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Practicing Corporate Governance in the firms

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(1)

企 業 にお け る コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス実 践 の

現 状 と展 望

PracticingCorporateGovernanceinthefirms

1は じ め に 今 日,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に は,企 業 不 祥 事 を 防 止 す る役 割 と,企 業 競 争 力 を 強 化 す る役 割 との,2つ の側 面 が あ る と,多 くの 研 究 者 や 実 務 家 が 主 張 して い る。 そ れ を 裏 付 け る よ うに,海 外 の,エ ン ロ ン,ワ ー ル ドコ ム や, 国 内 の,雪 印,東 京 電 力,三 菱 自動 車 な どの 一 連 の 企 業 不 祥 事 や,企 業 の 業 績 低 迷 に よ る企 業 競 争 力 強 化 の 問 題 で は,必 ず,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス が そ の 議 論 の 中 心 に の ぼ る 。 だ が,1990年 代 後 半 か ら,こ う した 傾 向 に 警 笛 を 鳴 らす 指 摘 が 出 され は じ め た 。 そ の 代 表 的 な も の は,平 田[2001c]が 「企 業 統 治 の 抑 制 機 能(企 業 不 祥 事 へ の 対 処 一 筆 者)と 促 進 機 能(企 業 競 争 力 の 強 化 一 筆 者)と に 過 大 な 期 待 を 寄 せ る こ とは,厳 に慎 ま な けれ ば な らな い1」 と の 主 張 で あ る。 こ こで は,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス とは,万 能 薬 で は な く, 正 しい 診 察 と,適 切 な 処 方 との,つ ま り具 体 的 な 行 動 計 画 と,そ の 実 行 が あ っ て こ そ,機 能 す る の で あ る とい うこ とだ と筆 者 は 理 解 す る。 一 方,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 議 論 が 深 ま る に つ れ て,1つ の ガ バ ナ ン ス 像 を 明 示 す る た め,世 界 中 の あ ら ゆ る 機 関 や 団 体 は,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 (以 下 「原 則 」 と い う)を 策 定 して い る。 こ の 原 則 は,現 在,各 国 の 上 場 規 則 と し て 採 用 され た り,企 業 法 制 度 の 枠 組 み を 形 成 す る な ど,そ の 影 響 力 を お お い に あ ら わ して い る 。 しか し,こ の よ うな 原 則 に も 大 き な 弱 点 が あ る 。 企 業 にお けるコーポレー ト・ガバナンス実践 の現 状と展望23

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た と え ば,大 部 分 の原 則 は,無 数 に存 在 す る企 業 を一 括 りに これ を適 用 し よ うとす るた め,そ の実 効 性 や 強 制 力 に限 界 が あ る こ とな どで あ る。 そ こで,冒 頭 の コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の行 動 計 画 と実 行 を,近 年,注 目 され て い る原 則 に求 めて 解 決 しよ うと した の が,小 島[2003a]で あ っ た。 こ こで は,各 企 業 の規 模,業 種 な どに あ わせ て企 業 が独 自に原 則(企 業 独 自 原 則)の 策 定 をす る こ とを提 言 した の で あ る。 これ に よ り,経 営 者 が原 則 策 定 に 関 与 しコー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス だ けで は な く,企 業 倫 理 や コ ンプ ライ ア ンス(法 令 遵 守)経 営 な どへ の意 識 の 向 上 を生 む と同 時 に,各 企 業 に 直接 的 か っ 具 体 的 な コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス構 築 の 道 筋 を 与 えて くれ る一 歩 と な っ た の で あ る。 そ こで,本 稿 で は,企 業 独 自原 則 の全 体 像 を レ ビ ュー しつ つ,1)コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス論 にお け る企 業 の原 則 を用 い た 経 営 実 践 の 有 用 性 ,2) 企 業独 自原 則 を用 い た 企 業 経 営 の 実 践 とそ の 理 論r3)世 界 中 で策 定 や 改訂 が 進 む 代 表 的 な 原 則 と企 業独 自原 則 との 関係,を 解 明す る こ とにす る。 2コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス と 企 業 独 自 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 (1)企 業 独 自 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 必 要 性 1990年 代 後 半,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る本 質 の 解 明 が 多 く の 研 究 者 に よ っ て な さ れ た 。 も ち ろ ん,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス は 多 く の 学 問 分 野 か ら ア プ ロー チ が 行 わ れ て い る た め,一 概 に 研 究 領 域 を 示 す こ と は 困 難 で あ る 。 し か し,た だ1つ 明 ら か な こ と は,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 本 質 に 関 わ る 問 題 はYつ ね に 研 究 者 の 脳 裏 に 重 要 か っ 解 決 され な け れ ば な らな い 問 題 と して 残 っ て い た 。 そ れ を 端 緒 に 示 す 例 と して は,1)コ ー ポ レー ト ・ ガ バ ナ ン ス の 目的 や 定 義 は な に か,と い う問 題 や,そ れ に付 随 す る,2)コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 具 体 的 な 方 策 は な に か,と い う問 題 が 盛 ん に 議 論 さ れ て き た 経 緯 か ら も 明 らか で あ る。 原 則 は,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 問 題 を 考 察 す る に あ た り,2つ の 特 筆 24国 際経 営論 集No.282004

