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損害保険ジャパン日本興亜株式会社 海上保険金サービス室 篠原 夏雄(JIFFA法務委員)

第3部:重量に起因するコンテナ事故例と

賠償責任保険

JIFFA国際海上コンテナ総重量の確定方法説明会

2016年5月12日 1

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事例1 過重コンテナ落下事故

【輸送】日本→アジア 【貨物】中古機械部品 【損害】破損 【会員A社(NVOCC)のB/L責任区間】積地CY/揚地CY 【事故概要】積地CYでガントリークレーンにより本船へ積込み中、コンテナ2本を吊り上げたところ で”over load”が表示され、コンテナ2本が抜け落ち、輸送してきたトレーラのシャーシ上に落下した。 コンテナ2本中1本が大破し、シャーシにも軽微な損傷が発生した。 【事故原因】クレーンの定格過重は50MT(20フィートダブルの場合は48MT)であるが、荷役会社は20 フィートコンテナの場合は、コンテナ搬入票に記載されたコンテナ総重量によりシングル/ダブル吊 りのどちらか決定していた。コンテナ搬入票による重量は各々約23MTと約24MT、合計で48MT以下 であったためダブル吊りを行った。しかし、事故後の看貫計量によると、各々約30MTおよび約33MT であったため、申告された重量と15MT以上の荷重差があり、クレーンの載荷限度を超えていた。 【対応およびポイント】サーベヤーを手配し、事実確認を調査。貨物はコンテナ内で荷崩れし、大きく 破損していたが、荷送人が過重な積み付けであることを認めて貨物を引き取り、A社に賠償請求は なかった。 船会社からコンテナおよびシャーシの損害についてA社に誓約書と内払の支払いを求められたが、 荷送人が直接、賠償した。コンテナ落下の原因が積み付けの問題なのか、荷扱いの問題なのか不 明な段階で安易に責任を認めないこと。また、過重が事故原因として明らかな場合は荷送人に責任 をとらせること。 損害保険ジャパン日本興亜 1 2

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事例2 コンテナ横転事故

【輸送】日本→欧州 【貨物】精密機械 【損害】横転 【会員B社(NVOCC)のB/L責任区間】DOOR/DOOR 【事故概要】B社の下請であるC運送が輸出貨物を積載した20フィートコンテナ(貨物総重量約 22MT)をトレーラで輸出港CYへ陸上輸送中、交差点を左折後、直進走行に入る直前で、コンテナ がシャーシから落下し、路肩上に落下・横転し大破した。貨物は全体に大きく衝撃を受けて各部が 変形しており、全損となった。荷主は貨物保険を適用したが、貨物保険会社がB社へ支払保険金 約6,000万円を代位求償してきた。 【事故原因】トレーラの運転手が日々の業務で通り慣れた道路で気が緩んでスピードを出し過ぎた と証言しており、運転ミス(カーブにもかかわらず過度の速度で走行した)が直接的な原因である。 なお、貨物(木箱梱包)の重心がコンテナの中心軸より数十センチずれていたことから、これもコン テナの落下を誘因した可能性もある(因果関係の有無は最終的に不明)。 【対応およびポイント】B社はB/L上のパッケージ・リミテーションを主張、交渉の上、最終的に貨物 総重量に対する責任限度額(約790万円)で示談解決した。 荷送人からできるだけ詳細なコンテナ内貨物の品目・重量・積付情報等を入手し、トラック事業者 へ伝達すること。 損害保険ジャパン日本興亜 2 3

(4)

<参考>

海上国際コンテナ陸送中の横転リスク

3 1.トレーラの運転特性 セミトレーラ型の車両はトラクタとトレーラのブレーキ制動のタイミングのずれが原因に より制御が不能になる危険性があるため高い運転技量が必要。 損害保険ジャパン日本興亜 進行方向 進行方向 (1)ジャックナイフ現象 トラクタ部とトレーラ部の連結点で「く」の字型に折れ曲がる現象。制動時、トラクタ後輪が ロック状態の時に発生する。 (2) トレーラ・スイング現象 トレーラ後部が、カーブ外側に流れる現象。制動時、トレーラ後輪がロック状態の時に発 生しやすい。 4

(5)

(1)カーブを曲がる際の速度超過や路面状態、視界の変化(勾配、雨による濡れ、 夜間等)。 (2)「過積載」、「偏荷重」、「高重心」では、車体を横転させようとする遠心力が強く 作用し、熟練した運転手が制限速度内で走行しても横転しやすくなる。 (3)トレーラ前後左右にあるロックピンを走行前の点検で完全にロックしたことを 確認していないと車体の傾きによりコンテナが容易に脱落する要因となる。 進行方向 (3)ブラウアウト現象 トレーラ側が制御を失い、トレーラとトラクタが一直線になってカーブから外れる現象。 兆候が出たら、ブレーキを解除し、ハンドル操作で修正する。

