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市場集中度の「構造的」安定性と変動
要因:展望と若干の計量分析*
明 石 芳 彦
1 は じ め に 伝統的な産業組織論では,特定の市場集中度の下でいかなる経済的パフォー マンスが達成されるかを調べるという分析アプローチをとる。だが,市場集中 度という市場の構造変数は,はたして,常に「構造的」性格を保っているので あろうか。すなわち,市場集中度はどれほどの期間にわたり「構造的」に「安 定性」があり,また仮に市場集中度が変化するとすれば,いかなるタイムスパ ンにおいて変化し,また何が集中度を変動させる要因となるのか。言い換える と,市場もしくは産業組織を動学的に捉えようとする場合,どのような変数に 着目して,そこでの動的変動パターンをいかに説明できるのか。さらに,集中 度の変動パターンはいかに決定されるのか。小稿では特に市場集中度と市場成 長率の関係を中心に市場集中度(もしくは市場構造)の変化のメカニズムを探っ てみる。 皿 集中度の構造的安定性 ある時点の集中度は,どの程度の期間にわたり構造変数としての安定性を示 * 小稿で使用されたデータベースは神戸大学経済学部新庄浩二先生が作成されたもの である。小生の内地研究期間中にその使用を快諾された新庄先生に,心から感謝する。 なお,計算は藤川清史氏(摂南大学)に委託した。 1) 「構造的」の意味は,マハループ(1967)も言うように曖昧な概念であるが,ここ ではペイン==ケイブス流の用語法に従い,「一定期聞にわたり安定的」という程度の 意味を指す。ベィン(1968、chap・5,6,1970a),ケィブス(1967, chap. 2)参照。54 彦根論叢 第249号 すであろうか。この点に関連して,1971∼80年にわたる「成長区分別集中度 の推移」,(N』327>が妹尾(1983,P443)に掲載されている。単純平均H(H は集中度のハーフィンダール指数)では,超高成長品目(N=25)と高成長品目 (N= 36)の∬が高位ながら徐々に低下していく様子がうかがえる。安定成長 品目(N=51)についても同様の傾向が観察される。他方,低成長品目(N一= 121)はほぼ横ばいである。そして,停滞品目(N=58)は徐々に上昇し,衰 退品目(2>『=36)になると一挙に上昇する傾向が読み取れる。これらの結果は, 71年と80年という10年間について,概ね高い成長分野ほどllでみた市場集中 度は低下する傾向があり,他方,成長率の鈍った分野ほど集中度が上昇に転ず る傾向があることを示している。すなわち,個別市場における成長率水準の相 違により,市場集中度の「構造的な」変動のパターンを示唆するのである。市 場集中度の構造的安定性を検討する期間についても,7∼10年程度のタ、イムス パンをとれば個別市場ごとの、「構造的変動パターン」をある程度は摘出するこ 3) とができると思われる。 集中度データに,公正取引委員会の年次別上位3社累積集中度C,及びハー フィンダール指数Hを用い,1967年から80年に至る異時点間の集中度指標の 相関係数を示したものが表1である。67年のC,H一と.それ以降のC, Hとの 相関係数は,概ね時間の推移とともに低下する(77,78年を除く)。しかし,13 年後のC,Hとの係数でさえも.868,.843という高水準の相関係数である。 したがって,少なくともこの14年間の分析期間ではC,Hは構造的に安定性 ね が高いだろうと予想される。 2)そうした特徴は加重平均Hについても概ね同様であるが,低成長品目が低下傾向 に変わり,停滞品目の上昇傾向が顕著とは言えなくなる点が違いである。 3) どれほどの分析期間をとれば集中度が構造的に変動するかは,市場における競争状 態の分析に決定的に重要である。明石(1987a)参照。なお,明石(1987b)の後, 経済調査研究会(1987)P・196(新飯田・後藤・南部編(1987)P.153)に1973∼84 年についての「ffの成長率区分別集中度の推移」を得た。そこでは,妹尾(1983) p.143の表と比較して,各成長品目毎のHの変化がより緩やかなパターンに描かれ ている。それは,分析のタイムスパンを7∼10年程度に取ることの妥当性を2一一・’nc支持 すると思われる。 4)1968年の集中度C68とそれ以降の集中度との相関係数も, C67の場合と類似したパ ターンだったので,掲載は控えた。Hについても同様。
市場集中度の「構造的」安定性と変動要因:展望と若干の計量分析 55 表1 市場集中度相互間の相関係数 (N≦150) 1 C6s C6g C70 C71 C72 C73 C74 C7s C76 C77 C7s C79 C80 C67 .989 .979 .963 .939 .923 .919 .901 .888 .883 .891 .886 .872 .868 ff6s H6g H70 H7i H72 H73 H74 H7s ff76 H77 H?s H7g ffso H67 .985 .958 .947 .927 .915 .906 .886 .858 .855 .870 .859 .847 .843 このように,以下での計量的検討においても,分析期間は1967年から80年 までの14年聞である。この14年聞を67年から73年と74年から80年までの2つの 期間に区分して,前半,後半の7年ごとの分析も併せて実施する。以下では添 字0,1,2により,それぞれ67∼80年,67∼73年,74∼80年の対象期間を表す。 また,添字67,73,74,80はそれぞれの単年次の変数であることを表す。サン プル数は変数の組み合わせにより異なるが,最大150(データの出所は『工業統計 表』産業編)である。 5) 次いで,集中度とその変動係数の相関関係が表2に示されている。表2より Cについて,67∼80年において両者の相関係数は一.355(1%水準で有意)とな り,上位3社累積集中度が高いほどその変動係数も小さく,その傾向は67∼73 表2 集中度とその変動係数の相関関係 Co Cl C2 C67 C73 C74 Cse cvCo C・VCi CVC, = 355a 一. 364a 一. 337a = 374a 一, 357a 一. 370a 一. 309a . 299a 一. 322a 一. 269a 一. 343a 一. 308a 一. 294a 一. 268a 一. 433a 一. 431a 一. 404a 一. 409a 一一. 415a 一, 401a 一. 384a Ho Hユ H, H67 H73 H74 1180 cvH, CVH, CVff2 一. 130* 一. 163c 一. 096 一. 193b 一. 150c 一, 160c 一. 052 一一D 027 一. 080 一. 024 一. 125** 一. 051 一. 030 一. 047 = 244a 一. 236a 一. 619a 一. 233a 一. 268a 一. 245a 一. 200b a=1%,b・=5%, c=10%(以下,同じ),*=14%,**=15% 5)変動係数は,標準偏差/平均値で定義される。