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す べ き こ とが あ る 。 そ れ は,ま ず,原 則 は,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 わ りの 深 い 研 究 者,実 務 家,市 場 監 督 者,機 関 投 資 家,国 際 機 関 な ど が,多 くの 時 間 を か け て 策 定 した も の で あ る こ とで あ る。 そ の た め,コ ー ポ レー ト ・ ガ バ ナ ン ス に 関 す る 理 念 や 方 針 だ け で は な く,具 体 的 な 内 容 を 含 ん で お り, そ の 時 々 の コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 像 を 浮 き 彫 りに して くれ る 。 つ ぎ に, 原 則 は,各 国 内 の 各 団 体 や 機 関,そ れ ぞ れ の 国 の 機 関 投 資 家,各 地 域 の 国 際 機 関 な ど に よ り策 定 され て い る 。 そ の た め,企 業 の 利 害 関 係 者 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 対 す る 認 識 や 具 体 的 な 行 動 方 針 な ど を 明 示 して い る。 そ の 上 で,日 本 国 内 で 策 定 さ れ た 原 則 を ま と め,原 則 の 定 義 や 範 囲 を 明 ら か に した 小 島[2002a]や,世 界 の 原 則 を 考 察 し,21世 紀 の 原 則 策 定 の 行 方 を 指 し示 し た 小 島[2003b],さ ら に,こ れ ら か ら原 則 を 体 系 立 て て,原 則 の 策 定 さ れ て き た 系 譜 や 詳 細 な 内 容 を 明 ら か に した 小 島[2003e]か ら,筆 者 は, 上 述1)の 答 を 「所 有 と経 営 が 分 離 し て い る 企 業 に お い て,経 営 者 が,企 業 不 祥 事 へ の 対 処(コ ン プ ラ イ ア ン ス 経 営)と 企 業 競 争 力 の 強 化 と を 目的 と し な が らT企 業 に 関 わ る利 害 関 係 者 の 利 害 調 整 を 同 時 に 達 成 し よ う とす る 企 業 構 造 を い う(下 線 部 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 目的)」 とす る 。 こ れ を 裏 付 け る よ うに,近 年 の 企 業 は,経 営 に 原 則 を 用 い て,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 構 築 を 行 い,企 業 不 祥 事 を 防 止 し な が ら,企 業 競 争 力 を 高 め て い く と い うス タ イ ル を,徐 々 に 確 立 して い る。 そ れ が,2)の 答 で あ る 企 業 が 独 自 に 原 則(企 業 独 自原 則)を 策 定 し実 践 し て い く,と い うこ と な の で あ る 。 (2)企 業 独 自 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 概 要 小 島[2002a]は,「(コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス は 経 営 者 が 中 心 と な っ て 構 築 を 目指 す も の で あ る か ら)経 営 者 が 積 極 的 に 原 則 に 関 わ る こ と は,お の ず か ら各 企 業 の コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 構 築 を 推 し進 め る こ と に な る2」 と し, 企 業 独 自原 則 の 必 要 性 を は じ め て 提 案 し た 。そ して,そ の 後 の 小 島[2003a]で 企業 にお けるコwポ レー ト・ガバナンス実践 の現 状と展望25

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図1企 業 独 自 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 詳 細 内 容 虚 紹 ロ 一酔 媚 郭 麗 爵 ) 癬 緊 e 蔽 瞳 皿 熱 罧 申 % 且 堆 糖 姻 製 賦 瞳 )有 聖 嗣 に e ︻猷 贋 ㎝ 熱 罧 細 N

ε

1企 業経 営 目標 II 「 骨畳F'ρ'←卜←匠「 企 業業 緬1 に関す るi 内容 利 害 関係1 者に関 す ・ る内容 三 経 営 理 念 と企 業経 営 目標

ト1-2企 業 経 営 目標 の 詳 細 売 上 高 ・... 営 業 利 益: 株 主: 利 害 蘭 係 者, 企 業 経 営 目標 の行 動指 針

盛 晶

1-2-2行 動 指 針 の 実 施 状 況 検 証 報告 指 示 原則策 定

.

③指針の再検討/ \_'/ 1 企業経営機構改革

II-1-1各 種 委 員 会 制 度 ・旧 制 度 の 選 択 選択

II-1-2企 業 経 営 機 構 の 基 本 構 造 決 定 経 紳 難 肋 雛関,,蟻1犠 糠 緕 経営執行機関 ∬-1-3各 機 関 の 役 割 ・責 任 の 明 確 化

親 ㌦ 穫

II-2-1企 業 経 営 機 構 改 革 の 行 動 指 針

雛羅 諜 塑

醐 礪=萄 企 企 業経営 目標 など策定i報 開 宗芳針" 監 督機 関へ報 告責任 ノプライアンス計画 報 酬 ・後任 基準 ・計画 II-2-2企 業 経 営 目 標 との 調 和 pl I鯵 糖 目標

批1動艦2f轡

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㌔ ノ企 籍 営麟'『 幽'i 哉革) i行 動 規 範 ∫"2行 動 書}孟針i .__.__.一.一 一...、__._一_._一______._.__一_一._L____ 「 (出 所)筆 肴 作 成 。 26国 際 経 営 論 集No.282004

