我
国
に
お
け
る
「養護 児童 の声 」運 動 の可 能性
一
全国養護施設高校生交流会の展開 とその意義
津
崎
哲
雄
くエラ 「先 生 も一 度 は施 設 で 生 活 した ら よい。 ただ し保 母 さ んの指 導 の下 で だ よ」 「庇護 者 ぶ ってr我 々は 君 らに最 善 の こ とを ち ゃ ん と知 って い る』 とい う態 くわ 度 を と る こ とは,法 律 に 反 す る こ とに な る。」 「1締 約 国 は,自 己 の 見解 を ま とめ る 力 の あ る子 ど もに対 して,そ の子 ど もに影 響 を 与xる す べ て の 事柄 につ い て 自 由 に 自己 の 見解 を表 明す る権 利 を 保 障 す る。 そ の 際,子 ど もの 見解 が,そ の年 齢 お よび成 熟 に従 い,正 当 に 重 視 さ れ る。2こ の 目的 の た め,子 ど もは,と くに,国 内法 の手 続 規 則 と一 致 す る 方法 で,自 己 に 影 響 を 与}xる いか な る司 法 的 お よび 行政 的 手 続 にお いて も,直 接 的 に ま た は 代 理 人 若 し くは適 当 な団 体 を 通 じて 聴 聞 され る機 会 を 与 え ら れ (3) る 。」 は じ め に 英 国Y`い て は,「 養護 児 童 の 声 」 運 動 を 端 緒 と して,児 童 養 護 改 革 の 気 運 が 高 ま り,各 種 の 養 護 児 童 権 利 擁護 制 度 が 生 み 出 され つ つ あ る こ とを,他 所 (「英 国 に お け る児 童 養 護 改 革 の視 座 」 佛 教 大 学 研 究紀 要 第74号,1990年)で 論 じた。 こ うした 改 革 の起 爆 剤 とな った 運 動 に つ い て も,10年 ほ ど前 か ら 『養 ゆ くらラ 護 児 童 の声 』(NCB)やr続 ・養 護 児 童 の声 』(NAYPIC)の 翻 訳 等 を 通 じて ゆ 紹 介 し て き た 。 しか し,我 国 にお い て は 関 係 者 か らの反 応 は 鈍 く,こ の 種 の ア プ ロー チが 児童 養護 施 策 ・実 践 の 改 善 努 力 と して試 み られ るほ どに は 我kの 意識 が 成 熟 して い な い と痛 感 さ せ られ て きた 。 と ころが,1988年 の夏 か ら,一 部 の 養 護 施 設 関 係者 の努 力 に よっ て,「 全 国 養護 施設 高校 生 交 流 会 」 と呼 ばれ る 活 動 が 開 始 され た。 この交 流 会 に お いて は,養 護 施 設 で生 活 して い る高校(あ る い は専 門 学校 ・専 修 学 校)生 が全 国各 地 か らあ る場 所 に集 い,数 日間 起居 を 共 に しつ つ,レ ク リエ ー シ ョン ・日帰 り旅 行 等 を 含 む交 流 プ ロ グラ ムを 体験 し つ つ,同 じ境 遇 に あ る 者 同 士 が 自 らの生 活 に つ い て 語 り合 うこ とを通 じて,施 設 で の生 活 に 付 随 す る 問題 を 明 確 に し,解 決 策 を 共 に模 索 す る試 みが な され る の で あ る。 そ の よ うな 作 業 を 中 核 と した数 日間 の共 同 生 活 体 験 を通 じて,施 設 で生 活 す る高 校 生 として の 自覚 を 促 し,自 らの主 体 性 を 確 立 す る刺激 を提 供 す る の で あ る。 こ う した試 み は 英 国 の 「養 護 児 童 の 声」 活動 に 非 常 に 類 似 して い る。 し か し,1988年 に開 始 され た 当 時,交 流 会 を企 画 運 営 した 関係 者 は英 国 の 活 動 に つ い て知 らなか った よ うで あ り,実 際 この交 流 会 は 英 国 のそ れ とは全 く無 関 係 に 開始 さ れた ので あ る。 筆 者 は 一 昨年 の第1回 鳥 取 大 会 報 告 書 に 接 して以 来, 関 係 者 か ら直 接 この 交 流 会 開 始 の 背 景 や動 機 を う か が い な が ら,英 国 の活 動 との比 較 を通 じて,こ の 種 の 試 み の 特 微 と可 能 性 を 論 理 化 す る こ とに 関心 を 抱 い て きた。 幸 いな こ とに,1990年8月8∼11日 に京 都 府 舞 鶴 市 で 開催 され た 第 3回 大 会 に参 加 す る機 会 が 与}ら れ,こ の交 流 会 の組 織 ・手 順 ・雰 囲気 ・活 動 の 実 際 を つ ぶ さに 体 験 す る こ とが 出 来 た。 この経 験 か ら学 んだ こ と並 び に前2 回 の 報告 書 の分 析 を 通 じて,こ の 交 流会 と英 国 の活 動 との相 違 を 探 り,こ の高 校生 交 流会 が 英 国 のそ れ に 匹 敵 す る実 質 あ る 「養 護 児 童 の声 」 運 動 と して,戦 後45年 間 続 い て きた 現 在 の 我 国 の児 童 養護 体制 を改 善 す る幾 許 か の イ ンパ ク ト とな り うるか ど うか,そ の可 能 性 を 検 討 す る こ とが,本 研 究 の 目的 で あ る。 (本 研 究 は1990年 度 佛 教 大 学 学 会 特 別 研 究 助成 一 個 人 一 に よる研 究 成 果 公表 の 一 部 で あ る。) 1.全 国 養 護 施 設 高 校 生 交 流 会 第1,2,3回 大 会 の概 要 養護 施設 高校 生 の交 流 会 とい う発 想 の 起 源 は,背 景 と して養 護 施 設 にお い て
我国におけ る 「養護児童の声」運動の可能性 直 面 せ ざ る を な い 高齢 児(高 校 生 を 中 心 とす る)処 遇 へ の取 り組 が 存 在 して い た こ とは 確 か だ が,基 本的 には,3回 の大 会 の 中 核的 役割 を 担 った 養 護 施 設 関 係 者 の児 童 養護 理 念 に在 った とい え る。 交 流会 運 動 の 中心 人 物 で あ る北 海 道 美 深 育成 園 長,木 下 茂 幸 氏 は,交 流 会 開 催 の意 義 に つ い て次 の よ うに説 明 して い る。 「… … これ は 高 校 生 の交 流 会 であ っ て研 修 会 で は な い 。す なわ ち養 護 施 設 で 生 活 す る 高 校 生 の 交 流 の 機会 を も ち,施 設 生 活 ・学 校生 活 ・社 会 的 自立 に 向か って の 問 題 等 を 語 り合 い,共 に悩 み,共 に 目指 す も の と して,共 感 し連 帯感 を 培 うた め の もの で あ った 。 ま た初 め て の 小 さ な交 流 の輪 が,回 を重 ね る こ とに よ って 大 き な輪 とな り,養 護 施設 の 高校 生 会 議 と して,自 らの 問題 を考 え,社 会 的 に 発 言 し,自 己 の現 実 に建 設 的Y'ア プ ロー チす る こ とを期 待 す る もの で あ る。 参 加 の 高 校 生 は十 分 な手 応}を 感 じさ せ て くれ た 。 また も う一 つ に は,現 在 の 養 護 施 設 が か か}て い る 『高年 齢 児 処 遇 』 の問 題 に,直 接 的 に ア プ ロー チ す る意 味 も あ った。 も っ とも,高 年 齢 児処 遇 とい っ て もそ の 把}x方 が 問 題 で あ るが,我kの 意 図 は,高 校 生 を い か に 教 育 指 導 す る か で は な く,ま ず そ の前提 と して,高 校生 に 相応 しい社 会 的 地 位(ポ ジ シ ョン)を 与 え る こ と,そ れ に 相 応 しい権 限(自 己 決 定)と 責任(社 会 的 自覚)を もた せ る か とい う こ とで あ る。 換 言 す る と,施 設 生 活 に主 体 的 に 参 加 させ る こ とを意 味 し,主 体 者 として の地 位 を 与 え る こ とで あ る。 ともす る と施 設 生 活 で は,教 育 的 配 慮 ・集 団 の秩 序 が 先 行 して,管 理 的 ・操 作 的 生 活 が 当 然 の こ との よ うに強 い ら れ が ち で あ る。 い うな れ ば 『お し きせ』 の 生 活 が まか り通 って い る 。高 校 生 交 流 会 開 催 の くの 意 図 は,そ の よ うな 施設 の在 り方 に視 点 を あ て る こ とで あ っ た。」 木 下 氏 は,ま た,養 護 施設 高 校 生 交 流 会 が 必 要 な理 由 を第1回 交 流 会 鳥 取 大 会 報 告 書 に お い て,次 の よ うな3つ の状 況 認 識b'依 拠 して説 明 して い る 。 イ. 社 会 的 状 況 認識:社 会 的 自立 のた め に 高 校 教 育 を 保 障す る こ とに伴 い,高 校 生 の活 性 化 こそ が 施設 生 活 の活 性 化 に 相 乗 的 作 用 を 及 ぼす,ロ.施 設 生 活 の状 況 認 識:施 設 の人 的 ・物 的 環境 が 高 齢 児 の養 育 態 勢 に な い が,そ の改 善 に は高 校 生 自身 の 貢 献 が 必 要 で あ る,ハ.高 校 生(思 春 期 中 期)の 発達 課 題:高 校 生 は 同一 性(主 体 性)確 立 期 に あ る。 この よ うな諸 問 題 ・課 題 に 「高校 生 自身が 積
