小特集・環 境
都市固形廃棄物の熟分1解
PYrOtYS■S
Of
Mun-C■PalSolid
Wastes
郡市同形廃棄斗勿(以下,郡山ごみという)の資源化,枚び紙公害処理を目的として, 内径500mm≠の流動層を用いて実ごみの熱分解実験を行ない,その技術的可能性を検 討Lた。 実験の結果,都市ごみを450∼5500cの温度で熱分解することにより,真発熱量4,000∼ 8,000kcal/kgの燃料油を約25wt%の収率で回収できること,流動層は運転件や制御 竹三の点で似れた熱分子昨炉 ̄方式であることなどが明らかになった。 また、都市ごみのチ†l与公害処王理の点で懸念された布告オスは水洗により谷易に除去 できること,郡山ごみ中に含まれている屯令属は灰分やJノミ化q勿中に濃縮されること なども判明した。 n
緒
言 経消の高度成氏と国民生活水準の「rl】_L二は,都市ごみの乍′若役 び排出ぷこを若しく変化させ,ごみ公て圭子として社会問題をひき 起こした。一一方,オイル ショックにより再認識させられた 資源不足の問題から,我が国の総柄は省資i塘,省エネルギー 刊に転換せぎるを得ない寸ニゴ湯にたたされている。 これら ̄一_つの大問題を一挙に解決する手f貨とLて,都心ご みを-一つの資源とギえ,エネルギー凶収,あるいは物官手担川丈 に関する研究が,【玉=勺はもとよl)世界各国で積極的勺に進めら れるようになってきた。 この間題に閲し,我が国では通商産業省工業技術院が中心 となり,郁■心ごみを資源化することにより省資源,省エネル ギー化を図ると同時に都市ごみ処理問題をも解決するため, 昭和48年怯より「資手原再生利用技術システムの研究開発+を 推進している。この研ノ究開発計画は,+克行の焼却及び上里立て による都市ごみ処理方式に代わl),資源化を主体にした次代 の革新的な都市ごみ処理システムを提案するもので,図1に 示すように収集,輸送,破砕,分別,分解,利用などの要素 粗大ごみ 普通ごみ 分 別 収 集 プラスチックス 常温破砕 -一一一 俵温破砕 半湿式破砕 コンポスト ∪,D.C.占28.475 平戸瑞穂* 斉藤幸雄** 境 弘夫*** 荒木記久男**** 〟よz加ん0 〃Jγα∼o y打点∼0 5戊gJa 〃fγ00 5αんα∼ ∬∼た加O Aγαふ∼ 技術と、各1要素技術を統†ナしたシステムの開発を含んでいる。 本研究は上記要素技術の一甜ほなすもので,破砕,分別さ れた郡市ごみ中の■町燃物を単塔式の流動層熱分解炉により熱 分角牢し,主として燃料油を凶収する技術の開発を目的として 行なわれたものである。 国都市ごみ熱分解の原理
都市ごみとは雑多な廃棄物のi比で州くであるが,可燃物と不燃ぢ勿とに大別される。可燃物は炭水化物(セルロwスなど)を
主成分とLた紙,木顆と,炭化水素を主成分としたプラスチ ックスが大部分を占めている。不燃物は金属,土砂,ガラス などである。従って,都市ごみの熱分解反J芯はセルロースと プラスチ、ソクスの熱分解反応から成っているとみなすことか できる。セルロースは(C6Hl。05)乃で表わされ,加熱すると約 2500cで熱分解反応が始まり,4000c以上ではほとんど分解し 尽くされる(2)。熱分解生成物は油二伏物,ガス及び炭化物など で,熱分解温度や反応時間に大きく影響され,分解温度が高磁場選別一芸馴宗一・・アルミニウム・銅
分別 風力分別 _ ■■甜■芽 詔■■r