56 彦根論叢 第249号 年よりも74∼80年における方がやや強いことがわかる。つまり,上位企業のシ ェアは高位かつ安定的であるといえる。 他方,Hについてみると,74∼80年において一.619とCのケースよりも高 い相関係数が計測され,企業数および企業規模分布でみた集中産業部門では産 業の集中という性格が変化しにくいことを反映している。だが,67∼73年の関 係は統計的に有意な結果とは言えない。よって,H指標による結果と0指標 による結果を併せて解釈すれば,67∼73年については上位3社の集中度が固定 的であったけれども,上位3社以外の各市場での企業間関係は必ずしも硬直的 でなかったし,特定のパターンを示さなかったと解釈できる。 皿 集中度の変動要因に関する従来の研究:展望 1.一定期間にわたる集中度決定要因の分析 産業組織を動学的に変動させる要因(構造撹乱要因)の1つとしての市場成長 に着目し,市場集中度と市場成長率との関係を分析した研究は少なからずある。 諸外国の分析結果については,西川他(1965),新庄(1977)などで詳細な展望 が成されているので,ここでは日本に関する実証分析の結果について整理する。 われわれが見いだした研究のうち,先駆けをなしたものはilff済白書』昭和40 年版(1965)である。「経済白書』の分析は図表によるアプローチであるが,そ こでは1956∼64年について,上位3社累積集中度(C3)が低い部門(N=37) の ほど価格も低く,価格のバラツキ(変動係数で測定)も大きい。また,そうした 集中度の低下(変化分の%表示)が大きい部門ほど生産増加率は高いと指摘され 7) ている。 西川他(1965)は,上の『経済白書』の内容と関連させ,集中度の変動要因 6)以下,符号は各論文のオリジナルの表記法ではなく,小稿で統一的にCiは(上位 i社累積)市場集中度,1)Ci, GCiはそれぞれ, DC5 ・・ C5∫+e−Cst, GO5=(C5,+e− C5,)/C5、を表す。以下,同様の表記法に従う。なお,添字は年次を表す。 7)集中度と価格変化の関係はその後,管理価格インフレーションの実証分析へと展開 されていくが,ここでの関心事は集中度の変化を規定する要因の分析であるから,価 格変化のメカニズムについてはこれ以上言及しない。
市場集中度の「構造的」安定性と変動要因=展望と若干の計量分析 57 を統計的に検討している。主要な結果は,1956∼62年について,ジニ係数表示 の05の変化値と生産増加率との間には統計的に有意な関係はない(N・=・156) が,生産増加率を企業数増加率と平均企業規模増加率に分解すれば(規模の経 済性に関する生産規模増加の効果は無視),C5変化値(DC5)が企業数増加率と負 の相関(一.5640,1%水準で有意)を示し,とくに1959∼62年に限り,C5.変化値 は平均企業規模増加率(1企業当りの付加価値)とも正の相関(.1997,5%水準で 有意)を示している。 また,馬場(1968)は『経済白書』(1965)のデータから1956∼64年(1>’=35) について, 3社集中度変化==・4.41−0.48×生産増加率 1∼2=.505 [0.08] き という分析結果を得ている。そして,60年と66年目の産業成長率と生産集中度 の変化との独立性に関するカイニ乗テストの結果(!V=156)から,産業成長 率と集中度との間には統計上有意に負の関係があることを示した。 新飯田(1969)は,1957年と64年(N=36)について,5三二中度変化倍率 (GO5=C5,,/C557)と出荷額の変化率とは負の関係,5山鼠二度変化倍率(GC 5)と市場規模に対する最適規模の指標(付加価値で測った事業所規模の中央値)の 変化率とは正の関係にあることを測定している。 さらに,今井(1976)は,1959∼70年(N=136)について,市場集中度の変 化値(.DC3 = C37,一 C3,9)は,初期時点の集中度(C359)と負で有意,産業成 長率(70年と59年の倍率)とも負で有意な関係にあることを計測している。中城 (1976)も,1967∼74年(N ・312,およびN=・196)について,市場集中度の 変化値(DC3)と成長率との負の有意な関係を見いだしている。 馬場山(1977)は,1960∼72年(N≦111)について,GC4がその初期集中 度と負の関係にあり,それは8社集中度に関しても同様な・ことを計測し,さら に,GC4が(技術的代替性の低さを示す)カバレッジ率と負の,産業成長率と負 8) ここで,3社集中度変化とは(C3,4−C35,)/0356であろうし,[]内は標準誤差で あろう。
58 彦根論叢」第249号 の,産業成長率の不安定性(変動係数)と負の,そして企業数の変化率と負の, それぞれ有意な関係にあることを見いだしている。 また,新庄(1977)の計測結果は,1960∼72年(N= 39),1967∼72年(〈』 40)について,初期時点の集中度(C3, C5, CIO, H)とそれら.のGC,・Z)Cと は負の相関をも.ち,初期時点の集中度はその後の成長率と正の相関を示し,そ してGCとDCは成長率と負の相関をもつことを示している。企業数の変化 率と市場成長率が正の相関を持つことから,市場成長率の上昇に伴うGC, DC の低下は相互に整合的な関係である。そこで,1企業当りの粗付加価値の上昇, 従業員1人当りの資本の上昇,従業員1入当りの粗付加価値の上昇は,産業成 長率の上昇および企業数の上昇と同方向の変化となり,これらが集中度の低下 に結びつくという解釈を与えている。つまり,「高集中産業は高成長を果たし, それが企業数の増加を伴い,集中度の低下となる」のである。さらに,新庄 (1978)では,1960∼66年(N;42),1967∼72年(N=77)について,初期時 点の集中度と集中度の変化率とが1960∼66年目は負の有意な関係を得・るが, 1967∼72年では安定的な結果を得ていない。