市における活動を中心に―
著者
子島 進
著者別名
NEJIMA Susumu
雑誌名
ハートバザールのフェアトレード活動
号
16
ページ
12-23
発行年
2013-03
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00004398/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja1 はじ め に
ハ ー ト バ ザ ー ル の フ ェ ア ト レ ー ド 活 動
一 群馬県館林市における活動を中心にー
子 島
進 * フェ アト レ ード は、 発展 途上 国の 生 産者 を、買 い 物 を通 し て支 援 する とい う 国際 協力 の新 し い形 であ る 。 日 本で もこ の10 年 ほ ど、 あ ち こ ちで フ ェ アト レ ード とい う言 葉 を 聞 く よう に なっ た。 大 学 生 が サ ー ク ル を作 り、 ス タ ディ ツ ア ー、 研 究会、 そし て販 売 等 を 織 り 込 ん だ活 動 を行 う こ と も 増 え てい る。 こ の論 文で は、 東 洋大 国 際地 域学 部 の学 生 が、 主 とし て群 馬県 館 林市 で行 っ て きた フ ェ アト レ ード 活動 に つい て 論じ てい きたい 。こ の活 動 は、当 初 は子 島 ゼミ とし て始 まっ た。そ の後、 学生 サ ーク ル「ハ ートバ ザ ー ル」が 結 成 さ れ、 地域 の 中学 校 や高 校へ とネ ット ワ ー クを広げ なが ら 現 在 にい たっ てい る 。 子 島 は2005 年 の ゼ ミ活 動以 来、 学生 と一 緒 にこ の 活 動 に参 加 し て き た。 約7 年 が 経 過し たこ の 時 点 で、1) 社 会 的 な場 の 設 定、2) メデ ィ ア に よる 情報 発 信、3) ネ ット ワ ー クの 形 成 の3 点 か ら 活 動 を振 り返 り、 地域 に お け る 学生 の フェ アト レ ード 活 動 の成 果 と課 題 を確 認 する こ と とし たい 。 2 。 活 動 の 概 要 まず、 年 度ご とに こ れまで の活 動 を見 てい くこ と とし たい。 2005 年 :発 端 は2005 年 に遡 る 。東 洋 大 学国 際 地域 学 部 の子 島 ゼミ とし て、 フェ アト レ ード は始 ま っ た。「 国 際協 力 をし たい け ど、 何 を ど うし たら いい の だろ う ?」 とい う学 生 たち と一 緒 に、「 身 近 なと こ ろ か ら ス タ ート し よ う」 と始 め た活 動 であ る。 子 島 は、 そ の 時 点 で、 シ ャプ ラ ニ ール = 市 民 に よ る海 外 協力 の 会 に10 年 以 上 に わ たっ て 関 わっ てい た。 そ し て、 こ の 国 際協 力NGO が展 開す る フ ェ アト レ ード 事 業 につ い ての 知 識 をい く ぶ んか 持 ち 合 わせ てい た。 ま ず は シ ャプ ラ ニ ー ルにい ろい ろ 教 えて も らい なが らや っ てい こ う と考 えてい た。 当時 は、 フ ェ アト レ ード とい う 言 葉 自 体 が と て も 新 鮮 で あ り、13 名 の学 生 が ゼミ に 集 まっ た。2005 年 度 開始 の段 階 で は、 何 もか も が手 さ ぐ り であ っ た。 テ キス ト 一 つ とっ て も、 手 ご ろ な 著作 はな かっ た。 幸い 、『フェ アト レ ード の話 』(児 玉 ・ 吉 野・ 杉 本2004 ) とい う ブ ッ クレ ット を 入手で きたの で、 こ れ を使っ て 勉 強し た。 並行 し て、 ゼ ミ生 各 自が 選 ん だ商品 のプ レ ゼ ンを行 っ た。 東 京 の フェ アト レ ード 店 を訪 問し たり、 世 界フ ェ アト レ ード ・ デ ーな どの イベ ント に 参加し た りもし た。 さら に フェ アト レ ード の スパ イ スを 使っ て カレ ー作 り な どに取 り組 ん だ。 ゼ ミ生 の 姿勢 は積極 的 かつ 自 主 的 なも のだっ た。5 月 に は館 林 の町 祭、11 月 に は学 園 祭で 出店 し、 フ ェ アトレ ード 商品 の 販売 を行 っ た。 現 在、 町 の イベ ント や 学 園祭で の 販売 は、 日本 中で多 くの 大学 生 に親し ま れてい る 活 動で あ る が、 当 時 は ま だ まだ 目新 し かっ た よう に記 憶 す る。 長 机2 つ に10 万 円程 度 の 商 品 を 並 べ、 売上 は1 日2 万 円程 度 だっ た。 当初 の 教 員 の 意図 は、「 ゼミ 生 に フェ アト レ ード を知 っ て もらお う」 とい う 漠 然 とし た もの だっ た。し かし 、 す で に年 度 途中 から、Think Globally. Act Locallyの実 践 とし て、 教員 も学生 もフェ アトレ ード のさ ら なる可 能 性 を感 じ とっ てい た。 2006 年 :翌 年、 地 域 や学 園 祭で の販 売 に加 え て、 シ ョッピ ング セ ン ター(SC ) で の販売 が 始 まる。 当 時、 国 際 地域 学 部は 群馬県 の板 倉 キャ ンパ ス にあ っ た。板 倉 町 に隣 接 する 館林 市 の「つ つ じ の里 シ ョ ッピ ン グ セン タ ー」 で、 夏 休 み に1 週 間規模 の 販売 を始 める こ とと なっ たの であ る。 当時 館林 に 住 んでい た子 島 は、 こ のsc で よ く買い 物 を し てい た。 そ し て、 そ の イベ ント ス ペ ース で の さ ま ざ まな催 し に気 付 い てい た。「 もし かし たら、 貸 し て く れる の で は ない か」 と担 当 者 に話 を 持 ち か け たとこ ろ、 許可 を得 るこ とが で きた。 新3 年生 たち は、 シ ャプ ラ ニ ール =市民 による 海 外協力 の会、 第3 世界 シ ョ ップ、 ネパリ ・ バ ザ ーロ、 ピ ープ ル・ ツリ ー とい っ た複 数の フェ アト レ ード 団 体 と交 渉し、 自分 たち で 商品 を 選 んでい っ た。 販売 に先駆 け て、 市 役所 の 記者 クラブ で ゼミ 生 数名 が記 者 会見 し、 イベ ント の社 会 的 意義 を 訴 え た。 