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ポンスレの定理

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Academic year: 2021

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(1)

ポンスレの定理

有本彰雄 東京都市大学 平成22 年 11 月 4 日 1. Equation Section 1定理 定義1. 角形n Pとは、平面上にあるn個の点の順序列 (p p0, , ,1pn-1)のことである。各pkP の頂点と呼ばれる。記号法を簡単にするため便宜的にpn = p0とする。また、線分p pi i+1, をPの辺と呼ぶ。 0,1,2, , 1 i= n -定義2.すべての頂点pkが曲線Cの上にあるとき、Pは曲線Cに内接しているという。 定義3.すべての線分p pi i+1 i =0,1,2, , n-1が曲線Cの接線となっているとき、Pは曲線Cに外接して いるという。 ポンスレの定理 0, 1 E E は平面上にある2つの楕円(曲線)で、E1E0をその内部に完全に含んでいるとする。 いまもし、 角形 がn P E1に内接し、E0に外接しているとすると、同様な 角形が無限個ある。 n (実際は、E1の1点に対して、それを頂点とする 角形でn E1に内接し、E0に外接している ものがちょうどひとつだけ決められる。) 2. アフィン座標変換 平面座標 x y, から平面座標x y, への変換で次の関係を満たすものをアフィン座標変換と称する。 x =ax +by +p, y =cx +dy +q(ad -bc¹0). 面積ルール: アフィン座標変換により x y, が描く図形がx y, が描く図形に変換されるとき、図形が持つ面積は ad-bc 倍される。これは、ヤコビアンというもので、面積要素はdxdy = ad -bc dxdy などとなる。しかし実際は ヤコビアンは符号をもち、 は半時計まわり方向の変換、 のときは時計回りの変換に 対応する。 0 bc - > ad ad-bc <0 補題 2.1. 直線と楕円は高々2点で交わる。 証明 楕円 2 2 2 2 1 x y a +b = と直線y =cx +dがあるとする。y =cx +dを楕円の式に代入して ( )2 2 2 2 1 cx d x a b + + = なる式を得るが、これはxについての2次方程式であり、2次方程式の実解は高々2つ

(2)

しかない。▆ 補題 2.2 (x y0, 0)を 楕円 2 2 2 2 1 x y a +b = の点とするとき、(x y0, 0)をとおるこの楕円の接線は 0 0 2 2 1 0 x y x y a +b - = となる。 証明) 2 2 2 2 1 x y a +b = の外部の点(x h, )は 2 2 2 2 1 a b x h + > をみたし、内部の点(x h, )は 2 2 2 2 1 a b x h + < を満たすこと に注意する。 (1.1) ( ) 2 , 0 0 x t =x +a y t (1.2) ( ) 2 , 0 y t =y -b x t0 ) t -¥ < < ¥ とすると、(x t y t( ) ( ), ), -¥ < < ¥t は平面上で(x y0, 0 をとおる直線である。また、 ( ) ( )

(

2

) (

2 2

)

2

(

)

2 2 0 0 0 0 2 2 2 2 2 0 0 2 2 2 2 1 1 x a y t y b x t x t y t a y b x t a b a b + -+ = + = + + > であるから、 (x t y t( ) ( ), )は(x y0, 0)の一点を除いて、 2 2 2 2 1 x y a +b = の外部にある。つまり、 , は ( ) ( ) (x t y t, ) t -¥ < < ¥ 2 2 2 2 1 x y a +b = への接線である。(2.1) の両辺に 0 2 x a をかけると (1.3) 0 ( ) 20 0 0 2 2 x x x t x y t a =a + (2.2) の両辺に 0 2 y b をかけると (1.4) 0 ( ) 02 0 0 2 2 y y y t x y t b =b -を得る。(2.3),(2.4) を辺々加えると、 ( ) ( ) 0 0 2 2 1 x y x t y t a +b = が導かれる。つまりこれは 直線 0 0 2 2 1 0 x y x y a +b - = が をとおる所与楕円の接線であることを示し ている。▆ (x y0, 0) ) 円 x2 +y2 - =1 0の外部の点(r, 0 からこの円に2本の接線が引ける。