他方,初期時点の集中度は産業成 長率と正の相関関係を示し,また,企業数の増加率も産業成長率と正の相関関 係にある。よって,全体的な結論は新庄(1977)と同じであるが,先のロジッ クは1960∼66年において妥当するけれども,1967∼72年ではその妥当性が弱ま っている。サンプル[数]の違いもあるが,産業成長率の変化とか成長局面の 違いなどが両者の違いをもたらしているのであろう。 他方,ウエクザ(1977)も1960∼65年,65∼72年(1▽=129)について,類似 の分析をしている。結果は,DC3が企業数の増加率および出荷額の成長率と 負の有意な関係を持ち,合併を表すダミーと正の有意な相関を示すというもの である(DC3と企業数の増加率との有意性は60∼65年についてのみ)。 最後に,新庄(1985)は,1967∼80年(N=83)について,DC3(=C380− C367, C380一 C374)と産業成長率との負の有意な関係を計測して・いる。その際, 74∼80年という後半期について,DC3と産業成長率は負の有意な関係を示す が,前半期の67∼73年ではそうでない。また,DC3とC3とは74∼80年とい
市場集中度の「構造的」安定性と変動要因:展望と若平の計量分析 59 う期間に限って負の有意な関係となる。よって,成長産業では集中度が低下し, また初期集中度の高い産業では集中度が低下する傾向1が,特に74∼80年に見い 9) だされたことになる。 2.特定時点での集中度規定の分析 植草(1970)は,1963年に関するデータ(〈r・= 3s)より,集中度と規模の経 済性とで.620(1%水準で有意),広告三一売上高比率とで.595(5%水準で有 意),61∼65年の平均需要成長率とで.383(5%水準で有意)という相関係数を 計測している。馬場他(1979)は,1970年の4桁レベルのデータ1(N=100):を 用いて,04が最:小最適規模一出荷額比率,研究開発費一売上高比率,事業所 当りの資本(対数表示),出荷額の増加率などと,すべて正の関係にあることを 計測している。鈴木・宮川(1985)は,1982年(N= 25)に関して,C4と研究 開発費一売上高比率が正の関係,C4と(82年と79年の倍率〉産業成長率とが負 の関係にあることを計測している。 3.従来め研究の概要 従来の研究の結果は,おおよそ,次のようになる。まず,1)1956∼64年(馬 場,1968),65∼72年(ウエクサ,1977),74∼80年(新庄,1985)のいずれの期間 についても,集中度と産業成長率は負の相関関係にある。2)初期集中度が高い ほど産業成長率は高い。産業成長率は企業数の増加をもたらし,結果として集 中度は低下する。そのとき,初期集中度が高いほど,その後の集中度は負の方 向に変化する。これ・は,(初期集中度と産業成長率が正め相関をもつため)産業成長 率と一定期間の集中度変化の方向とが負の相関を示すことと同じである。3) (C3など)初期集中度は産業成長率.と正の関係,規模の経済性と正の関係,広 告一売上高比率(もしくは広告ダミー)と正の関係,研究開発二一売上高比率と も正の関係が計測されている。他方,4)集中度の変化値(GC, DC)は初期の 集中度と負の関係,産業成長率と負の関係,企業数と負の関係,企業数変化率 9)新庄(1985)は小稿N節での計測と期間が重視しているが,GYの定義が異なる。 すなわち,新庄(1985)では産業成長率を指数関数の当てはめにより求め,われわれ はそれを前年倍率値の区間単純平均値により得た。
60 彦根論叢i第249号 と負の関係,最小最適規模一出荷額比率と正の関係,従業員1入当りの付加価 値と負の関係にある。なお,新庄(1985)ではGOよりもDOの方がフィッ トが良いと指摘されている。 ユの IV 計 量 分 析 1.分析のフレームワークとデータ 上で明らかになった1つ「の点は,「初期集中度が高いほど産業成長率は高く, それは企業数の増加をもたらし,結果として期末の集中度は低下する」,もし くは「初期集中度が高いほど,または産業成長率が高いほど,集中度は逆方向 へ変化し,結果的に期末の集中度は低下する」ということである。そして,そ うした仮説の検証方法として,初期集中度と集中度変化の方向とが負の相関関 係にあるかどうかを問う。または,産業成長率と集中度変化の方向とが負の相 関関係にあるか否かを問う。そのいずれかが多い。だが,集中度変化の方向と 期末の集中度とがどの程度強い関係にあり,その相関関係の大きさが初期集中 型と集中度変化の方向との相関関係に比べてどの程度強く,また産業成長率と 集中度変化の方向との相関関係に比べてどの程度強い関係を示すかを問う必要 はないのか。というのも,初期集中度と期末集中度とは弱くない相関関係を示 すからである。 以下で分析することは,i)初期集中度が高いほど産業成長率が高いか, ii)産 業成長率が高いほど期末集中度は低いか,iii)集中度の変化指標は,初期集中 度および期末集中度とどの程度の相関関係にあるか,iv)集中度とそれに関連 するいくつかの変数との関係,および集中度の変動要因は何か,v)集中度の変 化分を示す指標として何が最も適切か,である。分析に使用するデータは通産 省『工業統計表』(産業編)に基づく。データの期間は1967∼80年であり,サン プル数は前期(67∼73年)ならびに全期(67∼80年)が最大139で,後期(74∼80 10)本節に限り,上位累積集中度C3をCと略記する。つまり,例えば上の節の表記 法で示せば,本節でのDCはDC3, GCはGC3である。また,小稿で示す計算高 果は現在進行中の追加作業の一部である。
市場集中度の「構造的」安定性と変動要因:展望と若干の計量牙析 61 年)は最大150である。 2.集中度変化と産業成長率 1)初期集中度と産業成長率 表3の上位累積集中度指標0によれば,初期(67年)集中度C67と67∼80 年の産業成長率GYoが.394(1%の棄却率), C67と67∼73年のGY,が.357 (1%の棄却率),C74と74∼80年のGY,が.292(1%の棄却率)であり,初期 集中度が高いほどそれに続く期間の成長率も高いことが分かる。同様に,ハー フィンダール指数ffでは, ff67とGYoが.355(1%の棄却率), H67とG}1, が.318(1%の棄却率),ff74とGY,が.236(1%の棄却率)であった。いず れの指標によっても,初期集中度が高いほどそれに続く期聞の産業成長率も高 いことが確認できる。 表3 集中度と産業成長率 (N≦150)