極 的 に取 り組 む こ とを 期 待 し …… 自己 の 現 実 を直 視 す る こ と,自 己 の 問題 を公 式 に 発 言す る こ とを 通 して,社 会 的 人 間 と して の成 長 を期 待 した」 の で あ る くか と,木 下 氏 は述 べ て い る。 同氏 は さ らに,「 第1回 大 会 が あ くまで も養護 施設 の 高 校生 を 理解 す る視 点 か らの ア プ ローチ で あ っ た」 の に対 し,第2回 美深 大 会 は 「施設 の 高校 生 処 遇 の実 態 と,問 題 の 所 在 に対 す る ア プ ローチ の必 要 を痛 感 して の こ とで あ った 」 と述 べ,高 校 生 を 大 人 の 眼 で と らえ る こ との問 題 性, 施設 職 員 と児童 の信 頼 関 係 構 築,児 童 の 境 遇 へ の共 感,「 立 場 の優 位 性 」 に胡 座 を か く問題 性,施 設 生 活 の主 体 者 は子 供 で あ る とい う認 識 の徹 底 な どを 指摘 し,「 子 供達 は施 設 のた め にあ る ので は な く,施 設 が 子 供達 の た め にあ る とい うこ とに徹 す る こ とが 今 求 め ら れ て い る」 と交 流 会 開 催 の背 景 を 説 明 して い くゆ る。 木 下 氏 は,従 来 か ら以 上 に 述 べ た よ うな 理 念 を 自 らの 施設 で 「高校 生 部 会 」 活動 とい う方 式 で 実 践 して きて お り,高 校 生 交 流 会 とい う発 想 は,こ の高 校 生 部 会 活動 の一 側 面 を 全 国規 模 で 展 開 す る試 み で あ る といxる か も しれ な い (こ の高 校 生 部 会 に つ い て は,註 ⑬ を 参 照 せ よ)。 1988年 の第1回 鳥 取 大 会 の主 催 者 は 養 育 研究 所 ・鳥 取 養 育 研 究 会,翌 年 の第 2回 北 海 道 美 深 大 会 の 主 催 者 は全 国 養 護 施設 高校 生 会 議 準 備 会 とな って お り, いず れ も交 流 会 を 実 施 す るた め の ア ド ・ホ ッ クな任 意 組 織 で あ った 。 この こ と は,こ れ ら 二 つ の 交 流 会 が 主 と して 中 核的 な役 割 を 担 った 数 人 の 施設 関係 者 (特 に木 下 氏,鳥 取 こ ど も園 副 園 長,藤 野 興 一 氏,青 少 年 福 祉 セ ン ター新 宿 寮 の 寮 長,市 川 太 郎 氏 等)に よる私 的 な 努 力 で あ った こ とを 示 して い る。 したが っ て,第1回 大 会 は,参 加 者 も8都 道 府 県11施 設 の高 校 生24名,ア シス タ ン ト14 名 とい う小 規 模 な 交 流 会 で あ った 。 参 加 者 が それ ぞれ20都 道 府 県38施 設 の74名 と24名 に 増 大 した とは い え,第2回 美 深大 会 も依 然 として 規 模 の小 さな交 流 会 で あ った 。 両 方 の 会 と も,あ る養護 施設 を拠 点 として,近 辺 の 公 的 宿 泊 施設 ・ 社 会 教 育 施 設 を 利 用 して,3泊4日,4泊5日 で行 わ れ た 。 これ に 対 して,第 3回 京 都 大 会 は,全 国 養 護 施 設 の 協議 組織 で あ る全 国 養 護 施 設 協議 会 が主 催 者 とな り,公 的 な 性 格 を もつ 活 動 とな った。 全 養 協 に よ る この 交 流会 の主 催 は, 1989年 に お け る全 養協 高松 大 会 に お い て 決 定 さ れ,第3回 大会 の 開催 準 備 に は,京 都 の 養護 施設 が あ た る こ と とな った 。 しか し,後 述 す る よ うに,こ の全
我国におけ る 「養護児童 の声」運動の可能性 養 協 主 催 は交 流 会 に市 民権 を 与 え る程 の 意 味 を持 つ画 期 的 な 出来 事 で あ った に も拘 らず,必 ず し も全 養 協 を 構 成 す る施設 長 が 全 員一 致 して 支 援 す る もの とは な っ て い な い 。 とは いx,第3回 京 都 大 会 に は,全 養 協主 催 の 影 響 か,前2回 か らの 自然 的 発 展 か は判 らぬ が,参 加 者 は26都 道 府県(約6割)63施 設(12%) か ら集 った154名 の高 校 生 と43名 の ア シ ス タ ン トへ と倍 増 した。 全 国養 護 施設 高校 生 交 流 会 の プ ロ グ ラ ムは,3回 の大 会 を 通 じて 共 通 して い る。3泊4日 な い し4泊5日 の 日程 に,高 校 生 の 小集 団(5∼8名)を 大 人 の ア シ ス タ ン トが 支}て 話 し合 い を 行 う分 散 会 を 中心 に置 き,全 体 会 で 話 し合 い を 総 括 す る の が 主 要 な流 れで あ る。 そ れ に,参 加 者 の人 間関 係 を 促 す 導 入 や レ ク リエ ー シ ョ ン として,交 歓 会 ・講 話(高 校 生 の 自立 に つ い て)・ 海 岸 散 策 ・ 海 水 浴 ・鳥 取 市 内観 光 ・キ ャ ンプ フ ァイ ヤ ー(以 上 第1回),自 己 紹 介 ・公 園 散 策 ・礼 文 島宗 谷 岬 観 光 ・野 外 ジ ンギ ス ヵ ン ・キ ャ ンプ フ ァイ ヤ ー(以 上 第2 回),海 水 浴 ・釣 り ・地 曳網 体 験 海 が 荒 れ て 実施 出来 なか った が ・天 の橋 立 観 光 ・キ ャ ンプ フ ァイ ヤ ー ・京 都 市 内観 光(以 上第3回)が 組 み 込 まれ て い る。 交 流 会 の中 核 を なす 分 散 会 ・全 体 会 は,第1回 は延 べ8時 間 ・ 第2回 は延 べ9時 間15分,第3回 は延 べ8時 間 半,時 間 を と って実 施 され た 。 分 散 会 で の話 し合 い は,主 として 参 加 した 指 導 員 ・保 母 等 が 原 則 として2人 1組(1人 の場 合 もあ る)で ア シ ス タ ン トとな って,以 下 の よ うな予 め定 め ら れ た要 領 で 進 め る。 例}ぽ,筆 老 が 参 加 し,実 際 に担 当 した第3回 大 会 の 「ア シス タ ン ト心 得 」 で は,ア シス タ ン トは,司 会 及 び 書 記 をつ とめ,司 会 に際 し て は討 議 の 手 順 は さて お き,討 議 内容 に対 して 操 作 的 に 関わ らぬ こ と・ ノ ンダ イ レ クテ ィ ヴ ・カ ウ ンセ リン グの要 領 で行 い,進 行 に つ い て は 操 作 し て も よ ゆ い,と 役 割 が 規 定 され て い る。 そ して,4回 に亘 る分 散会 の テ ー マ もそ れ ぞれ 導 入,施 設 生 活,社 会 的 自立,ま とめ と一 応 枠 付 け られ て い る。 この分 散 会)'Y お け るア シ ス タ ン トの役 割 が非 常 に重 大 で あ る こ とは,容 易 に 想像 で き よ う。 彼 等 の 交 流 会Y'`.対す る準 備 ・知識 ・理 解 お よび 対 人 関 係 技能 に よっ て,分 散 会 に お け る話 し合 い の 内容 や 方 向,そ れ に充 実 度 が 全 く違 って くる の で あ る。 次 章 で は,実 際 に 筆者 が 担 当 した第14班 に お け る分 散 会 の 様 子 を 報告 す る 。
2.第3回 大 会 第14班 に お け る分 散 会 の 実 際 第14班 を構 成 す るの は,三 重,奈 良,兵 庫,北 海 道,東 京(2名)の 施 設 で生 活 す る高 校3年 女 子6名 とア シス タ ン ト1名(筆 者)で あ り,彼 女 らの施 設 入 所 年 数 は7年,11年,17年,15年,8年,2年 であ る。 そ の うち1名 は 昨年 の交 流 会 経 験 者 で あ った 。4回 の 分 散 会 は延 べ7時 間 半 に わ た って 行 わ れ た。 各 回 の テ ー マが 導 入,施 設 生 活,社 会 的 自立,ま とめ と定 め られ て お り,「 ア シ ス タ ン ト心 得 」に 則 り概 ね 実 施 した 。交 流 会 の意 味 が飲 み込 め ぬ ま ま意 見 を い う者, 気 軽 に発 言 す るが 直 ぐに 脇 道 に 逸 れ て し ま う者,口 数 は 少 な い が 的確 に発 言 す る者 等,参 加 の 動 機 も理 解 度 も多 種 多様 で あ るの で,一 方 で 話 し合 い の 内容 を 記 録 しな が ら,他方 で話 し合 い の舵 取 りを せ ね ば な らぬ ア シ ス タ ン トの 役 割 は, 想 像 よ りは遙 か に難 し く,熟 練 を要 す る もの であ った 。 第14班 の分 散 会 に割 り 当 て られ て部 屋 は,彼 女 らが宿 泊 して い る民 宿 の2階 の1室(約10畳)で あ り, 窓 と押 し入 れ が あ り隣 室 との 境 お よび入 り口は 襖 で あ る。 中 央 に つ き なみ の座 卓 が お か れ,そ れ を 中心 と して 囲 む よ うに(後 に は 壁 に 寄 掛 か って)座 り,話 し合 い を 行 った 。分 散会 毎 に茶 菓 子 が用 意 され た が,そ の こ と と話 し合 い の進 み 具 合 は,特 別 に は 関 係 して い な い よ うで あ った 。 話 し合 い の最 中 に ヴ ィデ オ 記 録 班 が 入 室 し,話 し合 い の様 子 を記 録 す るの で 協 力 して ほ しい と本 部 か ら依 頼 が あ った が,構 わ な い か ど うか彼 女 らに尋 ね た ら,2名 を 除 い て反 対 した の で,遠 慮 して も ら うこ とに した 。勿 論,ヴ ィデ オ 編 集 に 際 して は音 声 を入 れ 替 え,発 言 者 が 特 定 出 来 ぬ よ うに 配 慮す る とい うこ とを 説 明 した 上 で の決 定 であ る。 また,交 流会 の視 察 ・激 励Y'訪 れ た厚 生 省 児 童 福 祉 専 門 官 が話 し合 い の様 子 を 見 た い の で 臨 席 して よい か と打 診 し て きた の で,彼 女 らに 諮 った。 反 対 は 小 数 派 で あ った が,彼 女 らの気 持 ち を 尊 重 した方 が よ い とい う判 断 か ら,こ れ も また 遠 慮 して も ら うこ とに な った。 以下 は4回 に わ た る分 散 会 の概 要 であ る。 第1分 散 会(1990年8月8日19:00∼20:30) 事 務 的 な伝 達 ・確 認 事 項(健 康 状 態,貴 重 品預 り,帰 途 予 定 の確 認,切 符 の