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は,「 企 業 が 独 自 に 原 則 を 策 定 し実 践 して い くべ き で あ る3」 と し て,図1の よ うに 企 業 独 自原 則 の 全 体 像 が 提 示 され た 。 図1を 簡 単 に 説 明 す る と,こ の 企 業 独 自原 則 は,「1企 業 経 営 目標 」 と 「II 企 業 経 営 機 構 改 革 」 と の2部 か ら構 成 され る 。 そ し て,そ れ ぞ れ,取 締 役 会 が 策 定 す る 「1企業 独 自原 則 の 規 範 」 と,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 を 策 定 す る 会 議 体(以 下,他 の 機 関 と 区 別 す る た め に 「会 議 体 」 と い う)が 策 定 す る 「2企業 独 自原 則 の 行 動 指 針 」 と の2つ に 分 け られ る 。 ま ず,「1企 業 経 営 目標 の1規 範 」 で は,「1-1-1経 営 理 念 と企 業 経 営 目標 」 と 「1-1-2企 業 経 営 目標 の 詳 細 」 と の2つ か ら,「H企 業 経 営 機 構 改 革 の1規 範 」 で は,「H-1-1各 種 委 員 会 制 度 ・監 査 役 制 度 の 選 択 」 「II-1-2企 業 経 営 機 構 の 基 本 構 造 決 定 」 「II-1-3各 機 関 の 役 割 ・責 任 の 明 確 化 」 の3つ か ら構 成 され る 。 ま た,「1企 業 経 営 目標 の2行 動 指 針 」 で は,「1-2-1企 業 経 営 目標 の 行 動 指 針 」 と 「1-2-2行 動 指 針 の 実 施 状 況 検 証 」 と の2つ か ら,「11企 業 経 営 機 構 改 革 の2行 動 指 針 」 で は,rH-2-1企 業 経 営 機 構 改 革 の 行 動 指 針 」 とrH-2-2企 業 経 営 目標 との 調 和 」 と の2つ か ら構 成 され る。 そ し て,2003年 に 入 っ て か ら の 企 業 経 営 か ら,こ の 企 業 独 自原 則 の 策 定 の 流 れ と,そ れ を も ち い た 企 業 経 営 の 実 践 の 道 筋 が 裏 付 け され つ つ あ る。 (3)企 業独 自 コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス原 則 の策 定 状 況 小 島[2003a]に よ る と,企 業 が 独 自に原 則 を 策 定 して 企 業 経 営 を実 践 して い く こ とが,企 業 の コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス構 築 の た め の最 善 の 方 法 で あ る と して い る。 そ して,原 則 策 定 は,① 企 業 経 営機 構 全 体 を 「企 業 不 祥 事 を 防 止 す る に は 」 「企 業 競争 力 を強 化 す る に は 」 とい う大 き な視 点 で 見 つ め な お す こ とが で き,② 経 営 者 が原 則 策 定 に積 極 的 に 関 与 す る こ とに な る た め, お のず と企 業倫 理 や モ ラル な どの 向上 を生 む こ とに な る とす る。 加 え て,原 則 が策 定 され,実 施 して い く段 階 にお い て,③ 機 関 投 資 家 や 株 主,投 資 家 な どの企 業 の利 害 関係 者 に対 して も,企 業 と して の 社 会 性 を ア ピー ル し,そ の 企業におけるコーポレート・ガバナンス実践の現状と展望27

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検 証 や 評 価 を行 っ て も ら う こ とが で き る機 会 を うむ こ と に な る の で あ る と し て い る 。 さ て,実 際 の 企 業 経 営 で は ど うで あ ろ うか 。 今 日ま で に,広 義 の 企 業 独 自 原 則 は,い くつ か の 企 業 が 策 定 し実 施 し て い る。2003年 に 入 っ て 策 定 され た 企 業 独 自原 則(広 義)を 表 した の が,表1で あ る。 こ こ で は,小 島[2003a]に よ っ て 取 り上 げ られ た,ソ ニ ー や 日産 自 動 車,ト ヨ タ 自動 車 の 各 企 業 独 自原 則 以 外 の も の を 詳 し く検 討 す る こ と に す る。 2003年4月 に 帝 人 グ ル ー プ は,『 帝 人 グ ル ー プ ・コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則(帝 人 原 則4)』 を 策 定 した 。 こ れ は,1.利 害 関 係 者 に 対 す る 社 会 貢 献, 2.企 業 の 繁 栄 と説 明 責 任,3.企 業 競 争 力 の 強 化,の3つ を 目的 と し て い る。 帝 人 原 則 は,1.意 思 決 定,監 視 ・監 督 と監 査 の 仕 組 み,の な か に,① 取 締 役 お よ び 取 締 役 会,② ア ドバ イ ザ ー とア ドバ イ ザ リー ・ボ ー ド,③ 監 査 役 及 び 監 査 役 会 を,2.コ ン プ ラ イ ア ン ス と トー タ ル ・リス ク マ ネ ジ メ ン ト,の な か に,① コ ン プ ラ イ ア ン ス,② トー タル ・ リス ク マ ネ ジ メ ン ト,を 規 定 し て い る。 そ し て,こ れ は,企 業 競 争 力 の 強 化 に 力 点 の 置 か れ た 原 則 で あ る と い う こ とが で き る 。 2003年6月 に 住 友 商 事 は}『 住 友 商 事 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則(住 友 商 事 原 則)5』 を 策 定 した 。 こ れ は,1.経 営 の 効 率 性 の 向 上,2.経 営 の 健 全 性 の 維 持,3.経 営 の 透 明 性 の 確 保,の3つ を 目的 と して い る。 住 友 商 事 原 則 は,1.取 締 役 会,2.取 締 役,3.執 行 役 員,4.ア ドバ イ ザ ー,5.会 議 体 ・ 委 員 会,6.監 査 役 会,7,監 査 役,8.情 報 開 示,を 規 定 して い る 。 そ して, こ れ は,企 業 競 争 力 の 強 化 と企 業 不 祥 事 へ の 対 処 を 同 時 に 達 成 し よ う とす る 企 業 経 営 機 構 体 制 つ く りに 力 点 の 置 か れ た 原 則 で あ る とい う こ と が で き る。 2003年5月 に ソニ ー は,『 ソニ ー グル ー プ 行 動 規 範(ソ ニ ー 原 則6)』 を策 定 し た。 これ は,1.法 令,社 内 規 則 ・方 針 の遵 守 お よび 誠 実 で 倫 理 的 な 事 業 活 動, 2.ス テ ー クホ ル ダ ー との 関係,3.多 様 性 の 理 解,4.構 造 的 利 益 相 反 の 回 避, 5.社 内 通 報,の5つ を 目 的 と して い る。 ソニ ー 原 則 は,1.基 本 原 則,2.人 権 28国 際経営論集No.282004

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表1最 近 の 企 業 独 自 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則

