあらゆる企業に対して適用される以上、民事法上の取引主体としての地位は対等である ことの要請が働くため、国家が出資する会社は独特の形態のものとして位置づけられるべ きではないかという問題があり、これは時代の要請とも言える喫緊の課題である。 第三に、これに関連して、国有資産の性格を維持するために、国家が各企業において支 配株主として存在しなければならないという国家の方針が会社法の論理との関係でどのよ うに説明されて行くべきかという大きな問題が存在する。このことは、会社内部における 他の株主、その他の利害関係人との利害調整の視点がどこまで貫かれるべきかという問題 でもある。2 第四に、経済のグローバル化の中で、中国は世界市場の重要な一部をなしている以上、 中国国民経済において主導的な地位を占めている国有財産の運用の問題は、一中国だけで はなく、世界経済の発展・安定にも大きく関係している。そのため、会社法における国家 の問題は、時間と共に他国による評価に曝されていくことになることは容易に予想される。 ところで、以上のような問題は、これを中国の企業体制の特色として認めるのか、市場 経済が未発展な段階での性格として理解するかは、今後の中国の企業体制・資本市場体制 を考えるうえでの重要な視点となろうが、いずれにせよ真剣な議論の対象となりうる問題 であることは確かであろう。 従来より、こうした問題に正面から取り組んだ研究は非常に乏しいが、それはこの問題 の大きさを物語るものであるとも考えられる。なぜなら、この問題は、中国という国家の あり方根幹に関わり、中国の社会主義的市場経済の本質に関わる問題となるためであろう。 ここでは、市場を規制するのは国家であるが、国家も市場の利用者にすぎないというどの 国も直面してきた根源的な問題があり、この両者の調和点をどこに求めるかが問われるこ とになる。欧米や日本のように、国家の市場利用者としての性格を重視して、規制主体を国 家から独立性の高い特別行政委員会(アメリカの SEC、CFTC、FRB 等々)に委ねるという 方向性は、中国には妥当しないように思われる。しかしそうだとしたら中国は独自の解決 策を示さなければならないのかもしれない。ここでは、過剰な国家と過剰な市場が何をも たらし、過小な国家と過小な市場が何をもたらすのかを真剣に問うことが求められている。 本論文は国出資者・株主が市場経済における役割に対して積極的に評価した上で、私法 上の主体として法による特別な扱いは、いわゆる私法上における平等かつ公正という視点 から、中国会社法における国の出資および国家株主にかかわる規定を中心に、会社法以外 の、たとえば物権法、民法、企業国有資産法、憲法など諸法の規定をも踏まえて、さらに、 日本法、英米法、ドイツ法など諸外国会社法を言及しつつ、中国会社法の改正と改善への 示唆を得ようとするものである。筆者には荷の重い研究課題であるが、ここでは第一に国 有独資会社における会社財産権とガバナンスの問題を、第二に、支配株主としての国家の 問題を、第三に国家株主の義務と責任の問題を、そして第四に、企業法制と人民ないし市 民、あるいは人間の問題を取り上げることとしたい。 第一編は、中国における国有独資会社制度と法人財産権に対する考察を行う。 本編の課題は、上記の問題意識に即して、国有独資会社制度について分析・研究すると ころにある。国有独資会社制度は、1993 年の会社法の成立による中国企業の法人化・民営 化への過程で生じたものである。 国有独資会社とは、会社法において、大・中規模の国有企業が体制改革・組織変更によ り法人企業へ移行する際に利用できるように創設された会社組織形態の一つであり、有限 会社の特殊形態として位置付けられているものである。このような会社形態が創設された のは、国有企業の民営化・法人化による市場原理の導入後も、中国政府が一部の国民生活