我国におけ る 「養護児童 の声」運動 の可能性 有 無 等)を 別)'Tして,3つ の こ とを行 っ た。 最 初 に,こ の 交 流会 の意 味 を彼 女 等 に 解 説 した 。 第1,2回 の交 流 会,英 国 の この種 の会 合 の こ とを ひ い て,高 校 生 が 施 設 生 活 を 良 くす る 中核 とな るた めY'こ こに集 って い る こ とを 話 した 。 経 験 者1名 と他 の2名 は 主 旨を概 ね 理 解 で きた よ うで あ ったが,残 りの3名 に つ い て は 判 断 で き な い。 次 は,自 己紹 介 で あ り,在 所 施 設 名,所 属 ク ラブ(高 校 ・施 設),特 定 の 男友 達 の 有無 等 を 話 して も らった 。 特 定 の 男 友達 が い る も のが 多 か っ た が,彼 女 らの 関心 は 「彼 が 施設 の 子 か外 の子 か 」 とい う問 題 に集 中 して い た 。 筆 者 も,交 流 会 へ の関 心 を 中 心 に 自己紹 介 を行 った 。 緊 張 を 和 ら げ る た め に,彼 女 らの施 設 の うち若 干 の知 識 の あ る もの に つ い て はそ れ を 披 露 し対 話 を 進 め る 中 で,意 外 な事 実 が浮 か び上 が り,一 同が 驚 くよ うな こ とも あ った りし摺 。 最 後 は,こ の会 へ の 参 加 要 因 に 関 す る確 認 で あ る。 この 会 を 彼 女 らに紹 介 した のが 施設 長 で あ った 者3名,指 導 員 で あ った者3名,参 加 を 決 定 した のが 施 設 長 で あ った 者5名,指 導 員 で あ った 者1名 で あ った。 この交 流 会 Y'つ い て は,「 参 加 して帰 っ て きた ら力 が つ く」,「どん な施 設 が あ るか聴 か れ る機 会 」,「 い ろ んな 施設 が あ る ので 勉 強 で きて 力 を つ け られ る」,「 施設 を 良 くす るた め の 話 し合 い が で き る」,「 学 園 が よ くな るた め の話 し合 い が あ る」 (前 に参 加 した 先 輩 の説 明),「 自分 達 の 生 活 を よ り良 い もの にす る会 合 」 とい う風Y'説 明 され て い た 。 この 会へ は,半 数 が 不 安 を 抱 い て,半 数 が 楽 しみを 期 待 して 参 加 した。 昨年 の経 験 者 は,今 年 の交 流 会 が 昨年 の と どの様 に違 った も の とな るか,期 待 して い る と語 った 。 第2分 散 会(8月9日9:00∼11:30) 「ア シス タ ン トの心 得 」Y'¥...よる と,こ の分 散 会 は施 設 生 活 に 関す る こ と一 不 自 由 ・不 合 理 と思わ れ る こ と ・プ ライ ヴ ァ シー の 問題:施 設 生 活 の 負 因 お よび プ ラ ス面:施 設 生 活 に対 す る提 言(こ れ は 特 に 重 要 で あ る)を 話 し合 うこ とに な って い る 。 しか も,余 り)'Y`.も個 人 的 な 見 解 は 聞 き流 し,共 通 の問 題 を論 じさ せ る こ と,司 会 者 は話 題 を 抽 象 して 問 い か け る こ と,討 議 が 低 調 な 場 合 に は, 司 会 者 の問 題 意識 を 具 体的 事 実 に置 き換 え て提 示 し,具 体 抽 象 具 体 を 繰 り返 し,討 議 を 深 め る こ と,が ア シス タ ン トの 留 意事 項 とされ て い る。 こ う
した 留 意 事 項 を 筆 者 が遵 守 で きた とは到 底 思 え な いが,参 加 メ ン・ミー は 活発 に 話 し合 い,自 分 の意 見 を い い,問 題 の所 在 を訴 え よ う と してい た 。 発 言順 で は な いが,施 設 生 活 に つ い て の メ ンバ ーの 意 見 を 問題 別 に列 挙 す る。 (1)職 員 の 聞 題 ・肉 親 の 悪 口を言 わ れ る のが た ま らな い。 ・高 校進 学 を た て に子 供 を 支 配 す る(正 座 させ て 進 学 を 乞 い願 わ せ る) 。 ・職 員 の都 合 で 職 員 のや るべ き こ とを子 供 にや らせ る(炊 事 ,掃 除 等)。 ・記 録 の記 入 を 大 義 名 分 として仕 事 を サ ボ る。 ・ホ ー ム の備 品 な ど 自分 の好 み で購 入 す る 。 ・冷 蔵 庫 にあ る子 供 の た め の もの で も 自宅 に も って 帰 る。 ・口論 す る とい つ も 「そ ん な ら親 許 に 帰 った らい い で し ょ う」 とい う 。 ・在 宅 で不 幸 な生 活 を送 って い る子 供 よ りもあ な た た ち は幸 せ だ と思 い な さ い といわ れ る と何 もい え な い。 ・保 母 は若 くて 話 が 合 う よ うであ るが 信頼 で き な い,裏 表 が あ る。 ・若 い指 導 員 は頼 りに な らない,夜 外 に 出掛 け て 遊 ぶ。 ・子 供 の帰 省 日程 を職 員 の都 合 で 決 め る(初 対 面 の親 許 に 何 泊 もさ せ られ る)。 ・何 のた めに 保 母 は雇 わ れ て い るの かわ か らな い。 ・職 員は 子 供 の こ とを よ くわ か って い る ので ,子 供 も職員の仕事を理解 し て ほ しい とい つ も い うが,嘘 ば っ か りで ち っ と も子 供 の こ とが わ か っ て い な い。 (2)日 常 生 活 の諸 問 題 ・宗 教 行 事 へ 強 制 的 に 参 加 させ られ る の は抵 抗 が あ る(し か し ,馴 れ て い る ので嫌 だ と感 じな い とい う意 見 もあ る)。 ・炊 事,洗 濯 ,掃 除等,強 制 され るのは嫌だ(自 分 のものについては納 得 し て い るが,日 曜 毎 に他 の 子 供 の分 ま で強 制 され た り,職 員 が 当然 す べ き こ とを 押 し付 け られ るの は お か しい)。 ・門 限 が 厳 し く外 出 が で きな い(規 定 は各 施設 多様 で あ り,月2回 日曜 日 の 午 後1∼3時 一 高 校 生 は 朝 か ら5時 まで とい うと ころや,保 母 ・園 長
我 国における 「養護児童の声」運 動の可能性 に許 可 を も らって 誰 か の 同 伴 が 条件 で外 出 で き る と ころ,一 応 夕食 の6 時 が 門 限 で あ るが,職 員 に い え ば8時,催 しが 在 れ ば11時 まで と柔軟 に な っ て い る と ころ も あ る)。 ・施設 で生 活 して い る か ら,時 間 の規制が厳 しく,高 校 の友人 に遊 びに誘 って も らx.な い し,誘 っ て も らっ て も断 らね ば な らな い(一 緒V'ど こか に い って も必 ず 途 中 で 自分 だ け先 に 帰 らね ば な らな い の で,何 回 も断 る と誘 って くれ な くな る し,途 中 で 帰 る こ とが 度 重 な る と声 を か け て も ら え な くな る)。 ・現 金 を 自分 で もて な い。 ・買 物 に職 員 が つ い て くる,細 か い物 で も 買 った もの を 見せ な けれ ば な ら な い 。 ・高 校 の ク ラブ活 動 に 入 れ な い(施 設 内 に2,3あ る が 興 味 が な い)。 ・ア ル バ イ トが禁 止 され て い る の は お か しい,高 校 で は許 可 さ れ て い る の に(ア ルバ イ トも,長 期 休 暇 の み可 の と ころ,施 設 内 で ア ル ノミイ トら し き こ とを させ る ところ,高 校3年 の み可 の と ころ,給 与 を 退 所 まで 強制 的 に 積 み 立 て させ る と ころ,接 客 業種 は禁 止 して 対 物 単 純 労 働 しか認 め ぬ と ころ,と 各 施設 ま ち ま ちで あ る)。 ・小遣 い の 管 理 を 自分 でや りた い(ち な み に,そ の月 額 は3000円,5100円 一 衣 服 費5000円 は別 途 支 給 一 ,5300円 一 日常品費含む一,3500円,6000 円,3500円)。 ・手 紙 を 勝 手 に開 封 し な い で ほ し い(親 が 現 金 を 入れ て きた こ とが あ っ て,そ れ 以降 関 係 な い もの ま で 開封 す る)。 ・男 の 子 か ら電 話 が か か る と相 手 の 素性 を しつ こ く尋 ね られ る 。 ・胃 ッ カー や机 の 中を 勝 手 に さ ぐらな い で ほ し い(喫 煙 や万 引 きの調 査 か も しれ な い が,と て も嫌 な 気 が す る)。 ・高 校 生 ら しい居 室 が ほ しい(特 定 の 子 供一 進 学 準 備 中 一 に は 個 室 の あ る と ころ もあ るが,4人 部 屋,18人 部 屋,12人 部 屋,6人 部 屋,2人 部屋 と多 様 で,縦 割 りの大 部 屋 で は高 校 生 が 小 さい 子 の世 話 を す る よ う期 待 され て お り,嫌 だ とい う と ころ も あ った)。
