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分子動力学データに対する統計解析システムの構築と応用

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Academic year: 2021

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(1)2011年ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム High Performance Computing Symposium 2011. HPCS2011 2011/1/18. 分子動力学データに対する統計解析システムの構築と応用 九大情報基盤セ、1 奈良女理、2 統数研. 高見利也、1 戸田幹人、2 福水健次. 著者らは、たんぱく質の分子動力学データの時系列解析に、統計科学の手法を応用する研究を進めてお り、特に2次構造による集団運動の抽出、これら抽出された集団運動の相互作用など、動的な挙動の様相に 焦点を当てるために、分子の時系列解析に特化した統計解析システムを構築している。本ポスター発表で は、このシステムの概要と構成を解説し、これを利用した解析例について報告を行う。. 1. 分子動力学の時系列データ. たんぱく質などの生体分子は、アミノ酸配列の一次構造から、αへリックス、βシートなどの二次構造、さ らに高次の構造とさまざまな機能の関係など、その階層的な構造を対象として解析が行われており、動力 学的な観点からも、これら各階層での揺らぎと機能の関連が注目されて、分子動力学計算で得られる数値 データの時系列解析も広く実施される様になって来ている。しかし、一般に生体内で機能を受け持つと考え られるたんぱく質の時系列データは膨大な量となり、階層によっては自由度のほとんどがランダムな運動と 見なされる場合があるため、集団運動を抽出することは困難を極める。. 2. 統計科学的方法による時系列解析システム. これまでに、ウェーブレットを利用した集団運動の抽出を試み、時系 列データから集団運動的な振動運動を取り出すことには成功している (Figure 1) [1]。しかし、階層の異なるランダム運動の中から安定して 集団運動を取り出すためにはさらに一般的な統計的方法を利用する必要 があるため、近年、同期現象等の解析に応用されているカーネル法 [2] を、さらに複雑な生体分子の解析に応用することとした。 我々が構築しているシステムの動作は、入力として与えられた時系 列の数値データから集団運動を抽出し出力するというシンプルなもので Figure 1: 抽出された集団運動 あるが、複数の利用方法に対応するようインターフェイスを工夫し、最 終的には、小規模データの解析のためのウェブポータル、大規模計算に 組み入れて解析を行うための API、ネットワークを介した利用を実現するための Web Service Interface の 導入を計画している。 また、時系列が長くなりデータ量が増えると解析に要する計算量が増大するが、小規模データの解析は PC 等で実施し、大規模な解析にはスーパーコンピュータを利用するなど、データに応じて適切なバックエ ンドシステムを選択することが必要となる。そのため、本システムでは、行列の対角化などの線形演算を、 規模に応じて独立した計算機でも実行できるような構成とする。. 3. 集団運動の抽出と応用. 本研究の最終的な目標は、揺らぎのある生体内で頑健に発現するたんぱく質の機能を解析することである が、その他にも分子内エネルギー移動 [3] 等の非平衡非定常現象における様々な現象を対象として、本解析 システムを利用して行く予定である。ポスターでは、テスト実行による検証の他に、可能な限り実際の解析 の結果を解説する。. Reference: [1] N. Sakurai, M. Toda, S. Fuchigami, and A. Kidera, “Time Series Analysis Using Wavelet toward Molecular Dynamics Simulation of Proteins”, in preparation [2] K. Fukumizu, A. Gretton, X. Sun, and B. Sch¨ olkopf, “Kernel measures of conditional dependence”, Advances in Neural Information Processing Systems 20, 489–496 (2008). [3] H. Fujisaki and J.E. Straub, “Vibrational energy relaxation (VER) of isotopically labelled amide I modes in cytochrome c: Theoretical investigation of VER rates and pathways”, J. Phys. Chem. B111, 12017–12023 (2007). 本研究は、科学研究費補助金 (挑戦的萌芽研究 課題番号 22654047) の支援を受けています。. 54. ⓒ 2011 Information Processing Society of Japan.

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