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ビジネスマナー応対編 ビジネス電話の基本マナー 電話はビジネスの 生命線 電話の利点と欠点 電話応対 4 つの心得 正確に 迅速に 感じ良く 機転を利かせて 電話応対の

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2014 年 12 月

作成:株式会社エイジェック

目次

ビジネスマナー基礎編 ... 2 社会人の心得 ... 2 1.1 はじめに ... 2 1.2 学生と社会人の違い ... 2 1.3 「社会人度」チェック ... 3 1.4 仕事とは ... 3 1.5 信頼関係を築くには ... 4 職場の人間関係 ... 4 2.1 職場のコミュニケーションとは ... 4 2.2 信頼関係を築くには ... 5 2.3 ちょっとした「言動」に要注意! ... 5 2.4 人間関係の基礎となる5つの要素 ... 6 2.5 こんな社員にならないために・その1 ... 6 2.6 こんな社員にならないために・その2 ... 7 2.7 好かれる新人7カ条 ... 7 2.8 1 日も早く「独り立ち」をするために ... 8 視覚・聴覚に訴える第一形成術 ... 8 3.1 表情のパフォーマンス ... 8 言葉遣い・話し方の基本 ... 9 4.1 会話の「キャッチボール」 ... 9 4.2 話の目的とその効果 ... 9 4.3 敬語の正しい使い方・その1... 10 4.4 敬語の正しい使い方・その2... 10 ビジネスで求められる「聞く能力・話す能力」 ... 11 5.1 「聞く能力・話す能力」 ... 11 5.2 「聞く」の5活用 ... 11 5.3 「簡潔」に伝えるには ... 12 5.4 「分かりやすく」伝えるには ... 12 5.5 「印象深く」伝えるには ... 13 職場での実践課題 ... 13 6.1 職場のルール・マナーの重要性... 13 6.2 時間管理は社会人の常識 ... 14 6.3 常にレスポンス良く ... 14 6.4 新人社員の留意点 ... 15 6.5 「報・連・相」はパイプライン... 15 6.6 離席・外出のルール ... 16 6.7 退社時の心得 ... 16 仕事の進め方 ... 17 7.1 ビジネスのプロを目指して ... 17 7.2 タイムマネジメントの重要性 ... 17 7.3 仕事への取り組み方 ... 18 7.4 役立つメモの取り方・その1 ... 18 7.5 役立つメモの取り方・その2 ... 19 社会人の一日 ... 19 8.1 目覚め ... 19 8.2 出勤 ... 20 8.3 まとめ ... 20

2015 年度版 株式会社シオン

ビジネスマナー

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ビジネスマナー応対編 ... 21 ビジネス電 話の基本マナー ... 21 1.1 電話はビジネスの「生命線」 ... 21 1.2 電話の利点と欠点 ... 21 1.3 電話応対 4 つの心得 ... 22 1.4 正確に・迅速に ... 22 1.5 感じ良く・機転を利かせて ... 23 1.6 電話応対の基礎知識・その 1 ... 23 1.7 電話応対の基礎知識・その 2 ... 24 1.8 携帯電話のマナー ... 24 1.9 携帯電話のタブー ... 25 電話の受け方 ... 25 2.1 受け方の基本手順 ... 25 2.2 受け方の着本手順 ... 26 2.3 用件の確認は 5W2H で抜かりなく ... 26 2.4 締めくくりは用件にふさわしく ... 27 電話の取次ぎ方 ... 27 3.1 取次ぎ方の基本手順 ... 27 3.2 取り次げない場合の対応 ... 28 3.3 取次ぎのフォロー ... 28 電話のかけ方 ... 29 4.1 かけ方の基本手順 ... 29 4.2 好感の持てる名乗り・名指しの仕方 ... 29 4.3 締めくくりは用件に相応しく ... 30 4.4 「FAX の確認」 ... 30 取引の流れをつかもう ... 31 5.1 名刺交換のタブー・その 1 ... 31 5.2 名刺交換のタブー・その 2 ... 31 5.3 初対面の人との会話のタブー ... 32 5.4 席次の常識・非常識・その 1 ... 32 5-5 携帯電話のタブー ... 33 来客対応の基本手順とポイント ... 33 6.1 「商談中の質問に答えられない場合は」 ... 33 6.2 「名刺をしまうタイミングは」 ... 34 6.3 まとめ ... 34 ビジネスメール編 ... 35 ビジネスメールの特徴 ... 35 1.1 ビジネスメール ... 35 1.2 電子メールの特徴 ... 35 1.3 特徴1:場所や時間に制約されない ... 36 1.4 特徴2:受信メール内容の編集・加工が可能 ... 36 1.5 特徴3:同じメールを複数の人に送信できる ... 37 1.6 特徴4:記録として残すことができる ... 37 1.7 特徴5:ファイルを送受信できる ... 38 ビジネスメールのタブー ... 38 2.1 ビジネスメールのタブー ... 38 2.2 タブー1:業務中の私用メール ... 39 2.3 タブー2:絵文字の使用 ... 39 2.4 タブー3:社内情報の持ち出し ... 40 2.5 タブー4:メールで送ってはいけない文書 ... 40 2.6 理解度チェック1 ... 41 2.7 理解度チェック2 ... 41 2.8 理解度チェック3 ... 42 ビジネスメールのマナー ... 42 3.1 ビジネスメールにおけるマナー ... 42 3.2 文字化け対策 ... 43 3.3 添付ファイルへの配慮・その1 ... 43 3.4 添付ファイルへの配慮・その2 ... 44 3.5 あて先に気を付ける ... 44 3.6 「To」「Cc」「Bcc」 ... 45 3.7 解説「To」「Cc」「Bcc」 ... 45 3.8 メールのファイリング・その1 ... 46 3.9 メールのファイリング・その2 ... 46 ビジネスメールの基本スキル ... 47 4.1 ビジネスメールの基本スキル... 47 4.2 簡潔に表現するには ... 47 4.3 読みやすいメール ... 48 4.4 件名をつける ... 48 4.5 メールの転送 ... 49 4.6 メールの引用 ... 49 4.7 ビジネスメールの構成 ... 50 社外向けメールの作成要項 ... 50 5.1 社外向けメールの作成 ... 50 5.2 社外向けメールの作成要領 ... 51 5.3 ヘッダ部の作成要領 ... 51 5.4 本文の作成要領(1)「あて名」 ... 52 5.5 本文の作成要領(2)「名乗りとあいさつ」 ... 52 5.6 本文の作成要領(3)「用件」 ... 53 5.7 本文の作成要領(4)「締めくくりの一文」 ... 53 5.8 署名部の作成要領 ... 54 社内向けメールの作成手順 ... 54 6.1 社内向けメールの作成 ... 54 6.2 社内向けメールの作成要領 ... 55 6.3 ヘッダ部の作成要 ... 55 6.4 本文の作成要領(1)「あて名」 ... 56 6.5 本文の作成要領(2)「名乗りとあいさつ」 ... 56 6.6 本文の作成要領(3)「用件」 ... 57 6.7 本文の作成要領(4)「締めくくりの一文」 ... 57 6.8 署名部の作成要領 ... 58 インターネットセキュリティと個人情報 ... 58 7.1 セキュリティー対策 ... 58 7.2 ID・パスワードの管理... 59 7.3 暗号化 ... 59 7.4 ウイルス対策 ... 60 7.5 メール活用時の個人情報保護対策 ... 60 7.6 個人情報 ... 61 7.7 個人情報保護法 ... 61 7.8 まとめ ... 62