GYo GY, GY,
C67 C73 C74 C80
COCDOD
CσOGσG
cvco CVC, CVC2 む ユOCC
.394a .357a .255a .219a .244a .201b .248a .205b .366a .290a .292a .287a 一一D263a 一一.284a 一. 318a 一. 332a 一一D 006 一. 003 一. 148c 一. 129** 一. 027 一. 274a 一. 278a z 284a 一. 278a 一. 097 一. 101 一. 183b 一. 153c 一. 075 一. 139* 一. 065 一一D 012 .068 一, 082 一. 106 一. 196b 一. 104 一. 055 .304a .259a .332a .289a .268a .227a .325a .344a .292aGYo GY, GY,
U67 H’V3 H74 Hso ユ ∬丑π
DDD
むE∬E
GGG
リ ユ 昭四四〇CC
む∬HE
.355a .318a .347a .182b .153c .239a .ユ70b .133* ,236a .169b .125# .226a 一.247a 一一.273a 一.128# =332a 一.334a 一一.145c .022 一. 006 一一. 008 一. 276a 一. 264a 一. 215b 一一D 306a 一. 275a 一. 212b 一. 089 一. 100 一. 081 一. 057 一. 005 一一. 114## .046 .101 =031 一. 066 一. 065 一一. 016 .238a .195b .284a .282a .238a .317a .190b .152c .235a *=12a/o, **=14a/o, #=15e/e, ##=200/o62 彦根論叢第249号 2)産業成長率と期末集中度 表3の指標Cでは,全期聞についてGYoと080が.248(1%の棄却率), 前期についてGY,とC73が.219(1%の棄却率),後期についてGy:2とC80 が.287(1%の棄却率)である。指標llでは,全期間についてGY。とU80 が.169(5%の棄却率),前期についてGy:1とH73が.153(10%の棄却率), 後期についてGY2とRTsoが.226(1%の棄却率)である。よって,特定期間 の産業成長率が高い部門ほどその期闇末の集中度が高いことが確認できた。指 標としてはHよりもCを用いた方が統計上の有意性が高いようである(それ は初期集中度,期末集中度の双方に言える)。 なお,初期集中度と産業成長率とは正の相関を示し,一方で産業成長率は期 末集中度とも正の相関を示している。その解釈にあたり,上述のごとく,集中 度相互間の相関係数は(それぞれの産業成長率との相関係数よりも)相当程度に高 いことを忘れてはなるまい。相関係数だけを比較.してみれば,全期間について C67とGYoが.394, G YoとC80が.248, C67とC80が.868となり,前 期についてC67とGY1が.357, GY:1とC73が.219, C67とC73が.919 となり,後期についてC74とGY2が.292, GY,と080が.287, C74とCso が.954となる。この限りで,初期集中度と産業成長率との相関係数が成長率 と期末集中度との相関係数よりも若干高いこと,集中度同士の相関係数が圧倒 的に高いことがわかる。 3)集中度変化と産業成長率 表3より,1967∼80年についての産業成長率GYoと集中度変化の差分指標 DCoとの相関係数は一.263(1%水準で有意), GYoと集中度の変化率指標GCo とは一.274(1%水準で有憲)であり,同じ期間のGYoと集中度変化の差分指 標DHeとの相関係数は一.247(1%水準で有意), G Yoと集中度の変化率指標 Gffoとは一.276(1%水準で有意)である。よって,どの指標でみても成長率 が高い部門ほど集中度は低下していることがわかる。 ただし,7年毎の期間に区分すると,前期はGY,とDC,が一.332(1%水 準で有意),GY,とGC1が一.278(1%水準で有意)となるが,後期はGY,と
市場集中度の「構造的」安定性と変動要因:展望と若平の計量分析 63 1)C2, GY,とGC2は非有意となる。 H指標でも同様である。よって,前期は 成長率が高い部門ほど集中度は低下しているけれども,後期にはそうした傾向 が見られないのである。なお,集中度の変動係数指標CVCと産業成長率Gy’ に有意な相関関係はほとんどない。高々CγCoとGYoとの一.139(12%水準 で有意)である。それゆえ,産業成長率が高い部門ほど集中度の変動が小さい と言えなくもない。以上より,67∼80年というタイムスパンでみると,産業成 長率はその同じ時期の集中度を引き下げる。だが,それは主に67∼73年の現象 を反映していると思われる。 4)集中度変化と初期および期末集中度 表4より,まずC67は(DC、との関係を除き)各DC;GC, CVCと.すべて負 の有意な相関にある。よって,DC, GOとの結果より,67年に集中度の高い 衷4 集中度の水準と変動:初期・期末・期間平均の集一度 Ce7 C73 C74 Cso り
CCC
一 a 一 DC, DC, DC, 一. 226a 一. 096 一. 195b .070 .304a 一.190b .144c .304a z 196b .288a .274a .108*# /.079 .201b 一.136** 一. 065 .119## 一. 213b .221a .277a 一.009 ︶ b 一 GC, GC, GC, 一. 342a 一. 151c = 323a 一.087 .227a =295a 一.037 .223a =298a .097 .209b 一.035 一.091 .129# =279a 一.208b .049 一.340a .028 .204b .146c {c)CVCo CYCi CVC2
. 374a 一. 343a 一. 409a :. 357a 一, 308a = 415a = 370a 一. 294a 一. 401a 一. 309a 一. 268a 一, 384a 一. 355a 一, 299a 一一. 433a =364a =322a 一一.431a 一. 337a 一. 269a 一, 404a防・DH・DH・GH・・H・G則・職・昭・C四・