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(0, 0)、(r, 0)、(x h0, 0)を頂点とする直角三角形を考えることにより、接点(x h0, 0)は2個あり、それぞれ (x h0, 0) r 1 ( 0, 0) 1, r2 1 r r x h =æçççç - ÷ö÷÷÷ ÷ çè ø、( ) 2 0 0 1 , , r r r x h =æçççç - - ÷ö÷÷÷ ÷ çè ø 1 であることが3平方の定理による簡単な計算でわかる。 このことから、アフィン座標変換を用いて楕円を円に、直線は直線に写せることを考慮すれば楕円の外部の点から接線 を引くとき2本あることがわかる。 補題 2.3 楕円 の外部の点 よりpをとおる接線がちょうど2本引ける。 をとおる への接 線は結果として2個の接点を持つ。 E p p E 次は重要な補題 補題 2.4 楕円 E の中心をC、 を の外部の点とするとき、 をとおるX E X E への接線とP1, P2の2個の接点をとるとき、これからできる2つの三角形 (C P X, ,1 ) と(C P X, ,2 )の面積は同じである。 P1 P2 C X Eを上図のような円とすると、 の面積、 の面積が等しいことは図形の合同から明らかで ある。一般の場合は、アフィン座標変換することでわかる。つまり全体の図形が (C P X, ,1 ) (C P X, ,2 ) ad -bc 倍されるだけで、

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面積が等しいことは変わらない事実となる。▆ 3. Equation Section 3射影座標変換 3×3行列 14 25 36 , 7 8 9 a a a A a a a a a a æ ö÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç =ç ÷÷ ç ÷÷ ç ÷ çè ø detA ¹0 があるとき、 平面座標 x y, から平面座標x y, への変換で次の関係を満たすものを射影座標変換と称する。 (3.1) 1 2 7 8 3 a y a x a y a + + + + 9 a x a x = , 4 5 7 8 a x a y a y a x a y a + + = + + 6 9 このとき次の補題が成立する。 補題 3.1 (3.1)の逆は B=A-1とするとき (3.2) 1 2 7 8 b x b y b x b x b y b + + = + + 3 9 , 4 5 7 8 b x b y b y b x b y b + + = + + 6 9 である。ただし、 14 25 36 とおいた。 7 8 9 b b b B b b b b b b æ ö÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç =ç ÷÷ ç ÷÷ ç ÷ çè ø 証明)直接計算でわかる。 1( 1 2 3) 2( 4 5 6) 3( 7 8 9) 1 2 3 7 8 9 a b x b y b a b x b y b a b x b y b a x a y a b x b y b + + + + + + + + + + = + + 7( 1 2 3) 8( 4 5 6) 9( 7 8 9) 7 8 9 7 8 9 a b x b y b a b x b y b a b x b y b a x a y a b x b y b + + + + + + + + + + = + + と 14 25 36 14 25 63 7 8 9 7 8 9 1 1 x a a a b b b x x AB y a a a b b b y y a a a b b b æ ö÷ æ öæ÷ öæ ö÷ ÷ æ ö ç ÷ ç ÷ç ÷ç ÷ ç ç ÷ ç ÷ç ÷ç ÷ ç ç ÷ ç ÷ç ÷ç ÷ ç ç ÷=ç ÷ç ÷ç ÷=ç ç ÷ ç ÷ç ÷ç ÷ ç ç ÷÷ ç ÷÷ç ÷÷ç ÷÷ ç ç ÷ ç ÷ç ÷ç ÷ ç ç ç ç ç ç è ø è øè øè ø è ø1 ÷÷÷ ÷÷÷ ÷÷÷ ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷÷ ç ÷ ç において 1 2 3 1 2 3 4 5 6 7 8 9 7 8 9 * * * * * 1 1 a a a b b b x x b b b a a a b b b æ öæ÷ öæ ö÷ ÷ æ ö ç ÷ç ÷ç ÷ ç ÷ç ÷ç ÷ ç ÷ç ÷ç ÷ ç ÷ç ÷ç ÷= ç ÷ç ÷ç ÷ ç ÷÷ç ÷÷ç ÷÷ ç ÷ç ÷ç ÷ ç ç ç è øè øè ø è ø を参照すれば、 ( ) ( ) ( ( ) ( ) ( ) ) 1 1 2 3 2 4 5 6 3 7 8 9 1 2 3 7 8 9 7 1 2 3 8 4 5 6 9 7 8 9 1 a b x b y b a b x b y b a b x b y b a x a y a x a x a y a a b x b y b a b x b y b a b x b y b + + + + + + + + + + = = + + + + + + + + + + 同様に 4 5 6 7 8 9 1 a x a y a y a x a y a + + = + + を得る。▆ 座標の変換で、ポンスレの定理をつぎの場合について証明すればよいことになる。 2 2 0 : 1 E x +y - = 0 1 2 2 2 2 : x y 1 0 a b, >1 E a +b - = ,