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ビジネスマナー基礎編

社会人の心得

1.1 はじめに

「社会」という大きなステージへ羽ばたこうとしているあなたにとって、今、一 番大切なことは、「働く目的をしっかりと理解する」ことです。あなたはどうし て働くのでしょうか? 収入を得るため、自立するため、やりがいを得るため— など働く目的はさまざまです。働くということは、あなたが考えている以上に多 くのモノを得ることができるのです。 【物理的側面】 【精神的側面】 ・経済的自立 ・目標達成の充実感 ・家族を養う ・社会貢献の満足感 ・将来への不安解消 ・社会的立場の確立 ・自分の可能性の拡大 ・役立つことの喜び 第1章では働くということを踏まえ、 社会人としての心得を理解していきましょう。

1.2 学生と社会人の違い

社会人になる(会社で働く)ということは、生活の軸が今までの個人から組織に 移るということです。 生活のリズム、環境、人間関係など、すべて学生時代とは変わります。ここでは、 社会人と学生の違いを考えてみましょう。 (1) 時間 ⇒学生時代は自由に使えた時間もTime is money に変わる (2)ステージ ⇒学びの場から仕事の場に、労力を提供し報酬を得る立場に変わる (3)人間関係 ⇒学生時代の限られた人間関係が、多世代や上下関係へと広がる (4)評価 ⇒学生時代は努力が評価されるが、社会人は成果が問われる 以上のように、立場・役割・責任が違ってくるのです。

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1.3 「社会人度」チェック

社会人として第一歩を踏み出すに当たり、社会人度をチェックしてみましょう。 次のことができるかどうか○△×を付けてみてください。 (1)明るく元気なあいさつ (2)返事と行動でやる気を伝える (3)5分前行動 (4)言葉と態度で感謝や思いやりを表現する (5)耳・目・口・体・心を使って話を聞ける (6)簡潔に自分の意思を伝える (7)相手の立場に立つ (8)積極的な行動 (9)失敗を成功につなげられる (10)先読み行動 今の自分に「何」が足りないか発見できたでしょうか? 今まで意識していなかったことに気付き、行動を変えていけることが、環境変化 への対応なのです。

1.4 仕事とは

仕事の原理原則とは「能率と成果」と「人と人のつながり」です。 仕事で「能率と成果」を発揮するには「人と人のつながり」を円滑にしていかな ければなりません。 そのためには、誤解や食い違いのないよう、双方向のコミュニケーションが必要 となります。 【対上司では…】 命令・指示・伝達・指導を受けたら報告・連絡・相談のやりとりをする。 【対顧客では…】 情報収集・注文・依頼・苦情を受けたら情報提供・交渉・折衝のやりとりをす る。 【対他部門では…】 【対同僚では・・・】 意見交換・情報交換のやりとりをする。

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1.5 信頼関係を築くには

ビジネスにおける対人関係で最も重要なことは、「いかに深い信頼関係を築ける か」です。信頼関係は一夜にしてできるものではありません。 日頃の姿勢が大切です。 たとえ気に入らない相手であっても、考え方が違っていても、まずは、同じ土俵 で争うのではなく、相手を受け入れてみましょう。 そして好意・好感を伝えることにより、時間はかかるにせよ、相手もあなたを受 け入れてくれるでしょう。 この人なら安心して話ができると思ってもらえれば、心が通い合うコミュニケー ションができるようになり、相互理解が深まっていきます。 その上で相手のニーズを考え、行動で示せば、相手との間に信頼関係は生まれて くるのです。

職場の人間関係

2.1 職場のコミュニケーションとは

会社に入ってからぶつかる問題で最も多いのが「人間関係」による問題です。で は、その「人間関係」がどのぐらい重要なのかを考えてみましょう。 職場は「協働」の場。 いろいろな立場の人が、仕事を分担して、協力しながら仕事をしています。仕事 は「人間関係」で動いているのです。 効率よく仕事を進めるためには、誤解や食い違いのない「双方向コミュニケーシ ョン」が必要となりますが、新人のうちは、このコミュニケーションが理解でき ず、仕事だけでなく、人間関係にも支障を来す結果を招きやすいのです。 第2章では、信頼関係を構築できる「双方向コミュニケーション」のメカニズム を理解し、組織の一員としてのマインドを鍛えていきましょう。

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2.2 信頼関係を築くには

仕事は「人間関係」で動いていきます。 不特定多数の人、また地位も年齢もさまざまな人たちの中で、仕事を通して自分 の立場を確立するには、「信頼関係」を築くコミュニケーションが不可欠です。 では、仕事を通して、どのように人とかかわればよいのか、考えてみましょう。 まず、自分と相手の価値観や行動パターンの違いをよく理解した上で、柔軟性を 発揮することです。 それには自己理解と他者理解が重要ポイントになります。 「自己理解」をするには、自分の感情の動きや、とりがちな思考・行動パターン を把握しておく必要があります。 「他者理解」をするには相手の立場や役割を考え、共感性を高めることが重要で す。

2.3 ちょっとした「言動」に要注意!

次のケースを通して「ちょっとした言動が」どのような結果を招くかを考えてみ ましょう。 【先輩や上司に、ついなれなれしい口調で話しかけてしまうと…】 ⇒公私のケジメがないと思われる 【連絡や報告の際に、なかなか結論に達しない話し方では…】 ⇒内容が正確に伝わらないだけでなく、イライラさせる 【仕事のミスを同僚や上司の説明不足等の責任にしたら…】 ⇒責任感がないと思われるだけでなく、仕事姿勢を疑われる 【お客様対して「自分は関係ない」という態度で対応してしまう…】 ⇒お客様の不信を招くとともに会社のイメージダウンにつながる …これでは、信頼関係は築けませんね。

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2.4 人間関係の基礎となる5つの要素

わたしたちは多くの人に支えられ、育てられ、共生しています。 周りの人に受け入れてもらうには、あなたの「やる気」を相手に伝えていくこと が必要です。 職場でのあなたを、ちょっとイメージしてみましょう。 生き生きとした表情で仕事をしている自分が浮かぶでしょうか? 組織の一員として受け入れてもらうには、人間関係の基礎となる5つの要素を理 解し実践することが重要です。 (1)生き生きとした豊かな表情 (2)明るく元気なあいさつ (3)清潔感あふれる身だしなみ (4)誠意・熱意が伝わる動作・態度 (5)TPO を踏まえた言葉遣い・話し方

2.5 こんな社員にならないために・その1

職場には大きく分けて「いなくては困る人」「いてもいなくてもどうでもいい人」 「いたら困る人」がいます。 あなたは、どんな社員になりたいのでしょうか。 次の「About 社員 10 項目」でチェックしてみましょう。 (1)知らないことをごまかす。 やってないことをやりましたと言う。 (2)データや資料に基づかないでいい加減なことを即答する。 (3)相手が言ったことなのか自分が言ったことなのか区別のつかない報告をす る。 (4)説明の中に一応とかとにかくといったあいまいな言葉が続出する。 (5)上司の質問に正しい事実よりも、上司の喜ぶような答えをする。 そして後から理屈を付ける。 次のページに続きます。

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2.6 こんな社員にならないために・その2

残りの5項目です。 (6)人の話を聞くときは、一見、頭に入っているような態度をとる。 一切メモを取らない。 (7)仕事を自分で抱え込んでしまう。 上司にも関連部署にも相談しない。後々、判断ミスに気付く。 (8)周囲にある情報や資料の中で、何が機密に属するのか、考えようとしない。 疑わしきは上司を通す原則を守らない。 (9)注意を受けた時は分かりました、頑張りますを連発し、その場を逃れる。 が、すぐに忘れ、同じことを繰り返す。 (10)「責任」という言葉をやたらに使う。肝心なときには役に立たない。 …以上10 項目、無責任で自己中心的なのは「いては困る社員」です。