油 ガ ス 粗再生紙 残速利用 一---・・I 建材タイル 低温破砕 --- プラスチック溶解再生 -■・ 再生ポりマー 図l 都市固形廃棄 物の資源再生利用技 術システム 工業 技術院で考案している都 市固形廃棄物の資源化シ ステムで,本開発技術は 普通都市ごみを対象とL たい肥 た熱分解プロセスである0 * 日立製作所日立研究所工学博士 ** 日立製イ乍巾日立研究所 *** 日立製作所環境技術本部 ****パブコック日_、工株式会社呉工場 21278 日立評論 VO+.58 No.4(1976-4) 100 80 20 (訳)掛率在世寂 (} 油状物(油十水) 原料こみ(合成ごみ) 紙:0∼100% プラスチックス:100∼0% ガス 炭化物 20 40 60 原料ごみ中の紙含有量(%) 80 100 図2 合成ごみの熱分解 ごみを熱分解すれば丸 ガス及び炭化物が生 成する。収率は原料ごみ…阻成に影響されるが,油二状物収率はガス及び炭化物収 率に上ヒ較Lて多い。 表l原料ごみ性状(平均) 実験に使用Lた原料ごみ質の分析例で,厨 芥を除いた都市ごみ可燃物組成に近い。 項 目 分 析 値・性 状 組 成 (%) 紙 78.2 木 2.0 プラスチックス 4.3 不 燃 物 2.5 水 分 l卜2 そ ♂) 他 1.8 か さ 密 度 0.067kg/J 破 砕 径 30へ-50mm 真 発 熱 量 3′450kcal/kg 固 定 炭 素 24wt% 14 ごみ
④一
15 不 燃 物均
⑭
庚 イヒ 物+=㈲]
付)+
灰分 空気 く、杖応時「川が出いほど軽質化が進んでガス収率が州加し, 油二状ご物ノ女び炭化物収率はさ成少する(3)。一一方,プラスチックス は300∼4000cで熱分解反J芯を起こし始め,主としてガス及び 油ご状物を牛成する(4)。図2に都市ごみの組成を模擬した合成 ごみを原料に、卓上装置を用いて行なった熱分解実験の結果 を示す。油状物,ガス枚び〃壬化物がかなりの収率で生成して おり,郡山ごみ中の可燃物を熱分解して油状物を匝川父するこ とは†京王削て+に吋能であることが分かる(5)。 同実験装置及び方法
実験は内径500m叫 有効高さ3,350mmのステンレス製流動層 熱分解炉を用い,特に厨芥を除去,あるいは調整望した実ごみ を他用して行なった。表1に原料ごみ組成を,図3に実験装 置のフローを,区14に外観をホす。 ピットに収集されたごみは50mm以下に(妓砕され.スクリュ ー コンベヤにより流動層熱分解炉に供給される。流動層熱 分解炉内では,i充動媒体のケイ砂が空乞t及び循工芸ガスにより i充勧化Lており,供給されたごみはここで熱分解されてカ、、ス 及びJ文化ご物を生成する。生成したオ、スはサイクロンで同伴す る塵を除去した後,スクラッパ及び多孔板塔で冷却し,油及 び水分を回収した。非疑縮作カ、、スは屋外のアフタバーナに送 り焼却処理した。J是化斗勿は流.動層上部に設けられたあふれ背 から,また余儀くず,ガラス及び小石などの不燃物は,分散 枇中心部に設けられた排上l_1管よりそれぞれ炉外に取り出した。 _′t成ガス紺.成はがス クロマトグラフによる絶対検壷線法で 分析Lた。また,HClやH2Sなど微_遥二の有害ガスは北川式検 知符を用いて分析した。熱分解生成油及び岸三化亡物の発熱韻、 C/H放び塁1モ属の分析には,それぞれ株式会社島i_-lと製作I叶磐望 CA-1管主燃研式日動ポンプ熱量計,及び臼_在CHN分析計, 臼_、二仁207月i■り京十l搬光分光光J空計を用いた。 田実験結果及び考察
4.1 熱分解生成物収率 熱分解実験はごみ供給量約50∼100kg/h,子兎勧化空気量50∼ 90Nm3/h,i且度約480∼6400cの油収率の高い条件で行なっ 12■制作し帖
⑭
図3 実験装置フロー 使用Lた実験装置は,流動層熱分解炉を中′いこ原料供給系及び生成分回収系から 構成されている。 22 No. 名 称 ① 流動層熱分解炉 ② ニみ破砕機 ③ ロータリ フィーダ (彰 スネークコンペヤ ⑤ スクリューコンペヤ ⑥ 砂コンペヤ ⑦ 空気プロワ ⑧ ロータメータ ⑨ サイクロン ⑲ スクラッパ ⑪ 多孔板塔 ⑲ バグフィルタ ⑲ 排ガスブロワ ⑲ アフタバーナ ⑲ 不燃物排出管 ⑯ 炭化物排出管 ⑲ 制御弁都市固形廃棄物の熱分解 279 ′叩、 鼻 /′ 「1
′\∴′′三\、≠、、∫…j
≡至T∈ ′∧エ欝三≡ごご発三、′、し-二く㌢ wdl己ヨ ′簸ぎ義弘  ̄うぅ !三野;、′こ∨、蔭′′㌻′ハ ちL(、宗ご遜
そ:弓ダ′紛
∨驚 ㌔′ご′ 塵′玩
、ご ′拶 知軒
羞..