こ れ はイベ ント 会場 と な るsc のマ ネー ジ ャ ーか らの ア イデ ア に従 っ た もの であ っ た。 そ の 結果 、 産 経、上 毛 、 読売 新 聞の 地方 版 に掲 載 さ れた。 そ の後、 メデ ィ アを 通じ て の情 報発 信 が活 動 の一 つ の核 となっ て い くが、 こ れが そ の 第一歩 とな っ た。8 月、多 く の買い 物 客 で に ぎ わう 商業 施 設 で、初 めて の接 客 に と ま どい なが ら も、 ゼ ミ生 は 一生 懸 命 に販 売 し た。4 団体 か ら 約260 万 円 分 の 委 託 商品 を集 め、 い き な り規 模 が 大 き くな っ た た めに 混 乱 も生 じ たが、7 日 間の 売 上 は67 万 円 に 達 し た。 一 方 で、 団 体 と の や り取 りの 中 で手 違 い も発 生 し 、 最 終 日夕 方 か ら の 撤収 作 業 は10 時 に なっ て も終了 せ ず、 さ ら に もう1 日 か かっ た。 また、 一番 売 れる だろ う と予 測し てい たピ ープ ル・ ツリ ー の商 品が1 割程 度し か 売 れず、 最 終的 に そ の8 万 円 分 を引 き受 け るこ とと なっ た。 こ れ は子 島が買 い 取っ た。 チ ラシ 配 りや ホ ップ作 りな ど、 販売以 外 に も多 くの時 間 を費 や すこ の活 動 に は、 もち ろ ん金 銭的 な見 返 り はな かっ た。「 日 本 にい な か らに し て 国際 協力 に 関 われる 」 とい うフ ェ アト レ ード の仕 組 みが、 学生 の自発 性 を引 き出 すこ と となっ た。 ま た、 未知 の もの であ るフ ェ アト レ ード に、 ゼ ミ生 全 員 で わい わい 言 い な が ら取 り 組 む楽 し さ とい っ た要 素 も多 分に あ っ た。 さ ら に販 売 終了 後 に は、 バ ン グラ デ シ ュへ のス タデ ィ ツ ア ー を実 施 し た。 BRAC や ジュ ート ワ ーク ス な どを 訪 れ、 フェ ア ト レ ード の生 産 現場 の 実際 に 触 れるこ と がで きた。 そ れ まで 地域 の人 々 と はほ と んど接 点 の なかっ た学生 た ちで あ るが、 自ら 社会 的 メ ッセ ージ を発 信 す るこ と に、 大い に手 応 え を感 じ たよ うで ある 。 混乱 も生 じ た この 年 の活 動で あ るが、 秋学期 に て い ねい に 活動 を振 り 返 り、52 ペ ージ の報 告 書を 作成 し た (子 島 ゼミ2006 )。 問 題 点を き ち んと確
認 し、 そ の後 の展 望 を 開く こ とがで きた。 2007 年 :こ の 年 は ゼ ミ生 か3 名 と少 なかっ た た め、 情 報発 信 と夏 の 販売 に資 源 を 集 中し て活 動 し た。 前年 の経験 か ら、 地 域や 学 園祭 で の出店 、 大 規模 な 販売、 さ ら に海 外へ の ス タデ ィ ツア ーを 同 一年 度 に行 うこ と は、 教 員 の負 担 もき わ めて 大 き く、「 持 続可 能」 で は ない こ とが よく わ かっ て もい た。 2007年 の特 徴 は、 情報 発 信 を充 実 させ た こ とであ る 。 群 馬県 の地 方 紙 であ る 上毛 新 聞 は、 館 林市 、板 倉 町、 明 和 町、 千代 田 町、 そし て邑 楽 町 をエ リ ア とする 「上 毛 新 聞シ ャト ル 館林 ニュ ー ス」 を編 集 ・発行 し てい る 。こ の シ ャト ル紙上 におい て、 ノ クシ カ タ(バ ン グラ デ シュ の刺 繍) に ス ポ ット を当 て た文 章 を6 回 連載し た。ゼ ミ生 の みな らず、卒論 で ノ クシ カ タを取 り上 げ た 卒業 生、NGO 職 員、 他 大 の教員 等 に も執筆 を依 頼し て シリ ーズを 編成 し た。 販 売 に は多 く の人 手 を必 要 とする が、 口 コミで 大勢 の 学生 が ボラ ンティ ア 参加し てく れ た。子 島 とし ては、 ゼミ生 か小 人 数 であ っ たこ と と前年 の混 乱の 反省 を ふ まえ て、 着 実に イベ ント を実施 す る こ とを 心が け た。 販 売 日 を5 日 間に 短 縮し、 別 途 撤収 作 業 に一 日充 当 し た。3 名 の ゼミ 生 はフ ェ アト レ ード 団体や 販 売会 場 と のや り とり を より丁 寧 に進 め た。 結果 とし て、 この年 の販売 はよ りス ムー ズに 実施 で き た。売 上 の48 万 円 は、 前年 の67 万 円 か ら大 き く減っ たよ うに 見 える が、 こ れ は 販売 日数 を 減らし た ためで あ る。1 日平均 に す る と、 前年 とほ ぼ同 額 であ り、 黒 字 を 出す こ と もで きた。 こ の時 点で は、 まだ ま だ活動 の 継 続性 も不 確 か なも のであ り、利 益 を翌 年 に持 ち 越し て、 さ ら なる 活 動 に生 かそ う とい う発 想 は なかっ た。3 万 円 を板 倉 町の 社会 福 祉協 議会 へ 寄付 し た。 2008 年 : こ の年 の 夏 の販 売 は、 そ の 後 のサ ー ク ルへ の移 行 を に ら んで、 ゼ ミで はな くボ ラ ンテ ィ ア・ ベ ー スで 実 施 し た。 国際 地 域 学 部 の 東 京 へ の 移転 が 決 まっ た こ と を受 け て の流 れ だっ た。a ) 館 林つ つじ の里sc で の販 売、b) 記 者会 見、そ し てc )上 毛 新 聞シ ャト ル にお ける 「お すす め商 品」 連 載 をセ ット とし て 実施 し た。 こ の3 点 セット は、 その 後夏 の販 売 の基 本 形 と なっ てい く。 前年 の 写 真1 売 店 で の コ ーヒ ー の販 売 (2008 年 ) 実 績 か ら、 有 志 学生 が 集 ま るこ とを 期待 し て い たが、 こ の 年 も多 くの 学生 が 参加 し て く れ た。販 売 日 を1 日増 やし て6 日 間とし 、51 万 円 の 売上 と なっ た。 地 域 と の 関 わ りは、 新 聞 記 事 や会 場 が フェ アト レ ード の 発 信 源 と なる 形 で、 さ らに 広 がる こ とと なっ た。 市役 所 の 市 民協 働 課 が こ の活 動 に 注 目し 、 地 元 の中 学 生 が メ イ ン と な る 形 で 、10 月 の 国 際 交 流 ま つ り に参 加 し て ほし い と 依 頼し て きた ので あ る 。10月26 日で の販 売で は8 万 円 を売上 げ た。 国際交 流 まつ り での 中 学生 と東 洋 大生 に よる 販 売 は、 現 在 まで 継 続し てい る。 また、 こ の こ ろ から 断 続的 に大 学構 内 の売 店 に委 託し 、コーヒ ーや クッ キ ーを 販売 す るこ と も試 み た。 た だし、 こ の販 売 は、 そ れ ほど注 目を集 め ずに 終 わっ てし まっ た。 ゼ ミと し ては、 学 部主 催 の海 外研 修 に 参加 す る形 で、 フ ィリピ ン を8 月 か ら9 月 にかけ ての2 週