2.7 好かれる新人7カ条

新人として、最初にすべきことは何だと思いますか? 元気なあいさつがまず頭に浮かぶのではないでしょうか。 もちろん、あいさつも大切ですが、最初にすべきことは 配属された部署内全員の顔と名前を覚えることです。 ほかにも覚えることが山のようにあるかもしれませんが、スタートラインは「好 かれる新人になること」です。 次の好かれる新人7カ条を目標に掲げましょう。 (1)相手を尊敬できる人 (2)分からないことを質問できる人 (3)自分の意見を素直に言える人 (4)どんな仕事でも快く取り組むことができる人 (5)忠告を素直に受け入れられる人 (6)失敗にめげず、失敗をバネに成長できる人 (7)気配りを実践する人

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2.8 1 日も早く「独り立ち」をするために

社会人1年生のあなたは、周りの力を借りなければできないことの方が多いはず です。一日も早く独り立ちするには「教わり上手」になることです。 人の和を大切にし、周囲から学び、自分自身を成長させる。 それには、好奇心旺盛にどんな仕事にも積極的に取り組み、向上心を持つことが 必要です。 (1)分かったふりをしない。分からないことは、分かるまで聞く。 (2)教えてもらったことは、ノートにまとめ、勉強課題にする。 (3)教えてもらったことを実行する。 (4)ただ教えてもらうのではなく、自らも調べ、気付いたことや考えを率直に 述べる。 (5)しかられても・注意されても、めげない。 以上の5ポイントを実行できますか?

視覚・聴覚に訴える第一形成術

3.1 表情のパフォーマンス

表情は、第一印象の決め手です。 その時々の表情が相手にさまざまな印象を与えていきます。 疲れたときの「無表情」は人を寄せ付けない雰囲気、イヤなことを依頼されたと きの「不満顔」はやる気のなさを伝えてしまいます。 では、「笑顔」はどうでしょうか? 笑顔からは親近感や好感が伝わります。 しかし、常に笑顔でいたいと思っていても、感情は顔に出てしまいがち。 大切なのは「心の持ち方」と「気持ちの切り替え」です。 疲れている・やる気の出ないときは“ガンバルゾ!”の言葉とともに2倍の笑顔 で自分を励まします。 仕事に没頭しているときに声をかけられたら、瞬間的に気持ちを切り替え笑顔で ハイの返事を試してください!

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言葉遣い・話し方の基本

4.1 会話の「キャッチボール」

会話のキャッチボール 【大きさ】 ボールの大きさとは、一度に話す情報の量、話の長さです。 情報量が大きすぎても、少なすぎても、相手は理解に苦しみます。 【距離】 ボールを投げ合う距離とは、相手との関係や状況です。 どう伝えれば相手に理解してもらえるのか、伝え方の工夫が必要です。 【スピード】 ボールのスピードとは話す速度です。 ペラペラとまくしたてたり、だらだらと話したりするのは相手の理解を妨 げます。 【受け止め方】 相手の話をしっかり受け止めることができなければ会話は発展しません。 それには耳・目・口・体・心を使うことが必要です。

4.2 話の目的とその効果

ビジネス場面において、話をするということは、何らかの「目的」があるからで す。その目的にたどりつかなければ話をした意味はありません。 では「目的」にはどんなものがあるか考えてみましょう。 ・知らせる=連絡・報告 ・分からせる=説明 ・行動させる=説得 ・改めさせる=忠告 ・人間関係を円滑にする=受容・共感 以上のような目的は、進行過程においていろいろ変化していきますが、会話の途 中で「何のために話すのか」を意識することが大切です。 また、話が正確に伝わっているかどうか、聞き手の反応を意識することも重要で す。正確に伝わったかどうかの決定権は聞き手が握っているからです。

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4.3 敬語の正しい使い方・その1

相手への心遣いを表現できる言葉。 それが「敬語」です。 社会生活においては必要不可欠な言葉ですね。 しかし、敬語は苦手という人が多いのです。 なぜでしょうか。 その理由として「日常の生活で使う機会が少ない」「敬語のルールが分からない」 ということ考えられます。 さて、あなたは、どうでしょうか? ここで、敬語のレベルチェックをしてみましょう。 【敬語表現間違い探し】 (1)先輩はテニスをおやりになりますか? (2)そちらに、鬼瓦様はおられますか? (3)鬼瓦様は先ほどお帰りになられました。 (4)部長は、今、外出なさっていますが、午後3時にはお戻りになります。 正解は次のページです。

4.4 敬語の正しい使い方・その2

前ページの間違い探しの解答は次の通りです。 (1)先輩はテニスをおやりになりますか 解答)テニスをなさいますか 解説)「する」の尊敬語は「なさる」。 「やる」に「お」+「なる」を付けても尊 敬語にはならない。 (2)そちらに鬼瓦様はおられますか 解答)いらっしゃいますか 解説)「おる」は謙譲語。相手に使っては失礼。 (3)鬼瓦様は先ほどお帰りになられました 解答)お帰りになりました 解説)「お」「ご」を付けたら「れる」「られる」を重ねない(二重敬語) (4)部長は、今、外出なさっていますが、3時にはお戻りになります 解答)○○は、只今、外出しておりますが、3時には戻ると存じます 解説)身内を他者に伝える場合、尊敬語は使わない。

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ビジネスで求められる「聞く能力・話す能力」

5.1 「聞く能力・話す能力」

「聞き違い」をしたことはありませんか? しっかり聞いたつもりでも「聞き違い」はよくあることです。 人の話を聞くということは簡単なことのようですが、実は非常に難しいものなの です。 ビジネスにおいて、聞き違いはトラブルのもと。 大きな問題に発展していきます。 聞く能力を向上させるには、聞き違いの「原因」に気付くことが第一歩です。 【聞き違いの原因】 ・思い込みで聞いてしまう ・自分の都合のいいように聞いてしまう ・省略して聞いてしまう ・内容をゆがめて聞いてしまう ・自分勝手な解釈を加える ・内容を確かめない ・自己主張が先行し、相手の話を聞く余裕がない あなたは大丈夫?

5.2 「聞く」の5活用

あなたはどのように人の話を聞いていますか? 話は「耳」だけでなく、「目」「口」「体」「心」を使って聞くことができます。 では、「耳・目・口・体・心」を使ってどのように話を聞くのか、確認してみま しょう。 【耳で聞く】 「言葉」を聞き取り、内容を理解する。「語調」から相手の感情を読み取る。 【目で聞く】 「表情や身振り」から気持ちを読み取る。 【口で聞く】 「相づち」で共感的に受け止める。分からない点は「質問」で確認。 【体で聞く】 「うなずき」や「ボディーランゲージ」を活用し、聞いているサインを示す。 【心で聞く】 何が言いたいのか、相手の真意をくみ取る。

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5.3 「簡潔」に伝えるには

自分が伝えたい内容を簡潔に伝えるには、「どんな順序」で「どう話すか」が大 切になります。では、具体的なポイントを、順を追って確認していきましょう。 【話の展開】 (1)話の行き先を示す ・話のテーマ、全体像を先に言う ・結論を先に言う ・見出しを付ける (2)伝えたいことを順序立てて筋道をつける ・雑多な内容の行きつ戻りつの組み立ては避ける ・必要な情報と不必要な情報を分ける 【伝え方】 (1)具体的に話す ・イメージがわくように話す ・エピソードや事例を盛り込む (2)短文形式で話す ・主語と述語の間を短く ・「××なので…、××だから…」と、だらだらとつなげない

5.4 「分かりやすく」伝えるには

分かりやすく話すには秘けつがあります。 1つは「話の組み立て」、もうひとつは「話し方や表現の工夫」です。 では、具体的なポイントを把握しましょう。 【話の組み立て】 導入部、本論部、要約部の「3部構成」で話を組み立てる ・導入部⇒聞き手の立場になって、目的やメリットを提示する ・本論部⇒聞き手が欲しい情報の提供や説明 ・要約部⇒要約やまとめ 【話し方や表現の工夫】 耳で聞いて分かるように話す。 ・相手に聞き取りやすい話の速さや「間」、息遣いで話す ・歯切れのよい発音、適度なボリューム ・反応を意識し、相手に合わせて話す