海 をi 図4 実験装置 実験装置全景の展望で,中央が流動層熱分解炉である。 た。図5に終生成物収率をホす。熱分解ラムよ低の+∴界に什いが ス収率は印加し,逆に油化びノ炭化物収率は減少している。二 れは反応沿度が高くなると悦子】 ̄と順吉合の切断が谷易となり, より低分十物質が生成しやすくなるためである。従って,油 を担川又するためには反応†且J空を低くすればよいが,kJ芯一息比 が低くなると熱分解反応姓度が迩くなるので,実硝化を才一え たj湯合450一-5500cが最適条件となる。ニの範脚て・の油収率は 対原料ごみで約20∼30wt%あり,ガス妓びJ完化ご物より高い。 4.2 生成物の性斗犬 ごみの熱分解生成物は,油,ガス,f;三化物及び水などであ るく,生成する油には原料ごみ【 ̄t■のプラスチ、ノクスの熱分解で 生成するプラスチックス系油と,紙,木などセルロMス官ノぎグ) 熱分解で生成するセルロース系油の2位がある。プラスチッ クス系油は真発熱量約7,700kcal/kgあり,650cで粘性20cP, 灼熱減員は97.6%と大部分が有機質であり,着火性放び燃焼 性が良いので良好な燃料油とLて利用することができる。セ /レロース系油ほグルコースを ̄ト成分とした路稚糖類の結とfナ物 であり(6),宇ブ且ではかなりの粘性をもっているが,60Dcでは 22cP程度にまで下がりi充動性が良く なる。鼻先熱員は約 3,200kcal/kgで,空乞(中で着火すると黒煙を_卜げて燃える。 これら2椎類の油を混合させた場合の ̄、「乙均真発熱竜は約4,000 kcal/kgである(J 表2に熱分一昨fE成ガス組成の一一例をホす。ガ■スの其発熱壷 は約500∼1,000kcal/Nm3で,熱分解条件によって異なり,k 応∼見渡の上界に伴い榔加する傾向を示すが,6200cで放火と なっている。 炭化物は真発熱量約5,000kcal/kgあり,まだ揮発分が残っ ているため着火惟が良い。 副産物であるガスや炭化三物は上述Lたように低品位ではあ るが燃料として用いられるので,都市ごみ熱分i昨プロセス内 で原料ごみの乾燥や予熱などに利用し,油収率を向_l二させる ことなどは今筏十分検討する必要がある。 生成する水分中には,アルコール類,アルデヒド類ノ女び有 機酸頬などが微量含有されており,pHは約5.8,COD(化学OT
0 5 40 30 20 (訳盲)櫛専権‖荘晦宗 油 畑 イ 山灰 ス 物 油 化 ガ 山灰 0 0 ● 注 ●0 0 一 ◆ ス ガ 0 0 00 ○lここ
450 500 550 600 650 熱分解温度(Oc) 図5 熱分解生成物収率 生成物収率は熱分解温度によって影響される。 低温ほど三由収率は高くなっている。 表2 熱分解条件と生成ガス組成 生成ガス組成は,熱分解温度によ って影響される。発熱量は.高温になるにつれ増加するが,約620□c付近にピー クがある。 項 目 熱分解条件・生成ガス組成(Vo】%)_.嘆分
さ星度 4800c l.36⊥5000c
5700c 620Uc 640□c H2 N2 l.28 2,24 3,56 l.67 70.59 72.21 70.92 65.30 7l.07 CO 9.45 12_47 10.54 lZ.75 12.71 CO2 7.75 0.69 14,04 16.了9 15.02 12.85 CH4 l.00 l_40 l.3】 2,15 l.48 CmHn 真発熱量l(k。。けNm3)l
0.77 l.07 l.89 1.16504!
