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地域高齢者における「閉じこもり」の有病率ならびに身体・心理・社会的特徴と移動能力の変化

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Academic year: 2021

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平成10年9月15日 第45巻 日本公衛誌 第9号 883

地域高齢者における「閉じこもり」の有病率ならびに

身体・心理・社会的特徴と移動能力の変化

藺牟田洋美 安村 誠司 藤田 雅美 新井 宏朋 深尾 彰 目的 寝たきりの原因の一つと考えられる「閉じこもり」に焦点をあて,閉じこもり高齢者の身 体・心理・社会的特徴および移動能力の変化を明らかにする。 方法 調査対象者は無作為に選んだY市60歳以上の男女300人である。1995年12月に質問紙を用 いた訪問面接調査を実施した(初回調査)。調査完了者は234人であった。初回調査完了者を 対象に1996年10月に追跡調査を実施した。  対象者の閉じこもりの判定基準には総合的移動能力尺度を用いた。生活の行動範囲が家の 外まで広がる者を非閉じこもり群,寝たきりを除いたそれ以外を閉じこもり群とした。 成績 1. 閉じこもりの有病率  初回調査において閉じこもり群は7.7%,非閉じこもり群は91.4%,寝たきりは0.9%であ った。追跡調査では閉じこもり群は4.4%,非閉じこもり群は93.9%,寝たきりは1.7%であ った。  2. 閉じこもりと基本属性および身体・心理・社会的項目との関連  基本属性,身体・心理・社会的項目について単変量での解析より,閉じこもりと有意であ った項目について,年齢をコントロールした多重ロジスティック回帰分析を行った。その結 果,身体的項目はADLの歩行と小便,心理的項目では主観的健康感,社会的項目では老研 式活動能力指標が閉じこもりと有意な関連があることが判明した。  3. 閉じこもり状態の変化  初回調査時から追跡調査時の移動能力の変化では,95年非閉じこもり群214人から96年閉 じこもりとなったのは1.4%,95年閉じこもり群から1年後寝たきりになったのは11.1%で あった。一方,95年閉じこもり群から96年非とじこもり群になったのは16.7%であった。 結論 閉じこもりは高齢に多くなる程みられ,身体的ADL,老研式活動能力指標などの身体・ 社会的項目のほか,主観的健康感などの心理的項目との関連も認められた。追跡調査から閉 じこもりは寝たきり予備群だけでなく,屋外への外出もできる状態になることも判明した。 Key words : 地域,虚弱高齢者,移動能力,閉じこもり

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