間訪 問し た。 コ ミュ ニ ティ ー開発 につい て学 ぶこ の 海外研 修 には、 ゼ ミ生 か ら4 名 が参加 し た(全 体 で は18 名 )。 こ のと きの セブ で の研 修、 なら びに そ の後 の一 連 の活 動 につい て 、ピ ケロ ・バレ ス カス 教授 ( 当時 フ ィリピ ン大学 セブ学 校 教授 。現 在、 東 洋 大学 国 際地 域学 部 教授 ) は次 の よう に コ メ ント し てい る。
The students of the Regional Development Studies of Toyo University are encouraged to learn more about people and societies all throughout the world by participating in various learning
programs outside of Japan. In 2008. twenty Toyo University students joined the University ofthe Philippines Cebu Workshop on “Community Development and the Poor in Cebu" for twoweeks.
Accompanied by Prof. Susumu Nejima, a Fair Trade advocate, the Toyo studentsreported about the topic,
"Philippine Fair Trade Goods in Japan," in English. They also visiteda Fair Trade Shop, conducted
field work in Barangay Luz and bought dried mangoes, necklacesand bags made from recycled juice packs which they later sold in Japan during the ToyoNovember School Festival.
The students wrote essays about their Cebu e χperiences whichwere published in a local Gumma newspaper which were appreciated by the local community
residents around Itakura Campus. Eventually, these published reports were published in 2010as part of a book about Fair Trade.
For these students, Fair Trade was not only a lessonto be learned within the universities but one to be more widely disseminated and supportedwhenever,
however, wherever they could.
写 真2 バ ッ グ の作 成 方 法 を 習 う 学 生 (2008 年 ) バ レ ス カス 教 授 が述 べ てい るド ラ イマ ン ゴ ー は、 セブ で 知 り合 っ た神戸 大生 の 団 体 「ぺ ぱっ ぷ 」 が輸 入 ・ 販売 す る もので あ る 。 セブ の研 修 を 通じ て、 学生 間の ネット ワ ー クが広 が っ てい くこ と となっ た。 コ メ ント に もあ る よ うに、 こ の 年 の特 筆 す る 活 動 は、 学 園 祭で の販 売 まで を 含 む研 修 の 成 果 報告 を 、 シ ャト ル 紙 上 で10 回 に わ たっ て 連載 し た こ とで あ る 。 20名 の学 生 ( セブ 校の フ ィリピ ン人 学生1 名 、 な ら び に研 修 に は 参 加 し な か っ た が、 学 園祭 で の 販 売 に 積 極 的 に 関 わっ たゼ ミ 生1 名 を含 む)が 執筆 に携 わり、開始 か ら終了 まで 約3 か 月、全 体 で約2 万字 に 及 ぶ大 部 の もの となっ た。 シ ャト ルは、 板倉 町や 館林 市 とい っ た板倉 キャ ンパ ス周 辺 が 配布対 象 地域 となっ てい る。 地域 の さ まざ ま な人 から、バ スの車 内や ス ーパ ーで「 国 際地 域学 部 で は、面 白い 活動 をし て い る んで す ね」「妻 が フ ィリピ ン人 な ので、 フ ィリ ピ ン に行っ たこ とが ある 。 連載 を 楽し み に読 んで い る」 とい っ た好 意的 な コメ ント を もら うこ と と なっ た。 2009 年 :4 月に 国 際地 域学 部 は東 京へ 移 転し た。 館 林で の夏 の販 売 は、 学 生 サ ー クル「 ハ ート バ ザ