H6T HT3 H74 Hso む エHHH
.055 .013 .046 .276a .434a 一.038 .339a .446a =039 .492a .426a .264a .298a .349a .069 ,142* .246a 一.023 .435a .434a .153c . 206b 一. 098 一. 193b .065 .283a 一.198b .116*# .297a 一.201b .259a .305a .027 .079 .210b 一.140* .051 ,106 一.197 .197b .300a 一.067 一.193b 一.ユ25#*「233a 一. 150c 一. 051 一. 268a 一. 160c 一. 030 一. 245a 一. 052 一. 047 一, 200b 一. 130# 一. 027 一. 244a 一. 163c 一. 080 一一. 236a 一. 096 一. 024 一一. 236a *=11e/e, **=:120/a, #==140/o, #*=15a/ti, ## :180/o, *#==19e/a64 彦根論叢 第249号 部門ほどその後の67∼80年において低下する傾向を持ち,CVCとの結果より, 67年の集中度が高い産業ほどその後の期間における集中度の変動が小さいこと が明らかとなる。つまり,DC, GC指標に従えば, C67が高い部門ほどC80 は低下する。けれども,集中度の絶対的な水準が高いほどDOの変化幅は大 きくなりがちであるから,変動係数によるCVC指標に従えば,067が高いほ どクロスセクション的に変動度合は小さくなるのである。 次に,分析期間の最:後となる080はDCoと正の有意な相関関係にある。だ が,GCoやDC2, GC2とほとんど無相関である。それには,67∼80,67∼73 年を通じて,集中度が上昇(低下)した部門は()8。が高い(低い)が,74∼80 年は集中度が横ばいぎみだったという解釈ができる。 そして,C74をみると, DC,とは正で有意, DC2とは負で有意(GC指標に ついても同様)である。これが意味しているのは,074は67∼73年に集中度が 上昇(低下)した部門と呼応して高(低)水準にある点,およびC74が高い(低 い)部門ほどその後の74∼80年に集中度の低下(上昇)を伴いがちなことであ る。これはC74が初期集中度としての性格と期末集中度としての性格をとも に持っているためである。 5)集中度変化と期間平均集中度 さて,Co(67∼80年の平均集中度)がDO1と正の相関を, DC2とは(棄却率12 %と微弱ながら)負の相関を示している。すなわち,67∼80年の期間を通じて集 中度が高い(低い)水準にある部門ほど前半期に集中度の上昇(低下)があり, 後半期にはどちらかといえば低下(上昇)しているのである。また,CヱとDC2 との負の符号から,67∼73年に高(低)集中だった部門ほど74∼80年には集中 度が低下(上昇)傾向にあり,他方,DC,とC2(そして1)C。とC2)との正符 号より,67∼73年忌集中度が上昇(低下)した部門ほど74∼80年(そして67∼80 年)を通じて高(低)集中部門だったということになる。 6)集中度変化指標の比較 ところで,表4(a),(b)欄におけるC、とDO、, GC、との関係を,上の表2 で示したC、とCVC、との関係と比較してみよう。表4{c}欄には表2の結果
市場集中度の「構造的」安定性と変動要因:展望と若手の計量分析 65 を再録している。まず,C、と3つの集中度変化指標との相関関係をみれば, C VC,が負の安定した関係(すべて1%水準で有意)にある。すなわち,初期, 期末,期間平均のいずれのC,指標に着目しても,集中度が高い部門ほどその 集中度変動係数CVCは低くなり,集中度の「高位安定性」が反映されてい る。だが,集中度.の変化を示す指標としてのCVC,とエ)C、, GC、との違いと して,例えばC80とDCo, C74と1)C1, C74とGC,などは正の有意な関係 を示しているのに対し,同じ期間に相当するC80とCVICe, C74とCVC,の 符号は負である。H指標のケースについてもこれと類似したことが言える。 それは,CVCtが標準偏差/平均値という変動係数の定義から集中度の各々の 水準(=平均値)崇調整し#性格をもち,他方DC,は集中度の水準と無関係な 絶対値としての差分(高集中部門の変化ほど差分それ自体は大きくなりがち),GC・ はGC,=(Ct+e−C,)/C、=DC、+e/C,より,同一の差分(分子)については分母の 水準が影響し,同一の集中度水準(分母)については分子の差分が影響するだ ろう。しかるに,CVC,指標では変動の相対的な大きさは示されても,変化の 方向性が明らかでないことに難点がある。 3.産業成長率以外の市場構造・市場行動変数と集中度 本節の2.では集中度変化と産業成長率の関係を検討した。次に,皿節の展望 からも明らかなように,従来,集中度に影響を及ぼすと患われる要因のうち, 成長率以外の市場構造,市場行動等の変数として,1)広告一出荷額比率(製品 の差別化要因),2)研究費一出荷額比率,3)資本係数(必要資本額),4)資本蓄積 率,5)労働生産性の上昇率,をピックアップする。1),2)は市場構造要因とも 市場行動要因とも捉えられる。3)は市場構造要因,4)は3)にも関連した市場行 動要因,5)はシカゴ学派の主張とも関係した市場成果要因である。 1)集二度と広告一出荷額比率 広告一出荷額比率Al)S,(以下,広告比率と略す)は,周知のように製品差別 化の代理変数であり,また製晶差別化が参入障壁を形成するとすれば,参入障 壁の代理変数とも見なしうる。そして,製品差別化としてであれ参入障壁とし てであれ,それは集中度を高める作用があると考えられる。
66 彦根論叢第’249号 表5 広告比率と集中度 全サンプル(N=81∼82) 字肖費財 (N=24∼25)
ADS, ADS, ADS,
ADS, ADS, ADS,
むE∬H