・体罰 で本 当に 万 引 きが な お るの か疑 問 であ る(廊 下 で 正 座 させ た り ,机 に 縛 り付 け た りす る,特 に 男 児 に は厳 しい)。 ・新 しい施 設 長 が 体 罰 を 禁 止 し,も し体 罰 され た ら言 い に くる よ うに言 っ て くれ て い るの で 減 った 。 ・長 期 休 暇 中 の 朝 マ ラ ソ ンの 強 制 は や め て ほ しい 。 ・日曜 日ご との 作 業 は や め て ほ しい。 (各 人 の提 言) A・ 同 じ施 設 内 の 各 ホ ー ム 間 の 格差(担 当保 母 ・指 導 員 の裁 量 に よって 生 活 し易 さが か な り異 な って い る)を 解 消 して ほ しい 。 B・ 宗 教 行 事 は強 制 で な く,自 由参 加 に して ほ しい。 登 校 前 の朝 食 の準 備 ・ 片 付 け の 強 制 は や め て ほ しい 。 C・ 門 限 を延 ば し,子 供 を信 頼 して ほ し い。 D・ 小 遣 い を あ げ て ほ し い。 外 出可 能 日数 を増 や して ほ しい。 居 室 に テ レビ を設 置 して ほ し い。 親 の悪 口を 言 わ な い で ほ しい。 手 紙 を 開 封 しな い で ほ しい。 E・ テ レビな ど時 間 の 使 い 方 を 自 由に して ほ しい。 F・ 炊 事 当番 や 罰 当 番 を 廃 止 して ほ しい 。 第3分 散 会(8月9日19:00∼20:30) こ の分 散 会 で は 社 会 的 自立(自 立 へ の 具 体 的 不 安 ・障 害 ・困 難 希 望 と 提 言)に つ い て話 し合 う こ とに な って い る。 他 の 班 の動 向 に影 響 され て,戸 外 で 行 うこ と とした 。 環 境調 査 を せ ず に,夜 の 海 岸 に 茣 蘆 を ひ い て ス タ ー トした が,蚊 が 多 くて,話 に集 中 で きな か っ た。 加 えて,話 し合 い の前 後),Y花火 を し た こ と と相 俟 って,彼 女 らも話 し合 い に神 経 を 集 中す る こ とが難 し く,1時 間 半 も時 間 を と りなが ら発 言 は低 調 で あ った 。 僅 か に 以下 の こ とを話 し合 うこ と が で きた 。 (進 路 志 望) ・6人6色 で あ り,看 護婦,美 容師,服 飾デザ イナ ,栄 養士,OL,未 定,で あ った 。 栄 養 士 志 望 の もの は 施設 の奨 学 金 で 短 大 に 進 む との こ とで
我国におけ る 「養護児童の声 」運動の可能性 あ り,そ の奨 学 金 につ い て説 明 して も らっ たが,他 の 者 の 羨 望 の 的 で あ った 。 (不 安 ・困 難) ・先 輩 で 就 職 に失 敗 した人 が多 いが,皆 対 人 関 係 で 旨 くい か な か った。 ・施 設 に い る間 友 人 と付 き合 う経 験 が 乏 し い ので ,そ うなる。 門限や他 の生 活 上 の 拘 束 を 考 え る と,施 設 の生 活 は外 部 の人kと の対 人 関係 の機 会 を奪 って い る。 ・高 校 の 成 績 と友 人 関 係 を 結 び付 け ,自 由に交際がで きない。 ・自立 の 準 備 と して ま ともに ア ルバ イ トをや らして ほ しい 。 ・自立 準 備 と して施 設 内の 自立 援 助 寮 み た い な ところ で3日 な い し2週 間生 活 訓 練 させ られ るが,本 当 に 役立 っ て い る の であ ろ うか 。 ・職 員 は本 当 に子 供 が 就 職 して か ら 自立 で き る よ うに と努 力 して い る の か。 施 設 に い る 時 に人 と付 き合 う機会 を与 え な い で,出 て か ら 旨 くや りな さ い とい うの は お か しい。 特)/YYI_,友人 との 付 き合 いが 他 の 高 校 生 と同 じ様 に で き る よ う配 慮 して ほ しい。 ・就 職 支 度 金 に 格 差 が あ るの は ど うして だ ろ うか(3万 円,5万 円,15万 円,そ して 衣 服 や 家財 道 具 の 購 入 が 含 まれ るの か別 途 支 給 され るの か,各 施 設 で まち まち で あ る)。 第4分 散 会(8月10日9:30∼11:30) 話 し合 っ て きた 課 題 に つ い ての 討 議 とま とめ を 行 うはず が,最 初 か らだ いぶ 方 向 が ず れ て,こ の交 流 会 に つ い て の意 見 が 続 出 した 。 ・交 流 会 とい うの に この 分 散会 の5人 の ほか は誰 と も交 流 で きな い。 ・せ め て この宿 舎(民 宿)単 位 で で も多 くの高 校 生 と知 り合 い た か っ た。 ・全 員 が 一堂 に集 ま って 自己紹 介す る機 会 が あ る と思 って準 備 して い た の に 気 が ぬ け た。 せ め て交 流 会 に参 加 した高 校 生 で あ るか ど うか判 る程 度 の交 流 が ほ しか った 。道 を歩 い て い て 出会 って も判 らない 。 ・楽 しい は ず の 食 事 の 時 間が お 通 夜 だ った。 ・泳 ぐ人 とは 別 の プ ロ グ ラム(ゲ ー ムや フ ォ ー クダ ンス等)が 必 要 で は な い
か。 ・海 で泳 ぐ回 数 が 当 初 手 渡 され た 日程 に あ る も の よ り少 な か った。 ・暇 な 時 間が 多 か っ た。 (ま とめ) ま とめ と して,以 下 の よ うな意 見 が で た 。残 念 なが ら,分 散 会 に お け る話 し 合 い 全 体 の ま とめか らは ほ ど遠 か った が,彼 女 らの 自分 の施 設 ・職 員 に た いす る 姿勢 が うかが え る発 言 で あ った こ とが,さ さ やか な取 り柄 で あ った 。 ・あ そ この施 設(自 分 が 入 所 して い る)に は何 を い っ て も し よ うが な い。 む こ う(そ の施 設 の職 員)は 私 達 の言 い 分 を聴 い て くれ な い。 ・保 母 さん に何 か い っ て も絶 対 に施 設 長 に は伝 わ らな い。 ・職 員 の い う こ とに は プ レ ッシ ャ ーを か け られ る。 口先 で は いい こ とを い う が,実 際 はず る くて,私 達 を い い くるめ るだ け で あ る。 特 に,「 家 に 帰 れ 」 とか 「あ なた た ち は他 の 子 供 よ り幸 せだ と思 い な さ い」 等 といわ れ る と会 話 が で き な くな る。 ・交 流 会 に いけ ば 自分 の 施 設 が い か に住 み 良 い ところ か 判 る とい わ れ たが, 実 際 は も っ と住 み 良 い施 設 が 沢 山 あ る こ とが わ か っ た。 ・高 校 生 が 中 心 とな って い ろ い ろ な こ とを決 めて ,施 設長 と話 し合い変}xて ロお も ら うこ とが 大 切 で あ り,そ の た め に は高 校 生 が纏 ま って,高 校 生 部 会 の よ うな も のを 持 た ね ば な らな い 。 ・無 駄 か も しれ な い が ,施 設 に戻 った ら,交 流会で聞 いた他の施設 のいい と ころ を 必 ず 職 員 に 伝 え て み る。 そ し て そ の 結 果 を ア シス タ ン トに報 告 す ロの る 。 3.全 国 養 護 施 設 高 校 生 交 流 会 に お け る高 校 生 の 意 見 表 明 前 章 で 詳 細 に 記 録 して い る よ うな 全 国養 護 施設 高校 生 交 流会 の分 散 会 は,養 護 施 設 で 生 活 す る高校 生 の生 の 声 を最 も直 接 的 に聴 け る 機会 で あ る。 分 散 会 を 行 うた め に 参加 者 は 小集 団(班)に 分 け られ,活 発 に発 言 で きる よ うに な って い る。第1回 は5班,第2回 は13班,第3回 は22班 で分 散 会 を 行 った 。 本 章 で
我 国におけ る 「養護児童の声」運動の可能性 は,第1,2回 の 報 告 書 に記 録 され た 分 散 会 に お け る 高校 生 の意 見 と彼 等 の 交 流会 参 加 の 感 想 を 中 心 に,第3回 にお け る筆 者 の 印 象 を加},こ れ まで の 高 校 生 交 流会 に お け る意 見 表 明 の概 要 を ま とめ て,英 国 の 「養 護 児 童 の 声 」 活 動 お よび そ こに お い て 提 示 され た諸 問 題 との 比 較 を 行 う素 材 を整 理 して お きた い 。 そ の た め に まず,刊 行 され て い る第1,2回 の 報告 書 に記 録 され た 分 散 会 に お け る 高校 生 の意 見(特 に 施設 生 活 に関 して 改 善 の 余地 の あ る諸 問 題 へ の 言 及 の 頻 度)を 整 理 して み る と,以 下 の表1の よ うに な る。 表1養 護施設高校生交流会分散会で参加者が言及 した施設生活において 改善すぺき諸問題 と言及頻度 (出典:鳥 取県児童家庭課r第1回 養護施設の高校生交流会鳥取大会報告書』 ...年,全 国児童養護施設高校生会議設立準備会編r第2回 全国児童 養護施設高校生交流会 ・美深大会報告書』1989年) 1対 人 関 係 (1)職 員 と 児 童 ・児 童 の 側 に立 た ぬ(職 員 へ の不 信)5CDEFHIKM ・職 員 の御 都 合 主 義BDFHJM ・職 員 の や つ あた り4ADHM ・職 員 の 暴 力 ・体 罰DEHL ・親 身 に話 を聞 か ぬFHIL ・守 秘 義 務 を守 らぬIJK ・職 員 の 入替 り頻 繁5EI ・旧 態 依然 の意 識31L ・男 女 差 別4K ・真 剣 に 叱 って 欲 しいA ・見 て 見 ぬふ りD ・職 員 は働 いて い るのか1 (2)児 童 同 士 ・児 童 問 い じめ ・暴 力4BD ・TVチ ャンネ ル権4 ・同室 者 選 択 不 自由4 (3)職 員 同 士 ・職 員 間意 思 疎 通欠 如4EHKM II日 常 生 活 管 理 (1)日 課 ・規 則強 制2345ADEGIJKLM