帝人グループ願 口

住友醇 原則

ソ ニ ー 原 則 原則策定時期 2003年4月12003年6月 2003年5月 1 1.利 害 関 係 者 に 対 す る 社 会11.経 営 の 効 率 性 の 向 上 1.法 令 、 社 内 規 則 ・方 針 の 貢 献12.経 営 の 健 全 性 の 維 持 2.企 業 の 繁 栄 と説 明 責 任{3.経 営 の 透 明 性 の 確 保 遵 守 お よび 誠 実 で倫 理 的 な 事 業活 動 原則の目的 3.企 業 競争 力 の強化i{ 2.ス テ ー ク ホ ル ダー との 関 係 3,多 様 性 の 理 解 8 4.構 造 的利 益相 反の回避 5.社 内 通 報 1.意 思 決 定 、 監 視 ・監 督 と 1.取 締 役 会 1.基 本 原 則 監査 の仕 組み 2。取 締 役 2.人 権 の 尊 重 ① 取締 役 お よび取締 役会 3.執 行 役 員 3.誠 実で公 正 な事 業活 動 ② ア ドバ イ ザ ー とア ドバ イ ザ 4.ア ドバ イ ザ ー 4.倫 理 的 行 動 リ ー ・ボ ー ド 5.会 議 体 ・委 員 会 原則の構成 ③ 監査 役及 び 監査役 会 6.監 査 役 会 2.コ ン プ ラ イ ア ン ス と トー 7.監 査 役 タル ・リ ス クマ ネ ジ メ ン ト 8.情 報 開 示 ① コ ン プ ラ イ ア ン ス ② トー タ ル ・ リス ク マ ネ ジ メ ン ト 企 業 競 争 力の 強 化 に力 点 の 置 企 業 競 争力 の強 化 と企 業 不祥 一人 一 人 の経 営活 動 に対 す る 特徴 祥 事 へ の 対処 も視野 に入 れ てかれ た 原則(副 次 的 に企 業 不 事へ の対処 を同 時 に 達成 しよ う とす る企 業 経 営機 構 体 制 つ 規 範 的 な原則 い る) く りに力 点 の置 かれ た原 則 1 1 (出所)筆 者 作 成 。 の 尊 重,3.誠 実 で 公 正 な事 業 活 動,4.倫 理 的 行 動,を 規 定 して い る。 そ して, これ は,一 人 ひ と りの経 営 活 動 に対 す る規 範 的 な 原 則 で あ る とい うこ とが で き る。 3企 業 に お け る コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 実 践 の 現 状 (1)企 業 独 自 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 概 念 と理 論 今 日ま で の 企 業 に お け る 原 則 の 実 践 は,表2の よ うに ま と め る こ と が で き る。 表2に よ る と,ま ず,1990年 代 後 半 か ら,ソ ニ ー の 『企 業 経 営 機 構 改 革 の 理 念7』,日 産 自動 車 の 『日産 リバ イ バ ル プ ラ ン(NRP8)』 やNRPの 後 継 の 『日産1809』,ト ヨ タ 自動 車 の 『2010年 グ ロ ー バ ル ビ ジ ョ ン1。』 な ど に 代 表 さ れ る よ うに,企 業 競 争 力 の 強 化 を 目的 と して 企 業 経 営 計 画 が 策 定 され は じめ た 。 そ の な か に は,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る 記 述 が 見 られ,あ く ま で も企 業 経 営 目標 を 達 成 す る た め に 必 要 最 小 限 の 企 業 経 営 機 構 改 革 を行 う と い う内 容 で あ っ た 。 っ ぎ に,2003年 か ら,本 稿 で も 取 り上 げ た 帝 人 グ ル ー プ 原 則 や 住 友 商 事 原 企 業 にお けるコーポレー ト・ガバナンス実践の現状 と展 望29

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表2企 業 独 自 コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス原 則 策定 の3段 階 第1段 階 第2段 階 第3段 階 原則策定時期 1990年 代 後 半 か ら 2003年 か ら 一 企 業競争 力 の強 化 企業 競 争力 の強化 企 業競 争 力の 強化 企業 不祥 事 への対 処 企 業不 祥事 へ の対 処 原則の目的 企 業競 争 力 の強化 を 目指 した 企 業 競 争 力 の プ ラ ン と 、 コ ー 企 業 競争 力 の 強化 と企 業不 祥 プ ラ ンの なか に コー ポ レー ト ・ ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す 事 へ の対 処 を 目的 に、企 業 経 原則の構成 ガ バ ナ ン ス が 盛 り込 ま れ る0 る記 述 が独 立 して お こな われ 営 目標 と企 業経 営 機構 改革 と る 。 の 両者 を盛 り込 んだ企 業独 自 原則 が策定 され る。 ソ ニ ー(1997) 帝 人 グル ープ な し 日産 自動 車 住 友 商事 企業の例 トヨ タ 自動 車 ソ ニ ー(2003) (出 所)筆 者 作 成 。 則,ソ ニ ー 原 則 に 代 表 され る よ うに,企 業 競 争 力 の 強 化 を 目的 と した企 業 経 営 計 画 と,企 業 不 祥 事 へ の 対 処 を 目的 と し,企 業 独 自原 則 との2っ が 策 定 さ れ は じめ た。 こ こで,今 ま で との相 違 点 で 特 筆 す べ き コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス とは,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス に 関 す る記 述 が独 立 し,原 則 とい う形 で策 定 され た こ とで あ る。 こ こま で,お お ま か に企 業独 自原 則 と して き た が,こ こで,企 業 独 自の概 念 を表 した 図2を 用 い て}企 業 独 自原 則 の範 囲 につ い て 明 らか にす る。 まず, 企 業 独 自原 則 は,狭 義 の企 業 独 自原 則 と,そ れ を含 ん だ 広 義 の企 業 独 自原 則 とか ら構 成 され る。 まず,狭 義 の 企 業独 自原 則 は,企 業 経 営 目標 と企 業 経 営 機 構 改 革 との 両者 を持 ち合 わせ た 内容 で あ る。 っ ま り,こ れ は,企 業 独 自原 則 策 定 の 第3段 階 に あ た り1筆 者 が 最 終 的 に企 業 に対 して策 定 と実 施 を 求 め て い る原 則 で あ る。 また,広 義 の企 業独 自原 則 は,コ ー ポ レー ト ・ガバ ナ ン ス構 築 に 関 して記 載 の あ る企 業 経 営 計画 や,企 業 経 営 機構 改 革 の み を定 め た 内容 で あ る。 つ ま り,こ れ は,企 業 独 自原 則 策 定 の第3段 階 の他 に,第1段 階 と第2段 階 を含 ん だ もの で あ る11。 30国 際 経 営 論 集No.282004