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4. 角測度とそのほかの測度 ケプラーの第1法則は、惑星は太陽を焦点とする楕円軌道を描く。ケプラー第2法則は太陽と惑星を結ぶ 直線が同じ時間間隔では一定の面積を占める。楕円形のパイ。この考えで、n 等分する量を探せないか? 5. Equation Section 5ポンスレの定理へ と という2つの楕円があり、 は の内部にすっぽり含まれているとする。 0 E E1 E0 E1 0 qE0の任意の点とする。p0E1の点であり、そのp0をとおるE0の接線が、 を通るものとする。q0 0 q 0 p 0 E 2 q p1 1 q 1 E 図 5-1 0 p を通る接線に対して、 では2点交わるが、上の操作を時計回りの方向に継続していくように番号を つけていくと図のように、 と を結ぶ直線が 上の点 をとおるように1通りに点列がきまっていく。 1 E qi qi+1 E0 pi 0 0 1 1 2 2 qpqpqp (一番最初に を選んでいる。時計回りという条件で一意に点列がきま る)。このとき、ポンスレの定理は次のように述べられる。 0 p ポンスレの定理 E0E1という2つの楕円があり、E0E1の内部にすっぽり含まれているとする。 1 E 上のある点 に対して、上で求めた数列で、q0 qn =q0がなりたてば、任意の点q ¢0 に対して、上と 同じにとった数列においても、qn¢ = ¢q0 となる。 いいかえれば、 と という2つの楕円があり、 は の内部にすっぽり含まれているとする。 に内 接し、 に外接する多角形は、(1)(2)のいずれか一方がおきる。 0 E E1 E0 E1 E1 0 E (1)どこを出発点にしようとも、n ステップで閉じる。 (2)どこを出発しても決してn ステップでは閉じることがない。 射影座標変換で一方の楕円は円に変換され、他方は楕円のまま、そして中心を共有できるようにできる。 この特別な場合について定理を証明すれば、一般のポンスレの定理が証明できていることになる。

(6)

図 5-2 ( )

{

2 2

}

0 , 1 E = x y x +y = , 1 ( ) 2 2 2 2 , z wa b >, E z w a b ì ü ï ï ï ï =íï + = ï ï ï î þ 1 , とおく。 ( ) ( ) ( ) ( ) ( )

{

4

}

0 1 , , , , , , , , , S = x y z w Î x y ÎE z w ÎE z w をとおる直線が x y をとおる接線である とおく。言い換えれば、 (5.1) 2 2 2 2 2 2 1 z w 1 x y xz yw a b + - = + - = + - =1 0 をみたす(x y z w Î , , , ) 4をS と言ってよい。図5-2 において、(z w, ) と(z w, )は次の式で結び付けられる。 (5.2) z = +z ty, w =w-tx (z w, )と(z w, )をつなぐ線は、(x y, )に直交する。ベクトル(y x,- )はベクトル(x y, )に直交するので、 (z w, ) (- z w, )=t y x( ,- ) となる実数tがとれる。これを書きなおしたものが(5.2) である。(z w, )E1の点であるから (5.2) をz22 w22 1 a +b = に代入すると、t =0と (5.3)