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5.5 「印象深く」伝えるには

記憶はすぐに薄れます。 理解してもらいたい内容や要点を相手の心に留めるには、印象深く伝える工夫も 必要です。 印象づけるには、重要なポイントが2つあります。 それは「言葉のインパクト」と「プロミナンス(強調法)の活用」です。 【言葉のインパクト】 インパクトを持たせるとはどういうことか、例で比較してみましょう。 ・「私の強みは粘り強いことです」 ・「粘り強いことが私の強みです」 後者の方が「粘り強いこと」が印象づけられていますね。 【プロミナンスの活用】 ・声の抑揚、音調、語調に変化をつける ・強調したい言葉の前で間を取る

職場での実践課題

6.1 職場のルール・マナーの重要性

職場は「協働」の場です。互いに気持ちよく、効率よく仕事を進めていくために は、周囲への「配慮」が必要です。 どのようなことを心掛ければよいか、一日の流れを通して考えてみましょう。 【出勤時】 ・「時間厳守」は社会人の常識 ・一日の始まりは、さわやかな「あいさつ」から 【勤務中】 ・常にレスポンスよく ・仕事中は対話のルールを守って ・報告はタイムリーに、連絡はマメに、相談は早めに ・外出・離席は行き先を告げてから ・昼休みや公共スペースでの行動はマナー違反に要注意 【退社時】 ・一日の締めくくりと明日への準備を忘れずに 「実践ポイント」は次のページから提示します。 しっかりと把握しましょう。

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6.2 時間管理は社会人の常識

時間にルーズな人は“だらしない”という評価だけでなく、仕事の進行にも支障 が出てくるものです。 時間管理は社会人の常識と心に刻みましょう。 【5分前行動が決め手】 始業時間の5分前までには、準備万端の状態に。 席に着いたら一日のスケジュールを確認し、余裕を持って仕事に臨みましょう。 【無断欠勤・遅刻は厳禁】 遅刻しそうな場合や出社できそうにない場合は、始業前に会社に連絡を入 れるのがルールです。 (1)「直属の上司」に電話で連絡する (2)連絡をする際には、 ・おわび ・理由、状況(遅刻の場合は、出社できる時間) ・指示を仰ぐ ・仕事上の引継ぎ事項の伝達 以上の順で簡潔に伝えることが必要です。

6.3 常にレスポンス良く

勤務中は「はい」の返事と機敏な動作でやる気を伝えましょう。 【3つの「はい」を実践】 (1)名前を呼ばれたら ⇒「はい」の返事 (2)話を聞く時は ⇒「はい」「そうなんですか」と相づちを打ち、積極的に聞こうとする姿勢 を示す。 (3)指示や依頼には ⇒「はい、承知しました」「はい、かしこまりました」と了承のレスポンスを。 【機敏な動作でやる気を伝える】 (1)上司から呼ばれたら ⇒「はい」と返事とともに立ち上がり、速やかに上司のデスクの斜め前に 立ち、すぐメモが取れる体勢に。 (2)社内の廊下を歩くときには ⇒「きびきび歩き」が基本。 前に歩いている人を追い越す場合は、急いでいても“一声掛ける配慮” が必要。

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6.4 新人社員の留意点

新人は、好き嫌いの順で仕事をしないように気を付けなければなりません。 仕事を覚えたてのうちは、つい、自分の好きなことを優先し、苦手なことは後回 しにしがちです。 しかし、仕事には「期日」があります。 期日に間に合わなければ、評価はされません。 外部への電話連絡等も、すぐににしないと手遅れになります。 緊急性・重要性・関連性を考慮して仕事に取り組むことが肝心です。 また、不明な点は必ず確認することも重要です。 自分勝手な判断は禁物で、分からないことや判断に迷うことは、必ず上司に指示 を仰ぎます。 依頼されたことは最後まで責任をもってやり通しましょう。

6.5 「報・連・相」はパイプライン

「報告・連絡・相談」は、ビジネスコミュニケーションにおいて必須です。 この「報・連・相(ホウレンソウ)」がしっかりなされないと、仕事は効率よく 進まないだけでなく、思いもかけないトラブルを引き起こしかねません。 「報・連・相」は、まさに、上司と部下をつなぐパイプラインなのです。 【報告はタイムリーに】 「報告は催促される前に」が鉄則です。 上司への「結果報告」が仕事の区切り、終了を意味します。 【連絡はマメに】 電話の伝言等、上司に伝えなければならないことは、その場で処理しな いと忘れてしまいます。 【相談は早めに】 判断に困ったときはもちろんのこと、しかられそうなことほど、早めに 相談しないと取り返しのつかないことになります。

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6.6 離席・外出のルール

上司が指示を出したいときや取引先から電話連絡が入ったときに「席にいるはず の人がいない!」ということになると、どんな事態を招くでしょうか? どちらのケースも、マイナス評価につながるだけでなく、仕事への影響を来しま す。仕事中は「自分の所在を明らかにしておくこと」が鉄則です。 【ちょっとした離席の場合】 ・他部署に書類を届けに行く場合やトイレに行く場合は、臨席に一声掛けて から。 【業務で外出する場合】 ・部署内の所定のボードに「行き先」「用件」「帰社時間」を記入し、上司に 許可を得てから外出します。 勤務中は、常に、連絡が取れる状態にしておくことが基本ルールです。

6.7 退社時の心得

退社時は、一日の締めくくりと明日への準備が必要です。 次の4点を実践しましょう。 【「何かお手伝いしましょうか」の精神を発揮】 自分の仕事が終わっても、まだまだ終わっていない人もいます。 「何かお手伝いしましょうか」と協働の姿勢を示しましょう。 【今日の反省・明日の計画】 退社前に、やり残しがないか再確認するとともに、明日の計画も立ててお きましょう。 【机の上は整理整頓】 使った資料や預かった書類は所定の位置に戻す。 残された机の上に、その人の人格が現れます。 【残っている人への配慮】 「お先に失礼します」のあいさつを忘れずに。

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仕事の進め方

7.1 ビジネスのプロを目指して

「プロ意識」を持つということは、言い換えれば「良い結果を出す」ということ です。 「頑張ったが、できなかった」「できると思ったが、無理だった」ではプロとし て通用しません。 では、良い結果を出すためには、何が必要でしょうか? 基本は仕事で手抜きをしないことです。 手を抜かずに仕事をすれば、次のような効果が期待できます。 (1)仕事の知識やノウハウが蓄積され実力が上がります。 (2)失敗を繰り返すことが少なくなり、周りから信頼を得ることができます。 仕事の重要度や緊急度により、費やす時間や労力は異なりますが、どんな仕事も 手抜きをせず、誠実な姿勢で取り組むことが、ビジネスプロの出発点です。

7.2 タイムマネジメントの重要性

「余裕を持って早いうちに対処すればよかった」 「時期を逃してしまった」 「余計な手間がかかってしまった」 など、タイムマネジメントができないと能率も成果も上がりません。 では、限られた時間を効率よく使うには、どんなことが必要でしょうか? 次にポイントを紹介するので、是非、活用して下さい。 ・先のことを見通したスケジュールを立てる ・緊急性・重要性・関連性の3つを踏まえ、優先順位をつける ・短時間で済む作業は、すき間時間を活用 ・仕事の目的を達成できる手段を選択する ・仕事がはかどらないときは、時間配分や段取りを再検討する ・いざというとき、すぐに取り出せるよう、書類はいつも整理しておく