.270b .266b .265b .273b .270b .267b .259b .253b .255b .356c .372c .338* .350c .379c .326** .372c .374c .362c *=110/o, **=12e/e われわれの計測結果は表5の通りであり,予想通り正の有意な相関関係を得 た。だが,C,と.4DSt(t・・O,1,2)は統計上すべて無相関であり,広告比率 は企業数と企業規模分布に基づく集中度Hとのみ深く関わっているという関 ユラ 係を見いだした。つまり,製品の差別化要因はその財の特性として単に上位企 業の集中度とではなく,市場全体の企業間関係に結びついているのであろう。 2)集中度と研究費一出荷額比率 前述の通り鈴木・宮川(1985)は,単年で中分類の産業データながら,研究 費一出荷額比率(研究費比率と略す)が集中度と正の相関関係にあることを計測 している。われわれも77∼80年の研究費比率と74∼80年の2つの集中度指標と 12) の相関関係を調べてみたが,統計的に有意な関係は得られなかった。 3)集中度と資本係数 資本係数KS・(=・t ma末の資本ストック/t期の出荷額)は,事業に必要な資本 の大きさを表す側面もあり,規模の経済性の間接的な指標になると考えられる。 その意味で,資本係数が高ければ集中度も高くなると予測される。 だが、t両者の相関係数は表6の通り,0について微弱な関係を見いだすのみ である。ただ,そこには消費財と資本財の双方が含まれている。資本財のケー スに限って集中度と資本係数の関係を調べてみると,両者間の相関関係は,全 サンプル(N・=140)の場合,最も強い関係を示した67∼73年についてでさえ 11) サンプルはC,Hとも同じ81ないし82についてであり, C,とH,とは1%水準 で正の相関関係にある。ところで,広告比率と集中度の変動係数との相関関係を調べ てみたが,統計上すべて無相関であった。 12) 「産業連関表」において社内研究費が得られるのは1977年からである。市場集中度の「構造的」安定性と変動要因:展望と若=Fの計量分析 67 表6集中度と資本係数 全サンプル(1V=130∼149) 資本財(N=57∼65) KSo KS, KS, KSo KS, KS2 O 1 2
CCC
.126# .126# .111## .144* .139** .131** . 078 .084 .063 .242c .230c ,242c .238c .220c .243c .266b .262b .253b *=110/e, **=120/e, #=16e/a, ##==190/o も.139(棄却率12%)のレベルであったが,資本財(N== 65)に限れば.242 (10%水準で有意)となった。集中度と資本係数とは資本財に限り,相関関係が 見いだせそうである。 4)集中度と資本蓄積率 かつてシェアラー(1969,1973)は,集中度が高まると新規投資を差し控える 傾向が強まるという仮説を立て,実証的に裏付けている。わが国についても, イワサキ(1976)がシェアラー仮説の検討を行っている。ここでは,それらと 類似した状況を想定し,集中度が高くなるほど蓄積率は低位かつ安定的になる という関係を検討してみたい。計測結果は表7の通りであり,集中度が高いほ 表7 集中度と資本蓄積率 (N=123∼143)IKo IK, IK,
CVIKo CVIKi CVIK2
ユ む
CCCEEE
cvco CVCi CVC2 CVHo CVH, CVH, .258a .280a .252a .226b .263a .206b .130# .154c .118*# . 099 .140* .074 .345a .351a .334a .317a .327a .303a 一. 115 一. 055 一. 153c 一. 126*# 一. 078 一一D 172b 一. 044 一. 015 一. 055 一. 086 一. 073 一. 091 一. 195b 一. 097 一. 257a’ 一. 143d 一一D 040 一. 236a 一. 120## 一. 134** 一. 027 一. 123#* 一. 131# 一. 023 一. 115#* 一. 142b 一. 004 一. 110 一. 099 .001 一. 113 一. 097 .001 一. 102 一. 105 .020 d=11e/a, *==12a/o, **=14“/o, #=150/o, *# =170/e, #*=:18a/o, ##==190/e68 彦根論叢第249号 ど概ね蓄積率も高い。だが,前期に蓄積率のバラツキが小さかった産業ほど後 期に集中が高く,統計上の有意性に問題を残すとほいえ,集中度が高いほど 蓄積率変動が小さいことを否定できない。また,74∼80年に限定されるが,わ れわれの予想とは逆に,蓄積率が高い産業ほど集中度の変動は小さくなってい る。 5)集中度と労働生産性上昇率 両者の因果関係は別の大きな問題であり,ここではそれについての立ち入っ た計測はできないが,シカゴグループの「効率構造」仮説によれば,上位大企 業のシェアが高まるほど,すなわち0が高いほど,それに比例して生産性の 13) 上昇率は高くなる。だが,分析結果は表8に示された通り,シカゴグループの 表8 集中度と生産性上昇率 全サンプル(N・・130∼149) 資本財(N;57∼65)
GLPo GLPi GLP2
GLPo GLPi GLP2
む むCCC∬∬∬
.109 .101 .041 .083 .075 .026 一. 146c 一. 171c 一. 112#* 一. 147c 一. 179b 一. 107*# .232a .253a .229a .224a .243a .216a .121 .129 . 041 . 075 . 081 .005 z 197# 一. 214* 一. 108 一. 200** 一. 227c 一. 116 .176## .206* .162*# .156 .194# .135 *==12a/o, **==14e/o, #==150/e, #*=180/o, ##=190/o, *#=200/o 仮説を概ね否定する形になっている。まず,67∼80年を通じて両者は有意な相 関関係にない。67∼73年は有意に負,74∼80年のみが有意に正の関係である。 だが,高集中部門での上位企業が規模の経済性効果から高生産性・低費用構造 をもつというシカゴグループの主張に関連させて,分析のサンプルを資本財に 限定すれば,集中度と生産性上昇率との関係は67∼80年に負の符号となり,こ れらの結果からは彼らの主張を肯定する材料は少ない。 4.集中度の変動要因 上の各変数ADS, RDS, KS, IKと集中度の変化指標DC, GC, Dff, GH 13)例えば,デムゼッッ(1974)を参照。市場集中度の「構造的」安定性と変動要因:展望と若千の計量分析 69 との相関関係を検討し,主要な結果を示す。 1)広告比率ADS,研究開発比率RDSは集中度の変化指標(DC, DH, GC, GH)と統計上意味のある関係にない。 