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図2企 業 独 自 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 概 念 図 企 業 経 営 目標 と企 業 経 営 機 構 改 革 と の 両 業 独 自原 則(第3段 階)

狭義の企業

独自の原則

コ ーポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス構 築 に 関 して 記 載 企 業 経 営 機 構 改 革 の み を 定 め た 原 則(第1段 階 、 第2段 階) (出所)著 者 作成 。 (2)企 業 独 自 コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス 原 則 の役 割 コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス の 目的 で あ る企 業 不 祥 事 へ の 対 処 と企 業 競 争 力 の 強化 とを そ れ ぞ れ 軸 に と り,企 業 独 自原 則 の全 体 像 を表 す と,図3の よ う に示 す こ とが で き る。 まず,左 下 に位 置 す る企 業 独 自原 則(広 義)は,企 業 不 祥 事 へ の対 処,企 業 競 争 力 の 強 化,と もに 弱 い 原 則 で あ る。 これ は,取 締 役 の 任 期 な ど限 定 的 な記 載 に と どめ,社 内規 定 的 な要 素 が か な りつ よい もの で あ る。 ま た,右 下 に位 置 す る企 業 独 自原 則(広 義)は,企 業 競 争 力 の強 化 を主 目的 に しつ つ, 企 業 不 祥 事 へ の対 処 を副 目的 とす る もの で あ る。 これ は,企 業 競 争 力 の 強 化 の た め に企 業 経 営機 構敢 革 や 情 報 公 開 ・IR活 動 を行 うな ど,経 営 戦 略 的 な 要 素 が つ よ い も の で あ る。 そ して,左 上 に位 置 す る タ イ プ3の 企 業 独 自原 則 (広 義)は,企 業 不 祥 事へ の 対 処 を 主 目的 に しつ つ,企 業 競 争 力 の 強 化 を副 目的 とす る もの で あ る。 これ は,過 去 の 企 業 不 祥 事 を教 訓 に 自主 的 か っ 広 範 企業におけるコーポレート・ガバナンス実践の現状と展望31

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図3企 業 独 自 コ ー ポ レ ー ト ・ガ パ ナ ン ス 原 則 の 分 類 e ぐ 冊 企業 独 自原則 2003(狭 義) ソニ ー原 則 2003 住友 原 則 2003 GM原 則 1995 ソ ニ ー 理 念 1997 日産NRP日 産180 19992000 企 業 競争 力 の 強 化 (出所)著 者作成。 な経 営 機 構 内 の 規 定 を お くこ とで企 業不 祥 事 を防 止 し,対 外 的 に は,そ の取 り組 み と成 果 をア ピー ル す る こ とで 副 次 的 な 競争 力 の 強 化 を 生 も う とす る も の で あ る。 さ らに,右 上 に位 置 す る タイ プ4の 企 業 独 自原 則(狭 義)は,企 業 不 祥 事 へ の対 処,お よび 企 業 競 争 力 の 強 化 の 両方 を主 目的 に お く もの で あ る。 これ は,こ の 両者 を両 輪 の 関係 で あ り,か つ 補 完 関係 に あ る と して位 置 づ けJ企 業 経 営 を行 っ てい く とす る もの で あ る。 そ して,筆 者 は,タ イ プ4の 企 業 独 自原 則(狭 義)を 用 い る こ とに よ り, 企 業 経 営 を行 っ て い くこ とを主 張 して い る の で あ る22。 (3)企 業 独 自 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 分 類 そ れ で は,よ り具 体 的 に 論 を進 め て い き た い 。 今 日ま で に,代 表 的 な 企 業 独 自原 則(広 義)は,GMが1995年 に 策 定 し た 『GMコ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 』,ソ ニ ー が1997年 に 策 定 し た 『企 業 経 営 機 構 改 革 の 理 念 』 と2003年 に 策 定 した 『ソニ ー ・コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 』,日 産 自動 車 が1999年 32国 際経 営論集No.282004

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図4企 業 独 自 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の イ メ ー ジ e ぐ 蹄 タ イプ3 企 業 独 自原 則 (広 義) 企 業不 祥事 へ の対処 主 目的 企 業競 争 力の 強化 副 目的 タイ プ4 企業 独 自原 則 (狭 義) 企案 不祥 事 への 対処 主 目的 企業 競争 力 の強 化 主 目的 *両 者 は両論 の関係 タ イプ1 企業 独 自原 則 (広 義) 企業 不祥 事へ の対 処 弱 い 企 業競 争 力の強 化 弱 い *取 締役 の規 定 な ど現 的 的な 原 則 タイ プ2 企 業 独 自原則 (広 義) 企 業不 祥事 へ の対 処 副 目的 企業 競争 力 の強化 主 目的 企 業 競 争 力 の 強 化 (出所)著 者 作成 。 に 策 定 し た 『日産 リバ イ バ ル プ ラ ン(NRP)』 やNRPの 後 継 で2000年 に 策 定 さ れ た 『日産180』,ト ヨ タ 自動 車 が2000年 に 策 定 した 『2010年 グ ロ ー バ ル ビ ジ ョ ン 』,帝 人 グ ル ー プ が2003年 に 策 定 した 『帝 人 グル ー プ ・コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 』,住 友 商 事 が2003年 に 策 定 した 『住 友 商 事 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 』,が あ っ た 。 これ ら を,前 出 の 図3に あ て は め る と,図4の よ うに 表 す こ とが で き る。 こ の 図4か ら は,以 下 の3つ が 明 らか と な る 。1)1990年 代 半 ば に 策 定 され た 原 則 は,企 業 不 祥 事 へ の 対 処 も企 業 競 争 力 の 強 化 を も あ ま り重 視 して お ら ず,社 内 規 定 的 な 性 質 が 強 く,タ イ プ1に 分 類 さ れ る。2)1990年 代 か ら2000 年 に 策 定 され た 企 業 独 自原 則 は,比 較 的 企 業 競 争 力 の 強 化 に 重 き が 置 か れ て お り,タ イ プ2に 分 類 さ れ る 。3)2001年 以 降 に 策 定 され た 企 業 独 自原 則 は, 企 業 不 祥 事 へ の 対 処 に 重 き が 置 か れ,タ イ プ3に 分 類 され る の で あ る 。 企 業 に お け るコ ー ポ レ ー ト・ ガ バ ナ ン ス実 践 の 現 状 と展 望33