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7.3 仕事への取り組み方

仕事を進める上で重要なことは、最後まで自分で責任を持ち、目標を達成するこ とです。仕事全体の流れを把握し、どのようにクリアするかが課題となるのです。 ここでは、仕事をうまく進めるポイントを考えてみましょう。 【仕事の優先順位の確認】 仕事全体の流れを把握し、よく理解した上で取り組みます。 【予定のズレは予備時間で修正】 予定を固定的なものとは考えず、予備時間を活用して修正します。 修正しきれない場合は上司や同僚に相談し、スケジュールそのものを見直 しましょう。 【効率アップに空き時間を活用】 空いた時間は、仕事に関係する本を読む、アイデアを考える、経費の伝票 記入の単純作業などに当て、仕事の効率を高めましょう。

7.4 役立つメモの取り方・その1

ありとあらゆる場面で「メモ」は仕事の効率を大きく左右します。 では、どんな場面でメモが必要か、役立つか、考えてみましょう。 電話をするとき、受けるとき、指示を受けるとき、報告をするとき、スケジュー ルを確認するとき——いずれのケースもメモは必要不可欠です。 【指示を受けるとき】 言われたことをすべて書き留めようとしないことです。 5W2Hを念頭に、要点だけを要領よくメモしましょう。 【会議のとき】 事前準備が大切です。 参加者全員の名前を書き出して表を作り、会議中は発言者ごとに内容やポイ ントを記入します。自分のコメント欄も作り、発言に対する自分の意見を簡 単に書いておくとよいでしょう。

(20)

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7.5 役立つメモの取り方・その2

連絡や引き継ぎで伝言を書く際にもメモは欠かせません。ほかにもメモは役立つ ことが多いので、日ごろから、ちょっとしたことでも書き留める習慣をつけてお きましょう。 【伝言を依頼された時】 ・5W2H を念頭に置き、伝える内容に漏れがないよう、正確に書くことが 大切です。 ・件名(見出し)を付け、内容が一目で分かるように工夫します。 ・内容は、簡潔に書くことが基本。 常用漢字と現代仮名遣いで、文体を統一して分かりやすく表現します。 ・誤字・脱字・あて字、特に固有名詞や数字に留意しましょう。 【アイデアや役に立つ情報】 ・ひらめいたアイデアや役に立ちそうな情報は、キーワードだけでも書き 留めましょう。

社会人の一日

8.1 目覚め

さわやかに目覚めるには、最低限5時間の睡眠は確保しましょう。 つい、夜更かしをして、目覚めの悪い理由を睡眠不足にするのは社会人として失 格です。健康管理も仕事のうちです。しっかりと自覚しましょう。 健康の源は、規則正しい食事と運動です。体調が悪いという理由で遅刻や欠席が 目立っては、あなたの生活態度が疑われます。 印象管理もビジネスマンの常識です。 ズボン・スカートのシワ、スーツのボタン、ワイシャツ・ブラウスの襟は、前日 にチェックしておかないと、朝、取れていることに気付いても手遅れです。 また、翌日のスケジュールを踏まえてネクタイとワイシャツの組み合わせを考え ておくのも良いでしょう。

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8.2 出勤

新人のうちは早めの出勤と5分前行動を徹底しましょう。 仕事を教えてもらうという立場を踏まえ、上司・先輩に必要以上の心配や負担を 掛けないことが「教わり上手」の条件です。 始業30 分前には出社し、一日のスケジュール確認はもちろんのこと、周囲の整 理や勉強ノートにも目を通しておきましょう。 そして、元気なあいさつで上司・先輩を出迎えることも新人の役割です。 また、何事も「5分前行動」を徹底しましょう。 例えば、朝一番にミーティングがあるときは、上司に言われてから席を立つよう では失格です。

8.3 まとめ

今回のビジネスマナー学習、楽しく取り組んでもらえたでしょうか? 「考えてみよう」や「セルフチェック」、「演習問題」を通して、ビジネス社会の メカニズムや行動の基本が理解できたことと思います。 社会人・企業人として力強く第一歩を踏み出すには、どんな仕事にも適応できる 「ビジネスボディー」を鍛えておく必要があります。 あいさつや視線のコミュニケーション、話の聞き方や相手に受け止めてもらえる 話し方、そして 5W2H やメモの活用などなど、いずれも意識して実践しなけれ ば自分のものにはなりません。 努力を継続するには、日常のちょっとした変化を見逃さないこと、知っているふ りをしないことです。 「なぜ?」を追求できる知的好奇心を失わず、トライ&エラー(行動に移し失敗 から学ぶ)の精神で、実践力を高めていきましょう。

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ビジネスマナー応対編

ビジネス電 話の基本マナー

1.1 電話はビジネスの「生命線」

電話は「ビジネスの生命線」です。オフィスのOA 化が進展し、ビジネスツール の主役は電話からメールへと移行していますが、電話なしには仕事は効率よく進 みません。 「至急、連絡を取りたい」「すぐに返事がほしい」「面談のアポイントメントを取 る」「急なスケジュール変更を依頼する」——といったケースで、相手と双方向の コミュニケーションを図ることができるのが電話です。 しかし、電話はビジネスツールとしての使い方を間違えると、仕事の能率はもち ろん、会社の信用や評判にも大きな影響を与えてしまいます。 第1章では、ビジネス電話の特性を踏まえ、正確に、迅速に、感じ良

く、機転

を利かせた

応対ができるよう、電話のマナーを理解していきましょう。

1.2 電話の利点と欠点

ビジネス電話を使いこなすには、まずは電話の特性を理解することです。その特 性について、利点と欠点を比較しながら確認してみましょう。 【速いが正確さに欠ける】 緊急の要件をすぐに伝えられるが、こちらの意図が正確に伝わるとは限らない。 【便利であるが一方的である】 いつどこからでもかけることができるが、受け手にとっては迷惑なときもある。 【かけ手も受け手も相手が見えない】 対面では話しづらい内容も電話なら話せることがあるが、表情・動作が伝えられ ない。また、相手の反応は声の調子でしか分からない。 【経済的だが料金がかかる】 運賃に比べると安く、時間の節約にもなるが、長電話になると高くつく(特に携 帯電話)。

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1.3 電話応対 4 つの心得

相手が見えない電話は、

「声と言葉」が頼りのコミュニケーションです。

伝えたい内容を、より正確に、簡潔に伝えないと、思わぬ誤解を招く

ことになります。感じ良く話せなかったり、機転が利かなかったりす

ると、相手を不快にさせるだけでなく、苦情やトラブルに発展する恐

れがあります。

例えば、暗い声で名乗ったとき、相手はどんな印象を持つでしょうか?

あいさつもなく、いきなり用件を切り出したら、相手はどう感じるで

しょうか? 「マナーが身についていない」と思われると同時に「こ

んな人とは仕事をしたくない」と思われるでしょう。

そこで電話応対には

正確に、迅速に、感じ良く、機転を利かせて

とい

4つの心得

が必要です。

次から順に説明するので、しっかりと身につけてください。

1.4 正確に・迅速に

4つの心得

は電話応対の基本マナーです。

ここから順に学んでいきましょう。

(1)正確に

伝えたい内容は、順番を整理し、要点をメモにまとめてから電

話する。

用件に見出しを付けて簡潔に伝える。

はっきりと歯切れ良く発音する。

固有名詞・数字などは念を押す。

用件(要点)は書き留めて、メモを見ながら復唱・確認する。

(2)迅速に

長電話は禁物。3分以内で用件を伝えるよう心掛ける。

ベルが鳴ったら、3コール目が鳴り終わるまでに出る。

取り次ぎ時に

30 秒以上待たせない配慮をする。

「たらいまわし」は禁物。部署を確認してから取り次ぐ。

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1.5 感じ良く・機転を利かせて

電話応対4つの心得の残った2つを見てみましょう。 (3)感じ良く  第一声は「笑顔」を声に乗せて。  タイミング良く相づちを打つ。  言葉遣いや言い回しに気を付ける。  一方的にならないよう配慮する。 例)「失礼ですが、もう一度お願いできますか」 「今、お時間よろしいでしょうか」 ・受話器を置くときは静かに丁寧に。 (4)機転を利かせて  語調から相手の状況や気持ちを読み取る。  状況を判断して機転を利かせる。 例えば、取り次ぎに時間がかかる場合は、差し障りのない範囲で状況を 伝え、相手の意向を伺い、待ってもらうか、折り返すかを判断する。  複雑な内容のときは事前にFAX をするなど段取り良くする。