3 にかかわる企業の支配権を従前どおり維持したいとの政策判断によるものである。すなわ ち、規制緩和路線を推し進めつつも、安定な社会・経済秩序の維持を主たる目的としなが ら、社会公益を重視し、国民経済の正常な運営を確保するために、民間にはできない事業、 国民生活に必要な業務を遂行すること、そこに国有独資会社制度が設けられた理由がある。 中国で設立された会社の中の多くは国有企業から組織変更して有限会社化されて出来た 国有独資会社である。これら新しく設立された会社の資産には国有資産が多くの割合を占 めており、国が支配株主として存在している。このような国有独資会社においては、国有 資産の流失防止、支配株主である国の利益保護などが、会社法上の中心的課題となる。し かし、国有独資会社制度を利用してきた中国企業には、国有企業であった際の組織体制・ 内部構造・管理方式の影響が色濃く残っており、その結果、杜撰な会社経営による国有財 産の流失が問題となった。その原因の一つとしては、やはり会社法の立法時点において、 国有企業が抱える問題点への対処という視点が不十分であったからであると考えられる。 そこで本稿においては、国有独資会社制度に関する問題点の分析を通じて、これらの問題 に如何に取り組むべきかについて論じたい。 論述の順序としては、第一章で、国有独資会社制度が設けられた背景および国有独資会 社制度の特徴をより詳細に紹介する。第二章では、国有独資会社制度が抱える問題点を指 摘する。その際に、日本法の議論をふまえ、第三章では、中国会社立法の改善点並びに立 法体系の整理について提言する。 第二編においては、国株主およびその出資財産の性質を中心にして、中国における法人 財産の帰属に関する考察を行う。
本編の課題は、中国における法人財産権の帰属について考察を加えることである。中国 会社法においては、一般出資者・法人出資者から会社に出資された財産は法人に帰属する と規定されているが、国株主が出資した財産に対する所有権の帰属については依然として曖 昧である。その結果、国株主の出資財産の所有権の帰属につき法解釈上において争いが存 在するのみならず、実務上においても「産権(財産権利)」(企業財産に対する所有権と経 営権など諸権利)を巡って多くの紛糾が生じている。そこで国株主が出資した財産の帰属 は如何にあるべきか検討する必要がある。前編において国株主の出資財産の帰属について 会社法の範囲内で検討を行ったのであるが、本編ではさらに中国物権法(2007 年)の規定 を踏まえ考察を行う。 具体的には、本編の構成は次の通りである。第一章においては、中国における国家所有 権および法人財産権の概念および二者の関係を規定するとともに、公有制下における国家 の地位およびその市場経済における役割、さらには企業における国出資者と法人の関係に ついて分析する。また、新たに成立した企業国有資産法(2009 年)の規定も紹介する。第 二章においては、物権法の所有権の概念と性質を踏まえて国家所有権の性質について分析 する。そして、国は民事上における国家所有権の行使者としての役割と、公法上における
4 国家主権行使者であることとを明らかにする上で、二者の役割は分離されるべきであると 主張する。第三章においては、国家所有権の行使者および市場経済における民事主体とし ての国株主の性質と現状について論じる。この際、国が市場経済に参入する意義を積極的 に評価する一方、政府機関が経済活動に対し不当に干渉するといった問題点の存在も指摘 する。第四章においては、比較法的観点から、中国における法人財産権の所在および市場 経済における国の役割について検討する。最後に、中国における法人財産権のあるべき解 釈につき提言を行う。 第三編においては、国株主問題を中心に中国における支配株主規制のあり方に関する理 論的考察を行い、国株主の地位、責任等を論じる。 国は、国民経済における主導地位を保持して企業における主導権を必ず確保するという 政策趣旨として、各形態の企業に出資する際に、支配株主になるという前提にたちながら 必要な額を出資している。近年の市場調査結果によれば、支配株主(国株主も含む)が存 在することは会社経営業績にプラスの影響を与えるといわれる。しかし、国出資者は各形 態の会社において絶対な支配権限を有すること、また、強大の公権力をもつ主体者である ことも加えて、市場経済において他の主体よりかなり優越的な地位に立つことにより、他 の取引主体(自然人・法人)および債権者・従業員にとって不利益が生じやすい恐れもあ る。