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421世 紀 に お け る コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 策 定 の 課 題 と 展 望 (1)世 界 の コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 に よ る企 業 独 自 コー ポ レー ト ・ ガ バ ナ ン ス 原 則 の 要 請 こ こ で は,世 界 の 原 則 策 定 の 流 れ を検 討 した い 。 企 業 独 自原 則 の 策 定 に あ た っ て は,こ れ ら世 界 の 原 則 策 定 の 状 況 が 重 要 とな る。 企 業 に よ る企 業 独 自原 則 を 用 い た 経 営 の 実 践 の 源 流 は,実 は,1999年 に 経 済 協 力 開 発 機 構(OECD)か ら 出 され た 『OECDコ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 (OECD原 則)13』 ま で 遡 る こ と が で き る。これ を 論 じ る前 に,OECD原 則 が い か に 世 界 の 原 則 に 影 響 を 与 え,企 業 経 営 に も間 接 的 に 影 響 を 与 え た の か を 考 察 す る。 OECD原 則 が 策 定 され た 直 後,私 的 国 際機i関 で あ るイ ン タ ー ナ シ ョナ ル ・コー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス ・フ ォ ー ラ ム(ICGN)は,OECD原 則 を 参 考 に し て 『ICGNコ ー ポ レ...ト・ガ バ ナ ン ス 原 則(ICGN原 則14)』 を 策 定 し た 。 ま た,機

関 投 資 家 で あ るCa1PERSの 『Ca1PERSコ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則(Ca1PERS

原 則15)』 や,Hermesの 『Hermesコ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則(Hermes原

則 玉6)』,機 関 投 資 家 機 関 で あ るCIIの 『CIIコ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則

(CII原 則17)』 も ま た,OECD原 則 に 強 い 影 響 を 受 け て 策 定 され た1819。

これ ら の 原 則 は,OECD原 則 が 策 定 され た 後,1)ICGN原 則 やCa1PERS原 則 の

よ うに,OECD原 則 に 基 づ い て,そ の 補 足 的 見 解 を 述 べ る こ と に 力 点 を 置 い た

も の と,2)Hermes原 則 やCII原 則 の よ うに,OECD原 則 の 理 念 や 理 想 を 引 き 継

ぐ こ と に 力 点 を お い た も の と の,2つ に わ け られ る 。 OECD原 則 のV取 締 役 会 の 責 任 の 勧 告D(取 締 役 会 の 重 要 な 機 能)に お い て , 「6.ガ バ ナ ン ス の 実 践 の 効 果 を 監 視 し,必 要 と あ らば,変 更 す る こ と 」 と し た こ と を 皮 切 りに,OECD原 則 に 影 響 を 受 け た 上 記 の 原 則 は,企 業 に む け て 明 確 な 意 思 表 示 を しは じめ る こ とに な っ た 。 具 体 的 に は,以 下 の とお りで あ る 。 ま ず,ICGNが,原 則10に お い て,「1(コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 策 定) コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 は,企 業 が コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス を 実 行 で き る よ うに 投 資 家 等 に よ り,開 発 ・発 展 され る よ う に 努 力 す べ き で あ る20」 34国 際経 営論集No.282004