束 縛 感 強 い,被 監 視 感 グルー プホ ー ムの 自 由さ(DI) (2)厳 格 な門 限(5時 一 自 由)2345DFGHILM 年 齢 に よる多 様 性 必 要 友 人 との 交 際 出来 ぬ (3)小 遣 い不 足(施 設 毎 の 違 い)345BGHKLM 1000,2600,3000,4150,5000,6000,8000, (自分 で 管理 した い)E (4)プ ライバ シー の欠 如2ACFHIJLM 机 の 中調 べ,手 紙 開封,電 話 傍 聴 (5)テ レ ビ 視 聴245EFGHLM 職 員 に よる時 間 ・内容 管 理 (6)外 出 ・外 泊 不 自由345AEFK 許 可理 由制 限,警 報機 設 置 (7)交 際(友 人 ・異 性)不 自由235FKM 個 室 な し,異 性 か らの電 話 傍 聴 (8)居 室 の 格 差BDEHKL 個 室 一8畳6人,低 年齢 児 との 同居 (9)行 事 ・礼 拝 ・作 業 へ の参 加 強 制245ADE ⑩ 衣 服 の 制 限 ・衣 服 費 は 別途 支 給 に251JK お 古 ぼ か り,着 た い もの着 れ ぬ ⑪ ア ルバ イ ト禁 止ACEKM ⑫ 買物 領 収証 は嫌4KL ⑬ 食 事 時 間不 自由4E ⑭ 自 由 時 間 欠 如2 ⑮ バ イ ク通 学禁 止(学 校 は 許 可)2 ⑯ 連 帯 責 任 を 負 わ され る(万 引 き責任)B ⑰ 髪 型 のチ ェ ックD ⑱ ペ ッ トを 飼 い た いE ⑲ 一 人 に な れ る時 間 ・空 間 が欲 しい1 ⑳ 家庭 生 活 に 近 づ け て欲 しいM III烙 印 ・ 差 別 (1)施 設 児 で あ る こ とへ の烙 印145CKLM 特 別 視 され る (2)施 設 の こ とを しつ こ く尋 ね る235L (3)学 校 ・教 師 に よる差 別24 (4)施 設 職 員 が 施 設児 と家 庭 児 区 別AM
我国におけ る 「養護児童の声」運動の可能性 (5)友 人 を 施 設 へ連 れ て これ ない2 1V自 立(退 所)準 備 (1)生 活 技 能へ の不 安235ADEFHIJM 食 事,法 的 手続,新 聞 申込 み 全 面 的 援 助 か らの 離 脱 (2)独 居 生 活 へ の不 安235ADIJLM (3)金 銭 的 援 助 希望(経 済 的不 安)35ABEIKL 卒 業 支 度 金(東 京17万)公 費3万 施 設 の奨 学 金 ・貸付 金 (4)ア ル ・ミイ トして お きた い5BCDEKM 金 銭 感 覚 に 慣 れ る (5)対 人 関係 へ の不 安CEGJL (6)孤 独 感(頼 れ る人物 の不在)5EM (7)一 般 常 識 ・社 会 性 を身 に付 け た いACM (8)ア フ タ ー ケア保 障 ・充 実BJK (9)高 校 進 学 の保 障BDL ⑩ 希 望 す る職 種 に就 け るか不 安HLM ⑪ 施 設 か ら大 学 通学 出来 ぬ かFJ ⑫ 運 転 免許 を取 らせ て ほ しいAF ⑬ 同一 性(ア イデ ンテ ィテ ィ)の 確 定C 自分 の 入所 理 由な ど ⑭ 施 設 出身 老 へ の 差 別3 V交 流 会 へ参 加 して (1)他 施 設 との比 較 可 能5EF (2)改 善 努 力へ 意 欲 沸 く5E (3)養 護 施設 高 校 生 同 士 の 同一 性 実感5 (4)対 職 員 関係 の 重 要 さ認 識5 (5)施 設 では で きな い話 が で き る5 (6)都 道 県 区単 位 で 交 流会 をC (7)交 流 会OB・OG会 をC (各 項 目の 右 側 にあ る番号(1∼5)お よび ア ル フ ァベ ッ ト(A∼M)は,そ れ ぞ れ 第1,2回 の交 流 会 で当 該 項 目に つ い て高 校 生 が 言及 した 分 散 会を 示 す 。) 表1か ら うか が え る よ うに,高 校 生 の 発 言 は 施設 生 活 の 問題 の所 在 を 余 す と こな く抉 り出 して い る。個 々 の具 体 的 不 満 や 改 善 要 望 等 は枚 挙 に暇 の ない くら い施 設 生 活 の 多 くの 側 面 にわ た って い るが,全 て に 共 通す る問 題 は,職 員 が 子
供 を,子 供が 職 員 を 信 頼 し てお らず,相 互 不 信 の上 に施 設 生 活 の基 盤 が 築 かれ て い る こ とで あ る。 不 信 は規 制(コ ン トロール)の 大 義 名 分 とな る。 しか も, 規 制 は職 員 に とって よ り楽 な処 遇 上 の選 択 肢 とな る。 規 制 は また他 の規 制 を 生 み 出す 。 か くして,規 制 で が ん じが らめ に な った 生 活 環 境 が 当然 の在 り方 とな っ て子 供 に押 し付 け られ る。 そ して,「 施 設 の 子 だ か ら,あ れ も これ も我 慢 し て守 らな け れ ば な らな い 」 とい う全 く子 供 に と って は不 合理 な論 理 が まか り と お る世 界 が 出来 上 が って し ま う。 そ の よ うな 体 制 に抵 抗 す る子供 は,正 常 な 発 達 過 程 を 踏 み つ つ あ るに もか か わ らず,突 然 措 置 変 更 され る こ とに も な る。 こ の よ うに,子 供,特 に 思春 期 の 中 ・高 生 に と って 最 も重 要 な 発達 課 題 に 対 処 す る機 会 を ほ とん ど与 えな い 生 活環 境 が,社 会 的 自立 の 準 備 とな りうるは ず が な い。 高 校 生 の不 満 で 最 も切 実 で あ った のは,高 校 の 友 人 とま とも に付 き合 う機 会 が,門 限 や 低 額 の 小 遣 い あ る い は執 拗 な 詮 索 で,実 際 上許 され て いな い とい うこ とで あ った 。違 う育 ち 方 を した,異 な った 意 思 決 定 をす る人 格 に触 れ る こ とな く,自 立 は 芽 吹 か な い 。 高校 の他 の友 人 達 が 楽 しげ に何 かを 計 画 して い る 時 に,そ れ に 参 加 で きな い,そ れ に誘 って も ら えな い,誘 わ れ て も断 らね ば な らない 彼 等 の 淋 し さ,悔 し さを職 員 は判 ろ うと しな いOそ うい う こ とを 保 障 せ ず に,施 設 は 何 を 彼 等 に 提 供 して い るつ も りな の で あ ろ うか。 施 設 外 の 対 人 関 係 の機 会 を 保 障 せ ず に 無 菌 室 で培 養 され た 人 間 が,社 会 で 自立 で きな い の は 至 極 当 然 で あ る 。要 す る に,そ れ は,職 員,子 供,規 則,自 立 を め ぐる悪 循 環 で あ る。 す な わ ち,職 員 の 子 供 に対 す る不 信 が,子 供'/r必要 な生 活 経 験(特 に 対 人 関 係)を 提 供 しな い 規 則 だ らけ の生 活 に安 住 させ,自 立 に必 要 な 葛藤 ・意 思 決 定 を 伴 う生 活 か ら疎 外 し,そ の結 果 当 然社 会 的 自立 に失 敗 す る,が,そ れ を 自分 の 誤 った処 遇 の 結 果 だ と考 えず に子 供 自身),r原因が あ る とす る。 現 状 は こ うした こ との繰 返 で は な か ろ うか。 枚 数 の 関係 で他 の多 くの問 題 に は い ち い ち 触 れ られ な い が,こ の よ うに参 加 した 高校 生 た ち の発 言 に は,実 際 に 苦 悩 を担 うもの だ け が発 す る こ との で き る呻 き とそ うした苦 悩 か ら解 放 され た い とい う 切 実 な願 い が込 め られ て い る。 そ して,こ こに提 示 され て い る諸 問 題 の 大 多 数 は,見施設 で生 き ね ば な らぬ児 童 に 「健 全 で文 化 的 」 な生 活 を 保 障 す るた めV'は 絶 対Y'避 け て通 れ ぬ も の で あ ろ う。
我国におけ る 「養護児童 の声」運 動の可能性 4.参 加 した 高 校 生 お よび 職 員 の 交 流 会 に対 す る評 価 全 国 養護 施 設 高 校 生 交 流 会 に参 加 した高 校 生 が,交 流 会 へ の 参加 体験 を 自 ら どの よ うに 評 価 して い る か検 討 す る こ とに よっ て も,こ の種 の 活動 の意 義 が浮 か び上 が る で あ ろ う。 高 校 生 には交 流会 終 了 後 事 務 局 に感 想 文 を よせ て も ら っ て い る の で,以 下 に 紹 介 して お く。 まず,参 加 が 彼 等 の視 野 を 広 げ,他 の施 設 に つ い て の 知 識 を 得 る と共 に,同 じ境 遇 に あ る仲 間 との話 し合 い を 通 じて心 の 通 う友 情 を 結 び,施 設 で は言 えな か っ た こ とを 語 り合xた とい うこ とが報 告 さ れ て い る 。(以 下 は 第1,2回 大会 へ の感 想) 「他 の 施 設 の 話 を 聞 く こ とは大 変勉 強 に な りま した 。」 「普 段 他 の施 設 を し らなか った 自分 に とって,ど こ の施 設 で も同 じだ とい う こ とや も っ と厳 しい施 設 が あ る とい うこ とを知 れ た こ とは,プ ラス で した。」 厂施 設 に 対 す る不 満 で び っ く りした の は門 限 が5時 とい うと ころ が あ った と い う こ とで す 。 