− ル」 が 継 続す るこ と とな っ た。 サ ー クルへ の 参加希 望 者 を募っ た ところ、 春学期 の段 階で 在籍 者 が60 名 を超 え た。 し か し なが ら、 そ れだ け の人 数 に 十分 な 活 動 を提供 す るメ ニ ュ ー は用 意 さ れ て い な かっ た。 秋学 期 半 ば を過 ぎる ころ に は、15 名 程 度 に まで メ ン バ ー 数 は減 少 し た。 20名前 後 が 活 動 を行 う うえで 適 正人 数 な のであ ろ う。 当初 、a) 館林 つ つ じ の里sc で の販 売、b ) 記 者 会見 、 そ し てc ) 上毛 新 聞 シ ャト ルにお け る 連 載 を セ ッ トで 考 え て い た が、 総 選 挙 (8 月30 日 ) の ため多 忙 と の こ とで、 記者 会 見 は 中 止 と なっ た。 初 め て の試 み と して、d ) ケ ーブ ルテレ ビ 放 映用 のCM を作 製 し た。 前 年の 国 際交 流 まつ り に 参加 し た 中 学生 もCM に協力 し て くれ た。 前 年、 商 品 のヴ ァラエ テ ィ が少 なかっ たと の 反省 か ら、 シャ ンテ ィ 国際 ボ ラン ティ ア会、 日本 フ ァ イバ ーリ サ イク ル連 帯協 議 会、 ぺ ぱっ ぷ等 か ら も新 たに 商 品 を取 り寄 せ た。 ハ ート バ ザ ールの 代 表と なっ た 岡村 朱乃 や 岡 田有紗 らがリ ーダ ー役 とし て 販売 をけ ん引 し、 売 上 は5 日間 で58 万 円 となっ た。 前 年1 日 あ た り3 万 円 も アップ し たの は、 彼 女 た ちの が んば りが あ っ た から であ る。 当 初 から、 ハ ート バ ザ ー ルの メン バ ーと 子島 ゼミ の ゼミ 生 と はあ まり 重 なら ない 形 で発 足 し たが、 岡 村 ・岡 田 も子 島ゼ ミ所 属 で はな かっ た。 国 際交流 まつ り は、 中 学 生中 心 の イベ ント とし て、 学 園 祭 は東京 の 白 山キ ャ ンパ スで の 出店 と な っ た。年 度 末の2 月 に は、白 山第2 キ ャ ンパ スに おい て、三浦 史 子氏(『フェ ア・ト レ ード を探 し に』 の 著者 ) を招 い て講 演会 ( 勉 強会) を実施 し た。 この 年 の 子 島ゼ ミ の 活動 は、『館林 発 フ ェ アト レ ード ー 地 域 か ら発 信 す る国 際協 力 』 の 編集 とし た(子 島 他 編2010 )。 同書 の構 成 は以 下 の とお りで あ る。 第1 部「 東 洋大 生 に よ るフ ェ アト レ ード 活 動」 は、2005 年 のゼ ミ か ら2009 年 の ハ ート バ ザ ー ル 始 動 まで の記 録で あ る。 第2 部「生 産 者 の コミュ ニ ティ ー」 で は、 の ノ クシ ・ カン タ刺 繍 (バ ン グ ラデ シュ ) とジュ ースパ ッ ク のリ サ イ クル・ バ ッグ (フ ィリ ピ ン) に 焦点 を 当て てい る。 この ジュ ース パ ッ ク の 部分 は、2008 年 の 報 告 書 を用 い て い る。 第3 部「 フ ェ ア ト レ ード ーそ れぞ れ の活 動 と思い 」 で は、 ネパ リ ・バ ザ ーロ、 シ ャプ ラニ ー ル、 シサ ムエ 房、 青 年海 外協 力 隊、 ぺ ぱっ ぷ (神 戸 大 )、 北 星 フ ェ ア トレ ード ( 北 星 学 園大 ) な どの 職 員 ・ メ ンバ ーに 対 す る イ ン タビ ュ ーで あ る。 さ ら に、「幕 間 そ の1 」 と し てバ ン グ ラ デ シュ の刺 繍 、「 幕 間そ の2 」 とし てフ ェ アト レ ード の食 材 を使っ て の料 理 に、 ゼ ミ生 か挑 戦し た。 2010 年 :夏 の 販 売 は、 ハ ート バ ザ ール が、a) 館 林つ つ じ の里sc で の 販売 、b ) 記者 会 見、c) 上 毛新 聞シ ャト ルにお け る 連載 、d ) ケ ーブ ル テレビ 放映 用 のCM を セ ット で 実施 し た。 商 品提 供 は9 団 体 に増加 し、 販 売 に は地元 の 中 学生20 名 も加 わっ た。5 日間で50 万円 の 売上 となっ た。 この 年 に は、 販売 のプレ ・ イベ ント とし て講 演 会 を館 林市 で 実 施し た。9 月5 日、 西 公民 館 に て 「 大 学生 に よる フ ェ アト レ ード の 実践 」 とい う テ ーマ の もと、 ぺ ぱっ ぷ (神戸 大 )、 北 星フ ェ アト レ ード ( 北星 学 園 大 )、 そ し て 東 洋 大 か ら は子 島 ゼミ の 学 生 が発 表し た。 こ れは、 ゼミ で 調 査 し、 パ ッ ケ ージ を作成 し た「 分 福紅 茶」 の お披 露 目で あっ た( 第3 世界 シ ョ ップ の紅茶 を使っ てい る )。 館 林 の 茂 林寺 に伝 わる 昔 話 「 分 福 茶 釜 」 か ら名 付 け た も ので あ り、1 袋 につ き100 円、 合 計6300 円 を館 林 の社 会福 祉 協議 会 に寄 付し た。 オリ ジ ナル 商品 を 販売 する に は、 夏 の イベ ント だけ で は無 理 があ り、 地 域 の商 店街 で 一定 期 間販 売 する こ とが 求め ら れる。 館 林あ るい は文 京 区の 商店 街 と共
同 で作 業 を 進め てい く なら ば、 町 おこ し に一 役買 う 商品 の 開発 も 視野 に入 っ て くる だろ う。 こ の年 も、 夏 の販 売 をメ イ ンの イベ ント とし て活 動 の幅 は広 がっ たが、 前年 の アクテ ィブ なメ ン バ ーと後 輩 たち の 間の引 き継 ぎ はあ まり う まくい か な かっ た。 販売 に 際し て も、 声 かけし て積 極的 に 売ろ う と する 姿 勢が 弱 かっ た よ うに 感じ ら れた。 大 勢 の買 い 物 客 が集 まるsc のイ ベ ント 会場 で の 販売 は、 ほ と んど の 学生 が 初 め ての 体 験 と なる。 どう し て も初 日 は受 け 身 に なっ て し ま うが、1 日か ぎ りの 参加 とい う メ ンバ ーが ほ とん ど とな り、 販売 期 間中 を 通し て常 に 目を 配 るメ ン バ ーがい なく なっ て し まっ た。 学 部が 東京 に移 転し て、 館 林 と学 生 と の 関係 が希 薄 に なっ て し まっ たこ と、 そ し て交 通 費が往 復2000 ∼3000 円 もか かる よ うに なっ てし まっ たの が主 な原因 であ る。 この2 点 の 抜 本的 な解 決 策 は、 館林 で の販 売 を (止 め る の で は な く)、板 倉 キャ ンパ ス の 学生 に活 動 を 継承 し て もら う こ とであ っ た。 し かし、 こ の段 階で は、 具体 的 な めど は立 っ てい なか っ た。 ま た、 会計 処 理 な どイ ベ ント 後 の 部分 で子 島 へ の依存 度が 高 まっ た。