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と した こ と。 ま た,Ca1PERS原 則 の 原 則Bに お い て,「1(コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則)取 締 役 会 は,そ れ ぞ れ コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 を 持 ち, 規 則 的 に 評 価 す る べ き で あ る21」'と した こ と。 そ し て,Hermes原 則 の 行 動 規 範 に お い て,「6(企 業 の 統 合 規 範 の 遵 守)Hermesは,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 統 合 規 範 の 策 定 を 歓 迎 し,そ の 推 薦 を 企 業 に 行 う」 と した こ と。 さ ら に,CII原 則 の 見 解2に お い て,「2(取 締 役 等 の 兼 任)取 締 役 や 経 営 者 の 兼 任 に つ い て の ガ イ ドラ イ ン を 作 成 す る べ き で あ る22」 と した こ と,が あ げ られ る 。 (2)世 界 の コ ー ポ レ.___ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 再 考 これ ま で の 原 則 の 研 究 は71)1992年 の 『キ ャ ドバ リー 委 員 会 報 告 書23』 の 策 定,2)1999年 の 『OECDコ ー ポ レー・ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 』 の 策 定,の 大 き く分 け て2つ の タ ー ニ ン グ ポ イ ン トが あ っ た と考 え られ る 。 ま ず,1)1992年 の 『キ ャ ドバ リー 委 員 会 報 告 書 』 の 策 定,で は,① これ が 上 場 規 則 と して 採 用 され た こ と,② そ の 後 の グ リー ン ブ リー 委 員 会 報 告 書,ハ ンペ ル 委 員 会 報 告 書,統 合 規eの 継 続 的 な 策 定 を 推 し進 め た こ と,③ 世 界 各 国 や 機 関 投 資 家 の 原 則 策 定 の 発 端 と な りモ デ ル を 提 供 した こ と,の3つ の 功 績 が あ っ た も の と 考 え られ る 。 そ し て,キ ャ ドバ リー 卿 は,後 の 『OECDコ ー ポ レー一ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 』 の 策 定 に 関 わ る こ と に な る 。 つ ぎ に,2)1999年 の 『OECDコ._._ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 』 の 策 定,で は,① 先 進 国 の み な らず,発 展 途 上 国 を も 含 め た コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 議 論 が 巻 き 起 こ っ た こ と,②OECD原 則 を モ デ ル に して 企 業 法 制 度 や 上 場 規 則 を整 え る 国 が で て き た こ と,③ 各 国 政 府 や 国 際 機 関 が コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 非 常 に 高 い 関 心 を 寄 せ る よ うに な っ た こ と,の3っ の 功 績 が あ っ た も の と考 え られ よ う。 そ し て,筆 者 が,今 後 の コ.__..ポレー ト ・ガ バ ナ ン ス ま た は 原 則 研 究 に お い て も,重 大 な 関 心 を 寄 せ て い る の が,3)2004年 に 策 定 さ れ た 『改 訂 版OECD 企業 にお けるコーポレー ト・ガバナンス実践 の…現状と展望35

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コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 』 で あ る。 こ の 『改 訂 版OECDコ ー ポ レ:_^ト ・ ガ バ ナ ン ス 原 則 』 が 策 定 され た こ と は,21世 紀 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス を 考 察 す る た め に,多 くの 示 唆 を 与 え て くれ る。 しか し,そ の 策 定 の 前 に, 原 則 に 関 す る重 要 な 動 き が あ っ た こ と を 忘 れ て は い け な い 。 そ れ は,OECDの 支 援 を 受 け,グ ロ ー バ ル ・コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス ・フ ォ ー ラ ム と世 界 銀 行 が 中 心 とな っ て 実 施 した コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 円 卓 会 議 で あ る。 (3)企 業 独 自 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 発 展 ア ジ ア に 限 っ て こ の 動 き を み て い く と,ア ジ ア 円 卓 会 議 は,過 去 に5回 実 施 され て い る 。 な か で も,2003年3月26日 か ら28日 に ク ア ラ ル ン プ ー ル で 開 催 され た 円卓 会 議 で は,ア ジ ア13力 国 か ら28人 の 監 督 機 関 に 所 属 す る者 や, 政 策 担 当 者,専 門 家,経 営 者 な ど35人 が 参 加 した 。 そ し て,そ の 主 要 な 目 的 は,『 ア ジ ア ・コ ー ポ レ:"^ト ・ガ バ ナ ン ス 白 書(ア ジ ア 白 書24)』 を ま と め る こ と だ っ た の で あ る。 こ の ア ジ ア 白書 は,OECD原 則 を 概 念 的 枠 組 と し て お り,こ れ ま で の 進 捗 状 況 を 解 説 し,残 され た 課 題 を 特 定 す る と と も に,政 策 立 案 者 や 技 術 支 援 供 与 者 の 指 針 と な る 具 体 的 な 提 言 を 行 っ て い る も の で あ る。 筆 者 は,ア ジ ア 白書 が,今 後 必 ず 注 目 を 集 め る と確 信 して い る 。 こ の 白 書 は,以 下 の4つ の 要 点 に ま と め る こ とが で き よ う。 第1に,白 書 は,国 際 的 な 会 計 ・監 査 基 準 へ の 収 敏,少 数 株 主 の 保 護 の 強 化,法 ・規 制 の 実 施 と執 行 の 強 化,銀 行 の ガ バ ナ ン ス の 改 善 な ど を 提 言 して い る。 第2に,ア ジ ア の 政 策 担 当 者,規 制 当 局,ビ ジ ネ ス ・ リー ダ ー,専 門 家 に よ り作 成 され,1999年 か ら2003年 ま で の 間 に 開 催 され た ア ジ ア 円 卓 会 議 に お け る 議 論 とそ こ で 示 さ れ た 提 言 が 盛 り込 ま れ て い る 。 第3に,OECD原 則 を べ 一 ス と し て,ア ジ ア 地 域 の 法 的 ・文 化 的 ・経 済 的 な 多 様 性 を 考 慮 に 入 れ つ っ,ア ジ ア のOECD非 加 盟 国 に 焦 点 を 絞 っ た 提 言 を 提 示 し て い る 。 第4に,ア ジ ア 経 済 の 基 幹 で も あ る 家 族 経 営 企 業 に 関 連 す る 問 題 に つ い て も検 討 を 加 え て い る25。 36国 際経 営論集No.282004