他方、中国では、現時点の会社法において、支配株主に対する規制、また少数派株主 およびグループ企業下の従属企業の株主・債権者に対する必要な保護などの具体的な規定 が欠けているため、株主相互間および会社の利害関係を調節する制度が必要とされている。 支配株主の出現は、株式の自由譲渡および資本多数決原則のもとでは必然的な結果とい えるが、支配株主がその特殊な地位を利用して権利濫用を行う弊害もまた生じている。各 国は、支配株主の権利濫用を抑制するべく各方面からの法規制を講じてきた。中国におい てもまた、一般投資者の市場参加に向けた積極的な意欲を阻害しないため、自国の特殊状 況を勘案しつつ他国の立法経験を参考ないし吸収しながら、実効性がある法規定が設けら れなければならない。その際、国民財産の運営主体を担う国株主が、競争の激しい市場経 済において国有資産を維持する役割を行いつつ、少数派株主に対して如何なる責任・義務 を果たすべきか、という問題意識が重要となる。本編は、このような問題意識のもとで、 国株主が民事上における地位・権限・責任などについて解明し、更に、国株主のあるべき 役割を提示しようとするものである。周知のように、株式会社制度は中国においてわずか 16 年の歴史しかなく、立法経験の不足および実効的な規制の欠如は顕著である。株式会社 制度の運用において長い歴史、豊かな経験をもつ日本および欧米諸国の法規制・法理論は、 中国における法改正を考究する際の貴重な手がかりとなる。それゆえ、本編において、日 本および欧米諸国における「支配株主の責任」に関する学説・法理論・法構成を参考にし、 検討を行う。 具体的には、本編は三章構成となる。第一章では、国株主が形成される背景、および会
5 社法上における関連規定を紹介する。第二章では、支配株主の性質を分析した上で、日本 および他国の学説・法規定をふまえ、支配株主の責任および少数株主の保護に対する検討 を行なう。第三章では、中国における国株主の性質と、受託者でもある国株主の責任・義 務について検討を行う。これらの検討をふまえて、国株主の市場経済における役割を明ら かにする一方、厖大な少数株主1でありかつ事実上の国有財産所有者でもある市民投資家を 保護する市場規制を構築してゆく喫緊の必要性を強調する。 第四編は、成熟市民社会型企業法制の創造についての研究を行い、中国市民社会におけ る市場・企業の在り方を考察する。 「成熟市民社会型企業法制の創造」とは、指導教官である上村達男教授を中心するグロ ーバル COE プログラムが先導する最先端の研究課題であり、その課題の射程には、中国商 法学界において未だ理論されていないものが相当程度含まれている。本編は、中国の実情 を踏まえながら、特に、中国市民社会における市場・企業の在り方を基礎的に探究するも のである。 リーマンブラザーズの破綻に始まった金融危機は、世界規模での実体経済の悪化へ導き、 資本市場でも世界的な不況を及ぼした。市場の安全性に対する投資家の信頼感は大きく揺 らぎ、いまだにその不安が解消されたといえないのが現状である。さらに 2009 年末には、 アメリカの商業金融大手 CIT グループが米連邦破産法第 11 条の適用を申請した。資本市場 において重要な役割を担う金融機関の破綻は、資本市場の破壊に直結する一因となる。こ れらの原因は、新自由主義経済論と金融規制緩和といわれているが、会社法研究の観点か らは、会社経営のあり方および市場規制の実効性が問わなければならない時期になったと いえよう。企業社会のあり方や市場経済の運営の方法は、元来、その国の歴史・文化・習 慣、さらに国民の生存観・価値観という背景のもとで生まれたものである。企業は、社会 においては単なる一組織体であるにもかかわらず、企業の成長・拡大・存続が健全な経済 社会の形成の基礎となり、市民社会の安定と国民の幸福および福祉社会の実現に密接に関 連してきた。それゆえ、企業自体が有能な経営体を構築し、健全な業務を行うことは、市 民の要求なのである。このような市民の要請に応えるために、企業におけるコーポレート・ ガバナンスが決め手として重視されつつある。 