発 案 か ら成 果 の確 認 まで の自 主 的 な計 画 と着 実 な実行 が 課題 とし て 残っ た。 写真3 白 山 第2 キ ャ ン パ ス で の 販 売 2011 年 :3 月11 日 の 東 日 本 大 震 災 を 受 け て の ス タ ー ト と な っ た 。ハ ー ト バ ザ ー ル で は「 被 災 地 へ の 直 接 的 な 支 援 活 動 を 行 い た い 」 と の 意 見 も 出 た が 、 子 島 は 「 サ ー ク ル と し て は こ れ ま で の 活 動 を 堅 持 し な が ら、 支 援 す る 道 を 模 索 し て は ど う だ ろ う か 。 街 頭 募 金 や 現 地 で の ボ ラ ン テ ィ ア は 個 人 個 人 で 参 加 す る こ と に し よ う 」 と 提 案 し た 。「 一 年 間 、 な る べ く 多 く の 販 売 を 行 う 。 そ し て 、 利 益 の 全 額 を 被 災 地 で 支 援 に あ た るNGO へ 送 る 」 こ と が 目 標 と な っ た 。シ ャプ ラ ニ ー ル、ネ パ リ・バ ザ ー ロ 、 そ し てシ ャ ン ティ とい っ た フェ ア トレ ード を行 う 国際 協力NGO の多 くが、 間髪 を お かず に 被災 地 支 援 を始 め てい た。 そ の ため、フ ェ アト レ ード と被 災 地支 援 は、シ ームレ ス な形 でつ なが っ てい た。 まず は、 東洋 大 の 中 で販 売 し てい こ う と、4 月 に 国際 地 域 学 部 のあ る 白 山 第二 キ ャ ンパ ス、6 月 に 板倉 キャ ンパ ス と白 山 キャ ンパ ス におい て販売 を 実施 し た。 各 キ ャンパ ス で は、 販売 の ため に集 まっ て く れた東 洋 大の ボラ ンテ ィ ア学 生 と一 緒 に販 売 を行 っ た。6 月 に は、 ア フリ カ の難 民 支援 と 被 災 地支 援 を兼 ねたREN ( 難民 支援NGO ) のチ ャリ ティ ・ コ ンサ ート に、 販 売 要員 とし てメ ンバ ーが 参加し た。 8 月、 恒 例 の 夏 の 販 売 を 行 っ た。a)館 林 つ つ じ の里sc で の 販 売、b ) 記 者 会 見、c) 上 毛 新 聞 シ ャト ルにお け る 連 載、d ) ケ ーブ ル テレ ビ 放映 用 のCM を セ ット で 実施 し た。 ハ ート バ ザ ー ルの メ ンバ ーに加 え て、 館 林商 工、 宇 都宮 大 学、 お茶 の 水女 子 大学、 慶応 大学 、群 馬 県 立女 子 大学、 東 洋 大 学学生 ボラ ン ティ ア セン タ ーの学 生 が集 まっ た。宇 都宮 大 学 のリ ソ ース ・ ネ ット ワ ー ク は、 自 ら が イ ンド で買い 付 け た商 品 を、 ブ ース を設 け て販 売し た。 他 大 学フ ェ アトレ ード 団体 と ネ ット ワ ー クがで き たこ と は大 き な成果 で ある 。 し かし な がら、 夏 の 販売 も6 年 目 とな り、 フェ アトレ ード 商品 や イベ ント の 目新し さ が失 われ て
きてい た。 前年 に 続い て、 販売 時 の声 か け、 積 極的 に 売 ろ う とす る 姿勢 も弱 かっ た。 結果 とし て、 売上 は大 き く落 ち込 み40 万 円 に とど まっ た。 混 乱し た1 年 目 を除 き、2年 目 から は何 と か黒 字 を出 し てい たが、 今 回 は イベ ント 単体 で 計算 する と赤 字 に なっ てし まっ た。「利 益 を 被災 地 で 活動 す るNGO に 」 と謳 っ てい た だけ に、 こ れは 大 き な痛手 と なっ た。 委 託 商品 は売 れなけ れば 基 本的 に 返 品 で きる の だが、 一 定以 上 の割 合 の販 売 を求 め ら れる場 合 があ る。 今 回、 第3 世 界 ショ ップ か らの 委 託 商品 に 関し て、25% とい う基準 を 初 めて クリ ア で きな かっ た。 ただし、 ハ ート バ ザ ー ルが運 転 資 金 を持っ てい る の で、 個 人で 立 て替 える 必 要 はな かっ た。 夏 の販売 の不振 で多 くの 在庫 を抱 え たが 、 こ の年 はそ の 後に 粘 り強 く、 残っ た商品 を 少し ずつ 売 っ てい っ た。福 祉 まつ り (9 月 )、 国 際交 流 まつ り (10 月 ) な どで は、 館 林 市 社 会福 祉 協 議 会、 館 林 商 工、 館 林市 内 の中 学 生 た ちが 協 力 し て く れ た。 また、6 月 に 白 山 キ ャ ンパ ス で 一 緒 に 販 売 を 行っ た東 洋大 学 学生 ボラ ンテ ィ ア セン タ ーの メ ンバ ーが学 園 祭 (11 月) で 在庫 を 販売 し て く れた。 最 後 に、 文京 区役 所 か ら受 託 し た 国際 理解 推 進 講 座(11 月) で のプ レ ゼ ント とする こ と に よっ て、 なん とか 在庫 を さば くこ と がで きた。 夏 の館 林で の 販売 の不 振 を、 こ れ まで に作 り 出し て きた ネ ッ ト ワ ー クの力 に よっ て 乗 り越 え るこ とが で き たの であ る。 2011年 度 の売上 総 額 は最 終 的 に89 万 円 となっ た。 こ れ は年 間 とし て は 過去 最 高 と なっ た。 利 益 の ほ ぼ全 額 と なる19 万 円 を、 被 災 地で 活 動 する5 つ のNGO へ 寄 付し た。 さ らに2 月 に は、 文京 区 のエ コ ステ ー ジに 出店 し た。 引 き続 き、 国 際交 流 フェ ス タで はフ ェ アト レ ード の フ ァッ ショ ン ・シ ョ ーと販 売 を行 っ た。 同 じ文 京 区にあ る お茶 の 水女 子 大学 生 に も出演 や 商 品 販売 で 手 伝 っ て も らっ た。3 月 に はJOCV 関 係 者 を招い て、「貿 易 ゲ ーム」 ワ ー クシ ョ ップ を 開催し た。 2012 年 : 本年 度の 最 大 の 成果 は、 ハ ート バ ザ ー ル の メ ンバ ー が、 夏 の 販 売 に 自発 的 に 取 り組 ん だ こ とで あ る。 フェ アトレ ー ド 団体 との 交渉 、シャト ル紙上 に おけ る 「お す すめ 商品 」 の 選定 と執 筆、 他 大学 や 高 校 との 連 絡 な どに 積 極的 に 取 り 組 ん だ。 