そ ん な に 早 い と学 校 に行 って 帰 るだ け な ので 友達 と遊 べ ず 楽 し い ヒ とが あ るの か な と思 い ま した。 高 校 生 に な る と友 達 付 き合 い も大 切 だ と思 う し,社 会 に 出て か ら困 るん じ ゃな い か と思 い ます 。」 「分 散 会 で は 全 員 が 本音 で 話 し合 うこ とが で き,ま た 私 も,今 ま で考xて い た こ とを 全 部 言 うこ とが で きた ので よか った と思 い ます 。 な んだ か ス ッキ リし た気 分 で した 。」 「皆 の お か れ て い る立 場 は ほ ぼ 同 じ様 な感 じな の で,す ご く中味 の あ る話 し 合 いが で き ま した 。 こん な に 話が す す む とは 思 って もい な か った し,学 校 の友 達 とは,こ ん な 話 は で きな い だ ろ うな って 思 い ま した 。」 「本 当 に 勉 強 に な った 。 他 の施 設 の よい と ころ を 見 習 い た い。 そ して 私 達 の 学 園 を よい 学 園 に し た い。 そ れ にた くさん の 友 達 が で きた し,思 い 出 も で き た。 この事 を 帰 って 学 園 の 皆 に知 らせ た いね 。」 「今 目で 皆 とお 別 れ か と思 うと とて もつ ら くな り,こ の ま ま時 間 が止 まれ ば い い の に って 思 って い ま した 。」 「夏 休 み の中 で ー¥いい経 験 を しま した 。 この先 あ るか ない か の貴 重 な経 験
で した … …た くさ ん話 し合 い ま した。 そ れ が 施 設 改 善 に 向け て の も のだ と知 っ て,私 は施 設 を 誇 りに思 い ま した。 施 設 を 馬 鹿 にす る人 に 『ザ マ ー ミロ』 とい い た くな りま した。」 「交 流 会 に参 加 で き て本 当 に よか った と思 う。なぜな ら学園 じゃ 口に出来 な い こ とや体 験 で き な い こ とを お もい っ き りで きた か らだ 。」 「他 の施 設 の話 を 聞 い て思 った こ とは,自 分 の施 設 は 他 の 施設 に比 べ て 自 由 だ と言 わ れ て き たが,そ れ は本 当 な の だ ろ うか とい う こ とで した 。」 「北海 道 に き て,友 達 の 良 さを 知 り,他 の学 園 は,い い生 活 を して い る な と 思 い ま した。」 「ほ とん ど園 に対 して不 満 が ない 人 もい て う らや ま しか った で す 。」 「こ こだ け で は な く,こ の素 晴 らしい会 を全 国 に知 っ て も らい,そ して認 め て も ら った 時 に,OBと して,遊 び に も行 きた い と思 い ます 。」 「人前 で話 す とい う経 験 が で きた し,色kな 県 か ら高 校 生 が 集 ま って,施 設 の 在 り方 な どの話 をす る な んて い う普通 の高 校 生 で はで きない よ うな こ とも体 験 した。 恐 ら く一 生 この事 は忘 れ な い と思 う…施 設 が 日本 中 に あ る 以上,や は り施設 の 中心 に な る の は高 校 生 だ とお も うん で,年 に一 度 は 全 国 の 高校 生 が 一 か 所 に集 ま っ て話 をす る こ とは 素 晴 ら しい こ とだ 。」 「まだ 全 国540の 全 て の 施設 が参 加 して い な い の で,こ れ か ら 本 当 の 養 護 施 設 交 流会 に して ほ しい。 個kの 施設 の主 催 で な く,厚 生 省 な どに公 に主 催 して ほ しい。」 職 員 と児 童 の信 頼 関係 と施 設 の 在 り方 につ い て は,次 の よ うな感 想 が寄 せ ら れ て い る。 「もっ と職 員 との話 し合 いの 場 が あ れ ば,職 員 は子 供 た ちの こ とを,子 供 達 は職 員 の こ とを,も っ とも っ と理解 し合 え る よ うに な り,よ りよい 施設 で の生 活 が送 れ るだ ろ う と思 い ま した 。」 「大 人 が 子 供 を 信 用 しなけ れ ば 子 供 も大 人 を信 用 しませ ん 。大 人 が 子供 を信 用 して い な いか ら規 則 が 厳 しい の で は な い で し ょ うか 。」 厂分 散 会 で は,保 母 さ ん に対 す る不 満 が 特 に共 通 す る こ とで した 。」 「自分 の 思 って い る こ と,職 員 に言 っ て もわ か って も らえな い こ とな ど,私
我国におけ る 「養護児童 の声」'運動の可能性 自身 か な り多 くの こ とを 発 言 した と思 い ます … …た くさ ん の規 則 に 縛 られ て い て,自 由 とい え る ほ どの もの は な い とい って も過 言 で は な いの で す 。」 世 間 の 人kの 養 護 施設 に た い す る誤解 ・無 理 解 ・偏 見 を 矯 して ほ しい とい う 高 校生 の 訴 え は,第3回 大 会 の 全 体会 で 高校 生 が 最 も強 く訴 え た こ と で あ っ た 。 第2回 大会 の報 告 書 に は,施 設 児 童 で あ るが ゆ え に アル バ イ トを拒 否 さ れ,あ か らさ ま に差 別 され 人 権 侵 害 され た あ る男 子 高 校 生 の訴xが 寄 せ られ て い る。 彼 は 次 の よ うに施 設 につ い て 社 会 を啓 発 す る努 力が な され る よ う強 く訴 }て い る 。 「世 間 は 余 りに も施 設 は ど うい う ところ か し らなす ぎる と思 い ます 。 施設 は こ うい うと ころ だ!と い う よ うに,新 聞 に掲載 す る とか,一 冊 の本 に ま とめ て市 販 す る とか,と に か く世 間 の人 達 に施 設 は ど うい うと ころ か,わ か って ほ しい と思 い ます 。」 感 想 を寄 せ た 多 くの 高校 生 た ち が,交 流 会 で の 経 験 を生 か して,自 分 の施 設 そ して全 国 の養 護 施設 を 住 み 良 い もの とす るた め に 自分 た ち が主 体 的 に施 設 生 活 の 改善 を 目指 して 発 言 し,関 わ って い く決 意 を して い る。 「確 か に 自分 で 嫌 な と ころ は は っ き り園長 な り,指 導 員Y'言 うこ と も大 切 だ と この 会 で は っ き り自分 に 判 った 。」 「これ か ら施 設 を よい もの に して い くY'は,子 供 達 が 積 極 的 に 心 に 思 って い る こ とを 口に 出 した らい い と思 う。」 「私 の 施 設 は,昔 に 比 べ る と変 わ って きて い ます 。 話 そ う会 で 私 達 が言 い合 って,大 人 にわ か って も らお う として い る か ら変 わ っ て き て い るの だ と思 い ま す 。」 「み ん な の意 見を 聞 いて,私 は そ の 施設 を変 え て い くの は高 校 生 だ と思 う。」 「私 は 頑 張 ってみ よ う と思 い ます 。 そ して,自 分 た ち で 自分 た ちの 住 む 家 を 住 み ご こち の い い家 に し よ う とお も い ます 。」 「今 まで は施 設 な ん て退 園 す れ ば 関 係 な い の だ か ら退 園す る まで の ガマ ンだ と しか 考 え て い ませ んで した が,こ の 会 に 参 加 して み て,や は りこ の ま まで は い け な い と思 い ま した。」 「去 年 話 し合 った こ とを 施 設V'帰 って 高 校生 で話 し合 っ て変 え て い く努 力 を
した と思 う。 私 の 施 設,今 ま で禁 止 して きた 事 等 が,よ い こ とに な って い る の で 変 わ っ て きた と思 う。」 「思 って い るだ け で は い け な い んで す 。 や は り,口),r出 して訴 え た り,行 動 に 移 す こ とが 大 切 な こ とです 。」 「この 会 で の 収 穫 は,高 校 生 同士 が 集 ま って 共Y'楽 しんだ こ と と,こ れ か ら 施 設 を 自分 た ち の 手 で,よ り よ い,住 み よい 環 境 に して い く こ とだ と思 い ま す 。」 「た く さん の 友 達 が で きた し,た くさん の 人 の意 見 に触 れ る こ とは とて もい い こ とだ と思 う。 そ してそ の意 見 が 学 園 を 変 えて い くのだ と思 う。」 「施 設 を 変}る の は 高校 生 だ とい う割 りに は,弱 気 な発 言 が 多 い 。 本 当 に 施 設 を変 え る の は 高校 生 だ けで は な く高校 生 を 中心 に して子 供 全 員 一 人 一 人 が 強 い意 見 を もっ て 変}て い か なけ れ ぽ い け な い と思 う。」 他 方,、交 流会 に ア シス タ ン トと して 参 加 した 施設 職 員 の側 も,施 設 にお い て は聴 け な い高 校 生 た ち の生 の 声 を きい て,か な り衝 撃 を 受 け る と同 時 に 施設 改 善 の方 策 を提 示 す る高 校 生 の 意 見表 明 の重 さを認 識 す る よ う に な って きて い る。 以 下 に職 員 の感 想 の代 表 的 な もの を 若 干紹 介す る。 「高 校 生 の 発 言 が まだ まだ不 満 だ らけ で正 当 な要 求 に な って い な くて も,こ れ が 彼 等 の ぶ ち当 た って い る現 実 で あれ ぽ,施 設 職 員 と して,私 達 は も っ と大 胆 に,改 善 へ の道 を 考}て い か ね ぽ な らな い と思 う。」 厂近 い 将 来,高 校 生 か らの現 状 変 革 の提 言 に耳 を 傾 け ざる を え な い だ ろ う し,施 設 は そ うした 高 校生 か らの建 設 的,積 極 的 発 言 を 必 要 と して い る。」 「『感 謝 は して い る け ど信 用 して い な い 』 口 うる さ く 『も っ と 自分 た ち を信 用 して 欲 しい 』 と い う言葉 を耳V'し,大 変 な こ とだ と思 った。 家庭 の 替 わ りと して の 施 設 で の 生 活 が この程 度 の もの で あ った とす れ ば,そ の人 は大 変不 幸だ としか 考 え られ な い ので あ る。」 「初 日は シ ラけ て い た 高校 生 が,帰 る時 ,『 何かわか らんけ ど,こ のままで あ って は い け ん と思 った 。』 とい って くれ た 時,こ の会 の意 義 は あ っ た と確 認 した 。」(以 上,鳥 取 大 会) 「高校 生 との 会 話 か ら感 じ取 った 施 設 の危 険 性 は,大 人 た ちだ け の御 都 合 主