1.6 電話応対の基礎知識・その 1

不慣れなうちは、電話に出るのもかけるのも怖いものです。 「言い回しが分からない」とう人が多いようなので、電話の慣用句は、しっかり 覚えましょう。 【受けるとき】 ・名乗り方 「はい、△△でございます」 ・あいさつの慣用句 「いつもお世話になっております」 ・相手が名乗らない場合 「失礼ですが、どちらさまでいらっしゃいますか」 ・相手の社名・氏名が聞きとれない場合 「恐れ入りますが、もう一度おっしゃっていただけますか」 ・用件を伺ったら 「××の件でございますね」 ・自分で対処できない場合 「恐れ入りますが、担当のものと代わらせていただきます。

少々お待ちいただけますでしょうか」

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1.7 電話応対の基礎知識・その 2

取り次ぐとき、かけるときの慣用句は次の通りです。 【取り次ぐとき】 ・名指し人に取り次ぐ 「××でございますね。少々お待ちくださいませ」 ・名指し人が電話中 「申し訳ございません。××はただ今、ほかの電話に出ております。 こちらから折り返しのお電話でよろしいでしょうか」 ・名指し人が外出中 「××はあいにく外出しております。 ×時には戻る予定でございますが、いかがいたしましょうか」 ・伝言を頼まれた場合 「私××と申します。◇◇が戻り次第、必ず申し伝えます」 【かけるとき】 ・名指しする場合 「恐れ入りますが、××様をお願いできますでしょうか」 ・用件を切り出す場合 「××の件で連絡させていただきました。今、お時間よろしいでしょうか」 ・要点を確認するとき 「では、××の件は、××のようにさせていただきますので、 よろしくお願いいたします」

1.8 携帯電話のマナー

今や、すべてのビジネスマンに愛用されている携帯電話。いつでもどこでもかけ られますが、当然、仕事上でのルールやマナーは守らなければなりません。 ビジネスにおける携帯電話の使い方をしっかりと身につけておきましょう。 【携帯電話のルール・マナー】  私用で使わない ⇒緊急以外、私用で使うことは許されない。他人に番号を教える際も注 意が必要。  仕事中はマナーモードに設定する ⇒仕事中はもちろん、訪問先では着信音が鳴り響かないよう、配慮が必 要。  情報漏えいに要注意 ⇒社外で使用する場合は、周囲に注意を払い、会社の情報漏えいを防ぐ。  電波の悪いところでは使わない ⇒話の途中で切れないよう配慮する。

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1.9 携帯電話のタブー

業務で使用する携帯電話は、プライベートの携帯電話以上に取り扱い

の注意が必要です。大切なビジネスチャンスを「ちょっとした不注意」

で失ってしまっては取り返しがつきません。

【携帯電話のタブー】

1.

不携帯・充電不足

⇒連絡を取りたいときにつながらなければ用をなさない。出掛

ける前に、必ず、確認する習慣を。

2.

携帯電話の頼りすぎ

⇒通信以外にも時計、メモ帳、計算機など、いろいろな機能を

備えていますが、万が一を考えて、取引先のメールアドレスや

電話番号などは、必ず控えておく。

いつでも・どこでもの自己中心感覚

⇒かける時間帯や場所を配慮しないと迷惑電話になってしまう。

早朝や午後9時をすぎてからの電話は相手との関係を考えて慎

重に。

電話の受け方

2.1 受け方の基本手順

電話を受けるときに重要なことは「誰から」「どんな用件」でかかってきたかを 正確に把握することです。 要点はメモを取りながら、復唱・確認を徹底しましょう。 【応対の基本手順】  受話器を取ったら ⇒「はい、△△でございます」と名乗る。  相手が名乗ったら ⇒「△△の〇〇様でいらっしゃいますね。 いつもお世話になっております」と相手を確認し、あいさつをする。  用件を伺うときには ⇒「●●の件でございますね」と用件を復唱する。 または「●●ということで、よろしいでしょうか」と要点を復唱・確 認する。  締めくくるときには ⇒「お電話ありがとうございました」と用件にふさわしいあいさつを。

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2.2 受け方の着本手順

受け方の手順は頭に入りましたか?

手順が分かったら、次は「感じの良い電話応対のポイント」を理解し、

実践につなげましょう。

【第一声は笑顔を乗せて】

笑顔は声に乗って伝わる。ベルが鳴ったら笑顔で受話器を取る。

【名乗りは明るくハッキリと】

明るい声で、歯切れよい語調で社名を名乗る。

【時間、状況にふさわしいあいさつで印象アップ】

10 時頃までは

「おはようございます」

ベルを3回以上鳴らせてしまったら

「お待たせいたしました」

【よく聞き取れなかった場合は落ち着いて確認】

「恐れ入りますが、もう一度お願いできますか」

と確認し、

「○○様でいらっしゃいますね。失礼いたしました」

と配慮の言葉を添える。

2.3 用件の確認は 5W2H で抜かりなく

用件を正確に理解するには、聞き違い・聞き漏らしをしないことです。 それには、書き取ったメモに基づき、要点の復唱、あいまいな点の確認が必要です。 【相づちを活用し、聞いているというサインを送る】 相づちがないと相手は不安になる。 話の区切りに「はい」「そうですね」 「かしこまりました」とタイミング良く入れる。 【5W2H を念頭にメモを取り、メモに基づき復唱・確認】 When(いつ・いつまでに)担当する仕事の期限・納期 What(何を)仕事の内容 Why(なぜ)目的 Where(どこで・どこへ)実行場所 Who(だれが・だれに)担当・分担 How(どのように)方法 How much(いくら)費用・数量 ⇒用件を伺ったら、「それでは念のため繰り返させていただきます」と要点を 復唱することで聞き違いを防ぐ。あいまいな点は、「2点ほど確認させてい ただきたいのですがよろしいでしょうか」と確認することで、聞き漏らし も防げる。

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2.4 締めくくりは用件にふさわしく

「終わりよければすべてよし」。用件にふさわしいあいさつで締めくくることが 好感を持たせる電話応対の鉄則です。 【締めくくりのあいさつ】 電話をいただいた感謝を伝えるには ⇒「お電話ありがとうございました」 問合せの電話には ⇒「今後ともよろしくお願いいたします」 名指し人が不在で、電話を取り次げなかった場合には ⇒「私、○○が確かに承りました」と責任の所在を告げ、 「失礼いたします」と配慮ある締めくくりが必要。 以上のように、どんな電話を受けても、 良い後味が残る締めくくり

を工夫しましょう。

電話の取次ぎ方

3.1 取次ぎ方の基本手順

電話をスピーディーに感じ良く取り次ぐには、誰から誰への電話かを正確にキャ ッチし、待たせない工夫が大切です。「ただ今、○○と代わりますので、少々お 待ちいただけますか」と言った以上は、30 秒がリミットです。 4つの原則と取り次ぎの基本手順を確認しましょう。 【取次ぎの4原則】 自分勝手な判断は禁物 待たせない工夫をする 1. 配慮の言葉をふんだんに使う 2. 状況を判断し、機転を利かせる 【取次ぎの基本の手順】 1. 名指し人を確認する 「△△でございますね」 2. 正確にスピーディーに対応する。 ・お客様へ ⇒「ただいま◇◇と代わりますので、少々お待ちいただけ ますか」 ・名指し人へ⇒「△△の○○様からお電話です」