特 に、「お す すめ 商 品」 は、 こ れ まで 子 島が 最 初 か ら最 後 まで 見 てい たが、 今 回 は添削 の みを担 当 す れば よく なっ た。 事 後 の報 告 書 (A4 用 紙 で27 ペ ー ジ)も9 月上 旬 に は完 成し た。さ ら に11 月 に は、メ ンバ ーの 田渾 憲太 朗 が館 林 商工 に 出向 き、 生徒60 名 に フェ アト レ ード の 講演 を 実施し た。 こ れ まで 子 島が 行 っ てい た活 動で あ る。 こ の よ う な 自 発 的 な姿 勢 を 端 的 に 示 す の が、 夏 の 販 売 終 了 後、 ハ ー ト バ ザ ー ル代 表 の 松 井 智 諒 が 書 い た 報 告 分 で あ る 。 こ の 報 告 は、10月17 日付 の シ ャト ルに 掲載 さ れ た。 や や長 く なる が、 そ の一 部 を引 用し たい 。 今 回 の 販 売 会 場 は、 例 年 通 りつ つ じ の里 シ ョ ツピ ン セン タ ー( アゼリ アモ ール )のい こい の広 場 で し た。 開催 期 間 は8 月22 日∼8 月27 日 の6 日 間 で し た。 東 洋 大 ハ ート バ ザ ール か ら28 名、 群 馬県 立女 子 大 学生 を中 写真4 販 売 後 に 成 果 を 検 討 す る 束 洋 大 生 と館 林 商 工 の 生 徒 た ち (2012 年 )
心 にド リ ップ パ ッ クプ ロ ジェ クト か ら11 名、 東洋 大 生命 科 学 部 (板 倉 キ ャ ンパ ス ) か ら9 名、 館 林 商 工高 等 学校 か ら7 名、合 計55 名 の 大学 生 ・高 校生 が 参加 し まし た。 13団体 か ら商品 を 仕入 れ、5
日間 の売 上合 計 は約38 万 円 と な りま し た。(中 略) 仕 入 れ 額が120 万円 なの で 約3 割分 か 売 れ た こ と に な り ます。 各 団 体 のお お よ そ の売 上 は、 第3 世 界 ショ ップ が 最 も多 く15 万 円。 シ ャプ ラ ニ ー ル7 万 円。 シャ ンテ ィ国 際 ボ ラン ティ ア会、 ネパ リ ・バ ザ ーロ、 被 災地 支援 商 品 ( わか ちあい プ ロ ジェ クト、SAVE IWATE 、 職人 工 房HANDMADE 、 南 三 陸 ミ サ ンガ プ ロ ジ ェ クト、 復 興 サ ポ ート シ ョップ ・和 、 牡 鹿エ コ た わし工 房 ) がそ れぞ れ3 ∼4 万 円、 ド リ ップ パ ッ クプ ロ ジ ェ クト が 約2 万 円、 ぺ ぱ っ ぷ とREN がそ れぞ れ1 万5.000 円 で し た。 被 災 地 から の 商 品 は、 す べ て初 め て 仕 入 れ る もの であ り、 販売 前 に は売 れる だろ う か とい う 不 安 も正 直 な と ころ あ り まし た。 し かし、 実 際 に販 売 して み ると よ く売 れ まし た。 そ のほ かに も、今 回 販売 が 好調 だっ た「 カレ ーのっ ぽ」、「 ク ッ キ ー」、「 ガ ムチ ャ」 な どは、 上 毛 新 聞 シ ャト ルに「 お す すめ 商 品」 とし て 掲 載 さ れた も ので す。 地 域 に根 ざ し た メデ ィ ア の力 を再 認識 し まし た。 なお 、 今 回 の記 者 会 見 は7 月26 日 に商 工 生 と合 同 で行 い ま し た。 朝 日、 東 京、 毎 日、 読 売新 聞 の群 馬版 に 記事 が 掲載 と な りまし た。 館 林 ケ ーブ ル テ レビ 、 な らび に地 元 のFM ラ ジ オに も取 材し てい ただ き まし た。 販 売に携 わっ た学 生 の反 省 は主 に2 つ に集 約で き ます。 ①お 客 さ んに う まく話 し かけ ら れ なかっ た、 ②レ ジ のミ ス をな くさ ない といけ ない 、 とい う もので す。 こ の2 点 は、以 前 か らの 問題 で あ り、 ま だ まだ問 題 を十 分 に解 決で き てい ませ ん。 マ ネ ー ジャ ー の 中村 さ ん か ら改 善策 とし て、 来 年 は売 り場 に モニ ターと 椅子 を 設置 し て、 ミニ フ ェ アトレ ード 講 演 会 を同 時 開催 し ては との 提案 が 出 まし た。 こ れ を実践 す れ ば、 単 なる声 かけ よ りも、 質 の高い レ ベ ルでフ ェ トレ ード を広 め、 売 り場 を活気 づ け るこ と がで き ると 考え てい ます。 そ して、 商工 生や 生 命科 学 部 (板倉 キ ャンパ ス) の 学生 と の 連携 をさ ら に深 め るこ とで、 現 場 での ミ ス を軽 減し、 効 率 よく販 売 を行 え る ように な る はずで す。 2006 年 か ら始 まっ たこ の販 売 も7 年 目 を迎 えて い ます 。以 前 は50 万 円 程 度 の売 上 があ りまし た が、 昨 年 の40 万 円 に 引 きっ づ き今 年 も売 上 は 減少 し ま し た。 フェ アトレ ード の 認 知 度 も数 年 前 と 比 べ て多 少 は改 善 さ れ、 新 奇 さや 目新 し さ は もう なく なっ てい ます。 来年 の 販売 に は、 さ ら なる ア イデ アが 求 め られ るこ とに な る と考 えてい ます。 最 後に、 例年 の館 林 販売 に は、 顧問 の 子 島先生 を頼 みに し てい る ところ が あ り まし た。 今回 はそ れ を払拭 し たい と、 こ の1 年 間学 生主 体 でい ろい ろ 考 え、 周 囲に 働 きかけ をお こ なう よう 努力 し ま し た。 お す すめ 記事 の担 当 者決 定 か ら原稿 集 め まで 学生 が行 っ た 点や、 群 馬県 立 女 子大 や 館林 商工 との 共同作 業 とい っ た 形で、 そ の 目標 は 少し ずつ 実 現し てい ます。 そ う言 っ た 意味 で は、 今年 の販 売 で 一歩 前 進し た とい う たし か な手ご た え を感 じて い ます。 以 上 の よう に、2012 年、 学 生 た ちが 自 発 的 に取 り組 む姿 勢 が 明 確 に立 ち あ ら わ れて き た。 し か し な が ら、 売上 は38 万 円 と前 年 を さ らに 下 回る 結 果 と なっ た。 来 年 度 の 販売 から は、 板 倉 キ ャ ン パ ス の学生 たち が館 林 での 販売 を 主 とし て担 うこ とと なっ てい る。 館 林 商工 の生 徒 たち に も、 販売 時 だけで は な く、 商品 選定 の段 階 か らよ り深 く 関 わっ ても ら うこ とを 期待 し てい る。 地元 に住 む学 生 が 地域 で 積極 的 に活 動す る。 こ の原 点 に立 ち返 ろ う とい う わけ であ る。