だが,広告比率Al)Sの変化と集中度の変化(!>’;78∼80)については,表 9の通り’ADSの変化率指標(GADS)より,広告比率がE昇した部門ほど集 中度は高くなるが,また同時に集中度のバラツキも大きくなることが示された (DADS指標も類似した傾向を示したが,相関係数がやや下回っていた)。 2)67∼73年の資本係数KS,と74∼80年の集 表9 広告比率と集中度の 中度の変化DH,が.156cで資本係数が高い 変化:相関係数 部門ほど集中度Hが上昇することを示唆して いる(N == 145)。 さらに,資本係数KSの変化と集中度の変 化について,表10の通り資本係数が67∼80年に 上昇した部門ほど集中度は67∼73年に上昇し, 74・v80年に下落している。また,67∼73年に資 本係数が上昇.した部門ほど74∼80年に集中度 GADSo c昭o DH, GHo GLI, Cレ℃o エ)σo GCo .195c .189c .295a .321a .217c .231b .371a 表10 資本係数と集中度の変化:相関係数 0昭1 GκSo
o四1 GKS2
C昭2 GKS1
DHi DKSo
DH, DKSo
五∼Hi エ)KS2 DH, DKS, DH, GKS,GHo DKS2
GH, エ)KSo GH, DKS, GH2 エ)KSo .263a .224a 一. 140c .167b 一. 231a .150c 一. 141c 一. 144c .176b .202b .247a 一. 202b CVCi G、醐o CVC, GKS, ユ ユCCODOO
DKSo DKSo DKS, ロ エ まCCCCGGGG
DKS2 DKS2 DKSe DKSe ,253a .243a .201b 一. 219a .202b .164c .248a .225a z 135* *==11“/o (N=131’v149)70 彦根論叢 第249号 表11 蓄積率と集中度の 変イヒ:相関係数 む ユ む
EHπ丑亙∬
DDDGσβ
む ユκκKKκK
11∼1
74Z
. 129** 一. 167c 一. 113# 一. 109 一, 140* ’ 一. 141c *=120/a, **=:160/o, #=190/o Hが低下する傾向もある。そして,同時に集 中度Hの産業間でのバラツキは小さくなって いる。他方,67∼73年(そして67∼80年)に集中 度が上昇した部門ほど74∼80年に資本係数が上 昇し,出荷額当たり資本ストックの拡大となっ ている。 3)蓄積率∫κ(1>’=123∼143)}ζついては, 表11より’蓄積率が高い部門ほど集中度Hは低 下する傾向がある(ただし,IKとC指標は・IK。とDC。一.125(17%), rK・とGCo 一.117(20%)などであり,統計上の有意性においてff指標の方が多少高い)。 そして,IK,とα℃,, C VH,との相関係数(表7)より,IKoとCVC2, CVH2ならびにIK2とC VC2, C VH2, IK2とCVCo, C VH。などが負で有 意であり,蓄積率が高い部門ほど集中度の変動が小さいことがわかる。これら のことから,蓄積率が高い部門ほど集中度は低下するが,その下落幅はクロ スセクション的にみて蓄積率が高い部門ほど相対的に小さいものと考えられる (なお,事業所当りの資本ストック比率KEは集中度の変化とは全く独立であった)。V結びに代えて
小稿での分析結果を要約することで結びに代える。 1.約10年間についてみたとき,成長率の高い分野ほど市場集中度(紛は 低下する傾向があり,また成長率の鈍った分野ほど集中度が上昇に転ずる傾向 がある。すなわち,個別市場における成長率水準の差異により,市場集中度の 「構造的な」変動のパターンを指摘でき,市場集中度の構造的安定性を検討す る場合,7∼10年程度のタイムスパンをとれば個別市場の「構造的変動パター ン」を摘出できると思われる。 2.少なくとも小稿での分析期間では,三年の集中度指標C,Hは相互に 高い水準の相関関係にあり,13年後のC,Hとの相関係数でさえも.868, .843という高水準である。よって,市場集中度は3∼5年程度以内の「短い」市場集中度の「構造的」安定性と変動要因:展望と若干の計量分析 71 タイムスパンでの分析では,構造的に安定性が高いと思われる。 3.初期集中度が高い部門ほどそれに続く期間の産業成長率も高い。また, 特定期間の産業成長率が高い部門ほどその期間末の集中度が高い。67∼80年と いうタイムスパンでみると,産業成長率が高いほどその期間を通じ集中度は低 下する傾向にある。けれども,67∼80年という分析期間については,成長率が 高い部門ほど集中度も高い傾向にある。産業成長率が高い部門ほど集中度の変 動が小さくなる傾向も必ずしも無視できない。結局,産業成長率が高い部門ほ ど集中度は高水準であるが,高水準の安定性はさほど強くなく,また高水準ゆ えに分析期間での低†(変化)幅が大きくなりがちだと解釈できよう。 集中度変化の指標としてはCVC, DC, GCなどを挙げることができるが, DC, GCは変化幅,変化率の指標として, CVCは相対的な変動形態の指標と して併用することが望まれよう。 4.広告は市場集中度を高めていると考えてよい。資本係数も集中度を上昇 させる効果をもちうる。また,蓄積率が高い部門ほど集中度は低下するが,そ の下落幅はクロスセクション的にみて蓄積率が高い部門ほど相対的に小さく, 高集中部門ほど蓄積率変動が小さいという傾向があった。 そして,小稿の試算結果では,高集中部門ほど生産性が高いという仮説はほ とんど支持されない。 5.以上の分析より,およそ10年前後の分析期間を取らない限り,集中度の 変動は顕著な作用を示さないことが明らかとなった。集中度はその限りにおい て構造的に安定であり,「短期」市場構造の分析枠組が有効だといえる6また, 14) 集中度変化の分析は,やはり10年程度のタイムスパンでみた方が良いだろう。 6.集中度変化の分析が「動学的」市場分析の一種であることは言うまでも ないけれども,それはある意味で「短期」市場構造分析の有効性にも関わる。 すなわち,それは伝統的な産業組織論でいう市場構造一行動一成果パラダイム の分析枠組みとしての頑強性の検討にとどまらず,価格理論で所与の集中度毎 14)小稿名節での議論,および妹尾(1983), せよ。 明石(1987a),新飯田他(1987)を参照