企業のコーポレート・ガバナンス制度は、国により多様な形態があり、その地域の文化 に根ざした法的・経済的枠組みを反映するものである。最近、企業社会と市民社会、さら に証券市場と投資家との関係についての議論が盛んである。この議論の前提としては、そ の国における市場経済の仕組みおよび市場参加者のあり方を前提とし、一般市民が市場経 済においていかなる立場にたつのか、さらにいかなる役割を果たすのか、に関する基礎的 な考察が必要であろう。 1「人民日報」(2009 年 10 月 30 日)によると、中国の証券取引所に登録される口座数は 1 億 2 千万を超え、そのうちの 9 割は一般市民投資家である。
6 中国における経済制度を翻ってみれば、同制度は公有制を主体としつつ、多様な非公有 所有制とのバランスをとりながら共同発展を追求する制度である。それゆえ、経済政策・ 法規定・市場規制などの制定は、常に公有制と非公有制の対立・均衡の観点から考察され なければならない。中国における市場経済は、他の諸国のように、単に資本をめぐって取 引を行う場なのではない。それは、公有(いわゆる国有)と私有、国株主と個人(市民) 株主など、性質を異にする参加主体が並存し、公平に取引を行いうる場として設定されて いるのである。 その結果、中国の政府と市場の二者関係はよりよい整序が求められている。中国政府は、 市場に対する監督機能を有しながら、市場の維持・発展を促進する役割も有する。市場に とっては、政府のかかわりが一切ないのも、あるいはそれが過剰となっても好ましくない。 中国の経済市場は未だ成熟しておらず、市場制度の法規制の欠缺も数多く存在するため、 市場で発生した問題をすべて市場自体に任せて解決することは困難であり、政府による一 定の統制が求められている。市場制度の欠陥については、市場自体が解決できることは市 場自体に任せつつ、なお政府による統制による補完が求められているのである。上記のよ うな世界規模の大不況においては、他国と同様により一層、市場回復のための政府による 積極的な政策が不可欠となるであろう。もっとも、このような政府による市場への干渉を 過度に期待してはならない。政府は市場経済を構築し回復させる絶対的な力をもつ一方で、 それは市場経済におけるそれ自体の自主規制の発展を阻害する大きな障壁ともなりうる。 だからこそ、政府が健全な経済市場の発展について適切な役割を担ってゆく理論上の根拠 は、研究者側から提供されてゆかねばならない。 具体的には、本編は、企業経営者と株主、個人投資家と機関投資家、株主による投資の 長期的と短期的および企業とステーク・ホルダーと様々な諸関係から見えてくる二者間の かかわりを取り上げて、市民社会と企業・市場と三者間の適切な関係を詳細に分析する。 そして、比較法的視座から、英米における市民投資家に対する法規制を参考にしつつ中国 の現状を考察し、中国において国投資家(株主)と一般投資家の二者間がよりよいバラン スの市場を構築するための法理論を探究するものである。第一章では、市場における会社 理念の変遷を分析する。第二章では、英国、米国、ドイツの市場におけるコーポレート・ ガバナンスの構築を紹介する。特に、市場における主役の変化、いわゆる、個人投資家か ら機関投資家への変化をふまえばがら機関投資家の「エージェンシー」理論を考察し、経 済市場における機関投資家の義務の射程を論ずる。第三章は、市場における主役の役割分 担および各自の責任に対し検討を行う。第四章では、以上の議論をふまえながら、現代に おける中国における経済市場について、市民社会における市場規制の構築および強化の方 法を模索する。 以上、本論文は、中国会社法における国出資者・国株主の法的地位に関する法理論上の 問題点について、比較法的視座から精緻化するものである。