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3.2 取り次げない場合の対応

「電話中」「ちょっとした離席」「会議中」「外出中」などすぐに取リ次げない場 合には、状況判断とかけ手・名指し人の双方への配慮が必要です。まずお詫び、 次に理由を述べる、そして意向を伺うといった手順で応対します。 では「電話中」と「外出中」の2つのケースを通して応対のポイントを把握しま しょう。 【電話中の場合】 「申し訳ございません。◇◇は、他の電話に出ております。終わり次第、折 り返しこちらからお電話いたしましょうか」と状況を伝え、折り返しの電 話で良いかどうか、意向を伺います。 【外出中の場合】 「申し訳ございません。◇◇は、あいにく外出しております。◎時には戻る 予定となっておりますが、お急ぎのご用件でいらっしゃいますか」と差し

障りのない範囲で状況を伝え、お急ぎかどうかを確認します。

3.3 取次ぎのフォロー

電話を受けたことを名指し人に伝えるまではあなたの責任です。メモを作成し、 忘れずに名指し人に伝えなければなりません。 【メモ作成ポイント】 ・5W2H を念頭に漏れのないよう作成する ・相手の会社名・氏名漢字が分からないときは、カタカナで書く ・簡潔に要点を書く ・日時や伝達事項等は箇条書きにする ・メモを作成したら、速やかに名指し人の机に置く 【名指し人への確認】 机に置いたメモを見てくれたかどうか、口頭でも確認する配慮が必要です。 【状況判断と機転】 時間までに名指し人が戻ってこない場合は、名指し人に連絡を取り、指示 を仰ぐ。また、連絡が取れない場合は相手に中間連絡を入れ、意向を伺う。

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電話のかけ方

4.1 かけ方の基本手順

電話をかけるときに大切なことは、用件を簡潔に、漏れなく伝えられるよう、事 前に話す内容、要点、順番を整理しておくことです。 【相手が名乗ったら】  社名・氏名を名乗る ⇒「△△の〇〇と申します」  あいさつをする ⇒「いつもお世話になっております」  話したい人を名指しする ⇒「恐れ入りますが、◇◇様をお願いできますでしょうか」 【名指人が出たら】  あいさつし用件を伝え、用件のポイントを確認する ⇒「いつもお世話になっております。私、△△の〇〇と申します。 ●●の件で3点ほど確認させていただきたいのですが、今、お時間

よろしいでしょうか」

 締めくくって切る ⇒「どうぞよろしくお願いいたします」

4.2 好感の持てる名乗り・名指しの仕方

「名乗り」から話したい人を「名指し」するまでは、「感じの良さ」がその後の 話の展開をスムーズに導いていきます。  名乗りは相手が聞き取れるようハキハキと ⇒歯切れよい語調で、さわやかに自分を名乗りましょう。  「いつもお世話になっております」のあいさつは、お辞儀を添えて ⇒態度は声に乗って伝わります。  相手が先にあいさつをしたら、「こちらこそ」の気持ちを伝える。 ⇒「こちらこそ、いつもお世話になっております」  話したい人を名指しするときは、配慮の言葉と依頼形で。 ⇒「お忙しいところ恐れ入りますが、 ◇◇様をお願いできますでしょうか」

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4.3 締めくくりは用件に相応しく

用件にふさわしい締めくくりのあいさつは、「次」のビジネスチャンスへとつな がっていきます。 【一般的な締めくくりのあいさつは】 ⇒「今後とも、どうぞよろしくお願いいたします」 【何かを依頼した場合の締めくくりのあいさつは】 ⇒「お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほど、よろしくお願いいたします」 【複雑な内容で時間がかかってしまった場合には】 ⇒「お忙しい中、長々とお時間を頂戴し、失礼いたしました」 【おしかりを受けた場合は】 ⇒「今後はこのようなことがないよう心して対応させていただきます。今後 ともどうぞよろしくお願い申し上げます」とマイナスイメージが残らない よう締めくくりましょう。

4.4 「FAX の確認」

場面4) 先刻、XY 社の大桃課長に「提案中の商品の仕様書2枚と図面1枚の計3枚」 をFAX 送信しました。届いたかどうかの確認の電話を入れたいのですが、ど んな手順で確認すればよいでしょうか? 解答) 本人が電話に出てくれた場合は、まず謝意を伝える。 ⇒「お忙しいところ、お呼び立てして、申し訳ございません」 見出しをつけて話を切りだす。 ⇒「先刻、大桃様あてにFAX 送信させていただいた仕様書の件ですが」 送信内容を伝え、届いたかどうかを確認する。 ⇒「提案中の商品の仕様書2枚と図面1枚、合計3枚を FAX で送信させ ていただきましたが、お手元に届いておりますでしょうか」 用件にふさわしい締めくくりを。 ⇒「お手数をおかけいたしました。 ご検討いただきたく、よろしくお願い申し上げます」

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取引の流れをつかもう

5.1 名刺交換のタブー・その 1

ビジネスにおける名刺交換は、ビジネス開始の出発点です。しかし、名刺の扱い 方や名刺交換のマナーをわきまえず、ビジネスチャンスを逃してしまうビジネス マンが大勢います。そうならないよう、名刺交換のタブーを頭にたたき込んでお きましょう。 タブー(1) ⇒受け取った名刺をすぐに名刺入れにしまう ○ ⇒名刺を受け取ったら、必ず名刺に目を落とす。その後、面談に入る 場合は、着席後、テーブルの上に置き、名前と顔、部署・役職名を しっかりと記憶しましょう。 タブー(2) ⇒受け取った日付や相手の特徴を忘れないよう、受け取った時点で書 き込む。 ○ ⇒名刺は相手の分身です。日付等は会社に戻ってから書き込む配慮が 必要です。

5.2 名刺交換のタブー・その 2

タブー(3) ⇒座ったままでの名刺交換 ○ ⇒立ち上がって目下の者から目上の方に差し出すのがルール。テーブ ル越しの名刺交換は極力避けます。「○○と申します。どうぞよろし くお願いいたします」と言葉を添えて差し出しましょう。 タブー(4) ⇒片手で受け取る ○ ⇒名刺は両手で受け取った後、胸の位置まで持ってきて、「頂戴いたし ます」と敬意を伝えます。 タブー(5) ⇒相手が先に名刺を出したので、先にいただいてから自分の名刺を差 し出した。 ○ ⇒このような場合は、同時交換で対応しましょう。左手で相手の名刺 を受け取ると同時に、右手で自分の名刺を差し出します。受け取っ た名刺はすぐに右手を添え胸の位置で確認します。

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5.3 初対面の人との会話のタブー

初対面の人と話すときに大切なのは、相手との「距離(関係)」を測り、自分の スタンスを見失わないことです。 タブー(1) ⇒あいさつは暗く、目はうつろ ○ ⇒あいさつはコミュニケーションの第一歩です。「よろしくお願いいた します」という気持ちが伝わる表情・あいさつから始めます。 タブー(2) ⇒自分のアピールに専念する ○ ⇒人は、自分の話を聞いてもらえる人に好意を持ちます。相手に関心 を持ち、聞き上手になることが信頼関係形成の第一歩です。 タブー(3) ⇒政治や宗教の話題を取り上げる ○ ⇒人の価値観はさまざまです。相手の心に踏み込むような話題や、 評論家的な発言は禁物です。季節に関する話題やスポーツの話題など を通して、相手との距離を少しずつ縮めていきましょう。