我 国におけ る 「養護児童 の声」運動の可能性 義 で 施 設 が 運 営 され て い な い か,子 供達 個 々が 潜 在 的Y'つ パ ワー 及 び 自主 性 が 殺 され て は い ない か,さ らに,児 童 福 祉 に お い て 安 易 に考 え られ て い る常識 が,主 体 者 であ る児 童 を除 外 した と ころで 一 人 歩 き して い る,と い う こ とで あ る。」 「施設 の 不 合 理 な 問題 に対 す る討 議 が,施 設 で生 活す る 高校 生 自身V'よ って な され る こ とは 重 要 だ し,や は り発 言 に 説 得 力 が あ る。 子供 た ち の真 剣 な まな ざ し と屈 託 の ない 表 情 に 私 自身 大 い に励 ま され 考 え させ られ た 。」 「今 の 何 とか 保 って い る平穏(?)な 生 活 に 固着 した い が ゆ え に,職 員 が指 導 しやす い 管 理 生 活 を 強 い て は い な いだ ろ うか … … 彼 等 は 多 くの児 童 の代 弁 者 で あ り,そ の意 見 に聴 く耳 を 傾 け た 時,初 め て 『互 い に育 ち合 う養 護 』V'な り,彼 等 の 人 格 を 尊 重 して い く事 に な る ので は な い か 。」 「彼 等 の 言 葉 に重 み を 付 け,市 民 権 を 与 え る援 助 が 必 要 で あ る。」 「今 回 の 交 流会 で は,私 が施 設 に勤 務 して か ら常 々気 に な っ て いた こ とが・ 実 際 に高 校 生 の生 の 声 とな って 出て き ま した 。」 「施 設 職 員 とい う こ とで 本 音 を 吐 露 して くれ た とは思 え な いが,施 設 職 員だ か らこそ,か な り率 直 な感 想 ・意 見 を 出 して くれ た部 分 も あ る よ うに思 えた。」 (以 上,美 深 大会) 「… … 児 童 の声 に,児 童 福 祉 に 携 わ る人 間 の一 人 と して襟 を 正 され る思 いが した … … 私 達 職 員 は,児 童 の保 護 者 と して,ま た 彼 等 の将 来 を 思 い 児 童 の代 弁 者 として 養 護 児 童 の実 態 を 伝},広 く社 会 に理 解 を 求 め て い く責 任 が あ る。 児 童 か らも養 護 施設 に生 活 す る こ との 引 け 目や 偏 見 を取 り除 い て ほ し い との切 実 な 訴 えが あ る。私 達 は,彼 等 の声 に 心 して耳 を傾 け な けれ ぽ な らな い と思 う。」 「… … ナ マ の声 の迫 力 は私 の 細 胞 の 隅kま で浸 透 す る か の よ うだ った 。 特 に,施 設 長 とい う立 場 に あ る私 は,あ る時 は針 の ム シ ロに座 らされ て い る思 い が した が,彼 女 らが 厳 しい施 設 批 判 を 展 開す る傍 らで,同 じ施 設 へ の い とお し み を 吐 露 す るのを 聴 いて 救 わ れ た … … 家庭(人)に 恵 まれ なか った 子 供 が やむ な く入 った 施設 とい う場 にお い て も信 頼 で きる人 に恵 まれ なか った,と 訴xる の を 聴 い て 身 の置 き場 に 困 った 。 子 供 が大 人 を み る 目は鋭 く,厳 しい 。 それ に 応 え る人 間 性 と専 門 性 こそ 求 め られ て い る のだ が … … 。 子 供 の 信 頼 に足 る大 人
に な って い る か,子 供 に受 け入 れ られ る大 人 に な る努 力を して い るの か,自 問 せ ざ るを 得 な か った 。」 「施設 側 は,高 校 生 の存 在 そ の も のを まず は 受 け 入れ,立 場 の 優 位 性 に 胡 座 を か か ず,彼 等 の 自律 心 の 育成 に努 めて み て は ど うか。 高 校 生 の側 も,諦 め と 不 信 の 中 に 安 住 して い て は仕 方 が な い …彼 等 に は,明 らかに 現 状 変 革 の エ ネ ル ギ ー とそ の 可 能 性 が 潜 在 して い る。 交 流 会 で 出会 った 高校 生 の 中 に は,既 に 有 為 で,施 設 で の 中 心 的 役 割 を 果 た して い る頼 も しい 若 者 が数 多 く見 ら れ た。」 ロの (以 上,京 都 大 会) 5.今 後 の 課 題 日英 の 比 較 か ら 表2に 見 る通 り,全 国 養護 施設 高校 生 交 流 会 と英 国 の 「養 護 児 童 の声 」 活 動 は,あ らゆ る次 元 で 様 相 を 異 に して お り,一 方 は施 設(職 員)内 か らの 改善 運 動 の一 種 であ り,他 は養 護 サ ー ビス 利用 当事 者 であ る児 童 自身 に よる改 善 運 動 で あ る。 しか し,両 者 に共 通 す る の は,「 養 護 児 童 の 声」 を児 童 養 護 改 善 のた め の現 状 認 識 とサ ー ビス評 価 に不 可 欠 な意 見表 明 と位 置 付 け,厂 声 」 を組 織 的 Y'開 示 し よ う とす る視 点 で あ る。英 国 で は,ソ ー シ ャル ワ ー ク発 達 の仕 方 の ゆ え に施 設(職 員)内 か らの改 善 運 動 は 夢 想 だ に で きず,他 方,我 国 で は 養護 児 童(養 護 経 験 者 を 含 む)自 身 が サ ー ビス 利用 者 と して の 権 利 擁護 運 動 の 一一環 と し て こ う した 活 動 を 組 織 す る とい う発 想 が で きる ほ ど,社 会 福 祉 の理 念 と現 実 が 成 熟 し て い な い 。これ 程 の差 異 を越 え て,同 じ視 点が 要 請 され て い る こ とは, そ の視 点 の普 遍 性 の証 明 の一 つ で あ る とい え る か も しれ な い 。 本稿 の 冒頭 に掲 げ た3つ の文 章 は,そ の視 点 を論 理 づ け る証 言 ・根 拠 で あ る。 一 つ は,交 流会 参 加児 童 の ア シ ス タ ン トへ の語 り掛 け,次 は 英 国新 児 童 法(1989年)の 中心 理 念 の専 門家 に よる解 説,最 後 は 国 連 こ ど もの権 利 条 約 第12条 で あ る 。いず れ も, これ ま で の児 童 福 祉(も ち ろ ん 児童 を め ぐる社 会 政 策 全 般)'Yわた り)を 牛耳 り,君 臨 して き た家 父 長 的 父 権 的 神 話 厂我k大 人 は こ ど もに最 善 の こ とを ち ゃ ん と知 っ て い る(か ら彼 等 に 最 善 に な る よ うに政 治 ・行 政 ・実 践 を 行 う)」 の欺 瞞 性 を 暴 く と共 に,真 の 意 味 に お い て 児童 人 権 擁 護 を 社会 制 度 に お い て 実
我国におけ る 「養護児童 の声」運動 の可能性 表2英 日 「養護 児 童 の 声」 運 動 の 比較 英 国 日 本 主 催 者 ・団 体 参 加 者 目 的 活 動 内 容 活 動 頻 度 活動計画立案者 社 会 的 認 知 度 活 動 の 性 格 活 動 財 源 ・支援 そ の 他 今 後 の 課 題 全 国児 童 研 究 所(1975年 会議 の み) 全 国養 護 児 童 協 会(NAYPIC) 12∼20歳 の 施 設 児 童 ・里 子 ・養 護 経 験 者 (NAYPIC支 援 ボ ラ ン テ ィア と し て の 市 民 ・ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー ・法 律 家 ・教 員) サ ー ビス評 価 ・施 策 実 務 改善 意 見表 明 ・討論 を通 して施 策 実 務 改善 案 を 明 確化 す る一 中央 ・ 地 方 政府 委 員 会,専 門職 団体, 教 育 研修 団体,職 員 研 修 会 に お い て 意 見具 申 ・勧告 を 行 う(レ ク リエ ー シ ョソも伴 う) 年 次 総 会 ・地 方 支 部 定例 会,施 策 実 務 が 変 化 しそ うに な る と随 時 児童 の代 表 とNAYPIC職 員 (養護 経 験 老) 養護 児 童権 利 擁護 運動 の一 環 と して社 会 的 に確 立 し,関 係 者 か ら認 知 され てい る 利用者の 自助活動 保健省(NAYPIC専 任職員雇 用 ・事務所 の経費負担)地 方 自 治体社会福祉部長会の事務所 ・ 事 務労力支援 NAYPICか らINCARE COMPANYの 分 離 地 方支 部 増 大,財 源 の確 保 エ イジ コ ソサ ー ンの よ うな普 遍 的 活 動 を 目指 す 養育 研 究 会(1988年) 全 国養 護 施 設 高校 生 会 議 準備 会 (エ989年) 全 国養 護 施 設 協議 会(1990年) 15∼18歳 の施 設 で 生 活 す る 高 校 ・専 門学 校 生 (ア シス タ ソ ト:施 設 長 ・指導 員 ・保 母 ・児 童 福 祉 司 ・民 間福 祉 機 関職 員 ・大 学 教員) 交流 と連帯感 の培養 ・主体性の 確立 分 散 会 ・全 体 会 で の討 論 で施 設 生 活 に 関 わ る諸 問題 を 明確 化 す る と ともに,各 施 設 の高校 生 と 交流 で き る レク リエ ー シ ョンを 行 う 年 に1回 施設長 ・指導員 等 の 実 行 委 員 (児童含 まず) 高齢 児養護処遇の一環 としての 養護 施設高校生の主体性確立運 動の試行段階 施設内か らの処遇改革努力 参加費が主要財源 新 聞社寄付な ど 参加職員の研修効果大 きい 参加者 か らOB会 設置希望大 増大す る参加者 と会の在 り方の 再検討 全養協におけ る評価位置付け確 立 アシスタソ トの研修