7 従来の国出資者・国株主に関する理論では、国有財産の運用者としての地位のみが強調 されており、国民財産の受託者としての責任、さらに一般株主の保護の観点からはほとん ど議論がなされてこなかった。本論文は、まず、国出資者・国株主が有効に国民の財産を 運用し、国民経済における重要な柱としての役割を担う一方で、国民財産の受託者として の責任・義務を果たすべきであると主張する。さらに、国有財産の保護を行う国株主の存 在の重要性を認めつつ、同時に、民間企業の発展の促進ならびに一般投資者の保護といっ た公正な市場の確立に欠かせない諸要素を考慮し実現すべきであると主張する。これらの 諸要素の実現のためには、支配株主と少数株主、国株主と個人・法人株主との間の平等な 競争環境の構築が求められている。とりわけ、国株主の支配株主としての支配的地位・行 動を抑制し、投資家・債権者保護を実現することは、憲法上の財産権保護に基づく要請で ある。このように中国会社法における法規定のさらなる整備を促進することは、中国の市 場経済が健全に発展するために極めて有益であろう。 中国に特有の社会制度(公有制)の下において、国出資者・国株主は今後も長期間にわ たって存在していくことが予想される。この問題に正面から取り組んだ先行研究は稀少で あるが、それはこの問題の大きさを物語っている。この問題の背景には、市場を規制する のは国家であるが、国家も実は市場の利用者にすぎないという根源的な問題が内在してい る。中国会社法において、国家による市場規制と市場利用の調和点をどこに求めてゆくの かについては、今後の研究においてさらに探究してゆきたい。 参考文献: 【著作】 上村達男『会社法改革』(岩波書店、2002 年) 上村達男『企業法制の現状と課題』(日本評論社、2009 年) 上村達男=金児昭『株式会社はどこへ行くのか』(日本経済新聞出版社、2007 年) 上村達男=酒巻俊雄『会社法』(青林書院、2003 年) 竹内昭夫=龍田節『企業法総論』(東京大学出版会、1984 年) 竹内昭夫=龍田節『企業組織』(東京大学出版会、1985 年) 中東正文『企業結合・企業統治・企業金融』(信山社、1999 年) 中東正文『企業結合法理の理論』(信山社、2008) 鳥山恭一ほか『会社法』(学陽書房、2006 年) 神田秀樹「『会社法』(弘文堂、第 9 版、2007 年) 神崎克郎『商法Ⅱ(会社法)』(青林書院、第三版、1991 年) 大隈健一郎=今井宏『会社法論(上巻)』(有斐閣、第 3 版、1991) 我妻栄『物権法(民法講義Ⅱ)』(岩波書店、1983 年)
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10 謝次昌『国有資産法』(法律出版社、1997 年) 史際春『国有企業法論』(中国法制出版社、1997 年) 王鳳岭主編『国有資産産権界定問題研究』(経済科学出版社、1991 年) 李含琳『国有資産大流失』(蘭州大学出版社、1994 年) 石少侠『公司法』(吉林人民出版社、1995 年) 劉詩白『社会主義所有制研究』(上海人民出版社、1985 年) 蒋学模『社会主義所有制研究』(浙江人民出版社、1985 年) 王子林『国有資産論』(中国財政経済出版社、1989 年) 江平=趙旭東『法人制度論』(中国政法大学出版社、1994 年) 王金農=徐武生『論国家所有権』(中国政法大学出版社、1987 年) 黄速建『公司論』(中国人民大学出版社、1989 年) 謝次昌『国有資産法』 (法律出版社、1997 年) 石少侠『公司法』196 頁(吉林人民出版社、1995 年) 【論文】 上村達男「株主平等原則の理論的基礎」専修大学法学研究所紀要 11 巻 上村達男「投資家保護概念の再検討―自己責任原則の成立根拠」専修法学論集第 42 巻(1985) 上村達男「原則自由の時代には市場規制ルールが最重要」金融ビジネス 246 号(2006) 上村達男「公開株式会社における取締役の民事責任」判例タイムズ 917 号(1996) 上村達男「株主の経営監督機能」判例タイムズ 872 号 上村達男「公開会社法とは何か」月刊資本市場 274 号 上村達男「証券市場と株式会社法」商事法務 1402 号(1995) 上村達男「株主総会に期待するものは何か」商事法務 1376 号 上村達男「投資一任会社による議決権行使」商事法務 1631 号(2002) 上村達男「取締役・執行役概念の再構成」商事法務 第 1710 号(2004) 