72 彦根論叢i第249号 になされる部分分析の根幹にさえ関わる問題と言える。小稿では従来の日本に ついての研究結果を整理したが,追加されるべき検討課題は山積している。 参 考 文 献 明石芳彦「利潤率一集中度仮説の検証方法に関する諸問題」『彦根論叢』243号,1987年3 月 (1987a) 「市場集中度の『構造的』安定性と変動要因」mimeo,1987.4(1987b) 「高集中度・高利潤率の持続性とその解釈:実証分析」『彦根論叢』246・247号, 1987年11月(1987c) 「高集中度・高利潤率の持続性とその解釈」『日本経済政策学会年報第36号』所 収1988年3月 馬場正雄「日本産業の集中と成長」『中央公論』1968年7月(加筆修正されて.馬.場正雄 『反独占の経済学』筑摩書房,1974年に収録) 馬場正雄・楠田義・福林良治「日本産業の成長と集中」『経済分析』(経済企画庁)64号, 1977年2月 Bain,」. S., Industrial Organi2ation, Jone Wiley&Sons,1959.(2nd edn. 1968,の邦訳 は,宮沢健一監訳『産業組織論』上下,丸善,1970年) , “The Comparative Stability of Market Structure” in Jndustrial Organi2ation and Economic Development in Honor of E. S. Mason, edited by Markham, J. Q., and G. F. Papanek, Houghtort MiMin Company, 1970a. , “Changes in Concentration in Manufacturing lndustries in the United States, 1954−1966 : Trends and Relationships to the Levels of 1954 Concentration”, Review of Economies and Statistics, vol.52, Nov.1970b (reprinted in J. S. Bain, Essays on Price Theory and lndustrial Organization, Little, Brown and Company, 1972) Caves, R., American ln dustry :Structure, Conduct, Pθ吻7解ση6θ, Prentice−Hall,工nc., 1964(2nd edn.1967の邦訳は,安井琢磨・熊谷尚夫監修,小西唯雄訳『産業組織 論』東洋経済新報社,1968年)(現在,6th. edn,1987が出ている。) Demsetz, H., “Two Systerns of Beiief about Monopoly”, in lndustrial Concentration: The IVew Learning. eds. by Goldschmid, H. J., H. M. Mann and J. F. Weston, Little, Brown and Company, 1974 今井賢一『現代産業組織』岩波書店,1976年 Iwasaki, A, “Market Structure and Stability of lnvestment in Japanese Manufac− turing lndustries”, Economic Studies Quarterly, vol.27, no.3, Dec. 1976 経済調査研究会『経済構造の変化と産業組織』(公正取引委員会)1987年6月(薪飯田・
市場集中度の「構造的」安定性と変動要因:展望と若=Fの計量分析 73 後藤・南部編(1987)にすべて収録) 経済企画庁『経済白書』昭和40年版,1965年8月 楠田義・横倉尚・根来正人「市場構造・行動・成果の同時決定モデルによる産業組織分析 一連立方程式モデルによる計測の試み 」『経済分析』(経済企画庁)76号,1979 年8月 マッハルプ.F「構造と構造変化一あいまい用語と通俗術語」マッハルプ.F著・M.H. ミラー[他]編・安場保吉・高木保興訳『経済学と意味論』日本経済新聞社,1982年 所収(原書名:Machlup, F., Essays in Economic Semantics,1967) 中城吉郎「生産集中度から見た我が国産業の寡占化の現状」『ESP』1976年12月 新飯田宏「集中度変化と利潤率」新飯田宏・小野旭編『日本の産業組織』岩波書店,1969 年 新飯田宏・後藤晃・南部鶴彦編『日本経済の構造変化と産業組織』東洋経済新報社,1987 年12月 西川俊作・小野毅・後藤典澄・佐久間和雄「産業集中に関する統計的研究」『経済分析』 (経済企画庁)15号,1965年6月・9月 妹尾明編『現代日本の産業集中』日本経済新聞社,1983年 新庄浩二「市場集中度の決定要因の計量分析」,公正取引委員会『市場構造の決定要因』 (関西経済硯究センター)第2章,1977年3月 「生産集中度の決定と変動」『国民経済雑誌』138巻4号,1978年10月 遅 「市場構造と技術進歩率」『国民経済雑誌』151巻2号,1985年2月 Scherer, F. M., “Market Structure and the Stability of lnvestment”, American Econo− mic Review, May 1969 , “lnvestment Variability, Seller Concentration, and Plant Size Economies”, fournal of lndustrial Economics, Dec. 1973 鈴木和志・宮川努『日本の企業投資と研究開発戦略』東洋経済新報社,1985年 植草益「利潤率と市場構造諸要因」『三田学会雑誌』1970年7月 Uekusa, M., “Effects of the Deconcentration Measures in Japan”, Antitrust Bultetin, vol.22, no.3, Fall, 1977 〈訂正〉 明石(1987c)において, P.219本文下から2行目およびP,2201行目のHoの係数が 正しくは一〇.466×10冒4,および一〇.166×10−4であり,P.2203行目,7行目の一〇.466 の後に×10”4が欠落している。また,p.219下から2行目よりp.2205行目における回 帰式と微分式の一部に添字:0が欠落している。