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特 に,ア ジア 白書 は,企 業 独 自原 則 に 関 わ る 内容 を含 ん で い る こ とに も注 目す るべ きで あ る。 そ れ は,改 革 課 題 の 課題4に お い て,「 取 締 役 会 は,経 営 戦 略 計 画策 定,内 部 統 制 体制 の 監 視,経 営者 ・支 配 株 主や そ の他 の イ ンサ イ ダ ー が 関 与 す る 取 引 に つ い て の独 立 の審 査 に よ り主 体 的 に 参 画 す べ き で あ る26」と した こ とで あ る。 そ して,こ こで は,「 取 締 役 会 に対 す る批判 は,理 論 的 な 面 で はな く実践 的 な 面 に集 中 して い る。 ア ジ ア の多 くの 国 ・地域 で は, 取 締 役 の公 的 な行 動 規 範 につ い て先 進 国 制 度 の最 も進 ん だ ル ール を取 り入 れ て い る。 しか し,そ れ で も,ア ジ アや そ の 他 どの 地 域 で も問題 は解 決 して い な い27」 と指 摘 して い る。 そ こ で,白 書 は,具 体 的 な3つ の 解 決 策 の な か の 1っ で,自 主 的行 動 規 範 の策 定 と実 践 を求 め て い る の で あ る。 5お わ り に こ うして研 究 を続 け て い る間 に も,企 業 が 企 業 独 自原 則(広 義)を 策 定 し との 報 が 入 っ て くる。 そ の た め,企 業 経 営 の 原 則 を用 い た 実 践 状 況 を,注 意 深 く検 討 して い く必 要 が あ る。 ま た,コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 自体 の研 究 や 実 践 も21世 紀 に は い り,ま す ます 活 発 化 して い る。 特 に コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス は,経 営 学 の分 野 だ け で は な く,経 済 学,法 学,財 務 論,会 計 学 な ど,幅 広 い 分 野 で研 究 が行 わ れ て い る学 問 で あ るた め,今 後 も継 続 して 研 究 を深 め て い く こ とを決 意 しな けれ ば な らない 。 それ と と もに,世 界 的 に原 則 策 定 の 勢 い は と どま る こ とを し らない 。 そ し て,こ の よ うに原 則 が 策 定 され て い る の は,1)コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る議 論 や 研 究,実 践 が継 続 的 に行 わ れ て い る こ と,2)原 則 が 策 定 さ れ る こ と に よ り,法 制 度 や 企 業 経 営 に少 な か らず 影 響 を与 え る こ と,の2点 が裏 付 け と して あ る とい っ て も過 言 で は な い。 そ の うえ で,こ れ か らの原 則 策 定 が,国 際 機 関 な どに よ る全 世 界 的 な原 則 を策 定 して い く潮 流 と,企 業 に よ る原 則 を独 自 に策 定 して い く潮 流 との,2つ に分 か れ て い くこ とに な る と考 えて い る。 そ の た め原 則 に 関 す る研 究 は,1) 企業におけるコーポレート・ガバナンス実践の現状と展望37

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そ れ ぞ れ の原 則 が 策 定 され た背 景,原 則 の 内容,そ の影 響 力 とい っ た原 則 自 体 の研 究,2)原 則 が どの よ うに して企 業 経 営 に影 響 力 を あ た え,ま た は 企 業 が独 自 に策 定 した原 則 が 実 践 され て い くべ き か とい っ た原 則 と企 業 の研 究, の2つ を常 に念 頭 にお い て 進 め て い く必 要 が あ る。

1平 田[2001c]p .90 2小 島[2002a]pp .45 3小 島[2003a] 4http://www .teijin.co.jp/Japanese/about/activities/ shttp://www .sumitomocorp.co.jp/company/governance/index.shtml shttp://www .sonysonpo.co.jp/pdf/ideagroup.pdf 7西 村[1998] 8http://www .nissan-global.com/GCC/NRP/NEWS/news-j.htm1な お,NRPの 詳 細 に 関 し て は,http://www.nlssan-global.com/Jp/IR/0,1294,SI9-LO4-MC78-IFN-CH86 ,00. htmlを 参 照 の こ と 。 9http://www .nissanuglobal.com/JP/STORY/0,1299,SI9-CH177-LO4-TI591-CI472-IFY-MCIO9,00.htmlな お,NRPと 日 産180の 進 捗 状 況 や 達 成 状 況 に つ い て は,http://WWW . nissan-global.com/Jp/IR/0,1294,SI9-LO4-MC78-IFN-CH86,00.htm1を 参 照 の こ と 。 1。http://www .toyota.co.jp/IRweb _j/invest_re1/pr/index.htm1な お,ト ヨ タ 自 動 車 は,取 締 役 数 の ス リ ム 化,常 務 役 員(非 取 締 役)の 新 設 な ど を 織 り 込 ん だ 新 た な 経 営 制 度 を 策 定 し,2003年6,月 の 株 主 総 会 を 経 て 導 入 し た 。 こ の 経 営 制 度 は,グ ロ ー バ ル レ ベ ル で の 企 業 間 競 争 が 激 化 す る 中 で ,『2010年 グ ロ ー バ ル ビ ジ ョ ン 』 の 達 成 に 向 け,事 業 の 競 争 力 強 化 を 図 る た め に 策 定 し た も の で あ る 。 n本 稿 で は ,便 宜 上,企 業 独 自 原 則 策 定 の 第1・ 第2段 階 を 広 義 の 企 業 独 自 原 則,企 業 独 自 原 則 の 第3段 階 を 狭 義 の 企 業 独 自 原 則 と し た い 。 童2本 稿 に お い て ,「 企 業 独 自 原 則 」 と し た 場 合,特 に 指 定 が な い か ぎ り,狭 義 の 企 業 独 自 原 則 を 指 す 。 130ECD[1999] MICGN[1999] 15Ca1PERS[1999] E6Hermes[2001] 38国 際 経 営 論 集No.282004

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17 18 9 ハU ー ウ 一 3 4 且 ウ ﹁ ウ ● 2 2 2 25 26 z7 CII[2001] そ れ ゆ え,OECD原 則 は,非 拘 束 性,参 照 可 能 性 の2つ を 持 ち 合 わ せ た も っ と も 世 界 標 準 に 近 い 原 則 で あ る と の 評 価 が 高 い の で あ る 。 小 島[2003b]を 参 照 の こ と 。 ICGN[1999] CalPERS[1999] calCzoox] CadburyReport[1992] http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/corporategovern_pdf/ 20030610whitepaper_asia.pdf http://www.oecdtokyo.org/theme/corporategovern/2003/20030610w hitepaper_asia.html http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/corporategovern_pdf/ 20030610whitepaper_asia.pdf http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/corporategovern_pdf/ 20030610whitepaper_asia.pdf

参考文献

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