上村達男「日本に公開会社法がなぜ必要なのか」『企業法制の現状と課題』第4巻(日本評 論社、2009 年) 上村達男「商法・証券取引法における不法行為」法律時報 78 巻 8 号(2006) 上村達男「会社法学からの問題提起と憲法学からの応答」法律時報 81 巻 5 号(2009) 上村達男「ガバナンス・法・会計の今後のゆくえ」企業会計第 59 巻(2007) 上村達男=中村直人「公開会社法とは何か[第 1 回]」企業会計 61 号(2009) 上村達男=中村直人「公開会社法とは何か[第 2 回]」企業会計 62 巻(2010) 上村達男=中村直人「公開会社法とは何か[第 3 回]」企業会計 62 巻(2)(2010) 上村達男「公開会社法とは何か」月刊資本市場 274 号(2008) 上村達男「原則自由の時代には市場規制ルールが最重要」金融ビジネス 246 号(2006) 上村達男=原丈人「公益資本主義は可能か」『世界』10 号(2009 年) 上村達男「『最大自由』の法制度が金融危機をもたらした」『世界』2009 年 2 号
11 上村達男「商法・会社法からのコメント」『企業システム・企業法制の変化と労働法』日 本労働法学会誌 113 号(2009) 上村達男「市民社会と株式会社・証券市場」企業と法創造「法創造に向けて」1 期(2004) 上村達男「腐食した『自由も最大、規律も最大』」日経ヴェリタス(2009 年 4 月 12 日) 上村達男「株主代表訴訟の今日的意義と課題」法律のひろば 47 号(1994) 上村達男「企業・資本市場法制改革と市民社会」法の科学 34 巻(2004) 上村達男「証券市場・株式市場・市民社会」証券レビュー(日本証券経済研究所)第 44 巻 第 8 号 上村達男「投資家保護概念の再検討―自己責任原則の成立根拠」専修法学論集第 42 巻 上村達男「学者が斬るコーポレートガバナンスの本質に迫る」エコノミスト 81 号(2003) 上村達男「投資家保護概念の再検討―自己責任原則の成立根拠」専修法学論集第 42 巻 上村達男「株主総会復権論・批判」小島康裕教授退官記念『現代企業法の新展開』(信山社 出版、2001) 上村達男「会社法と労働の基礎理論」『会社法・金融法の新展開』川村正幸先生退職記念 論文集(中央経済社、2009 年) 上村達男「会社法制と法分野間のボーダレス」江頭憲治朗=増井良啓『市場と組織』(東京 大学出版会、2005 年) 上村達男「本叢書全八巻の基調報告に代えて」戒能道厚=楜澤能生『企業・市場・市民社 会の基礎法学的考察』 (日本評論社、2008 年) 上村達男「会社法と労働の基礎理論」『会社法・金融法の新展開』川村正幸先生退職記念論 文集 (中央経済社、2009 年) 上村達男「持ち株会社は法的責任隠ぺいのシステムか」 http://www.genron-npo.net/library_corpgov/000334.html 大隈健一郎「会社の親子関係と取締役の責任」商事法務研究 360 号(1965) 奥島孝康「コーポレート・ガバナンス――新しい危険管理の研究」 (金融財政事業研究会早 稲田大学エクステンション・センター、平成 8 年) 江頭憲治朗「企業結合における支配企業の責任」『商法と商業登記』味村最高判事退官記 念論文集(商事法務研究会、1998 年) 神作裕之「ドイツにおける『会社の存立を破壊する侵害』の法理」江頭憲治郎先生還暦記 念『企業法の理論(上巻)』(商事法務、2007 年) 神田秀樹「資本多数決と株主間の利害調整(2)」法学協会雑誌 98 巻 弥永真生「債権者保護」『検証会社法』浜田道代先生還暦記念(信山社、2007 年) 今井克典「経営機関の監督・監査」『検証会社法』浜田道代先生還暦記念(信山社、2007 年) 森淳二朗「『会社支配の効率性』と公正性確保」森淳二朗=上村達男『会社法における主要 論点の評価』 (中央経済社、2007 年) 末永敏和「株主平等の原則」森淳二朗=上村達男『会社法における主要論点の評価』 (中央 経済社、2007 年)