海上国際コンテナ陸送中の横転リスク-2

<参考> 2.トレーラ横転の原因 損害保険ジャパン日本興亜 4 5

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賠償責任保険について

5 1.保険金のお支払いの対象となる主な損害 (1)貨物の滅失・損傷等に関して、荷主に対し法律上又は運送契約上負うべき賠償責任 損害保険ジャパン日本興亜 <事故の事例> FCLコンテナ詰め貨物を本船に積み込み作業中、作業員のミスによりコンテナが大きく 傾き、コンテナ内部で貨物が移動して貨物に荷崩れ損害が発生したため、荷主に対す る賠償責任を負った。 (2)第三者の身体・財物に対する不法行為上の賠償責任 <事故の事例> 積地CYにおいてFCLコンテナをガントリークレーンで吊り上げ作業中、コンテナがク レーンより落下し、ターミナル作業員が負傷した。船社が賠償後、事故原因はコンテナ の過重として賠償請求を受けた。 ◆賠償責任保険のお引受内容は保険会社により異なります。 6

(7)

6

賠償責任保険について

(4)受荷主の倒産・行方不明により貨物が引渡せなかった結果、被保険者が最終的に 負担を余儀なくされた当該貨物の保管料・積戻運賃 (L/C決済の場合を除きます。) (3)MT B/L・WAYBILL・FCRの誤記等、被保険者の誤謬、脱漏に関して、荷主 または正当なB/L 所有者に対し法律上又は運送契約上負うべき賠償責任 損害保険ジャパン日本興亜 <事故の事例> 荷送人より輸出貨物の複合一貫輸送の申込みを受けたが、担当者が最終配達地を A地とすべきところ、誤ってB地としてB/Lを発行した。このため、荷主に貨物をB地かA地に転送する追加運賃を発生させた。 <事故の事例> 輸出貨物の受荷主が倒産したため、引き取りに現れず、コンテナが長期間、揚地CYに 放置された状態となった。船社からコンテナの保管料を支払うよう費用請求を受けた。 ◆上記に加え、保険会社の事前了解により以下も対象となります。 ◇調査費用、訴訟・弁護士費用、および損害防止軽減費用 ◇誤配の場合の継送費用損傷貨物の廃棄費用 ◇検疫・くん蒸費用 ◇共同海損・救助費用 (荷主から回収できなかった場合のみ対象となります。) 7

(8)

7

賠償責任保険について

2.お支払限度額・自己負担額(参考例)

お支払限度額

(1事故/年間)

自己負担額

(1事故あたり)

B/Lの誤記等により、法律上又は運送契

約上負担すべき賠償責任

1000万円 / 1000万円

  10万円

受荷主の倒産・行方不明によりJIFFA会

員が負担を余儀なくされた保管料・積戻

費用

500万円 / 500万円

損害額の50%

上記以外の賠償責任(貨物の滅失・損

傷、第三者の身体財物)

◆パターン1 5000万円 / 1億円

◆パターン2 1億円 / 2億円

◆パターン3 3億円 / 5億円

1.貨物の滅失・損傷について

  ◆冷凍・冷蔵およびタンク入貨物:10万円

  ◆その他貨物           : 5万円

2.第三者への賠償責任

 (身体・財物) :10万円

損害保険ジャパン日本興亜 8

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3.お支払いの対象とならない主なもの ◆被保険者およびその使用人の故意および重過失 ◆金塊・宝石・貴金属・貨紙幣類・有価証券類に対する賠償責任 ◆被保険者の使用人の生命・身体傷害に対する賠償責任 ◆官憲により課せられた罰金、懲罰的賠償責任 ◆汚染損害に起因する賠償責任 ◆被保険者の倒産に起因する賠償責任 ◆テロリスト又は政治的動機から行動する者によって生じた身体・財物の損害又は費用 ◆船舶・航空機・鉄道・自動車の所有・管理に起因する賠償責任 ◆コンテナ等、被保険者が所有・リース・使用する機器・資材の損害 (船社所有のコンテナは対象)。 ◆原子核分裂及び・もしくは原子核融合又はその同種の反応又は放射能もしくは放射 能物質 を利用した一切の兵器の使用 ◆密輸等違法商取引に起因する賠償責任 ◆被保険者の管理するコンピューター類の日付データ処理等に起因する賠償責任 など

賠償責任保険について

8 損害保険ジャパン日本興亜 9

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荷主等のクレーマントに対して保険会社が示談代行することは、いわゆる非弁行 為として法律で禁止(弁護士法72条)されておりできかねますのでご了承ください。 保険会社は事故に関して豊富なノウハウがあり、解決に向けてどのように進める か、交渉の過程でご相談が可能です。 <示談代行について>

賠償責任保険について

9 4.保険加入のメリット (1)事故対応について保険会社に相談できる。 (2)実運送人に事故対応を任せると荷主とトラブルが発生するリスクがある。 (3)NVOCCは船主責任制限法による船主等に該当しないため、保険加入により 本船沈没等の重大事故、巨額事故の賠償責任に関わる経営リスクを軽減できる。 損害保険ジャパン日本興亜 (A ) (B) (C ) 荷主 NVOCC 実運送人 貨物損害額総額=(A) + (B) +(C) 運送責任額上限=(B) + (C) 船主責任制限額=(C) (船舶の大きさにより上限額を設定) (B) (C ) (C ) 10

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賠償責任保険について

10 5.保険料 賠償責任保険は通常、年間契約です。 保険料は保険会社の引き受け基準により、主な取り扱い貨物、輸送ルート、 年間輸送量、過去にあった事故の内容等をお聴きした上で算出するのが 一般的です。 詳細につきましては、各保険会社ないし保険会社代理店へお問い合わせ下さ い。 損害保険ジャパン日本興亜 11

参照

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