3 。考察
3-1 活 動 内 容 の 分 類 以 上 、 現在 に至 る 活動 を 時 間軸 に沿 っ て概 観し た。 次 に、 こ れ まで の活 動 内容 を分 類 する と、 次 の13 点 を挙げ る こ とが で きる。 ① 地 域 のお まつ りで の 出店 ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑩ ⑩ ⑩ 学 園祭 で の出 店 フ ェ アトレ ード 店 の 訪問、 イベ ント 参加 カレ ー作 り( 料理 ) 館 林つ つじ の 里 ショ ッピ ン グ セン タ ーで の大 規模 販売 記 者会 見 生 産現 場へ の ス タデ ィ ツア ー 上毛 新 聞 シ ャト ルに おけ る 連載 ケ ーブ ル テレビ 放 映 用 のCM 作 製 大 学売 店で の 販売 講 演会 ・ワ ー クショ ップ オリ ジナ ル商 品 の企 画・ 販売 フ ァ ッシ ョ ン・ ショ ー 3-2 考 察 2 章の 記述 から、 年 を 追 うご と に活 動 内容 が多 様化 し ていっ た様 子 を具 体 的 に跡付 ける こ とが で きた。 前 節 の整理 か ら も、 フェ アト レ ード へ の取 り 組 みに は、 実に さ まざ まなス タ イル があ るこ と が わ かる。 こ れらの 活動 を、 今 後館 林 にお い て、 ど の よう に発展 さ せ てい っ たらい い だ ろ うか ?1 ) 社 会的 な場 の 設定 、2) メ デ イア、3) ネ ット ワ ー クの形 成 の3 点 から考 え てい くこ ととし たい 。 ま ず、 国際 協力 とし ての フェ アト レ ード を 自 ら学 びつ つ も広 め よう とす る場 合、 どの よ うな場 で 行 う のが 適当 な の だろ うか 。大学 キ ャ ンパ ス も確 か に 地域 に立 地し てい るが、そこ に と ど まる 限り、 社 会性 は 高 まっ てい か ない 。お まつ りや イ ベ ント へ の 出店 は、学 園 祭 の出店 と基本 的 に同 じ なの で、 地 域 に出 て行 くう え で無 理 の ない 方 法 で あ る。 館 林 の場 合 も、 町 の1 日の イベ ント か ら 出発 し て、 つつ じ の里 ショ ッピ ング セ ン ターで の 販売 を、 夏 の 恒 例行 事 と する こ とが で き た。 同sc に は、 フ ェ アト レ ード の もつ 社 会 的 意義 を共 有 し てい ただ き、100 平 方 メ ート ル のイ ベ ント 会場 を1 週 間無 料 でお 貸し い た だい てい る 。販 売 の規 模が 大 き くな る と、 一方 で大 きなリ ス クを抱 える こ とに も な る が、 こ のバ ッ ク アップ は 資金 的リ ス クを カバ ーし て余 りあ る もの となっ てい る。 毎 日何千 人 もの買 い 物客 を 集 めるsc に場 を確 保 で き た わけ だが、 そこ で の活 動 が 地域 に受 け 入 れら れる 過程 に おい て、 新 聞や テレ ビ で の 情 報 発 信が 果 たし た役 割 は大 きい 。 た とえ ば、2010 年 の場 合 、 新 聞へ の 掲 載 は計15 回 を 数え た。 自分 の 書い た記事 が新 聞や テレ ビ に 繰 り返 し 掲 載 ・放 映 さ れ、 市役 所や 社 会福 祉 協議 会 の職 員、 教育 委 員 会、小 中高 校の 教員 、 地 域の 活性 化 を担 う方 々 などが 販売 会 場 を訪 ねてく る。「新 聞 を読 み まし た よ」「 ケ ープ テレ ビ のニ ュ ース を見 た よ」 と買 い 物 に来 て く れるお 客 さ んと の交 流が 、 学生 に 大 きな 喜び と充 実 感を もたら し て きた。 メ デ イア に よる 情 報発 信 は、 と もす れば 不明 瞭 な もの と なり がち な「 地 域 との接 点 」 を確 か な ものに し て きた の で あ る。新 聞に 掲載 さ れ た記事 は、 学 生 が書 い た「 お すす め 商品」 や 「販 売 報告 」 を中 心 に、優 に100 回 を超 え てい る。 そし て、 新 聞 へ の執 筆 は、 こ れまで の 活動 記録 とも なっ て きた。 2010年、 そ れ まで の記 事 を再 編 集 す る形 で、『館林 発 フ ェ アト レ ード ー 地 域 か ら発 信 す る 国際 協力 』 を、 上毛 新 聞 社 か ら刊行 する こ と がで きた。 鈴 木 紀 が 『館 林発 』 の 書 評で 指 摘 す る よう に、sc が 広 い イベ ント広 場 を提 供 し、 地 元メ デ ィ アがそ の 活動 を取 り上げ て く れた 点が、 館 林 での 活 動にお い て は決 定 的 に重 要 だっ た(鈴 木2011 )。地 方 都 市 なら で はの こ の ス タイ ルを 基幹 に し て、 今 後の 展 開 も考 え てい くこ とに な るだ ろう 。 大 勢 の 学生 の協 力 が 必 要 と な る夏 の 販 売 とそ れ に付 随 する 情 報 発 信 は、 ネ ット ワ ーク を広 げ る う え で も重 要 な役 割 を 果 たし て きた。 当初 から、 館 林で の 販売 に は、 ゼ ミ生 か友 人 や後 輩 たち に も 声 をかけ、 販売 に加 わっ て もらっ てい た。 言 わば、 口 コミ で学 部 内に ネ ット ワ ー クを広 げ ていっ た の で ある。 そし て、 毎 年の ように 販売 に 参加 す る学 生 たち の 間で、 夏 の販 売 を継 続 してい こう とい う 機 運 が 盛 り 上 がっ て きた。 2009年、 学 生 サ ー クル であ る「 ハ ー トバ ザ ール 」 が誕 生 し、 販売 を 担 う こ とに なっ た。 こ の年 に は、 文京 区 白 山へ学 部 が 移転 し てお り、 サ ー クル化 に よ り大 学全 体 か らメ ンバ ー が集 ま るこ と を期待 し てい た の だっ た。 し かし、 なか な か全学 に広 が る 形に は な らな か っ た。 