現 し よ うとす る視 点 を提 供 して い る。 ゆ えに,英 国 の 「養 護 児 童 の声 」 活 動 が 実 績 を 上 げ て い るの と同様 に,我 国 の全 国養 護 施設 高校 生 交 流 会 が 計 り知 れ な い潜 在 的 可 能 性 を 秘 め て い る こ とは疑 い得 な い 。 これ ま で の3回 の実 践 は,そ の こ とを 確 か に 実 証 して い る。 しか し,今 後 よ り一 層 の 発 展 を は か る た め に 解 決 す べ き課題 が幾 つ か残 っ て い る。 まず,全 国 養護 施 設 協 議 会 に お け る本交 ロゆ 流 会 の 評 価 と位置 付 け の 問題 で あ る。63施 設 が 高校 生 を 参 加 させ た とは い え,1 そ の 数 は 施設 総 数 の僅 か12%で あ り,全 養協 よ り送 った 交 流 会 へ の 招待 状 が職 員 ・こ ど もに届 い て い な い 施 設 もか な りあ る と推 測 され る。 全 養協 主 催 とな り,来 年 以降 本 年 以 上 に参 加 希 望 者 が 増 大す る と考 え られ る。 そ うす る と,ビ れ ま で の よ うに 年 に1度1か 所 に全 員 が集 ま って 開催 す る こ とに は非 常 な 困 難 が 伴 う こ と とな る。rつ か の 地 方 に分 け て実 施 す るか,年 に複 数 回各 地 で行 う,と い う よ うな こ とが 要請 され る よ うに な るか も しれ な い。 そ れ に加 え て, 交 流 会 の主 旨を 徹 底 しつ つ・ 参 加 希 望 職 員 へ の導 入 と して事 前 事 後 研 修 会 を 実 施 す る必 要 が 生 じ るで あ ろ う。 ま た,交 流 会 参 加 児童 の事 後 組 織(OB・OG 会)に つ い て も何 等 か の考 慮 が必 要 に な ろ う。 い ずれ に しろ,こ れ まで の 方 式 を 踏 襲 す るだ け で は 既 に対 応 で き な くな りつ つ あ る こ とは確 か で あ る。 最 後 に 確 認 して,強 調 し てお きた い こ とは,全 国養 護 施 設 高校 生 交 流 会 とい う運 動 は, 我 国 に お け る 「養 護 児 童 の声 」 活 動 の 一 つ の選 択 肢 に 過 ぎな い とい うこ とで あ る 。 厂養護 施 設 の あ るべ き姿 を追 究 す る好 機 とい}… … ともす れ ば,管 理 主 義 ・ 職 員 の都 合 主 義),Y陥 りが ち な施 設 の様 態 に対 して 具 体 的 な提 言 を して くれ る事 なの 業 」 と評 価 され るが ゆ え に,現 状 で は,こ の 交 流会 の活 動 の充 実 発 展 に関 係 者 ・関 係 団体 が 全 力 を 注 ぐべ き こ とは い うまで もな い が,こ れ 以 外 に も,「 養 護 児童 の 声」 活動 の 実 質 を体 現 で き る 日本 的 モ デ ル が構 想 され る可 能 性 にっ い て も真 剣 な探 求が 要 請 され るで あ ろ う。 註 (1)全 国養 護 施 設 高校 生 交 流 会 第3回 京 都 大会 にお け る高校 生 の 発 言,全 国養 護 施 設協 議会r全 国 養 護 施 設 高校 生 交 流会 ・京 都 大会 ・報 告 書』1990年10月25日 刊,p.67(こ の報 告 書,参 加 児童 の 『感 想文 集 』 お よび京 都 大 会 を記 録 し40分 に編 集 した ヴ ィデ オ は,全 養 協 か平 安養 育 院 一京 都 市 東 山 区林 下442-075/561/0680で 購 入で き る)
我国におけ る 「養護児童 の声」運動の可能性 (2)Smith.M.P.(1989)TheChidrenAct.1989,NationalChildren'sBureau, ResearchHighlightNo.91. (3)Article120fU.N.ConventionontheRightsoftheChild,国 連 こ ど も 権 利 条 約 の 第12条,国 際 教 育 法 研 究 会 訳 ・編 集 『ζ ど も の 権 利 条 約 』,子 ど もの 人 権 連, 1989年,p.20. (4)NationalChildren'sBureau(1977)WhoCares2-YoungPeoplein,CareSpeak Out,拙 訳,英 国 児 童 福 祉 研 究 会,1982年 。 (5)NationalAssociationofYoungPeopleInCare(1983Evidencetothe ParliamentarySelectCommitteeon℃7zildrenin(Y,are',拙 訳,英 国 児 童 福 祉 研 究 会,1983年 。 (6)以 下 の 拙 稿 を 参 照 せ よ。 「英 国 児 童 養 護 に お け る 利 用 者 の サ ー ビ ス 評 価 活 動 の 展 開 と意 義 」 四 条 畷 学 園 女 子 短 期 大 学 研 究 論 集 第16号,1982年,「 海 外 の 児 童 養 護 一 養 護 児 童 の 声 」r季 刊 児 童 養 護 』 第14巻1号,1983年,「 英 国 の 児 童 が ま と め た 養 護 問 題 検 討 会 報 告 書 」r世 界 の 児 童 と母 性 』 第18号,資 生 堂 社 会 福 祉 事 業 団,ユ985年,拙 訳 「養 護 児 童 の 声 を 聴 く 一 カ ナ ダ に お け る 『養 護 児 童 の 声 』 活 動 へ の 接 近 」 大 阪 市 立 大 学 社 会 福 祉 研 究 会 紀 要 第5号,1986年`ListeningtoChildren-WhoCaxes?'by KathleenKufeldt,BritishJournalofSocialWork(June1984)No.14,BASW, 厂養 護 児 童 の 声 を 聴 く一 座 談 会 か ら学 ぶ こ と」r養 護 施 設 の40年 一 原 点 と方 向 を さ ぐ る 』 全 国 養 護 施 設 協 議 会,1986年,「 英 国 児 童 養 護 に お け る 当 事 者 組 織 一 『養 護 児 童 の 声 』 と 全 国 養 護 児 童 協 会 」rソ ー シ ャ ル ワ ー・ク研 究 』Vo1.12,No.4,第47号,1ソ ー シ ャ ル ワ ー ク研 究 所,相 川 書 房,拙 編 訳(1990)`The2ndReportofaJapanese WhoCares2Meeting'TheProvisionalGroupforOrganisingNationalConference ofYoungPeopleinCareinJapan. (7)木 下 茂 幸 「養 護 施 設 の 高 校 生 交 流 会 」r月 刊 福 祉 』 第72巻5,1989年,p.72.な お 木 下 氏 と 共 に,交 流 会 の 中 核 を 担 っ て き た 藤 野 興 一 氏 は,交 流 会 発 足 の 契 機 を 次 の よ う に 説 明 し て い る 。 「… 高 年 齢 処 遇,高 校 生 処 遇 の 問 題 と い うの が 現 在 の 養 護 施 設 界 に と っ て 重 要 な 問 題 で す 。 我kが 子 供 た ち の 社 会 的 自 立 と い う こ と を 考 え る と き に, これ は 避 け て 通 る こ と の で き な い 大 き な 問 題 で あ り,今 で は 大 学 進 学 問 題 ま で 含 め て 大 き な 問 題 で あ る と 思 っ て い ます 。 そ うい う意 味 で,ま ず 我kと し て は 高 校 生 め 声 を 聴 き た い 。 我 々 職 員 が こ うい う形 で 研 修 会 を も ち ま す が,高 校 生 自 身,例 え ば 生 まれ て か らず っ と施 設 で 育 っ て い る 。 施 設 しか 頼 る と こ ろ が な い とい う子 供 達 が 自分 の 施 設 を ど の よ うに み て い る の か 。 ど うい う願 い を も っ て い る の か 。 ど うい う叫 び を も っ て い る の か,と い う こ と を ぜ ひ,一 つ 社 会 的 な 声 に ま で す べ き だ と 思 っ た の で す 。」 藤 野 興 一 「全 国 養 護 施 設 高 校 生 交 流 会 の 取 り組 み か ら 自 立 を 考 え る 」r季 刊 児 童 養 護 』 第20巻3号,1990年,p.29. (8)鳥 取 県 児 童 家 庭 課 『第1回 養 護 施 設 の 高 校 生 交 流 会 一 鳥 取 大 会 報 告 書 』1988年, pp.6^-10.