5.4 席次の常識・非常識・その 1

席次のルールを知らなければ「常識がない」と判断されがちです。そうならない よう、席次のルールをしっかりと頭に入れておきましょう。 タブー(1) ⇒訪問時には、案内された席に座る ○ ⇒上座(入り口から一番遠くにあるソファー席)を勧められても、 下座に座る配慮が大切。特に、初回の訪問であれば、入り口に一番近 い席に座り、面談の相手が入り口に姿を見せたとき、すぐにあいさ つと名刺交換ができる姿勢で待っていれば、面談のスタートは和や かになります。 タブー(2) ⇒お客様を車に乗せる際には見晴らしのいい助手席に座ってもらう。 ○ ⇒運転手の後ろの席が上座、次いで、助手席の後ろ、そして助手席は 下座となります。

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5-5 携帯電話のタブー

携帯電話はマナーを守らないと品位を疑われます。 タブー(1) ⇒マナーモードにしない ○ ⇒呼び出し音は自分が思っている以上に、他人を不快な気持ちにさせ ます。会社や電車の中などではマナーモードの設定を徹底します。 タブー(2) ⇒面談中の携帯電話使用 ○ ⇒面談中に上司に確認すべき用件でも、お客様の面前で携帯電話を使 用することは厳禁です。緊急の場合は、廊下に出るなどの配慮が必 要です。 タブー(3) ⇒社用の携帯電話の置き忘れ ○ ⇒タクシーや飲み屋のカウンター等に置き忘れないよう、注意が必要 です。登録してある電話番号や保存したメールから情報が漏れてし まったら一大事です。

来客対応の基本手順とポイント

6.1 「商談中の質問に答えられない場合は」

商談中の質問に自分では答えられない場合もあります。このような場合は、決し て憶測で回答したり、自分勝手な判断で回答したりしてはいけません。 「申し訳ございません。○○に関しては、社に戻り、確認の上、回答させていた だきたいと存じますが、よろしいでしょうか」と後日回答の許可を得ます。 特に、自分の権限を越える事柄に関しては、上司に指示を仰ぐ必要があります。 自分勝手な判断で自分の会社にも相手の会社にも迷惑をかけないよう、自分の立 場を踏まえることが肝要です。 質問を社に持ち帰ったら、内容に応じて自分で調べる、担当の部署に問い合わせ る、上司に相談し指示を仰ぐ、のいずれかの方法を取りましょう。

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6.2 「名刺をしまうタイミングは」

名刺交換でいただいた名刺は、面談中は机の上に置いておくのがマナーです。で は、どんなタイミングでしまえばいいでしょうか? 名刺をしまうということは、面談をそろそろ終了しましょうという合図になりま す。面談の途中で、名刺をしまう動作をすると、相手に「面談を早く切り上げた いのだ」と判断されてしまうことになりかねません。 従って、面談が終わりに近づいたら、話の切れ目に「しまわせていただきます」 とお断りし、名刺入れに丁寧に入れると良いでしょう。 また、資料等をテーブルに広げるときは、 相手さまの分身である名刺を床に落としたら大変失礼なことになりますので、お 断りを入れてしまうようにしましょう。

6.3 まとめ

「ビジネスマナー応対編」では、電話応対のマナーや応接・訪問のマ

ナーを学習しましたが、今まで何気なくやっていたことが実は失礼に

当たっていた、

「そうすればいいんだ!」などと、あらためて気付くこ

とがたくさんあったことと思います。

不慣れなうちは、電話に出るのも取引先に訪問するのも、戸惑うこと

ばかりかもしれません。頭で理解できたことが行動を通して実践でき

るようになるには現場での経験が必要です。最初は誰もが新人で、初

めから上手にできる人はいません。

まずは、手順・ルールに従って、正確に感じ良く応対できるようにな

ることです。そして、好感度ある応対が身についたら、次は状況判断

と機転を利かせた応対ができるようにチャレンジしてみましょう。応

対のキーワード、

「目が利く・気が利く・身体が利く」をお忘れな

く!!!

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35

ビジネスメール編

ビジネスメールの特徴

1.1 ビジネスメール

近年、IT 化によりビジネスシーンは大きく変化しています。 コミュニケーションツールもこれまでの電話に取って代わって、今やメールがそ の中心となっています。 メールには、電話と比べるとさまざまな利点がありますが、その特性を理解して いないと、誤解を招いたり、トラブルを引き起こしたりすることがあります。例 えば、打ち合わせの時間を1時間遅らせてほしい、という連絡をメールで送った とします。当日行ってみたところ、相手がメールを読んでおらず、結果として1 時間も待たせるようなことがあっては、あなたの常識が疑われてしまいます。 ビジネスメールはプライベートで使用する携帯メールとは異なります。その違い をしっかり踏まえ、ビジネスメールの正しい使い方を学んでいきましょう。

1.2 電子メールの特徴

電子メールは、コミュニケーションツールとして5つの特徴を持っています。 (1)場所や時間に制約されない (2)受信メール内容の編集・加工が可能 (3)同じ内容のメールを複数の人に同時に送信できる (4)記録として残すことができる (5)ファイルを送受信できる これらの特徴はメールの利点といえますが、場合によっては誤解やトラブルの原 因ともなります。次のページから、メールの利点と使用する際の注意点について 学んでいきましょう。

注 意

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1.3 特徴1:場所や時間に制約されない

電子メールは場所や時間に制約されないという特徴を持っています。 電話の場合、お互いのタイミングが合わないと、なかなかコミュニケーションが 取れません。 しかしメールの場合、用件を送っておけば相手の都合の良いときに確認してもら えるので便利です。 とはいえ、注意すべき点もあります。 こちらがメールをすぐに返してほしいと思っていても、相手がすぐにメールを見 るとは限りません。 返信が2日後や3日後になる可能性もあるので、至急の用件の場合は、メール以 外のビジネスツールを用いるようにしましょう。

1.4 特徴2:受信メール内容の編集・加工が可能

電子メールは受信メール内容の編集・加工が可能という特徴を持っています。 紙の文書やFAX の場合、文書を修正したくても簡単に直せませんし、相手先の 文書と同じフォーマットを用意しようとすると、手間が掛かってしまいます。 その点、メールなら修正や加工が簡単にでき、また、相手の文書のフォーマット に合わせて文書を作成することも容易になります。 しかし、簡単に編集・加工できるということは、改ざんも簡単にできてしまうと いうことです。 パソコンの画面に表示される文書に社印を押すわけにはいきません。 重要な書類は正式な文書として封書で送るようにしましょう。

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1.5 特徴3:同じメールを複数の人に送信できる

電子メールは同じ内容のメールを複数の人に同時に送信できるという特徴を持 っています。 メールを活用すると、何人にも電話する手間とコストが省けるため、とても便利 です。しかし、複数の相手にメールを送信する際には注意しなければならないこ とがあります。 詳しくは3章の「あて先に気を付ける」で学びますが、メールのあて先には「To」 「Cc」「Bcc」の3種類があり、「To」と「Cc」を使った場合、メールの受信者に、 自分以外の誰に同じメールが届いたのか、知られてしまいます。 同じ依頼を複数の相手に出すなどの場合、トラブルのもとになりかねません。 複数の相手に同じ内容のメールを送る際には、あて先の設定に注意しましょう。

1.6 特徴4:記録として残すことができる

電子メールは記録として残すことができるという特徴を持っています。 やり取りしたメールはすべて保存しておくことができます。 聞き間違いを避けられるのでとても便利ですが、やはり、ビジネスメールは簡潔 な文章で表現するよう注意しましょう。 メールの場合、自分の送信した文章が相手先にそのまま保存されてしまいます。 先方は、そのメールを読み返して案件の内容や、打ち合わせの日時・場所などを 確認するでしょう。 会話と違って、文字は一方通行のコミュニケーションです。誤解を招くような表 現があれば、お互いの認識が異なったまま、話が進んでしまうかもしれませんの で、簡潔な表現を心掛けてください。

参照

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