また、 大 人 数を抱 え て も、 実 際に はそ の力 をう まく 活用 で き ない こ とも経 験 し た。 そ れで は 大 きな イベ ント は どう やっ て実 施 し てい け ばいい の だろ う か ? この 課題 は、 必 要 な時 に マ ンパ ワ ーや ノ ウハ ウ を融通 す る「 ゆるや か な ネット ワ ー ク」 を形 成 する こ とに よっ て、 乗 り越 え ら れそ う だ との 見 通し が立 っ て き た。 2011年 の震 災 後、 被災 地 で 支 援 活 動 に取 り組 む 学生 ボ ラン テ ィ ア セ ン ター (東 洋大 生 のサ ー ク ル) との 連携 が始 まっ た。そ の 後、 彼 ら はフェ アトレ ード 団 体 と直接 つ なが りを作 り、 さ まざ ま な機 会 に フ ェ アト レ ード 商品 を販 売 す る よ うに なっ てい る。 2012年 度 に は、 この 学 生 ボラ ンテ ィ アセ ン タ ーの板倉 キ ャンパ ス支 部 が誕 生 し た。そ し て、 彼 ら とエ デュ ケ ー ショ ン研 究 会 (通 称Ed 研 ) の学 生 が、 板倉 から夏 の販 売 に参加 し た。板 倉 の 学生 は、 そ の 後 の館 林 福 祉 まつ りや 国際 交流 まつ り など で も販売 に 従 事 し、 経 験 を重 ね てい る。 2013年 夏 か らは、 彼 らが 館林 の 販売 を主 導 する 形で 計 画 を進 め てい る。 毎年 の よ うに、 他 大学 の 学生 もイベ ン トに駆 け っ け て く れてい る こ と は、2 章で 述べ たとお りで あ る。フ ェ アトレ ード が、 社 会教 育 的 な側 面 を多 分 に もつ こ とが、 この よう な学 内 な らび に学 外で の ネット ワ ー ク形成 を活 発 な もの とし て き たと言 え る だろ う。 フ ェ アトレ ード の仕 組 みは、 子 供 か ら大人 まで の幅広 い 層 の参加 を可 能に す る もので あ り、 地 域 の中 学校 や 高校 と の連 携 も広 がっ て き た。活 動 に注 目し た市役 所 の市 民協 働 課 を経 由し て 、2008 年 か ら国 際 交流 まつ りで 販 売 す る よう に な っ た。 地 元 の 中学 生 が 中 心 と な り、 東 洋大 生 か サ ポ ート する 形で あ る。 中学 生 た ちは、2009、10年 の夏 の販 売 に も参加 し てい る。 2011年 か らは、 館 林 商工 高 等学 校 の生徒 たち が夏 の販 売 の全 日程 に 参加 す る など、 中 学校 ・ 高校 を通し て、 フ ェ ア ト レ ード は確 実 に館 林 に根 付 きつ つあ る。 繰 り 返し 述 べ て い る よ うに、2013 年 か らは 板倉 キ ャ ンパ ス の 学生 たち が 館 林で の 販 売 を 主 とし て 担 うこ と と なっ てい る。 地元 に 住 む学 生 が地域 で 積極 的 に活 動 する 。 この 原点 に 立ち 返 ろう とい う わけで あ る。 ハ ート バザ ール は販売 に 関し て は、 側面 支援 に回 るこ と に なるが 、 情報発 信の 点 か ら はこ れま での 経験 を 生 かし た アイ デア を提 案 する こ とが で きる だろ う。 公民 館 で の カレ ー作 り を 販 売 のプ レ ・ イベ ン ト とし て 実 施 す る。 ス タデ ィ ツ ア ーを行 い、 そ こで の 経 験 をパ ネル展 示 す る。
大 学生 が サ ポ ート す れば、 館林 商工 の 生徒 たち に加 えて、 中学生 に も「 お す すめ 商品 」 を 執筆し て もら うこ と も十分 可 能 だろ う。 お すす め 商品 の記 事 をパ ワ ー ポイ ント化 し て、 ミ ニ・ レ クチ ャ ーを 販売 会 場 で行 うこ とを考 え て もよい 。 学生 の 熱 意 を形 にし よう と 始 まっ た小 さ な活 動 か ら、「 国 際協 力 を 地 域 で行い 、 地 域 か ら 情報 を 発 信 する」 一 つ の形 が見 え て きたこ とを実 感し てい る。 今 後 も、 学 生 と一 緒 に地 域 にお ける 新 た な 可 能性 を 開拓 し てい きたい 。 引 用 文献 児 玉 克 哉 ・ 吉 野利 那 ・ 杉 本 正 次 (2004 )「フ ェ ア ト レ ー ド の話 」 地 域 開 発 企 画 。 鈴 木 紀 (2011 )「 書 評 館 林 発 フ ェ ア ト レ ー ド 」 上 毛 新 聞 、2 月10 日 、29 ペ ー ジ 。 子 島 ゼ ミ (2006 )『フ ェ ア ト レ ー ド で つ な が る 日 本 と バ ン グ ラ デ シ ュ 』 東 洋 大 学 国 際地 域 学 部 国 際 地 域 学 科 。 子 島 進 ・ 五 十 嵐 理 奈 ・ 小 早 川 裕 子 編 (2010 )『館 林 発 フ ェ アト レ ー ド ー地 域 か ら 発 信 す る 国 際協 力 』 上 毛 新 聞 社 。 松 井 智 諒 (2012 )「 フ ェ ア ト レ ー ド2012 @ 館 林 報 告 」 上 毛 新 聞 シ ャト ル 、10 月17 日 、4 ペ ー ジ。 三 浦 史 子 (2008 )『フ ェ ア ・ ト レ ー ド を 探 し に 』 ス リ ー エ ー ネ ット ワ ー ク。
Students' Fairtrade Activities in Tatebayashi, Gunma Prefecture
Susumu NEJIMA
This paper deals with the process of student fairtrade activities in Tatebayahi City. The activity
began as experiential learning at Nejima Seminar, Department of Regional Development Studies, ToyoUniversity in 2005. They proceeded to form Heart Bazaar, a student fairtrade organization in 2009.
This paper follows their various activities and networking up to 20 1 2.