669 853 960 731 的酸素要求韻)は15,000ppm程J空になる。この排水は,Lr】和, 凝集沈殿,敵性ノ左など現在他用されている化学的収び物理的 処至聖によI),谷易に規制他以 ̄Fに処理することができる。 4.3 含水率の影響 硯二任進められている都一打ごみの資源-f-1-f生利用技術システム では,前処理で厨芥か除去されるため水分はかなり少なくな るが,ごみ餌の変動により水分の多し、場合も巧▲えられるので, 生成物収率に及ばすごみ含水率の影響を調べた。含水率が高 くなると,熱分解反I芯況J空を一一定に保つためには供給された ごみをより多く燃焼させねばならないので,油収率は仰こ下し, 含水率30wt%では約8wt%にまでイ氏 ̄卜する。従って,油を効 率よく回収するには、厨芥などの高含水物質は前処理工程で 柾力除去し,含水率を′J、さくしなければならない。なお,油 の性状は含水率に影響されずほぼ一定である。. 4.4 エネルギー得率 都市ごみ熱分解処理での熱収支の北郵とLてエネルギー村 中を巧▲えた。エネルギー得率は,単位主i二の原料ごみのもつ発 熱二追に対する各熱分解生成物のもつ発熱量の比として求めた ものである。仝エネルギー得辛は,熱分解i温度がイ氏いほど高 くなり,4700cでは約75%に達している。また,油のエネルギ ー得率も低塩分解ほど増加し,4700cでは約40%を占め,ガス 23280 日立評論 VOL.58 No.4(柑76-4) 100 0 8 60 40 20 (訳)練舵-甘上「叶H
注:[コ
炭化物■
ガス m 油 450 500 550 6∝) 熱分解温度(Oc) 650 図6 エネルギー得率 低温ほど油及び全エネルギー得率の高いことを 示す。 表3 有害ガス分析例 有害ガスは水洗いにより除去されること.及び 熱分子悍炉ではNOxが発生Lないことを示す。 有害ガス成分 分解炉出口カ■ス 洗浄才非出ガス 焼 却 炉 NOx 0∼l <l 100∼500 SOx 15∼数十 <10 50∼100 H2S 70ヘー100 くID 0 HCI 40∼50 くl 300 Cl2 2∼20 <10 NH3 2∼ZO <】 0.3∼0.5 HCN 20∼40 <l 注:単位(ppm) 及び炭化物より多くなっている。 4.5 有害ガス及び重金属の挙動 表3に有害ガスの分析例を示す。HCl,H2Sなどの有害ガ ス膿度は熱分解炉内でいずれも数十ppmであるが,NOx(窒 素酸化物)はほとんど発生していない。これらの有害ガスは, スクラッパで水洗いした後はし、ずれも1∼10pp一口以下となり, 容易に処理することができた。 表4に重金属分析結果の--一一例を示す。原料ごみ中の重金属 は熱分解後いずれも灰分及び炭化物中に移行し,生成油中 には少ない。収率と重金属濃度から重金属分布を求めると図 7に示すようになり,大部分の重合属は炭化物中に存在する。 灰分や炭化物中の重金属i容出試験では,いずれの重金属も2 ppm以下であi),不溶化処理すれば容易に0,又は5ppm以 下に抑えることができる。 ■l結
言 以上,都市固形廃棄物の資源化と無公害処王型を目的とLた 熱分解法につき,500mm¢流動層熱分解炉を用いて行なった実 験結果の一滴iを報告した。これらの結果を要約すると, (1)都市ごみを450∼5500cで熱分解すると真発熱量約4,000 kcal/kgの燃料油が約25wt%の収率で得られる。この場介の エネルギー得率は約60%である。(2)都市ごみ流動層熱分解炉は,運転性及び制御件の面で優
れた反応炉である。 24 100 80 ミ宍 60 拝 命 嘩蒜40
20 100 80 60 40 20 ZnCdCrPb注:田流動媒体,l灰分,□炭化物屈油
図7 熱分解生成物への重金属分布 原料ごみ中の重金属は,熱分解 後炭化物中に多量に存在する。 表4 重金属分析例 中に高濃度で存在する。 原料ごみ中の重金属は,熱分解後灰分及び炭化物 重金属の種板l 原料及び生成物 Zn Cd Cr Pb 原 料 ご み 32.81 8.33 3l.25 37.50 流動媒体(ケイ砂) 8.04 l,08 6.66 10.00 炭 イヒ 物 93.75 32.50 125.00 312.50 生 成 )由 8.64 7.80 5_0(】 14.50 灰 分 312.50 99.37 18了.50 450.00 注:単位(ppm) (3)無公害処理の面では,HClやH2Sなどの有害オ'スは水洗 い処理で容易に除去でき,NOxはほとんど発生しない。また, 蚕食属は灰分,炭化物に移行し,伏分中の重合属は不溶化処 理によ り固定化することができる。 本研究は,通商産業省工業技術院の都市ごみを対象とした 準大雪竺プロジェクト「資i原再生利用技術システムク)研究開発+ に参加し,昭和48年度から49年度にわたり日. ̄仁製作所日二)工研 究所において実施された成果の一滴;である。 終わりに,本研究の推進に全面的に御指導し、ただいた通商 確某省工業技術院斉藤哲男研究開発官,中軸美智雄技官,山 形吉男技官及び環境庁国立公害研究所後藤典弘主任研究官 (フ亡工業技術院開発官主)に対い享くお礼を申しあげる。 参考文献 1 2 3 4 5 東京都清掃局:昭和49年度事業概要,p.61(昭49-4) 春山ら:「セルローズの燃焼+,環境技術,2,25(1973) 木J蕗:「塩ビ系才昆合f亮乗物の焼却処理上の問題点と対策+PPM, 3,49(1972) 戸披:「都市ごみ成分の熱分解+,環境創造,6,47(1974) 平戸ら:CRE第1回国際会議論文集,"Fluidized BedPyrolysis and OilRecovery Process of MunicipalSolid
Wastes''(1975-11)
(6)Holms,F.H.et al.J.Appl.,"The Pryolysis of Celluloss
and the action of Flame-Retardants Significance and