12 笠原武朗「少数株主の締出し」森淳二朗=上村達男『会社法における主要論点の評価』 (中 央経済社、2007 年) 伊藤靖史「子会社の少数株主の保護」森本滋『企業結合の綜合的研究』 (商事法務、2009 年) 野田輝久「親会社監査役の情報収集権限――ドイツ法を中心として――」『市場経済と企業法』 久保深欣哉先生古稀記念論文集(中央経済社、2000 年) 高橋英治「ドイツコンツェルン法の発展と日本法への展望」『社団と証券の法理』加藤勝 郎先生、柿崎栄治先生古稀記念(商事法務研究会、1999 年) 柴田和史「合併法理の再構成(五)」法学協会雑誌大 106 巻第 8 号 平出慶道「企業形態論」『企業』(岩波書店、1983 年) 早川勝「イギリス会社法における少数株主保護の改正」河本一郎ほか編 上柳克郎先生還 暦記念『商事法の解釈と展望』(有斐閣、1984 年) 新山雄三「規制緩和とコーポレート・ガバナンスの行方」森淳二朗=上村達男『会社法に おける主要論点の評価』 (中央経済社、2007 年) 新山雄三「株式会社における『株主平等の原則』の法制度論的意義」『社団と証券の法理』 加藤勝郎先生、柿崎栄治先生古稀記念(商事法務研究会、1999 年) 川浜昇「企業結合と法」『企業と法』 (岩波書店、1998 年) 岡田正則「自由市場と公権力―企業社会において行政法理論が果たす役割」『法理論創造時 代における研究者養成』早稲田大学大学院法学研究科 イニシアティブ 2007 平出慶道「企業形態論」芦部信喜ほか『企業』(岩波書店、1983 年) 川島いづみ「イギリス会社法における少数派株主保護の理論的系譜」『公開会社と閉鎖会社 の法理』酒巻俊雄先生還暦記念(商事法務研究会、1992 年) 神作裕之「ドイツにおける会社法と資本市場法の交錯」『上場会社法制の将来』別冊商事法 務 332 号 吉本健一「ポイズン・ビルと株主平等原則」阪大法学 55 巻 3・4 号 (2006 年) 川内克忠「イギリスにおける機関投資家とコーポレート・ガバナンス」横浜市立大学論業 社会科学系列 47 巻 1 号 鴻常夫「持分の相続と訴訟の承継」『会社判例百選』(第4版) 別府三郎「ドイツにおける『会社法上の誠実義務』の判例」法学論集(鹿児島大学) 山本政一「英国産業国有化問題の理論的展開」『研究論文集』(佐賀大学、第九集、1960 年) 最高裁昭和 45 年 7 月 15 日大法廷判決 民集 24 巻 7 号
Diane K. Denis and John J. McConnell. “International Corporate Governance”, Journal of Financial and Quantitative Analysis, 38(2003),p.1-36
「一つの法経済学の視角」趙旭東主編『会社法評論』(人民法院出版社、総第 2 輯、2005 年) 「2005 年会社法研究綜述」趙旭東主編『会社法評論』185 頁(人民法院出版社、2006 年) 唐学兵「公司法の修訂および株式の権強制執行」趙旭東主編『公司法評論』(人民法院出版 社、2006 年) 朱火+免強「社会転型与中国公司法改革」趙旭東主編『公司法評論』(2005 年総3輯)(人
13 民法院出版社、2006 年) 呉敬璉「中国腐敗的治理」『戦略与管理』2003 年第 2 期 呉敬璉「建立有効的公司治理結構」『天津社会科学』1996 第1期 江平=康徳綰=田建華「国家与国営之間的財産関係応是所有者和占有者的関係」『法学研究』 1980 年 4 期 徐莉萍等「股権集中度和股権制衡及其対公司経営績的影響」『経済研究』2006 年第 1 期 郝大明「国有企業公司制改革効率的実証分析」『経済研究』(2006 年第 7 期) 邵学鋒=張東明「大型国有企業集団公司治理的改革与完善」『経済研究』2008 年第 1 期 尹田「論国家財産的物権法地位」『法学雑誌』総 158 期(2006) 梁慧星「論企業法人与企業法人所有権」『法学研究』1981 年 1 期 郭峰「股份制企業所有権問題的探討」『中国法学』1988 年第 3 期 余能斌=李国慶「中国国有資産流失渠道論探」『中国法学』1994 年 5 期 孫志平「対股份及股份公司財産関係的再認識」『中国法学』1988 年第 3 期 李開国「国営企業財産権性質探討」『法学研究』1982 年 2 期