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藤井 達也

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Academic year: 2021

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『複言語・多言語教育研究』 日本外国語教育推進機構会誌 No.1 (2013) pp.16-17 16

JACTFL 発足に寄せて

理事 藤井 達也 私は現在の勤務校で中国語を教え始めて今年度(2013 年度)末でまる 15 年となる。 会誌第 1 号に書かせていただくのに卑近な例で恐縮だが、教え始めてから公私いろい ろな場面で「高校で中国語を教えている」という話をすると、そんな学校あるんですかと か、変わってますねという反応が返ってくる。教育関係以外の方ならある程度受け入れ られるが、同じ県内の公立高校の先生方でも似たようなものだし、同じ職場の、同じく外 国語教育に携わる英語の先生からも「教えている高校はどれくらいあるんで すか」と新 鮮な顔つきで聞かれたりすると、もう少し日頃から興味があっても良さそうなものだという 気持ちが心の中に残る。どうせ大部分の先生は関心なんてないものだと割り切れば気 にならなくなるのだろうが、自分の考える外国語教育の果たす役割の大切さと現実との ギャップの深刻さを考えると単純に受け流せない気持ちがある。こういったやりとりが時 に大学で教えている先生方と話している中でも出てくると、なぜ関心を持とうとしないの かという気持ちもより強くなる。 「英語だけでも大変なのに」、「へえ、じゃあ、あなたは中国語が話せるんですね 」、 「どういった子が勉強しているんですか」、「学んだ生徒さんはその後どうするのですか」、 「何人くらいいるんですか」……。一つ一つ書かないが、個々の反応からはその背景に ある外国語学習に対する考え(思いこみ?)が見えてくる。 また多くの場合、話している相手は、私が第二外国語として中国語を教えていると 思いこんで会話している(勤務校には所謂一外・二外の別はない)。学んでも大してもの にならない、役に立たない、受験に関係ないなど様々な雰囲気を感じ取ることもある。こ れらもまた社会に定着してしまったものなのだろう。一方教える側の先生と話していて中 国語教育の可能性を過小評価しているのではないかと思う場面にも出会ったこともある。 私自身まだまだ不勉強だが、様々な角度からもっと生徒を伸ばせる、これからの社会に 寄与できる、中国語教育だからこその価値があると信じて実践されたらいいのにと思うこ ともあったのだ。外国語教育を取り巻く問題点、改善点は多岐多様であり、多層にわた っているように思う。 こういった状況は、様々なお立場でいろいろな場面でご尽力されている方々によ って少しずつ変わっているところもある一方で、この 15 年間そう変わっていないと思うこ ともしばしばあり、徒労感に襲われることすらある。

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『複言語・多言語教育研究』 日本外国語教育推進機構会誌 No.1 (2013) pp.16-17 17 ひとりで嘆いていても始まらない。何よりも目の前にいる生徒のためによ り良い学 習環境を整え 、学習したことをより適切に今後の学び、自己成長につなげられるよう努 力したい。高校の中国語教育に携わるものとして JACTFL発足時に参加できたことをう れしく思うとともに、道のりは遠く険しいかもしれないが、この JACTFL が外国語教育を 改善していくためにより多くの人が関わっていけるプラットフォームとなりうると考える。 多くの人々が外国語教育の価値を多くの角度から認め、教育に携わるものは学習 者の経験、資質、環境を生かしてより豊かな力を持つ次世代を育てようと力を合わせて いく。英語以外の言語を学ぶことが「変わったこと」でなく、たくさんの人がより複数の言 語を学び、多くの価値を認め、互いに尊敬の念を持ちながら、生き生きとした社会を生 み出していく。そんな未来を信じている。 (埼玉県立伊奈学園総合高等学校)

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