(

)

(

)

2 2 2 2 2 2 / / 2 / / zy a wx b t y a x b = -+ を得る。図5-2 で (x y, )と(x y, )をつなぐ線分は、O と(z w, )を結ぶ直線と直交するので、同じ考えで (5.4) x =x +sw, y = -y sz となる sがとれるが、(x y, )がE0であるという条件から、s = 0と (5.5) ( )

(

2 2

)

2 xw yz s z w = -+ をえる。q0p0q1p1q2p2  において符号が逆向きになることを除く 次の量が保存される。 0 E 1 E (z w, ) (x y, ) (x y, ) O (z w, ) 1 E

(7)

補題5.1: (5.6) xw-yz = -(xw-yz) (5.7) zy a/ 2 -wx b/ 2 = -

(

zy a/ 2 -wx b/ 2

)

注意:(xw yz) x z y w - = はベクトル(x y, )と(z w, )がつくる平行四辺形の面積である。 証明) (5.2) 最初の式の両辺に ,2番目の式の両辺に をかける。結果を引き算すると w z

(

2 2

)

( ) 2( ) xw-yz =xw-yz +s w +z = xw-yz - xw -yz (5.7) も同様である。▆ (5.1)の微分を行列形式にかきなおすと 2 2 0 0 0 0 0 0 / / 0 0 dx x y dy z a w b dz z w x y dw æ ö÷ æ ö÷ ç ç æ ö÷ç ÷÷ ç ÷÷ ç ÷ç ÷ ç ÷ ç ÷ç ÷ ç ÷ ç ÷ç ÷ ç ÷ ç ÷ç ÷=ç ÷ ç ÷ç ÷ ç ÷ ç ÷÷ç ÷ ç ÷ ç ÷ç ÷÷ ç ÷÷ ç ç ç è øççè ÷÷ø ççè ø÷÷ とくに最初の3行をのこして、dwに関するものを右辺にもっていくと 2 2 0 0 0 0 / / x y dx z a dy w b dw z w x dz y æ ö÷æ ö÷ æ ÷ ç ÷ç ÷ ç ÷ ç ÷ç ÷ ç ÷ ç ÷ç ÷ ç ÷ ç ÷ç ÷= -ç ÷ ç ÷ç ÷ ç ÷ ç ÷÷ç ÷ ç ÷÷ ç ÷ç ÷÷ ç ÷ ç çè ø ç è ø è ö ø ( ) ( ) 1 2 2 2 2 2 2 0 1 0 0 / 0 0 x y zw a xy yz z a z a x xz z yz xw z w x a yz xw - æ ö æ ö÷ ç- - ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ = ç - ÷÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷÷ - ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ç - ÷ è ø è ø をもちいて、 ( ) ( ) 2 2 2 2 2 2 2 2 1 a xyw y z b dx a x w dy xyz dw z yz xw b dz a w yz xw b æ ö÷ ç ÷ ç- + ÷ ç ÷ ç æ ö÷ ç ÷÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ÷= - ç- - ÷ ç ÷ ç ÷÷ ç ÷÷ - ç ÷ ç ÷ ç ÷ ç ç è ø ç ÷÷÷ ç - ÷ ç ÷ ç ÷ è ø よって、

(

)

(

)

( ) ( ) 2 2 2 2 2 2 / / / / dx dy b dz a dw w xw yz z xw yz y zy a wx b x zy a wx b - -= = = - -- -を得る。

あとは、dqというinvariant な measure が存在し、これがSに向きをつけた正の1-form となり S L dq + =

ò

とおくと、q:S+R L/ を (5.8) ( ) ( ) ( ) 0 0 , , , 1,0, , , , , mod x y z w z w x y z w d L q =

ò

q とおくことによって q0p0q1p1q2p2  の1ステップで a だけ変換される。つまりn ステップで、na º 0 mod Lとなる。しかし、このことは

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出発点 に無関係である。(自励系微分方程式のように初期条件を変えても周期であることは保存す る)。

0 q

Reference

参照

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